JP2008080243A - 清浄用シートを用いた清浄方法およびそのための清浄用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】被清浄体の表面に付着した除去対象物を清浄用シートを用いて除去する際の、除去性のムラをより少なくし得る清浄方法と、そのための清浄用シートとを提供すること。
【解決手段】本発明の清浄方法では、被清浄体Sの表面S1に付着した除去対象物201を、該面S1に清浄用シート1を押付けて除去するに際し、該シート1の背後から、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材Mを介して力を加えることによって、該清浄用シートを該被清浄体の表面に局所的に押付ける。本発明の清浄用シートは、対物面に対する背面の側に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション層が一体的に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、清浄用シートを用い、被清浄体に付着したペーストやインキ等の除去対象物を清浄(被清浄体から除去)するため清浄方法、および、該方法を実施するための清浄用シートに関し、特に、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)に組み込まれる蛍光体層の製造などにおいて、スクリーン印刷版の対物面に裏回りした蛍光体ペーストを拭き取るための方法とそのための清浄用シートに関する。
近年、PDP(特に、カラーPDP)は、より大画面化されかつより高精細化され、その蛍光体層におけるRGB蛍光体の配置パターンも、より微細かつ高密度になってきている。
蛍光体層の形成工程では、図9(a)に模式的な断面図として示すように、RGB3原色の各蛍光体が、高精細なストライプを描くように基板100上に配置される。その配置パターンは、(R、G、B)の3列を1組とするストライプが繰り返されたパターンである。各蛍光体の帯同士の間には、隔壁110が存在している。即ち、蛍光体は、基板100の板面にストライプ状に形成された溝内にそれぞれ配置されることになる。
各蛍光体を上記のような高精細なパターンにて基板上に配置するための手法として、図9(b)に示すように、スクリーン印刷が用いられる。
図9(b)は、図9(a)に示した蛍光体層の1つの溝を拡大して示したものであり、スクリーン印刷版Sが基板100に重ねられ、開口(貫通孔)S20から蛍光体ペースト200が溝内に送り込まれる状態を示している。
スクリーン印刷版の内部に描かれた太い波線は、高分子材料や金属材料からなる線材で織った、所謂「スクリーン」を示唆している。図10に示すように、スクリーン印刷版の版面を見たとき、このスクリーンS10は開口内に露出し、その網目を通して蛍光体ペーストが対象物の面に印刷される。
蛍光体をストライプ状に印刷するに際しては、隣の蛍光体ペーストの浸入を抑制し、各色の蛍光体ペーストを純粋な状態で溝内に配置することが理想とされる。隣り合った蛍光体同士が局所的にでも混ざり合うと、その部分のみ正確な画面表示ができなくなる。従って、特に高級品として販売される製品では、蛍光体の配置には厳しい品質が求められる。
蛍光体をスクリーン印刷する際の、印刷技術自体の問題として、一定の印刷回数を経ると、図9(b)に示すように、スクリーン印刷版Sの対象物側の面S1に(特に開口S20の周囲に)、蛍光体ペースト201が残留・堆積するという問題が挙げられる。
このような、スクリーン印刷版の対象物側の面への蛍光体ペーストの残留・堆積は、「蛍光体ペーストの裏回り」などと呼ばれ、その残留物が対象基板の隔壁の上部へと転写され、正確で美麗な蛍光体配置ができない原因となる。
上記のような裏回りによる品質トラブルを防止するために、裏回りした蛍光体ペースト(裏回りペースト)を清浄用シートを用いて除去する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4)。
例えば、特許文献1、2、4には、清浄用シートとして粘着シートを用い、蛍光体ペーストをその粘着力によって除去する方法が開示されている。また、特許文献3には、粘着剤層上に網などのポーラス層(多孔質層)を積層した複合部材が記載されている。
一方、現行のPDPの製造工程におけるスクリーン印刷装置には、裏回りペーストを清浄用シート(主として粘着シート)によって除去するように構成された清浄装置が組み込まれている。
図11は、そのような清浄装置の一例を示す図であって、スクリーン印刷の合間に、スクリーン印刷版Sの版面(PDPの基板に接する側の面)S1に、粘着シートA10を貼付し剥がすことで裏回りペーストを除去する構成となっている。より詳しく説明すると、版面S1には裏回りペースト201が堆積しており、この版面S1に対して、粘着シートA10がその背後のローラーP10によって押し付けられている。ローラーP10は、粘着シートA10をスクリーン印刷版の版面に押し付けながら、図中の太い矢印で示すように、自体は図の右側へと平行移動する。この動作によって、裏回りペーストは、粘着シートA10の粘着面に順次剥がし取られていく。また、新しい粘着シートA10が、細い矢印で示すように、図の右下方の巻出し装置(図示せず)から送り出され、汚れた粘着シートA10は、左下方の巻取り装置(図示せず)へと進む構成となっており、常に新しい粘着シートによって清浄することが可能な構成となっている。
しかしながら、上記のような清浄装置について、本発明者等が裏回りペーストの除去性能を詳細に検討したところ、ローラーによって清浄用シートをスクリーン印刷版に押付けるという方式では、裏回りペーストの除去が不充分な部分が局所的に生じ、除去性にムラがあることがわかった。
また、その原因を調べた結果、スクリーン印刷版が柔軟な薄いシート状物であるがために、ローラーによる押付け力を受けてスクリーン印刷版がたわみ、清浄用シートが均等に版面に接触しないことが原因であることがわかった。
このような除去性のムラについての問題は、スクリーン印刷版のみならず、被清浄体が薄く柔軟なシート状物であれば同様に生じる問題であり、またさらには、被清浄体が薄く柔軟なシート状物でなくとも、被清浄体の表面と清浄用シートの対物面との平行度(即ち、被清浄体の表面と、押付け部材の押付け面との平行度)が適正な範囲に調整されていなければ生じる問題である。
特開2000−177110公報 特開2001−348541公報 特開平11−224414公報 特許第3280367号公報
本発明が解決しようとする課題は、被清浄体の表面に付着した除去対象物を清浄用シートを用いて除去する際の、除去性のムラをより少なくし得る清浄方法と、そのための清浄用シートとを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、先ず、被清浄体が柔軟であることによって(即ち、力を加えれば容易に変位することによって)、または、被清浄体の表面と清浄用シートの対物面との平行度が適正に調整されていないことによって、清浄用シートが強く作用する部分とそうでない部分とが生じていることを見出した。
このような問題を解決すべく、本発明者等が鋭意研究した結果、清浄用シートを被清浄体に押付けるに際して、清浄用シートの背後に弾性および柔軟性を有する材料からなる押し付け部材を介在させれば、被清浄体の変形や、被清浄体との平行度調整不足が吸収され、被清浄体の表面への清浄用シートの当たりが均一になり、除去性のムラが解消され得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)被清浄体の表面に付着した除去対象物を、該面に清浄用シートを押付けて除去する方法であって、
