JP2008084840A - プラズマディスプレイ用部材及びプラズマディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用部材及びプラズマディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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貴史 大津
Minori Kamata
みのり 鎌田
Yoshiyuki Tsuji
喜亨 辻
Tokuji Kondo
篤司 近藤
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Abstract

【課題】狭幅狭ピッチの電極上に、該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材において、モアレ状の表示ムラの発生防止する。
【解決手段】基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材であって、該プラズマディスプレイ用部材を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察される規則的な周期を持つストライプ状のパターンの長手方向と基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であるプラズマディスプレイ用部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ用部材及びプラズマディスプレイ用部材の製造方法に関する。
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)が注目されている。PDPを構成する部材として、例えば、表示面となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサステイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚みで形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成されている。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアドレス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が形成されている。誘電体層上に放電セル(表示セル)を仕切るための隔壁が形成され、隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層が形成されてなる。フルカラー表示が可能なPDPにおいては、蛍光体層は、赤、緑、青(RGB)の各色に発光するものにより構成される。前面板側のガラス基板のサステイン電極と背面板側のアドレス電極が互いに直交するように、前面板と背面板が封着され、それらの基板の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封入されPDPが形成される。スキャン電極とアドレス電極の交点を中心として画素セル(表示セル)が形成されるので、PDPは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
PDPにおいて表示を行う際、選択された画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン電極とアドレス電極との間に放電開始電圧以上の電圧を印加すると、電離によって生じた陽イオンや電子が、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の電極へと向けて移動してMgO層の内壁に帯電し、内壁の電荷はMgO層の抵抗が高いために減衰せずに壁電荷として残留する。
次に、スキャン電極とサステイン電極の間に放電維持電圧を印加する。壁電荷のあるところでは、放電開始電圧より低い電圧でも放電することができる。放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体を励起することにより、発光表示が可能になる。
プラズマディスプレイ用部材の製造には、スクリーン印刷法が用いられている。
特に前面板および背面板の誘電体層は、前面板においてはストライプ状のサステイン電極を、背面板においてはストライプ状のアドレス電極を覆う形で全面塗布され設けられるが、この誘電体層の形成には、ガラス粉末およびバインダー樹脂を含有する誘電体ペーストをスクリーン印刷版を介して全面塗布し、焼成することによって設けられる。
スクリーン印刷により誘電体ペーストを塗布する場合、縦糸および横糸の太さおよびピッチに起因して誘電体ペースト塗布層にも周期的な微小厚みムラが生じ、焼成後の誘電体層にも周期的な微小厚みムラとして残る。しかしながら、誘電体層の厚みムラの絶対値および周期は小さいため、従来のプラズマディスプレイでは問題となることはなかった。
近年、ディスプレイの高精細化に伴い電極の線幅およびピッチを狭くすることが必要になっている。線幅およびピッチの小さな電極上に誘電体ペーストを塗布する際に、スクリーン版を構成する縦糸または横糸を電極の長手方向と平行になるように配置すると、上述の誘電体層の微小厚みムラの方向と電極の配列方向が一致し、かつ誘電体層の微小厚みムラの周期と電極の幅およびピッチの大きさが近くなるため、誘電体層を形成した後の前面板や背面板にモアレが観察されるという問題がある。前面板の電極と誘電体層の間でモアレが発生すると、ディスプレイの表示は前面板を通じて見ることになるためモアレ状の表示ムラとなる。また、背面板の電極と誘電体層の間でモアレが発生した場合も、放電特性の僅かな差からモアレ状の表示ムラが発生するという問題がある。
スクリーン印刷によって微細パターンをパターン印刷する場合、このスクリーン版を形成する縦糸と横糸のなす角度を直角ではなくすることによって、被印刷物の長手方向および幅方向に平行なメッシュをなくし、高精細なパターンをスクリーン印刷法で形成することが提案されている。(特許文献1参照)。しかし、略ストライプ状で狭幅狭ピッチの電極上に、該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を設ける場合に、モアレの発生を防止する技術は知られていない。
