JP2008091215A - 酸化錫膜形成剤、該酸化錫膜形成剤を用いる酸化錫膜形成方法、及び該形成方法により形成される酸化錫膜 - Google Patents

酸化錫膜形成剤、該酸化錫膜形成剤を用いる酸化錫膜形成方法、及び該形成方法により形成される酸化錫膜 Download PDF

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Takayuki Okada
貴之 岡田
Shinichi Sasaoka
眞一 笹岡
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Abstract

【課題】低温で酸化錫膜を形成することができる酸化錫膜形成剤を提供する。
【解決手段】(1)p個のβ位に二重結合を有する有機基(pが2〜4の場合有機基は同じでも異ってもよい)とm個のハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基のうちいずれか1種及びn個のハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基のうちいずれか1種と結合した1個の錫原子よりなる化合物(pは1〜4、m及びnは0〜3の整数を示し、p+m+n=4である)(2)2個のβ位に二重結合を有する有機基及び1個の二重結合で結ばれた酸素原子と結合した1個の錫原子よりなる化合物(3)1個のβ位に二重結合を有する有機基と1個の二重結合で結ばれた酸素原子及び1個の水酸基と結合した1個の錫原子よりなる化合物((1),(2),(3)中の有機基はそれぞれ同一または異なる)の有機錫化合物を少なくとも1種含有する酸化錫形成剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化錫膜形成剤、該酸化錫膜形成剤を用いる酸化錫膜形成方法、及び該形成方法により形成される酸化錫膜に関する。
酸化錫薄膜は、電子デバイスの電極、光学膜等の様々な用途に使用される。このような用途に用いられる酸化錫薄膜には、一般的に透明性が高く、かつ電気特性が均一であることが求められている。従来より、酸化錫薄膜の基板としてはガラス基板が通常使用されている。
近年、酸化錫薄膜が多用されるプラズマディスプレイや液晶ディスプレイの分野、太陽電池の分野等において、デバイスの大型化に伴い、酸化錫薄膜の大面積化が要求されている。
しかし、酸化錫薄膜の基板としてガラス基板を使用する場合、酸化錫薄膜の大面積化に伴い重量増加、価格増加等の問題がある。そこで、酸化錫薄膜をプラスチック基板上に堆積することにより、安価で軽いディスプレイ、赤外線反射膜、タッチパネル等の開発が積極的に取り組まれている。
一方、酸化錫薄膜の形成方法として、上記膜特性の安定性及び透明性を確保するため、従来からイオンビーム法、スパッタリング法等の物理的方法が用いられている。
しかし、これらの手法を用いて大画面のデバイスを得るためには、より大型で且つ精密な高真空加工装置が必要となる。かかる装置を用いる場合、高い加工エネルギーが必要となるためランニングコストが高くなる。また、膜形成工程が複雑化することにより該工程に必要とされる種々の装置を設置するための広い敷地面積を要するという問題がある。しかも、高真空加工装置は非常に高価である。
上記観点から、特に大画面かつ高性能な酸化錫薄膜を得るために、上述した物理的方法を用いたプロセスに代わる新しい酸化錫薄膜の形成プロセスの検討が行われている。
その代替方法として最も有望視されているのが、薄膜形成の際に複雑な装置や工程が不要な熱分解法である。
熱分解法としては、基板上に、錫化合物、特にアルキル錫化合物やカルボン酸錫塩などを含む塗布液を塗布して薄膜を形成し、これを熱分解して酸化錫薄膜を形成する方法が一般的である。
アルキル錫化合物やカルボン酸錫塩などを塗布して酸化錫薄膜を形成する方法として、例えば、ジブチル錫ジアセテートを含む塗布液、又はテトラブチル錫を含む塗布液を基板上に塗布して薄膜を形成し、これを焼成する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、カルボン酸錫塩を含む塗布液、或いはカルボン酸錫塩と塩化パラジウム又は塩化白金酸とを含む塗布液を基板上に塗布して薄膜を形成し、これを焼成する方法も開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記のようなアルキル錫化合物やカルボン酸錫塩などを塗布して酸化錫薄膜を形成する方法は、有機基と錫原子との結合を切るのに高い温度を要し、酸化錫薄膜に有機成分が残存しないように、さらに、高温で後焼成する必要がある。そのため、基材に相当な熱的負荷がかかる。よって、この方法を採用する場合、使用できる基材が、ガラスやポリイミド、ポリアリレート等の耐熱性の良いポリマー素材からなる基材に限定されるという問題がある。
この問題を解消する方法として、テトラブチル錫又は塩化第二錫を含む塗布液に熱分解促進剤として過酸化水素を使用することにより分解温度の低温化を図る方法が開示されているが(特許文献3)、この方法でも分解温度は300℃程度であり、使用できる基材が未だ限定されている。
よって、酸化錫薄膜の大面積化に伴い、汎用のポリマー素材の基板に対して熱分解法により酸化錫薄膜を形成する際に、さらに低温で分解する錫化合物からなる酸化錫膜形成剤の開発が切望されている。
特開平7−330336号公報 特開昭60−81704号公報 特開2002−146536号公報
本発明は、低温で酸化錫膜を形成することができる酸化錫膜形成剤を提供することを主な目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の有機錫化合物を含有する酸化錫膜形成剤が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の酸化錫膜形成剤に係る。
1. 下記一般式(1):
Figure 2008091215
下記一般式(2):
Figure 2008091215
並びに、下記一般式(3):
Figure 2008091215
(一般式(1)、(2)及び(3)中、R、R及びRは、それぞれ同一又は異なって、β位に二重結合を有する有機基を示し、pが2〜4の整数の場合、Rは、同一又は異なっていてもよく、X及びYは、それぞれ同一又は異なって、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を示し、pは1〜4の整数を示し、m及びnは0〜3の整数を示し、p+m+n=4である。)
で表される有機錫化合物を少なくとも1種含有する酸化錫膜形成剤。
2. 前記有機基が、下記一般式(4):
Figure 2008091215
(式中、R、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
の炭化水素基、或いは、下記一般式(5):
Figure 2008091215
(式中、R、R、R、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
の炭化水素基である上記項1に記載の酸化錫膜形成剤。
3. 上記項1又は2に記載の酸化錫膜形成剤を含む溶液を基材に塗布した後、200℃以下で熱処理することを特徴とする酸化錫膜形成方法。
4. 上記項3に記載の酸化錫膜形成方法により形成される酸化錫膜。
酸化錫膜形成剤
本発明の酸化錫膜形成剤は、一般式(1):
Figure 2008091215
一般式(2):
Figure 2008091215
並びに、一般式(3):
Figure 2008091215
(一般式(1)、(2)及び(3)中、R、R及びRは、それぞれ同一又は異なって、β位に二重結合を有する有機基を示し、pが2〜4の場合、Rは、同一又は異なっていてもよく、X及びYは、それぞれ同一又は異なって、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を示し、pは1〜4の整数を示し、m及びnは0〜3の整数を示し、p+m+n=4である。)
で表される有機錫化合物を少なくとも1種含有する。
本発明の酸化錫膜形成剤は、有機錫化合物を含有する。特に、本発明において、前記有機錫化合物は、錫原子に、β位に二重結合を有する有機基が結合してなるものである。本発明の酸化錫膜形成剤を用いて酸化錫膜を形成する際、低い温度(200℃以下)で有機成分を分解・除去することができる。
本発明の酸化錫膜形成剤は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される有機錫化合物を、任意の割合で混合して使用できる。
β位に二重結合を有する有機基としては、特に限定されないが、主に、下記一般式(4):
Figure 2008091215
(式中、R、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
の炭化水素基、或いは、下記一般式(5):
Figure 2008091215
(式中、R、R、R、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
