JP2008082162A - 遮音床および床下地パネル - Google Patents

遮音床および床下地パネル Download PDF

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Abstract

【課題】グラスウールを使用することなく、重量床衝撃音レベルなどの床衝撃音レベルを低減することができる遮音床およびこの遮音床に使用される床下地パネルを提供する。
【解決手段】中空構造の床下地パネル110においては、空洞の床面側の部材110Uの内面側は、空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように突出部110Aを有している。この構成によれば、床面からの衝撃に応じて空洞内の圧縮空気が床下地パネル110の側面からスムーズに抜けるので、床面からの衝撃を吸収することができ、空洞を挟んで下側(スラブ側)の部材110Dのたわみ量を低減することが可能となる。
【選択図】図16

Description

本発明は、集合住宅などの建物のスラブ上に設置される遮音床およびこの遮音床に使用される床下地パネルに関する。
マンションなどの集合住宅の建物の床構造としては、一般的に乾式遮音二重床が使用されている。従来の乾式遮音二重床は、コンクリート床であるスラブ上に防振支持脚を所定間隔で配置し、防振支持脚の支持ボード上にパーチクルボードや合板からなる床下地パネルの各端縁を接着固定し、この床下地パネルの上にフローリングなどの仕上げ張りを行うようになっている。この種の二重床は、スラブの凹凸を支持脚によって吸収できるためスラブ面を平滑化する手間が不要になるという利点と、床下空間における配管や配線工事が容易であるという利点を有している。
ところで、この種の二重床においては、床からの衝撃によって床が振動すると、床下の空気が圧縮されてスラブを振動させ、衝撃音を階下に伝えてしまうという短所があったため、スラブ上にグラスウールマットやロックウールマットなどの多孔質吸音材を敷いて吸音対策を採るようにしていた。
しかしながら、グラスウールマットやロックウールマットなどの多孔質吸音材は、比較的高域に大きな吸音特性を有するため、子供の飛びはね等によって生じる重量床衝撃音などの125Hz以下の低音域の音については十分に吸音することができず、衝撃音を階下に伝えてしまうという問題があった。また、床下空間全面にグラスウールマットなどの吸音材を敷く必要があったため、配管との関係で作業が繁雑になってしまう問題もあった。さらに、グラスウールは有害物質をある程度飛散してしまうため、グラスウールを使用しない遮音対策が望まれている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、グラスウール等の吸音材を使用することなく床衝撃音レベルを低減でき、重量床衝撃音レベルについても低減することができる遮音床およびこの遮音床に使用される床下地パネルを提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、複数の支持脚によって床下地パネルを支持する床構造の遮音床において、前記床下地パネルは、当該床下地パネルを貫通する空洞であって、前記空洞の床面側の面が、前記空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように形成された空洞を内部に有することを特徴としている。
この構成によれば、床下地パネルがたわみ振動すると、床下地パネルの空洞の床面側の面に形成された突出部によって空洞内の圧縮空気を床下地パネルの側面からスムーズに抜くことが可能となる。
また、本発明は、複数の支持脚によって床下地パネルを支持する床構造の遮音床に使用される床下地パネルであって、当該床下地パネルを貫通する空洞であって、前記空洞の床面側の面が、前記空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように形成された空洞を内部に有することを特徴としている。
