JP2008091641A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工痕の形状を加味することで、容易かつ確実に、ワークの被処理面を目標形状に加工し得るプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置1は、プラズマ放出部80とワーク10とを相対的に移動させつつ、プラズマ放出部80より放出されたプラズマにより被処理面101をプラズマ処理してエッチングするプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理の際の処理時間またはプラズマ放出部80とワーク10との相対的な移動速度と、被処理面101に形成される加工痕の形状との関係を示す既知の情報を記憶する記憶手段60と、前記情報と、目標形状データとに基づいて、前記処理時間または前記移動速度の条件を含む、前記加工痕の形状を加味した加工計画データを作成する加工計画データ作成手段とを有し、前記加工計画データに基づいて、被処理面101に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行うよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークをプラズマにより処理するプラズマ処理装置に関するものである。
材料の表面を加工する方法の1つとして、電圧または高周波を印加した電極間に反応ガスを供給し、反応ガスに基づくラジカルを発生させ、該ラジカルとワークとのラジカル反応によって生成された生成物質を除去することで加工を行う、いわゆるプラズマChemical Vaporization Machining(以下、「プラズマCVM」と略す。)が知られている。
このようなプラズマCVMでは、電極またはワークを走査するなどして、互いの位置関係を変化させながらワークの被処理面に対しプラズマ処理する方法が行われている(例えば、特許文献1)。
また、ワークの被処理面のプラズマ処理前の形状データ(座標データ)と目標形状データ(座標データ)とに基づいて、プラズマ放出部とワークとの相対的走査速度(移動速度)や停止時間(処理時間)等の移送手段の作動(駆動)を制御(数値制御:NC)して、プラズマ処理を行うプラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、このようなプラズマ処理装置では、プラズマ処理によりワークの被処理面に形成される加工痕の形状は、前記相対的走査速度や停止時間によって異なるが、その加工痕の形状を加味した移送手段の作動の制御、すなわち、加工痕の形状を加味した前記相対的走査速度や停止時間の条件の設定は、なされておらず、このため、ワークの被処理面を目標形状に加工するのは、困難であった。
特開平1−125829号公報 特開平4−246184号公報
本発明の目的は、加工痕の形状を加味することで、容易かつ確実に、ワークの被処理面を目標形状に加工し得るプラズマ処理装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のプラズマ処理装置は、1対の電極のうちの一方または双方を備えたプラズマ放出部と、
プラズマ生成のためのガスを供給するガス供給手段と、
前記1対の電極間に電圧を印加する電源を備えた電源回路と、
前記プラズマ放出部とワークとを相対的に移動させる移送手段とを有し、
前記プラズマ放出部と前記ワークとを相対的に移動させつつ、前記1対の電極間に電圧を印加することにより、前記ガスを活性化してプラズマを生成し、前記プラズマ放出部より放出された前記プラズマにより前記ワークの被処理面をプラズマ処理してエッチングするプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ処理の際の処理時間または前記プラズマ放出部と前記ワークとの相対的な移動速度と、前記ワークの被処理面に形成される加工痕の形状との関係を示す既知の情報を記憶する記憶手段と、
前記情報と、前記ワークの被処理面の目標形状データとに基づいて、前記処理時間または前記移動速度の条件を含む、前記加工痕の形状を加味した加工計画データを作成する加工計画データ作成手段とを有し、
前記加工計画データに基づいて、前記ワークの被処理面に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行うよう構成されていることを特徴とする。
これにより、加工痕の形状が加味され、容易かつ確実に、ワークの被処理面を目標形状に加工することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記加工計画データ作成手段は、前情報と、前記ワークの被処理面の形状データと、前記ワークの被処理面の目標形状データとに基づいて、前記処理時間または前記移動速度の条件を含み、前記加工痕の形状を加味した加工計画データを作成するよう構成されていることが好ましい。
これにより、加工痕の形状が加味され、容易かつ確実に、ワークの被処理面を目標形状に加工することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記ワークの被処理面の形状を検出するワーク被処理面形状検出手段を有し、
前記ワーク被処理面形状検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークの被処理面の形状データを作成するよう構成されていることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、ワークの被処理面の形状データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ放出部をテスト用ワークに対して静止させ、または、前記プラズマ放出部と前記テスト用ワークとを相対的に移動させて、処理時間または移動速度を換えて、前記テスト用ワークの被処理面に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行い、前記テスト用ワークの被処理面に形成された各処理時間毎または各移動速度毎の加工痕の形状データを取得する形状データ取得手段と、
前記各形状データに基づいて、所定の関数で、前記加工痕の断面の形状を近似し、形状近似データを作成する形状近似データ作成手段とを有し、
