JP2008088580A - ポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸 - Google Patents

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Katsumi Takehara
勝己 竹原
Tagakiyu Sawa
多賀久 澤
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Abstract

【課題】これまで得られていなかった生態系への残存と有害性・環境負荷が懸念されているフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA(パーフルオロオクタン酸)含有量を低減させたポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供する。
【解決手段】繊維表面の少なくとも一部に未焼成ポリテトラフルオロエチレンポリマーが露出しており、繊維中に含まれるフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA含有量が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、生態系への残存と有害性・ 環境負荷が懸念されているフッ素化アニオン性界面活性剤、特にパーフルオロオクタン酸(以下、PFOAと略称する)含有量を低減させたポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸に関するものである。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する)樹脂はその優れた潤滑性、耐久性、耐熱性、耐薬品性からさまざまな用途に幅広く使用されている。PTFE樹脂から製造されるPTFE繊維も、その優れた耐熱性、耐薬品性、電気特性あるいは低摩擦係数などから、産業資材用途に広く用いられている。
PTFEは不溶解性であり、また加熱溶融時に非常に高い溶融粘度を持っている。そのため製法は、従来公知のマトリックス法(エマルジョン法ともいう)、スプリット剥離法、またはペースト押出法などにより生産される。
また、PTFE樹脂をカーボンファイバー、ケブラーやノーメックス、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PTFEなどの高強力繊維や耐熱・耐薬品繊維に含浸させた含浸糸を編組、もしくは編組した後含浸させた含浸糸はケミカル用のパッキンとして幅広く使用されている(特許文献1)。
一方、フッ素化アニオン性界面活性剤は、一般には広く知られてないが、フッ素樹脂製造には重要で不可欠な化学物質である。更に、フッ素化アニオン性界面活性剤の幾つかは洗浄による排水放出、あるいは乾燥や焼成工程中の大気放出された場合、ヒトなどの体内
排出速度が遅く、環境側面から問題視されてきている。
フッ素化アニオン性界面活性剤の中にPFOAがある。PFOAとは、パーフルオロオクタン酸(erluoroctanoic cid)の頭文字であり、これもフッ素樹脂製造には重要で不可欠な化学物質である。PFOAは水中での油や液体の乳化、微小粒子の懸濁、湿潤剤として作用する水溶性の界面活性剤であり、フッ素樹脂業界では、分子構造の炭素数からC−8と呼ばれることもある。
最近の研究によりPFOA毒性が問題視されるようになってきており、日米においても本格的な調査が開始されている。極めて難分解性で蓄積性も高いことから各フッ素樹脂メーカーでは自主的に削減する動きも始まっている(特許文献2)。
しかし、フッ素樹脂製造に使用されるPFOAは、樹脂製造の最終段階で殆どが除去されるが、どうしても一部が残存しており、ひいては最終製品の一部に微量ながら残存してしまう。
特開平5−346175号公報(特許請求の範囲、第2頁) 特開2006−188703号公報(特許請求の範囲、第1,16頁)
本発明は、生態系への残存と有害性・ 環境負荷が懸念されているフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA含有量を低減させたポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供するものである。
本発明者らは、課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
即ち、本発明は課題を解決するために以下の構成を有する。
繊維表面の少なくとも一部に未焼成ポリテトラフルオロエチレンポリマーが露出しており、該繊維中に含まれるフッ素化アニオン性界面活性剤の含有量が1000ppm以下、好ましくは100ppm以下であるポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸である。
本発明によれば、生態系への残存と有害性・ 環境負荷が懸念されているフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA含有量を低減させたポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供することができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に記述する。
本発明は、前述の課題、つまり生態系への残存と有害性・ 環境負荷が懸念されているフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA含有量を低減させた繊維表面の少なくとも一部に未焼成ポリテトラフルオロエチレンポリマーが露出しているポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供し、解決できることを究明したものである。
まず、本願発明のポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸は繊維中に含まれるフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOAの含有量が1000ppm以下であることが必要であり、好ましくは100ppm以下であることが好ましい。ppmとは、arts er millionの頭文字で百万分率を意味する。
本発明の含浸糸とは、フィラメント状の繊維にPTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤を含浸させ、編組した際にそれらを良好に保持して、パッキンの表面部及び内部からPTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤をにじみ出させて、パッキン表面に常に安定した潤滑剤を付与することが出来るとともに、柔軟性も保持し、長期間にわたるシール性を一層良好に確保できるものである。
含浸させる前のベース繊維としてはカーボンファイバーやケブラー、ノーメックスなどのアラミド繊維、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PTFE繊維などの高強力繊維や耐熱・耐薬品繊維を用いることが出来るが、特に限定はされない。
その中でも、特にベース繊維は耐熱・耐薬品性の観点からPTFE繊維であることが好ましい。その際のPTFE繊維は従来公知のマトリックス法(エマルジョン法ともいう)、スプリット剥離法、またはペースト押出法などのいずれの生産方式で得られるPTFE繊維を用いても良い。但し、PTFE繊維の繊度は18.0dtex以下であることが好ましい。
本発明の含浸糸とは、フィラメント状の繊維をPTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤を含浸させ、編組した際にそれらを良好に保持して、パッキンの表面部及び内部からPTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤をにじみ出させて、パッキン表面に常に安定した潤滑剤を付与することが出来るとともに、柔軟性も保持し、長期間にわたるシール性を一層良好に確保できるものである。そのため、繊度が18.0dtexを超え太すぎると繊維間にPTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤を含浸させにくくなるので好ましくない。更に好ましくは、2.0dtex以上15.0dtex以下である。
また、本発明に係る繊維は、三角、四角や3葉〜8葉などの多葉断面、扁平、Y、H形などの異形断面およびその他の異形断面などいずれの断面形状も用いることが出来、特に限定されない。紡糸時の糸切れの面からの生産安定性、PTFE樹脂微粒子のみ/及び液体潤滑剤を含浸させやすくするため、及び繊維の表面積を増大させる観点などから、該繊維の凸部の数は3〜8葉であることが好ましく、更に好ましくは3〜5葉であることが好ましい。
ベース繊維に好ましいPTFE繊維の単糸強度は0.7cN/dtex以上、単糸伸度は50%以下であることが好ましい。単糸強度が0.7cN/dtex未満、単糸伸度が50%を超えると、該繊維を加工する場合、単繊維が延伸され工程通過性不良となるので好ましくない。また、本発明の繊維の300℃×30分における乾熱収縮率は30%以下であることが好ましい。実際フェルトなどを作製して使用する場合、その素材のもつ耐熱性ゆえ、高温度下で使用される用途が多く、乾熱収縮率が高すぎるとフェルトが収縮し、目詰まりも起こしやすくなり、好ましくない。乾熱収縮率は、より好ましくは10%以下であり、更に好適には5%以下である。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、布帛の各物性の測定方法は以下の通りである。
[フッ素化アニオン性界面活性剤の含有量測定]
溶媒抽出によるLC−MS/MS法により測定した。
(実施例1)
PTFEフィラメント(東レ・ファインケミカル社製“TOYOFLON“1330dtex−180フィラメント)を周径120cmの温度でカセ巻機に巻き取り、出来上がったカセを熱風乾燥機の棚板に並べ、300℃で5日間熱処理し、PTFE繊維を得た。
その後、カセから解除しつつソルベイ ソレクシス(株)のPTFE水分散液(“Algoflon D XPH 1220”:濃度60%、PFOA含有量100ppm以下)中に含浸させた後、160℃の熱風で乾燥させ、さらにその後東レシリコーン(株)のシリコーン液(SH8400)に含浸させた後、巻き取り、含浸糸をえた。PFOA含有量は79ppmであった。
本発明はフッ素化アニオン性界面活性剤、特にPFOA含有量を低減させたポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸を提供でき、生態系への残存と有害性・ 環境負荷を回避で出来るという効果を奏する。

