JP2008078634A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の製造工程において、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減・簡略化する製造技術を提供し、スループットを向上させる。
【解決手段】導電層、半導体層等の被加工層をパターン形成するためのエッチングマスクを、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術を用いることなく作製する。エッチングマスクは、レーザビームを吸収する材料からなる光吸収層からなる。光吸収層に、フォトマスクを介して、レーザビームを照射し、光吸収層に吸収されたレーザビームのエネルギーによるレーザアブレーションを利用して、マスクを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置の作製方法に関する。特に、導電層、半導体層等のパターンを形成する方法に関する。
従来、MOSトランジスタや薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)及びそれらを有する半導体装置は、基板上に絶縁層及び導電層などの多数の薄膜を形成し、適宜リソグラフィー技術を用いて製造されている。リソグラフィー技術とは、フォトマスクと呼ばれる透明な平板面上に遮光性の材料で形成された回路等のパターンを、光を利用して目的とする対象物に転写する技術であり、半導体集積回路等の製造工程において、広く用いられている。
しかし、リソグラフィー技術を用いた製造工程では、フォトレジストと呼ばれる感光性樹脂を用いたレジスト塗布、パターン露光、現像、レジストをマスクとしたエッチング、レジスト除去といった多段階の工程が必要になる。従って、リソグラフィー工程の回数が増える程、スループットが低下してしまう。
例えば、本出願人は、特許文献1に記載のフォトレジストを用いることなく線状のパターンを加工する技術を提案している。特許文献1には、透明導電膜(ITO)にエキシマレーザを線状に照射して、線状開溝を形成して、パターンを形成する技術が記載されている。
また、特許文献2には、脂肪族ポリエステルを含有するレジストを用い、選択的に紫外線を露光して紫外線照射領域のレジストを除去することで現像液による現像工程を不要に して、リソグラフィー工程を簡略化する技術が記載されている。
特開昭63−84789号公報 特開2005−099500号公報
本発明は、半導体装置の製造工程において、リソグラフィー工程の回数を削減し、スループットを向上することを課題とする。
また、本発明は、半導体装置の製造工程において、大面積基板にも適用できるパターン形成技術を提供することを課題とする。
本発明は、半導体層、配線層、電極層等の層をパターン形成するためのマスクを、フォトレジストを用いることなく、レーザアブレーションを利用して形成することを特徴とする。本発明のように、レーザアブレーションを利用して、パターンを形成するプロセスをレーザ・アブレーション・パターニング・プロセス(LAPP;Laser Ablation Patterning Process)ともいう。まず、被加工層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介したレーザビームの照射によって、光吸収層からなるマスクを形成する。当該マスクをエッチングマスクとして用い、被加工層をエッチングして、所望のパターン形状を有する層を形成する。フォトマスクを介してレーザビームを照射することで、大面積でも一度に選択的に照射することができる。したがって、大面積を一度に加工するためのマスクを形成することが可能である。
光吸収層は、レーザビームを吸収する材料を用いて形成する。被加工層上に形成された光吸収層側からレーザビームを照射することで、当該レーザビームが光吸収層で吸収される。光吸収層は、吸収したレーザビームのエネルギーによって加熱され、照射領域において破壊され、除去される。このように、レーザビームのエネルギーにより、照射領域が除去される現象をレーザアブレーションという。
レーザビームは、フォトマスクを介して照射される。フォトマスクは、レーザビームを透過する領域と、遮光する領域とで、所望のパターンが形成されている。本発明は、フォトマスクを介してレーザビームを照射するため、フォトマスクの透過領域を通過したレーザビームが、光吸収層で吸収される。したがって、フォトマスクに形成されたパターンに対応して、光吸収層がレーザアブレーションされ、除去される。
次に、残存した光吸収層をマスクとして、被加工層をエッチングする。被加工層は、マスクとして用いた光吸収層に対応して残存する。したがって、被加工層は、フォトマスクに対応したパターンが形成される。被加工層を所望の形状に加工した後は、マスクとして用いた光吸収層は必要に応じて除去すればよい。
被加工層は、導電材料又は半導体材料を用いて形成する。レーザアブレーションを利用することにより、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程を用いることなく、導電層又は半導体層を形成することができる。
本発明の一は、被加工層を形成し、被加工層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介して光吸収層にレーザビームを照射して、当該光吸収層の照射領域を除去し、残存した光吸収層をマスクとして被加工層をエッチングする。
本発明の一は、被加工層を形成し、被加工層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介して光吸収層にレーザビームを照射して、当該光吸収層の照射領域を除去し、残存した光吸収層をマスクとして被加工層をエッチングし、テーパ形状を有する層を形成する。
また、テーパ形状を有する層は、ウェットエッチング法、又はドライエッチング法及びウェットエッチングを組み合わせたエッチングにより形成する。
本発明の一は、被加工層を形成し、被加工層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介して光吸収層にレーザビームを照射して、当該光吸収層の照射領域を除去し、残存した光吸収層をマスクとして被加工層をエッチングし、垂直形状を有する層を形成する。
また、垂直形状を有する層は、ドライエッチング法を用いてエッチングすることにより形成する。
また、本発明の一は、導電材料又は半導体材料を用いて被加工層を形成する。
また、本発明の一は、レーザビームを吸収する材料を用いて光吸収層を形成する。
また、本発明の一は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて光吸収層を形成する。
また、本発明の一は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つの元素を用いて光吸収層を形成する。
また、本発明の一は、レーザビームを透過する領域と、レーザビームを遮光する領域とでパターンが形成されたフォトマスクを用いる。
本発明は、フォトマスクを介してレーザビームを照射することにより、光吸収層からなるマスクを作製することができる。当該マスクを用いることにより、半導体層、導電層等を所望の形状に加工することが可能になる。
本発明を適用することで、半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程を削減することができ、スループットを向上することができる。
また、本発明を適用することで、大面積基板上に配線、電極等として機能する導電層や、半導体層等のパターンを形成することが可能になり、スループットを向上することができる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細をさまざまに変更しうることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本発明は、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術を用いることなく、所望の形状を有する導電層、半導体層などの層を形成することを特徴とする。本発明を適用して加工する層を被加工層ともいう。本実施の形態においては、例えばトランジスタ等を構成する配線層、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層等の導電層、半導体層などを加工する。
本発明を適用した被加工層の作製方法の一形態について、図1、図2を用いて説明する。
まず、被加工層102、光吸収層104が順次積層形成された基板100を用意する。そして、フォトマスク108を介し、光吸収層104側からレーザビーム114を照射する(図1(A)参照)。
基板100は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、半導体基板等を用いる。なお、基板100上に下地絶縁層を形成することもできる。その場合、下地絶縁層は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の絶縁材料を用いて形成すればよい。
被加工層102は、目的に応じた材料を用いて形成する。例えば、被加工層102として、電極や配線として機能する導電層を形成したい場合は、導電材料を用いて形成する。導電材料としては、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)から選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いることができる。被加工層102は、これらの導電材料を用いて、スパッタリング法、CVD法等により、単層構造又は積層構造で形成することができる。
また、被加工層102として、チャネル等を形成する半導体層を形成したい場合は、半導体材料を用いて形成する。半導体材料としては、シリコン、シリコンゲルマニウム等を用いることができる。また、被加工層102は、非晶質半導体層を形成してもよいし、結晶性半導体層を形成してもよい。被加工層102は、これらの半導体材料を用い、スパッタリング法、CVD法等により、単層構造又は積層構造で形成することができる。
光吸収層104は、レーザビームを吸収することができる材料を用いて形成する。また、光吸収層104は、下層の被加工層102の融点の温度よりも、沸点又は昇華点の温度が低い材料を用いることが好ましい。例えば、光吸収層104は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて形成することができる。具体的には、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)のうちいずれかの元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物等の導電材料を用いることができる。当該元素を主成分とする化合物としては、窒素化合物、酸素化合物、炭素化合物、ハロゲン化合物などを用いることができ、例えば窒化アルミニウム、窒化タングステン、窒化タンタル等を用いることができる。その他、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、酸化インジウム、リン化インジウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、チタン酸ストロンチウム等の半導体材料を用いることができる。また、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料や、シロキサン、ポリシラザン等の絶縁材料を用いることができる。また、硫化亜鉛、窒化シリコン、硫化水銀、塩化アルミニウム等を用いることができる。光吸収層104は、上述したような材料を用いて、蒸着法、スパッタリング法、又はCVD法等により、単層構造又は積層構造で形成することができる。また、絶縁材料を用いて光吸収層104を形成する場合、塗布法により形成することができる。また、光吸収層104に、水素や不活性気体(ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)等の希ガス)を添加することもできる。光吸収層104に水素や不活性気体を添加することで、後にレーザビームを照射する際、光吸収層104内での気体の放出や光吸収層104の蒸発を起こしやすくすることができる。
フォトマスク108は、レーザビームを透過する領域(以下、透過領域ともいう)110と、レーザビームを遮光する領域(以下、遮光領域ともいう)112と、を有し、透過領域110と遮光領域112とで所望のパターンが形成されている。例えば、フォトマスク108は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料を用いて所望のパターンが形成されている。なお、遮光領域112を構成する材料は、遮光性が優れ、且つレーザビーム114のエネルギーに耐性のある材料を用いる必要がある。例えば、レーザビーム114にエキシマレーザを用いる場合、タングステン、モリブデン、アルミニウムを用いることができる。
レーザビーム114としては、光吸収層104に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択する。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択して照射することができる。
このようなレーザビームを発振することが可能なレーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とする固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波から第5高調波を適宜選択して用いることが好ましい。
また、レーザビーム114は、連続発振のレーザビームやパルス発振のレーザビームを適宜用いることができる。パルス発振のレーザビームにおいては、通常、数十Hz〜数KHzの発振周波数を用いるが、それよりも著しく高い10MHz以上の発振周波数、パルス幅がピコ秒台、或いはフェムト秒(10−15秒)台のレーザビームが得られるパルス発振レーザを用いてもよい。
レーザビーム114の断面形状は、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)を適宜用いればよい。また、レーザビーム114は、このような断面形状となるように光学系で加工することが好ましい。
また、レーザビーム114のエネルギーは、光吸収層104内における気体の放出や光吸収層104の蒸発を起こさせる程度が好ましい。
図1(A)において、レーザビーム114は、フォトマスク108の透過領域110を透過し、光吸収層104で吸収される。光吸収層104は、レーザビーム114の到達した領域(以下、照射領域ともいう)でレーザアブレーションされ、除去される(図1(B)参照)。残存した光吸収層104は、光吸収層116a、光吸収層116b、光吸収層116c、光吸収層116dに分離されている。残存する光吸収層116a〜116dは、被加工層102をエッチング加工する際のエッチングマスクとして機能する。また、残存する光吸収層116a〜116dのパターンは、フォトマスク108に形成されたパターン、具体的には遮光領域112が形成するパターンに対応している。
ここで起こるレーザアブレーションとは、光吸収層104で吸収されたレーザビーム114のエネルギーにより、光吸収層104の照射領域が蒸発し、除去(あるいは飛散)されることを示す。
このように、レーザアブレーションを利用してエッチングマスクを形成するため、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程におけるレジスト塗布工程及び現像液による現像工程を省略することができる。したがって、フォトレジスト材料及び現像液等の材料のロスを防ぐことができる。また、基板を回転させる必要がなくなり、大面積基板にも適用しやすくなる。さらに、フォトマスクを介してレーザビームを照射するため、大面積でも一度に選択的に照射することができる。その結果、大面積に一度にマスクパターンを形成することもできる。
また、通常のリソグラフィー工程では、被加工層をエッチングするためのマスクパターンは、ステッパー等の複雑な光学系を有する露光装置を用い、レジスト塗布、パターン露光、現像、エッチング、レジスト剥離等の工程を経て形成する。一方、本発明は、レーザアブレーションを利用してマスクパターンを形成するため、レジスト塗布、現像、レジスト剥離等に係る装置は不要となる。本発明を適用することで、パターンを形成するための装置のメンテナンスを容易にすることができる。
また、レーザビーム114の照射後、基板100のレーザビーム114の照射側に、N、空気等の気体を噴射してもよい。また、基板100は、水等の無反応物質である液体を用いて洗浄してもよい。このように気体を噴射、又は液体で洗浄することで、アブレーションに起因するゴミや残渣等を低減することができる。
次に、残存した光吸収層116a〜116dをマスクとして、被加工層102をエッチングし、被加工層120a、被加工層120b、被加工層120c、被加工層120dを形成する(図1(C)参照)。被加工層120a〜120dは、所望のパターン形状を構成しており、配線、電極等として機能する導電層や、半導体層を形成する。被加工層120a〜120dが構成するパターン形状は、フォトマスク108に形成されたパターンに対応している。具体的には、フォトマスク108に形成された遮光領域112のパターンに対応している。残存する光吸収層116a〜116dは、エッチングマスクとして機能する。
被加工層102は、異方性エッチング又は等方性エッチングが行われ、被加工層120a〜120dが形成される。エッチングは、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、又はドライエッチング法とウェットエッチング法を組み合わせて行えばよい。
一般に、ウェットエッチング法を用いるとエッチング加工物(本実施の形態では、被加工層120a〜120d)は等方的形状となる。そのため、ウェットエッチング法は等方性エッチングに適用される。一方、ドライエッチング法は、化学反応によりエッチングが進行する化学的エッチング要素と、スパッタ効果等により物理的にエッチングが進行する物理的エッチング要素を備えている。化学的エッチングは等方性を、物理的エッチングは異方性を示し、両者の比率は装置の構成等により変化する。ドライエッチング法は、化学的エッチング要素と物理的エッチング要素の比率により、異方性エッチング又は等方性エッチングを行うことが可能であるため、両者のエッチングに適用できる。
ドライエッチング法を用いる場合、エッチングガスは、被加工層102と、光吸収層116a〜116dとの選択比が高く取れるガスを用いる。例えば、CF、CHF、NF、Cl、BCl等のフッ素系又は塩素系のガスを用いることができる。また、エッチングガスにHeやアルゴンなどの不活性ガスやOガス等を適宜加えても良い。例えば、被加工層102をタングステン、光吸収層116a〜116dをクロムを用いて形成する場合、エッチングガスとしてCFとClとOとの混合ガスを用いることができる。
なお、ドライエッチング法を用いる場合は、最上層部、すなわちここでは光吸収層116a〜116dの上層部もエッチングされ、膜厚が減少する(膜減りといわれる)ことがある。
ウェットエッチング法を用いる場合、エッチング液は、被加工層102と、光吸収層116a〜116dとの選択比が高く取れる溶液を用いる。例えば、フッ酸、リン酸、硝酸、酢酸、硫酸等の酸性の溶液、水酸化カリウム、ヒドラジン、エチレンジアミン等のアルカリ性の溶液を用いることができる。また、エッチング溶液に純水や緩衝剤を適宜加えてもよい。例えば、被加工層102をモリブデン、光吸収層104をクロムを用いて形成する場合、エッチング液として、リン酸、酢酸、硝酸、純水を体積%で、85:5:5:5の比率で混合した酸(本明細書では、以下混酸アルミ液ともいう)を用いることができる。また、被加工層102をタングステンを用いて形成する場合は、28wt%のアンモニア、31wt%の過酸化水素水、純水を体積%で3:5:2の比率で混合した溶液(本明細書では、以下、過水アンモニウムともいう)を用いることができる。例えば、タングステン(W)は、過水アンモニウムに対するエッチング速度が24nm/min程度である。また、窒化タングステンは、過水アンモニウムに対するエッチング速度が250nm/min程度である。