前記形状近似データを前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されていることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、加工痕の断面の形状に近似した形状近似データが得られ、ワークの被処理面を目標形状に加工することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記形状近似データ作成手段は、前記処理時間または前記移動速度の前記加工痕の形状への依存性を示す検量線を作成し、該検量線を利用して、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの前記形状近似データを作成し、
前記検量線を利用して作成した形状近似データを、さらに前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されていることが好ましい。
これにより、テスト用ワークへのプラズマ処理を行わずに、容易に、測定点とは異なる複数の処理時間または測定点とは異なる複数の移動速度のときの形状近似データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記形状近似データ作成手段は、前記処理時間または前記移動速度の前記加工痕の形状への依存性を示す検量線を作成し、該検量線を利用して、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの前記形状近似データを作成するよう構成されており、
前記検量線を、さらに前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されていることが好ましい。
これにより、テスト用ワークへのプラズマ処理を行わずに、容易に、測定点とは異なる複数の処理時間または測定点とは異なる複数の移動速度のときの形状近似データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記検量線には、前記処理時間または前記移動速度と、前記加工痕の最大加工深度との関係を示すものが含まれることが好ましい。
これにより、テスト用ワークへのプラズマ処理を行わずに、より確実に、測定点とは異なる複数の処理時間または測定点とは異なる複数の移動速度のときの形状近似データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記所定の関数には、ガウシアン分布が含まれることが好ましい。
これにより、加工痕の断面の形状により近似した形状近似データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、形状データ取得手段は、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出するテスト用ワーク被処理面検出手段を有し、前記テスト用ワークの被処理面のプラズマ処理によるエッチング加工の前に、前記テスト用ワーク被処理面検出手段により、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出し、前記テスト用ワークの被処理面のプラズマ処理によるエッチング加工の後に、前記テスト用ワーク被処理面検出手段により、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出し、これらの検出結果に基づいて、前記加工痕の形状データを作成するよう構成されていることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、加工痕の形状データを得ることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記プラズマ放出部は、前記1対の電極のうちの一方の電極と、前記ガス供給手段により供給されるガスを噴出するノズルとを有し、
前記1対の電極のうちの他方の電極は、前記ワークを介して前記一方の電極と対向して配置されており、
前記1対の電極間に電圧を印加することにより、前記ノズルから噴出された前記ガスを活性化してプラズマを生成するように構成されていることが好ましい。
これにより、より確実に、ワークの被処理面をプラズマ処理してエッチングすることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記一方の電極は、少なくとも前記ワークと対面する側が誘電体部で覆われていることが好ましい。
これにより、1対の電極間において、電極である金属等が露出しないため、電極間に電界を均一に発生させることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記一方の電極は、電圧を印加する上部電極であり、前記他方の電極は、接地された下部電極であり、前記ワークは前記他方の電極上に載置されていることが好ましい。
これにより、さらに確実に、ワークの被処理面をプラズマ処理してエッチングすることができる。
以下、本発明のプラズマ処理装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の実施形態を示す図(断面図、側面図、ブロック図)、図2は、図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理装置本体を示す縦断面図(断面正面図)、図3は、図2中のA−A線断面図である。
なお、以下の説明では、図1中互いに直交する3つの方向をx軸方向、y軸方向およびz軸方向とする。そのうち、ワーク10の被処理面101をxy平面とし、被処理面101の法線方向をz軸方向とする。以下、対応する方向はその他の図においても同様である。また、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理装置本体11と、ワーク10に処理ガスを噴出するノズル5を有するプラズマ放出部(処理ガス噴出部)80とワーク10とを相対的に2次元的(x軸方向およびy軸方向)に移動させる移送手段20と、プラズマ放出部80とワーク10とを相対的にz軸方向(ワーク10の被処理面101の法線方向)に移動させるz軸方向移動手段25とを備えている。
まず、プラズマ処理装置本体11について、図2を用いて説明する。
図2に示すプラズマ処理装置本体11は、ワーク10を介して互いに対向して設けられた1対の電極(上部電極2および下部電極3)と、1対の電極間に処理ガスを噴出するノズル5と、処理ガスをノズル5に供給する処理ガス供給流路6と、1対の電極(上部電極2および下部電極3)間に電圧を印加する高周波電源(電源)72を備えた電源回路7と、プラズマ生成のための処理ガスを供給するガス供給手段8とを備えている。
