JP3750813B2 - チェーン張力付与装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンの内部で掛け回される伝動チェーンに適正な張力を付与するために用いられるチェーン張力付与装置に関し、特に、クランクシャフト側スプロケットとカムシャフト側スプロケットとの間で回転を伝達するタイミングチェーンに用いられるチェーンテンショナと称するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のチェーン張力付与装置500は、図17および図18に示すように、走行するチェーンに向けて突出する円柱状プランジャ520と、円柱状プランジャ520を進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔511が円柱状プランジャ520と同心円状に設けられたハウジング本体510と、ハウジング本体510に対して円柱状プランジャ520を突出方向に付勢する突出付勢用バネ530と、前記プランジャ摺動用円筒孔511の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部内511aで円柱状プランジャ520に外嵌して円柱状プランジャ520の軸方向に変位するとともに前記拡径凹部511aと同心円状に設けられたカム受けリング540と、このカム受けリング540を円柱状プランジャ520の突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネ550と、前記カム受けリング540に形成されたスロープ状カムガイド溝541内を滑動するとともに前記円柱状プランジャ520の外周に刻設された一対のラック521,521にそれぞれ噛合する一対の楔状カムチップ560,560と、前記プランジャ摺動用円筒孔511の拡径凹部511a内で円柱状プランジャ520に外嵌して一対の楔状カムチップ560,560の噛み外れを誘導規制するカム誘導用リング570と、前記円柱状プランジャ520を進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔511の拡径凹部511a内に順次配置したカム受けリング付勢用バネ550とカム受けリング540と楔状カムチップ560,560とカム誘導用リング570を移動自在に封入する封止プレート580とを備え、エンジン運転時にチェーンが伸びてくると、円柱状プランジャ520が一歯分ずつ順次前進することによって、適切なバックラッシュ量を規制し、チェーンに発生しがちな騒音を抑制するとともに適正なチェーン張力を維持するようになっている。
そして、円柱状プランジャ520の回転に追従して楔状カムチップ560,560とカム受けリング540とを回転させるように構成して、円柱状プランジャ520のラック521,521に対して一対の楔状カムチップ560,560が片当たりせずに整合した安定な噛み合い状態を維持させた円柱状プランジャ520のラック521,521と楔状カムチップ560,560との噛み合いを常時整合させて偏摩耗や歯欠けを防止するとともにバックストップ機構の耐久性を発揮し、コンパクトで簡便な取り扱いができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−338124号明細書(第1頁、図2−図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチェーン張力付与装置500は、円柱状プランジャ520の回転に追従して楔状カムチップ560とカム受けリング540とを回転させるように構成しているため、エンジンの整備、点検、調整時にエンジン外に一旦取り出すと、円柱状プランジャ520が突出付勢用バネ530の突出方向への付勢力によって最大限に突出して、この突出した円柱状プランジャ520と楔状カムチップ560,560との噛み合いを解除することができない不可逆的フルストローク状態となるため、この突出した円柱状プランジャ520をハウジング本体510のプランジャ摺動用円筒孔511内に押し戻してバックストップ機能を発揮することができる状態にリセットしてエンジン内に再度組み込むような取り扱いができず、エンジン外に取り出す毎にその使用度合いに係わらず新しいものに交換しなければならないという取り扱い上の理不尽な問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解消するものであって、エンジン外に取り出しても、新品と交換することなく、バックストップ機能を発揮できる状態に簡便に復帰させて再度エンジン内に組み込むことができるチェーン張力付与装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
まず、本請求項1に係る発明は、走行するチェーンに向けて進退自在に突出する円柱状プランジャと、該円柱状プランジャを進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔が円柱状プランジャと同心円状に設けられたハウジング本体と、該ハウジング本体に対して円柱状プランジャを突出方向に付勢する突出付勢用バネと、前記プランジャ摺動用円筒孔の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部内で円柱状プランジャに外嵌して円柱状プランジャの軸方向に変位するとともに前記拡径凹部と同心円状に設けられたカム受けリングと、該カム受けリングを円柱状プランジャの突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネと、前記カム受けリングに形成されたスロープ状カムガイド溝内を滑動するとともに前記円柱状プランジャの外周