Claims (4)

  1. 繊維表面の少なくとも一部に未焼成ポリテトラフルオロエチレンポリマーが露出しており、該繊維中に含まれるフッ素化アニオン性界面活性剤の含有量が1000ppm以下であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸。
  2. 繊維中に含まれるフッ素化アニオン性界面活性剤の含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸。
  3. フッ素化アニオン性界面活性剤がパーフルオロオクタン酸であることを特徴とする請求項1または2記載のポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸。
  4. 含浸糸のベース繊維がポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリテトラフルオロエチレンポリマーの含浸糸。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204181A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Toray Ind Inc ポリテトラフルオロエチレン含浸糸およびその製造方法
RU2522337C1 (ru) * 2012-12-14 2014-07-10 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт химии растворов им. Г.А. Крестова Российской академии наук (ИХР РАН) Синтетические нити с высокой хемостойкостью и низким коэффициентом трения
RU2522338C1 (ru) * 2012-12-14 2014-07-10 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт химии растворов им. Г.А. Крестова Российской академии наук (ИХР РАН) Способ получения синтетических нитей

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RU2522338C1 (ru) * 2012-12-14 2014-07-10 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт химии растворов им. Г.А. Крестова Российской академии наук (ИХР РАН) Способ получения синтетических нитей

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