の炭化水素基を挙げることができる。
以下、β位に二重結合を有する有機基について、上記一般式(4)又は(5)の有機基を代表例として本発明の酸化錫膜形成剤、酸化錫膜形成方法及び酸化錫膜について具体的に説明する。
なお、本発明では、上記有機錫化合物そのものを酸化錫膜形成剤としてもよいし、上記有機錫化合物及び公知の添加剤からなる混合物を酸化錫膜形成剤としてもよい。公知の添加剤としては、例えば、トリフルオロ酢酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素、三塩化アンチモン、三フッ化アンチモン、トリエトキシアンチモン、オクチル酸アンチモン等が挙げられる。
一般式(1)で表される有機錫化合物
上記一般式(1)で表される有機錫化合物中、Rは、下記一般式(4A)又は(5A)のβ位に二重結合を有する有機基を示し、Rを2以上含む場合、同一又は異なっていてもよい。
Figure 2008091215
Figure 2008091215
一般式(4A)中、R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が挙げられる。
特に、R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aとしては、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が好ましい。炭素原子数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基或いはアルケニル基及びアリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、フェニル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
本発明においては、R4A及びR5Aは、水素原子であることが好ましい。
一般式(5A)中、R6A、R7A、R8A、R9A及びR10Aは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が挙げられる。
6A、R7A、R8A、R9A及びR10Aとしては、特に、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が好ましく、水素原子がより好ましい。炭素原子数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基或いはアルケニル基及びアリール基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、フェニル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、X及びYは、それぞれ同一又は異なって、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。この中でも、特に塩素原子が好ましい。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロパノイルオキシ酸残基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。この中でも、特にアセトキシ基及びピバロイルオキシ基が好ましい。
一般式(1)中、pは1〜4の整数を示し、m及びnは0〜3の整数を示す。また、p、m及びnは、p+m+n=4の条件を満たすものである。
一般式(1)で表される有機錫化合物の具体例を下記1)〜11)に示す。
1)m=0、n=0のとき、すなわち、(RSnの場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、テトラアリル錫、テトラメタリル錫、テトラクロチル錫、テトラプレニル錫等が挙げられる。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、テトラシクロペンタジエニル錫、テトラキス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)錫、テトラキス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)錫等が挙げられる。
2)m=1、X=ハロゲン原子、n=0、又は、m=0、n=1、Y=ハロゲン原子のとき、すなわち、(RSnD(式中、Dは、上記ハロゲン原子として例示したものと同様)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、トリアリル錫クロライド、トリメタリル錫クロライド、トリクロチル錫クロライド、トリプレニル錫クロライド、トリアリル錫ブロマイド、トリメタリル錫ブロマイド、トリクロチル錫ブロマイド、トリプレニル錫ブロマイド等が挙げられる。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、トリシクロペンタジエニル錫クロライド、トリシクロペンタジエニル錫ブロマイド等が挙げられる。
3)m=1、X=アルコキシ基、n=0、又は、m=0、n=1、Y=アルコキシ基のとき、すなわち、(RSnOR(式中、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基、アルケニル基あるいはアリール基を示す)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、トリアリル錫メトキシド、トリメタリル錫メトキシド、トリクロチル錫メトキシド、トリプレニル錫メトキシド、トリアリル錫エトキシド、トリメタリル錫エトキシド、トリクロチル錫エトキシド、トリプレニル錫エトキシド、トリアリル錫n−プロポキシド、トリメタリル錫n−プロポキシド、トリクロチル錫n−プロポキシド、トリプレニル錫n−プロポキシド、トリアリル錫iso−プロポキシド、トリメタリル錫iso−プロポキシド、トリクロチル錫iso−プロポキシド、トリプレニル錫iso−プロポキシド、トリアリル錫n−ブトキシド、トリメタリル錫n−ブトキシド、トリクロチル錫n−ブトキシド、トリプレニル錫n−ブトキシド、トリアリル錫tert−ブトキシド、トリメタリル錫tert−ブトキシド、トリクロチル錫tert−ブトキシド、トリプレニル錫tert−ブトキシド、トリアリル錫フェノキシド、トリメタリル錫フェノキシド、トリクロチル錫フェノキシド、トリプレニル錫フェノキシド等が挙げられる。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、トリシクロペンタジエニル錫メトキシド、トリシクロペンタジエニル錫エトキシド、トリシクロペンタジエニル錫n−プロポキシド、トリシクロペンタジエニル錫iso−プロポキシド、トリシクロペンタジエニル錫n−ブトキシド、トリシクロペンタジエニル錫tert−ブトキシド、トリシクロペンタジエニル錫フェノキシド等が挙げられる。
4)m=1、X=アシルオキシ基、n=0、又は、m=0、n=1、Y=アシルオキシ基のとき、すなわち、(RSnOCOR(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜18の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基、アルケニル基あるいはアリール基を示す)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
トリアリル錫フォルメート、トリメタリル錫フォルメート、トリクロチル錫フォルメート、トリプレニル錫フォルメート、トリアリル錫アセテート、トリメタリル錫アセテート、トリクロチル錫アセテート、トリプレニル錫アセテート、トリアリル錫プロピオネート、トリメタリル錫プロピオネート、トリクロチル錫プロピオネート、トリプレニル錫プロピオネート、トリアリル錫ブチレート、トリメタリル錫ブチレート、トリクロチル錫ブチレート、トリプレニル錫ブチレート、トリアリル錫ピバレート、トリメタリル錫ピバレート、トリクロチル錫ピバレート、トリプレニル錫ピバレート、トリアリル錫オクテート、トリメタリル錫オクテート、トリクロチル錫オクテート、トリプレニル錫オクテート、トリアリル錫ラウレート、トリメタリル錫ラウレート、トリクロチル錫ラウレート、トリプレニル錫ラウレート、トリアリル錫ベンゾエート、トリメタリル錫ベンゾエート、トリクロチル錫ベンゾエート、トリプレニル錫ベンゾエート等が挙げられる。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、トリシクロペンタジエニル錫フォルメート、トリシクロペンタジエニル錫アセテート、トリシクロペンタジエニル錫プロピオネート、トリシクロペンタジエニル錫ブチレート、トリシクロペンタジエニル錫ピバレート、トリシクロペンタジエニル錫オクテート、トリシクロペンタジエニル錫ラウレート、トリシクロペンタジエニル錫ベンゾエート等が挙げられる。