に刻設された複数のラックにそれぞれ噛合する複数の楔状カムチップと、前記プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内で円柱状プランジャに外嵌して複数の楔状カムチップの噛み外れを誘導規制するカム誘導用リングと、前記円柱状プランジャを進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内に順次配置したカム受けリング付勢用バネとカム受けリングと楔状カムチップとカム誘導用リングを移動自在に封入する封止プレートとを備えているチェーン張力付与装置において、前記封止プレート側から差し込まれた係止治具で円柱状プランジャと共働するカム受けリングのみを回り止めして円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み外れを切り換えるプランジャ噛み外れ切換機構を設けたことによって、前述したような課題を解決するものである。
【0007】
そして、本請求項2に係る発明は、前述したような請求項1記載の構成に加えて、前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む開口部をプレート周縁に設けた封止プレートと、前記開口部から差し込まれた係止治具に係合する内周壁溝を拡径凹部内に刻設したハウジング本体と、前記ハウジング本体の内周壁溝に対向して係止治具に係合する外周壁溝を刻設したカム受けリングとで構成されていることによって、前述したような課題を更に解決するものである。
【0008】
また、本請求項3に係る発明は、前述したような請求項1記載の構成に加えて、前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む開口部をプレート周縁に設けた封止プレートと、前記開口部から差し込まれた係止治具に係合する外周壁溝を刻設したカム受けリングとで構成されていることによって、前述したような課題を更に解決するものである。
【0009】
さらに、本請求項4に係る発明は、前述したような請求項1記載の構成に加えて、前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む小孔をプレート面に穿孔した封止プレートと、前記小孔から差し込まれた係止治具に係合する挿入孔を穿孔したカム受けリングとで構成されていることによって、前述したような課題を更に解決するものである。
【0010】
なお、本発明のチェーン張力付与装置は、内装式と称するエンジン内部に密閉装着されるチェーン張力付与装置、外装式と称するエンジン外部から挿入装着されるチェーン張力付与装置の何れであっても良い。また、本発明のチェーン張力付与装置は、エンジンのクランクシャフト側スプロケットとカムシャフト側スプロケットとの間に掛け回される伝動用タイミングチェーンを対象にして説明しているが、このような伝動用タイミングシステムに限らずエンジン内部のバランサーシステムやオイルポンプシステムなどに掛け回されるチェーンにも適用可能であり、また、伝動用タイミングベルトに対しても同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0011】
さらに、本発明のチェーン張力付与装置における突出付勢用バネについては、ハウジング本体に対して円柱状プランジャを突出方向に付勢することが可能であれば、円柱状プランジャの先端部と封止プレートとの間、若しくは、円柱状プランジャの後端部とプランジャ摺動用円筒孔の底部との間のいずれに介在させても構わないが、後者の方がテンショナ本体のコンパクト化を更に一段と実現することができる。
【0012】
そして、本発明のチェーン張力付与装置におけるカム誘導用リングについては、プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内で円柱状プランジャのラックに外嵌して複数の楔状カムチップの噛み外れを誘導規制するとともに前記円柱状プランジャの外周面とラック刃先面との間に形成されたラック終端段差部分に係止して円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔から抜け止めすることができる形状であれば、如何なる円環形状であっても差し支えないが、特に、組み立て製造時に円柱状プランジャのラックに外嵌するための切り欠き部が形成されたC型リングを採用するのがより好ましい。
また、その素材については、金属製であっても良いが、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂などからエンプラ樹脂と称する合成樹脂が他部材との接触騒音、接触摩耗を抑制できるのでより好ましい。
【0013】
【作用】
本発明のチェーン張力付与装置によれば、エンジン運転時にチェーン張力付与機能を発揮するとともに、エンジン外に一旦取り出して整備、点検、調整などを行う時に円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔内に押し戻すリセット機能を発揮する。
【0014】
まず、エンジン運転時のチェーン張力付与機能について説明すると、エンジン運転時にチェーンが伸びてくる場合、円柱状プランジャが一歯分ずつ順次前進することによって、適切なバックラッシュ量を規制し、始動時の異音を防止するとともにチェーンの張り過ぎ時に発生するヒュー音を防止して、適正なチェーン張力を維持する。
【0015】
すなわち、本発明のチェーン張力付与装置は、走行するチェーンが弛緩してくると、円柱状プランジャの後退変位を阻止していたバックストップ状態から、突出付勢用バネが伸長して円柱状プランジャが直ちに前進していく。
【0016】
