JP2008084756A - コネクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定ハウジングと可動ハウジングとを備え、両者を連結する複数の導電コンタクト部材が、相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られ、しかも、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】固定ハウジング(30)と可動ハウジング(31)とを相互連結し、各々の一端部分(32a)が回路基板に接続されるとともに、各々の他端部分(32b)が可動ハウジング(31)に設けられた嵌合部(34A,34B)内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材(32)が、そのうちの少なくとも一部の各々に、一端部分(32a)から他端部分(32b)に向かう方向に沿って伸びるスリット(33)が設けられたものとされる。
【選択図】図2
【解決手段】固定ハウジング(30)と可動ハウジング(31)とを相互連結し、各々の一端部分(32a)が回路基板に接続されるとともに、各々の他端部分(32b)が可動ハウジング(31)に設けられた嵌合部(34A,34B)内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材(32)が、そのうちの少なくとも一部の各々に、一端部分(32a)から他端部分(32b)に向かう方向に沿って伸びるスリット(33)が設けられたものとされる。
【選択図】図2
Description
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと配列配置された複数の導電コンタクト部材により固定ハウジングに連結される可動ハウジングとを有し、可動ハウジングに相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられるコネクタ装置に関する。
標準化されたATA(AT Attachment) 規格の拡張仕様の一つであるSATA(Serial AT Attachment)に適合した比較的小型なハードディスクドライブ装置等を、各種の電気部品が取り付けられるソリッド印刷配線基板等の回路基板に接続するにあたっては、所定の範囲内で移動自在とされる浮動嵌合部を有したコネクタ装置が用いられる。斯かる浮動嵌合部を有したコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと配列配置された複数の導電コンタクト部材により固定ハウジングに連結される可動ハウジングとを有し、可動ハウジングに、例えば、ハードディスクドライブ装置に設けられたコネクタとされる相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられて構成される。そして、可動ハウジングに設けられた嵌合部が浮動嵌合部を形成する。
このようなコネクタ装置にあっては、可動ハウジングに設けられた嵌合部において、それとの嵌合が行われた相手方コネクタを備えたハードディスクドライブ装置等に加えられる振動や衝撃が吸収される。それにより、ハードディスクドライブ装置等についての振動や衝撃からの保護が図られる。
従来、浮動嵌合部を有したコネクタ装置として、回路基板上に固着される固定ハウジングと浮動嵌合部を形成する嵌合部が設けられた可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材を、グランド接続される金属板が張り合わされて裏打ちされた板状絶縁体上に配列配置して設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示される従来の浮動嵌合部を有したコネクタ装置にあっては、嵌合部が設けられた可動ハウジング(可動インシュレータ)は、常時、それに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が固定ハウジング(固定インシュレータ)が固着された回路基板に平行な方向となる姿勢を維持する。そして、可動ハウジングは、固定ハウジングに複数の導電コンタクト部材によって連結されたもとで、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向及びそれに直交する2方向の3方向における所定の範囲での移動が可能とされる。
このような嵌合部が設けられた可動ハウジングと固定ハウジングとが複数の導電コンタクト部材によって相互連結されたコネクタ装置においては、複数の導電コンタクト部材は交流信号を伝達する。それゆえ、複数の導電コンタクト部材には、可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合(インピーダンスマッチング)がとられるようにすべく、それらのうちの隣り合う2個が予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することが要求される。
上述の特許文献1に示される従来のコネクタ装置の場合、固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材を、グランド接続される金属板が張り合わされて裏打ちされた板状絶縁体上に配列配置して設けたものとする、という構造をとることにより、複数の導電コンタクト部材とそれらに接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合を図ることができる旨が、特許文献1に記載されている。
上述のような、従来提案されている浮動嵌合部を有したコネクタ装置にあっては、回路基板上に固着される固定ハウジングと浮動嵌合部を形成する嵌合部が設けられた可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材を、グランド接続される金属板が張り合わされて裏打ちされた板状絶縁体上に配列配置して設けたものとする、という構造がとられているので、複数の導電コンタクト部材が、構造の複雑化がまねかれるとともに、柔軟性に欠けて、耐振動性及び耐衝撃性が良好でないものとされてしまう。そのため、複数の導電コンタクト部材の製造コストが嵩むことになるという問題、また、固定ハウジングに対するそれに複数の導電コンタクト部材によって連結された可動ハウジングの移動が、円滑に行われないことになり、さらには、固定ハウジングからの不要な振動,衝撃等が導電コンタクト部材を通じて可動ハウジングに伝達されてしまうという問題がある。