5)m=0〜2、X=ハロゲン原子、n=0〜2、Y=ハロゲン原子(ただし、m+n=2)のとき、すなわち、(RSnD(式中、Dは上記と同じで、同一又は異なっていてもよい)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、ジアリル錫ジクロライド、ジメタリル錫ジクロライド、ジクロチル錫ジクロライド、ジプレニル錫ジクロライド、ジアリル錫ジブロマイド、ジメタリル錫ジブロマイド、ジクロチル錫ジブロマイド、ジプレニル錫ジブロマイド等が挙げられる。この中で、ジメタリル錫ジクロライド及びジプレニル錫ジクロライドは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、ジシクロペンタジエニル錫ジクロライド、ジシクロペンタジエニル錫ジブロマイド等が挙げられる。
6)m=0〜2、X=アルコキシ基、n=0〜2、Y=アルコキシ基(ただし、m+n=2)のとき、すなわち、(RSn(OR(式中、Rは上記と同じで、同一又は異なっていてもよい)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、ジアリル錫ジメトキシド、ジメタリル錫ジメトキシド、ジクロチル錫ジメトキシド、ジプレニル錫ジメトキシド、ジアリル錫ジエトキシド、ジメタリル錫ジエトキシド、ジクロチル錫ジエトキシド、ジプレニル錫ジエトキシド、ジアリル錫ジn−プロポキシド、ジメタリル錫ジn−プロポキシド、ジクロチル錫ジn−プロポキシド、ジプレニル錫ジn−プロポキシド、ジアリル錫ジiso−プロポキシド、ジメタリル錫ジiso−プロポキシド、ジクロチル錫ジiso−プロポキシド、ジプレニル錫ジiso−プロポキシド、ジアリル錫ジn−ブトキシド、ジメタリル錫ジn−ブトキシド、ジクロチル錫ジn−ブトキシド、ジプレニル錫ジn−ブトキシド、ジアリル錫ジtert−ブトキシド、ジメタリル錫ジtert−ブトキシド、ジクロチル錫ジtert−ブトキシド、ジプレニル錫ジtert−ブトキシド、ジアリル錫ジフェノキシド、ジメタリル錫ジフェノキシド、ジクロチル錫ジフェノキシド、ジプレニル錫ジフェノキシド等が挙げられる。この中で、ジメタリル錫ジメトキシド、ジクロチル錫ジメトキシド、ジプレニル錫ジメトキシド、ジアリル錫ジエトキシド、ジアリル錫ジn−ブトキシド、ジメタリル錫ジn−ブトキシド、ジクロチル錫ジn−ブトキシド及びジプレニル錫ジn−ブトキシドは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、ジシクロペンタジエニル錫ジメトキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジエトキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジn−プロポキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジiso−プロポキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジn−ブトキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジtert−ブトキシド、ジシクロペンタジエニル錫ジフェノキシド等が挙げられる。この中で、ジシクロペンタジエニル錫ジメトキシド及びジシクロペンタジエニル錫ジn−ブトキシドは新規化合物である。
7)m=0〜2、X=アシルオキシ基、n=0〜2、Y=アシルオキシ基(ただし、m+n=2)のとき、すなわち、(RSn(OCOR(式中、Rは、上記と同じで、同一又は異なっていてもよい)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、ジアリル錫ジフォルメート、ジメタリル錫ジフォルメート、ジクロチル錫ジフォルメート、ジプレニル錫ジフォルメート、ジアリル錫ジアセテート、ジメタリル錫ジアセテート、ジクロチル錫ジアセテート、ジプレニル錫ジアセテート、ジアリル錫ジプロピオネート、ジメタリル錫ジプロピオネート、ジクロチル錫ジプロピオネート、ジプレニル錫ジプロピオネート、ジアリル錫ジブチレート、ジメタリル錫ジブチレート、ジクロチル錫ジブチレート、ジプレニル錫ジブチレート、ジアリル錫ジピバレート、ジメタリル錫ジピバレート、ジクロチル錫ジピバレート、ジプレニル錫ジピバレート、ジアリル錫ジオクテート、ジメタリル錫ジオクテート、ジクロチル錫ジオクテート、ジプレニル錫ジオクテート、ジアリル錫ジラウレート、ジメタリル錫ジラウレート、ジクロチル錫ジラウレート、ジプレニル錫ジラウレート、ジアリル錫ジベンゾエート、ジメタリル錫ジベンゾエート、ジクロチル錫ジベンゾエート、ジプレニル錫ジベンゾエート等が挙げられる。この中で、ジアリル錫ジフォルメート、ジメタリル錫ジフォルメート、ジクロチル錫ジフォルメート、ジプレニル錫ジフォルメート、ジアリル錫ジアセテート、ジメタリル錫ジアセテート、ジクロチル錫ジアセテート、ジプレニル錫ジアセテート、ジアリル錫ジピバレート、ジメタリル錫ジピバレート、ジクロチル錫ジピバレート、ジプレニル錫ジピバレート、ジメタリル錫ジオクテート、ジクロチル錫ジオクテート及びジプレニル錫ジオクテートは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、ジシクロペンタジエニル錫ジフォルメート、ジシクロペンタジエニル錫ジアセテート、ジシクロペンタジエニル錫ジプロピオネート、ジシクロペンタジエニル錫ジブチレート、ジシクロペンタジエニル錫ジピバレート、ジシクロペンタジエニル錫ジオクテート、ジシクロペンタジエニル錫ジラウレート、ジシクロペンタジエニル錫ジベンゾエート等が挙げられる。この中で、ジシクロペンタジエニル錫ジフォルメート、ジシクロペンタジエニル錫ジピバレート及びジシクロペンタジエニル錫ジオクテートは新規化合物である。
8)m=1、X=水酸基、n=1、Y=ハロゲン原子、又は、m=1、X=ハロゲン原子基、n=1、Y=水酸基のとき、すなわち、(RSnDOH(式中、Dは上記と同じ)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、ヒドロキシジアリル錫クロライド、ヒドロキシジメタリル錫クロライド、ヒドロキシジクロチル錫クロライド、ヒドロキシジプレニル錫クロライド等が挙げられる。この中で、ヒドロキシジメタリル錫クロライド、ヒドロキシジクロチル錫クロライド及びヒドロキシジプレニル錫クロライドは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、ヒドロキシジシクロペンタジエニル錫クロライド、ヒドロキシビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)錫クロライド、ヒドロキシビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)錫クロライド等が挙げられる。
9)m、n=0〜3、X、Y=ハロゲン原子(ただし、m+n=3)のとき、すなわち、(R)SnD(式中、Dは上記と同じ)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、モノアリル錫トリクロライド、モノメタリル錫トリクロライド、モノクロチル錫トリクロライド、モノプレニル錫トリクロライド、モノアリル錫トリブロマイド、モノメタリル錫トリブロマイド、モノクロチル錫トリブロマイド、モノプレニル錫トリブロマイド等が挙げられる。この中で、モノプレニル錫トリクロライドは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、モノシクロペンタジエニル錫トリクロライド、モノシクロペンタジエニル錫トリブロマイド等が挙げられる。