このとき、プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内のカム受けリングも、カム受けリング付勢用バネによって円柱状プランジャの突出方向に変位し、このカム受けリングの変位に伴って複数の楔状カムチップも円柱状プランジャのラックに噛合したまま円柱状プランジャの突出方向に変動する。そうすると、この複数の楔状カムチップが、カム誘導用リングを前記拡径凹部内で円柱状プランジャの外周面上を摺接しながら円柱状プランジャの突出方向に変位させる。
【0017】
つぎに、前記カム誘導用リングがプランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内で封止プレートの裏面に当接して行き止まると、楔状カムチップはカム受けリングのスロープ状カムガイド溝内を滑動してカム受けリングを円柱状プランジャの突出方向と逆方向へバックラッシュ、すなわち、押し戻しながら、円柱状プランジャのラックとの噛合が外れるまでリング外周側に向けて迫り上がる。
【0018】
そして、楔状カムチップと円柱状プランジャのラックとの噛合が外れた瞬間、カム誘導用リングが封止プレートの裏面に当接して行き止まっているため、楔状カムチップは、一変してカム受けリングのスロープ状カムガイド溝内を滑動して円柱状プランジャのラックと一歯分だけズレた位置で噛合するまで円柱状プランジャの軸芯側に向けて潜り込み、その反動によって相対的にカム受けリングが円柱状プランジャの突出方向へ再び変位する。
【0019】
このような状態において、本発明のチェーン張力付与装置にチェーン側から円柱状プランジャを押し戻すような外力が加わると、円柱状プランジャのラックを一歯分だけ乗り越えた複数の楔状カムチップは、円柱状プランジャのラックを一歯分だけ乗り越える前と同様に、円柱状プランジャに対してクサビ作用を奏して、円柱状プランジャの後退変位を阻止するバックストップが働き、エンジン運転時のチェーン張力付与機能を発揮し続ける。
【0020】
一方、本発明のチェーン張力付与装置が最も特徴とするバックストップ機能を復活させるためのリセット機能について詳述すると、封止プレート側から差し込まれた六角レンチなどの係止治具で円柱状プランジャと共働するカム受けリングのみを回り止めして円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み外れを切り換えるプランジャ噛み外れ切換機構を設けたことによって、エンジン外に一旦取り出して整備、点検、調整などを行う時に本発明のチェーン張力付与装置を分解することなく円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み合いを外すことができるため、フルストローク状態となって突出した円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔内に押し戻してバックストップ機能を復活させる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のチェーン張力付与装置の好ましい実施の形態にある実施例を図面に基づいて説明する。ここで、図1は、本発明のチェーン張力付与装置の設置図であり、図2は、図1に示す本発明の第1実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図であり、図3は、図2に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図であり、図4乃至図8は、図2に示すようなエンジン運転時におけるチェーン張力付与装置の作動状態を示す図であって、図4は、バックストップ機能の作動状態を示した断面図であり、図5は、楔状カムチップがプランジャのラックから噛み外れを開始するまでの作動状態を示した断面図であり、図6は、楔状カムチップがプランジャのラックを一歯乗り越える直前の作動状態を示した断面図であり、図7は、プランジャがラックの一歯分だけ前進した直後の作動状態を示した断面図であり、図8は、プランジャがラックの一歯分だけ前進した後のバックストップ機能の作動状態を示した断面図であり、さらに、図9乃至図12は、エンジン外に取り出してバックストップ機能を発揮することができる状態に円柱状プランジャをリセットするための動作図であって、図9は、円柱状プランジャを回転させて係止治具を封止プレート側から拡径凹部の内周壁とカム受けリングの外周壁との間に挿入し、カム受けリングを回り止めした状態を示す動作図であり、図10は、カム受けリングを回り止めした状態で円柱状プランジャを90度回転させて楔状カムチップとの噛み合いを解除した状態を示す動作図であり、図11は、楔状カムチップとの噛み合いを解除した状態で円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔内に押し戻した状態を示す動作図であり、図12は、円柱状プランジャを押し戻した状態で90度回転させて楔状カムチップと噛み合わせたリセット状態を示す動作図である。また、図13は、図1に示す本発明の第2実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図であり、図14は、図13に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図であり、図15は、図1に示す本発明の第3実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図であり、図16は、図15に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図である。
【0022】