このプラズマ処理装置本体11は、1対の電極(上部電極2および下部電極3)間に処理ガスを供給しつつ、電圧を印加することにより、処理ガスを活性化してプラズマを生成させ、該プラズマによりワーク10の被処理面101をプラズマ処理してエッチング(研摩を含む)する装置、すなわち、ワーク10の被処理面101に対してプラズマ処理によるエッチング加工(エッチング処理)を行う装置である。以下、プラズマ処理してエッチングすること(プラズマ処理によるエッチング加工を行うこと)を、単に、プラズマ処理またはエッチング(エッチング加工)とも言う。
以下、プラズマ処理装置本体11の各部の構成について説明する。
図2および図3に示すように、誘電体部4は、誘電体材料で構成された四角柱状の形状をなしている。そして、その上面に開口する凹部41が形成されている。この凹部41は、その下端側に向かって外径が縮径されている。そして、その凹部41に上部電極2(図2では上面以外全て)が挿入されている。上部電極2が挿入されることにより、1対の電極間において、電極である金属等が露出しないため、電極間に電界を均一に発生させることができる。また、上部電極2を誘電体部4で覆っているため、インピーダンスの増大を防止することができ、比較的低電圧で所望の放電を生じさせ、プラズマを確実に発生させることができる。さらに、電圧印加時における絶縁破壊を防止して、アーク放電が生じるのを好適に防止し、グローライクな安定した放電を得ることもできる。
なお、誘電体部4の形状は、例えば円錐台や円柱状など、特に限定されない。
このような誘電体部4の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の各種プラスチック、石英ガラス等の各種ガラス、無機酸化物等が挙げられる。前記無機酸化物としては、例えば、Al(アルミナ)、SiO、ZrO、TiO等の金属酸化物、窒化シリコンなどの窒化物、BaTiO(チタン酸バリウム)等の複合酸化物等の誘電体材料等が挙げられる。これらのうち、金属酸化物が好ましく、アルミナがより好ましい。このような材料を用いることにより、電界におけるアーク放電の発生をより確実に防止することができる。
上部電極2は、その上面が誘電体部4から露出している。
この上部電極2は、電圧を印加するための電極であるため、該露出した位置で電気的接続をとるために導線71を介して高周波電源72に接続されている。
また、上部電極2の上面に、後述するプラズマ生成のための処理ガスを供給するガス供給手段8が連通している。そして、上部電極2の内部には、ガス供給手段8から供給された処理ガスをプラズマ発生領域30に導く処理ガス供給流路6が形成されている。
上部電極2の形状は、円柱状に形成され(図2、図3)、下端部の外径が縮径されている。このような形状により、凹部41と密着するため、凹部41に確実に上部電極2を挿入することができるとともに、上部電極2の電流密度を高めることができる。
上部電極2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀等の金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金等の各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等が挙げられる。
上部電極2は、ワーク10から所定距離(図2中、hで示す長さ)だけ離れた位置に配置される。かかる距離hは、電源回路7の出力や、ワーク10に施すプラズマ処理の種類等を考慮して適宜設定される。常圧でプラズマ処理する場合、インピーダンス、ガス流量、ガス放電寿命等より0.5〜10mmであるのがより好ましい。これにより、プラズマ発生領域30に電界を確実に発生させることができる。
また、誘電体部4は、ワーク10から所定距離(図2中、hで示す長さ)だけ離れた位置に配置される。かかる距離hは、電源回路7の出力や、ワーク10に施すプラズマ処理の種類等を考慮して適宜設定される。常圧でプラズマ処理する場合、インピーダンス、ガス流量、ガス放電寿命、ガス圧力等より0.1〜10mmであるのがより好ましい。これにより、アーク放電を起こすことなく、プラズマ発生領域30に電界を確実に発生させることができる。
なお、上部電極2は、その下面(ワーク10と対面する側)が誘電体部4に覆われていれば、その外周面が誘電体部4に覆われていなくてもよい。これにより、プラズマ発生領域30に金属などの電極材料が露出しないため、少ない量の誘電体材料で、電界の集中によるワーク10の破損などを効率的に防止することができる。
下部電極3は、接地電極としての機能を有する電極であり、導線71を介して直接接地されている。これにより、下部電極3の帯電を防止することができ、プラズマ発生領域30に確実に電界を発生させることができる。
また、下部電極3はワーク10の台(支持部)としての機能も有するため、下部電極3の上面に、ワーク10が接触して設置(載置)されている。これにより、確実に、ワーク10の被処理面101をプラズマ処理することができる。
下部電極3の形状は、例えば平板状、円柱状など、特に限定されない。また、下部電極3の構成材料は、上部電極2と同様に、特に限定されない。
ノズル5は、誘電体部4の下面42に開口し、ワーク10に臨む(対面する)ように位置している。そして、ノズル5は、誘電体部4の下面42の中心に1つ形成されている。
このように、誘電体部4の下面42の中心に開口して設けられていることにより、上部電極2と下部電極3との間の空間(以下、「プラズマ発生領域30」という。)の中心に処理ガスを噴出できるため、該ガスがプラズマ発生領域30に均一に広がり、プラズマを均一に発生させることができる。
なお、図示例では、ノズル5の孔の形状は、円形状に形成されているが、例えば四角形状や楕円形状など、その形状は特に限定されない。
処理ガス供給流路6は、上部電極2の上面に開口し、上部電極2の内部に上下方向に延在して設けられている。そして、その下流端は、誘電体部4を貫通してノズル5に連通している。
処理ガス供給流路6の横断面形状は、例えば円形状、帯状など、特に限定されない。
なお、上部電極2と、誘電体部4と、ノズル5と、処理ガス供給流路6とが一体となって形成されたものをプラズマ放出部(処理ガス噴出部)80という。
電源回路7は、1対の電極(上部電極2および下部電極3)間に電圧を印加する高周波電源72と、上部電極2と高周波電源72と下部電極3とを導通する導線71とを備えている。また、高周波電源72は、後述する制御手段70によりその作動(駆動)が制御される図示しない電力調整部を有しており、制御手段70の制御(指令)により、供給する電力(供給電力)の大きさ(電力値)を可変(変更)し得るようになっている。また、図示されていないが、供給する電力に対する整合回路(インピーダンスマッチング回路)や、高周波電源72の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源72の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)などが必要に応じて設置されている。これにより、ワーク10に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