図1(C)には、異方性エッチングにより被加工層102の一部を除去して、被加工層120a〜120dを形成した例を示している。異方性エッチングでエッチング加工された被加工層120a〜120dの側面(側壁)は垂直形状を有している。
また、図2(A)に、等方性エッチングにより被加工層102の一部を除去して、被加工層220a、被加工層220b、被加工層220c、被加工層220dを形成した例を示す。エッチングマスクとなる光吸収層116a〜116dを形成する工程までは、図1(B)と同じである。等方性エッチングによりエッチング加工された被加工層220a〜220dの側面(側壁)は、テーパ形状を有している。
なお、レーザアブレーションにより光吸収層からなるマスクを形成する際、下層にある被加工層への影響が懸念される。しかしながら、レーザビームの照射領域下方に位置する被加工層は、エッチングの際に除去されるため、特に問題はない。
次に、光吸収層116a〜116dを除去する(図1(D)、図2(B)参照)。光吸収層116a〜116dは、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を利用してエッチング除去する方法や、レーザビームを照射し、レーザアブレーションして除去する方法を、適宜選択すればよい。また、レーザアブレーションして除去する場合は、レーザビーム照射側から、N、空気等の気体の噴射や、液体を用いた洗浄などを行ってもよい。以上で、所望のパターン形状を構成する被加工層120a〜120dを得ることができる。
また、本発明を適用して、配線基板上に形成される導電層や、RFタグ等に用いられるアンテナとして機能する導電層を形成することもできる。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程を用いることなく、所望のパターン形状を有する層を形成することができる。したがって、リソグラフィー工程が簡略化するため、スループットを向上させることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、量産性を向上させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明を適用してゲート電極層、配線層として機能する複数の導電層を作製する方法について、図4を用いて説明する。
まず、導電層402、光吸収層404が順次積層形成された基板400を用意する。そして、フォトマスク408を介し、光吸収層404側からレーザビーム414を照射する(図4(A1)参照)。
基板400は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、半導体基板等を用いればよい。なお、基板400上に、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて下地絶縁層を形成してもよい。
導電層402は、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)から選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料等の導電材料を用いて形成する。また、導電層402は、単層構造でも積層構造でもよい。例えば、タングステン層の単層構造、窒化タンタル層、タングステン層若しくは窒化タングステン層、モリブデン層が積層された2層構造、モリブデン層、アルミニウム層、モリブデン層が積層された3層構造等を形成することができる。
導電層402は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などにより形成する。
光吸収層404は、レーザビーム414を吸収することができる材料を用いて形成する。また、光吸収層404は、下層の導電層402の融点の温度よりも、沸点又は昇華点の温度が低い材料を用いることが好ましい。例えば、光吸収層404は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて形成することができる。光吸収層404は、Cr、Mo、Ni、Ti、Co、Cu、又はAl等の元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物等の導電性材料を用いることができる。当該化合物としては、窒素化合物、酸素化合物、炭素化合物、ハロゲン化合物などを用いることができ、例えば、窒化アルミニウム、窒化タングステン、窒化タンタル等を用いることができる。その他、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、酸化インジウム、リン化インジウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、チタン酸ストロンチウム等の半導体材料を用いることができる。また、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料や、シロキサン、ポリシラザン等の絶縁材料を用いることができる。また、硫化亜鉛、窒化シリコン、硫化水銀、塩化アルミニウム等を用いることができる。光吸収層404は、単層構造でも積層構造でもよい。
光吸収層404は、蒸着法、スパッタリング法、又はCVD法等により形成する。また、絶縁材料を用いて光吸収層404を形成する場合、塗布法により形成することができる。また、光吸収層404に、水素や不活性気体(ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)等の希ガス)を添加してもよい。光吸収層404に水素や不活性気体を添加することで、後にレーザビームを照射する際、光吸収層404内での気体の放出や光吸収層404の蒸発を起こしやすくすることができる。
フォトマスク408は、レーザビーム414の透過領域410と、遮光領域412と、を有し、透過領域410と遮光領域412とで所望のパターンが形成されている。例えば、フォトマスク408は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料を用いて所望のパターンを形成したものを用いる。なお、遮光領域412を構成する材料は、遮光性が優れ、且つレーザビーム414のエネルギーに耐性のある材料を用いる必要がある。例えば、エキシマレーザを用いる場合、タングステン、モリブデン、アルミニウムを用いることができる。
レーザビーム414としては、光吸収層404に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよく、代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択すればよい。
このようなレーザビームを発振することが可能なレーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とする固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波から第5高調波を適宜選択して用いることが好ましい。
また、レーザビーム414は、連続発振のレーザビームやパルス発振のレーザビームを適宜用いることができる。パルス発振のレーザビームにおいては、通常、数十Hz〜数KHzの発振周波数を用いるが、それよりも著しく高い10MHz以上の発振周波数、パルス幅がピコ秒台、或いはフェムト秒(10−15秒)台のレーザビームが得られるパルス発振レーザを用いてもよい。
レーザビーム414の断面形状は、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)を適宜用いればよく、このような断面形状となるように光学系で加工すると好ましい。また、レーザビーム414のエネルギーは、光吸収層404内における気体の放出や光吸収層404の蒸発を起こさせる程度が好ましい。
図4(A2)には、図4(A1)の上面の模式図を示す。図4(A1)は、図4(A2)の線分OPにおける断面図に相当する。なお、上面図では、フォトマスク408及びレーザビーム414は省略している。
図4(A1)において、レーザビーム414は、フォトマスク408の透過領域410を透過し、光吸収層404で吸収される。光吸収層404は、レーザビーム414の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。そして、光吸収層416a、光吸収層416b、光吸収層416c、光吸収層416dが残存する(図4(B1)、図4(B2)参照)。残存する光吸収層416a〜416dのパターンは、フォトマスク408に形成されたパターン、具体的には遮光領域412が形成するパターンに対応している。
ここで起こるレーザアブレーションとは、光吸収層404で吸収されたレーザビーム414のエネルギーにより、光吸収層404の照射領域が蒸発し、除去(あるいは飛散)されることを示す。
また、レーザビーム414の照射後、基板400のレーザビーム414の照射側に、N、空気等の気体を噴射してもよい。また、基板400は、水等の無反応物質である液体を用いて洗浄してもよい。このように気体を噴射、又は液体で洗浄することで、アブレーションに起因するゴミや残渣等を低減することができる。
次に、光吸収層416a〜416dをマスクとして導電層402をエッチングし、導電層420a、導電層420b、導電層420c、導電層420dを形成する(図4(C1)、図4(C2)参照)。導電層420a〜420dが形成するパターンは、フォトマスク408に形成されたパターンに対応している。
導電層420a〜420dは、光吸収層416a〜416dをエッチングマスクとして、導電層402を異方性エッチング又は等方性エッチングして形成することができる。エッチングは、導電層402と光吸収層416a〜416dとの選択比が高く取れる条件で、適宜エッチング方法やエッチングガス、エッチング液等を選択して行えばよい。
本実施の形態では、異方性エッチングを行い、側面が垂直形状を有する導電層420a〜420dを形成する(図4(C1)参照)。異方性エッチングには、ドライエッチング法を用いることができる。エッチングガスとしては、CF、CHF、NF、Cl、BClなどのフッ素系又は塩素系のガスを用いることができる。また、エッチングガスに、HeやArなどの不活性ガス、Oガス等を適宜加えても良い。
異方性エッチングの後に、続けて等方性エッチングを行い、側面(側壁)にテーパ形状を有する導電層を形成してもよい(図34参照)。例えば、ドライエッチング法により側面が垂直形状の導電層420a〜420dを形成し(図34(A)参照)、続けてウェットエッチング法により側面がテーパ形状の導電層422a、導電層422b、導電層422c、導電層422dを形成する(図34(B)参照)。ウェットエッチング法によりマスクとなる光吸収層416a〜416dの下にエッチング液が回り込むことで、導電層420a〜420dの側面にテーパ形状が形成される。その結果、図34(C)に示すような導電層422a〜422dを形成することができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液としては、HF、HPO、HNO、CHCOOH、HSO等の酸性の溶液、KOH、N、NH(CHNH等のアルカリ性の溶液を用いることができる。また、エッチング液に純水や緩衝剤を適宜加えてもよい。
また、ウェットエッチングのみを行って、側面がテーパ形状を有する導電層を形成してもよい。
例えば、導電層402をタングステン、光吸収層404(416a〜416d)をクロムを用いて形成する場合、CF、Cl、Oとの混合ガスを用いてドライエッチングを行うことができる。
また、導電層402をモリブデン、光吸収層404(416a〜416d)をクロムを用いて形成した場合は、混酸アルミ液を用いてウェットエッチングを行うことができる。導電層をタングステンを用いて形成する場合は、過水アンモニウムを用いてエッチングすることができる。
なお、エッチングにドライエッチング法を用いる場合は、マスクとなる光吸収層416a〜416dの上層部がエッチングされて、当該光吸収層416a〜416dの膜厚が減少する(膜減りといわれる)ことがある。
次に、マスクとして用いた光吸収層416a〜416dを除去する(図4(D1)、図4(D2)参照)。光吸収層416a〜416dは、ドライエッチング法やウェットエッチング法を利用して除去する方法や、レーザビームを照射し、レーザアブレーションして除去する方法を用いて除去すればよい。レーザアブレーションを利用して、光吸収層416a〜416dを除去する場合は、レーザアブレーション後に、N、空気等の気体の噴射又は水等の無反応物質である液体を用いた洗浄により、ゴミや残渣等を除去することが好ましい。以上で、所望のパターン形状を構成する導電層420a〜420dを得ることができる。
なお、光吸収層416a〜416d(光吸収層404)を導電材料を用いて形成し、そのまま除去せずに、光吸収層416a〜416dと導電層420a〜420dとの積層構造でなる導電層とすることもできる(図4(C1)参照)。
また、本発明を適用して、配線基板上に形成される導電層や、RFタグ等に用いられるアンテナとして機能する導電層を形成することもできる。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程を用いることなく、所望のパターン形状を有する層を形成することができる。したがって、リソグラフィー工程を簡略化することが可能になり、スループットを向上させることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、量産性を向上させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明を適用する際に用いるレーザ照射装置の一構成例について説明する。
図3に、レーザ照射装置の模式図を示す。図3において、レーザ照射装置700は、レーザ発振装置702と、レーザビームを整形する第1の光学系704と、レーザビームを均一化する第2の光学系706と、マスクホルダ720と、第3の光学系710と、ステージ712とを具備している。マスクホルダ720には、フォトマスク708が配置される。ステージ712には、基板714が配置される。
レーザ発振装置702の発振器で発振して得られたレーザビームは、第1の光学系704を通り整形される。整形されたレーザビームは、第2の光学系706を通り、均一化される。そして、整形され、均一化されたレーザビームがフォトマスク708を通過し、第3の光学系710内で所望の倍率に縮小され、ステージ712上に保持された基板714上にパターンを結像する。
レーザ発振装置702は、大出力を得られるレーザ発振器を備える。例えば、エキシマレーザ発振器、気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、半導体レーザ発振器等を備える。連続発振のレーザビームやパルス発振のレーザビームが得られるものを、適宜用いることができる。具体的には、上記実施の形態1で挙げたレーザ発振器等を用いることができる。
第1の光学系704は、レーザ発振装置702から得られたレーザビームを所望の形状に整形するための光学系である。具体的には、レーザビームの断面形状を、円形、楕円形、矩形等の面状、または線状(厳密には、細長い長方形状)等に整形する。例えば、第1の光学系704にエキスパンダ等を用いて、レーザビームのビーム径を調整すればよい。その他、レーザビームの偏光方向を揃えるポーラライザーや、レーザビームのエネルギーを調整するアテニュエーター、スペクトロメーター等を設けてもよい。
第2の光学系706は、第1の光学系704により整形されたレーザビームのエネルギー分布を均一化するための光学系である。具体的には、フォトマスク708に照射されるレーザビームのエネルギー分布を均一化する。例えば、ホモジナイザ等を用いて、レーザビームのエネルギー分布を均一化すればよい。また、レーザビームが効率良くフォトマスク708に照射されるように、ホモジナイザとフォトマスク708との間にフィールドレンズ等を設けて集光させてもよい。
フォトマスク708は、本発明を適用する際に用いるマスクであり、上記実施の形態1、2等で用いるフォトマスクに相当する。つまり、フォトマスク708は、透過領域と遮光領域とで、所望のパターンが形成されているマスクである。遮光領域は、遮光性が優れ、且つ照射されるレーザビームのエネルギーに耐性のある材料を用いる。また、透過領域は、透光性を有する材料を用いてもよいし、スリットとしてもよい。
第3の光学系710は、フォトマスク708を通過してパターン化されたレーザビームを縮小するための光学系である。レーザビームはフォトマスク708の透過領域のみ透過するため、フォトマスク708を通過したレーザビームは、透過領域で形成されるパターンに対応したものとなる。第3の光学系710は、フォトマスク708によるレーザビームのパターン形状を維持したまま、縮小して基板714に結像する光学系である。例えば、レーザビームのパターン形状が5分の1、10分の1等に縮小される縮小レンズを用いればよい。
基板714は、上記実施の形態1、2で示したように、基板上に被加工層(半導体層、導電層等)、光吸収層が積層形成されているものを用いる。光吸収層の材料等は、上記実施の形態1、2に準じる。光吸収層は、レーザビームのエネルギーを吸収する材料を用いる。基板714は、ステージ712で保持され、XYZθ方向に移動することができる。
レーザ照射装置700には、フォトマスク708にレーザビームが均一に照射されているかを監視、制御するための受光素子716を設けてもよい。その他、基板にレーザビームの焦点を合わせるためのオートフォーカス機構として、受光素子718を設けてもよい。受光素子716、718としては、CCDカメラ等を用いればよい。
また、レーザ照射装置700にミラー等を適宜設けて、レーザビームの進行方向を制御してもよい。
本発明は、レーザアブレーションを利用して半導体層、配線層、電極層等の層をパターン形成するためのマスクを形成することを特徴の1つとしている。本実施の形態で示すレーザ照射装置を用いることで、より微細なパターン形状を有するマスクも作製することができる。
また、光学系を用いて、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームに加工することで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、大面積基板に、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、量産性を向上させることができる。
本実施の形態は、実施の形態1、2と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明を適用して逆スタガ型トランジスタを作製する方法について、図5〜図9を用いて説明する。
まず、図5に、本発明を適用して作製した逆スタガ型トランジスタの一形態を示す。図5に示すトランジスタは、基板500上に下地絶縁層502を介してゲート電極として機能する導電層504が設けられている。当該導電層504上には、ゲート絶縁層506を介して、半導体層508と一導電性を有する半導体層510a、510bと、が設けられている。一導電性を有する半導体層510a、510bは、分離されている。さらに、半導体層510a、510b上に、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層512a、導電層512bが設けられている。導電層512a、512bは分離されている。また、導電層512aは半導体層510aに接して設けられ、導電層512bは半導体層510bに接して設けられている。以下に、具体的な作製方法について説明する。
基板500上に下地絶縁層502を形成し、当該下地絶縁層502上に導電層503を形成する(図6(A)参照)。基板500は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等を含むガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いる。また、基板500の表面が平坦化されるようにCMP法などによって、研磨しても良い。
