JP2008087292A - 情報記録用粘着シート - Google Patents

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Kazuo Suzuki
和男 鈴木
Kenji Tate
賢二 舘
Mitsuaki Shimazu
光章 嶋津
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Abstract

【課題】情報記録適性に優れた情報記録用粘着シートとする。
【解決手段】情報が記録されるベースシート10と、この裏面に設けられたベースシート10を被着体100に貼り付ける粘着剤層30と、この裏面を覆う剥離シート20とを有する。ベースシート10の一部が被着体100から剥離可能な剥離可能片12とされ、この剥離可能片12周辺が被着体100から実質的に剥離不能な剥離不能片11とされる。粘着剤層30は、剥離可能片12裏面及び剥離不能片11裏面のいずれにも設ける。剥離可能片12裏面における粘着力は相対的に弱く、剥離不能片11裏面における粘着力は相対的に強くする。
【選択図】図2

Description

本発明は、配送伝票等の情報記録用粘着シートに関するものである。
配送伝票等の情報記録用粘着シートは、紙等からなるベースシートと、このベースシートの裏面に設けられた粘着剤層と、この粘着剤層の裏面を覆う剥離シートと、から主になる。この種の情報記録用粘着シートは、使用にあたり、ベースシート表面に宛名等の情報が記録されたうえで、剥離シートが剥離されて粘着剤層が露出させられ、この粘着剤層を利用してベースシートが段ボール箱等の被着体に貼り付けられる。
一方、ベースシート表面に記録された情報のうち、例えば宛名等は、近年その価値が重要視されている個人情報(特定個人を識別することが可能な情報)にあたる。したがって、その流出を防止しようとする荷受人等は、被着体を廃棄するにあたり、ベースシートの宛名等が記録された部分を、被着体から剥離している。
しかしながら、一般に、ベースシートは、運送中に被着体から剥がれてしまうことがないように被着体に貼り付けられているため、かかる剥離作業は困難をともなう。そこで、近年では、ベースシートの宛名等が記録される部分の裏面に粘着剤層が設けられていない形態(例えば、特許文献1参照。)や、粘着剤層が部分的にしか設けられていない形態(例えば、特許文献2参照。)が、提案されている。
しかしながら、これらの形態においては、粘着剤層が設けられていない部分において、ベースシートと剥離シートとが乖離した状態になっている。したがって、両シートの間に空気等が入り、情報記録工程における記録不良や紙詰まりの原因となった。特に、近年では、情報記録用粘着シートに対する記録方法が、インパクトプリント方式からレーザープリント方式に代わってきており、印字処理の高速化が求められているため、紙詰まり等の問題は、重要性を増している。
また、従来の形態においては、粘着剤層が設けられておらず、あるいは部分的にしか設けられていないにもかかわらず、剥離容易性の点で十分なものとはなっていなかった。
特開2004‐291570号公報 実用新案登録第3120639号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、情報記録適性に優れた情報記録用粘着シートを提供することにある。また、別の課題は、ベースシートの宛名等の部分を被着体から容易に剥離することができる情報記録用粘着シートを提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
表面に情報が記録されるベースシートと、このベースシートの裏面に設けられた前記ベースシートを被着体に貼り付ける粘着剤層と、この粘着剤層の裏面を覆う剥離シートと、を有し、
前記ベースシートの一部が前記被着体から剥離可能な剥離可能片とされ、この剥離可能片周辺の少なくとも一部が前記被着体から実質的に剥離不能な剥離不能片とされた情報記録用粘着シートであって、
前記粘着剤層は、前記剥離可能片裏面及び前記剥離不能片裏面のいずれにも設けられ、かつ前記剥離可能片裏面における粘着力が相対的に弱く、前記剥離不能片裏面における粘着力が相対的に強くされている、ことを特徴とする情報記録用粘着シート。