このような従来のコネクタ装置が伴う問題を解消すべく、固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材を、グランド接続される金属板が張り合わされて裏打ちされた板状絶縁体上に配列配置されるものとすることなく、帯状金属材料等の導体のみによって形成して配列配置し、しかも、例えば、図9に示されるように、複数の導電コンタクト部材の夫々の配列方向の幅を比較的小なるものとして、複数の導電コンタクト部材の全体を柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとすることが考えられる。図9に示されるコネクタ装置10にあっては、回路基板上に固着される固定ハウジング11と浮動嵌合部を形成する嵌合部が設けられた可動ハウジング12とが、配列配置された複数の導電コンタクト部材13によって相互連結されている。
そして、図9に示されるコネクタ装置10においては、図10に示されるように、複数の導電コンタクト部材13は、各々が、帯状金属材料のみにより比較的小なる幅wを有するものとして形成され、その幅方向に間隔sを置いて配列配置されて設けられる。幅wは、例えば、0.2mmとされ、また、間隔sは、例えば、1.07mmとされて、幅wは間隔sに比して相当に小である。このように、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅が比較的小とされる場合には、複数の導電コンタクト部材が、その全体が、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされることになる。
しかしながら、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅が比較的小とされる場合には、複数の導電コンタクト部材の間隔が、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅に比して、例えば、数倍となるというように、比較的大とされることになる。その結果、複数の導電コンタクト部材のうちの隣り合う2個が、相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することが困難とされてしまう。例えば、図10に示される複数の導電コンタクト部材13の場合、複数の導電コンタクト部材13は、各々が比較的小なる幅w:0.2mmを有するものとされるもとで、間隔s:1.07mmを置いて配列配置されているが、斯かるもとで、周知のTDR(Time Domain Reflectometry) 法により測定された隣り合う2個についての差動インピーダンスは、100Ωからは遠いところにあることが実測された。
従って、図9に示されるコネクタ装置10のように、複数の導電コンタクト部材を、夫々の幅が比較的小であるものとする場合には、複数の導電コンタクト部材の間隔が比較的大とされることになって、複数の導電コンタクト部材と可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られなくなり、コネクタ装置における信号の反射が生じる事態をまねくことになってしまう。
そこで、固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材を備えて成るコネクタ装置について、複数の導電コンタクト部材を、グランド接続される金属板が張り合わされて裏打ちされた板状絶縁体上に配列配置されるものとすることなく、帯状金属材料等の導体のみによって形成して配列配置し、しかも、可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合がとられるように、それらのうちの隣り合う2個が予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有するものとすべく、例えば、図11に示されるように、複数の導電コンタクト部材の夫々の配列方向の幅を比較的大として、複数の導電コンタクト部材の間隔を比較的小にすることも考えられる。
図11に示されるコネクタ装置10’にあっては、回路基板上に固着される固定ハウジング11’と浮動嵌合部を形成する嵌合部が設けられた可動ハウジング12’とが、配列配置された複数の導電コンタクト部材13’によって相互連結されている。そして、複数の導電コンタクト部材13’は、各々が、帯状金属材料のみにより比較的大なる幅w’を有するものとして形成され、その幅方向に比較的小なる間隔s’を置いて配列配置されて設けられる。幅w’は、例えば、0.8mmとされ、また、間隔s’は、例えば、0.47mmとされて、間隔s’は幅w’の0.6倍弱である。
このように、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅が比較的大とされて、複数の導電コンタクト部材の間隔が比較的小とされる場合には、複数の導電コンタクト部材のうちの隣り合う2個が、相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有するものとされる。例えば、図11に示される複数の導電コンタクト部材13’の場合、複数の導電コンタクト部材13’は、各々が比較的大なる幅w’:0.8mmを有するものとされるもとで、比較的小なる間隔s’:0.47mmを置いて配列配置されているが、斯かるもとで、周知のTDR(Time Domain Reflectometry) 法により測定された隣り合う2個についての差動インピーダンスは、100Ωに近いところにあることが実測された。
しかしながら、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅が比較的大とされる場合には、複数の導電コンタクト部材が、全体の剛性が増し、特に、配列方向の変位に対する柔軟性に欠けるものとなる。それにより、固定ハウジングに対するそれに複数の導電コンタクト部材によって連結された可動ハウジングの移動が、円滑に行われないことになり、さらには、固定ハウジングからの不要な振動,衝撃等が導電コンタクト部材を通じて可動ハウジングに伝達されてしまうという問題を生じる。