清浄用シートを被清浄体の表面に押付けるに際し、該清浄用シートの背後から、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材を介して力を加えることによって該清浄用シートを該被清浄体の表面に局所的に押付けながら、該清浄用シートの押付け部分を被清浄体に対して移動させ、除去対象物を該清浄用シートに移し取ることを特徴とする、清浄方法。
(2)クッション用部材が、
(イ)清浄用シートの背後から押付け得るよう構成されたローラーの少なくとも表層として設けられているか、または、
(ロ)清浄用シートの背後から押付け得るよう構成されたスキージの少なくとも先端部分として設けられているか、または、
(ハ)清浄用シートの背面の側にクッション層として該清浄用シートと一体的に設けられている、
上記(1)記載の清浄方法。
(3)クッション用部材の材料の圧縮硬さが、0.1N/cm2 〜15N/cm2 である、上記(1)または(2)記載の清浄方法。
(4)クッション用部材の押付け方向についての厚さが0.5mm以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の清浄方法。
(5)クッション用部材の材料が、発泡体である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の清浄方法。
(6)清浄用シートが、被清浄体に擦りつけることによって除去対象物を除去するよう形成されたものであって、該清浄用シートの少なくとも一方の面が、被清浄体に擦りつけられるべき対物面とされ、該対物面が凹凸面となっている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の清浄方法。
(7)被清浄体が、プラズマ・ディスプレイ・パネルの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷版である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の清浄方法。
(8)被清浄体に押付けて除去対象物を除去するための清浄用シートであって、
当該シートの両面のうちの一方の面は、被清浄体に押付けることで除去対象物を除去し得るように構成された対物面であり、
他方の面である背面の側には、当該シートの基板層であるベースシート部とは別に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション層が設けられていることを特徴とする、清浄用シート。
(9)クッション層の材料の圧縮硬さが、0.1N/cm2 〜15N/cm2 である、上記(8)記載の清浄用シート。
(10)クッション層の厚さが0.5mm〜100mmである、上記(8)または(9)記載の清浄用シート。
(11)クッション層の材料が、発泡体である、上記(8)〜(10)のいずれかに記載の清浄用シート。
(12)対物面が、被清浄体に擦りつけることによって除去対象物を除去し得るように、凹凸面となっている、上記(8)〜(11)のいずれかに記載の清浄用シート。
(13)被清浄体が、プラズマ・ディスプレイ・パネルの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷版である、上記(8)〜(12)のいずれかに記載の清浄用シート。
図12は、被清浄体が薄く柔軟なシート状物(図ではスクリーン印刷版)である場合に、該被清浄体に、従来のように単に片側から清浄用シートを押付けた場合の除去性のムラとその原因を説明する図である。図12(a)に示すように、粘着シートA10がローラーP10によってスクリーン印刷版Sに押付けられた跡を詳細に観察すると、粘着シートを介してローラーP10が通過した跡の中央の帯状領域mは、ハッチングで示すように、通過跡の両縁側の領域に比べて裏回りペーストが十分には除去されておらず、ムラのある除去状態となっている。
その原因は、図12(b)に示すように、スクリーン印刷版Sが薄く比較的伸縮自在なシート状物であるために、押し付けられたローラーに沿ってスクリーン印刷版がたわむことにある。このたわみによって、ローラーの両端部分では、粘着シートは版面に十分強く押し付けられて好ましい除去性を示すが、ローラーの中央部分では、粘着シートを版面に強く押し付ける力が作用せず、好ましい除去性が示されない。また、被清浄体が厚い剛体の場合には、該被清浄体の表面に対するローラーの中心軸の平行度や、ローラー外径の均一性が十分高くなければ、ローラーの一部ばかりが強く押付けられることになり、他方の部分では、好ましい除去性が示されない。
これに対して、本発明の清浄方法では、図1に示すように、清浄用シート1を被清浄体の表面に押付けるに際し、該シートの背面側から、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材を介して力を加えている。
また、本発明の清浄用シートは、その背面側に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション層が一体的に設けられており、硬く剛性の高いローラーを用いた場合でも、本発明による清浄方法を実施し得る構成となっている。
これらのように、清浄用シートの背面側から、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材(またはシートに一体化されたクッション層)を介して押付け力を加えることによって、被清浄体の変形や被清浄体との平行度不良による不均一な押付け状態が効果的に吸収、緩和され、本来接触すべき領域全体にわたって、均一な除去性が得られるようになる。
この作用効果は、薄く柔軟なスクリーン印刷版の清浄に対して特に有用となり、清浄用シートを押付けたときに生じる独特の不均一な除去性を緩和する。
先ず、本発明による清浄方法を説明する。
図1は、本発明の清浄方法を示す図であって、当該清浄方法を実施できるように構成した清浄装置の一例を示している。図1の例では、被清浄体Sが柔軟なシート状物(図では、スクリーン印刷版)であって、その表面S1には除去対象物(図では裏回りペースト)201が付着している。当該清浄方法では、清浄用シート1の背面側に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材Mを配置し、該部材Mを介して押付け力を加える。そして、該シート1を被清浄体Sの表面S1に局所的に押付けながら、その押付けた部分を、太い矢印で示すように被清浄体Sに対して移動させ、除去対象物201を清浄用シート1に移し取ることを特徴とするものである。清浄用シート上に移し取られた除去対象物は符号202で示している。
図1の例では、クッション用部材Mは、清浄用シートを押付けるための部材(押付け用部材)であるローラーPの表層として設けられている。クッション用部材(表層)Mは、該ローラーの中心部分R1から清浄用シート1へ加えられる押付け力の伝達に介在し、該表層自体が変形することで被清浄体の変形や不均一な押付け力を緩和し、除去性のムラを抑制する。
被清浄体としては、特に限定はされず、剛体であっても柔軟なものであってもよいが、被清浄体が柔軟なシート状物の場合には、その独特の変形をクッション用部材が緩和するために、本発明の有用性が顕著となる。
被清浄体の表面に付着した除去対象物も特に限定されないが、溶剤を含有して湿った状態にある半固形物、例えば、各種ペースト、インキ、糊、接着剤、塗料などが主な除去対象物として挙げられる。なお、除去対象物は、溶剤を含まないものであってもよく、それ自体が湿った状態にある半固形物となっている材料であってもよい。