〔請求項2記載の発明〕
前記剥離可能片裏面の粘着剤層は、粘着力が相対的に弱い粘着剤で形成されることによって、又は粘着力が相対的に強い粘着剤層の裏面に糊殺し層が設けられることによって、粘着力が相対的に弱くされている、請求項1記載の情報記録用粘着シート。
〔請求項3記載の発明〕
前記剥離可能片は、略方形状とされ、かつ隅部の1つが剥離開始端部となっており、
この剥離開始端部を一端とする前記剥離可能片の2辺に沿って前記ベースシートに切断補助線が形成され、前記剥離可能片の他の2辺で前記剥離可能片と前記剥離不能片とが区画されている、請求項1又は請求項2記載の情報記録用粘着シート。
〔請求項4記載の発明〕
前記剥離端部が、囲まれた抜き型で抜かれたコーナーカットとなっている、請求項1、請求項2又は請求項3記載の情報記録用粘着シート。
〔請求項5記載の発明〕
前記コーナーカット隅部からこれと対向する対向隅部へ向かう方向が剥離方向とされている場合において、
前記切断補助線として、この切断補助線の形成方向に沿う区画用カット線が、前記切断補助線の形成方向に、繰り返し形成されているとともに、
前記区画用カット線の前記コーナーカット隅部側端縁とそれぞれ連続し、かつ当該区画用カット線と前記コーナーカット隅部側において隣接する区画用カット線の前記対向隅部側端縁から前記剥離方向に向かう剥離方向ラインを横切る、方向付けカット線が形成されている、請求項3記載の情報記録用粘着シート。
〔請求項6記載の発明〕
前記剥離可能片は、略方形状とされ、かつこの剥離可能片の4辺に沿って前記ベースシートに切断補助線が形成され、この切断補助線よりも0〜5mm外方まで、粘着剤層の粘着力が相対的に弱いものとされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報記録用粘着シート。
本発明によると、情報記録適性に優れた情報記録用粘着シートとなる。また、ベースシートの宛名等の部分を被着体から容易に剥離することができる情報記録用粘着シートとなる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下では、連続帳票型の情報記録用粘着シートを例に説明するが、本発明は、カット紙型の情報記録用粘着シート等にも適用することができる。
図1から図3に、本形態の情報記録用粘着シート1を示した。本形態の情報記録用粘着シート1は、表面10aに情報が記録されるベースシート10と、このベースシート10の裏面に設けられたベースシート10を被着体100に貼り付ける粘着剤層30と、この粘着剤層30の裏面を覆う剥離シート20とで主になる。
本形態において、ベースシート10は、横長の長方形状になっている。ベースシート10の幅方向中央部には、ミシン目線、ハーフスリット線等からなる切断補助線L1が、前後方向に沿って形成されている。この切断補助線L1によって、一方が剥離不能片11に、他方が発送控片13に区画されている。また、剥離不能片11の中央部には、横長の長方形状に、ミシン目線、ハーフスリット線等からなる切断補助線L2が形成されている。この切断補助線L2によって、内側が剥離可能片12に、外側が剥離不能片11に区画されている。剥離可能片12には宛名等の個人情報15が、発送控片13には図示しない発送控等の情報が、剥離不能片11には図示しないその他の情報が、それぞれ記録される。この記録の方法は、特に限定されず、インパクトプリント等の印刷機によって、特に近年ではレーザープリントによって、行うことができる。
なお、ベースシート10の幅方向両側端部にも、ミシン目線、ハーフスリット線等からなる切断補助線L3、L3が、前後方向に沿って形成されている。各切断補助線L3より側方は、マージナル片14とされている。各マージナル片14には、前後方向に複数の真円形状のマージナル孔14A,14A…が形成されている。このように、本情報記録用粘着シート1は、連続帳票型とされている。