従って、図11に示されるコネクタ装置10’のように、複数の導電コンタクト部材の間隔を比較的小なるものとする場合には、複数の導電コンタクト部材の夫々の幅が比較的大とされることになり、複数の導電コンタクト部材の全体が柔軟性に欠けるものとなって、固定ハウジングに対する可動ハウジングの円滑な移動に支障をきたす事態、さらには、可動ハウジングに固定ハウジングからの不要な振動,衝撃等が伝達されてしまう事態をまねくことになってしまう。
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられる可動ハウジングと、配列配置されて設けられて固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結し、可動ハウジングを固定ハウジングに対して移動可能となす複数の導電コンタクト部材とを備えて構成されるもとで、複数の導電コンタクト部材が、可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られ、しかも、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされるコネクタ装置を提供する。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項7までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部が設けられた可動ハウジングと、固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結して可動ハウジングを固定ハウジングに対して移動可能となし、各々の第1の部分が回路基板に接続されるとともに、各々の第2の部分が嵌合部内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材と、を備えて構成され、複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に、その第1の部分からその第2の部分に向かう方向に沿って伸びるスリットが設けられることを特徴とするものとされる。
特に、本発明のうちの請求項5に記載されたものに係るコネクタ装置にあっては、複数の導電コンタクト部材のうちの高周波信号を伝達するものの各々にスリットが設けられる。
また、本発明のうちの請求項6に記載されたものに係るコネクタ装置にあっては、複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に設けられるスリットが、スリットが設けられる導電コンタクト部材の回路基板に接続される第1の部分から離隔して形成される。
このように構成される本発明に係るコネクタ装置においては、固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結して可動ハウジングを固定ハウジングに対して移動可能となし、各々の第1の部分が回路基板に接続されるとともに、各々の第2の部分が嵌合部内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材が、複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に、その第1の部分からその第2の部分に向かう方向に沿って伸びるスリットが設けられるものとされる。即ち、複数の導電コンタクト部材の全部または一部の各々にスリットが設けられるのであり、例えば、複数の導電コンタクト部材のうちの一部の各々にスリットが設けられる場合には、スリットが設けられる導電コンタクト部材は、本発明のうちの請求項5に記載されたものに係るコネクタ装置のように、高周波信号を伝達するものとされる。
また、本発明のうちの請求項6に記載されたものに係るコネクタ装置の場合には、複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に設けられるスリットが、導電コンタクト部材における回路基板に接続される第1の部分には形成されないことになる。
上述のように、本発明に係るコネクタ装置にあっては、複数の導電コンタクト部材の全部または一部の各々に、その第1の部分からその第2の部分に向かう方向に沿って伸びるスリットが設けられるので、各々にスリットが設けられた複数の導電コンタクト部材は、比較的狭い間隔をもって配列配置され、しかも、夫々が、スリットが設けられることにより実質的に配列方向の幅が比較的狭いものとされる状態をとり得ることになる。その結果、各々にスリットが設けられた複数の導電コンタクト部材は、比較的狭い間隔をもって配列配置されることによって、隣り合う2個が、相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することができることになる。また、夫々にスリットが設けられた複数の導電コンタクト部材は、そのスリットの存在により実質的に配列方向の幅が比較的狭いものとされるので、複数の導電コンタクト部材の全体が、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとなる。
特に、本発明のうちの請求項5に記載されたものに係るコネクタ装置のように、複数の導電コンタクト部材のうちの一部である高周波信号を伝達するものの夫々にスリットが設けられる場合には、複数の導電コンタクト部材のうちの高周波信号を伝達するものが、比較的狭い間隔をもって配列配置されることによって、隣り合う2個が、相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することができることになるとともに、高周波信号を伝達するものを含む複数の導電コンタクト部材の全部の夫々が、実質的に配列方向の幅が比較的狭いものとされ得ることになり、複数の導電コンタクト部材の全体が、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとなる。
