JP2008082445A - テンショナリフタ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンから取り外すことなく、テンショナリフタのリフト機能を回復することができ、メンテナンス性を向上することができるテンショナリフタを提供する。
【解決手段】テンショナリフタ10は、ケース11の後端部にプッシュロッド14の軸方向に沿ってケース11内外に連通するネジ孔11cと、ネジ孔11cに螺合され調整ボルト13の後端部に後方から当接する受け部20と、受け部20の後部に当接して受け部20の後方への移動を規制するケース11に着脱可能な固定手段21と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、テンショナリフタに関し、特に、自動二輪車や自動車等に搭載されるエンジンのチェーン等の動力伝達部材に適正な張力を付与するためのテンショナリフタに関する。
従来のテンショナリフタとして、一端に取り付けフランジを有する円筒状のケースと、このケースの他端に固着される底板と、ケース内に固定支持される案内筒と、この案内筒の内周面に摺動可能にスプライン嵌合して底板を貫通する中空のプッシュロッドと、このプッシュロッドの内周面に螺合する調整ボルトと、この調整ボルトの頭部及びケース間に縮設されるゼンマイばねと、を備え、ケースの周壁に設けられるネジ孔に固定ボルトを螺合させ、案内筒の周壁に設けられる透孔に挿通させることにより、調整ボルト及びプッシュロッドを固定させるテンショナリフタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−299821号公報
ところで、特許文献1に記載のテンショナリフタでは、例えば、エンジンの長期使用により、調整ボルトとプッシュロッドとの螺合部の摩擦力が低下して、リフト機能が低下してしまった場合は、ケースのネジ孔に固定ボルトを螺合させ、調整ボルトの外周面に固定ボルトを圧接させて、調整ボルト及びプッシュロッドを一時的に固定させているが、これは応急措置であり、リフト機能を回復させるには、テンショナリフタをエンジンから取り外して、分解及び部品交換を行った後、再度エンジンに取り付ける必要があるため、メンテナンス性が良好ではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジンから取り外すことなく、テンショナリフタのリフト機能を回復することができ、メンテナンス性を向上することができるテンショナリフタを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジン本体に取り付けられるケースと、ケースから先端部を突出させてチェーンテンショナをチェーンの緊張方向に押圧するプッシュロッドと、プッシュロッドをチェーンテンショナに向かう進出方向に付勢すると共にプッシュロッドと螺合して後退を阻止する押し出し手段と、を備えるテンショナリフタにおいて、ケースの後端部にプッシュロッドの軸方向に沿ってケース内外に連通するネジ孔と、ネジ孔に螺合され押し出し手段の後端部に後方から当接する受け部と、受け部の後部に当接して受け部の後方への移動を規制するケースに着脱可能な固定手段と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、押し出し手段の後端には第1係合部が備えられ、受け部の後端には第2係合部が備えられ、第1及び第2係合部に係合する巻き戻し手段を有し、巻き戻し手段は、ケースのネジ孔から挿入され、固定手段の規制を解除した状態で第1及び第2係合部に係合し、押し出し手段及び受け部を回転することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、押し出し手段の第1係合部は、押し出し手段の後端面から前方に凹み、押し出し手段の付勢手段の一端を支持するスリットであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、受け部の第2係合部は、受け部の後端面から前方へ延出する凹部であり、巻き戻し手段は、第1係合部であるスリットと第2係合部である凹部とが同一直線上から外れて係合することを特徴とする。