10)m、n=0〜3、X、Y=アルコキシ基(ただし、m+n=3)のとき、すなわち、(R)Sn(OR(式中、Rは上記と同じで、同一又は異なっていてもよい)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、モノアリル錫トリメトキシド、モノメタリル錫トリメトキシド、モノクロチル錫トリメトキシド、モノプレニル錫トリメトキシド、モノアリル錫トリエトキシド、モノメタリル錫トリエトキシド、モノクロチル錫トリエトキシド、モノプレニル錫トリエトキシド、モノアリル錫トリn−プロポキシド、モノメタリル錫トリn−プロポキシド、モノクロチル錫トリn−プロポキシド、モノプレニル錫トリn−プロポキシド、モノアリル錫トリiso−プロポキシド、モノメタリル錫トリiso−プロポキシド、モノクロチル錫トリiso−プロポキシド、モノプレニル錫トリiso−プロポキシド、モノアリル錫トリn−ブトキシド、モノメタリル錫トリn−ブトキシド、モノクロチル錫トリn−ブトキシド、モノプレニル錫トリn−ブトキシド、モノアリル錫トリtert−ブトキシド、モノメタリル錫トリtert−ブトキシド、モノクロチル錫トリtert−ブトキシド、モノプレニル錫トリtert−ブトキシド、モノアリル錫トリフェノキシド、モノメタリル錫トリフェノキシド、モノクロチル錫トリフェノキシド、モノプレニル錫トリフェノキシド等が挙げられる。この中で、モノアリル錫トリメトキシド、モノメタリル錫トリメトキシド、モノクロチル錫トリメトキシド、モノプレニル錫トリメトキシド、モノアリル錫トリn−ブトキシド、モノメタリル錫トリn−ブトキシド、モノクロチル錫トリn−ブトキシド及びモノプレニル錫トリn−ブトキシドは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、モノシクロペンタジエニル錫トリメトキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリエトキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリn−プロポキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリiso−プロポキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリn−ブトキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリtert−ブトキシド、モノシクロペンタジエニル錫トリフェノキシド等が挙げられる。この中で、モノシクロペンタジエニル錫トリメトキシド及びモノシクロペンタジエニル錫トリn−ブトキシドは新規化合物である。
11)m、n=0〜3、X、Y=アシルオキシ基(ただし、m+n=3)のとき、すなわち、(R)Sn(OCOR(式中、Rは、上記と同じで、同一又は異なっていてもよい)の場合
a)Rが一般式(4A)で表される有機基の場合
例えば、モノアリル錫トリフォルメート、モノメタリル錫トリフォルメート、モノクロチル錫トリフォルメート、モノプレニル錫トリフォルメート、モノアリル錫トリアセテート、モノメタリル錫トリアセテート、モノクロチル錫トリアセテート、モノプレニル錫トリアセテート、モノアリル錫トリプロピオネート、モノメタリル錫トリプロピオネート、モノクロチル錫トリプロピオネート、モノプレニル錫トリプロピオネート、モノアリル錫トリブチレート、モノメタリル錫トリブチレート、モノクロチル錫トリブチレート、モノプレニル錫トリブチレート、モノアリル錫トリピバレート、モノメタリル錫トリピバレート、モノクロチル錫トリピバレート、モノプレニル錫トリピバレート、モノアリル錫トリオクテート、モノメタリル錫トリオクテート、モノクロチル錫トリオクテート、モノプレニル錫トリオクテート、モノアリル錫トリラウレート、モノメタリル錫トリラウレート、モノクロチル錫トリラウレート、モノプレニル錫トリラウレート、モノアリル錫トリベンゾエート、モノメタリル錫トリベンゾエート、モノクロチル錫トリベンゾエート、モノプレニル錫トリベンゾエート等が挙げられる。この中で、モノアリル錫トリフォルメート、モノメタリル錫トリフォルメート、モノクロチル錫トリフォルメート、モノプレニル錫トリフォルメート、モノアリル錫トリアセテート、モノメタリル錫トリアセテート、モノクロチル錫トリアセテート、モノプレニル錫トリアセテート、モノアリル錫トリピバレート、モノメタリル錫トリピバレート、モノクロチル錫トリピバレート、モノプレニル錫トリピバレート、モノアリル錫トリオクテート、モノメタリル錫トリオクテート、モノクロチル錫トリオクテート及びモノプレニル錫トリオクテートは新規化合物である。
b)Rが一般式(5A)で表される有機基の場合
例えば、モノシクロペンタジエニル錫トリフォルメート、モノシクロペンタジエニル錫トリアセテート、モノシクロペンタジエニル錫トリプロピオネート、モノシクロペンタジエニル錫トリブチレート、モノシクロペンタジエニル錫トリピバレート、モノシクロペンタジエニル錫トリオクテート、モノシクロペンタジエニル錫トリラウレート、モノシクロペンタジエニル錫トリベンゾエート等が挙げられる。この中で、モノシクロペンタジエニル錫トリフォルメート、モノシクロペンタジエニル錫トリアセテート、モノシクロペンタジエニル錫トリピバレート及びモノシクロペンタジエニル錫トリオクテートは新規化合物である。
特に、本発明において、一般式(1)で表される有機錫化合物としては、上記1)、5)7)、8)、9)及び11)の場合が好ましい。
一般式(1)で表される有機錫化合物は、任意の方法で製造することができる。
例えば、テトラ有機錫(例えば上記1))は、Rに対応するグリニヤール試薬を調製し、これを四塩化錫と反応させる方法、Rに対応する有機リチウム化合物と四塩化錫とを反応させる方法等により合成することができる。
トリ有機錫クロライド、ジ有機錫ジクロライド、モノ有機錫トリクロライド等の有機錫塩化物(例えば上記2)、5)、9))は、テトラオルガノ錫を四塩化錫と任意の割合で再分配反応させることにより合成することができる。
有機錫水酸化物(例えば上記8))は、有機錫塩化物をアルカリ水溶液で加水分解することにより合成することができる。
有機錫アルコキサイド(例えば上記3)、6)、10))は、有機錫塩化物と金属アルコキサイドとを反応させ、金属塩化物を除去することにより合成することができる。
有機錫カルボキシレート(例えば上記4)、7)、11))は、有機錫塩化物とカルボン酸とをアミン存在下で反応させる方法、有機錫アルコキサイドとカルボン酸とを反応させる方法(脱アルコール反応)、有機錫水酸化物とカルボン酸とを反応させる方法(脱水縮合反応)、有機錫水酸化物とカルボン酸無水物とを反応させる方法等により合成することができる。
一般式(2)で表される有機錫化合物
上記一般式(2)で表される有機錫化合物中、Rは、下記一般式(4B)又は(5B)のβ位に二重結合を有する有機基を示す。
Figure 2008091215
Figure 2008091215
一般式(4B)中、R1B、R2B、R3B、R4B及びR5Bは、上記R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aと同様である。特に、本発明においては、R4B及びR5Bが、水素原子であることが好ましい。
一般式(5B)中、R6B、R7B、R8B、R9B及びR10Bは、上記R6A、R7A、R8A、R9A及びR10Aと同様である。特に、本発明においては、R6B、R7B、R8B、R9B及びR10Bは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が好ましく、水素原子がより好ましい。炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基としては、上記例示のものが挙げられる。
一般式(2)で表される有機錫化合物としては、例えばジアリル錫オキサイド、ジメタリル錫オキサイド、ジクロチル錫オキサイド、ジプレニル錫オキサイド、ジシクロペンタジエニル錫オキサイド等が挙げられる。この中で、ジメタリル錫オキサイド、ジクロチル錫オキサイド、ジプレニル錫オキサイド及びジシクロペンタジエニル錫オキサイドは新規化合物である。
一般式(2)で表される有機錫化合物は、任意の方法で製造することができる。
例えば、Rに対応するグリニヤール試薬を調製し、これを四塩化錫と反応させることによりテトラ有機錫を合成し、次いでテトラ有機錫と四塩化錫とを1対1で再分配反応させることにより対応するジ有機錫ジクロライドを合成し、さらにジ有機錫ジクロライドをアルカリ水溶液で加水分解することにより合成することができる。
一般式(3)で表される有機錫化合物
上記一般式(3)で表される有機錫化合物中、Rは、下記一般式(4C)又は(5C)のβ位に二重結合を有する有機基を示す。
Figure 2008091215
Figure 2008091215
一般式(4C)中、R1C、R2C、R3C、R4C及びR5Cは、上記R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aと同様である。特に、本発明においては、R4C及びR5Cが、水素原子であることが好ましい。
一般式(5C)中、R6C、R7C、R8C、R9C及びR10Cは、上記R6A、R7A、R8A、R9A及びR10Aと同様である。特に、本発明においては、R6C、R7C、R8C、R9C及びR10Cは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基が好ましく、水素原子がより好ましい。炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基としては、上記例示のものが挙げられる。
一般式(3)で表される有機錫化合物としては、例えば、アリル錫酸、メタリル錫酸、クロチル錫酸、プレニル錫酸、シクロペンタジエニル錫酸等が挙げられる。なお、アリル錫酸、メタリル錫酸、クロチル錫酸、プレニル錫酸及びシクロペンタジエニル錫酸は新規化合物である。
一般式(3)で表される有機錫化合物は、任意の方法で製造することができる。
例えば、Rに対応するグリニヤール試薬を調製し、これを四塩化錫と反応させることによりテトラ有機錫を合成し、次いでテトラ有機錫と四塩化錫とを1対3で再分配反応させることにより対応するモノ有機錫トリクロライドを合成し、さらにモノ有機錫トリクロライドをアルカリ水溶液で加水分解することにより合成することができる。