また、本発明のうちの請求項6に記載されたものに係るコネクタ装置のように、複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に設けられるスリットが、スリットが設けられる導電コンタクト部材の回路基板に接続される第1の部分から離隔して形成される場合には、例えば、導電コンタクト部材の第1の部分が回路基板に半田付けによって接続されるとき、当該第1の部分にはスリットが形成されていないので、導電コンタクト部材の第1の部分の回路基板への半田付けによる接続が、確実かつ堅固になされることになる。
従って、本発明に係るコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられる可動ハウジングと、配列配置されて設けられて固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結し、可動ハウジングを固定ハウジングに対して移動可能となす複数の導電コンタクト部材とを備えて構成され、複数の導電コンタクト部材が、可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られ、しかも、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされることになる。それにより、固定ハウジングに対するそれに複数の導電コンタクト部材によって連結された可動ハウジングの移動が、円滑に行われることになり、また、固定ハウジングからの不要な振動,衝撃等が導電コンタクト部材を通じて可動ハウジングに伝達されてしまう虞が効果的に低減される。
本発明を実施するための最良の形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
図1(正面図)及び図2(図1におけるII−II線より右方の部分を切除した状態を示す斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を、選択された状態をとるものとして示す。
図1及び図2において、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置21は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、ソリッド印刷配線基板等の回路基板22に取り付けられた固定ハウジング30と、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された可動ハウジング31とを備えている。固定ハウジング30と可動ハウジング31とは、配列配置された複数の導電コンタクト部材32によって連結されている。複数の導電コンタクト部材32の夫々は、例えば、弾性を有した帯状金属材料によって形成されたものとされ、その一端部分32aは回路基板22に接続される。また、複数の導電コンタクト部材32の夫々は、その長手方向に沿って伸びるスリット33が設けられている。そして、配列配置された複数の導電コンタクト部材32は、可動ハウジング31に固定ハウジング30から離隔させる方向の力を作用させる。
可動ハウジング31における端面部には、例えば、ハードディスクドライブ装置に備えられたものとされる相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部34A及び34Bが設けられている。嵌合部34A及び34B内には、一端部分32aが回路基板22に接続された複数の導電コンタクト部材32の夫々における他端部分32bが配されており、この導電コンタクト部材32の他端部分32bは、嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。それにより、嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタが、複数の導電コンタクト部材32を通じて、回路基板22に電気的に連結される。
固定ハウジング30における複数の導電コンタクト部材32の配列方向における一方の端部30Aと、それに対応する可動ハウジング31における複数の導電コンタクト部材32の配列方向における一方の端部31Aとに、第1の係合機構部が形成されており、また、固定ハウジング30における複数の導電コンタクト部材32の配列方向における他方の端部30Bと、それに対応する可動ハウジング31における複数の導電コンタクト部材32の配列方向における他方の端部31Bとに、第2の係合機構部が形成されている。
これらの第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング31に、図1及び図2に示されるような、それに設けられた嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング30に固定される状態と、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に略平行となる姿勢をもって固定ハウジング30に対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる。また、第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング31を、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板22に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジング30に対しての回動を行い得るものとなす。
固定ハウジング30の端部30Aと可動ハウジング31の端部31Aとに形成される第1の係合機構部は、端部30Aに形成された案内孔35A,この案内孔35Aと固定ハウジング30外とを連結するスリット部36A、及び、案内孔35Aとスリット部36Aとの両者に通じた透孔37Aと、端部31Aに設けられた突起係合部38Aと、を含んで構成されている。端部30Aに形成された案内孔35Aの一部には、突起係合部38Aが係合する係合凹部39Aが形成されている。