上部電極2に、導線(ケーブル)71を介して、高周波電源72が接続され、また、下部電極3に、導線71を介して、高周波電源72が接続されており、これにより、電源回路7が構成されている。この電源回路7は、その一部、すなわち、下部電極3側の導線71がアース(接地)されている。
ワーク10にプラズマ処理によるエッチング加工を行うときは、高周波電源72が作動して下部電極3と上部電極2との間に電圧が印加される。このとき、その下部電極3と上部電極2との間には、電界が発生し、ガスが供給されると、放電が生じて、プラズマが発生する。
また、高周波電源72の周波数は、特に限定されないが、10〜70MHzであるのが好ましく、10〜40MHzであるのがより好ましい。
ガス供給手段8は、プラズマ生成のための処理ガスを処理ガス供給流路6に供給する。このガス供給手段8は、所定のガスを充填し供給するガスボンベ(ガス供給源)81と、ガスボンベ81から供給されるガスの流量を調整するマスフローコントロ−ラ(流量調整手段)82と、マスフローコントロ−ラ82より下流端側で、処理ガス管84内の流路を開閉するバルブ(流路開閉手段)83と、処理ガス供給流路6の上端部に接続された処理ガス管84とを有している。
このようなガス供給手段8は、ガスボンベ81から所定のガスを送り出し、マスフローコントロ−ラ82で流量を調節する。そして、処理ガス管84を通って、上部電極2の上面に開口し、上部電極2の内部に形成された処理ガス供給流路6に処理ガスを導入(供給)する。
このようなプラズマ処理によるエッチング加工に用いるガス(処理ガス)としては、例えば、CF、C、C、C、CClF、SF等のフッ素原子含有化合物ガスやCl、BCl、CCl等の塩素原子含有化合物ガスなどの各種ハロゲン系ガスが用いられる。
また、このような処理ガスは、一般に、上記処理ガスとキャリアガスとからなる混合ガス(以下、単に「ガス」とも言う)が用いられる。なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言う。
この場合、ガスボンベ81内に、混合ガス(処理ガス+キャリアガス)を充填して用いてもよいし、処理ガスとキャリアガスとがそれぞれ別のガスボンベに充填され、処理ガス管84の途中でこれらが所定の混合比で混合されるような構成であってもよい。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。
混合ガス中における処理ガスの占める割合(混合比)は、特に限定されないが、例えば、混合ガス中の処理ガスの割合が1〜10%であるのが好ましく、5〜10%であるのがより好ましい。これにより、効率的に放電が開始され、処理ガスにより、所望のプラズマ処理をすることができる。
供給するガスの流量は、ガスの種類、処理の程度等に応じて適宜決定される。通常は、30SCCM〜50SLM程度であるのが好ましい。これにより、効率的にプラズマ発生領域30の中央部の圧力が上がるため、微細な加工をすることができる。
プラズマ処理装置本体11のプラズマ放出部80とワーク10とを相対的に2次元的(x軸方向およびy軸方向)に移動させる移送手段20としては、ワーク10および図示しないテスト用ワークが設置(載置)される下部電極3をx軸方向およびy軸方向に移動させるNC(数値制御)ステージ移動装置が用いられている。この移送手段20は、ワーク10およびテスト用ワークをプラズマ処理してエッチング加工する際に、それぞれ、下部電極3(ワーク10およびテスト用ワーク)をx軸方向およびy軸方向に移動して、それらの被処理面101をプラズマ放出部80に対して2次元的に走査する走査手段であり、移動速度(プラズマ放出部80とワーク10およびテスト用ワークとの相対的な移動速度)や停止時間等を調整(変更)することができるように構成されている。また、移送手段20の作動(駆動)は、NC(数値制御)制御装置16により制御されるようになっている。
なお、本発明では、例えば、x軸方向およびy軸方向について、下部電極3(ワーク10およびテスト用ワーク)側が固定され、移送手段20は、プラズマ放出部80側をx軸方向およびy軸方向に移動させるように構成されていてもよい。
また、プラズマ放出部80とワーク10とを相対的にz軸方向(ワーク10の被処理面101の法線方向)に移動させるz軸方向移動手段25としては、プラズマ放出部80をz軸方向に移動させる移動装置が用いられている。このz軸方向移動手段25により、プラズマ放出部80と、ワーク10の被処理面101およびテスト用ワークの被処理面との間の間隙距離を調整(変更)することができる。また、z軸方向移動手段25の作動(駆動)は、制御手段70により制御されるようになっている。
なお、本発明では、例えば、z軸方向について、プラズマ放出部80側が固定され、z軸方向移動手段25は、下部電極3(ワーク10およびテスト用ワーク)側をz軸方向に移動させるように構成されていてもよい。
以上の構成により、プラズマ放出部80は、ワーク10の被処理面101およびテスト用ワークの被処理面の上方の空間(作業空間)において、ワーク10およびテスト用ワークに対して、相対的に、xyz3次元空間内で任意の位置(座標)に移動可能となっている。
次に、プラズマ処理装置1の回路構成について説明する。
図1に示すように、このプラズマ処理装置1は、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)50と、記憶手段60と、プラズマ処理装置1の全体の作動(駆動)を制御する制御手段70と、目標形状データ入力部13と、表面測定器14と、NC制御により移送手段20の作動(駆動)を制御するNC制御装置16とを備えている。
操作部50としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部50は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)を兼ねるものでもよい。