本発明によれば、グラスウールを使用することなく、重量床衝撃音レベルなどの床衝撃音レベルを低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。
(1) 第1実施形態
(1−1) 第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る乾式遮音二重床構造の遮音床を示す図である。この遮音床10は、建物の躯体であるスラブ20の上に間隔を空けて配置される防振支持脚30と、防振支持脚30によって支持される中空下地パネル40と、中空下地パネル40の上に載置される仕上げ材50とから構成されている。なお、仕上げ材50は、フローリング材、畳、絨毯などであり、必要に応じて、仕上げ材50と中空下地パネル40との間に捨貼材を配置するようにしてもよい。
図2に示すように、防振支持脚30は、錘台形の防振ゴム31に回転自在に支持される支持ボルト32と、この支持ボルト32に螺合される支持ボード33とから構成されている。支持ボルト32の上方端面には、六角穴34が形成されており、図1に示すように、中空下地パネル40は、支持ボード33上に、六角穴34が上部から覗くように間隔を空けて載置され、この六角穴34により六角レンチを使って支持ボルト32を回転させることによって中空下地パネル40の高さ調整(レベル出し)を行うことができるようになっている。なお、中空下地パネル40は、支持ボード33に接着固定してもよいし、ネジやボルトを使って支持ボード33に固定してもよい。
中空下地パネル40は、木質薄片を積層した木質薄片集成板であって、長手方向(床面平行方向)に略台形断面の空洞41が一定間隔で形成されている。ここで、図3に中空下地パネル40の側面の拡大図を示すように、中空下地パネル40は、木質薄片の積層方向が隣り合う空洞41との間では略60度の斜度と120度の斜度とでそれぞれ積層されるように形成されている(符号α、βにより示す領域)。このため、この中空下地パネル40においては、床面垂直方向(Y方向)および床面平行方向(X方向)に加わる力が木質薄片の長手方向に対して略圧縮方向に働くので、これらの方向から加わる力に対する強度が高くなっている。従って、この中空下地パネル40は、中空構造を有することによって軽量化されるにも関わらず、床面垂直方向および床面平行方向に対する強度(剛性)を高くでき、一般に床下地パネルとして使用されるパーチクルボードや合板と比較して、強度/重量比が向上するようになっている。
また、図4に中空下地パネル40の側面図とスラブ側の面(下面)とを示すように、この中空下地パネル40は、スラブ側の面にこれら空洞41とつながる複数の開口42が形成されている。これら開口42は、各空洞41が吸音しようとする波長の床衝撃音の共鳴管となるように調整するためのものである。詳しくは、以下に述べる吸音原理の中で説明する。
次に、図5を参照しながら、この中空下地パネル40の吸音原理について説明する。図5は、図4に示す下面図のA−A’断面を示す図であり、1つの空洞41の両端の開口端から長さL1、L2の位置に開口42が形成されている場合を示している。同図に示すように、この開口42が形成された空洞41(開管=両端が開口端の管)は、音響学の観点から、長さ(L1+L2)の開管αと、長さL2の開管βと、長さL1の開管γとみなすことができる。このため、各開管α、β、γの定在波を同図に示すように、開管αは、波長λα=2×(L1+L2)の音波と共鳴し、開管βは、波長λβ=2×L2の音波と共鳴し、開管γは、波長λγ=2×L1の音波と共鳴することとなり、空洞41内では、これらの波長λα、λβ、λγの音波が振動を繰り返すうちに内壁面での摩擦や開口端での空気粒子間の粘性作用によりエネルギーを消費し、波長λα、λβ、λγを中心とする音波を減衰させることができる。
さらに、空洞41の開口42からは波長λα、λβ、λγの音波が時間遅れを伴って再放射されるため、入射音に対して位相のずれた音波を床下空間に放射することができ、これによっても波長λα、λβ、λγの音波による衝撃音を低減することができる。つまり、この中空下地パネル40は、一つの空洞41で3種類の波長を中心とする音波を効率よく減衰させることができ、かつ、開口42を形成する位置に応じて減衰される音波を調整できるようになっている。