本発明の第1実施例であるチェーン張力付与装置100は、図1に示すような自動車用エンジンのクランクシャフト側スプロケットS1とカムシャフト側スプロケットS2との間に掛け回されたタイミングチェーンTCの走行時に生じる振動を抑止し、かつ、適正な張力を維持するために、エンジン外部から挿入装着する外装式チェーン張力付与装置として用いたものであって、エンジンブロック壁Eに装着されるハウジング本体110の前方を走行するタイミングチェーンTCに向けて突出してバネ付勢される円柱状プランジャ120がエンジンブロック壁Eに揺動自在に軸支されているテンショナレバーTLの揺動端近傍の背面を押圧することにより、テンショナレバーTLのシュー面がタイミングチェーンTCの弛み側に摺動接触して張力を付加するようになっている。
なお、図1における符号TGは、エンジンブロック壁Eに固定されてタイミングチェーンTCをバタツカないように走行案内するテンショナガイドである。
【0023】
そこで、本実施例のチェーン張力付与装置100の具体的な構造について説明すると、図2および図3に示すように、円柱状プランジャ120を進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔111が形成されたハウジング本体110と、このハウジング本体110に対して円柱状プランジャ120を突出方向に付勢する突出付勢用バネ130と、前記プランジャ摺動用円筒孔111の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部111a内で円柱状プランジャ120に外嵌して円柱状プランジャ120の軸方向に変位するとともに前記拡径凹部111aと同心円状に設けられたカム受けリング140と、該カム受けリング140を円柱状プランジャ120の突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネ150と、前記カム受けリング140に形成されたスロープ状カムガイド溝141内を滑動するとともに前記円柱状プランジャ120の外周を二分割する対向位置にそれぞれ刻設された二筋のラック121、121にそれぞれ噛合する一対の楔状カムチップ160、160と、前記プランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内で円柱状プランジャ120に外嵌して一対の楔状カムチップ160、160の噛み外れを誘導規制する樹脂製のカム誘導用リング170と、前記円柱状プランジャ120を進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内に順次配置したカム受けリング付勢用バネ150とカム受けリング140と楔状カムチップ160、160とカム誘導用リング170を移動自在に封入する封止プレート180とを備えている。
【0024】
ここで、本実施例のカム誘導用リング170は、楔状カムチップ160の挙動に迅速かつ静粛に追従させるために合成樹脂製のものを採用し、さらに、プランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内で円柱状プランジャ120のラック121、121に外嵌して一対の楔状カムチップ160、160の噛み外れを突出方向に誘導規制するとともに円柱状プランジャ120の外周面120aとラック刃先面121aとの間に形成されたラック終端段差部分122に係止して円柱状プランジャ120をプランジャ摺動孔111から抜け止めするため、プランジャ120のラック刃先面121aを含む外周面120aに摺動自在に整合した内周面170aを備えるとともに、組み立て製造時に円柱状プランジャ120のラック121,121に外嵌し易い切り欠き部171が形成されたC型リングを採用している。
【0025】
また、前記突出付勢用バネ130は、円柱状プランジャ120の後端部とプランジャ摺動用円筒孔111の底部との間に介在させているが、円柱状プランジャ120の先端部と封止プレート180との間に介在させて円柱状プランジャ120を突出方向に付勢しても良い。また、前記突出付勢用バネ130は、走行するチェーン張力に応じてハウジング本体110に対して円柱状プランジャ120を突出方向に付勢するためのバネであり、カム受けリング140を円柱状プランジャ120の突出方向に付勢するためのカム受けリング付勢用バネ150よりも、大きな付勢力を発揮する。
【0026】
さらに、前記ハウジング本体110の後端部には、図示しない外部油供給源から油圧を円柱状プランジャ120の後端部に作用させて円柱状プランジャ120の突出付勢力をきめ細かに調整するための油圧バルブ機構190が設けられ、この油圧バルブ機構190は、後述するリテーナ193に圧入されたボールシート191と、このボールシート191に対して当接自在となるチェックボール192と、このチェックボール192を保持するリテーナ193などから構成されており、プランジャ摺動用円筒孔111と円柱状プランジャ120の後端部との間に形成される高圧油室195への油の流入を許容し逆に高圧油室195からの油の逆流を阻止して、円柱状プランジャ120を介したチェーン張力の付与と維持をよりきめ細かに達成する。
【0027】
したがって、本実施例のチェーン張力付与装置100は、図4に示すような円柱状プランジャ120のバックストップ機能が作動した状態から、タイミングチェーンTCが弛緩してくると、図5に示すように、突出付勢用バネ130によって突出方向に付勢されている円柱状プランジャ120が直ちに前進する。
【0028】