被清浄体とその除去対象物の組み合わせの中でも、背景技術の説明において述べたとおり、PDPの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷には高精細化に伴なう問題が存在し、しかも、その柔軟な変形によって、均一な清浄も困難である。従って、被清浄体が、PDPの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷版であって、除去対象物が該蛍光層を形成するための蛍光体ペーストである場合に、当該清浄方法の有用性は特に顕著となる。
除去対象物が溶剤を含有する場合、その溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテンなどの芳香族炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコールなどのアルコール;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロンなどのケトン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル;ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル;水などが挙げられる。
除去対象物がスクリーン印刷インキの場合には、中沸点溶剤(沸点:約120〜230℃)や高沸点溶剤(沸点:約230〜320℃)が多く用いられる。
さらに、PDPの蛍光体ペーストに含まれる溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート/ジエチレングリコールモノブチルエーテル[9/1(重量比)]などの高沸点溶剤(沸点:約230〜320℃)などが挙げられる。
本発明による清浄方法では、被清浄体の表面に清浄用シートを押付けて、除去対象物を除去する。「清浄用シートを押付けて除去する」場合の押付け方、除去の仕方(剥がし方)は、用いる清浄用シートが本来有している除去機能に応じたものであってよく、用いる清浄用シートの本来の使用法に準じた押付け方であればよい。
例えば、上記特許文献1、2の粘着シートは、粘着性によって除去対象物を〔剥がし取る〕ことを意図したものであり、また、除去対象物を〔吸い取る〕ことを意図して高い液体吸収性を持つよう設計された清浄用シートもある。このような清浄用シートの場合、清浄用シートの押付け方は、被清浄体への単純な押付けと剥離でよい。一方、特許文献3などの複合部材(粘着剤層上に網などのポーラス層(多孔質層)を積層したもの)は、粘着性に加えて擦り取ることをも意図している。このような〔擦り取る〕ことや、〔拭き取る〕ことなどをも意図した清浄用シートの場合には、該シート面を被清浄体に押し付けた後、被清浄体の表面を擦りながら移動させるという動作を加えることが必要である。このような、〔清浄用シートを押付けて擦る〕という用い方も、本発明でいう「清浄用シートを押付けて除去する」に含まれる。
上記の清浄用シートの押付けに関連して、本発明による清浄方法では、押付け部分を被清浄体に対して移動させているが、その移動の態様は、大きく次の2種類に分けられる。
1つは、押付け部分だけを見ればあたかも粘着ローラーが転がって行くような態様であって、図1、図2に示すように、押付け力の作用点を被清浄体に対して順次移動させるが、清浄用シートの局所的な動きは被清浄体へ接触し離れるだけの態様である。
他の1つは、清浄用シートによって除去対象物を擦り取る場合の態様であって、図5に示すように、押付け力の作用点を被清浄体Sに対して移動させながら、清浄用シートも被清浄体に対して擦れるように移動させる態様である。この態様は、清浄用シートの相対的な送り方によって、さらに種々の動作へと分かれる。清浄用シートによって除去対象物を擦り取る作用を高めながら、常に新しい清浄用シートを供給するという点からは、図5に示すように、押付け力の作用点の進行方向に向って清浄用シートを送る態様が好ましい。
クッション用部材は、清浄用シートの背後に位置していればよく、清浄用シートとは別の部材であっても、清浄用シート自体の背面にクッション層として一体的に形成されていてもよい。前者の態様としては、例えば、図1に示すように、転がるタイプの押付け部材として構成されたローラーPの表層Mとして設けられる態様や、図2に示すように、スキージなどの押付け部材の少なくとも先端部分Mとして設けられる態様が挙げられる。また、清浄用シート、クッション用部材、押付け部材を、全て独立した部材としてもよい。クッション用部材が清浄用シート自体の背面にクッション層として一体的に形成された態様は、本発明による清浄用シートとして後述する。
クッション用部材の材料は、上記発明の効果が得られるように柔軟性と弾性とを有するものであればよい。具体的には、圧縮硬さ0.1N/cm2 〜15N/cm2 の材料が、柔軟性と弾性とを有する材料として好ましく用いられる。より好ましい圧縮硬さは、0.3N/cm2 〜10N/cm2 である。
前記圧縮硬さが0.1N/cm2 未満であると、押付け力が清浄用シートへ十分に伝わらなくなり、清浄用シートが被清浄体に十分に押付けられず、十分な清浄ができなくなる。一方、前記圧縮硬さが15N/cm2 を超えると、柔軟性と弾性とが失われて剛性が高まり、本発明の作用効果が十分に得られなくなる。
前記圧縮硬さは、JIS K6767に準拠して測定を行なうものとする。概要は次のとおりである。
〔試験片〕
上下面が平行(厚さ25mm)であり、外形W×L=50mm×50mmに裁断したシート状物(直方体)とする。素材が薄いシートである場合は、必要枚数だけ重ねて、総厚25mmとする。
〔試験装置〕
圧縮試験機:図8に示すように、試験片を挟み込むための2枚の平行な平面板を持ち、一方の平面板(図では上側の版)が試験片面に垂直な方向に移動し、その時の変位量と荷重を測定し得るよう構成された装置である。
〔試験方法〕
試験片を中央にセットし、10mm/minの速度で、初期の厚さ(無加圧状態の厚さ)の25%だけ圧縮して停止し、その状態で20秒保持した後の荷重Pを測定する。
圧縮硬さH〔N/cm2 〕は、次式によって算出する。
H=P/(W×L)
上記のような圧縮硬さを有するクッション用部材のための材料(素材)は、特に限定はされないが、本発明の作用効果をより十分に得ることができる好ましいものとして発泡体が挙げられ、例えば、ポリオレフィン系の材料に発泡剤を混合したものを成形加熱して得られる発泡体などが好ましいものとして挙げられる。
特開2003−160685号公報には「シール用ゴム発泡体」が記載されており、その発泡体は、文字通りシール用であるが、本発明のクッション用部材として好ましく転用することができる。
前記公報記載の「シール用ゴム発泡体」は、ムーニー粘度が10〜40であるEPDM100重量部に対して、無機フィラー60〜90重量部、軟化剤20〜60重量部を含有し、発泡倍率が10〜30倍、体積弾性率が0.5×10〜1.0×10N/mとなっている。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するための材料をここで挙げておく。
該EPDMは、エチレン、プロピレンおよびジエン類の共重合によって得られるゴムであり、エチレン−プロピレン共重合体に、さらにジエン類を共重合させて不飽和結合を導入することにより、加硫剤による加硫を可能としている。
ジエン類としては、特に限定されないが、例えば、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが用いられ、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネンが用いられる。5−エチリデン−2−ノルボルネンを用いれば、加硫速度が速いため、ジエン類の含有量を少なくでき、加硫発泡のバランスの調整の容易化を図ることができる。