このため、軽量床衝撃音レベルの性能決定周波数である250Hz帯域の音波を吸音するには、長さL1、L2、(L1+L2)のいずれかを0.68m前後にすればよいこととなる(波長(2×0.68m)=音速(毎秒340m)/周波数(250Hz))。同様の計算により、重量床衝撃音レベルの性能決定周波数である125Hz帯域の音波を吸音するには、長さL1、L2、(L1+L2)のいずれかを1.36m前後にすればよいこととなる。また、重量床衝撃音レベルの最も低周波の性能決定周波数である63Hz帯域の音波を吸音するには、長さL1、L2、(L1+L2)のいずれかを2.70m前後にすればよい。なお、実際には開口端補正により吸音される(共鳴する)音波の周波数は多少ずれることとなる。
従って、この中空下地パネル40は、パネルの長さ(=空洞41の全長(L1+L2))を1.36m前後にしておけば、開口42が設けられた全ての空洞41において125Hzの重量床衝撃音が減衰されるので、階下に伝わる重量床衝撃音レベルを大幅に低減することができる。このため、パネルの長さを2.7mにし、開口42の位置を長さL1=1.36mの位置に形成しておけば、63Hzと125Hzの重量床衝撃音レベルを効率的に低減することができる。なお、軽量床衝撃音レベルは、長さL1またはL2が1.36m以下の位置(例えば0.68m近傍の位置)にさらに開口42を設けておけば、つまり、1つの空洞41に複数の開口42を設けておけば、重量床衝撃音レベルを低減しながら、さらに軽量床衝撃音レベルについても低減することが可能である。
これにより、この中空下地パネル40は、図4に示したように、空洞41の異なる位置に開口42を形成することにより、グラスウールではほとんど減衰されなかった250Hz以下の重量床衝撃音を含む様々な周波数の音波を減衰させることが可能である。また、各空洞41の同一位置に開口42を形成するようにすれば、特定の周波数の音波の床衝撃音レベルを低減することができ、少なくとも、開口42を形成した空洞41の全長(L1+L2)を1.36m以上にしておけば、重量床衝撃音レベルを大幅に低減することが可能である。実際には、周波数帯域20〜300Hzの衝撃音を低減するために、長さL1、L2などが0.68m〜2.7mの範囲の様々な値になるように開口42を形成しておくことが望ましい。
従って、本実施形態によれば、遮音床10は、この中空下地パネル40によって、有害物質を発散するグラスウールを使用せずに床衝撃音が階下に伝わるのを防止できるだけでなく、グラスウールではほとんど遮音できなかった重量床衝撃音についても十分に遮音することができる。また、この遮音床10は、床面に衝撃を受けた場合は、中空下地パネル40の複数の空洞41によって衝撃加振点から支持点(支持ボード33で支持される領域)までの間に振動が分散するので、振動を減衰でき、衝撃を吸収することが可能となる。
また、上述したように、この遮音床10に用いる中空下地パネル40は、一般に床下地パネルとして使用されるパーチクルボードや合板と比較して強度/重量比が向上しているので、防振支持脚30の支持重量を従来と同一にする場合は、中空下地パネル40の寸法を従来の床下地ボードより大きくすることが可能である。このため、中空下地パネル40の設計自由度が高く、中空下地パネル40の長さや幅の寸法を大きくすることによって、防振支持脚30の配置間隔を拡げて防振支持脚30の使用数を低減する、といったことも可能である。防振支持脚30の使用数を低減できれば、中空下地パネル40の高さ調整(レベル出し)作業が簡易になるので、材料費、作業費のコストダウンを図ることができる。
次に、中空下地パネル40の製造方法および材料について具体的に説明する。この中空下地パネル40は、木質薄片にバインダーを付着させた後、図6に示すように、木質薄片の一層〜数層目の上に、連結板60aで等間隔に連結された台形上アルミニウム棒からなる中子60を配置し、木質薄片を一層〜数層分散布した後、連結板60bで等間隔に連結された台形上アルミニウム棒からなる中子60を配置し、木質薄片をさらに散布する。このとき、連結板60aで連結された中子60と、連結板60bで連結された中子60とは台形が上下逆向きになるように配置される。