請求項1に記載のテンショナリフタによれば、ケースの後端部にプッシュロッドの軸方向に沿ってケース内外に連通するネジ孔と、ネジ孔に螺合され押し出し手段の後端部に後方から当接する受け部と、受け部の後部に当接して受け部の後方への移動を規制するケースに着脱可能な固定手段と、を有するため、受け部を回転させることにより、押し出し手段の初期位置をプッシュロッドの進出方向に移動することができる。これにより、テンショナリフタをエンジンから取り外すことなく、テンショナリフタのリフト機能を回復することができる。また、エンジンから取り外す必要がないので、テンショナリフタのメンテナンス性を向上することができる。
請求項2に記載のテンショナリフタによれば、押し出し手段の後端には第1係合部が備えられ、受け部の後端には第2係合部が備えられ、第1及び第2係合部に係合する巻き戻し手段を有し、巻き戻し手段は、ケースのネジ孔から挿入され、固定手段の規制を解除した状態で第1及び第2係合部に係合し、押し出し手段及び受け部を回転するため、テンショナリフタをエンジンから取り外すことなく、簡易な構造で押し出し手段の巻き戻し作業を行うことができる。
請求項3に記載のテンショナリフタによれば、押し出し手段の第1係合部は、押し出し手段の後端面から前方に凹み、押し出し手段の付勢手段の一端を支持するスリットであるため、第1係合部とスリットが共用であるので、加工工数を削減することができる。
請求項4に記載のテンショナリフタによれば、受け部の第2係合部は、受け部の後端面から前方へ延出する凹部であり、巻き戻し手段は、第1係合部であるスリットと第2係合部である凹部とが同一直線上から外れて係合するため、巻き戻し手段の複数の凸部が同一直線上に配置されないようにすることで、異なる幅の凸部としたとしても、巻き戻し手段の加工を良好にすることができる。
以下、本発明に係るテンショナリフタの各実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図9を参照して、本発明に係るテンショナリフタの第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態のテンショナリフタを搭載したエンジンの調時伝動装置の断面図、図2は図1に示すテンショナリフタのA−A線矢視断面図、図3はリフト能力が低下した状態のテンショナリフタを説明するための断面図、図4は巻き戻し手段を係合させた状態のテンショナリフタを説明するための断面図、図5はリフト能力が回復した状態のテンショナリフタを説明するための断面図、図6は受け部材の単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図、図7はロックナットの単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図、図8は巻き戻し具の単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、図9はプッシュロッドの進出長さとリフト機能の関係を表すグラフ図である。なお、図1中の矢印Frはプッシュロッドの進出方向、矢印Rrはプッシュロッドの後退方向を示す。
まず、図1に示すように、自動二輪車や自動車に搭載されるエンジンEにおいて、そのエンジン本体1には、調時伝動装置2を介して相互に接続されるクランク軸3及び動弁カム軸4が平行に支持される。調時伝動装置2は、クランク軸3に装着される駆動スプロケット5と、動弁カム軸4に装着される駆動スプロケット5より大径の従動スプロケット6と、これら両スプロケット5,6に巻き掛けられるチェーン7と、を備え、クランク軸3の回転を減速して動弁カム軸4に伝達するように構成される。
エンジン本体1には、チェーン7の緊張側外周面に接するチェーンガイド8と、チェーン7の弛緩側外周面に接するチェーンテンショナ9と、が取り付けられる。このチェーンテンショナ9は、凸曲面をチェーン7に接触させるように弓型に形成されており、クランク軸3側の一端部が、エンジン本体1に設けられる枢軸1aにより回動可能に支持される。そして、チェーンテンショナ9を背面側(図1の右側面側)から押圧して、チェーン7に適正な張力を付与するテンショナリフタ10がエンジン本体1に着脱自在に取り付けられる。