記憶手段60は、プラズマ処理の際の処理時間(以下、単に「処理時間」とも言う)またはプラズマ放出部80とワーク10との相対的な移動速度(以下、単に「移動速度」とも言う)と、ワーク10の被処理面101に形成される加工痕の形状との関係を示す情報等の各種の情報、データ、演算式、テーブル、プラズマ処理装置1の動作のシーケンスプログラム、プラズマ処理のシーケンスプログラム、加工計画データを作成するためのプログラムなどのプログラム等が記憶(記録とも言う)される記憶媒体(記録媒体とも言う)を有している。この記憶媒体は、例えば、RAM等の揮発性メモリー、ROM等の不揮発性メモリー、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー等の書き換え可能(消去、書き換え可能)な不揮発性メモリー等、各種半導体メモリー、ICメモリー、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等で構成される。この記憶手段60における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、制御手段70によりなされる。
目標形状データ入力部13は、ワーク10の被処理面101の目標形状を示す目標形状データを入力する手段である。目標形状データは、目標形状データ入力部13から制御手段70に入力される。
表面測定器14は、ワーク10の被処理面101の形状および図示しないテスト用ワークの被処理面の形状をそれぞれ検出(測定)する検出部(検出部)と、その検出結果(測定結果)に基づいて、ワーク10の被処理面101の形状を示す形状データおよびテスト用ワークの被処理面の形状を示す形状データをそれぞれ作成するデータ作成部(データ作成手段)とを有している。従って、この表面測定器14により、ワーク10の被処理面101の形状を検出するワーク被処理面形状検出手段と、テスト用ワークの被処理面の形状を検出するテスト用ワーク被処理面検出手段とが構成される。ワーク10の被処理面101の形状データおよびテスト用ワークの被処理面の形状データは、それぞれ、表面測定器14から制御手段70に入力される。
制御手段70は、例えば、CPUあるいはこれを備えるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、制御手段70には、操作部50からの信号(入力)、目標形状データ入力部13および表面測定器14からのデータ等が、それぞれ入力される。
制御手段70は、操作部50からの信号、目標形状データ入力部13および表面測定器14からのデータ等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、加工計画データを作成するとともに、プラズマ処理装置1の各部の作動(駆動)、例えば、ガス供給手段8(マスフローコントロ−ラ82、バルブ83等)、電源回路7(高周波電源72等)、z軸方向移動手段25、表面測定器14、記憶手段60等の作動をそれぞれ制御する。なお、この制御手段70により、所定の関数で加工痕の断面の形状(断面形状)を近似した形状近似データを作成する形状近似データ作成手段と、加工計画データを作成する加工計画データ作成手段との主機能が達成(構成)される。また、前記表面測定器14および制御手段70により、加工痕の形状データを取得する形状データ取得手段が構成される。
NC制御装置16は、例えば、CPUあるいはこれを備えるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、NC制御装置16には、制御手段70により作成された加工計画データ等が、入力される。
NC制御装置16は、制御手段70からの加工計画データ等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、NC制御により移送手段20の作動を制御する。
ワーク10としては、特に限定されないが、本実施形態では、例えば、電子デバイスの基板として用いられるものが挙げられる。具体的な材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、水晶等の各種ガラス、アルミナ、シリカ、チタニア等の各種セラミックス、シリコン、ガリウム−ヒ素等の各種半導体材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等各種プラスチック(樹脂材料)のような誘電体材料で構成されたものが挙げられる。これらのうち、特に、水晶や石英などの各種ガラスや各種半導体材料に好ましく用いられる。
ワーク10の形状としては、板状のもの、長尺な層状のものなどが挙げられる。
次に、プラズマ処理装置1の作用(動作)を説明する。まず、図2の基本動作を説明する。
ワーク10を下部電極3上に設置する。電源回路7を作動させるとともに、バルブ83を開く。そして、マスフローコントロ−ラ82によりガスの流量を調整し、ガスボンベ81からガスを送り出す。これにより、ガスボンベ81から送り出されたガスは、処理ガス管84内を流れ、所定の流量で処理ガス供給流路6に供給される。そして、処理ガス供給流路6に供給されたガスは、ノズル5から噴出される。
ノズル5から噴出された処理ガスは、噴出直後は真下に向かって噴出されるが、ノズル5の真下のワーク10に当って、上部電極2の外周方向へと流れる。
一方、電源回路7の作動により、上部電極2と下部電極3の間に高周波電圧が印加され、プラズマ発生領域30に電界が発生する(放電される)。
プラズマ発生領域30に流入した処理ガスは、放電によって活性化され、プラズマが発生する。そして、発生したプラズマ(活性化されたガス)が、ワーク10の被処理面101に接触し、その被処理面101にエッチング加工が施される。
被処理面101の加工は、移送手段20によってワーク10をx軸方向、y軸方向に移動しながら行うことができる。この場合、プラズマ放出部80のz軸方向の移動は固定した状態とする。すなわち、プラズマ放出部80の誘電体部4とワーク10との間の離間距離(ギャップ長)を一定にして加工を行う。
例えば、図1において、プラズマを発生させた状態で、x軸プラス方向にワーク10を走査した後、所定のピッチ分(例えば、プラズマ発生領域30の幅分だけ)y軸方向に移動し、x軸マイナス方向に走査する。このような走査(移動)を順次繰り返し、ワーク10の被処理面101の全面を処理してもよい。
また、上記のワーク10の走査方法において、所定のピッチ分y軸方向に移動させる際、1度プラズマの発生を停止し、所定のピッチ分y軸方向に移動した後、再度プラズマを発生させて加工を行ってもよい。
また、被処理面101を浅く加工したい場合には、z軸方向移動手段25を作動させ、プラズマ放出部80と被処理面101との間の離間距離を大きくすればよい。
このような移送手段20やz軸方向移動手段25により、ワーク10の被処理面101を所望の形状、所望の範囲で簡単、迅速にプラズマ処理することができる。
なお、本発明では、ワーク10を連続的に移動させつつ、プラズマ処理を行ってもよく、また、ワーク10の移動と停止とを交互に行って、そのワーク10を段階的(ステップ状)に移動させつつ、プラズマ処理を行ってもよい。ワーク10を連続的に移動させる場合は、移動速度等の調整により、プラズマ照射時間が調整される。また、ワーク10を段階的に移動さる場合は、停止時間(処理時間)等の調整により、プラズマ照射時間が調整される。