端部31Aに設けられた突起係合部38Aは、固定ハウジング30外から端部30Aに形成されたスリット部36Aを通じて案内孔35A内に移動し、案内孔35Aの一部に形成された係合凹部39Aに係合する状態をとることができるものとされる。また、端部30Aに形成された透孔37A内には、ばね部材40Aが収容されており、このばね部材40Aは、スリット部36Aに係合したもとで、係合凹部39Aに係合する状態をとった突起係合部38Aに位置決め作用を及ぼし、突起係合部38Aに係合凹部39Aとの係合状態を維持させる役割を果たす。そして、案内孔35Aの一部に形成された係合凹部39Aと突起係合部38Aとばね部材40Aとが、可動ハウジング31に相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に対してそれと交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング30に固定される状態をとらせる、第1のロック機構を構成している。但し、突起係合部38Aに係合凹部39Aとの係合状態を維持させるばね部材40Aの存在は必ずしも必要ではない。
固定ハウジング30の端部30Bと可動ハウジング31の端部31Bとに形成される第2の係合機構部も、上述の第1の係合機構部と同様に構成される。即ち、第2の係合機構部は、上述の案内孔35A,スリット部36A,透孔37A,ばね部材40A及び突起係合部38Aに夫々相当する、案内孔35B,スリット部36B,透孔37B(後述される図5にあらわれている),ばね部材40B及び突起係合部38Bを含んで構成されている。案内孔35Bの一部には、突起係合部38Bが係合する係合凹部39B(後述される図3に現れている)が形成されている。そして、第2の係合機構部においても、案内孔35Bの一部に形成された係合凹部39Bと突起係合部38Bとばね部材40Bとが、第1のロック機構と共働して、可動ハウジング31に相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に対してそれと交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング30に固定される状態をとらせる、第2のロック機構を構成している。但し、突起係合部38Bに係合凹部39Bとの係合状態を維持させるばね部材40Bの存在は必ずしも必要ではない。
第1のロック機構において、突起係合部38Aが係合凹部39Aに係合し、ばね部材40Aによってその係合状態が維持される状態がとられるとともに、第2のロック機構において、突起係合部38Bが係合凹部39Bに係合し、ばね部材40Bによってその係合状態が維持される状態がとられるとき、図1及び図2の夫々に示されるように、可動ハウジング31が、それに設けられた嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板22に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング30に固定される状態におかれる。斯かる可動ハウジング31の固定ハウジング30への固定にあたり、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向についてのその回路基板22に対して成す角度は、例えば、固定ハウジング30あるいは可動ハウジング31の部分的な形状を変えることで任意に設定できる。
なお、可動ハウジング31に設けられた、嵌合部34A及び34Bを挟むようにして伸びる二つの柱状部41A及び41Bは、嵌合部34A及び34Bに嵌合せしめられる相手方コネクタに対する案内を行う案内部分を形成している。
相手方コネクタの嵌合部34A及び34Bへの嵌合は、図1及び図2の夫々に示されるように、可動ハウジング31が、それに設けられた嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板22に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング30に固定される状態におかれたもとで行われる。その際、当該相手方コネクタは、その一部が可動ハウジング31に設けられた柱状部41A及び41Bに係合して、それらによる案内を受けつつ、嵌合部34A及び34B内に挿入される。
このとき、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板22に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すものとされていて、嵌合にあたり相手方コネクタを回路基板22と平行に移動させる必要がなく、しかも、可動ハウジング31が固定ハウジング30に固定されていて、嵌合部34A及び34Bは変位しない。それゆえ、嵌合部34A及び34Bに相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部34A及び34Bに相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
相手方コネクタと嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされると、可動ハウジング31は、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板22に対する角度変化を生じさせるべく、固定ハウジング30に対して回動せしめられる。その際には、固定ハウジング30の端部30Aと可動ハウジング31の端部31Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部38Aが、係合凹部39Aとの係合状態から解放され、同様に、固定ハウジング30の端部30Bと可動ハウジング31の端部31Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部38Bが、係合凹部39Bとの係合状態から解放される。
それにより、可動ハウジング31は、図3(正面側からの斜視図),図4(正面図)及び図5(背面側からの斜視図)の夫々に示されるように、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング30に対して移動自在とされる状態におかれる。なお、図3〜図5においては、相手方コネクタは図示が省略されている。