テンショナリフタ10は、図2に示すように、外周面に取付フランジ11aを有する略円筒状のケース11と、ケース11の前端部に固定される底板12と、ケース11内に回動可能に支持される調整ボルト(押し出し手段)13と、調整ボルト13に螺合して底板12に挿通される円筒状のプッシュロッド14と、プッシュロッド14の外周面に摺動可能に嵌合して底板12と調整ボルト13との間に配置される案内筒15と、調整ボルト13の後端部に形成される頭部13aとケース11との間に縮設されるスプリング(押し出し手段、付勢手段)16と、を備える。なお、図中符号17は、底板12をケース11に固定するためのCリングである。
ケース11は、図1に示すように、チェーンテンショナ9の背面に向かって開口するエンジン本体1の装着孔1bに挿入されており、取付フランジ11aがエンジン本体1の外側面に取付ボルト19,19で締結されることによりエンジン本体1に取り付けられる。従って、取付ボルト19,19を取り外せば、ケース11はエンジン本体1から取り外すことができる。
プッシュロッド14は、底板12の中心に形成されるロッド嵌合孔12aに回動不可能に挿通されており、ケース11から先端部を突出させて、チェーンテンショナ9をチェーン7の緊張方向に押圧する。また、プッシュロッド14の先端部には、チェーンテンショナ9の背面に当接するキャップ14aが内嵌固定される。
スプリング16は、一端がケース11の外周壁に形成されるスプリング係止孔11bに係止され、他端が調整ボルト13の頭部13aに形成されるスプリング係止溝(第1係合部、スリット)13bに係止されており、調整ボルト13に所定の回転力を与える。そして、スプリング16の回転力を受けて調整ボルト13が回転することによって、プッシュロッド14がチェーンテンショナ9に向かう進出方向に付勢される。また、調整ボルト13は、スプリング16の回転力により反対方向への回転が阻止されるので、プッシュロッド14の後退を阻止するようになっている。
そして、本実施形態では、ケース11の後端部の中心にケースネジ孔(ネジ孔)11cが軸方向に沿って形成されており、このケースネジ孔11cに調整ボルト13の頭部13aを回動可能に支持する受け部材(受け部)20が螺合される。この受け部材20は、ケースネジ孔11cに螺合されることで軸方向に回転移動する。
受け部材20は、図6に示すように、断面略コの字状部材であり、その内周面にはカップリングワッシャ18が一体的に固定されており、このカップリングワッシャ18に調整ボルト13の頭部13aが回動可能に嵌合される。これにより、調整ボルト13は、カップリングワッシャ18を支点にして、案内筒15とカップリングワッシャ18との間で回動可能に支持される。
また、受け部材20は、その後端面20cに形成されるスリット(第2係合部、凹部)20aに後述する巻き戻し具(巻き戻し手段)25を係合させ回転させることにより回転移動される。また、受け部材20及びカップリングワッシャ18の中心には、巻き戻し具25を挿通させるための透孔20b,18aがそれぞれ形成される。
巻き戻し具25は、図4及び図8に示すように、治具本体25aと、治具本体25aの前端面に径方向に沿って形成され、受け部材20のスリット20aに係合する係合凸条25bと、治具本体25aの前端面の中心に形成され、受け部材20及びカップリングワッシャ18の透孔20b,18aに挿通する軸部25cと、軸部25cの先端部に形成され、調整ボルト13のスプリング係止溝13bに係合する係合片25dと、を備える。これにより、巻き戻し具25は、係合凸条25bにより受け部材20を回転移動させると共に、係合片25dにより調整ボルト13及びスプリング16を巻き戻すことが可能となる。また、巻き戻し具25は、レンチ、プラスドライバ等の各種工具で回転させる。なお、巻き戻し具25は、通常走行時は、ケース11から外されている。
また、受け部材20は、回転移動され軸方向位置が決定された後に、ケース11のケースネジ孔11cにロックナット(固定手段)21を螺合させ、このロックナット21の前端面21bを受け部材20の後端面20cに当接させることにより、回転移動が規制され、軸方向位置が固定される。ロックナット21は、図7に示すように、その後端面に受け部材20と同様のスリット21aが形成されており、このスリット21aに巻き戻し具25を係合させることにより回転させ、ケースネジ孔11cに沿って移動することが可能となる。