上記一般式(1)(2)(3)で表される有機錫化合物は、従来の有機錫化合物に比べ分解温度が低い。特に、200℃という低温で熱分解させた場合においても、有機成分は実質的に残存しない。このような有機錫化合物は、液晶表示素子、タッチパネル等の各種エレクトロニクス素子や薄膜太陽電池に好適に用いられる透明導電膜等の酸化錫膜形成剤として有用である。
酸化錫膜形成方法
本発明の酸化錫膜形成方法は、前記酸化錫膜形成剤を含む溶液を基材に塗布した後、200℃以下で熱処理することを特徴とする。
特に、本発明の酸化錫膜形成方法では、前記酸化錫膜形成剤を用いることにより、200℃以下という低温下で熱分解反応を行う場合においても有機成分が実質的に残存せず、好適に酸化錫膜を形成させることができる。そのため、本発明の酸化錫膜形成方法によれば、様々な基材(特に熱に弱い基材)に対して、熱分解法により酸化錫膜を形成させることができる。
前記溶液は、本発明の酸化錫膜形成剤を溶媒に溶解ないし分散させることにより調製できる。使用する溶媒は、酸化錫膜形成剤に含まれる有機錫化合物の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、アセトン、酢酸エチル等を使用できる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。
溶液中の酸化錫膜形成剤の含有量は、10〜90重量%が好ましい。酸化錫膜形成剤の含有量がかかる範囲の場合、厚み3000nm以下の酸化錫薄膜を好適に製造できる。
溶液中には、通常の塗料に用いられる添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤としては、例えば、トリフルオロ酢酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素、三塩化アンチモン、三フッ化アンチモン、トリエトキシアンチモン、オクチル酸アンチモン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で用いてもよい。
基材としては、プラスチック、ガラス等が挙げられる。この中でも、特に、軽量であること、低コストであること等の観点から、プラスチックが好ましい。
塗布方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜採用すればよい。例えば、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法、フローコート法、スピンコート法等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用して行ってもよい。
前記溶液を塗布した後、200℃以下、好ましくは90〜200℃で熱処理を行う。熱処理温度が90℃未満の場合、得られる酸化錫膜中に、有機成分が残存するおそれがある。また、熱処理温度が200℃を超える場合、基材の種類によっては、基材が破損してしまうおそれがある。
昇温速度は、通常、毎分5〜20℃程度であればよい。
熱処理時間は、熱処理温度、基材の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常、0.5〜1時間程度であればよい。
熱処理は、大気中(空気中)、酸化性雰囲気中、又は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行えばよい。特に、大気中(空気中)又は酸化性雰囲気中で熱処理を行うことが好ましい。
なお、塗布後、上記加熱処理に先立って、塗布物を乾燥させてもよい。
本発明の酸化錫膜形成方法によれば、低コストで、且つ、狭い敷地内で好適に大面積の酸化錫膜を形成させることができる。
酸化錫膜
本発明の酸化錫膜は、上記酸化錫膜形成方法により形成される。
本発明の酸化錫膜の厚みは、特に限定されず、目的とする用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、厚みが3000nm以下、好ましくは10〜2000nmの場合、液晶表示素子やタッチパネル等の各種エレクトロニクス素子や薄膜太陽電池に用いられる透明導電膜等として有効である。
本発明の酸化錫膜は、有機成分を実質的に含有していないため、透明性及び耐久性が高く、且つ、電気特性が均一である。
本発明の酸化錫膜形成剤によれば、熱分解法により酸化錫膜を形成する際、200℃以下という低い温度で有機成分を分解・除去することができる。そのため、様々な基材、特に、プラスチック等の熱に弱い基材に対しても、熱分解法により酸化錫膜を形成させることが可能となる。
本発明の酸化錫膜形成剤によれば、熱分解法により酸化錫膜を形成する際、低い温度(200℃以下)で有機成分を分解・除去することができる。
本発明の酸化錫膜形成方法は、低い温度(200℃以下)で熱分解反応を行うため、基材に熱的負荷をあまりかけることなく、様々な基材(特に熱に弱い基材)に対して酸化錫膜を好適に形成させることができる。
本発明の酸化錫膜は、有機成分を実質的に含有していないため、透明性及び耐久性が高く、且つ、電気特性が均一である。よって、本発明の酸化錫膜は、液晶表示素子やタッチパネル等の各種エレクトロニクス素子や薄膜太陽電池に用いられる透明導電膜等として有効である。
以下に製造例、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、製造例、実施例及び比較例に限定されるものではない。
製造例1 「アリルマグネシウムクロライドの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた1000mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、マグネシウム38.12g(1.57mol)及びTHF600mlを仕込み、0〜5℃に保持しつつ、アリルクロライド100.00g(1.31mol)及びTHF100mlをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、0〜5℃で1時間反応を熟成させることにより、アリルマグネシウムクロライドTHF溶液(グリニヤール試薬A)750.58gを得た。
製造例2 「メタリルマグネシウムクロライドの製造」
アリルクロライドの代わりにメタリルクロライド118.62g(1.31mol)を用いた以外は製造例1と同様の方法に従って、メタリルマグネシウムクロライドTHF溶液(グリニヤール試薬B)770.85gを得た。
製造例3 「クロチルマグネシウムクロライドの製造」
アリルクロライドの代わりにクロチルクロライド118.62g(1.31mol)を用いた以外は製造例1と同様の方法に従って、クロチルマグネシウムクロライドTHF溶液(グリニヤール試薬C)770.85gを得た。
製造例4 「プレニルマグネシウムブロマイドの製造」
1000mlの四つ口フラスコの代わりに2000mlの四つ口フラスコを用い、さらに、アリルクロライドの代わりにプレニルブロマイド195.23g(1.31mol)を用いた以外は製造例1と同様の方法に従って、プレニルマグネシウムブロマイドTHF溶液(グリニヤール試薬D)1088.46gを得た。
製造例5 「テトラアリル錫の製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた1000mlの四つ口フラスコに窒素気流下、製造例1で得られたグリニヤール試薬A559.51g(0.88mol)を仕込み、15〜25℃に保持しつつ、四塩化錫50.00g(0.19mol)及びトルエン100mlをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、15〜25℃で3時間反応を熟成させた。15〜25℃で、生成する塩化マグネシウムが溶解するまで飽和アンモニウムクロライド水溶液を加え、静置した後、分液し上層と下層とを分離した。下層をトルエン100mlで2回抽出し、抽出液と分離した上層とを合わせた後、無水硫酸ナトリウムを加え脱水させた。無水硫酸ナトリウムを濾過除去した後、濾液を濃縮し、粗錫化合物A54.31gを得た。次いで、この粗錫化合物Aを減圧蒸留することにより精製し、錫化合物A50.51gを得た。純度は99.5%であった(GCにて確認)。この錫化合物Aは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、883cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=243)、且つ、下記の元素分析の結果からテトラアリル錫であることがわかった。
Figure 2008091215
製造例6 「テトラメタリル錫の製造」
グリニヤール試薬Aの代わりに製造例2で得られたグリニヤール試薬B588.76g(0.88mol)を用いた以外は製造例5と同様の方法に従って、錫化合物Bを63.78g得た。純度は99.4%であった(GCにて確認)。この錫化合物Bは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=284)、且つ、下記の元素分析の結果からテトラメタリル錫であることがわかった。