すなわち、バックストップ状態から、円柱状プランジャ120が走行するタイミングチェーンTCに向けて前進していくと、図5に示すように、拡径凹部111a内のカム受けリング140も、カム受けリング付勢用バネ150の付勢力によって円柱状プランジャ120の突出方向に変位し、このようなカム受けリング140の変位に伴って一対の楔状カムチップ160、160とカム誘導用リング170もプランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内を円柱状プランジャ120の突出方向に変動する。
【0029】
つぎに、前記カム誘導用リング170が、プランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内で封止プレート180の裏面に当接して行き止まると、図6で示すように、一対の楔状カムチップ160、160は、カム受けリング140に形成された二筋のスロープ状カムガイド溝141、141内をそれぞれ滑動してカム受けリング140を円柱状プランジャ120の突出方向と逆方向へ押し戻しながら、円柱状プランジャ120のラック121、121との噛合が外れるまでリング外周側に向けて迫り上がる。
【0030】
そして、一対の楔状カムチップ160、160と円柱状プランジャ120のラック121、121との噛合が外れた瞬間、カム誘導用リング170がプランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内で封止プレート180の裏面に当接して行き止まった状態となっているため、図7に示すように、一対の楔状カムチップ160、160は、一変してカム受けリング140のスロープ状カムガイド溝141、141内をそれぞれ滑動して円柱状プランジャ120のラック121、121と一歯分だけズレた位置で噛合するまで円柱状プランジャ120の軸芯側に向けて潜り込み、その反動によって、相対的にカム受けリング140が円柱状プランジャ120の突出方向へ再び変位する。
【0031】
このような状態において、本実施例のチェーン張力付与装置100にチェーン側から円柱状プランジャ120を押し戻すような外力Fが加わると、円柱状プランジャ120のラック121を一歯分だけ乗り越えた一対の楔状カムチップ160、160は、図8に示すように、円柱状プランジャ120のラック121を一歯分だけ乗り越える前と同様に、円柱状プランジャ120に対してクサビ作用f1を奏して、円柱状プランジャ120の後退変位を阻止するバックストップ機能を発揮する。
【0032】
なお、本実施例のチェーン張力付与装置100では、ハウジング本体110のプランジャ摺動用円筒孔111が円柱状プランジャ120と同心円状に設けられているとともにカム受けリング140がプランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111aと同心円状に設けられていることによって、エンジン運転時において円柱状プランジャ120がチェーン張力に応じて前進および後退する際に生じる突出付勢用バネ130の伸縮動作に誘発されてプランジャ摺動用円筒孔111内で自己回転しても、この円柱状プランジャ120に追従して楔状カムチップ160とカム受けリング140とが一体となってプランジャ摺動用円筒孔111の拡径凹部111a内で回転するため、円柱状プランジャ120のラック121に楔状カムチップ160が片当たりせず、整合した安定な噛み合い状態を維持するので、エンジン運転時にバックストップ機構が確実に作動する。
【0033】
つぎに、本実施例のチェーン張力付与装置100が最も特徴とするバックストップ機能を復活させるためのリセット機能を奏するプランジャ噛み外れ機構は、図3に示すように、六角レンチなどの係止治具Tを差し込む開口部181をプレート周縁に設けた封止プレート180と、前記開口部181から差し込まれた係止治具Tに係合する内周壁溝112を拡径凹部111a内に刻設したハウジング本体110と、ハウジング本体110の内周壁溝112に対向して係止治具Tに係合する外周壁溝142を刻設したカム受けリング140とで構成されている。なお、図3における符号123は、係止ピンであり、符号182は、係止ピン123に係止するための起伏自在な係止フックである。
【0034】
したがって、本第1実施例のチェーン張力付与装置100は、上述したようなプランジャ噛み外れ機構によって、図9乃至図12に示すようなエンジンE外に取り出してバックストップ機能を発揮することができる状態に円柱状プランジャ120をリセットするリセット機能を奏するものであって、以下に詳しく説明する。なお、図9乃至図12における符号113は、ハウジング本体110の拡径凹部111aを封止プレート180で封止して固定するためのかしめ部である。
【0035】
まず、図9に示すように、円柱状プランジャ120を回転させながら、係止治具Tを封止プレート180側の開口部181から拡径凹部111aの内周壁に刻設された内周壁溝112とこの内周壁溝112に対向して位置決めされるカム受けリング140の外周壁に刻設された外周壁溝142との間に差し込み、係止治具Tでカム受けリング140を確実に回り止めする。
【0036】
ついで、図9に示すようなカム受けリング140を確実に回り止めした状態で、図10に示すように、円柱状プランジャ120を90度回転させて円柱状プランジャ120と楔状カムチップ160,160との噛み合いを解除することによって、突出した円柱状プランジャ120を押し戻し自在にする。
【0037】
そして、図10に示すような楔状カムチップ160,160との噛み合いを解除した状態で、図11に示すように、円柱状プランジャ120をプランジャ摺動用円筒孔111内に押し戻すことによって、円柱状プランジャ120に付勢用バネ130の付勢力を突出方向に作用させ、バックストップ機能を発揮できる状態にする。
【0038】