下地絶縁層502は、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の種々の方法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて、単層構造又は積層構造で形成する。下地絶縁層502は形成しなくとも良いが、基板500からの汚染物質などを遮断する効果がある。
導電層503は、Ag、Au、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、単層構造でも積層構造でもよく、例えば、窒化タングステン膜とモリブデン(Mo)膜との2層構造としてもよいし、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電層のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電層のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電層の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
導電層503は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などにより形成する。
導電層503上に光吸収層550を形成する。そして、レーザアブレーション用のフォトマスク554を介して、光吸収層550側からレーザビーム560を照射する。レーザビーム560は、フォトマスク554の透過領域556を透過し、遮光領域558では遮光される(図6(A)参照)。
光吸収層550は、レーザビームを吸収することができる材料を用いて形成する。例えば、光吸収層550は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて形成することができる。具体的には、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)の元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物(窒素化合物、酸素化合物、炭素化合物、ハロゲン化合物など)等の導電材料を用いて形成すればよい。その他、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、酸化インジウム、リン化インジウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、チタン酸ストロンチウム等の半導体材料を用いて形成してもよい。また、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料や、シロキサン、ポリシラザン等の絶縁材料を用いることができる。その他にも、硫化亜鉛、窒化シリコン、硫化水銀、塩化アルミニウム等を用いることができる。また、光吸収層550は、単層構造でも積層構造でもよく、例えば、膜厚20nmのクロム(Cr)膜や酸化亜鉛膜、窒化アルミニウム膜を用いることができる。
光吸収層550は、蒸着法、スパッタリング法、又はCVD法等により形成する。また、絶縁材料を用いて光吸収層550を形成する場合、塗布法により形成すればよい。また、光吸収層550に、水素や不活性気体(ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)等の希ガス)を添加することもできる。
フォトマスク554は、レーザビーム560を透過する透過領域556と、レーザビーム560を遮光する遮光領域558とを有し、透過領域556と遮光領域558とで所望のパターンが形成されている。具体的には、導電層503は、遮光領域558のパターンに対応して加工され、残存することになる。フォトマスク554は、例えば透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。なお、フォトマスク554を構成する遮光領域558は、遮光性に優れ、且つレーザビーム560のエネルギーに耐性のある材料を用いて形成する。
レーザビーム560としては、光吸収層550に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択する。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択して照射する。
このようなレーザビーム560を発振することが可能なレーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とする固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波から第5高調波を適宜選択して用いることが好ましい。
また、レーザビーム560は、連続発振のレーザビームやパルス発振のレーザビームを適宜用いることができる。パルス発振のレーザビームにおいては、通常、数十Hz〜数KHzの発振周波数を用いるが、それよりも著しく高い10MHz以上の発振周波数、パルス幅がピコ秒台、或いはフェムト秒(10−15秒)台のレーザビームが得られるパルス発振レーザを用いてもよい。
レーザビーム560の断面形状は、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)を適宜用いればよい。また、このような断面形状となるように光学系で加工すると好ましい。
また、レーザビーム560のエネルギーは、光吸収層550内における気体の放出や光吸収層550の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク554を透過したレーザビーム560は、光吸収層550で吸収される。光吸収層550は、レーザビーム560の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。つまり、光吸収層550で吸収されたレーザビーム560のエネルギーにより、光吸収層550の照射領域がレーザアブレーションされ、照射領域の光吸収層550が除去される。そして、光吸収層551が残存する(図6(B)参照)。
レーザビーム560の照射後、レーザビームの照射側から、N、空気等の気体を噴射、又は水等の無反応物質である液体等を用いた洗浄を行ってもよい。このように気体を噴射、又は液体で洗浄することで、アブレーションに起因するゴミや残渣等を除去することができる。
次に、光吸収層551をエッチングマスクとして、導電層503の一部をエッチング除去し、導電層504を形成する(図6(C)参照)。導電層504は、適宜ドライエッチング法やウェットエッチング法を用いて、異方性エッチング又は等方性エッチングを行えばよい。
本実施の形態では、等方性エッチングで導電層504を形成する。形成された導電層504の側面は、テーパ形状を有する。等方性エッチングには、ウェットエッチング法を適用すればよい。なお、エッチング液は、光吸収層551と、導電層503との選択比が高く取れるものを用いる。例えば、フッ酸、リン酸、硝酸、酢酸、硫酸等の酸性の溶液、水酸化カリウム、ヒドラジン、エチレンジアミン等のアルカリ性の溶液を用いることができる。また、エッチング溶液に純水や緩衝剤を適宜加えてもよい。
また、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、導電層の側面をテーパ形状にエッチングすることもできる。なお、エッチングガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、CHF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はOを適宜用いることができる。また、エッチングガスにHeやアルゴンなどの不活性ガスやOガス等を適宜加えても良い。
例えば、モリブデンを用いて導電層503を形成した場合、混酸アルミ液を用いたウェットエッチング法を行うことができる。また、導電層503をタングステンを用いて形成する場合、過水アンモニウムを用いたウェットエッチング法を行うことができる。
また、異方性エッチングを適用して、垂直形状の側面(側壁)を有する導電層504を形成してもよい。下地絶縁層502は、ドライエッチング法を用いた場合、基板500までエッチングされてしまうのを防ぐ効果がある。
エッチングにより、所望の形状を有する導電層504を形成した後、マスクとして用いた光吸収層551は除去する。光吸収層551は、ウェットエッチング法又はドライエッチング法を用いてエッチング除去する方法や、レーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して除去する方法を、適宜選択して除去すればよい。レーザアブレーションを利用する場合は、アブレーション後にN等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行うことにより、アブレーションに起因するゴミ、残渣等を除去することが好ましい。
また、導電層504は、実施の形態1等で説明したようなレーザアブレーションを利用してマスクを形成する方法を用いず、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。このような方法を用いると、所望の場所に選択的に導電層を形成することができる。
また、導電層504は、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術により形成してもよい。
形成された導電層504は、完成するトランジスタのゲート電極層として機能する。
次に、導電層504上にゲート絶縁層506を形成する(図7(A)参照)。
ゲート絶縁層506は、CVD法、スパッタリング法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて形成する。ゲート絶縁層506は、単層構造でも積層構造でもよい。例えば、ゲート絶縁層506は、酸化窒化シリコン層の単層構造や、窒化シリコン層及び酸化シリコン層の2層の積層構造を用いればよい。また、これらを用いて、3層以上の積層構造としてもよい。好ましくは、緻密な膜質を有する窒化シリコンを用いるとよい。また、ゲート絶縁層506は、下層の導電層504を銀や銅を用いて液滴吐出法により形成した場合は、窒化シリコンやNiBを用いて形成することが好ましい。これらの膜は、不純物の拡散を防ぎ、表面を平坦化する効果がある。なお、ゲート絶縁層506の成膜中に、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませてもよい。希ガス元素を反応ガスに含ませることで、低い成膜温度で、リーク電流の少ない緻密な絶縁層を得ることができる。
次に、ゲート絶縁層506上に半導体層を形成する(図7(A)参照)。本実施の形態では、半導体層507と一導電性を有する半導体層509との積層構造とする。なお、一導電性を有する半導体層509は必要に応じて形成すればよい。一導電性を有する半導体層509を形成すると、チャネルを形成する半導体層と、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層とのオーミック接触を良好にするため好ましい。
例えば、半導体層507上にn型を有する半導体層509を形成してnチャネルトランジスタのNMOS構造、p型を有する半導体層509を形成してpチャネルトランジスタのPMOS構造を作製することができる。また、半導体層507に導電性を付与する元素をドーピングによって添加し、不純物領域を形成することで、nチャネルトランジスタ、pチャネルトランジスタを形成することもできる。また、n型を有する半導体層509を形成するかわりに、PHガスによるプラズマ処理を行うことによって、半導体層507に導電性を付与してもよい。
半導体層を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製されるアモルファス半導体(以下「AS」ともいう)や、当該アモルファス半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いはセミアモルファス(微結晶若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう)半導体等の結晶性半導体などを用いることができる。半導体層は各種手段(スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により形成することができる。
SASは、アモルファスと結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5nm〜20nmの結晶領域を観測することが出来、シリコンを主成分とする場合にはラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではシリコン結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端化するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。SASは、シリコンを含む気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。シリコンを含む気体としては、SiH、その他にもSi、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFなどを用いることが可能である。またF、GeFを混合させても良い。このシリコンを含む気体をH、又は、HとHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2倍〜1000倍の範囲、圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzである。基板加熱温度は300℃以下が好ましく、100℃〜200℃の基板加熱温度でも形成可能である。ここで、主に成膜時に取り込まれる不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分に由来する不純物は1×1020cm−3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3以下となるようにすることが好ましい。また、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なSASが得られる。また半導体層としてフッ素系ガスより形成されるSAS層に水素系ガスより形成されるSAS層を積層してもよい。
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを添加し結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、セミアモルファス半導体又は半導体層の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
半導体層に、多結晶半導体又はセミアモルファス半導体等の結晶性半導体を用いる場合、その半導体層の作製方法は、各種の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いて形成すればよい。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。例えば、シリコンを用い、結晶化を助長する元素を導入しないで半導体層を作製する場合は、非晶質シリコン層にレーザビームを照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質シリコン層の含有水素濃度を1×1020atoms/cm以下にまで放出させるのが好ましい。これは水素を多く含んだ非晶質シリコン層にレーザビームを照射すると非晶質シリコン層が破壊されてしまうからである。
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体層の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタリング法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体層の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体層の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン含有水又は過酸化水素水による処理等により、非晶質半導体層の表面に酸化膜を形成することが望ましい。
非晶質半導体層の結晶化は、熱処理とレーザビーム照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザビーム照射を単独で、複数回行っても良い。
また、結晶性半導体層を、直接基板にプラズマ法により形成しても良い。また、線状プラズマ法を用いて、結晶性半導体層を選択的に基板に形成してもよい。
また、半導体層507は、有機半導体材料を用いて形成することができる。有機半導体材料としては、低分子材料、高分子材料などが用いられ、導電性高分子材料などの材料も用いることができる。例えば、骨格が共役二重結合から構成されるπ電子共役系の高分子材料を用いることができ、具体的には、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチオフェン誘導体や、可溶性の高分子材料を用いることができる。その他、有機半導体材料としては、可溶性の前駆体を成膜した後で処理することにより半導体層を形成することができる材料がある。なお、このような有機半導体材料としては、ポリチエニレンビニレン、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、ポリアセチレン、ポリアセチレン誘導体、ポリアリレンビニレンなどがある。
前駆体を有機半導体に変換する際には、加熱処理だけではなく塩化水素ガスなどの反応触媒を添加することがなされる。また、これらの可溶性有機半導体材料を溶解させる代表的な溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、クロロフォルム、ジクロロメタン、γブチルラクトン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)または、THF(テトラヒドロフラン)などを適用することができる。
本実施の形態では、半導体層507及び一導電性を有する半導体層509として非晶質半導体層を形成する。一導電性を有する半導体層509としては、n型を付与する不純物元素であるリン(P)を含むn型を有する半導体層を形成する。一導電性を有する半導体層509は、ソース領域及びドレイン領域として機能し、半導体層507と、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電層と、のオーミック接触を良好にする。なお、一導電性を有する半導体層509は必要に応じて形成すればよく、n型を付与する不純物元素(P、As)を有するn型を有する半導体層やp型を付与する不純物元素(B)を有するp型を有する半導体層を形成することができる。
次に、半導体層509上に光吸収層562を形成する。そして、フォトマスク566を介して、光吸収層562側からレーザビーム572を照射する。レーザビーム572は、フォトマスク566の透過領域568を透過し、遮光領域570では遮光される(図7(A)参照)。
光吸収層562は、上述した光吸収層550と同様に形成すればよい。
フォトマスク566は、レーザビーム572を透過する透過領域568と、レーザビーム572を遮光する遮光領域570とを有し、透過領域568と遮光領域570とで所望のパターンが形成されている。フォトマスク566に形成されたパターン、具体的には遮光領域570のパターンに対応して半導体層507及び一導電性を有する半導体層509は加工され、残存することになる。フォトマスク566は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。もちろん、フォトマスク554と同様に、フォトマスク566を構成する遮光領域570は、遮光性に優れ、且つレーザビーム572のエネルギーに耐性のある材料を用いる。