特開2003−237250号公報
そこで本発明は、狭幅狭ピッチの電極上に、該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材において、モアレ状の表示ムラの発生防止を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成をとる。
すなわち、本発明のプラズマディスプレイ用部材は、基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材であって、該プラズマディスプレイ用部材を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察される規則的な周期を持つストライプ状のパターンの長手方向と基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材である。なお、プラズマディスプレイ用部材を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察されるパターンが単純なストライプ状のパターンではなく、2種の規則的な周期を持つストライプ状パターンが交差することで成る格子状のパターンである場合は、その2種類のうち、どちらか一方のストライプ状パターンの長手方向と、基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であればよい。
また、本発明のプラズマディスプレイ用部材の製造方法は、基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材の製造方法であって、基板上に略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンを形成した後に、二軸織物からなるスクリーン版を、該スクリーン版を形成する織物の一方の軸の方向と、該電極または該電極前駆体パターンの長手方向のなす角が5〜40°になるように配置し、ガラス粉末およびバインダー樹脂を含有する誘電体ペーストを該スクリーン版を介して塗布し、焼成することによって誘電体層を形成することを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法である。
狭幅狭ピッチの電極上に、該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材において、モアレ状の表示ムラの発生防止を目的とする。
本発明は、基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材の製造方法である。
本発明のPDP用部材の製造方法に用いられる基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”等を用いることができる。
ガラス基板上に無機材料として銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属により電極層を形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストをスクリーン印刷などにより塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。
形成されるストライプ状電極の厚みは1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極厚みが薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、コスト的に不利な傾向にある。高精細な表示を行うためには、電極のピッチは前面板においては200μm〜300μm、背面板においては100μm〜200μmであることが好ましい。前面板では電極ピッチを200μm未満とするとピッチが狭くなりすぎ、輝度低下となる場合があり、300μmを超えると高精細表示への対応が困難になる。また、背面板では100μm未満では隔壁形成が困難となり、200μmを超えると高精細表示への対応が困難になる。このようなピッチとする場合の電極パターンの幅は好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。電極パターンの幅が細すぎると抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎると隣合う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥が生じやすい傾向にある。
本発明においては、基板上に上述の方法で略ストライプ状の電極または焼成を行う前の電極前駆体を形成した後に、ガラス粉末およびバインダー樹脂を含有する誘電体ペーストを該スクリーン版を介して塗布し、その後に好ましくは400〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電体ペースト塗布層の焼成は上述の電極前駆体の焼成と同時に行っても良いし、PDP用背面板である場合は、後述の隔壁パターンの焼成と同時に行っても良い。
本発明は、上述の誘電体ペースト塗布層を焼成した後、基板を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察される規則的な周期を持つストライプ状のパターンの長手方向と基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であることを特徴とする。このようにすることによって透過光の明暗により観察されるストライプ状パターンと電極または電極前駆体パターンとによるモアレの発生を防止することが出来る。透過光の明暗により観察されるストライプ状のパターンと、電極または電極前駆体パターンの長手方向のなす角が5°未満、または40°を超えた場合には透過光の明暗により観察されるストライプ状パターンの方向と電極の配列方向が一致し、モアレが発生する。その結果、前面板にモアレが発生した場合、背面板にモアレが発生した場合ともにPDPを製造した際にモアレ状の表示ムラが発生してしまう。なお、基板を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察されるパターンが単純なストライプ状のパターンではなく、2種の規則的な周期を持つストライプ状パターンが交差することで成る格子状のパターンである場合は、その2種類のストライプ状パターンのうち、どちらか一方のストライプ状パターンの長手方向と、基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であれば、上述のようなモアレ発生を防止することができる。