Figure 2008091215
製造例7 「テトラクロチル錫の製造」
グリニヤール試薬Aの代わりに製造例3で得られたグリニヤール試薬C706.51g(0.88mol)を用いた以外は製造例5と同様の方法に従って、錫化合物Cを63.78g得た。純度は99.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Cは、FT−IRによるクロチル基由来の吸収ピーク(3014cm−1、1639cm−1、900cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=284)、且つ、下記の元素分析の結果からテトラクロチル錫であることがわかった。
Figure 2008091215
製造例8 「テトラプレニル錫の製造」
1000mlの四つ口フラスコの代わりに2000mlの四つ口フラスコを用い、さらに、グリニヤール試薬Aの代わりに製造例4で得られたグリニヤール試薬D882.85g(0.88mol)を用いた以外は製造例5と同様の方法に従って、錫化合物Dを68.27g得た。純度は99.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Dは、FT−IRによるプレニル基由来の吸収ピーク(2964cm−1、1660cm−1、844cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=326)、且つ、下記の元素分析の結果からテトラプレニル錫であることがわかった。
Figure 2008091215
製造例9 「テトラシクロペンタジエニル錫の製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた1000mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、シクロペンタジエニルリチウム65.56g(0.91mol)及びトルエン200mlを仕込み、15〜25℃に保持しつつ、四塩化錫50.00g(0.19mol)及びトルエン100mlをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、15〜25℃で3時間反応を熟成させた。15〜25℃で水100mlを加え攪拌し、静置した後、分液し上層と下層とを分離した。上層に2%硫酸水溶液100mlを加え攪拌し、静置した後、分液し上層と下層とを分離した。さらに、その上層に水100mlを加え攪拌し、静置した後、分液し上層と下層とを分離する作業を下層が中性になるまで繰り返した。分離した上層に無水硫酸ナトリウムを加え脱水した。無水硫酸ナトリウムを濾過除去した後、濾液を濃縮し、粗錫化合物E72.00gを得た。次いでこれを減圧蒸留することにより精製し、錫化合物E57.60gを得た。純度は99.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Eは、FT−IRによるシクロペンタジエニル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、883cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=379)、且つ、下記の元素分析の結果からテトラシクロペンタジエニル錫であることがわかった。
Figure 2008091215
製造例10 「ジアリル錫ジクロライドの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた100mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例5で得られたテトラアリル錫43.68g(0.15mol)を仕込み、40〜50℃に保持しつつ、四塩化錫40.00g(0.15mol)を滴下した。滴下終了後、15〜25℃で30分間反応を熟成させることにより、粗錫化合物F83.45gを得た。次いで、この粗錫化合物Fを蒸留することにより精製し、錫化合物F70.00gを得た。純度は95.5%であった(GCにて確認)。この錫化合物Fは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、883cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=230)、且つ、下記の元素分析の結果からジアリル錫ジクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例11 「ジメタリル錫ジクロライドの製造」
テトラアリル錫の代わりに製造例6で得られたテトラメタリル錫52.34g(0.15mol)を用いた以外は製造例10と同様の方法に従って、錫化合物Gを77.00g得た。純度は96.1%であった(GCにて確認)。この錫化合物Gは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=245)、且つ、下記の元素分析の結果からジメタリル錫ジクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例12 「ジクロチル錫ジクロライドの製造」
テトラアリル錫の代わりに製造例7で得られたテトラクロチル錫52.34g(0.15mol)を用いた以外は製造例10と同様の方法に従って、錫化合物Hを77.00g得た。純度は96.1%であった(GCにて確認)。この錫化合物Hは、FT−IRによるクロチル基由来の吸収ピーク(3014cm−1、1639cm−1、900cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=245)、且つ、下記の元素分析の結果からジクロチル錫ジクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例13 「ジプレニル錫ジクロライドの製造」
テトラアリル錫の代わりに製造例8で得られたテトラプレニル錫61.29g(0.15mol)を用いた以外は製造例10と同様の方法に従って、錫化合物Iを80.54g得た。純度は95.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Iは、FT−IRによるプレニル基由来の吸収ピーク(2964cm−1、1660cm−1、844cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=259)、且つ、下記の元素分析の結果からジプレニル錫ジクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例14 「ジシクロペンタジエニル錫ジクロライドの製造」
テトラアリル錫の代わりに製造例9で得られたテトラシクロペンタジエニル錫56.86g(0.15mol)を用いた以外は製造例10と同様の方法に従って、錫化合物Jを76.75g得た。純度は97.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Jは、FT−IRによるシクロペンタジエニル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=320)、且つ、下記の元素分析の結果からジシクロペンタジエニル錫ジクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例15 「ジアリル錫オキサイドの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた300mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例10で得られたジアリル錫ジクロライド40.00g(0.15mol)を仕込み、20〜40℃に保持しつつ、10%水酸化ナトリウム水溶液176.88g(0.44mol)を滴下した。滴下終了後、20〜40℃で3時間反応を熟成させた。生成した白色不溶物を濾別し、濾液が中性になるまで水洗を行った。この白色固形物をロータリーエバポレーターにて減圧乾燥することにより錫化合物Kを16.00g得た。この錫化合物Kは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1624cm−1、889cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(430cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジアリル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例16 「ジメタリル錫オキサイドの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例11で得られたジメタリル錫ジクロライド44.95g(0.15mol)を用いた以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物Lを18.36g得た。