次に、木質薄片を積層した上記積層体70を、温度140〜220℃、圧力15〜40kg/cm2で6〜15分間熱圧成形し、厚みが1/3〜1/30になるまで熱圧成形し、冷却後に中子60を引き抜いた後、積層体70の外周をトリミングした後、開口42を形成することによって、上述した中空下地パネル40を製作することができる。
また、木質薄片としては、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アスペン、ロッジポールパインなどが通常用いられるが、樹種は特に限定されるものではない。また、木質薄片の配列は、木目方向をほぼ一方向に揃えてもよく、若しくは、三層構造にして、隣接する層の木目方向が直交するように積層するようにしてもよいが、特に限定されるものではない。また、目的とする中空下地パネル40の強度または剛性に応じて複数種類の木質薄片を混合したり、木質薄片とバインダーの混合率を変更してもよい。
また、バインダーとしては、発泡性バインダー樹脂、非発泡性バインダー樹脂およびこれらの混合物のいずれを用いてもよいが、発泡性バインダー樹脂が好ましい。発泡性バインダー樹脂は、木質薄片を相互に結合させるとともに、それ自体が発泡するので、木質薄片同士の隙間を発泡セルで押し広げることによって樹脂分の使用量を少なくし、中空下地パネル40を低密度化させることができる。さらに、発泡セルによって、中空下地パネル40の断熱効果や遮音効果を向上させることができる。
発泡性バインダー樹脂としては、自己発泡する発泡性樹脂、またはフェノール、ユリア、エポキシ、アクリルなどの非発泡性樹脂に発泡剤を加えた混合系発泡性樹脂のいずれを用いてもよいが、剛性向上と低密度の中空下地パネル40を得る目的から自己発泡する発泡性樹脂を用いることが好ましい。自己発泡する発泡性樹脂としては、発泡性ポリウレタン樹脂、イソシアネート系樹脂、好ましくはPMDI(ポリメタリックMDIまたは粗MDI)などが挙げられる。なお、発泡性ポリウレタン樹脂やイソシアネート系樹脂を用いると、水分と反応し易くなり、イソシアネート基(−NCO)が水と反応して自己発泡するため反応時間が早くなり熱圧成形に要する時間を短縮することができる。
木質薄片に対するバインダーの量は、木質薄片重量部(絶乾重量)に対して、3.5〜20重量部とすることが望ましい。バインダーの添加量を変更することによって中空下地パネル40の密度および強度を変更することも可能である。なお、バインダーには、必要に応じて硬化剤、硬化触媒、硬化促進剤、希釈剤、増粘剤、分散剤、撥水剤などを添加してもよい。
また、木質薄片は、予めアセチル化しておくことが好ましい。アセチル化する場合は、その木質薄片を含水率3%以下、好ましくは1%以下に乾燥した後、酢酸、無水酢酸、クロル酢酸などの気化蒸気に接触させて気相中でアセチル化(アセチル化度12〜20%)することが好ましい。このように木質薄片をアセチル化することによって耐水性が得られ、寸法の経年変化を防止することが可能である。
(1−2) 第1実施形態の変形例
本願発明は、上述した実施形態に限らず種々の態様にて実施することができる。例えば、以下のような変形実施が可能である。
(変形例1)
上述の実施形態においては、中空下地パネル40の空洞41の両端が開口端の場合について述べたが、空洞41の一端または両端を閉端にしてもよい。例えば、空洞41の一端を閉端にした場合、つまり、空洞41を閉管にした場合には、音響学の観点から、図7に示すように、長さ(L1+L2)の閉管α1と、長さL2の開管β1と、長さL1の閉管γ1とみなすことができる。このため、閉管α1、開管β1、閉管γ1の定常波を同図に示すように、閉管α1は、波長λα1=4×(L1+L2)の音波と共鳴し、開管β1は、波長λβ1=2×L2の音波と共鳴し、閉管γ1は、波長λγ1=4×L1の音波と共鳴することとなる。これにより、この中空下地パネル40は、波長λα1、λβ1、λγ1の音波を中心に減衰させることができる。