なお、透過光の明暗により観察されるストライプ状パターンや2種の規則的な周期を持つストライプ状パターンが交差することで成る格子状のパターンは、スクリーン印刷により誘電体ペーストを塗布した際、縦糸および横糸の太さおよびピッチに起因して誘電体ペースト塗布層に周期的な微小厚みムラが生じ、焼成後の誘電体層にも残る周期的な微小厚みムラに起因するため、上述の誘電体ペーストを塗布する際に、二軸織物からなるスクリーン版を、該スクリーン版を形成する織物の一方の軸の方向と、該電極または該電極前駆体パターンの長手方向のなす角が5〜40°になるように配置して行うことを特徴とする。このように配置することによって、狭幅狭ピッチの電極上に誘電体層を形成する場合であっても、誘電体層の微小厚みムラの方向と電極の配列方向が一致しないため、モアレの発生を防止することができる。
スクリーン版を形成する織物の一方の軸の方向と、電極または電極前駆体パターンの長手方向のなす角が5°未満、または40°を超えた場合には誘電体層の微小厚みムラの方向と電極の配列方向が一致し、かつ誘電体層の微小厚みムラの周期と電極の幅およびピッチの大きさが近いため、モアレが発生する。その結果、前面板にモアレが発生した場合、背面板にモアレが発生した場合ともにPDPを製造した際にモアレ状の表示ムラが発生してしまう。
スクリーン版を構成する二軸織物は入手容易性と安価であることから、縦糸と横糸が略直交する二軸織物からなり、150〜250メッシュで、線径が30μm〜50μmであることが好ましい。
スクリーン版としては、適度のテンションを有すれば良い。スクリーン版用二軸織物の材質としては、所定の弾性を有するものであり、一般にスクリーン印刷法に用いられている二軸織物であれば特に限定されるものではない。具体的には、非弾性体を構成する材質としては、例えばニッケル、コバルト、チタン、金、白金、ステンレス鋼、ニッケル/コバルト合金、ニッケル/クロム合金、等の金属類、アモルファス系、ポリエステル系、テトロン系、ケブラー系等の線材で織られた二軸織物を用いることができる。さらには、前記二軸織物に感光性樹脂や感光性エマルジョンを塗布した後に露光、現像することによって、パターン形成するスクリーンや、金属シート等にエッチング、または電鋳法、さらにはレーザー加工(アブレーションやカッティング)法によって、パターン形成するメタルマスク等が挙げられる。さらに、上記線材には、引っ張り強度を高めるための補強処理として、例えばプレス加工(カレンダー)やメッキ加工(レジダイスト)、さらには紗の目開き防止処理として、例えば二軸織物の線材織り部の各交点に対して、メッキ接着や、レジン焼結止め等追加工を必要に応じて施しても良い。
スクリーン印刷版の開口幅もこの目的に添った幅であることが好ましい。具体的には、1μm〜150μmの範囲内とすることが好ましい。
誘電体層に用いる無機材料であるガラス粉末の成分としては、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を好ましく用いることができる。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。これらのガラス粉末と有機バインダーと混練してペーストを作製できる。用いる有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。PDP用背面板の誘電体層の形成には、ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの比で、1:1〜10:1が好ましい。フィラーの含有量をガラス粉末の10分の1以上とすることで、輝度向上の実効を得ることができる。
誘電体層の厚みは、好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホールが多発する傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、消費電力が大きくなる傾向にある。
本発明でいうプラズマディスプレイ用部材(以降PDP用部材と言う)とは、基板上に少なくとも略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するものをいい、前面板の場合には、ガラス基板上に、略ストライプ状の透明電極およびバス電極、透明電極およびバス電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層に加え、保護膜層をそれぞれ少なくとも1層以上有するものである。また、背面板の場合には、略ストライプ状のアドレス電極、アドレス電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層に加え、隔壁層、蛍光体層、必要に応じて反射層などを少なくともそれぞれ1層以上形成したものである。
さらに、本発明のPDP用部材の製造方法が、PDPの背面板に適用される場合には、前記誘電体層上に、放電セルを仕切るための隔壁層が好ましく形成される。
隔壁層を形成する材料としては、前記誘電体層に用いる材料と同様のものを使用する場合が多い。また、隔壁の形成には感光性ペーストも好ましく用いられ、感光性ペーストを用いた場合は、隔壁層は、基板上にペーストをスクリーン印刷などにより全面塗布した後に、乾燥、露光、現像の工程を含むフォトリソグラフィー法が適用される。