一方、粘着剤層30は、剥離可能片12の裏面及び剥離不能片11の裏面のいずれにも設けられている。そして、剥離可能片12の裏面における粘着剤層31は、粘着力が相対的に弱く、剥離不能片11の裏面における粘着剤層32は、粘着力が相対的に強くされている。剥離可能片12の裏面における粘着剤層31は、粘着力が相対的に弱くされているため、剥離可能片12は、被着体100から剥離可能である。また、粘着力が相対的に弱くとも、粘着剤層が設けられていることに変わりはない。したがって、剥離可能片12(ベースシート10)と剥離シート20とが乖離して両シート12(10),20間に空気が入るというようなことはなく、記録適性に優れる。さらに、この剥離可能片12周辺の剥離不能片11の裏面における粘着剤層32は、粘着力が相対的に強くされているので、剥離不能片11は、被着体100から実質的に剥離不能である。したがって、剥離不能片11で囲まれる剥離可能片12が、運送中に剥がれてしまうといったおそれはない。
本形態において、発送控片13の裏面には、粘着剤層30が設けられていない。発送控片13は、発送控等の情報が記録された後、切断補助線L1で切断され、被着体100に貼り付けられることなく、そのまま保存されるためである。ただし、印刷適性の向上という観点からは、発送控片13の裏面にも、適宜粘着剤層を設けることができる。
本形態においては、剥離可能片12裏面の粘着剤層31が、どのようにして粘着力を相対的に弱くされているかが、特に限定されない。例えば、粘着剤層31を、粘着力の相対的に弱い粘着剤で形成することによって、粘着力を相対的に弱くすることができる。また、図4に示すように、粘着力が相対的に強い粘着剤層32を剥離可能片12の裏面にまで設けつつも、剥離可能片12の裏面においては、粘着剤層32の裏面に糊殺し層33を設けることによって、粘着力を相対的に弱くすることができる。この場合、粘着力の調節は、例えば、糊殺し層33を細かな網点とすることにより、あるいは薄くすることで、行うことができる。
本形態の情報記録用粘着シート1は、図3に示すように、剥離シート20が剥離されて粘着剤層30が露出させられ、この粘着剤層30を利用してベースシート10が段ボール箱等の被着体100に貼り付けられる。この状態において、運送品等を受け取った荷受人等は、被着体100を廃棄するにあたり、ベースシート10の剥離可能片12を被着体100から剥離する。
この点、図示例では、粘着剤層31が被着体100側に残る形態を示したが、粘着剤層31は、剥離可能片12に付着して剥離される場合や、一部は被着体100に残り、残部は剥離可能片12に付着して剥離される場合等もある。これらは、粘着剤層31の粘着力や、剥離可能片12の素材、被着体100の素材等によって、決定される。本形態は、剥離可能片12の保存を前提とするものではないため、粘着剤層31が剥離可能片12に付着して剥離されるのも好ましい形態である。ただし、例えば、剥離可能片12の保存を前提としたい場合等は、粘着剤層31が被着体100側に残るように粘着剤層31の粘着力等を設定するのが好ましい。
一方、本形態のように、剥離可能片12が長方形状等の略方形状とされている場合においては、隅部の1つ49がコーナーをカットされていると、好ましいものとなる。このコーナーカット隅部49に、指や突起物等を差し込むことで、剥離可能片12を容易に剥離することができる。
ここで、図示例では、剥離可能片12の全周辺L2a,L2b,L2c,L2dにわたって切断補助線L2が形成されている。ただし、このコーナーカット隅部49を一端とする剥離可能片12の2辺L2a,L2bに沿ってのみ切断補助線L2が形成されていてもよい。本形態においては、剥離可能片12の他の2辺L2c,L2dで剥離可能片12と剥離不能片11とに区画されており、剥離不能片11は粘着力が相対的に強い粘着剤層32によって被着体100に粘着させられる。したがって、剥離可能片12を剥離していくに際して、剥離範囲が剥離可能片12の他の2辺L2c,L2dよりも外側、つまり剥離不能片11の部分にまで広がらず、必然的に剥離可能片12の他の2辺L2c,L2dに沿ってベースシート10が切断される。
他方、剥離可能片12の2辺L2a,L2bに沿ってのみ切断補助線L2が形成されて形態においては、コーナーカット隅部49以外の隅部から、剥離可能片12が意図せずに剥離してしまうといったことが防止される。ただし、剥離可能片12の全周辺L2a,L2b,L2c,L2dにわたって切断補助線L2を形成しつつも、かかる意図しない剥離可能片12の剥離を防止したい場合は、コーナーカット隅部49以外の隅部における切断補助線L2を省略するとよい。