従って、空洞41の一端を閉端にした場合は、重量床衝撃音レベルの性能決定周波数である125Hz帯域の音波を吸音するには、例えば、空洞41の全長(L1+L2)、つまり、中空下地パネル40の長さを0.68m前後にすればよく、空洞41の両端を開口端にした場合に比較して半分の長さで同一周波数の音波を吸音することができる。なお、重量床衝撃音レベルの最も低周波の性能決定周波数である63Hzの音波を吸収するには、中空下地パネル40の長さを1.36mにすればよい。また、中空下地パネル40の長さを従来の床下地ボートと同じ1.8mにした場合は47Hz以上の音波を吸収することが可能となる。なお、空洞41の両端を閉端にした場合は、空洞41の両端を開口端にした場合と同じである。実際には、周波数帯域20〜300Hzの衝撃音を低減するために、長さL1、L2などが0.68m〜2.7mの範囲の様々な値になるように開口42を形成しておくことが望ましい。
(変形例2)
上述の実施形態においては、中空下地パネル40の空洞41全てに開口42を形成していなかったが(図4参照)、全ての空洞41に開口42を形成してもよいことは言うまでもない。開口42が形成された空洞41が多いほど床衝撃音レベルを低減することが可能である。また、吸音材として、グラスウール等の多孔質材を使用し、管共鳴とのハイブリッドで広帯域の吸音効果を実現するようにしてもよい。また、中空下地パネル40の裏面をレゾネータ(有孔板)で構成してもよい。
また、隣り合う空洞41に開口42を形成しておけば、開口42から再放射される音波の一部が回折により隣りの空洞41の開口42に入射し、隣接する空洞41相互間で連成振動を生じてエネルギーの授受が行われ、この連成振動の際に、空洞41の内壁面での摩擦や開口端での空気粒子間の粘性作用によりエネルギーが消費されるので、これら音波の一部をさらに吸音することが可能になる。
(変形例3)
上述の実施形態においては、中空下地パネル40の空洞41を共鳴器として利用することによって床衝撃音を低減する場合について述べたが、図8に示すように、中空下地パネル40のスラブ側の面に吸音装置80を取り付けて床衝撃音を低減するようにしてもよい。なお、この場合、中空下地パネル40は、開口42を形成しなくてもよいが、開口42を形成しておいてもよい。
ここで、図9は、中空下地パネル40に取り付ける吸音装置80の具体例を示す図である。この図において、吸音装置80−1は、上述の吸音原理を利用した共鳴器であり、吸音しようとする音波の波長に応じて開口42が形成されたパイプ81を横一列に複数本連結して構成されている。また、吸音装置80−2は、吸音しようとする音波の波長に応じて長さが決定されたパイプ82を横一列に複数本連結して構成されている。また、吸音装置80−3は、上記2種類の吸音装置80−1および80−2を組み合わせて構成した吸音装置である。なお、これら吸音装置のパイプは、開管、閉管のいずれでもよく、パイプも横一列に連結する方法に限らない。また、パイプは、角形パイプまたは円形パイプのいずれでもよい。
(2) 第2実施形態
(2−1) 第2実施形態の構成
図10は、本発明の第2実施形態に係る乾式遮音二重床構造の遮音床を示す図である。この図においては、床下地パネル110を長手方向から見たときの遮音床を示している。この遮音床100は、床下地パネルが異なる点を除いて第1実施形態に係る遮音床10と同一であるため、同一部分は同一の符号を付して示して説明を省略し、床下地パネル110についてのみ説明する。
同図に示すように、床下地パネル110は、仕上げ材50を載置するために上面が平坦である点では従来の床下地ボードと同一形状であるが、スラブ側の面(下面)が長手方向から見ると、支持ボード33で支持される各支持点から等距離の略中央領域がスラブ20側に突出し、この突出部110Aの周辺部110Bで最も厚さが薄くなり、支持点側に向けて徐々に厚くなるように形成されている。ここで、床下地パネル110を斜め下から見たときの斜視図を図11に示すように、突出部110Aは同一断面形状(図11に示す断面形状)でもよく(符号110−1により示す)、また、左右対称形状でもよい(符号110−2により示す)。