さて、このプラズマ処理装置1は、記憶手段60に記憶されたプラズマ処理の際の処理時間(以下、単に「処理時間」とも言う)またはプラズマ放出部80とワーク10との相対的な移動速度(以下、単に「移動速度」とも言う)と、ワーク10の被処理面101に形成される加工痕の形状との関係を示す既知の情報と、ワーク10の被処理面101の形状を示す形状データと、ワーク10の被処理面101の目標形状を示す目標形状データとに基づいて、処理時間または移動速度の条件を含む、加工痕の形状を加味した加工計画データを作成し、この加工計画データに基づいて、ワーク10の被処理面101に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行うよう構成されている。
加工計画データの内容としては、前記処理時間または移動速度の条件の他、例えば、改行距離(x軸方向にワーク10を走査した後、y軸方向にワーク10を所定距離移動させるときのその所定距離)、ワーク10の被処理面101の同一箇所に対するプラズマ処理の回数(走査回数)等が挙げられる。
以下、詳細に説明する。
(1)
まず、テスト用ワークを下部電極3上に設置する。このテスト用ワークとしては、プラズマ処理するワーク10と同一の材質(物性)、形状、寸法のものを用いる。
そして、表面測定器14により、テスト用ワークの被処理面の形状を検出(測定)し、その検出結果(測定結果)に基づいて、テスト用ワークの被処理面の形状データを作成する。この形状データは、記憶手段60に記憶される。
なお、テスト用ワークの被処理面の形状データの作成は、テスト用ワークを下部電極3上に設置せずに行ってもよい。これは、以降におけるテスト用ワークの被処理面の形状データの作成、ワーク10の被処理面101の形状データの作成の場合も同様である。
(2)
次に、テスト用ワークを静止させた状態、または、テスト用ワークを移動させて、処理時間(プラズマ照射時間)または移動速度を換えて、テスト用ワークの被処理面に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行う。すなわち、テスト用ワークを静止させた状態でプラズマ処理を行う場合は、処理時間およびプラズマの照射位置を換えて、複数回行う。また、テスト用ワークを移動させて(テスト用ワークの移動中に)プラズマ処理を行う場合は、移動速度を換えて、複数回行う。テスト用ワークの移動方向は、1軸方向、例えば、x軸方向またはy軸方向とする。
なお、移動速度または処理時間以外の各条件(例えば、ガスの組成、ガス流量、電力、電源周波数、プラズマ放出部80とテスト用ワークとの間の離間距離等)は、すべて、ワーク10に対してプラズマ処理するときの条件と同一に設定する。
(3)
次に、表面測定器14により、テスト用ワークの被処理面の形状を検出し、その検出結果に基づいて、テスト用ワークの被処理面の形状データを作成する。この形状データは、記憶手段60に記憶される。
そして、前記プラズマ処理の前のテスト用ワークの被処理面の形状データと、プラズマ処理の後のテスト用ワークの被処理面の形状データとに基づいて、前記プラズマ処理によって形成された各加工痕の形状を示す各加工痕の形状データを作成する。これにより、各処理時間毎または各移動速度毎の加工痕の形状データが得られる。この処理時間の異なる複数の加工痕の形状データまたは移動速度の異なる複数の加工痕の形状データは、その処理時間または移動速度と対応させて、記憶手段60に記憶される。以下、処理時間と移動速度とを総括して、加工時間条件と言う。
(4)
次に、各加工痕の形状データに基づいて、所定の関数で、その加工痕の断面の形状を近似し、各加工痕の形状近似データを作成する。各形状近似データは、その加工時間条件と対応させて、記憶手段60に記憶される。なお、前記断面としては、加工痕の中心(最大加工深度のポイント)を通り、z軸に平行な断面(縦断面)(以下、単に「断面」と言う)とするのが好ましい。
また、用いる関数としては、そのグラフの形状が、加工痕の断面の形状に近似したものであれば、特に限定されず、加工痕の断面の形状に応じて適宜決定される。前記関数の具体例としては、例えば、ガウシアン分布等の分布関数、2次関数、4次関数、台径型の関数、三角形型の関数等が挙げられる。また、複数の関数を組み合わせて用いてもよい。
ここで、必要な加工時間条件分の前記加工痕の形状近似データを、実測して作成してもよいが、処理時間または移動速度の加工痕の形状への依存性を示す検量線(例えば、テーブル、演算式等)を作成し、その検量線を利用して、テスト用ワークから加工痕の形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、テスト用ワークから加工痕の形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの形状近似データを作成するように構成するのが好ましい。これにより、テスト用ワークへのプラズマ処理を行わずに、容易に、測定点とは異なる複数の処理時間または測定点とは異なる複数の移動速度のときの形状近似データを得ることができる。この検量線を利用して作成した各形状近似データは、その加工時間条件と対応させて、記憶手段60に記憶される。
前記検量線は、処理時間または移動速度の加工痕の形状への依存性を示すものであれば、特に限定されないが、処理時間または移動速度と、加工痕の最大加工深度との関係を示すものが好ましい。
なお、検量線を記憶手段60に記憶しておき、必要時に、その検量線を利用して、テスト用ワークから加工痕の形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、テスト用ワークから加工痕の形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの形状近似データを作成するように構成してもよい。
これら(1)〜(4)の工程は、移動速度または処理時間以外の各条件(例えば、ガスの組成、ガス流量、電力、電源周波数、プラズマ放出部80とテスト用ワークとの間の離間距離等)や、ワーク10の材質等を変更する場合を除き、1度行えばよい。
なお、プラズマ放出部80を交換(変更)する場合、異なる種類(形態)のものに交換する場合は、前記(1)〜(4)の工程を再び行う。一方、同一の種類のものと交換する場合は、前記(1)〜(4)の工程は、必ずしも行う必要はないが、プラズマ放出部80の個体差によるバラツキを抑制するためには、前記(1)〜(4)の工程を再び行うのが好ましい。
(5)