レーザビーム572は、前述したレーザビーム560と同様に、光吸収層562に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよい。また、レーザビーム572のエネルギーは、光吸収層562内における気体の放出や光吸収層562の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク566を透過したレーザビーム572は、光吸収層562で吸収される。光吸収層562は、レーザビーム572の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。つまり、光吸収層562で吸収されたレーザビーム572のエネルギーにより、光吸収層562の照射領域はレーザアブレーションされ、除去される。そして、光吸収層563が残存する(図7(B)参照)。レーザビーム572照射後は、N等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行ってもよい。このようにすることで、アブレーションに起因するゴミ、残渣等をより低減することができる。
次に、光吸収層563をマスクとして一導電性を有する半導体層509及び半導体層507の一部をエッチング除去し、一導電性を有する半導体層505及び半導体層508を形成する。一導電性を有する半導体層505及び半導体層508は、適宜ドライエッチング法やウェットエッチング法を適用して、異方性エッチング又は等方性エッチングを行うことで形成すればよい。
本実施の形態では、異方性エッチングで半導体層505及び半導体層508を形成する。半導体層505及び半導体層508の側面は、垂直形状を有する。異方性エッチングは、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、CHF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はO等を用いて、ドライエッチングを行えばよい。
所望の形状の半導体層505及び半導体層508を形成した後、マスクとして用いた光吸収層563は除去する(図7(C)参照)。
光吸収層563は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法を用いてエッチング除去する方法や、レーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して除去すればよい。レーザアブレーションを利用する場合は、N等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行うことにより、アブレーションに起因するゴミ、残渣等をより低減することができる。
なお、半導体層505又は半導体層508は、実施の形態1等で説明したような方法を用いず、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。このような方法を用いると、所望の場所に選択的に半導体層を形成することができる。
また、半導体層505又は半導体層508は、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術により形成してもよい。
半導体層508は、完成するトランジスタのチャネルを形成する。また、半導体層505は、完成するトランジスタのソース領域又はドレイン領域を形成する。
次に、半導体層505上に導電層511を形成する(図8(A)参照)。導電層511の一部は、完成するトランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する。
導電層511は、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)から選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料等を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせても良い。また、導電層511は、単層構造でも積層構造でもよい。
導電層511は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて形成することができる。
次に、導電層511上に光吸収層574を形成する。そして、フォトマスク578を介して、光吸収層574側からレーザビーム584を照射する。レーザビーム584は、フォトマスク578の透過領域580を透過し、遮光領域582では遮光される(図8(A)参照)。
光吸収層574は、上述した光吸収層550、562と同様に形成すればよい。
フォトマスク578は、レーザビーム584を透過する透過領域580と、レーザビーム584を遮光する遮光領域582とを有し、透過領域580と遮光領域582とで、所望のパターンが形成されている。具体的には、遮光領域582のパターンに対応して導電層511及び一導電性を有する半導体層505は加工され、残存することになる。フォトマスク578は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。もちろん、フォトマスク578を構成する遮光領域582は、フォトマスク554、566と同様に、遮光性に優れ、且つレーザビーム584のエネルギーに耐性のある材料を用いる。
レーザビーム584は、前述したレーザビーム560、572と同様に、光吸収層574に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよい。また、レーザビーム584のエネルギーは、光吸収層574内における気体の放出や光吸収層574の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク578を透過したレーザビーム584は、光吸収層574で吸収される。光吸収層574は、レーザビーム584の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。つまり、光吸収層574で吸収されたレーザビーム584のエネルギーにより、光吸収層574の照射領域はレーザアブレーションされ、除去される。そして、光吸収層575a、光吸収層575bが残存する(図8(B)参照)。レーザビーム584照射後は、N等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行ってもよい。このようにすることで、アブレーションに起因するゴミ、残渣等をより低減することができる。
次に、光吸収層575a、575bをマスクとして、導電層511の一部をエッチング除去する(図8(C)参照)。導電層511は、適宜ドライエッチング法又はウェットエッチング法を適用して、異方性エッチング又は等方性エッチングを行えばよい。
本実施の形態では、異方性エッチングで、側面が垂直形状を有する導電層512a、512bを形成する。例えば、異方性エッチングは、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、CHF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はO等のエッチングガスを用いてドライエッチングを行えばよい。
所望の形状の導電層512a、512b等を形成した後、マスクとして用いた光吸収層575a、575bは除去する(図9(A)参照)。
光吸収層575a、575bは、ウェットエッチング法、ドライエッチング法を用いてエッチング除去する方法や、レーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して除去すればよい。レーザアブレーションを利用する場合は、N、空気等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行うことにより、アブレーションに起因するゴミ、残渣等をより低減することができる。
なお、導電層512a、512bは、実施の形態1等で説明したようなレーザビームを照射して起きるアブレーション現象を利用してマスクを形成する方法を用いず、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。このような方法を用いると、所望の場所に選択的に導電層を形成することができる。
また、導電層512a、512bは、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術により形成してもよい。
導電層512a、512bは、完成するトランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する。
次に、導電層512a、導電層512bをマスクとして、一導電性を有する半導体層505の一部をエッチング除去し、半導体層508の一部を露出させる(図9(B)参照)。一導電性を有する半導体層505のエッチングは、適宜ドライエッチング法又はウェットエッチング法を適用して行えばよい。ドライエッチング法を適用した場合は、半導体層508の露出する部分が多少エッチングされて膜厚が減少し、半導体層508の他の部分に比べて露出部が凹むことがある。
以上の工程で、逆スタガ型トランジスタ(ボトムゲート型トランジスタともいわれる)であるトランジスタ520を作製することができる(図9(B)参照)。
なお、本実施の形態では、種々の工程でレーザビームの照射によるアブレーションを利用してパターンを形成したが、本発明はこれに限らず、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術を用いて形成してもよい。もちろん、その他の選択的にパターンを形成できる技術を用いてもよい。本発明は、少なくとも1つの製造工程で、レーザビームの照射によるアブレーションを利用してマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工して所望のパターンを得る方法を用いることを特徴とする。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減して、トランジスタを作製することができる。したがって、リソグラフィー工程が簡略化するため、スループットを向上させることができる。
また、本発明を適用することで、フォトレジストに含まれる不純物等の汚染を防ぐことができ、トランジスタの特性劣化を防止できる。その結果、信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、半導体装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至3と、適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4と異なる逆スタガ型トランジスタを作製する方法について、図21、図22を用いて説明する。なお、上記実施の形態4と重複する構成は同じ符号で示し、説明は一部省略又は簡略化する。
基板500上に、下地絶縁層502、導電層504を実施の形態4で示したように形成する(図6(C)参照)。導電層504は、ゲート電極として機能する。
導電層504上に、ゲート絶縁層1506、半導体層1507、一導電性を有する半導体層1509、光吸収層1511を順次積層形成する(図21(A)参照)。
ゲート絶縁層1506は、上記実施の形態4で示したゲート絶縁層506と同様に形成すればよい。例えば、CVD法、スパッタリング法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて形成すればよく、単層構造でも積層構造でもよい。
半導体層1507、一導電性を有する半導体層1509は、上記実施の形態4で示した半導体層507、一導電性を有する半導体層509と同様に形成すればよい。例えば、シリコン、シリコンゲルマニウム等の半導体材料を用いて、スパッタリング法、CVD法により、単層構造又は積層構造で形成する。また、半導体層1507は、非晶質半導体でも結晶性半導体でもよい。結晶性半導体は、非晶質半導体をレーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等を用いて形成することができる。
一導電性を有する半導体層1509は、必要に応じて形成すればよい。当該半導体層1509を設けることで、チャネルを形成する半導体層1507とソース電極又はドレイン電極として機能する導電層とのオーミック接触を良好にすることができる。
光吸収層1511は、レーザビーム1572を吸収することができる導電材料を用いて形成する。例えば、光吸収層1511は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて形成する。具体的には、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)の元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物(窒素化合物、酸素化合物、炭素化合物、ハロゲン化合物など)等の導電材料を用いて、蒸着法、スパッタリング法、又はCVD法等により形成する。なお、光吸収層1511としては、その他、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、酸化インジウム、リン化インジウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、チタン酸ストロンチウム等の半導体材料、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料や、シロキサン、ポリシラザン等の絶縁材料を用いることができる。また、硫化亜鉛、窒化シリコン、硫化水銀、塩化アルミニウム等を用いることができる。絶縁材料を用いて光吸収層1511を形成する場合、塗布法により形成すればよい。また、光吸収層1511は、単層構造でも積層構造でもよい。本実施の形態では、光吸収層1511の一部を、完成するトランジスタのソース電極又はドレイン電極として用いる。
フォトマスク1566を介して、光吸収層1511側からレーザビーム1572を照射する。レーザビーム1572は、フォトマスク1566の透過領域1568を透過し、遮光領域1570では遮光される(図21(A)参照)。
フォトマスク1566は、レーザビーム1572を透過する透過領域1568と、遮光する遮光領域1570とを有し、透過領域1568と遮光領域1570とで所望のパターンが形成されている。例えば、フォトマスク1566は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。なお、フォトマスク1566を構成する遮光領域1570は、遮光性に優れ、且つレーザビーム1572のエネルギーに耐性のある材料を用いて形成する。
レーザビーム1572としては、光吸収層1511に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択する。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択して照射する。具体的に用いるレーザ発振器等は、上記実施の形態4に準じる。
レーザビーム1572の断面形状は、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)を適宜用いればよい。また、このような断面形状となるように光学系で加工すると好ましい。
また、レーザビーム1572のエネルギーは、光吸収層1511内における気体の放出や光吸収層の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク1566を透過したレーザビーム1572は、光吸収層1511で吸収される。光吸収層1511は、レーザビーム1572の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。そして、光吸収層1513が残存する(図21(B)参照)。なお、レーザビーム1572照射後は、N、空気等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行ってもよい。
光吸収層1513をマスクとして一導電性を有する半導体層1509及び半導体層1507の一部をエッチング除去し、一導電性を有する半導体層1510及び半導体層1508を形成する(図21(C)参照)。一導電性を有する半導体層1510及び半導体層1508は、適宜ドライエッチング法やウェットエッチング法を適用して、異方性エッチング又は等方性エッチングを行えばよい。
本実施の形態では、異方性エッチングを行い、垂直形状の側面を有する半導体層1508、一導電性を有する半導体層1510を形成する。異方性エッチングは、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、CHF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はO等を用いたドライエッチングを行えばよい。
次に、フォトマスク1574を介して、光吸収層1513側からレーザビーム1576を照射する。レーザビーム1576は、フォトマスク1574の透過領域1578を透過し、遮光領域1580では遮光される(図21(D)参照)。
フォトマスク1574は、透過領域1578と遮光領域1580とで、所望のパターンを形成している。フォトマスク1574は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。フォトマスク1574を構成する遮光領域1580は、フォトマスク1566と同様に、遮光性に優れ、且つレーザビーム1576のエネルギーに耐性のある材料を用いる。
レーザビーム1576は、前述したレーザビーム1572と同様に、光吸収層1513(光吸収層1511)に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよい。また、レーザビーム1576のエネルギーは、光吸収層1513内における気体の放出や光吸収層の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク1574を透過したレーザビーム1576は、光吸収層1513で吸収される。光吸収層1513は、レーザビーム1576の照射領域でレーザアブレーションされ、除去される。そして、光吸収層1512a、光吸収層1512bが残存する(図22(A)参照)。光吸収層1512a、1512bは分離している。レーザビーム1576照射後は、N、空気等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行ってもよい。このようにすることで、アブレーションに起因するゴミ、残渣等を低減することができる。
光吸収層1512a、1512bをマスクとして、半導体層1508の一部が露出するように一導電性を有する半導体層1510をエッチングし、一導電性を有する半導体層1514a、1514bを形成する(図22(B)参照)。エッチングは、ドライエッチング法やウェットエッチング法を用いて、異方性エッチング又は等方性エッチングを行えばよい。
本実施の形態では、異方性エッチングを用いて、側面が垂直形状の光吸収層1512a、1512b、及び半導体層1514a、1514bを形成する。例えば、異方性エッチングは、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス又はO等のエッチングガスを用いたドライエッチングを行えばよい。ドライエッチングを行った場合は、半導体層1508の露出部分が多少エッチングされ膜厚が減少して、半導体層1508の他の部分に比べて露出部分が凹むことがある。
次に、光吸収層1512a、1512b上に層間絶縁層1516を形成する(図22(C)参照)。
絶縁層1516は、レーザビームを透過することができる材料を用いて形成する。例えば、絶縁層1516は、スパッタリング法やCVD法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の透光性の無機絶縁材料を用いて形成する。また、絶縁層1516は、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の透光性の有機絶縁材料を用いて形成してもよい。