さらに、図11に示すような円柱状プランジャ120をプランジャ摺動用円筒孔111内に押し戻した状態で、図12に示すように、円柱状プランジャ120を再び90度回転させて楔状カムチップ160,160と噛み合わせたリセット状態を確保し、このリセット状態を保持するために、封止プレート180側に設けた起伏自在な係止フック182を円柱状プランジャ120の係止ピン123に係止して、エンジンE内に再度組み込むことができるようにする。
【0039】
このようにして、本第1実施例のチェーン張力付与装置100は、適切なバックストップ機能を発揮してチェーンのバタツキによるバタツキ音、及び円柱状プランジャ120の過飛出しによって発生するチェーンの張り過ぎによるヒュー音を防止し、適正なチェーン張力を維持することができるとともに、円柱状プランジャ120がチェーン張力に応じて前進および後退する際に生じる突出付勢用バネ130の伸縮動作に誘発されても、この円柱状プランジャ120に追従して楔状カムチップ160、160とカム受けリング140とが一緒に回転して、円柱状プランジャ120のラック121に対して楔状カムチップ160、160が片当たりせずに整合した安定な噛み合い状態を維持することができるので、円柱状プランジャ120のラック121や楔状カムチップ160、160に生じがちな偏摩耗や歯欠けを防止するとともにバックストップ機構の耐久性を長期に亙って発揮することができる。
【0040】
特に、本実施例では、上述したようなプランジャ噛み外れ切換機構を設けたことによって、封止プレート180から拡径凹部111aとカム受けリング140との間に差し込まれた係止治具Tで円柱状プランジャ120と共働するカム受けリング140のみを回り止めして円柱状プランジャ120と楔状カムチップ160、160との噛み外れを切り換えることができるため、エンジンE外に一旦取り出して整備、点検、調整などを行う時にフルストローク状態となって突出している円柱状プランジャ120をプランジャ摺動用円筒孔111内に押し戻してバックストップ機能を発揮する状態にリセットしてエンジンE内に再度組み込むことができるなど、その効果は甚大である。
【0041】
次に、図13および図14に示す本発明の第2実施例であるチェーン張力付与装置200は、図2および図3に示すような本発明の第1実施例であるチェーン張力付与装置100と同様に、円柱状プランジャ220を進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔211が形成されたハウジング本体210と、このハウジング本体210に対して円柱状プランジャ220を突出方向に付勢する突出付勢用バネ230と、前記プランジャ摺動用円筒孔211の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部211a内で円柱状プランジャ220に外嵌して円柱状プランジャ220の軸方向に変位するとともに前記拡径凹部211aと同心円状に設けられたカム受けリング240と、該カム受けリング240を円柱状プランジャ220の突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネ250と、前記カム受けリング240に形成されたスロープ状カムガイド溝241内を滑動するとともに前記円柱状プランジャ220の外周を二分割する対向位置にそれぞれ刻設された二筋のラック221、221にそれぞれ噛合する一対の楔状カムチップ260、260と、前記プランジャ摺動用円筒孔211の拡径凹部211a内で円柱状プランジャ220に外嵌して一対の楔状カムチップ260、260の噛み外れを誘導規制する樹脂製のカム誘導用リング270と、前記円柱状プランジャ220を進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔211の拡径凹部211a内に順次配置したカム受けリング付勢用バネ250とカム受けリング240と楔状カムチップ260、260とカム誘導用リング270を移動自在に封入する封止プレート280とを備えている。
【0042】
そこで、本実施例であるチェーン張力付与装置200が最も特徴とするバックストップ機能を復活させるためのリセット機能を奏するプランジャ噛み外れ機構は、図13および図14に示すように、六角レンチなどの係止治具Tを差し込む開口部281をプレート周縁に設けた封止プレート280と、前記開口部281から差し込まれた係止治具Tに係合する外周壁溝242を刻設したカム受けリング240とで構成されている。
【0043】
したがって、本第2実施例のチェーン張力付与装置200は、上述したようなハウジング本体110の拡径凹部111aの内周壁に内周壁溝112を刻設した本第2実施例のチェーン張力付与装置100に比較すると、プランジャ噛み外れ機構がより簡素化されるが、基本的には同様な効果を奏することができる。
【0044】
さらに、図15および図16に示す本発明の第3実施例であるチェーン張力付与装置300は、図2および図3に示すような本発明の第1実施例であるチェーン張力付与装置100と同様に、円柱状プランジャ320を進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔311が形成されたハウジング本体310と、このハウジング本体310に対して円柱状プランジャ320を突出方向に付勢する突出付勢用バネ330と、前記プランジャ摺動用円筒孔311の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部311a内で円柱状プランジャ320に外嵌して円柱状プランジャ320の軸方向に変位するとともに前記拡径凹部311aと同心円状に設けられたカム受けリング340と、該カム受けリング340を円柱状プランジャ320の突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネ350と、前記カム受けリング340に形成されたスロープ状カムガイド溝341内を滑動するとともに前記円柱状プランジャ320の外周を二分割する対向位置にそれぞれ刻設された二筋のラック321、321にそれぞれ噛合する一対の楔状カムチップ360、360と、前記プランジャ摺動用円筒孔311の拡径凹部311a内で円柱状プランジャ320に外嵌して一対の楔状カムチップ360、360の噛み外れを誘導規制する樹脂製のカム誘導用リング370と、前記円柱状プランジャ320を進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔311の拡径凹部311a内に順次配置したカム受けリング付勢用バネ350とカム受けリング340と楔状カムチップ360、360とカム誘導用リング370を移動自在に封入する封止プレート380とを備えている。