隔壁形成に用いる感光性ペーストは、ガラスを必須成分とする無機材料および感光性有機成分を必須成分とする有機成分からなる。
感光性ペーストを用いる場合は、感光性ペーストは無機材料として、ガラスおよび必要に応じて、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ガラスとしてはケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスが好ましい。
無機材料の粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。D50を10μm以下とすることで、表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。また、1μm以上とすることで、ペーストの粘度調整を容易にすることができる。さらに、比表面積0.2〜3m/gのガラス微粒子を用いることが、パターン形成において、特に好ましい。
隔壁層は、好ましくは熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60重量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。また、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、40重量%以下が好ましい。
用いるガラス粉末としては、焼成時にガラス基板にそりを生じさせないためには線膨張係数が50×10−7〜90×10−7、更には、60×10−7〜90×10−7のガラス微粒子を用いることが好ましい。
隔壁層を形成する素材としては、ケイ素および/またはホウ素の酸化物を含有したガラス材料が好ましく用いられる。
酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましい。3重量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨張係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%以下とすることでガラスの安定性を保つことができる。
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス :10〜40重量部
酸化ケイ素 : 3〜50重量部
酸化ホウ素 :10〜40重量部
酸化バリウム : 8〜20重量部
酸化アルミニウム:10〜30重量部。
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
この場合の具体的なガラス微粒子としては、次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム : 2〜15重量部
酸化ケイ素 :15〜50重量部
酸化ホウ素 :15〜40重量部
酸化バリウム : 2〜15重量部
酸化アルミニウム: 6〜25重量部。
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨張係数を容易にコントロールすることができる。
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨張係数の点からは、その含有量は、40重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。
隔壁形成用感光性ペーストに含まれる有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性有機成分を必須成分とし、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を用いることができる。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマーの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマー、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少なすぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。
隔壁の断面形状は台形や矩形に形成することが好ましく、その高さは80μm〜200μmであることが好ましい。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができる。また、200μm以下とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得ることができる。またピッチ(P)は、100μm〜500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、100μm〜300μmである。100μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな映像表示ができる。250μm以下にすることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示することができる。
さらにPDP用背面板では、前記隔壁と隔壁の間に、RGBの蛍光体層が好ましく形成される。
本発明で蛍光体層を形成する方法は、無機材料としてR、G、Bの蛍光体粉末を用い、これら無機材料をセルロース系、アクリル系などの有機バインダー溶液と混合された蛍光体ペーストを、ディスペンサーを用いて塗布する。ディスペンサー塗布は精度面、コスト面でも有利な方法である。
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。
実施例1
ガラス基板PD200(サイズ:980×550mm)上に感光性銀ペーストを用いて基板の長辺方向に平行にストライプ状の電極を作製した。感光性銀ペーストを塗布、乾燥後、ピッチ300μm、開口幅20μmのフォトマスクを用いて露光した後、0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、580℃で15分間焼成する工程を経て、線幅20μm、厚み3μm、ピッチ300μmの電極を形成した。