また、ケース11のケースネジ孔11cは、このケースネジ孔11cに蓋部22を噛合させることにより閉塞され、ゴミ等の浸入を防ぐことができる。また、蓋部材22の中心には、調整ボルト13のスプリング係止溝13bに係合するマイナスドライバ等の工具を挿通するための工具孔22aが形成される。この工具孔22aは、通常、蓋ネジ23により閉塞される。
また、プッシュロッド14には、案内筒15を軸方向後方に向けて付勢するためのスプリング24が外嵌されており、このスプリング24は、底板12の軸方向内側面と案内筒15の前端面との間に配置される。これにより、案内筒15は、常時、調整ボルト13に向けて付勢されるので、受け部材20の回転移動に伴って調整ボルト13が軸方向に移動したとしても、調整ボルト13と案内筒15との間にガタつきが生じることはない。
このように構成されたテンショナリフタ10では、エンジン本体1に取り付けられる前の状態においては、スプリング16を巻き上げて、プッシュロッド14を十分に後退させた状態で、調整ボルト13が、蓋部22の工具孔22aを通してスプリング係止溝13bに係合する適当な不図示のロック片によりロックされている。
次いで、テンショナリフタ10をエンジン本体1に取り付けた後、調整ボルト13から不図示のロック片を取り外すことによって、調整ボルト13が解放されて、スプリング16の回転力を受けて回転する。これにより、図2に示すように、プッシュロッド14がチェーンテンショナ9に向かって進出され、チェーンテンショナ9をチェーン7の弛緩側外周面に押圧して、チェーン7に適正な張力を付与させる(このとき、図9に示すように、プッシュロッド14の進出長さはa(mm)である)。また、チェーン7側からプッシュロッド14に大きな反発力が作用した時は、調整ボルト13の後端面とカップリングワッシャ18の前端面との摩擦力、プッシュロッド14と調整ボルト13との螺合部の摩擦力、及びスプリング16の回転力が調整ボルト13の逆回転を阻止するので、プッシュロッド14の後退を阻止することができる。この結果、調時伝動装置2の作動に伴いチェーン7に伸びが生じて、チェーン7の張力が変動したとしても、チェーン7の張力を適正な範囲に自動的に調整することが可能となる。
そして、エンジンEの長期使用により、調整ボルト13とカップリングワッシャ18との摩擦力等が低下して、図3に示すように、プッシュロッド14が進出し、テンショナリフタ10のリフト機能が低下してしまった場合(このとき、図9に示すように、プッシュロッド14の進出長さはb(mm)である)は、図4に示すように、ケース11からロックナット21及び蓋部22を取り外して、ケース11のケースネジ孔11cに巻き戻し具25を挿入させ、巻き戻し具25の係合凸条25aを受け部材20のスリット20aに係合させると共に、係合片25dを調整ボルト13のスプリング係止溝13bに係合させて、巻き戻し具25を回転させる。これにより、図5に示すように、受け部材20がプッシュロッド14の進出方向に回転移動されることで、調整ボルト13の初期位置が進出方向に移動されると共に、スプリング16が軸方向に縮まされて、さらに、受け部材20の回転に伴って調整ボルト13が回転されることで、調整ボルト13及びスプリング16が巻き戻されるため、テンショナリフタ10のリフト機能が回復する(図9の矢印B参照)。この結果、テンショナリフタ10をエンジン本体1から取り外すことなく、テンショナリフタ10のリフト性能を回復することが可能となる。また、エンジンEを駆動させた状態でテンショナリフタ10をテストできるので、テンショナリフタ10の微妙な調整を車載状態で行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のテンショナリフタ10によれば、ケース11の後端部にプッシュロッド14の軸方向に沿ってケース11内外に連通するネジ孔11cと、ネジ孔11cに螺合され調整ボルト13の後端部に後方から当接する受け部材20と、受け部材20の後端面20cに当接して受け部材20の後方への移動を規制するケース11に着脱可能なロックナット21と、を有するため、受け部材20を回転させることにより、調整ボルト13の初期位置をプッシュロッド14の進出方向に移動することができる。これにより、テンショナリフタ10をエンジンEから取り外すことなく、テンショナリフタ10のリフト機能を回復することができる。また、エンジンEから取り外す必要がないので、テンショナリフタ10のメンテナンス性を向上することができる。