【0045】
そこで、本実施例であるチェーン張力付与装置300が最も特徴とするバックストップ機能を復活させるためのリセット機能を奏するプランジャ噛み外れ機構は、図15および図16に示すように、六角レンチなどの係止治具Tを差し込む小孔381をプレート面に穿孔した封止プレート380と、前記小孔381から差し込まれた係止治具Tに係合する挿入孔342を穿孔したカム受けリング340とで構成されている。
【0046】
したがって、本第3実施例のチェーン張力付与装置300は、上述したようなハウジング本体110の拡径凹部111aの内周壁に内周壁溝112を刻設した本第2実施例のチェーン張力付与装置100に比較すると、プランジャ噛み外れ機構がより簡素化されているとともに、ハウジング本体310の内周壁に挿入傷を付けることがないので、張力付加時にプランジャの動きに追従した受けリング340の円滑な動きが確保できるが、基本的には同様な効果を奏することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のチェーン張力付与装置は、エンジン運転時にチェーンが伸びてくる場合、円柱状プランジャが一歯分ずつ順次前進することによって、適切なバックラッシュ量を規制して始動時の異音とチェーン張り過ぎ時のヒュー音を防止して適正なチェーン張力を維持することができ、これに加えて、以下のような特有の効果を奏する。
【0048】
まず、ハウジング本体のプランジャ摺動用円筒孔が円柱状プランジャと同心円状に設けられているとともにカム受けリングがプランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部と同心円状に設けられて楔状カムチップに向けてカム受けリング付勢用バネで付勢されていることによって、エンジン運転時に円柱状プランジャがチェーン張力に応じて前進および後退する際に生じる突出付勢用バネの伸縮動作に誘発されても、この円柱状プランジャに追従して楔状カムチップとカム受けリングとが一緒に回転し、円柱状プランジャのラックに対して楔状カムチップが片当たりせずに整合した安定な噛み合い状態を維持することができるので、円柱状プランジャのラックや楔状カムチップに生じがちな偏摩耗や歯欠けを防止するとともにバックストップ機構の耐久性を長期に亙って発揮することができる。
【0049】
そして、封止プレート側から差し込まれた六角レンチなどの係止治具で円柱状プランジャと共働するカム受けリングのみを回り止めして円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み外れを切り換えるプランジャ噛み外れ切換機構を設けたことによって、エンジン外に一旦取り出して整備、点検、調整などを行う時に円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み合いを外すことができるため、新品と交換することなく、フルストローク状態となって突出した円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔内に押し戻してバックストップ機能を発揮することができる状態にリセットしてエンジン内に再度組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチェーン張力付与装置の設置図。
【図2】 図1に示す本発明の第1実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図。
【図3】 図1に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図。
【図4】 バックストップ機能の作動状態を示した断面図。
【図5】 エンジン運転時に楔状カムチップがプランジャのラックから噛み外れを開始するまでの作動状態を示す断面図。
【図6】 エンジン運転時に楔状カムチップがプランジャのラックを一歯乗り越える直前の作動状態を示す断面図。
【図7】 エンジン運転時にプランジャがラックの一歯分だけ前進した直後の作動状態を示す断面図。
【図8】 エンジン運転時にプランジャがラックの一歯分だけ前進した後のバックストップ機能の作動状態を示す断面図。
【図9】 円柱状プランジャを回転させて係止治具を封止プレート側から拡径凹部の内周壁とカム受けリングの外周壁との間に挿入し、カム受けリングを回り止めした状態を示す動作図。
【図10】 カム受けリングを回り止めした状態で円柱状プランジャを90度回転させて楔状カムチップとの噛み合いを解除した状態を示す動作図。
【図11】 楔状カムチップとの噛み合いを解除した状態で円柱状プランジャをプランジャ摺動用円筒孔内に押し戻した状態を示す動作図。
【図12】 円柱状プランジャを押し戻した状態で90度回転させて楔状カムチップと噛み合わせたリセット状態を示す動作図。
【図13】 図1に示す本発明の第2実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図。