次に、フォトマスク1582を介して、絶縁層1516側からレーザビーム1584を照射する。レーザビーム1584は、フォトマスク1582の透過領域1586を透過し、遮光領域1588では遮光される(図22(C)参照)。
フォトマスク1582は、透過領域1586と遮光領域1588とで、所望のパターンが形成されている。フォトマスク1582は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料でパターンを形成したものを用いればよい。フォトマスク1582を構成する遮光領域1588は、フォトマスク1566と同様に、遮光性に優れ、且つレーザビーム1584のエネルギーに耐性のある材料を用いる。
レーザビーム1584は、前述したレーザビーム1572と同様に、光吸収層1512a、1512b(光吸収層1513)に吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよい。また、レーザビーム1584のエネルギーは、光吸収層1512a、1512b内における気体の放出や光吸収層の蒸発等を起こす程度が好ましい。
フォトマスク1582を透過したレーザビーム1584は、絶縁層1516を透過し、光吸収層1512a、1512bで吸収される。光吸収層1512a、1512bは、レーザビーム1584の照射領域でレーザアブレーションされ、照射領域の光吸収層1512a、1512bとともに上層の絶縁層1516が除去される。
レーザビーム1584照射後は、N、空気等の気体の噴射、又は液体を用いた洗浄を行ってもよい。このようにすることで、アブレーションに起因するゴミ、残渣等を低減することができる。
なお、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術によって絶縁層1516に開口を形成してもよい。その場合、絶縁層は、レーザビームを透過する透光性の材料には限定されない。
次に、絶縁層1516上、当該絶縁層1516及び光吸収層1512a、1512bに形成された開口に導電層1518a、導電層1518bを形成する(図22(D)参照)。導電層1518a、1518bは、光吸収層1512a、1512b、半導体層1514a、1514bと電気的に接続する。
導電層1518a、1518bは、Ag(銀)、Au(金)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、銅(Cu)等の元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物などの導電材料を用いて形成すればよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせても良い。
以上の工程で、逆スタガ型トランジスタであるトランジスタを作製することができる。
なお、本実施の形態では、種々の工程でレーザビームの照射によるアブレーションを利用してパターンを形成したが、本発明はこれに限らず、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術を用いて形成してもよい。もちろん、その他の選択的にパターンを形成できる技術を用いてもよい。本発明は、少なくとも1つの製造工程で、レーザビームの照射によるアブレーションを利用してマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工して所望のパターンを得る方法を用いることを特徴とする。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減して、トランジスタを作製することができる。したがって、リソグラフィー工程が簡略化するため、スループットを向上させることができる。
また、本発明を適用することで、フォトレジストに含まれる不純物等の汚染を防ぐことができ、トランジスタの特性劣化を防止できる。その結果、信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、半導体装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至4と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明に係る表示パネルの構成について説明する。
図17(A)は本発明に係る表示パネルの構成を示す上面図であり、絶縁表面を有する基板2700上に画素2702をマトリクス状に配列させた画素部2701、走査線側入力端子2703、信号線側入力端子2704が形成されている。画素数は種々の規格に従って設ければ良く、XGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1024×768×3(RGB)、UXGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1600×1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させ、RGBを用いたフルカラー表示であれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
画素2702は、走査線側入力端子2703から延在する走査線と、信号線側入力端子2704から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素2702のそれぞれには、スイッチング素子と当該スイッチング素子に接続する画素電極が備えられている。スイッチング素子の代表的な一例はトランジスタであり、トランジスタのゲート電極側が走査線と、ソース電極若しくはドレイン電極側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から入力する信号によって独立して制御可能としている。
図17(A)は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する表示装置の構成を示しているが、図18(A)に示すように、COG(Chip on Glass)方式によりドライバIC2751を基板2700上に実装しても良い。また他の実装形態として、図18(B)に示すようなTAB(Tape Automated Bonding)方式を用いてもよい。ドライバICは単結晶半導体基板に形成されたものでも良いし、ガラス基板上にトランジスタで回路を形成したものであっても良い。図18において、ドライバIC2751は、FPC2750と接続している。
また、画素に設けるトランジスタを、結晶性が高い多結晶(微結晶)半導体で形成する場合には、図17(B)に示すように走査線側駆動回路3702を基板3700上に形成することもできる。図17(B)において、3701は画素部であり、信号線側駆動回路は、図17(A)と同様に外付けの駆動回路により制御する。画素に設けるトランジスタを移動度の高い、多結晶(微結晶)半導体、単結晶半導体などで形成する場合は、図17(C)に示すように、画素部4701、走査線駆動回路4702と、信号線駆動回路4704を基板4700上に一体形成することもできる。本実施の形態において、画素に設けられるトランジスタ等に、上記実施の形態1乃至5で示したような、所望のパターンを形成するためにレーザアブレーションを利用する本発明を適用することができる。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減して、トランジスタを作製することができる。したがって、リソグラフィー工程を簡略化することができ、表示パネルを作製する際のスループットを向上させることができる。
また、フォトレジストを用いる工程を削減できるため、フォトレジストに含まれる不純物等の汚染を防ぐことができ、信頼性の高い表示パネルを作製することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明を適用して作製した逆スタガ型トランジスタを有する表示装置の作製方法の一形態について、図11、図12を用いて説明する。特に、発光素子を備えた表示装置の作製方法について説明する。なお、上述した実施の形態と重複する構成は同じ符号を用いて説明し、一部省略または簡略化して説明する。
まず、基板5000上に下地絶縁層5002を介して、実施の形態4で示したトランジスタ520を形成する。次に、トランジスタ520を覆うように、絶縁層5010を形成する(図11(A)参照)。
基板5000は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等を含むガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いる。また、基板5000の表面が平坦化されるようにCMP法などによって、研磨しても良い。
下地絶縁層5002は、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の種々の方法により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて、単層構造又は積層構造で形成する。下地絶縁層5002は形成しなくとも良いが、基板5000からの汚染物質などを遮断する効果がある。
絶縁層5010は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)、スピンコート法などにより形成することができる。
絶縁層5010は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素、ポリシラザン、その他の無機絶縁材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサンを含む材料を用いてもよい。また、有機絶縁材料を用いてもよく、有機材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテンを用いることができる。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
次に、絶縁層5010に導電層512bに達する開口部5038を形成する(図11(C)参照)。以下、開口部5038の形成方法の一例について説明する。
図11(B)に示すように、フォトマスク5030を介してレーザビーム5036を照射する。フォトマスク5030は、レーザビーム5036の透過領域5032と、遮光領域5034とを有し、透過領域5032と、遮光領域5034とで所望の開口パターンを形成している。例えば、フォトマスク5030は、透光性を有する基板表面に、遮光性を有する材料を用いて所望の開口パターンを形成したものを用いる。なお、遮光領域5034を構成する材料は、遮光性が優れ、且つレーザビーム5036のエネルギーに耐性のある材料を用いる必要がある。
この場合、導電層512b及び導電層512aはレーザビーム5036を吸収することができる材料を用いて形成し、絶縁層5010は、レーザビーム5036を透過することができる材料を用いて形成する。導電層512b及び導電層512aを形成する具体的な材料は、上記実施の形態1乃至6に示した光吸収層で用いることができる導電材料と同じである。
レーザビーム5036についても、上記実施の形態1乃至6に示したレーザビームと同様であり、上記実施の形態に示した光吸収層に相当する導電層512bに吸収されるエネルギーを有するものを適宜選択すればよい。また、レーザビーム5036のエネルギーは、導電層512b内における気体の放出や導電層512bの蒸発等を起こす程度が好ましい。
図11(B)において、レーザビーム5036はフォトマスク5030の透過領域5032を透過し、絶縁層5010の表面に到達する。さらに、レーザビーム5036は、絶縁層5010を透過して導電層512bに吸収される。導電層512bは、レーザビーム5036の照射領域でレーザアブレーションされ、上層の絶縁層5010とともに除去され、開口部5038が形成される(図11(C)参照)。開口部5038は、フォトマスク5030に形成された開口パターンを反映する。このとき、導電層512bは、レーザアブレーションにより貫通するように除去される。
また、絶縁層5010は、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いて形成することもできる。このような方法を用いた場合、絶縁層5010を形成する際に同時に開口部5038を形成することができる。
次に、トランジスタ520と電気的に接続する発光素子5020を形成する。発光素子5020としては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかの発光を示すものを形成すればよい。また、発光素子5020として白色(W)の発光を示すものを形成し、カラーフィルタと組み合わせてRGBの発光を得てもよい。以下に、発光素子5020の形成方法について説明する。
まず、導電層512bが露出された開口部5038に画素電極として機能する第1の電極層5012を形成する。導電層512bと第1の電極層5012とは、電気的に接続する(図12(A)参照)。
第1の電極層5012は、上記実施の形態1乃至6で示したフォトマスクを介したレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して、作製することができる。例えば、絶縁層5010上に、導電層、光吸収層を積層形成する。
第1の電極層5012となる導電層は、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて形成することができる。導電層は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電材料で形成することができる。例えば、ITOに酸化シリコンが2wt%〜10wt%含まれたターゲットを用いて、スパッタリング法で酸化シリコンを含む酸化インジウムスズを形成することができる。その他、ZnOにガリウム(Ga)をドープした導電性材料、ITOに2wt%〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成された酸化物導電性材料であるインジウム亜鉛酸化物(IZO(indium zinc oxide))を用いて形成してもよい。また、導電層は、導電層512bと電気的に接続している。
そして、透過領域と遮光領域とで所望のパターンが形成されたフォトマスクを介して、光吸収層側からレーザビームを照射する。光吸収層は、レーザビームを吸収し、そのエネルギーによって照射領域がレーザアブレーションされ、除去される。次に、残存した光吸収層をマスクとして用い、導電層をエッチングすることで、第1の電極層5012を形成する。導電層のエッチングは、適宜ドライエッチング法やウェットエッチング法を用いて行えばよい。
導電層を所望の形状にエッチングした後は、マスクとして用いた光吸収層は、ドライエッチング法やウェットエッチング法等のエッチング、又はレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して除去すればよい。
第1の電極層5012は、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いて、所望の場所に選択的に形成することもできる。
また、第1の電極層5012は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄し、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、第1の電極層5012の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
次に、第1の電極層5012上に開口部を有するように隔壁層5014を形成する(図12(B)参照)。隔壁層5014は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等の無機絶縁材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾールなどの耐熱性高分子、又はシロキサン系材料を出発材料として形成されたシリコン、酸素、水素からなる化合物のうちSi−O−Si結合を含む無機シロキサン、シリコンに結合する水素がメチルやフェニルのような有機基によって置換された有機シロキサン系の絶縁材料で形成することができる。アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成してもよい。
隔壁層5014は、液滴吐出法、印刷法、ディスペンサ法などを用いて選択的に形成することができる。また、絶縁材料を用いて隔壁層を全面に形成し、リソグラフィー工程を利用してレジストマスク等を形成し、エッチング加工して所望の形状を有する隔壁層5014を形成してもよい。その他、感光性の材料を用いて隔壁層を全面に形成し、感光性の材料からなる隔壁層を露光及び現像することにより、所望の形状を有する隔壁層5014を形成することもできる。なお、隔壁層5014は曲率半径が連続的に変化する形状が好ましい。隔壁層をこのような形状にすることで、上方に形成される層5016、第2の電極層5018の被覆性が向上する。
また、液滴吐出法により、隔壁層5014を組成物を吐出し形成した後、その平坦性を高めるために表面を圧力によってプレスして平坦化してもよい。プレスの方法としては、ローラー状のものを表面に走査することによって、凹凸を軽減する、或いは平坦な板状な物で表面を垂直にプレスしてもよい。また溶剤等によって表面を軟化、または融解させエアナイフで表面の凹凸部を除去しても良い。また、CMP法を用いて研磨しても良い。この工程は、液滴吐出法によって凹凸が生じる場合に、その表面を平坦化する目的で適用することができる。この工程により平坦性が向上すると、表示装置の表示ムラなどを防止することができ、高精細な画像を表示することができる。
次に、第1の電極層5012及び隔壁層5014上に層5016、第2の電極層5018を積層して形成する。そして、第1の電極層5012と第2の電極層5018との間に層5016が挟持された構造の発光素子5020を得る(図12(C)参照)。層5016は、少なくとも所望の発光波長を得ることができる発光材料を含む層(以下、発光層ともいう)で構成される。具体的には、層5016は、有機化合物、無機化合物、又は両者を含む層で形成される。
以上の工程で、発光素子5020を備えた表示装置を得ることができる。
なお、本実施の形態では、様々な工程でレーザビームの照射によるアブレーションを利用してパターンを形成したが、本発明はこれに限らず、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術を利用してもよい。もちろん、その他の選択的にパターンを形成できる技術を用いてもよい。本実施の形態では、少なくとも1つの製造工程で、レーザビームの照射によるアブレーションを利用して、パターンを形成する方法を用いることを特徴とする。
本発明を適用することで、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減して、トランジスタ又はそれを具備する表示装置を作製することができる。したがって、リソグラフィー工程が簡略化するため、スループットを向上させることができる。
また、本発明を適用することで、フォトレジストに含まれる不純物等の汚染を防ぐことができ、信頼性の高い表示装置を得ることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、表示装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至6と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明に係る表示装置の例について、図19を用いて説明する。
図19(A)は、本実施の形態で示す表示装置の上面の模式図を示している。また、図19(B)には、図19(A)中の線分QRにおける断面図を示す。
図19に示す表示装置900は、基板901上に画素部902と、駆動回路部904と、を有する。また、基板901の上方には、シール材910を介して封止基板908が設けられている。さらに、基板901上には、端子部906が設けられている。画素部902を構成する複数の素子の動作を制御する信号や、電源電位は、端子部906を介して、外部から入力される。