また、本実施形態のテンショナリフタ10によれば、調整ボルト13の後端には第1係合部13bが備えられ、受け部材20の後端には第2係合部20aが備えられ、第1及び第2係合部13b,20aに係合する巻き戻し具25を有し、巻き戻し具25は、ケース11のネジ孔11cから挿入され、ロックナット21の規制を解除した状態で第1及び第2係合部13b,20aに係合し、調整ボルト13及び受け部材20を回転するため、テンショナリフタ10をエンジンEから取り外すことなく、簡易な構造で調整ボルト13及びスプリング16の巻き戻し作業を行うことができる。
また、本実施形態のテンショナリフタ10によれば、調整ボルト13の第1係合部13bは、調整ボルト13の後端面から前方に凹み、スプリング16の一端を支持するスリットであるため、第1係合部13bとスリットが共用であるので、加工工数を削減することができる。
さらに、本実施形態のテンショナリフタ10によれば、受け部材20の第2係合部20aは、受け部材20の後端面20cから前方へ延出する凹部であり、巻き戻し具25は、第1係合部13bであるスリットと第2係合部20aである凹部とが同一直線上から外れて係合するため、巻き戻し具25の複数の凸部が同一直線上に配置されないようにすることで、異なる幅の凸部としたとしても、巻き戻し具25の加工を良好にすることができる。
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、本発明に係るテンショナリフタの第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図10は本発明に係るテンショナリフタの第2実施形態を説明するための断面図である。
本実施形態のテンショナリフタ30は、図10に示すように、外周面に取付フランジ11aを有する略円筒状のケース31と、ケース31の前端部に固定される底板12と、ケース31内に回動可能に支持される調整ボルト33と、調整ボルト33に螺合して底板12に挿通される円筒状のプッシュロッド14と、プッシュロッド14の外周面に摺動可能に嵌合して底板12と調整ボルト33との間に配置される案内筒15と、調整ボルト33とケース31との間に縮設されるスプリング16と、を備える。
調整ボルト33は、プッシュロッド14と螺合するボルト本体34と、ボルト本体34の後端部に形成される頭部34aと、頭部34aの前端面に形成される雄ネジ34bと、雄ネジ34bの外周面に嵌挿され、頭部34aの前端面に当接する皿ネジ35aと、雄ネジ34bに螺合され、皿ネジ35aに当接するワッシャ36と、雄ネジ34bの外周面に嵌挿され、ワッシャ36に当接する皿ネジ35bと、雄ネジ34bの前端部に固定され、皿ネジ35bに当接するCクリップ37と、を備える。これにより、頭部34aとCクリップ37との間に皿ネジ35a,35b及びワッシャ36が挟持される。
スプリング16は、一端がケース31の外周壁に形成されるスプリング係止孔11bに係止され、他端が調整ボルト33のワッシャ36に形成されるスプリング係止孔36aに係止されており、スプリング16の回転力は、ワッシャ36及び皿バネ35a,35bを介してボルト本体34に伝達されて、ボルト本体34、皿バネ35a,35b、ワッシャ36、及びCクリップ37を一体的に回動させる。また、案内筒15は、底板12と調整ボルト33のワッシャ36との間に配置される。
ケース31は、その後端部の内側にカップリングワッシャ18が一体的に固定されており、このカップリングワッシャ18に調整ボルト33の頭部34aが回動可能に嵌合される。これにより、調整ボルト33は、カップリングワッシャ18を支点にして、案内筒15とカップリングワッシャ18との間で回動可能に支持される。また、ケース31の後端壁には、調整ボルト33の頭部34aに形成される工具係止溝34cに係合するマイナスドライバ等の工具を挿通するための工具孔31aが形成されており、この工具孔31aは、通常、蓋ネジ23により閉塞される。