このように、床下地パネル110のスラブ20側の面に突出部110Aを設けることによって、図12に示すように、床下地パネル110がたわみ振動して床下空間の空気を圧縮しても、同図に矢印で示す方向に空気を圧縮するので、図13に示すように、床下空間の圧縮空気を両側の防振支持脚30側(スラブ面平行方向)に向けて流すことが可能となる。これにより、従来のスラブ面が単に平面である場合と比較すると、スラブ20に対して直角方向から衝突する圧縮空気成分を大幅に低減することができ、スラブ20の振動を低減することが可能となる。従って、本実施形態に係る遮音床100は、有害物質を発散するグラスウールを使用することなく、スラブ20を介して階下に伝わる床衝撃音レベルを低減することが可能である。
また、この床下地パネル110は、突出部分110Aで厚みが増しているので、曲げ剛性が高いという利点を有する。さらに、本実施形態では、支持ボード33で支持される領域も厚く形成されているので、床下地パネル110全体の曲げ剛性を高くできる。このため、床の衝撃によるたわみ量が低減し、床下空間の圧縮空気によってスラブ20が加振される場合を低減でき、これによっても階下に伝わる床衝撃音レベルをある程度低減することが可能となる。
(2−2) 第2実施形態の変形例
本願発明は、上述した実施形態に限らず種々の態様にて実施することができる。例えば、以下のような変形実施が可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、床下地パネル110を突出部110Aの周辺部110Bから支持点側に向けて徐々に厚くなるように製作する場合について述べたが、図14に示すように、突出部110A以外は厚さが同一の床下地パネル110を使用してもよい。要は、床下地パネル110がたわみ振動しても、突出部110Aがあれば、床下空間の圧縮空気をスラブ面平行方向に逃がすことができ、階下に伝わる床衝撃音レベルを低減することが可能となる。また、床下地パネル110の突出部110Aなどをなめらかな曲面で形成する場合について述べたが、図15に示すように、突出部110Aなどを複数の平面(斜面)で製作してもよい。
(変形例2)
上述の実施形態では、中空構造を有さない床下地パネルに本発明を適用する場合について述べたが、第1実施形態に述べたような中空構造を有する床下地パネルのスラブ20側の面に突出部110Aを設けるようにしても同一の効果を得ることができる。
さらに、中空構造の床下地パネルに本発明を適用する場合は、図16に中空部分の断面図を示すように、空洞の床面側の部材110Uの内面が空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように突出部110Aを設けるようにしても同一の効果を得ることが可能である。この場合、床面からの衝撃に応じて空洞内の圧縮空気が床下地パネル110の側面からスムーズに抜けるので、床面からの衝撃をある程度吸収でき、空洞を挟んで下側(スラブ側)の部材110Dのたわみ量を低減することが可能となる。
さらに、図17に示すように、空洞を挟んで下側の部材110Dにおいて、突出部110Aと対向する位置に開口110Cを設けるようにしてもよい。このようにすれば、床面からの衝撃に応じて床下地パネル110がたわみ振動した場合に、床下地パネル110の空洞内部の空気を側面からさらにスムーズに抜くことが可能となる。
(変形例3)
また、上述の実施形態では、床下地パネル110のスラブ20側に設けた突出部110Aによって床下空間内の圧縮空気をスラブ面平行方向に逃がすようにする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図18に示すように、上述した突出部110Aと同形状の部材である流体抵抗減衰装置120をスラブ20上に載置し、この流体抵抗減衰装置120によって床下空間の圧縮空気をスラブ面平行方向(=床面平行方向)に逃がして減衰させようにしてもよい。図19にこの流体抵抗減衰装置120の斜視図を示すように、流体抵抗減衰装置120は、左右対称形状(図19に符号120−1により示す)でもよいが、同一断面形状(図19に符号120−2により示す)でもよい。なお、この流体抵抗減衰装置120の表面は、流れをスムーズにさせるために平滑面または所定の表面粗さを有する面にしておくことが好ましい。