可動ハウジング31が、嵌合部34A及び34Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング30に対して移動自在とされる状態におかれるときには、固定ハウジング30の端部30Aと可動ハウジング31の端部31Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部38Aが、係合凹部39Aとの係合を解除して、係合凹部39A及びばね部材40Aから離隔した位置をとるものとされる。同様に、固定ハウジング30の端部30Bと可動ハウジング31の端部31Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部38Bが、係合凹部39Bとの係合を解除して、係合凹部39B及びばね部材40Bから離隔した位置をとるものとされる。それにより、可動ハウジング31は、各々の一端部分32aが回路基板22に接続されて配列配置された複数の導電コンタクト部材32によってのみ、支持されることになる。
その結果、可動ハウジング31は、嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板22に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング30に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれる。それにより、嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を可動ハウジング31において吸収し、相手方コネクタを備えた装置等を振動や衝撃から保護できることになる。
各々にスリット33が設けられて配列配置される複数の導電コンタクト部材32は、前述のように、夫々が、その一端部分32aが、回路基板22に接続されるとともに、その他端部分32bが、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34B内に配されるものとされる。嵌合部34A及び34B内に配された他端部分32bは、嵌合部34A及び34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。
図6は、配列配置される複数の導電コンタクト部材32の一部を、コネクタ装置21の背面側から見た状態を示す。この図6に示されるように、複数の導電コンタクト部材32の夫々に設けられたスリット33は、複数の導電コンタクト部材32の夫々の一端部分32aから他端部分32bに向かう方向に沿って伸びるものとして形成される。そして、このスリット33は、それが設けられる導電コンタクト部材32の一端部分32aから離隔して形成される。即ち、複数の導電コンタクト部材32の夫々において、スリット33は一端部分32aには形成されないのである。
複数の導電コンタクト部材32の夫々における一端部分32aの回路基板22への接続は、半田付けによってなされるのが一般的であるが、各導電コンタクト部材32の一端部分32aが回路基板22に半田付けによって接続されるとき、当該一端部分32aにはスリット33が形成されていないので、導電コンタクト部材32の一端部分32aの回路基板22への半田付けによる接続が、確実かつ堅固になされることになる。
また、図6に示されるように、複数の導電コンタクト部材32は、選定された間隔Sをおいて配列配置され、複数の導電コンタクト部材32の夫々に設けられたスリット33は、複数の導電コンタクト部材32の配列方向における選定された幅Wを有するものとされる。複数の導電コンタクト部材32の間隔Sは、例えば、前述の図10に示される複数の導電コンタクト部材13の間隔s(1.07mm) に比して充分に小とされる、比較的小なるもの、例えば、0.47mmに選定される。また、複数の導電コンタクト部材32の各々に設けられたスリット33の幅Wは、例えば、複数の導電コンタクト部材32の間隔S以下となるように選定され、例えば、0.2〜0.4mmとされる。
このように、例えば、0.47mmとされる間隔Sをもって配列配置され、各々に設けられたスリット33の幅Wが、例えば、0.2〜0.4mmとされる複数の導電コンタクト部材32にあっては、それらのうちの隣り合う2個の差動インピーダンスが、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近いものとされる。
実際に、図7に示されるように、0.47mmとされる間隔Sをもって配列配置され、各々に設けられたスリット33の幅Wが0.2〜0.4mmとされた複数の導電コンタクト部材32について、それらのうちの隣接する4個である導電コンタクト部材32A,32B,32C及び32Dを選び、両端の導電コンタクト部材32A及び32Dをグランド接続するとともに、中央の導電コンタクト部材32B及び32Cに測定用信号を供給して、周知のTDR法により測定した、隣り合う2個の導電コンタクト部材32B及び32Cについての差動インピーダンスは、幅Wが0.2mmのとき、及び、幅Wが0.4mmのときのいずれにおいても、100Ωを若干(15%未満)上回る程度であった。このように、100Ωを若干上回る程度とされる、隣り合う2個の導電コンタクト部材32B及び32Cについての差動インピーダンスは、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近いものである。
即ち、上述のような隣接する4個である導電コンタクト部材32A,32B,32C及び32Dを含んで配列配置される複数の導電コンタクト部材32にあっては、それらのうちの隣り合う2個が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有している。従って、複数の導電コンタクト部材32は、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られたものとされていることになる。
また、複数の導電コンタクト部材32は、それらの夫々に、例えば、幅Wが0.2〜0.4mmとされるスリット33が設けられるので、配列方向においても容易に変形変位することができる。従って、複数の導電コンタクト部材32は、その全体が、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされていることになり、それにより、固定ハウジング30に対する可動ハウジング31の移動が円滑に行われ、また、固定ハウジング30からの不要な振動,衝撃等が導電コンタクト部材32を通じて可動ハウジング31に伝達されてしまう虞が効果的に低減される。