また、ケース31には、その後端部の外周壁にピン38を挿通させるためのピン挿通孔31bが形成されており、ワッシャ36には、このピン挿通孔31bに対応する位置にピン38の先端部を係止させるピン係止孔36bが円周方向に複数形成される。そして、ケース31のピン挿通孔31bにピン38を挿通させ、このピン38をワッシャ36のピン係止孔36bに挿し込むことによって、ワッシャ36の回動が規制される。このため、調整ボルト33の頭部34aをマイナスドライバ等の工具で回転させることにより、ワッシャ36が調整ボルト33の雄ネジ34bによりプッシュロッド14の進出方向に移動して、それに伴って案内筒15及びスプリング16も移動する。また、それと同時に調整ボルト33が巻き戻され、プッシュロッド14が後退する。
このように構成されたテンショナリフタ30では、エンジン本体1に取り付けられる前の状態においては、スプリング16を巻き上げて、プッシュロッド14を十分に後退させた状態で、調整ボルト33が、ケース31の工具孔31aを通して調整ボルト33の工具係止溝34cに係合する適当な不図示のロック片によりロックされている。
次いで、テンショナリフタ30をエンジン本体1に取り付けた後、調整ボルト33から不図示のロック片を取り外すことによって、調整ボルト33が解放されて、スプリング16の回転力を受けて回転する。これにより、プッシュロッド14をチェーンテンショナ9に向かって進出させ、チェーンテンショナ9をチェーン7の弛緩側外周面に押圧して、チェーン7に適正な張力を付与する。
そして、エンジンEの長期使用により、調整ボルト33とプッシュロッド14との螺合部の摩擦力が低下して、テンショナリフタ30のリフト機能が低下してしまった場合は、図10に示すように、ケース31のピン挿通孔31bにピン38を挿通させ、ピン38をワッシャ36のピン係止孔36bに挿し込むことにより、ワッシャ36の回動を規制する。次いで、ケース31から蓋ネジ23を取り外し、工具孔31aからマイナスドライバ等の工具を挿通させ、調整ボルト33を回転させる。これにより、案内筒15、スプリング16、及びワッシャ36が、プッシュロッド14の進出方向に移動されると共に、調整ボルト33が巻き戻され、プッシュロッド14が後退されるので、テンショナリフタ30のリフト機能が回復する。この結果、テンショナリフタ30をエンジン本体1から取り外すことなく、テンショナリフタ30のリフト性能を回復することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のテンショナリフタ30によれば、調整ボルト33は、プッシュロッド14と螺合するボルト本体34と、ボルト本体34の後端部に形成される頭部34aと、頭部34aの前端面に形成される雄ネジ34bと、雄ネジ34bに螺合されることで軸方向に移動するワッシャ36と、雄ネジ34bの前端部に固定されるCクリップ37と、雄ネジ34bに嵌挿され、頭部34aとワッシャ36との間、及びワッシャ36とCクリップ37との間にそれぞれ配置される皿バネ35a,35bと、を有し、ワッシャ36は、回動が規制された状態において、調整ボルト33の回転に伴ってプッシュロッド14の進出方向に移動するため、調整ボルト33の頭部34aを回転させることにより、調整ボルト33を巻き戻すことができると共に、ワッシャ36の移動に伴ってスプリング16の回転力を増加させることができるので、テンショナリフタ10をエンジンEから取り外すことなく、テンショナリフタ10のリフト機能を回復することができる。また、エンジンEから取り外す必要がないので、テンショナリフタ10のメンテナンス性を向上することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、コイルスプリング16により調整ボルト13を回転させるテンショナリフタ10に本発明を適用した場合を例示したが、これに代えて、図11に示すように、ゼンマイばね41により調整ボルト13を回転させるテンショナリフタ40に本発明を適用してもよい。