【図14】 図13に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図。
【図15】 図1に示す本発明の第3実施例であるチェーン張力付与装置を一部破断した概要図。
【図16】 図15に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図。
【図17】 従来のチェーン張力付与装置を一部破断した概要図。
【図18】 図17に示すチェーン張力付与装置の分解組み立て図。
【符号の説明】
100,200,300,500 ・・・ チェーン張力付与装置
110,210,310,510 ・・・ ハウジング本体
111,211,311,511 ・・・ プランジャ摺動用円筒孔
111a,211a,311a,511a ・・・ プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部
112 ・・・ 内周壁溝
113,213,313 ・・・ かしめ部
120,220,320,520 ・・・ 円柱状プランジャ
120a ・・・ 円柱状プランジャ120の外周面
121,221,321,521 ・・・ ラック
121a ・・・ ラック刃先面
122 ・・・ ラック終端段差部分
123,223,323 ・・・ 係止ピン
130,230,330,530 ・・・ 突出付勢用バネ
140,240,340,540 ・・・ カム受けリング
141,241,341,541 ・・・ スロープ状カムガイド溝
142,242 ・・・ 外周壁溝
342 ・・・ 挿入孔
150,250,350,550 ・・・ カム受けリング付勢用バネ
160,260,360,560 ・・・ 楔状カムチップ
170,270,370,570 ・・・ カム誘導用リング
170a ・・・ カム誘導用リング170の内周面
171 ・・・ カム誘導用リング170の切り欠き部
180,280,380,580 ・・・ 封止プレート
181,281 ・・・ 開口部
381 ・・・ 小孔
182,282,382 ・・・ 係止フック
190,290,390,590 ・・・ 油圧バルブ機構
191,291,391,591 ・・・ ボールシート
192,292,392,592 ・・・ チェックボール
193,293,393,593 ・・・ リテーナ
195,295,395,595 ・・・ 高圧油室
S1 ・・・ 駆動軸側スプロケット
S2 ・・・ 従動軸側スプロケット
TC ・・・ タイミングチェーン
TG ・・・ テンショナガイド
TL ・・・ テンショナレバー
E ・・・ エンジンブロック壁
T ・・・ 係止治具

Claims (4)

  1. 走行するチェーンに向けて進退自在に突出する円柱状プランジャと、該円柱状プランジャを進退自在に嵌挿するプランジャ摺動用円筒孔が円柱状プランジャと同心円状に設けられたハウジング本体と、該ハウジング本体に対して円柱状プランジャを突出方向に付勢する突出付勢用バネと、前記プランジャ摺動用円筒孔の先端開口側で同心円状に設けられた拡径凹部内で円柱状プランジャに外嵌して円柱状プランジャの軸方向に変位するとともに前記拡径凹部と同心円状に設けられたカム受けリングと、該カム受けリングを円柱状プランジャの突出方向に付勢するカム受けリング付勢用バネと、前記カム受けリングに形成されたスロープ状カムガイド溝内を滑動するとともに前記円柱状プランジャの外周に刻設された複数のラックにそれぞれ噛合する複数の楔状カムチップと、前記プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内で円柱状プランジャに外嵌して複数の楔状カムチップの噛み外れを誘導規制するカム誘導用リングと、前記円柱状プランジャを進退自在に嵌挿するとともに前記プランジャ摺動用円筒孔の拡径凹部内に順次配置したカム受けリング付勢用バネとカム受けリングと楔状カムチップとカム誘導用リングを移動自在に封入する封止プレートとを備えているチェーン張力付与装置において、
    前記封止プレート側から差し込まれた係止治具で円柱状プランジャと共働するカム受けリングのみを回り止めして円柱状プランジャと楔状カムチップとの噛み外れを切り換えるプランジャ噛み外れ切換機構を設けたことを特徴とするチェーン張力付与装置。
  2. 前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む開口部をプレート周縁に設けた封止プレートと、前記開口部から差し込まれた係止治具に係合する内周壁溝を拡径凹部内に刻設したハウジング本体と、前記ハウジング本体の内周壁溝に対向して係止治具に係合する外周壁溝を刻設したカム受けリングとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のチェーン張力付与装置。
  3. 前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む開口部をプレート周縁に設けた封止プレートと、前記開口部から差し込まれた係止治具に係合する外周壁溝を刻設したカム受けリングとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のチェーン張力付与装置。
  4. 前記プランジャ噛み外れ切換機構が、係止治具を差し込む小孔をプレート面に穿孔した封止プレートと、前記小孔から差し込まれた係止治具に係合する挿入孔を穿孔したカム受けリングとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のチェーン張力付与装置。
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