また、該EPDMは、そのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が、10〜40、好ましくは、20〜40のものが用いられる。ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)がこれより低いと、後述する混和物が柔らかくなり過ぎて発泡安定性に欠け、一方、これより高いと、得られるゴム発泡体が硬くなり過ぎて反発力が高くなる。そのため、このような範囲のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)のEPDMを用いることで、安定した発泡を実現しつつ、ゴム発泡体の低反発性を確保することができる。
該EPDMは、種々の種類のものから、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するための無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸およびその塩類、クレー、タルク、雲母粉、ベントナイト、シリカ、アルミナ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などが用いられる。これら無機フィラーは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。好ましくは、炭酸カルシウムおよび/または水酸化アルミニウムが用いられる。補強性能の乏しい炭酸カルシウムを用いれば、弾性率を低くすることができ、また、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムを併用することで、弾性率が低くなりすぎることを抑制し、適度な弾性率を得ることができる。
該無機フィラーは、その平均粒子径が、1〜50μm、さらには、5〜30μmであることが好ましい。
また、該無機フィラーは、EPDM100重量部に対して、60〜90重量部、好ましくは、65〜85重量部、さらに好ましくは、70〜80重量部の割合で用いられる。無機フィラーの配合割合が、これより少ないと、得られるゴム発泡体の反発力が低くなり過ぎ、一方、これより多いと、得られるゴム発泡体の反発力が高くなり過ぎる。そのため、無機フィラーをこのような配合割合で用いることにより、良好な低反発性を実現し得るゴム発泡体を得ることができる。
なお、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムを併用する場合には、EPDM100重量部に対して、炭酸カルシウムが、45〜75重量部、さらには、50〜70重量部、水酸化アルミニウムが、15〜45重量部、さらには、20〜40重量部であることが好ましい。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するための軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、乾性油類や動植物油類(例えば、パラフィン類(パラフィン系オイルなど)、ワックス類、ナフテン類、アロマ類、アスファルト類、アマニ油など)、石油系オイル類、低分子量ポリマー類、有機酸エステル類(例えば、フタル酸エステル、リン酸エステル、高級脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸エステルなど)、増粘付与剤などが用いられる。これら軟化剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。好ましくは、パラフィン系プロセスオイルが用いられる。パラフィン系プロセスオイルを用いれば、得られるゴム発泡体に、優れた耐熱性および耐候性を付与することができる。
該軟化剤は、EPDM100重量部に対して、20〜60重量部、好ましくは、30〜50重量部、さらに好ましくは、40〜50重量部の割合で用いられる。軟化剤をこのような配合割合で用いることにより、加工性の向上を図ることができ、柔軟なゴム発泡体を得ることができる。
上記「シール用ゴム発泡体」は、これらEPDM、無機フィラーおよび軟化剤とともに、加硫剤、発泡剤を配合して、加硫発泡することによって得ることができる。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するための加硫剤としては、特に制限されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、有機過酸化物類、ポリアミン類、オキシム類(例えば、p−キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシムなど)、ニトロソ化合物類(例えば、p−ジニトロソベンジンなど)、樹脂類(例えば、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物など)、アンモニウム塩類(例えば、安息香酸アンモニウムなど)などが用いられる。これら加硫剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、得られたゴム発泡体の加硫性に起因する耐久性などの物性などの観点から、好ましくは、硫黄や硫黄化合物類、さらに好ましくは、硫黄が用いられる。また、加硫剤の配合割合は、その種類によって加硫効率が異なるため、適宜選択すればよいが、例えば、硫黄や硫黄化合物類では、EPDM100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜3重量部である。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するための発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が用いられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが用いられる。また、有機系発泡剤としては、例えば、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)などが用いられる。
上記「シール用ゴム発泡体」を形成するために必要に応じて配合すべきその他の材料(加硫促進剤、補強材、安定剤、滑剤等)については、該公報を参照すればよい。
本発明におけるクッション用部材の、押付け方向についての厚さ(例えば、ローラーの表層として設ける場合にはその層厚)は、圧縮荷重によっても異なるが、0.5mm以上、特に、被清浄体の変形を十分に吸収するためには1mm以上とすることが好ましい。
該厚さの上限は、特に限定はされないが、100mm以下、実使用上のスペースや使用し易さなどを考慮すると50mm以下とすることが好ましい。
図1に示すように、押付け用部材Pをローラーの態様とし、その表層をクッション層Mとすることで、清浄用シートの送りはよりスムーズとなる。またローラーの態様は、図5に示すように、凹凸シートを用いる場合にも、該シートの送りを補助するので好ましい。
当該清浄方法に用いられる清浄用シートの態様に限定はなく、特許文献1〜3に示されたような、従来公知の清浄用シートを用いてよい。
ここで、本発明では、従来公知の清浄用シートのような粘着性などを利用したものではなく、シート表面の凹凸だけで除去対象物を擦り取るよう構成した新たな清浄用シートを提案する。
ここで提案する清浄用シートは、粘着性や吸水性を利用せず、図5に示すように、被清浄体に擦りつけることによってのみ除去対象物を除去するものであって、清浄用シートの少なくとも一方の面が、被清浄体に擦りつけられるべき対物面とされ、該対物面が凹凸面となっているものである。以下、この清浄用シートを「凹凸シート」とも呼ぶ。該凹凸シートは、除去対象物に含まれる溶剤の種類に関係なくクリーニングが可能であるという利点を有する。