本形態のように、コーナーカット隅部49が設けられている場合においては、このコーナーカット隅部49からこれと対向する対向隅部48へ向かう方向が剥離方向となる。そして、この場合においては、切断補助線L2として、次の形態のものを推奨する。
切断補助線L2を、従来一般的なミシン目線とした場合においては、図5の(1)及び図6の(1)に示すように、切断補助線L2の形成方向に沿う区画用カット線41が、切断補助線L2の形成方向に、繰り返し形成される。これに対して、推奨する切断補助線L2は、かかる区画用カット線41に加えて、図5の(2)及び図6の(2)に示すように、区画用カット線41のコーナーカット隅部49側の端縁41aとそれぞれ連続し、かつ当該区画用カット線41とコーナーカット隅部49側において隣接する区画用カット線41の対向隅部48側の端縁41bから剥離方向に向かう剥離方向ラインを横切る、方向付けカット線42が形成される。従来のミシン目の形態によると、図5の(1)に示すように、剥離可能片12の2辺L2a,L2bから内側に、あるいは、図6の(1)に示すように、剥離可能片12の他の2辺L2c,L2dから外側に、ベースシート10が切断されてしまい(この切断線を符号Sで示す。)、剥離可能片12を簡易に剥離することができない場合がある。これに対し、推奨形態においては、図5の(2)及び図6の(2)に示すように、方向付けカット線42よって、切断線Sの形成が止められるため、区画用カット線41に沿って、ベースシート10が切断され、剥離可能片12を容易に剥離することができる。
ところで、図示例のように、剥離可能片12が、長方形状等の略方形状とされ、かつこの剥離可能片12の4辺(全周辺)L2a,L2b,L2c,L2dに沿ってベースシート10に切断補助線L2が形成されている場合においては、この切断補助線L2よりも0〜5mm、好ましくは0〜2mm外方まで、粘着力が相対的に弱い粘着剤層31とされているのが好ましい。この形態によると、粘着剤層31を塗工・印刷等によって形成する場合において、この塗工・印刷等がずれたとしても、剥離可能片12を容易に剥離することができる。
〔素材・原材料等について〕
(ベースシート10)
ベースシート10の素材は、特に限定されない。例えば、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムがラミネートされた紙等を使用することができる。これらの素材に耐水処理を施し、雨に濡れた場合の耐久性を向上させることもできる。環境保護の観点から各種再生紙を使用してもよい。ただし、資源の再利用という観点から、樹脂フィルムがラミネートされた紙等は、避けるのが好ましい。
一方、ベースシート10及びこれを構成する各片11,12,13は、その大きさ、形状、厚さ、坪量等が特に限定されない。形状は、例えば、円形状、方形状、任意形状等にすることができる。また、厚さは、上質紙であれば、通常30〜250μm、好ましくは50〜150μmとすることができる。さらに、坪量は、通常30〜200g/m2、好ましくは50〜120g/m2とすることができる。
(粘着剤層30)
粘着剤層30(31,32)の原料成分は、粘着剤層31の粘着力が相対的に弱く、粘着剤層32の粘着力が相対的に強くなれば足り、その他は特に限定されない。原料成分としては、例えば、有機溶剤系粘着剤、アクリルエマルジョン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ホットメルト系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤等の公知の粘着剤を、例示することができる。
被着体100に凹凸があると、粘着剤層30が完全に被着体100に密着せず、ベースシート10が被着体100から意図せずに剥離するおそれがある。しかしながら、ゴム系接着剤は分子量が大きく弾力性があるため、粘着剤層30が被着体100に密着し易く、剥離のおそれが減少する。ゴム系粘着剤には、老化防止剤等を混合させるのも、好ましい形態である。
ゴム系粘着剤の具体例を挙げれば、主成分として天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが挙げられる。