この錫化合物Lは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(430cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジメタリル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例17 「ジクロチル錫オキサイドの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例12で得られたジクロチル錫ジクロライド44.95g(0.15mol)を用いた以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物Mを18.36g得た。この錫化合物Mは、FT−IRによるクロチル基由来の吸収ピーク(3014cm−1、1639cm−1、900cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(429cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果よりジクロチル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例18 「ジプレニル錫オキサイドの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例13で得られたジプレニル錫ジクロライド49.18g(0.15mol)を用いた以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物Nを32.76g得た。この錫化合物Nは、FT−IRによるプレニル基由来の吸収ピーク(2964cm−1、1660cm−1、844cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(428cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジプレニル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例19 「ジシクロペンタジエニル錫オキサイドの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例14で得られたジシクロペンタジエニル錫ジクロライド47.97g(0.15mol)を用いた以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物Oを31.79g得た。この錫化合物Oは、FT−IRによるシクロペンタジエニル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(430cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジシクロペンタジエニル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例20 「ヒドロキシジクロチル錫クロライドの製造」
10%水酸化ナトリウム水溶液の滴下量を60.00g(0.15mol)にした以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物Pを37.98g得た。この錫化合物Pは、FT−IRによるクロチル基由来の吸収ピーク(3014cm−1、1639cm−1、900cm−1)、Sn−O−H由来の吸収ピーク(530cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からヒドロキシジクロチル錫クロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例21 「ジアリル錫ジアセテートの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例3で得られたジアリル錫クロライド54.35g(0.20mol)、酢酸24.02g(0.40ml)、及びベンゼン150mlを仕込み、20〜30℃に保持しつつ、トリエチルアミン40.47g(0.40mol)を滴下した。滴下終了後、20〜30℃で3時間反応を熟成させた。生成した白色不溶物を濾別し、濾液を濃縮することにより錫化合物Qを62.51g得た。この錫化合物Qは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、898cm−1)、錫カルボニル由来の吸収ピーク(1566cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジアリル錫ジアセテートであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例22 「ジアリル錫ジピバレートの製造」
酢酸の代わりにピバリン酸40.85g(0.40mol)を用いた以外は製造例21と同様の方法に従って、錫化合物Rを79.01g得た。この錫化合物Rは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3082cm−1、1627cm−1、898cm−1)、錫カルボニル由来の吸収(1577cm−1)ピーク、且つ、下記の元素分析の結果からジアリル錫ジピバレートであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例23 「ジメタリル錫ジアセテートの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例11で得られたジメタリル錫ジクロライド59.96g(0.20mol)を用いた以外は製造例21と同様の方法に従って、錫化合物Sを68.01g得た。この錫化合物Sは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、錫カルボニル由来の吸収ピーク(1566cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジメタリル錫ジアセテートであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例24 「ジメタリル錫ジピバレートの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりに製造例11で得られたジメタリル錫ジクロライド59.96g(0.20mol)を用い、さらに、酢酸の代わりにピバリン酸40.85g(0.40mol)を用いた以外は製造例21と同様の方法に従って、錫化合物Tを84.51g得た。この錫化合物Tは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、錫カルボニル由来の吸収ピーク(1577cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジメタリル錫ジピバレートであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例25 「モノアリル錫トリクロライドの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例5で得られたテトラアリル錫56.88g(0.20mol)を仕込み、40〜50℃に保持しつつ、四塩化錫156.31g(0.60mol)を滴下した。滴下終了後、15〜25℃で30分間反応を熟成させることにより粗錫化合物U212.90gを得た。次いで、得られた粗錫化合物Uを蒸留することにより精製し、錫化合物U191.61gを得た。純度は99.5%であった(GCにて確認)。この錫化合物Uは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、883cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=266)、且つ、下記の元素分析の結果からモノアリル錫トリクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例26 「モノメタリル錫トリクロライドの製造」