ワーク10の被処理面101に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行う際は、まず、ワーク10を下部電極3上に設置するとともに、目標形状データ入力部13により、ワーク10の被処理面101の目標形状を示す目標形状データを入力する。この目標形状データは、記憶手段60に記憶される。
そして、表面測定器14により、ワーク10の被処理面101の形状を検出(測定)し、その検出結果(測定結果)に基づいて、ワーク10の被処理面101の形状データを作成する。この形状データは、記憶手段60に記憶される。
(6)
次に、前記処理時間または移動速度と加工痕の形状との関係を示す情報、すなわち、実測して作成した各加工痕の形状近似データと、検量線を利用して作成した各加工痕の形状近似データと、前記ワーク10の被処理面101の形状データと、前記ワーク10の被処理面101の目標形状データとに基づいて、加工計画データを作成する。この加工計画データは、NC制御装置16入力される。
(7)
次に、ワーク10の被処理面101に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行う。このプラズマ処理の際は、NC制御装置16は、前記加工計画データに基づいて、NC制御により移送手段20の作動を制御する。
なお、本実施形態では、プラズマ処理を開始する前に、ワーク10の被処理面101の形状データを得、加工計画データを作成するようになっているが、本発明では、これに限らず、例えば、プラズマ処理の最中に、ワーク10の被処理面101の形状データを得、加工計画データを、随時、更新(変更)するようになっていてもよい。
次に、前記(2)〜(4)の工程について、具体的な構成例を挙げて説明する。
この構成例では、テスト用ワークを静止させた状態で、処理時間を10秒、30秒、60秒の3パターンとし、下記の条件でプラズマ処理を行い、関数として、ガウシアン分布を用いて、加工痕の断面の形状を近似して形状近似データを作成した場合について説明する。
<処理条件>
He流量:1SLM
CF流量:10SCCM
電力:200W
プラズマ放出部80とテスト用ワークとの間の離間距離:0.5mm
テスト用ワークの被処理面に対するプラズマ処理により、処理時間10秒、30秒、60秒に対応する図4に示す断面形状の3つの加工痕が形成される。
次に、各加工痕の形状データに基づいて、ガウシアン分布の関数で、各加工痕の断面の形状を近似し、各加工痕の形状近似データを作成する。ガウシアン分布の式は、下記(1)式で表される。
Figure 2008091641
なお、上記(1)式において、変数xを、加工痕の断面におけるx軸方向の位置(x座標)に対応させ、f(x)を、加工痕の加工深度(深さ)に対応させる。
前記ガウシアン分布の関数で、加工痕の断面の形状を近似し、加工痕の形状近似データを作成する方法は、特に限定されないが、例えば、上記(1)式において、2つの未知数σおよびμを定めればよいので、テスト用ワークの被処理面の形状データに基づいて、2つ以上の関係式を作り、その関係式に基づいて、σおよびμを決定する。前記関係式のううちの1つは、最大加工深度のときの関係式であるのが好ましい。これらの演算処理は、制御手段70によって行われる。下記の演算処理も同様である。
また、図5に示すように、処理時間と加工痕の最大加工深度との関係を示す検量線を作成する。これは、例えば、テスト用ワークの被処理面の形状データ、すなわち、実測データである処理時間10秒、30秒、60秒に対応する3つの加工痕の最大加工深度の値に基づいて、補間処理を行い、作成することができる。この検量線により、あらゆる処理時間(例えば、5秒、20秒、40秒、80秒等)における加工痕の最大加工深度を求めることができる。これによって、前記検量線を用いることにより、あらゆる処理時間に対して、前記ガウシアン分布の関数で、加工痕の断面の形状を近似し、加工痕の形状近似データを作成することができる。
以上説明したように、このプラズマ処理装置1によれば、加工痕の形状を加味して、加工計画データを作成するので、容易かつ確実に、ワーク10の被処理面101を目標形状にプラズマ処理してエッチング加工することができる。
また、検量線を有しているので、テスト用ワークへのプラズマ処理を行わずに、容易に、測定点とは異なる複数の処理時間または測定点とは異なる複数の移動速度のときの形状近似データを得ることができる。すなわち、テスト用ワークに対する少ない実測回数で、あらゆる処理時間またはあらゆる移動速度のときの形状近似データを得ることができる。これにより、手間がかからず、迅速に、ワーク10の被処理面101を目標形状に加工することができる。
また、プラズマ放出部80やその上部電極2を変更して(切り替えて)、プラズマ処理を行う場合でも、容易かつ迅速に対応することができる。
また、プラズマ処理装置1の組み立ての際や、プラズマ放出部80が劣化、破損し、プラズマ放出部80、上部電極2等を交換する際において、調整時間を短縮することができる(条件出しが容易である)。
以上、本発明のプラズマ処理装置について、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。プラズマ処理装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明では、電源は、高周波電源に限らず、例えば、低周波電源であってもよい。
また、本発明のプラズマ処理装置は、プラズマ放出部が1対の電極を有する形態のものでもよい。
また、本発明のプラズマ装置の用途は、特に限定されないが、本発明は、例えば、酸化絶縁膜の加工、除去、ガラス(石英)などの無歪加工、水晶加工などに適用することができる。また、MEMS等への応用も可能である。
本発明のプラズマ処理装置の実施形態を示す図(断面図、側面図、ブロック図)である。 図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理装置本体を示す縦断面図(断面正面図)である。 図2中のA−A線断面図である。 処理時間の異なる3つの加工痕の断面形状を示す図である。 検量線の構成例を示す図である。
符号の説明
1……プラズマ処理装置 11……プラズマ処理装置本体 13……目標形状データ入力部 14……表面測定器 16……NC制御装置 2……上部電極 3……下部電極 4……誘電体部 41…………凹部 42……下面 5……ノズル 6……処理ガス供給流路 7……電源回路 71……導線 72……高周波電源 8……ガス供給手段 81……ガスボンベ 82……マスフローコントロ−ラ 83……バルブ 84……処理ガス管 10……ワーク 101……被処理面 20……移送手段 25……z軸方向移動手段 30……プラズマ発生領域 50……操作部 60……記憶手段 70……制御手段 80……プラズマ放出部