アクリル系粘着剤の具体例を挙げれば、主成分として、アクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル2種以上を含む共重合体及びアクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが挙げられる。前記アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸基含有単量体等が挙げられる。ここで、アクリル系粘着剤を用いるのであれば、リサイクル処理における離解工程や再生工程において、不都合をもたらさないようにすべく、アルカリ可溶性、水溶性又は水再分散性を有するものを用いるのが望ましい。
粘着剤自体の粘着力によって、粘着剤層31及び粘着剤層32の粘着力を変える場合においては、例えば、粘着剤主成分の分子量増減や、粘着付与剤・架橋剤等を添加することにより、粘着力を調節することができる。また、被着体の材質が多岐にわたる場合には、各種粘着剤を混合して用いるのも効果的である。
粘着剤層31及び粘着剤層32の粘着力は、JIS Z 0237の10にある180度引きはがし粘着力の測定で、被着体をSUS板とした時に、それぞれ2〜10N/50mm、15〜60N/50mmとなるようにするのが好ましく、それぞれ3〜8N/50mm、20〜40N/50mmとなるようにするのがより好ましい。
粘着剤層30の形成方法は、特に限定されない。ただし、樹脂フィルム等のシートの積層による形成を避け、粘着剤を塗工、印刷等して形成する方が好ましい。樹脂フィルム等のシートの積層による形成を避けることで、資源の再利用化が容易になる。粘着剤を塗工する場合は、エアナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドメタリングコーター、コンマコーター、カーテンコーター等の各種既知の塗工機を使用することができる。粘着剤を印刷する場合は、凸版印刷機、凹版印刷機、グラビア印刷機、スクリーン印刷機、オフセット印刷機等の各種既知の印刷機を使用することができる。印刷機を使用すると、粘着剤層30の厚さが均一になる。粘着剤層30の厚さが均一であれば、情報記録用粘着シート1自体の厚さも均一になり、情報記録適性が向上する。また、印刷機を使用する方法は、模様印刷、ベタ印刷等によって粘着剤の量や分布(粘着剤層30を形成する部位)を、容易にかつ迅速に変更することができるとの利点もある。さらに、粘着剤層31及び粘着剤層32を、1パスで印刷形成することができる印刷機を使用すれば、生産速度が向上する。
粘着剤層30の厚さは、特に限定されず、通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。粘着剤層30の厚さを薄くすると、情報記録用粘着シート1自体の厚さも薄くなる。したがって、本情報記録用粘着シート1が連続帳票型である場合は、質量減少によって情報記録用印刷機の負荷が減少するとの利点がある。他方、本情報記録用粘着シート1がカット紙型である場合は、情報記録用印刷機への給紙枚数が増えるとの利点がある。
粘着剤層30の目付け量は、用いる粘着剤の種類により適宜変更可能であるが、固形分質量で、5〜50g/m2、好ましくは10〜30g/m2である。
粘着剤層30には、所望に応じて粘着付与剤、架橋剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、フィラー等を添加することもできる。粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂等の天然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート化合物、金属塩等が挙げられる。
(糊殺し層33)
糊殺し層33の原料成分は、特に限定されない。原料成分としては、例えば、一般に使用されている印刷インキ、ニス等を、例示することができる。
糊殺し層33の形成方法も、特に限定されず、粘着剤層30と同様、塗工、印刷等によることができる。ただし、糊殺し層33は、剥離シート20の表面に形成しておき、剥離シート20を粘着剤層30の裏面に貼り合わせるのにともなって、糊殺し層33が粘着剤層30の裏面に転移し、もって形成される形態によることもできる。