テトラアリル錫の代わりに製造例6で得られたテトラメタリル錫67.82g(0.20mol)を用いた以外は製造例25と同様の方法に従って、錫化合物Vを201.72g得た。純度は99.0%であった(GCにて確認)。この錫化合物Vは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、GC−MSによる分子イオンピーク(m/z=280)、且つ、下記の元素分析の結果からモノメタリル錫トリクロライドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例27 「モノアリル錫オキサイドの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた2000mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例25で得られたモノアリル錫トリクロライド53.23g(0.20mol)を仕込み、20〜40℃に保持しつつ、10%水酸化ナトリウム水溶液360g(0.90mol)を滴下した。滴下終了後、20〜40℃で3時間反応を熟成させた。次いで、得られた反応液に5%塩酸656.28g(0.90mol)を添加することによりpHを5に調整し、生成した白色不溶物を濾別し、濾液が中性になるまで水洗を行った。この白色固形物をロータリーエバポレーターにて減圧乾燥することにより錫化合物Wを34.70g得た。この錫化合物WはFT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1624cm−1、889cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(430cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からモノアリル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例28 「モノメタリル錫オキサイドの製造」
モノアリル錫トリクロライドの代わりに製造例26で得られたモノメタリル錫トリクロライド56.03g(0.20mol)を用いた以外は製造例27と同様の方法に従って、錫化合物Xを37.22g得た。この錫化合物Xは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(430cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からモノメタリル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例29 「モノアリル錫トリアセテートの製造」
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに窒素気流下で、製造例25で得られたモノアリル錫トリクロライド26.61g(0.10mol)、酢酸18.02g(0.30ml)、及びベンゼン150mlを仕込み、20〜30℃に保持しつつ、トリエチルアミン30.36g(0.30mol)を滴下した。滴下終了後、20〜30℃で3時間反応を熟成させた。生成した白色不溶物を濾別し、濾液を濃縮することにより錫化合物Yを33.69g得た。この錫化合物Yは、FT−IRによるアリル基由来の吸収ピーク(3078cm−1、1622cm−1、898cm−1)、錫カルボニル由来の吸収ピーク(1566cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からモノアリル錫トリアセテートであることを確認した。
Figure 2008091215
製造例30 「モノメタリル錫トリアセテートの製造」
モノアリル錫トリクロライドの代わりに製造例26で得られたモノメタリル錫トリクロライド28.02g(0.10mol)を用いた以外は製造例29と同様の方法に従って、錫化合物Zを33.33g得た。この錫化合物Zは、FT−IRによるメタリル基由来の吸収ピーク(3074cm−1、1629cm−1、864cm−1)、錫カルボニル由来の吸収ピーク(1566cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からモノメタリル錫トリアセテートであることがわかった。
Figure 2008091215
製造例31 「ジメチル錫オキサイドの製造」
ジアリル錫ジクロライドの代わりにジメチル錫ジクロライド(東京化成工業株式会社)32.94g(0.15mol)を用いた以外は製造例15と同様の方法に従って、錫化合物aを22.24g得た。この錫化合物aはFT−IRによるメチル基由来の吸収ピーク(2989cm−1、2920cm−1)、Sn−O−Sn由来の吸収ピーク(428cm−1)、且つ、下記の元素分析の結果からジメチル錫オキサイドであることがわかった。
Figure 2008091215
実施例1〜26及び比較例1〜4 「熱分解性確認試験」
製造例5〜30で得られた錫化合物A〜Z(実施例1〜26)と従来の錫化合物(比較例1〜4)の分解温度を示差熱熱重量同時測定(TG/DTA)により測定した。なお、比較例1では、製造例31で得られた錫化合物a、比較例2では、ジブチル錫オキサイド(DBTO)(日東化成株式会社製)、比較例3では、ジオクチル錫オキサイド(DOTO)(日東化成株式会社製)及び比較例4では、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫(製品名「ネオスタンU−28」日東化成株式会社製)を用いた。
また、測定は以下の条件で行った。
測定装置:Seiko Instruments SSC/5200
測定条件:
測定温度 50〜200℃、昇温速度 10℃/分、測定雰囲気 空気
TG/DTA終了後の残渣のIRを測定することにより、有機成分の有無を分析した。
結果を表28〜31に示す。
Figure 2008091215
Figure 2008091215
Figure 2008091215
Figure 2008091215
*1:200℃では、徐々に重量減少がみられ恒量とならず、分解温度は特定できなかった。
表28〜31から明らかなように、従来の錫化合物を用いた比較例1〜4では有機成分が分解せず残存しているのに対し、本発明の酸化錫薄膜原料である特定の錫化合物を用いた実施例1〜26では、200℃以下の温度で分解し無機化していることがわかる。
実施例27〜52および比較例5〜8 「酸化錫薄膜の形成確認試験」
製造例5〜30で得られた錫化合物A〜Z並びに上記錫化合物a、DBTO、DOTO及びネオスタンU−28(比較例5〜8)をエタノールに溶解し10%溶液を調製した。このとき、錫化合物K、L、M、N、O、W、Xおよび従来の錫化合物a、DBTO、DOTOはエタノールに対する溶解度が低いため、70℃に加温しホモジナイザーにて攪拌し均一溶液とした。これらの溶液をスピンコーターを用いてガラス基板上に塗布し、乾燥させた。次いで、毎分10℃の昇温速度で200℃まで昇温し、200℃で15分間焼成し酸化錫薄膜を得た。
得られた酸化錫膜の状態を目視にて観察した。薄膜がムラ無く、均一かつ平滑である場合を○、ムラが有り、ブツ、白濁が生じている場合を×とした。
さらに薄膜表面の顕微IRを測定することにより有機成分の有無を分析した。
結果を表32〜35に示す。
Figure 2008091215
Figure 2008091215
Figure 2008091215
Figure 2008091215
表32〜35から明らかなように、実施例27〜52は、従来の錫化合物を用いた比較例5〜8に比べ、薄膜の状態が良いことがわかる。また顕微IRの結果から、比較例5〜8では有機成分が分解せず残存しているのに対し、実施例27〜52では完全に有機成分が分解して無機化していることがわかる。すなわち200℃という低温下での熱分解により酸化錫薄膜が形成されたことがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2008091215
    下記一般式(2):
    Figure 2008091215
    並びに、下記一般式(3):
    Figure 2008091215
    (一般式(1)、(2)及び(3)中、R、R及びRは、それぞれ同一又は異なって、β位に二重結合を有する有機基を示し、pが2〜4の整数の場合、Rは、同一又は異なっていてもよく、X及びYは、それぞれ同一又は異なって、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を示し、pは1〜4の整数を示し、m及びnは0〜3の整数を示し、p+m+n=4である。)
    で表される有機錫化合物を少なくとも1種含有する酸化錫膜形成剤。
  2. 前記有機基が、下記一般式(4)
    Figure 2008091215
    (式中、R、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
    の炭化水素基、或いは、下記一般式(5):
    Figure 2008091215
    (式中、R、R、R、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。)
    の炭化水素基である請求項1に記載の酸化錫膜形成剤。
  3. 請求項1又は2に記載の酸化錫膜形成剤を含む溶液を基材に塗布した後、200℃以下で熱処理することを特徴とする酸化錫膜形成方法。
  4. 請求項3に記載の酸化錫膜形成方法により形成される酸化錫膜。
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