次に、平均粒径3μm、酸化ビスマスを75重量%含有する低融点ガラスの粉末を60重量%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15重量%、テルピネオール15重量%を混練して得られたガラスペーストを用いてスクリーン印刷を用いて、先の電極上に電極が覆われるように20μmの厚みで塗布した後に、570℃、15分間の焼成を行って誘電体層を形成した。スクリーン印刷に用いた版は直角な二軸織物から成り、その一軸が形成した電極と30°の角度を成すように配置し、二軸織物のメッシュは250、材質はPET(ポリエチレンテレフタレート)で構成されたものを用いた。スクリーン印刷後、590℃で焼成し誘電体層を形成した。目視で確認したところ、電極と誘電体層の間でモアレは発生されなかった。誘電体層上に、隔壁用感光性ガラスペーストを塗布した。隔壁用感光性ガラスペーストはガラス粉末と感光性有機成分を含む有機成分から構成され、ガラス粉末としては、酸化リチウム10重量%、酸化珪素25重量%、酸化硼素30重量%、酸化亜鉛15重量%、酸化アルミニウム5重量%、酸化カルシウム15重量%からなる組成のガラスを粉砕した平均粒子径2μmのガラス粉末を用いた。感光性有機成分を含む有機成分としては、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー30重量%、トリメチロールプロパントリアクリレート30重量%、光重合開始剤である“イルガキュア369”(チバガイギー社製)10重量%、γ−ブチロラクトン30重量%からなるものを用いた。
隔壁用感光性ガラスペーストは、これらのガラス粉末と感光性有機成分を含む有機成分をそれぞれ70:30の重量比率で混合した後に、ロールミルで混練して作製した。
次にこの感光性ペーストをダイコーターを用いて塗布幅が530mm、乾燥後厚み200μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)で行った。乾燥後、補助隔壁前駆体のパターンに対応したピッチ680μm、幅60μm、長さ940mmのストライプ状パターンが配設されたフォトマスクを準備し、ステッパー露光機(キャノン社製)を用いて、露光照度20mW/cm、露光時間20秒、フォトマスクと基板上の塗布膜間距離(ギャップ量)を100μmで、露光動作を実施した。
そして、再び隔壁用感光性ペーストをダイコーターを用いて塗布幅が80mm、乾燥後厚み30μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)で行った。
ピッチ300μm、幅50μm、長さ536mmのストライプ状パターンが配設されたフォトマスクを準備し、ステッパー露光機(キャノン社製)を用いて、露光照度20mW/cm、露光時間20秒、フォトマスクと基板上の塗布膜間距離(ギャップ量)を100μmで、露光動作を実施した。露光後、0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、580℃で15分間焼成することにより、ピッチ300μm、隔壁頂部幅50μm、底部幅80μmの隔壁を形成した。
次に蛍光体ペーストをディスペンサにより塗布し、蛍光体層を形成し、乾燥(180℃で15分)、焼成(例えば500℃で30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を形成した。
ここで得られた基板を透過光で観察したところ、透過光の明暗で観察されるストライプ状のパターンと電極パターンの長手方向との成す角度は30°であり、モアレは観察されなかった。
次に背面板を前面板と貼り合わせ封着した後、放電用ガスのヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスを封入し、駆動回路を接合してプラズマディスプレイを作製した。プラズマディスプレイを点灯評価した結果、モアレ状の表示ムラは観察されなかった。
比較例1
実施例1において、スクリーン印刷に用いた版は直角な二軸織物から成り、その一方が形成した電極と平行になるように配置した版を用いた他は同一手法にて電極および誘電体層を形成した。目視で確認した結果、電極と誘電体層との間でモアレが観察された。実施例1と同じ手法で背面板を作製し、透過光で基板を観察したところ透過光の明暗で観察されるストライプ状のパターンと電極パターンの長手方向との成す角度は0°であり、モアレが観察された。この背面板を前面板と張り合わせ、実施例1と同じ手法でプラズマディスプレイを作成し、点灯評価した結果、モアレ状の表示ムラが観察された。
比較例2
実施例1において、スクリーン印刷に用いた版は直角な二軸織物から成り、その一方が形成した電極と45°になるように配置した版を用いた他は同一手法にて電極および誘電体層を形成した。目視で確認した結果、電極と誘電体層との間でモアレが観察された。実施例1と同じ手法で背面板を作製し、透過光で基板を観察したところ透過光の明暗で観察されるストライプ状のパターンと電極パターンの長手方向との成す角度は45°であり、モアレが観察された。この背面板を前面板と張り合わせ、実施例1と同じ手法でプラズマディスプレイを作成し、点灯評価した結果、モアレ状の表示ムラが観察された。
実施例2
ガラス基板PD200(サイズ:964×570mm)上に感光性銀ペースト用いて基板の短辺方向に垂直に電極を作製した。感光性銀ペーストを塗布し、乾燥後、ピッチ100μm、開口幅40μmのフォトマスクを用いて露光後、0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、600℃で15分間焼成する工程を経て、線幅40μm、厚み3μm、ピッチ100μmの電極を形成した。
次に、平均粒径3μm、酸化ビスマスを75重量%含有する低融点ガラスの粉末を60重量%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15重量%、テルピネオール15重量%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、電極が覆われるように20μmの厚みで塗布した後に、600℃15分間の焼成を行って誘電体層を形成した。