画素部902には発光素子930と、駆動用トランジスタ924と、スイッチング用トランジスタ922と、容量素子920と、が設けられている。発光素子930は、一対の電極層間に、少なくとも発光層を含む層が挟持されている。発光素子930は、駆動用トランジスタ924と電気的に接続している。
発光素子930の下方の電極層(駆動用トランジスタ924と電気的に接続する電極層)の端部は、隔壁層918で覆われている。隔壁層918は、酸化シリコン、窒化シリコン等の無機絶縁材料、アクリル、ポリイミド、レジスト等の有機絶縁材料、又はシロキサン材料等を用いて形成する。隔壁層918により、隣接して設けられる別の発光素子と分離することができる。なお、本実施の形態のように、曲率半径が連続的に変化するような丸みを帯びた形状の端部を有する隔壁層918とすることで、上方に積層して形成される層の被覆性が向上するので好ましい。
駆動回路部904には、複数のトランジスタ926が設けられており、画素部902の動作を制御する駆動回路を構成する。駆動回路部904には、例えばシフトレジスタ、デコーダ、バッファ、サンプリング回路、ラッチ等が設けられる。
基板901と封止基板908とは、画素部902及び駆動回路部904が封じ込められるように、シール材910を介して貼り合わされている。封止基板908には、カラーフィルタ942と、遮光層944とが設けられている。なお、本発明は特に限定されず、カラーフィルタ942と、遮光層944は設けなくともよい。
本実施の形態と、上記実施の形態は、トランジスタのゲート電極層が半導体層よりも下方にあるか、上方にあるかが大きく異なる。その他の構成は、上記実施の形態7に準じる。
次に、具体的な作製方法の例について説明する。
基板901の上に下地絶縁層として、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などにより窒化酸化シリコンを用いて下地絶縁層903aを10nm〜200nm(好ましくは50nm〜150nm)形成し、酸化窒化シリコンを用いて下地絶縁層903bを50〜200nm(好ましくは100nm〜150nm)積層する。又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いてもよい。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリーレンエーテル、ポリイミドなどの有機材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いてもよい。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
また、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。本実施の形態では、プラズマCVD法を用いて下地絶縁層903a、下地絶縁層903bを形成する。基板901としてはガラス基板、石英基板やシリコン基板、金属基板、またはステンレス基板の表面に絶縁層を形成したものを用いて良い。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、フィルムのような可撓性基板を用いても良い。プラスチック基板としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)からなる基板、可撓性基板としてはアクリル等の合成樹脂を用いることができる。
また、下地絶縁層としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを用いることができ、単層構造でも2層、3層といった積層構造でもよい。
次いで、下地絶縁層上に半導体層を形成する。半導体層は25nm〜200nm(好ましくは30nm〜150nm)の膜厚で各種手段(スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により形成すればよい。本実施の形態では、非晶質半導体層を、レーザ結晶化し、結晶性半導体層とするものを用いるのが好ましい。
このようにして得られた半導体層に対して、トランジスタのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。この不純物元素のドーピングは、結晶化工程の前の非晶質半導体層に行ってもよい。非晶質半導体層の状態で不純物元素をドーピングすると、その後の結晶化のための加熱処理によって、不純物の活性化も行うことができる。また、ドーピングの際に生じる欠陥等も改善することができる。
次に結晶性半導体層を、所望な形状にパターン加工し、半導体層を形成する。
本実施の形態では、半導体層の加工は、上記実施の形態で示したレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用する。この場合、光吸収層からなる所望の形状を有するマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工を行えばよい。材料、方法等は、適宜選択すればよい。
また、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術により形成してもよい。所望の形状を得るレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いてエッチング加工を行えばよい。その他、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。
エッチング加工は、プラズマエッチング(ドライエッチング法)又はウェットエッチング法のどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF、CHF、NFなどのフッ素系、又はCl、BClなどの塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成する必要はない。このとき、後に完成する容量素子を構成する下部電極層も形成される。下部電極層は、トランジスタを構成する半導体層と同一層で形成される。
半導体層を覆うゲート絶縁層を形成する。ゲート絶縁層はプラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、厚さを10nm〜150nmとしてシリコンを含む絶縁層で形成する。ゲート絶縁層としては、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の無機絶縁材料で形成すればよく、積層構造でも単層構造でもよい。また、ゲート絶縁層は窒化シリコン層、酸化シリコン層、窒化シリコン層の3層の積層構造、酸化窒化シリコン層の単層、2層からなる積層構造でも良い。
次いで、ゲート絶縁層上にゲート電極層を形成する。ゲート電極層は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により導電層を形成し、当該導電層を所望の形状に加工して形成することができる。ゲート電極層はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジウム(Nd)から選ばれた元素、又は当該元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、ゲート電極層としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層や、AgPdCu合金を用いてもよい。また、ゲート電極層は単層構造でも積層構造でもよい。
ゲート電極層は、導電層を所望な形状にパターン加工して得ることができる。導電層の加工は、上記実施の形態で示したレーザビームの照射によるアブレーションを利用することができる。この場合、光吸収層からなる所望の形状を有するマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工を行えばよい。材料、方法等は適宜選択すればよい。このとき、後に完成する容量素子の上部電極層も形成される。上部電極層は、ゲート電極層と同一材料でなる。
また、本実施の形態では、ゲート電極層の側面はテーパ形状を有するように形成する。当該ゲート電極層のテーパ形状は、エッチング加工の際に、ウェットエッチング法を用いることで形成することができる。また、ドライエッチング法を行った後、続けてウェットエッチング法を行うことで形成することもできる。なお、本発明は特に限定されず、ドライエッチング法を用いて、垂直形状の側面を有するゲート電極層を形成してもよい。また、ゲート電極層を2層の積層構造とし、各層でテーパ角度が異なるようにしてもよい。ゲート電極層の側面をテーパ形状にすることで、上層に積層する層の被覆性を向上することができる。
また、ゲート電極層は、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術によりレジストマスクを形成し、エッチング加工により形成してもよい。その他、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。
なお、ゲート電極層を形成する際のエッチングによって、ゲート絶縁層の露出部は多少エッチングされ、膜厚が減る(いわゆる膜減り)ことがある。
半導体層に不純物元素を添加し、一対の不純物領域を形成する。半導体層に形成された不純物領域は、ソース領域又はドレイン領域として機能する。添加する不純物元素は、n型を付与する不純物元素、又はp型を付与する不純物元素を適宜選択して添加すればよい。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)や砒素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。このとき、一対の不純物領域の間には、チャネル形成領域が形成される。
なお、半導体層において、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域とチャネル形成領域との間に、LDD(Light Doped Drain)領域といわれる不純物領域を形成してもよい。LDD領域は、ソース領域又はドレイン領域よりも、低濃度な不純物領域である。また、LDD領域は、ゲート電極層と重なる構造としてもよいし、重ならない構造としてもよい。
また、不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザビームの照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁層のプラズマダメージやゲート絶縁層と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、ゲート電極層、ゲート絶縁層を覆う第1の層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、絶縁層913と絶縁層914との積層構造とする。絶縁層913及び絶縁層914は、スパッタリング法、またはプラズマCVDを用いた窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化シリコン層などを用いることができ、他のシリコンを含む絶縁層を単層構造または3層以上の積層構造として用いても良い。
さらに、窒素雰囲気中で、300℃〜550℃で1時間〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400℃〜500℃で行う。この工程は層間絶縁層である絶縁層913に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。本実施の形態では、410℃で加熱処理を行う。
絶縁層913、絶縁層914としては、他に窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素、ポリシラザン、その他の無機絶縁材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサンを含む材料を用いてもよい。また、有機絶縁材料を用いてもよく、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテンを用いることができる。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
次いで、絶縁層913、絶縁層914、ゲート絶縁層に半導体層に達する開口部を形成する。
開口部は、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術により形成する。所望の開口パターンを有するレジストマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工を行えばよい。
また、開口部の形成は、レーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用してもよい。例えば、フォトマスクを介して、絶縁層913、絶縁層914側よりレーザビームを半導体層のソース領域及びドレイン領域に照射し、当該ソース領域及びドレイン領域で吸収されたレーザビームのエネルギーにより、ソース領域及びドレイン領域の照射領域上の絶縁層914、絶縁層913、ゲート絶縁層は除去され、開口部を形成することができる。
上記フォトマスクには遮光領域と透過領域とで所望の開口パターンが形成されている。遮光領域を形成する遮光材料は、遮光性が優れ、且つレーザビームのエネルギーに耐性のある材料を用いる。レーザビームは、半導体層のソース領域又はドレイン領域に吸収されるエネルギーを有し、且つソース領域又はドレイン領域内における気体の放出やソース領域又はドレイン領域の蒸発等を起こす程度が好ましい。レーザビームのエネルギーを適宜選択することで、絶縁層914、913、ゲート絶縁層のみを除去することも可能である。レーザビームがフォトマスクを透過した領域が照射領域となり、絶縁層等が除去されて開口部が形成される。
半導体層のソース領域及びドレイン領域に達する開口部にソース電極層又はドレイン電極層を形成し、半導体層のソース領域又はドレイン領域とソース電極層又はドレイン電極層とは電気的に接続することができる。
ソース電極層又はドレイン電極層は、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電層を形成し、当該導電層を所望の形状に加工して形成することができる。ソース電極層又はドレイン電極層の材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Si、Ge、Zr、Ba等の元素、又は当該元素を主成分とする合金材料若しくは当該元素を主成分とする金属窒化物を用いて形成する。ソース電極層又はドレイン電極層は、単層構造でも積層構造でもよい。
ソース電極層又はドレイン電極層は、導電層を所望な形状にパターン加工して得ることができる。導電層の加工は、上記実施の形態で示したレーザビームの照射によるアブレーションを利用することができる。
例えば、導電層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介してレーザビームを照射し、光吸収層で吸収されたレーザビームのエネルギーによるアブレーションを利用して、光吸収層からなるマスクを形成する。そして、当該マスクを用いて導電層をエッチング加工し、ソース電極層又はドレイン電極層を形成する。
上記フォトマスクには遮光領域と透過領域とで所望のパターンが形成されている。遮光領域を形成する遮光材料は、遮光性が優れ、且つレーザビームのエネルギーに耐性のある材料を用いる。レーザビームは、光吸収層に吸収されるエネルギーを有し、且つ光吸収層内における気体の放出や光吸収層の蒸発等を起こす程度が好ましい。レーザビームがフォトマスクを透過した領域が照射領域となり、当該照射領域の光吸収層が除去され、フォトマスクに形成されたパターンを反映するように、光吸収層が残存する。そして、残存した光吸収層をエッチングマスクとして、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用い、導電層をエッチング加工してソース電極層又はドレイン電極層を得る。なお、光吸収層、レーザビーム、フォトマスク等の詳細は、上記実施の形態に準じる。
また、ソース電極層又はドレイン電極層は、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術を用いてレジストマスクを形成し、エッチング加工により形成してもよい。
また、ソース電極層又はドレイン電極層は、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。このような方法を用いると、所望の場所に選択的に導電層を形成することができる。なお、ソース電極層又はドレイン電極層の形成時に、端子部906の端子電極層950も形成される。
以上の工程で、画素部902にトランジスタ922、トランジスタ924、駆動回路部904に複数のトランジスタ926を有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。
なお、本発明は特に限定されず、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
次に第2の層間絶縁層として絶縁層916を形成する。絶縁層916としては酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒素を含む酸化アルミニウム(酸化窒化アルミニウムともいう)、酸素を含む窒化アルミニウム(窒化酸化アルミニウムともいう)、酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ、その他の無機絶縁材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。また、有機絶縁材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どちらでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、ポリシラザン、低誘電率(Low−k)材料を用いることができる。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。平坦化のために設ける層間絶縁層としては、耐熱性および絶縁性が高く、且つ、平坦化率の高いものが要求されるので、絶縁層916の形成方法としては、スピンコート法で代表される塗布法を用いると好ましい。
絶縁層916は、その他ディップ法、スプレー塗布、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、CVD法、蒸着法等を採用して形成することができる。液滴吐出法により絶縁層916を形成してもよい。液滴吐出法を用いた場合には材料液を節約することができる。また、液滴吐出法のようにパターンが転写、または描写できる方法、例えば印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、ディスペンサ法なども用いることができる。
画素部902の絶縁層916に、トランジスタ924のソース電極層又はドレイン電極層に達する開口部を形成する。開口部は、ソース電極層又はドレイン電極層と、半導体層のソース領域又はドレイン領域と電気的に接続するための開口部と同様に形成すればよい。レーザビームの照射によるアブレーションを利用する場合は、絶縁層916側からレーザビームを照射し、ソース電極層又はドレイン電極層で吸収されたレーザビームのエネルギーにより、当該ソース電極層又はドレイン電極層の照射領域及びその上層の絶縁層916が除去され、開口部を形成することができる。レーザビームの照射には、所望の開口パターンが形成されたフォトマスクを用いる。なお、レーザビームの照射によるアブレーションを利用する場合には、ソース電極層又はドレイン電極層に比較的蒸発し易い低融点金属(本実施の形態ではクロム)を用いることが好ましい。
画素部902の絶縁層916上に発光素子930を形成する。発光素子930は、トランジスタ924と電気的に接続するようにする。
まず、絶縁層916に設けられ、トランジスタ924のソース電極層又はドレイン電極層が露出した開口部に、第1の電極層932を形成する。