このテンショナリフタ40には、ケース11、受け部材20、及び調整ボルト13に固定されるプレート42によりゼンマイばね収納部Sが形成され、初期状態において、ゼンマイばね41とプレート42との間に所定の空間S´が備えられる。そして、テンショナリフタ40では、受け部材20を締め込んだときにゼンマイばね41が所定の空間S´に移動することを許容している。
本発明の第1実施形態のテンショナリフタを搭載したエンジンの調時伝動装置の断面図である。 図1に示すテンショナリフタのA−A線矢視断面図である。 リフト能力が低下した状態のテンショナリフタを説明するための断面図である。 巻き戻し手段を係合させた状態のテンショナリフタを説明するための断面図である。 リフト能力が回復した状態のテンショナリフタを説明するための断面図である。 受け部材の単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図である。 ロックナットの単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図である。 巻き戻し具の単体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 プッシュロッドの進出長さとリフト機能の関係を表すグラフ図である。 本発明に係るテンショナリフタの第2実施形態を説明するための断面図である。 本発明に係るテンショナリフタの変形例を説明するための断面図である。
符号の説明
E エンジン
1 エンジン本体
2 調時伝動装置
3 クランク軸
4 動弁カム軸
5 駆動スプロケット
6 従動スプロケット
7 チェーン
8 チェーンガイド
9 チェーンテンショナ
10,30 テンショナリフタ
11,31 ケース
11a 取付フランジ
11b スプリング係止孔
11c ケースネジ孔(ネジ孔)
12 底板
12a ロッド嵌合孔
13,33 調整ボルト(押し出し手段)
13a 頭部
13b スプリング係止溝(第1係合部、スリット)
14 プッシュロッド
14a キャップ
15 案内筒
16 スプリング(押し出し手段、付勢手段)
17 Cリング
18 カップリングワッシャ
18a 透孔
19 取付ボルト
20 受け部材(受け部)
20a スリット(第2係合部、凹部)
20b 透孔
21 ロックナット(固定手段)
21a スリット
22 蓋部
22a 工具孔
23 蓋ネジ
24 スプリング
25 巻き戻し具(巻き戻し手段)
25a 治具本体
25b 係合凸条
25c 軸部
25d 係合片

Claims (4)

  1. エンジン本体に取り付けられるケースと、前記ケースから先端部を突出させてチェーンテンショナをチェーンの緊張方向に押圧するプッシュロッドと、前記プッシュロッドを前記チェーンテンショナに向かう進出方向に付勢すると共に前記プッシュロッドと螺合して後退を阻止する押し出し手段と、を備えるテンショナリフタにおいて、
    前記ケースの後端部に前記プッシュロッドの軸方向に沿って前記ケース内外に連通するネジ孔と、前記ネジ孔に螺合され前記押し出し手段の後端部に後方から当接する受け部と、前記受け部の後部に当接して前記受け部の後方への移動を規制する前記ケースに着脱可能な固定手段と、を有することを特徴とするテンショナリフタ。
  2. 前記押し出し手段の後端には第1係合部が備えられ、
    前記受け部の後端には第2係合部が備えられ、
    前記第1及び第2係合部に係合する巻き戻し手段を有し、
    前記巻き戻し手段は、前記ケースの前記ネジ孔から挿入され、前記固定手段の規制を解除した状態で前記第1及び第2係合部に係合し、前記押し出し手段及び前記受け部を回転することを特徴とする請求項1に記載のテンショナリフタ。
  3. 前記押し出し手段の前記第1係合部は、前記押し出し手段の後端面から前方に凹み、前記押し出し手段の付勢手段の一端を支持するスリットであることを特徴とする請求項2に記載のテンショナリフタ。
  4. 前記受け部の前記第2係合部は、前記受け部の後端面から前方へ延出する凹部であり、前記巻き戻し手段は、前記第1係合部である前記スリットと前記第2係合部である前記凹部とが同一直線上から外れて係合することを特徴とする請求項3に記載のテンショナリフタ。
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