スクリーン印刷に用いた版は直角な二軸織物から成り、その一軸が形成した電極と8°の角度を成すように配置し、織物のメッシュは250、材質はPET(ポリエチレンテレフタレート)で構成されたものを用いた。スクリーン印刷後、600℃で焼成し誘電体層を形成した。目視で確認した結果、電極と誘電体層の間のモアレは観察されなかった。
誘電体層上に、隔壁用感光性ガラスペーストを塗布した。隔壁用感光性ガラスペーストはガラス粉末と感光性有機成分を含む有機成分から構成され、ガラス粉末としては、酸化リチウム10重量%、酸化珪素25重量%、酸化硼素30重量%、酸化亜鉛15重量%、酸化アルミニウム5重量%、酸化カルシウム15重量%からなる組成のガラスを粉砕した平均粒子径2μmのガラス粉末を用いた。感光性有機成分を含む有機成分としては、カルボキシル基を含有するアクリルポリマー30重量%、トリメチロールプロパントリアクリレート30重量%、光重合開始剤である“イルガキュア369”(チバガイギー社製)10重量%、γ−ブチロラクトン30重量%からなるものを用いた。
隔壁用感光性ガラスペーストは、これらのガラス粉末と感光性有機成分を含む有機成分をそれぞれ70:30の重量比率で混合した後に、ロールミルで混練して作製した。
次にこの感光性ペーストをダイコーターを用いて塗布幅が530mm、乾燥後厚み200μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)で行った。乾燥後、補助隔壁前駆体のパターンに対応したピッチ200μm、幅60μm、長さ940mmのストライプ状パターンが配設されたフォトマスクを準備し、ステッパー露光機(キャノン社製)を用いて、露光照度20mW/cm、露光時間20秒、フォトマスクと基板上の塗布膜間距離(ギャップ量)を100μmで、露光動作を実施した。
そして、再び隔壁用感光性ペーストをダイコーターを用いて塗布幅が80mm、乾燥後厚み30μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)で行った。
ピッチ100μm、幅25μm、長さ536mmのストライプ状パターンが配設されたフォトマスクを準備し、ステッパー露光機(キャノン社製)を用いて、露光照度20mW/cm、露光時間20秒、フォトマスクと基板上の塗布膜間距離(ギャップ量)を100μmで、基板とフォトマスクの位置を露光動作を実施した。露光後、0.5重量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、さらに、580℃で15分間焼成することにより、ピッチ100μm、隔壁頂部幅25μm、底部幅35μmの隔壁を形成した。
次に蛍光体ペーストをディスペンサにより塗布し、蛍光体層を形成し、乾燥(180℃で15分)、焼成(例えば500℃で30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を形成した。
ここで得られた基板を透過光で観察したところ、透過光の明暗で観察されるストライプ状のパターンと電極パターンの長手方向との成す角度は8°であり、モアレは観察されなかった。
このようにして得られた背面板を、前面板と貼り合わせ封着した後、放電用ガスのヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスを封入し、駆動回路を接合してプラズマディスプレイを作製した。プラズマディスプレイを点灯評価した結果、モアレ状の表示ムラは観察されなかった。
比較例3
実施例2において、スクリーン印刷に用いた版は直角な二軸織物から成り、その一軸が形成した電極と3°の角度を成すように配置した他は同一手法にて電極および隔壁を得た。目視で確認した結果、電極と誘電体層の間にモアレが観察された。実施例2同様に背面板を作製し、透過光で基板を観察したところ、透過光の明暗で観察されるストライプ状のパターンと電極パターンの長手方向との成す角度は3°であり、モアレが観察された。また、実施例2同様にプラズマディスプレイを作成し点灯評価した結果、モアレ状の表示ムラが発生した。

Claims (4)

  1. 基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材であって、該プラズマディスプレイ用部材を透過光で観察したときに、透過光の明暗により観察される規則的な周期を持つストライプ状のパターンの長手方向と基板上に形成された略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンの長手方向との成す角度が5〜40°であることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
  2. 前記電極のピッチが100μm〜300μm、線幅が30〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用部材。
  3. 基板上に、略ストライプ状の電極および該電極を覆い基板上の表示領域全面に形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイ用部材の製造方法であって、基板上に略ストライプ状の電極または電極前駆体パターンを形成した後に、二軸織物からなるスクリーン版を、該スクリーン版を形成する織物の一方の軸の方向と、該電極または該電極前駆体パターンの長手方向のなす角が5〜40°になるように配置し、ガラス粉末およびバインダー樹脂を含有する誘電体ペーストを該スクリーン版を介して塗布し、焼成することによって誘電体層を形成することを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
  4. 前記スクリーン版が縦糸と横糸が略直交する二軸織物からなり、150〜250メッシュ、線径が30μm〜50μmである請求項3に記載のプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
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