上述のようなコネクタ装置21にあっては、図4及び図5の夫々に示されるように、複数の導電コンタクト部材32は、グループGAとグループGBとの2個のグループに区分されている。複数の導電コンタクト部材32のうちのグループGAに属するものは、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34Aに対応するものとされていて、高周波信号の伝達に供される。即ち、複数の導電コンタクト部材32のうちのグループGAに属するものは、高周波信号を伝達する導電コンタクト部材である。一方、複数の導電コンタクト部材32のうちのグループGBに属するものは、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34Bに対応するものとされていて、高周波信号以外の信号あるいは電源電圧の伝達に供される。即ち、複数の導電コンタクト部材32のうちのグループGBに属するものは、高周波信号以外の信号あるいは電源電圧を伝達する導電コンタクト部材である。
図8(背後側からの斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の第2の例を、選択された状態をとるものとして示す。
本発明に係るコネクタ装置の第2の例も、上述の本発明に係るコネクタ装置の第1の例と殆ど同様に構成され、複数の導電コンタクトを除き、固定ハウジング,可動ハウジング等をはじめとする大部分の構成要素を、本発明に係るコネクタ装置の第1の例の場合と同様のものとしている。
図8に示される本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置51の状態は、前述の図5に示される本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置21の状態に対応している。図8においては、コネクタ装置51における、図5に示されるコネクタ装置21の各部に対応する部分が、図5と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図8に示されるコネクタ装置51にあっては、固定ハウジング30と可動ハウジング31とを相互連結する配列配置された複数の導電コンタクト部材が、グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32とグループGBに属する複数の導電コンタクト部材45とを含むものとされている。グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32は、前述の図5に示されるコネクタ装置21におけるグループGAに属する複数の導電コンタクト部材32と同様に構成されるものであって、各々にスリット33が設けられている。そして、グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32は、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34Aに対応するものとされていて、高周波信号の伝達を行う。
それに対して、グループGBに属する複数の導電コンタクト部材45は、前述の図5に示されるコネクタ装置21におけるグループGBに属する複数の導電コンタクト部材32とは構成を異にしており、各々にスリットは設けられていない。これらの複数の導電コンタクト部材45は、例えば、前述の図9及び図10に示される複数の導電コンタクト部材13と同様に構成されるものとされる。即ち、複数の導電コンタクト部材45は、各々が、例えば、弾性を有した帯状金属材料によって比較的小なる幅を有するものとして形成され、その幅方向に所定の間隔を置いて配列配置されて設けられる。そして、各々の一端部分が、回路基板に接続されるとともに、各々の他端部分が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34B内に配されて、嵌合部34Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。
斯かるもとにおいて、複数の導電コンタクト部材45の配列方向における夫々の幅は、例えば、0.2mmに選定され、また、間隔は、例えば、1.07mmに選定される。そして、グループGBに属する複数の導電コンタクト部材45は、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34Bに対応するものとされていて、高周波信号以外の信号あるいは電源電圧を伝達する。
このように、複数の導電コンタクト部材45は、複数の導電コンタクト部材32の夫々に設けられるスリット33に相当するスリットが設けられることなく、各々の幅が、例えば、0.2mmに選定される比較的小なるものとされる。斯かる幅は、例えば、1.07mmに選定される、複数の導電コンタクト部材45の間隔に比して、相当に小である。このように、複数の導電コンタクト部材45の夫々の幅が比較的小とされることにより、複数の導電コンタクト部材45の全体は、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされている。
グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32は、各々にスリット33が設けられていて、前述のように、複数の導電コンタクト部材32の全体が、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされている。それゆえ、図8に示されるコネクタ装置51にあっては、グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32とグループGBに属する複数の導電コンタクト部材45とを含むものとされた、固定ハウジング30と可動ハウジング31とを相互連結する配列配置された複数の導電コンタクト部材が、全体として、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされていることになる。