次に、第1の電極層932の端部を覆い、当該第1の電極層932上に開口部を有するように隔壁層918を形成する。隔壁層918としては酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを用いることができ、単層構造でも2層、3層といった積層構造でもよい。また、隔壁層918の他の材料として、窒化アルミニウム、酸素含有量が窒素含有量よりも多い酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素、ポリシラザン、その他の無機絶縁材料を含む物質から選ばれた材料を用いることができる。シロキサンを含む材料を用いてもよい。また、有機絶縁材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どちらでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、ポリシラザンを用いることができる。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。
隔壁層918は、選択的にパターンを形成できる液滴吐出法や、パターンが転写または描写できる印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、ディスペンサ法、その他スピンコート法などの塗布法、ディッピング法などを用いて形成することができる。また、感光性の材料を用いて隔壁層を全面に形成し、感光性の材料からなる隔壁層を露光及び現像することで、所望の形状に加工することができる。また、スパッタリング法、PVD法(Physical Vapor Deposition)、減圧CVD法(LPCVD法)、またはプラズマCVD法等のCVD法(Chemical Vapor Deposition)などを用いて全面に形成し、リソグラフィー技術を用いてレジスト等のマスクを形成し、所望の形状にエッチング加工してもよい。
所望の形状に加工するエッチング加工は、ドライエッチング法又はウェットエッチング法のどちらを採用しても良い。大面積基板を処理するにはプラズマエッチング(ドライエッチング法の一種)が適している。エッチングガスとしては、CF、CHF、NFなどのフッ素系のガス、又はCl、BClなどの塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にレジスト等のマスクを形成する必要はない。
隔壁層918は、曲率半径が連続的に変化する形状が好ましい。隔壁層をこのような形状にすることで、上方に積層形成される層の被覆性が向上する。
次に、第1の電極層932及び隔壁層918上に層934、第2の電極層936を積層形成する。そして、第1の電極層932と第2の電極層936との間に層934が挟持された構造の発光素子930を得る。層934は、少なくとも所望の発光波長を得ることができる発光材料を含む層で構成される。
第1の電極層932及び第2の電極層936のいずれか一方は陽極として機能し、他方は陰極として機能する。第1の電極層932及び第2の電極層936は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物、ITOに2wt%〜20wt%の酸化亜鉛を混合したターゲットを用いて形成されるインジウム亜鉛酸化物(IZO)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等を用いて形成することができる。また、アルミニウムの他、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムとの合金等も用いることができる。
なお、層934で発光した光を外部に取り出すために、第1の電極層932と第2の電極層936のいずれか一方または両方は、インジウム錫酸化物等を用いるか、或いは銀、アルミニウム等を数nm〜数十nmの厚さとなるように形成して、可視光が透過できるように、形成することが好ましい。
第1の電極層932は、前述の材料を全面に形成した後、所望な形状にパターン加工して得ることができる。第1の電極層932の加工は、上記実施の形態で示したレーザビームの照射によるアブレーションを利用することができる。
例えば、第1の電極層となる導電層を全面に形成し、当該導電層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介してレーザビームを照射し、光吸収層で吸収されたレーザビームのエネルギーによるアブレーションを利用して、光吸収層からなるマスクを形成する。そして、当該マスクを用いて導電層をエッチング加工し、第1の電極層932を得る。
上記フォトマスクには遮光領域と透過領域とで所望のパターンが形成されている。遮光領域を形成する遮光材料は、遮光性が優れ、且つレーザビームのエネルギーに耐性のある材料を用いる。レーザビームは、光吸収層に吸収されるエネルギーを有し、且つ光吸収層内における気体の放出や光吸収層の蒸発等を起こす程度が好ましい。レーザビームがフォトマスクを透過した領域が照射領域となり、当該照射領域の光吸収層が除去され、フォトマスクに形成されたパターンを反映するように、光吸収層が残存する。そして、残存した光吸収層をエッチングマスクとして、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用い、導電層をエッチング加工して第1の電極層932を得る。なお、光吸収層、レーザビーム、フォトマスク等の詳細は、上記実施の形態に準じる。
また、第1の電極層932は、フォトレジスト材料を用いたリソグラフィー技術を用いてレジストマスクを形成し、エッチング加工により形成してもよい。その他、第1の電極層932は、各種印刷法(スクリーン(孔版)印刷、オフセット(平版)印刷、凸版印刷やグラビア(凹版)印刷など所望なパターンで形成される方法)、ナノインプリント法、液滴吐出法、ディスペンサ法、選択的な塗布法などを用いて形成してもよい。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。このような方法を用いると、所望の場所に選択的に導電層を形成することができる。
また、第1の電極層932は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄し、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、第1の電極層932の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
第1の電極層932を形成後、加熱処理を行ってもよい。この加熱処理により、第1の電極層932中に含まれる水分は放出される。よって、第1の電極層932は脱ガスなどを生じないため、第1の電極層932上に水分によって劣化しやすい発光材料を形成しても、発光材料は劣化せず、信頼性の高い表示装置を作製することができる。
第2の電極層936は、蒸着法、スパッタリング法等を用いて形成することができる。また、第2の電極層936上にパッシベーション層(保護層)として絶縁層を設けてもよい。このように第2の電極層936を覆うようにしてパッシベーション層を設けることは有効である。パッシベーション層としては、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜を含む絶縁層からなり、該絶縁層の単層構造もしくは組み合わせた積層構造を用いることができる。又はシロキサン樹脂を用いてもよい。
この際、カバレッジの良い膜をパッシベーション層として用いることが好ましく、炭素膜、特にDLC膜を用いることは有効である。DLC膜は室温から100℃以下の温度範囲で成膜可能であるため、層934の耐熱性が低い場合でも、容易に積層形成することができる。DLC膜は、プラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波CVD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、燃焼炎法、スパッタリング法、イオンビーム蒸着法、レーザ蒸着法などで形成することができる。成膜に用いる反応ガスは、水素ガスと、炭化水素系のガス(例えばCH、C、Cなど)とを用い、グロー放電によりイオン化し、負の自己バイアスがかかったカソードにイオンを加速衝突させて成膜する。また、窒素含有炭素膜は反応ガスとしてCガスとNガスとを用いて形成すればよい。DLC膜は酸素に対するブロッキング効果が高く、層934の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後に続く封止工程を行う間に層934が酸化するといった問題を防止できる。
第1の電極層932上に形成される層934は、少なくとも発光材料を含む発光層で構成される。発光層は、有機化合物、無機化合物、又は有機化合物と無機化合物とを含む層で形成する。第1の電極層932と第2の電極層936との間に、層934が設けられて発光素子930を得ることができる。
このように発光素子930が形成された基板901と、封止基板908とをシール材910によって固着し、発光素子930を封止する。シール材910としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。例えば、ビスフェノールA型液状樹脂、ビスフェノールA型固形樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、フェノール型樹脂、クレゾール型樹脂、ノボラック型樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エピビス型エポキシ樹脂、グリシジルエステル樹脂、グリジシルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、シール材で囲まれた領域948には充填材を充填してもよく、窒素雰囲気下で封止することによって、窒素等を封入してもよい。充填材を透過して光を取り出す構造の場合は、充填材は透光性を有する必要がある。代表的には可視光硬化、紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。以上の工程において、発光素子を用いた表示機能を有する表示装置が完成する。また充填材は、液状の状態で滴下し、表示装置内に充填することもできる。充填材として、乾燥剤などの吸湿性を含む物質を用いると、さらなる吸水効果が得られ、発光素子930の劣化を防ぐことができる。
また、素子の水分による劣化を防ぐため、画素部902を取り囲むように乾燥剤を設けてもよい。例えば、封止基板に形成された凹部に乾燥剤を設置すればよく、このような構造にすることで、薄型化を妨げない構成とできる。また、ゲート配線層に対応する領域にも乾燥剤を形成し、吸水面積を広く取ると、吸水効果が高い。また、直接発光に寄与しないゲート配線層上に乾燥剤を形成すると、光取り出し効率を低下させることもない。
なお、本実施の形態では、ガラス基板で発光素子を封止した場合を示すが、封止の処理とは、発光素子を水分から保護するための処理であり、カバー材で機械的に封入する方法、熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂で封入する方法、金属酸化物や窒化物等のバリア能力が高い薄膜により封止する方法のいずれかを用いる。カバー材としては、ガラス、セラミックス、プラスチックもしくは金属を用いることができるが、カバー材側に光を取り出す場合は透光性でなければならない。また、カバー材と上記発光素子が形成された基板とは熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂等のシール材を用いて貼り合わせられ、熱処理又は紫外光照射処理によって樹脂を硬化させて密閉空間を形成する。この密閉空間の中に酸化バリウムに代表される吸湿材を設けることも有効である。この吸湿材は、シール材の上に接して設けても良いし、発光素子からの光を妨げないような、隔壁層の上や周辺部に設けても良い。さらに、カバー材と発光素子の形成された基板との空間を熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂で充填することも可能である。この場合、熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂の中に酸化バリウムに代表される吸湿材を添加しておくことは有効である。
また、ソース電極層又はドレイン電極層と第1の電極層932が直接接して電気的な接続を行わず、配線層を介して接続していてもよい。
本実施の形態では、端子部906において、端子電極層950に異方性導電層952によってFPC954を接続し、外部と電気的に接続する構造とする。
また、図19(A)で示すように、本実施の形態において作製される表示装置は、画素部902と同一基板上に駆動回路部904が設けられている。なお、本発明は特に限定されず、周辺駆動回路としてICチップを前述したCOG方式やTAB方式によって実装したものでもよい。
また、本発明の表示装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、表示装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
なお、本実施の形態では、様々な工程でレーザビームの照射によるアブレーションを利用してパターンを形成したが、本発明はこれに限らず、フォトレジストを用いたリソグラフィー技術を利用してもよい。もちろん、その他の選択的にパターンを形成できる技術を用いてもよい。本実施の形態では、少なくとも1つの製造工程で、レーザビームの照射によるアブレーションを利用して、パターンを形成する方法を用いることを特徴とする。
本発明により、表示装置を構成する配線等の層を、所望の形状で形成できる。またフォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減し、簡略化された工程で表示装置を作製することができる。したがって、スループットを向上させることができる。
また、本発明を適用することで、フォトレジストに含まれる不純物等の汚染を防ぐことができ、信頼性の高い表示装置を得ることができる。
また、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。したがって、本発明を大面積基板に適用することで、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、表示装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至7と、適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
表示装置の表示機能を有する発光素子は、様々な素子構造を適用することができる。一般的に、発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。ここでは、図13〜図15を用いて、本発明に適用できる発光素子の例について説明する。
図13は、有機EL素子について示している。図13に示す発光素子は、第1の電極層870と第2の電極層850との間に、層860が挟持されている。第1の電極層870及び第2の電極層850のいずれか一方は陽極となり、他方は陰極となる。なお、陽極とは、発光層に正孔を注入する電極のことを示し、陰極とは発光層に電子を注入する電極のことを示す。本実施の形態では、第1の電極層870を陽極とし、第2の電極層850を陰極とする。また、層860は、正孔注入層862、正孔輸送層864、発光層866、電子輸送層868、電子注入層869が順次積層された構成とする。
第1の電極層870と第2の電極層850は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物、ITOに2wt%〜20wt%の酸化亜鉛を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等を用いて形成することができる。また、アルミニウムの他、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムとの合金等も第1の電極層870を形成するのに用いることができる。第1の電極層870の形成方法については、上記第1の電極層5012と同じである。また、第2の電極層850の形成方法について特に限定はなく、例えばスパッタリング法や蒸着法等を用いて形成することができる。
なお、発光した光を外部に取り出すために、第1の電極層870と第2の電極層850のいずれか一方または両方は、インジウム錫酸化物等を用いるか、或いは銀、アルミニウム等を数nm〜数十nmの厚さとなるように形成して、可視光が透過できるように、形成することが好ましい。
正孔注入層862は、第1の電極層870から正孔輸送層864へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層862を設けることによって、第1の電極層870と正孔輸送層864との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層862は、正孔輸送層864を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極層870を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質、または正孔輸送層864と第1の電極層870との間に1nm〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層862を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。つまり、正孔注入層862におけるイオン化ポテンシャルが正孔輸送層864におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質を正孔輸送性物質の中から選択することによって、正孔注入層862を形成することができる。正孔注入層862を設ける場合、第1の電極層870は、インジウム錫酸化物等の仕事関数の高い物質を用いて形成することが好ましい。なお、本発明は特に限定されず、正孔注入層862は設けなくともよい。
正孔輸送層864とは、第1の電極層870側から注入された正孔を発光層866へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層864を設けることによって、第1の電極層870と発光層866との距離を離すことができ、その結果、第1の電極層870等に含まれている金属に起因して発光が消滅することを防ぐことができる。正孔輸送層864は、正孔輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性物質とは、電子よりも正孔の移動度が高く、電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が好ましくは100よりも大きい物質をいう。正孔輸送層864を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BBPB)等が挙げられる。なお、正孔輸送層864は、単層構造でもよいし、積層構造でもよい。
発光層866は、発光機能を有する層であり、有機化合物でなる発光材料を含む。また、無機化合物を含んでいてもよい。発光層866に含まれる有機化合物は、発光性の有機化合物であれば特に限定はなく、種々の低分子系有機化合物、高分子系有機化合物を用いることができる。また、発光性の有機化合物は、蛍光発光材料、又は燐光発光材料のどちらを用いることも可能である。発光層866は、発光性の有機化合物のみからなる層としてもよいし、発光性の有機化合物を当該有機化合物よりも大きいエネルギーギャップを有するホスト材料に分散した構成としてもよい。なお、発光層866を、有機化合物でなる発光材料とホスト材料とを含む層のように複数の化合物を混合した層とする場合は、共蒸着法を用いて形成することができる。ここで、共蒸着とは、一つの処理室内に設けられた複数の蒸着源からそれぞれ原料を気化させ、気化した原料を気相状態で混合し、被処理物上に堆積させる蒸着法をいう。