凹凸シートの構造の概要を以下に説明する。説明においては、凹凸シートを、土台のシート部(「ベースシート部」と呼ぶ)と、その上面に設けられた凸部とからなるように説明する場合があるが、これは各部の形状や寸法を平易に説明するためであって、形成プロセスを限定するものではない。凹凸シートは、もとのシート面に凹部が設けられ、その残部が相対的に凸部となっていると解釈してもよい。「シート」は、「フィルム」を含む広い概念である。
図3に示すように、凹凸シートは、該シートの基板層であるベースシート部B上に凸部1aが一体的に形成された凹凸基板の態様である。ベースシート部Bや凸部1aは異種ポリマー層の積層体であってもよい。このような構成のシートを、図5に示すように、スクリーン印刷版Sの版面S1に擦りつければ、裏回りペースト201だけを凸部1aで掻き取り除去することができる。凸部1aで取られたペーストは202で示すように凹部1bに溜まる。
凹凸シートを構成する材料などは、対物面が凹凸面となるように加工できるものであれば特に限定されるものではなく、被清浄体の種類に応じて、有機系材料や無機系材料の中から適宜選択して使用することができる。
凹凸シートは、その両面のうち少なくとも一方の面が被清浄体に擦りつけられるべき対物面(図の例ではシートの上面)とされ、該対物面が、凸部1aと凹部1bとによって構成される凹凸面となっていればよい。凹凸シートは、シートの片面だけを対物面とする態様が汎用的であるが、用途に応じては、両面を対物面としてもよい。
凹凸シートの好ましい使用状態は、図5に示すように、押付け用部材(特に、ローラーの形態が好ましい)Pを用いて大きく湾曲させながらピーク部分を被清浄体の表面に擦りつけるという状態である。よって、凹凸シートを構成する材料は、適度な可撓性と機械的強度とを有するものが好ましく、ポリマー材料が特に好ましいものとして挙げられる。該ポリマー材料は、スクリーン印刷版等の被清浄体に損傷を与えないような適度な硬さと、凸部が該版面に接触する際に適当に変形しながら版面に隙間なく密着し得るような適度な弾性とを有するものが好ましい。そのようなポリマー材料としては、各種プラスチックであれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、セロハンなどが例示され、これらを単独で、もしくは2種以上を混合するなどして用いることができる。これらの中でも特に生産性やコスト、凹凸面の加工性等を考慮すれば、ポリエチレンをはじめとする各種のポリオレフィン系樹脂が好ましい材料である。当該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体など)やポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)や、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。なお、これらの樹脂中に顔料や充填材酸化防止剤、滑剤など公知の添加剤が含まれていてもよい。
また、凹凸シートの構成としては、全体が単一材料からなる単層構造、互いに異なる材料層によって構成された多層(積層)構造のどちらでもよい。
凹凸シートの凹凸面を見たときの凹凸が描くパターンは特に限定されず、フラットなベースシート部上に単発的・稜線状的な凸部がランダムにまたは規則的に配置されたように見える凹凸パターンや、凹凸シートの全厚さを持った平坦なシートの主面に単発的・稜線状的な未貫通凹部がランダムまたは規則的に配置されたように見える凹凸パターン等が例示される。
これらは、種々の凹凸パターンのバリエーションであって、単発的な凹部のように見える凹凸パターンは、稜線状の凸部が網目状に交差したパターンと解してもよく、逆に、単発的な凸部のように見える凹凸パターンは、溝状の凹部が網目状にに交差したパターンと解してもよい。
凸部の態様は、ドット状の単発的な突起であるよりも、長く連なる稜線状(山脈状)を呈する突起であってその高さが一定であることが好ましく、それによって、該稜線状の凸部はワイパーのブレードとして作用し、除去対象物を跡を残さず掻き取ることができる。
従って凸部を稜線状とする場合、凹凸シートを被清浄体の表面に擦りつけながら進めるときの方向は、その凸部の稜線の長手方向に対して角度をなす方向とすべきである。
凹凸シートが帯状のテープなどであってその使用方向が該テープの外形に対して決まっているならば、稜線状の凸部の長手方向は、その進行方向(図4ではテープの長手方向)に対して、図4(a)に示すように直角をなす方向、または図4(b)に示すように直角以外の角度θ1(0°<θ1<180°)をなす方向とすべきである。
直角以外の角度θ1をなす態様では、凹部の幅を広くしても、クリーニング時に凹部の底面が被清浄体に接触し難くなるため、該凹部底面の接触による除去性の低下が軽減されるので好ましい。
この場合、角度θ1を鋭角側で規定するとして、30°≦θ1≦90°、特に45°≦θ1≦90°が望ましい範囲である。
凹凸シートの凹凸面を見たときの凹凸が描くパターンに限定はなく、例えば、ストライプ状の凹凸パターン、網目状の凹凸パターン、任意の曲線、折れ線がベースシート部の主面上に規則的にまたは不規則に分散配置された凹凸パターンなどが挙げられる。
凸部が稜線状である場合、その凸部の形状、とりわけ凸部の稜線の長手方向に垂直に切断したときの断面形状(以下、単に「断面形状」という)は、凸部が被清浄体に接したときのエッジの効果や撓み具合などに影響し、ひいては、除去対象物の除去性に大きく影響する。
凸部の断面形状は、除去すべき除去対処物の粘度や凹凸シートを構成する材料の機械的特性に応じて適宜決定してよく、例えば、矩形波状、ノコギリ歯状、三角波状、半円状、半楕円形状などが、好ましい断面形状として挙げられる。
矩形波状は、凸部の肩のエッジが等しいために、凹凸シートを同図の左右どちらの方向に進行させてもよい。また、凸部の幅が、頂部から基部までほぼ等しいために、凸部の剛性は比較的高くなり、撓みの少ない強いブレードとなる。これに対して、三角波状は、矩形波状に比べて凸部の先端部分が撓み易く、その分だけ、版面の凹凸に追従しやすいという特徴もある。また、凸部を三角波状とすれば、斜面の分だけ凹部の容積が増大するという利点もある。
図3に示すような矩形波状の断面を持つ稜線状の凸部の幅w1は、10μm〜2000μm程度が好ましい範囲である。凸部の高さh2にもよるが、幅w1がこれより狭くなると、撓みなどの変形が大きくなり、ブレードとして機能し難くなる。一方、凸部の幅を前記範囲より広くしても、矩形波状の凸部の上面は除去対象物の除去や保持に寄与しないため、無駄である。
凸部の幅w1のより好ましい範囲は、評価方法や用途によっても異なるが、15μm〜1000μmであり、特に20μm〜500μm、なかでも25μm〜50μmがPDPの蛍光体ペーストの除去には有効である。
凸部の高さ(図3のh2)は、凸部の変形の度合いに影響するだけでなく、凹部の深さとして除去対象物を溜める際の容量にも影響するので、凹凸シートを用いる際の送り量を考慮して決定することが好ましい。
凸部の好ましい高さは、該凸部の断面形状によっても異なるが、断面形状が矩形波状の場合、10μm〜1000μm程度が好ましい。評価方法や用途によっても異なるが、凸部の高さのより好ましい範囲は10μm〜800μmであり、特に13μm〜500μmがPDPの蛍光体ペーストの除去には有効でありかつ無駄が無く、そのなかでも特に15μm〜50μmが好ましい範囲である。
また、シートの全厚さに対する凸部高さの好ましい割合としては、該凸部の断面形状、シートの用途、シートの清浄性の評価方法などによっても異なるが、10〜90%が好ましく、10〜85%がより好ましく、特に13〜80%がPDPの蛍光体ペーストの除去には有効でありかつ無駄が無く、そのなかでも特に15%〜50%が好ましい範囲である。