(剥離シート)
剥離紙シート20の素材は、特に限定されない。例えば、紙、織物、プラスチックフィルム等の上面(表面)、すなわち粘着剤層30側の面に、離型剤等によって剥離処理を施したものを、使用することができる。離型剤の構成成分としては、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等を、例示することができる。 剥離剤の目付け量は、用いる剥離剤の種類により適宜変更可能であるが、固形分質量で通常0.1〜10g/m2である。
また、剥離紙シート20の厚さも特に限定されず、通常30〜150μm、好ましくは40〜100μmとすることができる。
本発明は、配送伝票等の情報記録用粘着シートに適用可能である。
本形態の情報記録用粘着シートの平面図である。 図1のA−A線矢視図である。 使用状態における情報記録用粘着シートの断面図である。 別形態の情報記録用粘着シートの断面図である。 切断補助線の説明図である。 切断補助線の説明図である。
符号の説明
1…情報記録用粘着シート、10…ベースシート、11…剥離不能片、12…剥離可能片、13…発送控片、14…マージナル片、14A…マージナル孔、15…個人情報、20…剥離シート、30,31,32…粘着剤層、33…目殺し層、41…区画用カット線、42…方向付けカット線、48…対向隅部、49…コーナーカット隅部、100…被着体、L1,L2,L3…切断補助線、S…切断線。

Claims (6)

  1. 表面に情報が記録されるベースシートと、このベースシートの裏面に設けられた前記ベースシートを被着体に貼り付ける粘着剤層と、この粘着剤層の裏面を覆う剥離シートと、を有し、
    前記ベースシートの一部が前記被着体から剥離可能な剥離可能片とされ、この剥離可能片周辺の少なくとも一部が前記被着体から実質的に剥離不能な剥離不能片とされた情報記録用粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、前記剥離可能片裏面及び前記剥離不能片裏面のいずれにも設けられ、かつ前記剥離可能片裏面における粘着力が相対的に弱く、前記剥離不能片裏面における粘着力が相対的に強くされている、ことを特徴とする情報記録用粘着シート。
  2. 前記剥離可能片裏面の粘着剤層は、粘着力が相対的に弱い粘着剤で形成されることによって、又は粘着力が相対的に強い粘着剤層の裏面に糊殺し層が設けられることによって、粘着力が相対的に弱くされている、請求項1記載の情報記録用粘着シート。
  3. 前記剥離可能片は、略方形状とされ、かつ隅部の1つが剥離開始端部となっており、
    この剥離開始端部を一端とする前記剥離可能片の2辺に沿って前記ベースシートに切断補助線が形成され、前記剥離可能片の他の2辺で前記剥離可能片と前記剥離不能片とが区画されている、請求項1又は請求項2記載の情報記録用粘着シート。
  4. 前記剥離開始端部が、囲まれた抜き型で抜かれたコーナーカットとなっている、請求項3記載の情報記録用粘着シート。
  5. 前記コーナーカット隅部からこれと対向する対向隅部へ向かう方向が剥離方向とされている場合において、
    前記切断補助線として、この切断補助線の形成方向に沿う区画用カット線が、前記切断補助線の形成方向に、繰り返し形成されているとともに、
    前記区画用カット線の前記コーナーカット隅部側端縁とそれぞれ連続し、かつ当該区画用カット線と前記コーナーカット隅部側において隣接する区画用カット線の前記対向隅部側端縁から前記剥離方向に向かう剥離方向ラインを横切る、方向付けカット線が形成されている、請求項4記載の情報記録用粘着シート。
  6. 前記剥離可能片は、略方形状とされ、かつこの剥離可能片の4辺に沿って前記ベースシートに切断補助線が形成され、この切断補助線よりも0〜5mm外方まで、粘着剤層の粘着力が相対的に弱いものとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報記録用粘着シート。
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