なお、図8に示されるコネクタ装置51にあっては、グループGBに属する複数の導電コンタクト部材45が、配列配置されるにあたって、その間隔が、例えば、1.07mmに選定され、例えば、0.2mmに選定される複数の導電コンタクト部材45の各々の幅に比して相当に大とされている。それゆえ、複数の導電コンタクト部材45は、それらのうちの隣り合う2個が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することが困難とされる。
しかしながら、グループGBに属する複数の導電コンタクト部材45は、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34Bに対応し、高周波信号以外の信号あるいは電源電圧を伝達するものであるので、それらのうちの隣り合う2個が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有することが困難とされても、別段の不都合は生じない。
グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32は、前述のとおり、それらのうちの隣り合う2個が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合の観点から予め設定された所定のインピーダンス(例えば、100Ω)に近い差動インピーダンスを有しており、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られたものであること勿論である。
従って、図8に示される本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置51にあっても、グループGAに属する複数の導電コンタクト部材32とグループGBに属する複数の導電コンタクト部材45とを含むものとされた、固定ハウジング30と可動ハウジング31とを相互連結する配列配置された複数の導電コンタクト部材が、可動ハウジング31に設けられた嵌合部34A及び34Bに嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られたものとなり、しかも、全体として、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされていて、それにより、固定ハウジング30に対する可動ハウジング31の移動が円滑に行われ、また、固定ハウジング30からの不要な振動,衝撃等が導電コンタクト部材32を通じて可動ハウジング31に伝達されてしまう虞が効果的に低減される。
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、固定ハウジングと、相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられる可動ハウジングと、配列配置されて設けられて固定ハウジングと可動ハウジングとを相互連結する複数の導電コンタクト部材とを備えたもとで、複数の導電コンタクト部材が、可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合して接続される相手方コネクタとのインピーダンス整合が図られ、しかも、柔軟性に富み、耐振動性及び耐衝撃性が良好なものとされるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
21,51・・・コネクタ装置, 22・・・回路基板, 30・・・固定ハウジング, 31・・・可動ハウジング, 32,45・・・導電コンタクト部材, 32a・・・一端部分, 32b・・・他端部分, 33・・・スリット, 34A,34B・・・嵌合部, 35A,35B・・・案内孔, 36A,36B・・・スリット部, 37A,37B・・・透孔, 38A,38B・・・突起係合部, 39A,39B・・・係合凹部, 40A,40B・・・ばね部材, 41A,41B・・・柱状部
Claims (7)
- 回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、
相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部が設けられた可動ハウジングと、
上記固定ハウジングと上記可動ハウジングとを相互連結して上記可動ハウジングを上記固定ハウジングに対して移動可能となし、各々の第1の部分が上記回路基板に接続されるとともに、各々の第2の部分が上記嵌合部内に配されて上記相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材と、
を備えて構成され、
上記複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に、上記第1の部分から上記第2の部分に向かう方向に沿って伸びるスリットが設けられることを特徴とするコネクタ装置。 - 上記可動ハウジングの一部と上記固定ハウジングの一部とを含んで成り、上記可動ハウジングに、上記固定ハウジングに固定される状態と上記固定ハウジングに対して移動自在とされる状態とを選択的にとらせる係合機構部を備えることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
- 上記複数の導電コンタクト部材が、弾性を有し、上記可動ハウジングに上記固定ハウジングから離隔させる方向の力を作用させることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ装置。
- 上記複数の導電コンタクト部材の全部に上記スリットが設けられることを特徴とする請求項1, 2または3記載のコネクタ装置。
- 上記複数の導電コンタクト部材のうちの高周波信号を伝達するものの各々に上記スリットが設けられることを特徴とする請求項1,2または3記載のコネクタ装置。
- 上記複数の導電コンタクト部材のうちの少なくとも一部の各々に設けられるスリットが、該スリットが設けられる導電コンタクト部材の上記回路基板に接続される第1の部分から離隔して形成されることを特徴とする請求項1,2または3記載のコネクタ装置。
- 上記複数の導電コンタクト部材の配列方向における上記スリットの幅が、上記複数の導電コンタクト部材の間隔以下に選定されることを特徴とする請求項1,2または3記載のコネクタ装置。
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