凹部の幅(図3のw2)は、凸部の高さh2と共に、除去対象物を溜める際の容量に影響する。
凹部の好ましい幅は、該凹部の断面形状によっても異なるが、凹凸の断面形状が矩形波状の場合、10μm〜3000μm程度が好ましい範囲である。凸部の高さ(凹部の深さ)にもよるが、凹部幅がこれより狭くなると、掻き取った除去対象物を保持するスペースが小さくなり過ぎて、除去しようとする除去対象物の量を下回り、完全に除去できなくなる。一方、凹部幅を前記範囲より広くすると、凸部の密度が粗になり過ぎて除去対象物の除去性が低下する。
凹部の幅w2のより好ましい範囲は、該凹部の断面形状、シートの用途、シートの清浄性の評価方法などによっても異なるが、5μm〜3000μmであり、特に10μm〜2000μmがPDPの蛍光体ペーストの除去には有効でありかつ無駄が無く、そのなかでも特に15μm〜150μmが好ましい範囲である。
凹凸の断面形状は適宜デザインしてよいが、断面形状が異なると凹部の容量も異なるので、それぞれの場合に応じて凹凸の各部寸法を適宜変更すればよい。
上記において、凸部の幅の好ましい範囲、凹部の幅の好ましい範囲を、それぞれ別々に示したが、実際のシートの除去性能を向上させるには、凹凸1ピッチにおける両者の比率(または一方の占有率)や、凸部幅と凹部幅の特定の寸法の組合わせも重要である。
凹凸1ピッチの幅に占める凸部幅の割合は、2%〜90%程度、PDPの蛍光体ペーストを除去対象とする場合には5%〜85%がより好ましい範囲である。
また、PDPの蛍光体ペーストを除去対象とする場合の、凸部幅w1と凹部幅w2の好ましい組合わせの具体例としては、(w1=50μm、w2=150μm)、(w1=50μm、w2=100μm)、(w1=25μm、w2=75μm)、(w1=25μm、w2=50μm)などが挙げられる。これらの数値は、実施上の一例であって、凹凸シートの仕様を限定するものではない。
凹凸シートのベースシート部分の厚さ(図3のh1)は、ポリマー材料の強度等によって異なるが、20μm〜1000μm程度が好ましい範囲である。
凹凸シートの製造方法に限定はないが、例えば、押出方式やキャスティング方式などの樹脂成形法が挙げられる。より具体的には、溶融状態の樹脂を凹凸の彫刻を施した成型ロールなどに押し当てて、凹凸形状を転写する方法や、プラスチックフィルムを製膜後、凹凸形状を有するロールなどを押し当てて形成する方法などが例示され、目的とする凹凸部の形状に応じて適宜選択すればよい。
凹凸シートを用いて本発明による清浄方法を実施する場合の一例を、図5を用いて概略的に説明する。
スクリーン印刷版Sの表面(PDPの蛍光体層形成用基板に接する面)S1には、既に裏回りペースト201が堆積している。該表面S1に対して、凹凸シート1Aの対物面(凹凸面)が該凹凸シートの背後に押付け用部材として配置されたローラーPによって押し付けられている。図1と同様に、このローラーPの表層Mがクッション層となっている。
凹凸シート1Aは、細い矢印で示すように、図の左下方の巻出し装置(図示せず)から送り出され、ローラーPを越えて、右下方の巻取り装置(図示せず)へと進んでいく。ローラーPは、シートの送りを助けるために送りと同期して回転することが好ましいが、動力源を伴なった能動的な回転であっても、シートに従動するだけのプーリーとしての回転であってもよい。このローラーPは、シート1Aをスクリーン印刷版の版面に押し付けながら、自体は図の右側へと平行移動する。このように、背後からクッション層を介在させて凹凸シートを被清浄体に押し付け、その押し付け部分を移動させることによって、スクリーン印刷版Sの有害なたわみが抑制され、かつ、凹凸シート1Aの凹凸面は、裏回りしたペースト201をかき取りながら版面S1に接しながら右方へと進み、同時に、常に新しいシートが供給される状態となる。
次に、本発明による清浄用シートを説明する。
本発明の清浄用シートは、図6に構成を模式的に示すように、当該シートの両面のうちの一方の面は、従来公知の清浄用シートと同様に、被清浄体に押付けることで除去対象物を除去し得るように構成された対物面である。この対物面の構造は、特許文献1、2、4などに記載された従来公知の清浄用シートと同様、粘着面やポーラス面などであってもよく、また、上記した凹凸シートの凹凸面であってもよい。
図6(a)の例では、当該シートの基板層であるベースシート部(ベースシート層)Bに、粘着剤層1cが形成されており、(粘着剤層1c/ベースシート層B/クッション層m)の単純な3層となっているが、さらに多層の構造であってもよい。また逆に、図6(a)の例において、粘着剤層1cがベースシート層Bを兼用し、全体として2層となっていてもよい。
また、図6(b)の例では、ベースシート部Bの一方の面に凸部1a、凹部1bが設けれられて凹凸面となっており、上記凹凸シートと同じ構造を有している。このベースシート部Bの他方の面である背面の側に、ベースシート部Bとは別に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション層mが一体的に設けられている。
クッション層の材料は発泡体が好ましいが、好ましい材料、好ましい弾性率、好ましい硬度は、上記本発明の清浄方法で説明したクッション用部材を参照すればよい。
クッション層の層厚は、0.5mm〜100mm、特に1mm〜50mmが好ましい。
当該清浄用シートの製造方法は、上記した凹凸シートや従来公知の清浄用シートの背面に、別途形成したクッション層を接着剤や両面接着テープなどによって接合してもよいし、両者を一体的に成形してもよい。一例を挙げると、凹凸シートの押出し直後、樹脂が半溶融状態にあるときに、別途形成した発泡体を貼り合わせて当該清浄用シートを得るなどの製造方法が挙げられる。
実施例1
本発明による清浄方法の効果を確かめる実験として、清浄用シートの背面にクッション用部材を介して押付け力を作用させ、清浄実験を行って、除去対象物の除去性、除去に要するシートの消費量を評価した。
本実施例では、清浄用シートとして、図3と図4(a)とに示した凹凸シートを用い、クッション用部材としてEPDM系の発泡体を用いた。
(凹凸シート)
密度0.92g/cm3 のポリエチレン樹脂を用い、190℃においてT型ダイスによる押出し成型を行い、厚さ150μmの溶融シートを得、該溶融シートを凹凸絞りロールで押圧しシート面に凹凸を形成した後、冷却固化して、矩形波状の凹凸断面を備えた清浄用シートを得た。
凹凸のパターンは、図3、図4(a)に示すとおり、凹溝と凸稜とが交互に配置されたストライプ状であって、その凹溝、凸稜の延びる方向は、ウエブの幅方向(長手方向に垂直な方向)である。
凹凸の寸法仕様は、凹部、凸部のそれぞれの幅(ウエブの長手方向の寸法)が140μm(凹部)と60μm(凸部)であり、凸部の高さが20μmである。
(クッション用部材)
クッション用部材には、発泡体であるエプトシーラー(登録商標)No.6800(日東電工株式会社製)を用いた。この発泡体は、主ポリマーであるEPDMに、充填剤、有機系発泡剤等を混合し、成型加熱によって発泡させて形成されたものであり、厚さ5mm、比重0.12、圧縮硬さ(25%)2.0N/cm2 である。
本発明による清浄方法の効果を確かめるために、被清浄体として実際のスクリーン印刷版を用いた。このスクリーン印刷版は、図7(a)に外観を示すように、PDPの蛍光体層を形成するための部材を実験に転用したものである。
またさらに、実際のスクリーン印刷装置内での清浄用シートの使用状態をできるだけ再現するために、図7(b)に示す清浄実験装置を製作した。