また、この流体抵抗減衰装置120の表面は曲面に限らず、図20に示すように、平面にしてもよい。また、図21に示すように、流体抵抗減衰装置120として、圧縮空気をスラブ面平行方向に逃がすためのガイド121をさらに設けるようにしてもよい。
また、上述した突出部110Aを有する床下地パネル110と、上述した流体抵抗減衰装置120の両方を用いて床下空間の圧縮空気をスラブ面平行方向に逃がすようにしてもよいことは勿論である。
(変形例4)
また、第1実施形態で述べた中空下地パネル40に、第2実施形態で述べた突出部110Aを設けるようにしてもよい。このようにすれば、さらに床衝撃音レベルを低減することが可能である。同様に、中空下地パネル40の下方に、流体抵抗減衰装置120を配置するようにしても、床衝撃音レベルをさらに低減することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る乾式遮音二重床構造の遮音床を示す図である。 防振支持脚の斜視図である。 遮音床に使用される中空下地パネルの部分拡大図である。 中空下地パネルの側面図と下面図を示す図である。 中空下地パネルの吸音原理の説明に供する図である。 中空下地パネルの製造方法の説明に供する図である。 中空下地パネルの変形例の説明に供する図である。 中空下地パネルに吸音装置を設ける場合の変形例の説明に供する図である。 中空下地パネルに設ける吸音装置の具体例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る乾式遮音二重床構造の遮音床を示す図である。 遮音床に使用される床下地パネルの斜視図である。 床下地パネルの吸音原理の説明に供する図である。 床下地パネルの吸音原理の説明に供する図である。 床下地パネルの変形例を示す図である。 床下地パネルの変形例を示す図である。 床下地パネルの変形例を示す図である。 床下地パネルの変形例を示す図である。 遮音床に使用する音圧分算装置の説明に供する図である。 流体抵抗減衰装置の斜視図である。 流体抵抗減衰装置の変形例の説明に供する図である。 流体抵抗減衰装置の変形例の説明に供する図である。
符号の説明
10……遮音床、20……スラブ、30……防振支持脚、31……防振ゴム、32……支持ボルト、33……支持ボード、40……中空下地パネル(床下地パネル)、41……空洞、42……開口、50……仕上げ材、80、80−1、80−2、80−3……吸音装置、110、110−1、110−2……床下地パネル、110A……突出部、120、120−1、120−2……流体抵抗減衰装置、121……ガイド。

Claims (4)

  1. 複数の支持脚によって床下地パネルを支持する床構造の遮音床において、
    前記床下地パネルは、
    当該床下地パネルを貫通する空洞であって、前記空洞の床面側の面が、前記空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように形成された空洞を内部に有する
    ことを特徴とする遮音床。
  2. 前記床下地パネルは、
    前記空洞の前記対向する面には、前記空洞とつながる開口であって、前記空洞の床面側の面が突出する部分と対向する位置に形成された開口を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮音床。
  3. 複数の支持脚によって床下地パネルを支持する床構造の遮音床に使用される床下地パネルであって、
    当該床下地パネルを貫通する空洞であって、前記空洞の床面側の面が、前記空洞の長手方向における中央位置において対向する面に突出するように形成された空洞を内部に有する
    ことを特徴とする床下地パネル。
  4. 前記床下地パネルは、
    前記空洞の前記対向する面には、前記空洞とつながる開口であって、前記空洞の床面側の面が突出する部分と対向する位置に形成された開口を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の床下地パネル。
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