Claims (12)

  1. 1対の電極のうちの一方または双方を備えたプラズマ放出部と、
    プラズマ生成のためのガスを供給するガス供給手段と、
    前記1対の電極間に電圧を印加する電源を備えた電源回路と、
    前記プラズマ放出部とワークとを相対的に移動させる移送手段とを有し、
    前記プラズマ放出部と前記ワークとを相対的に移動させつつ、前記1対の電極間に電圧を印加することにより、前記ガスを活性化してプラズマを生成し、前記プラズマ放出部より放出された前記プラズマにより前記ワークの被処理面をプラズマ処理してエッチングするプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ処理の際の処理時間または前記プラズマ放出部と前記ワークとの相対的な移動速度と、前記ワークの被処理面に形成される加工痕の形状との関係を示す既知の情報を記憶する記憶手段と、
    前記情報と、前記ワークの被処理面の目標形状データとに基づいて、前記処理時間または前記移動速度の条件を含む、前記加工痕の形状を加味した加工計画データを作成する加工計画データ作成手段とを有し、
    前記加工計画データに基づいて、前記ワークの被処理面に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行うよう構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記加工計画データ作成手段は、前情報と、前記ワークの被処理面の形状データと、前記ワークの被処理面の目標形状データとに基づいて、前記処理時間または前記移動速度の条件を含み、前記加工痕の形状を加味した加工計画データを作成するよう構成されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記ワークの被処理面の形状を検出するワーク被処理面形状検出手段を有し、
    前記ワーク被処理面形状検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークの被処理面の形状データを作成するよう構成されている請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記プラズマ放出部をテスト用ワークに対して静止させ、または、前記プラズマ放出部と前記テスト用ワークとを相対的に移動させて、処理時間または移動速度を換えて、前記テスト用ワークの被処理面に対してプラズマ処理によるエッチング加工を行い、前記テスト用ワークの被処理面に形成された各処理時間毎または各移動速度毎の加工痕の形状データを取得する形状データ取得手段と、
    前記各形状データに基づいて、所定の関数で、前記加工痕の断面の形状を近似し、形状近似データを作成する形状近似データ作成手段とを有し、
    前記形状近似データを前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記形状近似データ作成手段は、前記処理時間または前記移動速度の前記加工痕の形状への依存性を示す検量線を作成し、該検量線を利用して、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの前記形状近似データを作成し、
    前記検量線を利用して作成した形状近似データを、さらに前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されている請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記形状近似データ作成手段は、前記処理時間または前記移動速度の前記加工痕の形状への依存性を示す検量線を作成し、該検量線を利用して、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の処理時間と異なる処理時間、または、前記テスト用ワークから前記形状データを取得した際の移動速度と異なる移動速度のときの前記形状近似データを作成するよう構成されており、
    前記検量線を、さらに前記情報として前記記憶手段に記憶するよう構成されている請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記検量線には、前記処理時間または前記移動速度と、前記加工痕の最大加工深度との関係を示すものが含まれる請求項5または6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記所定の関数には、ガウシアン分布が含まれる請求項4ないし7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 形状データ取得手段は、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出するテスト用ワーク被処理面検出手段を有し、前記テスト用ワークの被処理面のプラズマ処理によるエッチング加工の前に、前記テスト用ワーク被処理面検出手段により、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出し、前記テスト用ワークの被処理面のプラズマ処理によるエッチング加工の後に、前記テスト用ワーク被処理面検出手段により、前記テスト用ワークの被処理面の形状を検出し、これらの検出結果に基づいて、前記加工痕の形状データを作成するよう構成されている請求項4ないし8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記プラズマ放出部は、前記1対の電極のうちの一方の電極と、前記ガス供給手段により供給されるガスを噴出するノズルとを有し、
    前記1対の電極のうちの他方の電極は、前記ワークを介して前記一方の電極と対向して配置されており、
    前記1対の電極間に電圧を印加することにより、前記ノズルから噴出された前記ガスを活性化してプラズマを生成するように構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記一方の電極は、少なくとも前記ワークと対面する側が誘電体部で覆われている請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記一方の電極は、電圧を印加する上部電極であり、前記他方の電極は、接地された下部電極であり、前記ワークは前記他方の電極上に載置されている請求項10または11に記載のプラズマ処理装置。
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