実際のスクリーン印刷装置内では、スクリーン印刷の合間に、側方に引き込んでいた清浄装置が版面領域まで移動して、裏回りペーストを自動的に拭き取る構成となっている。 図7(b)に示す清浄実験装置は、前記のような実機での清浄動作を再現しながら、加圧条件、当該シートの巻取り速度、全体の進行速度などを変更し、好ましい仕様や清浄条件を調べ得るものとなっている。
先ず、前記のスクリーン印刷版、清浄実験装置の仕様、実験条件を説明する。
(スクリーン印刷版の仕様)
図7(a)は、本実施例で被清浄体として用いたスクリーン印刷版の版面を見た図である。各部の寸法、材料、構造など主要な仕様は次のとおりである。
スクリーン印刷版の開口部の幅a:0.075mm
開口部のピッチ(周期)b:1.075mm
開口部の全パターン領域幅c:160mm(開口部の長手方向の寸法160mm)
フレーム(正方形)の内側の一辺の寸法d:280mm
フレーム(正方形)の外側の一辺の寸法e:320mm
フィルム部の素材:ジアゾ系感光乳剤
紗(網部)の素材と線径:ステンレス、20μm
バイアス:22.5度
テンション:0.85mm(テンションゲージSTG75で測定)
フィルム生地の厚さ:約52μm(紗の厚さ約42μm、乳剤の厚さ約10μm)
清浄方向は、図7(a)に矢印で示したとおり開口部の長手方向に沿った方向である。
(清浄実験装置の全体的な構成)
図7(b)は、清浄実験装置の主要部の構成を示した図である。当該実験装置は、装置全体を支持する架台上に構築されているが、内部の構造を見せるために、該架台は太い一点鎖線で示唆するだけで図示を省略している。
同図に示すように、架台の上面には開口が設けられ、該開口にスクリーン印刷版を版面を下に向けてセットし、該版面を架台内部の清浄機構によって清浄し得る構成となっている。スクリーン印刷版の着脱に係る構造は図示を省略している。
架台内部には、清浄機構U1が、水平方向(図の左右に方向)にスライド移動し得るよう、スライド機構U2上に構築されており、清浄用シートの対物面をスクリーン印刷版の版面に押付けた状態で、該シートを前方(図の右に向う方向)へ送りながら、かつ、清浄機構U1自体も前方へ移動し、図5の使用状態を達成し得る構成となっている。
(スライド機構)
スライド機構U2は、架台に取付けられる固定部U21と、清浄機構に取付けられる可動部U22とによって構成されたユニットである。スライド機構自体は種々のタイプのものを用いてよいが、本実施例では、シャフト(固定部)と直線移動型のスライドベアリング(可動部)とを組み合わせた市販のものを用いた。
清浄機構U1を直線移動(前進、後退)させるための駆動源には、電動機(図示せず)を用い、清浄機構U1の停止、発進、一定速度での移動を自在にコントロールし得る構成とした。
(清浄機構)
清浄機構U1には、清浄用シートAを送るシートフィード機構が設けられており、清浄用シートAを、巻出しロール(巻出しリールZ1)から、押付けローラーRxを越えて、巻取りロール(巻取りリールZ2)へと送る構成となっている。
清浄用シートAの形態は、スクリーン印刷版の開口の配置領域の全幅160mmが含まれるよう幅160mmのウェブ状とした。
また、押付けローラーRxの幅(ローラーの両端面間の距離)は、清浄用シートAの幅を考慮し200mmである。
押付けローラーRxは、(材料)アルミニウムからなる半径12.5mmの芯ローラーの胴体周囲に、上記した厚さ5mmのクッション用部材を1周巻き付けて接着したものであり、これによってトータルのローラー半径は17.5mmとなっている。
シート送りの駆動源は、巻取りリールZ2の中心シャフトに変速機を介して連結された電動機である。該電動機の回転数を変速機で調節することによって、シート送り速度を任意に変えることが可能な構成となっている。
押付けローラーRx、および、巻出しリールZ1は、駆動力を持たないアイドル回転ローラである。
押付けローラーRxは、アームYの一方の端部に取り付けられており、該アームYは、水平回転軸Qを中心としてテコまたは天秤のように回転し得る構成となっており、該アームYの他方の端部には押し付け荷重調整用の重り(おもり)Gが取り付けられている。この構成によって、アーム端部の押付けローラーRxは、他端の重りの重さと位置に応じた押し付け力を清浄用シートAに作用させることが可能になっている。
重りGは、複数種類の重さのものを用意し、かつ、アームにセットする位置(アームの中心軸からの中心距離)を微調整し得る構成とした。押付けローラーRxが清浄用シートAに加える荷重は、該ローラーRxの押付け点においてプッシュプルゲージで直接測定し、重りの総重量と位置とによって調整する方式とした。設定可能な押付け荷重の範囲は、0〜3.0kgであり、実験では2.6kgに設定した。
清浄用シートの送り速度(リールZ1からの送り出し量)を25mm/秒とし、加えて、清浄機構U1全体の移動速度を50mm/秒とした(押付けローラーRxの頂点部分では、清浄用シートはスクリーン印刷版に対して75mm/秒の相対速度で擦りつけられることになる)。
清浄用シートの送り量の設定、清浄機構全体の移動速度の設定は、スクリーン印刷版のクリーニング領域の長さ(160mm)に対する、清浄用シートの消費長さ(シート消費量)を40%(64mm)となるように用いる場合を想定した設定である。
例えば、清浄用シートの送り量をより増大させると、同じクリーニング領域に対して清浄用シートをより多量に消費することになり、個々の凹部に溜まるペースト量も減少するため凹部の好ましい値も異なってくる。どの程度の消費量を想定して凹凸を最適化するかは、特に限定はされないが、いずれの消費量であっても、本実験装置を用いて逐一確認し決定すればよい。シート消費量10%〜70%程度、特に本実施例で想定したシート消費量40%程度は、実使用上、経済的であり、かつ、実際の凹凸の範囲を決定する上でも適当である。
(清浄実験)
スクリーン印刷版の版面にペーストが裏回りした状態を再現するために、蛍光体ペーストをスキージによって版面側に塗布した。塗布領域(=クリーニング領域)は、幅160mm、長さ(清浄用シートが進む方向の寸法)160mmの正方形の領域とした。
清浄用シートの消費量は、クリーニング領域160mmに対して40%の消費量となるように送り量を調節した。
スクリーン印刷版面にペーストが残っているかどうかを、デジタルマイクロスコープにて確認し、判定した。
ペースト除去性は、裏回りしたペーストを70%以上除去できていれば「○」、裏回りしたペーストを40%以上、70%未満の範囲で除去できていれば「△」、裏回りしたペーストの除去が40%未満であれば「×」とした。
また、除去性の良否と、消費量の大小の判定が、共に良好であれば○、どちらか一方でも良好でなければ△として、これを総合評価とした。
この結果を下記表1に示す。
実施例2
実施例1で用いた押付けローラー(表層にクッション用部材が巻き付けられたもの)の代わりに、図2に示すように、先端部分に厚さ10mmの発泡体を備えたスキージを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にて清浄実験を行い、同様の評価方法にてペースト除去性を調べた。
スキージ先端部の発泡体は、実施例1においてクッション用部材として用いた発泡体と同じ素材である。
評価結果を下記表1に示す。
比較例1
実施例1で用いた押付けローラーの代わりに、表層にクッション用部材が無く全体が金属で形成された押付けローラー(半径17.5mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にて清浄実験を行い、ペースト除去性を調べた。
評価結果を下記表1に示す。
比較例2
本比較例では、図11に示すように、粘着シートを順次貼り付けては剥がしていく清浄実験を行なった。この実験では、擦る動作を行なわないため、粘着シート専用の清浄装置を製作した。
粘着シートは、厚さ0.10mmのポリエチレンフィルム(基材)の片面に、アクリル系粘着剤〔プチルアクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸(重量比:90/10/2)の共重合体〕100重量部に、イソシアネート系架橋剤15重量部を加えたものを、乾燥後の厚さが13μmとなるように塗布、乾燥させて、粘着シートとしたものである。
粘着シート全体の形態は、実施例1で用いた凹凸シートと同様、幅160mmのウェブ状の長尺シートである。
粘着シート専用の清浄装置は、図11に示すように、粘着シートを押付けるためのローラーを半径17.5mmの金属製とし、100mm/秒の速さでスクリーン印刷版面に沿って移動する構成とした。ローラーは粘着シートに沿って回転するだけのプーリーであって、自体に粘着シートを送る駆動力は無い。
粘着シートの消費は、塗布領域全面に貼り付けて剥がすのと同様であるから、消費量は100%である。
ペースト除去性の評価方法は、実施例1と同様である。
実施例3
本実施例では、実施例1で用いた清浄実験装置の押付けローラーの表層のクッション用部材(厚さ5mm)と同じものを、実施例1で用いたものと同じ凹凸シートの背面に貼り合わせ、図6(b)に示す本発明の清浄用シートを製作した。
また、清浄実験装置としては、実施例1で用いた清浄実験装置の押付けローラーから、表層のクッション用部材を除去し、本発明の清浄用シート用の清浄実験装置として改造したものを用いた。
前記の清浄用シートおよび改造した清浄実験装置を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にて清浄実験を行い、ペースト除去性を調べた。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2008080243
上記表1から明らかなとおり、実施例1、2における本発明の清浄方法による清浄、および、実施例3における本発明の清浄シートによる清浄では、清浄した面にむらが無く、また、40%のシート消費量で十分に良好な清浄状態が達成されていた。
しかし、比較例1における従来の清浄方法による清浄では、シート消費量は40%であったが、ローラー中央部にペーストが残っており、総合的な評価として良好とは言えないことがわかった。
また、比較例2における粘着シートによる清浄では、粘着タイプであるがためにシート消費量が清浄面積と同面積となって不経済であり、総合的な評価として良好とは言えないことがわかった。
本発明の清浄方法、清浄用シートは、被清浄体に付着したペーストやインキ等の各種の除去対象物を清浄(除去)する用途に利用され、特に、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)に代表される各種のフラットパネルディスプレイに組み込まれる蛍光体層の製造などにおいて、スクリーン印刷版の対物面に裏回りしたペーストを拭き取るための清浄用シートとして好適に利用できる。
本発明によって、スクリーン印刷版の版面に裏回りしたペーストを、むら無く、かつ、少ない消費量で除去することが可能であることがわかった。
本発明の清浄方法を説明するための模式図である。 本発明の清浄方法の他の態様を説明するための模式図である。 本発明において好ましい清浄用シートとして提案する凹凸シートの構成を示した図である。 本発明において提案する凹凸シートの態様を示した図である。 凹凸シートを用いた清浄方法の一例を示す図である。 本発明の清浄用シートの構成を例示する模式図である。 本発明による清浄方法の効果を確かめるために製作した実験装置の構成を示す図である。図7(a)は、被清浄体として用いたスクリーン印刷版の版面を見た図である。また、図7(b)は、清浄実験装置の主要部の構成を示した図である。 クッション用部材の圧縮硬さの測定方法を説明する模式図である。 従来のPDPの蛍光体層の製造過程における蛍光体の配置構造およびその製造方法を模式的に示す断面図である。各蛍光体R、G、Bは、紙面に垂直に延びる溝内に配置される。 PDPの蛍光体層の製造に用いられるスクリーン印刷版の版面を部分的に示した模式図である。 粘着シートを用いた従来の清浄装置の構成を示す図である。 従来のように単に片側から清浄用シートを押付けた場合の、除去性のムラとその原因を説明する図である。
符号の説明
1 清浄用シート
201 除去対象物
S 被清浄体
S1 被清浄体の第一の面
P 押付け用部材
M クッション用部材

Claims (13)

  1. 被清浄体の表面に付着した除去対象物を、該面に清浄用シートを押付けて除去する方法であって、
    清浄用シートを被清浄体の表面に押付けるに際し、該清浄用シートの背後から、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション用部材を介して力を加えることによって該清浄用シートを該被清浄体の表面に局所的に押付けながら、該清浄用シートの押付け部分を被清浄体に対して移動させ、除去対象物を該清浄用シートに移し取ることを特徴とする、清浄方法。
  2. クッション用部材が、
    (イ)清浄用シートの背後から押付け得るよう構成されたローラーの少なくとも表層として設けられているか、または、
    (ロ)清浄用シートの背後から押付け得るよう構成されたスキージの少なくとも先端部分として設けられているか、または、
    (ハ)清浄用シートの背面の側にクッション層として該清浄用シートと一体的に設けられている、
    請求項1記載の清浄方法。
  3. クッション用部材の材料の圧縮硬さが、0.1N/cm2 〜15N/cm2 である、請求項1または2記載の清浄方法。
  4. クッション用部材の押付け方向についての厚さが0.5mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の清浄方法。
  5. クッション用部材の材料が、発泡体である、請求項1〜4のいずれかに記載の清浄方法。
  6. 清浄用シートが、被清浄体に擦りつけることによって除去対象物を除去するよう形成されたものであって、該清浄用シートの少なくとも一方の面が、被清浄体に擦りつけられるべき対物面とされ、該対物面が凹凸面となっている、請求項1〜5のいずれかに記載の清浄方法。
  7. 被清浄体が、プラズマ・ディスプレイ・パネルの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷版である、請求項1〜6のいずれかに記載の清浄方法。
  8. 被清浄体に押付けて除去対象物を除去するための清浄用シートであって、
    当該シートの両面のうちの一方の面は、被清浄体に押付けることで除去対象物を除去し得るように構成された対物面であり、
    他方の面である背面の側には、当該シートの基板層であるベースシート部とは別に、柔軟性と弾性とを有する材料からなるクッション層が設けられていることを特徴とする、清浄用シート。
  9. クッション層の材料の圧縮硬さが、0.1N/cm2 〜15N/cm2 である、請求項8記載の清浄用シート。
  10. クッション層の厚さが0.5mm〜100mmである、請求項8または9記載の清浄用シート。
  11. クッション層の材料が、発泡体である、請求項8〜10のいずれかに記載の清浄用シート。
  12. 対物面が、被清浄体に擦りつけることによって除去対象物を除去し得るように、凹凸面となっている、請求項8〜11のいずれかに記載の清浄用シート。
  13. 被清浄体が、プラズマ・ディスプレイ・パネルの蛍光体層を形成するためのスクリーン印刷版である、請求項8〜12のいずれかに記載の清浄用シート。
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