電子輸送層868は、第2の電極層850から注入された電子を発光層866へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層868を設けることによって、第2の電極層850と発光層866との距離を離すことができ、その結果、第2の電極層850等に含まれている金属に起因して発光が消滅することを防ぐことができる。電子輸送層868は、電子輸送性物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性物質とは、正孔よりも電子の移動度が高く、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が好ましくは100よりも大きい物質をいう。電子輸送層868を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、電子輸送層868は、単層構造でもよいし、積層構造でもよい。
電子注入層869は、第2の電極層850から電子輸送層868へ電子の注入を補助する機能を有する層である。電子注入層869は、BPhen、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電子輸送層868を形成するのに用いることのできる物質の中から、電子輸送層868の形成に用いる物質よりも電子親和力が相対的に大きい物質を選択して用いることによって形成することができる。このようにして電子注入層869を形成することによって第2の電極層850と電子輸送層868との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなる。また、電子注入層869には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、リチウム酸化物、カリウム酸化物、ナトリウム酸化物等のアルカリ金属の酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物等のアルカリ土類金属の酸化物、フッ化リチウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属のフッ化物、フッ化カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物、またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属等の無機物が含まれていてもよい。また、電子注入層869はBPhen、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の有機化合物を含む構成であってもよいし、LiF等のアルカリ金属のフッ化物、またはCaF等のアルカリ土類金属のフッ化物等の無機化合物からなる構成であってもよい。このようにLiF等のアルカリ金属のフッ化物、またはCaF等のアルカリ土類金属のフッ化物等の無機化合物を用いて1nm〜2nmの薄膜として電子注入層869が設けられることによって電子注入層869のエネルギーバンドが曲がる、或いは電子注入層869にトンネル電流が流れることにより、第2の電極層850から電子輸送層868へ電子の注入が容易となる。
なお、正孔注入層862に換えて正孔発生層が設けられていてもよいし、または電子注入層869に換えて電子発生層が設けられていてもよい。
ここで、正孔発生層とは、正孔を発生する層である。正孔輸送性物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、正孔輸送性物質に対して電子受容性を示す物質とを混合することによって正孔発生層を形成することができる。ここで、正孔輸送性物質としては、正孔輸送層864を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、電子受容性を示す物質としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることが好ましい。
また、電子発生層とは、電子を発生する層である。電子輸送性物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質とを混合することによって電子発生層を形成することができる。ここで、電子輸送性物質としては電子輸送層868を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。
正孔注入層862、正孔輸送層864、発光層866、電子輸送層868、電子注入層869は、それぞれ、蒸着法、液滴吐出法、または塗布法等を用いて形成すればよい。第1の電極層870又は第2の電極層850は、スパッタリング法または蒸着法等を用いて形成すればよい。
本実施の形態において、層860は、少なくとも発光層866を含んでいればよく、その他の機能を有する層(正孔注入層862、正孔輸送層864、電子輸送層868、電子注入層869等)は適宜設ければよい。
また、第1の電極層870を陰極とし、第2の電極層850を陽極としてもよい。その場合、層860は、第1の電極層870側から、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層が順次積層された構成となる。
次に、無機EL素子について、図14、図15を用いて説明する。無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
本発明で用いることのできる発光材料は、母体材料と不純物元素とで構成される。不純物元素は、発光中心として機能する。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700℃〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化カルシウム、硫化イットリウム、硫化ガリウム、硫化ストロンチウム、硫化バリウム等を用いることができる。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化イットリウム等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa)、等の3元系の混晶であってもよい。
局在型発光の不純物元素として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。ハロゲン元素は電荷補償として機能することもできる。
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の不純物元素として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅、硫化銀等を用いることができる。焼成温度は、700℃〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅、塩化銀等を用いることができる。
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01atom%〜10atom%であればよく、好ましくは0.05atom%〜5atom%の範囲である。
薄膜型無機ELの場合、発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子エピタキシ層法(ALE)等を用いて形成することができる。
図14(A)〜(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図14(A)〜(C)において、発光素子は、第1の電極層50、層51、第2の電極層53を含む。層51は、少なくとも発光層52を含む構成とする。
図14(A)に示す発光素子は、第1の電極層50と第2の電極層53との間に、発光層52のみで構成される層51が挟持されている。図14(B)及び図14(C)に示す発光素子は、図14(A)の発光素子において、第1の電極層50又は第2の電極層53と、発光層52と、の間に絶縁層を設ける構造である。図14(B)に示す発光素子は、第1の電極層50と発光層52との間に絶縁層54を有し、図14(C)に示す発光素子は、第1の電極層50と発光層52との間に絶縁層54a、第2の電極層53と発光層52との間に絶縁層54bとを有している。このように絶縁層は発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層構造でもよいし、積層構造でもよい。
また、図14(B)では第1の電極層50に接するように絶縁層54が設けられているが、絶縁層と発光層の順番を逆にして、第2の電極層53に接するように絶縁層54を設けてもよい。
次に、分散型無機EL素子について説明する。分散型無機EL素子の場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の発光層を形成する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって発光層中に均一に分散し固定される。
分散型無機EL素子の場合、発光層の形成方法は、選択的に発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10nm〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
図15(A)〜(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図15(A)〜(C)において、発光素子は、第1の電極層60、層65、第2の電極層63を含む。層65は、少なくとも発光層を含む構成とする。
図15(A)における発光素子は、第1の電極層60、発光層62、第2の電極層63の積層構造を有し、発光層62中にバインダによって保持された発光材料61を含む。
本実施の形態に用いることのできるバインダとしては、絶縁材料を用いることができる。具体的には、有機絶縁材料や無機絶縁材料を用いることができ、有機絶縁材料及び無機絶縁材料の混合材料を用いてもよい。有機絶縁材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
バインダに含まれる無機材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸素及び窒素を含むシリコン、窒化アルミニウム、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム、酸化チタン、BaTiO、SrTiO、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸鉛、酸化タンタル、タンタル酸バリウム、タンタル酸リチウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、その他の無機材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。バインダに無機絶縁材料と有機絶縁材料との混合層を用い、高い誘電率とすると、発光材料により大きい電荷を誘起することができる。
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが、本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、発光層を形成する方法(種々のウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3−メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを用いることができる。
図15(B)及び図15(C)に示す発光素子は、図15(A)の発光素子において、第1の電極層60又は第2の電極層63と、発光層62と、の間に絶縁層を設ける構造である。図15(B)に示す発光素子は、第1の電極層60と発光層62との間に絶縁層64を有し、図15(C)に示す発光素子は、第1の電極層60と発光層62との間に絶縁層64a、第2の電極層63と発光層62との間に絶縁層64bとを有している。このように絶縁層は発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層構造でもよいし、積層構造でもよい。
また、図15(B)では第1の電極層60に接するように絶縁層64が設けられているが、絶縁層と発光層の順番を逆にして、第2の電極層63に接するように絶縁層64を設けてもよい。
図14における絶縁層54、図15における絶縁層64のような絶縁層は、特に限定されることはないが、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質であることが好ましい。さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、窒化シリコン、酸化ジルコニウム等やこれらの混合層又は2種以上の積層を用いることができる。これらの絶縁層は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等により形成することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して形成してもよい。バインダ材料は、発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10nm〜1000nmの範囲である。
図14、図15に示す無機EL素子は、発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
本実施の形態(図13〜図15)で示した発光素子は、上記実施の形態で示した表示装置の表示素子として具備されることができる。
例えば、図12に示す表示装置に、図13に示す有機EL素子を適用する場合、第1の電極層5012又は第2の電極層5018は、第1の電極層870又は第2の電極層850に相当する。層5016は、層860に相当する。同様に、図19に示す表示装置の場合も、第1の電極層932又は第2の電極層936は、第1の電極層870又は第2の電極層850に相当する。層934は、層860に相当する。
また、図12に示す表示装置に、図14、図15で示す無機EL素子を適用する場合も同様である。第1の電極層5012若しくは第2の電極層5018は、図14の第1の電極層50若しくは第2の電極層53、又は図15の第1の電極層60若しくは第2の電極層63に相当する。層5016は、層51若しくは層65に相当する。同様に、図19に示す表示装置の場合も、第1の電極層932若しくは第2の電極層936は、図14の第1の電極層50若しくは第2の電極層53、又は図15の第1の電極層60若しくは第2の電極層63に相当する。層934は、層51若しくは層65に相当する。
本発明により、素子を構成する電極等の層を、所望の形状で形成できる。また、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減、簡略化でき、スループットを向上することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至8と適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、液晶表示装置について説明する。
図26(A)は、液晶表示装置の上面図であり、図26(B)は図26(A)の線分GHにおける断面図である。
図26(A)で示すように、画素領域606、走査線駆動回路である駆動回路領域608a、走査線駆動領域である駆動回路領域608bが、シール材692によって、基板600と封止基板695との間に封止され、基板600上にICドライバによって形成された信号線駆動回路である駆動回路領域607が設けられている。画素領域606にはトランジスタ622及び容量素子623が設けられ、駆動回路領域608bにはトランジスタ620及びトランジスタ621を有する駆動回路が設けられている。基板600には、上記実施の形態と同様の基板を適用することができる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較して耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置することによって採用することが可能となる。
画素領域606には、下地絶縁層604a、下地絶縁層604bを介して基板600上にスイッチング素子となるトランジスタ622が設けられている。本実施の形態では、トランジスタ622にマルチゲート型薄膜トランジスタを用いる。トランジスタ622は、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、2層の積層構造であるゲート電極層、ソース電極層及びドレイン電極層を有し、ソース電極層又はドレイン電極層は、半導体層の不純物領域と画素電極層630に接して電気的に接続している。
ソース電極層又はドレイン電極層は積層構造となっており、ソース電極層又はドレイン電極層644a、644bは絶縁層615に形成された開口で画素電極層630と電気的に接続している。絶縁層615に形成される開口は、上記実施の形態で示したようにレーザビームを照射によるアブレーションを利用して形成することができる。本実施の形態は、ソース電極層又はドレイン電極層644bに比較的蒸発し易い低融点金属(本実施の形態ではクロム)を用い、ソース電極層又はドレイン電極層644aにはソース電極層又はドレイン電極層644bよりも蒸発しにくい高融点金属(本実施の形態ではタングステン)を用いる。絶縁層615側より、フォトマスクを介して、ソース電極層又はドレイン電極層644bにレーザビームを照射し、照射されたエネルギーによりソース電極層又はドレイン電極層644bの照射領域及び当該照射領域上の絶縁層615は除去され、ソース電極層又はドレイン電極層644bに達する開口を形成することができる。さらに、絶縁層615をマスクとして、ソース電極層又はドレイン電極層644bをエッチングにより除去し、ソース電極層又はドレイン電極層644aに達する開口を形成する。エッチングにより開口を形成する際は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、又はその両方を用いて行ってもよく、複数回行ってもよい。
ソース電極層又はドレイン電極層644a、644bが露出された開口に画素電極層630を形成し、ソース電極層又はドレイン電極層644a、644bと画素電極層630は電気的に接続することができる。なお、ソース電極層又はドレイン電極層644bに開口を形成せず、画素電極層630を形成してもよい。
薄膜トランジスタは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導体層を適用する。結晶性半導体層上には、ゲート絶縁層を介してゲート電極層が設けられる。該ゲート電極層を用いて該活性層へ不純物元素を添加することができる。このようにゲート電極層を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要はない。ゲート電極層は、単層構造、又は積層構造とすることができる。不純物領域は、その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができる。このように低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタを、LDD(Light doped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるように形成することができ、このような薄膜トランジスタを、GOLD(Gate Overlaped LDD)構造と呼ぶ。また薄膜トランジスタの極性は、不純物領域にリン(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すればよい。その後、ゲート電極層等を覆う絶縁層611及び絶縁層612を形成する。絶縁層611(及び絶縁層612)に混入された水素により、結晶性半導体層のダングリングボンドを終端することができる。
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁層として絶縁層615を形成してもよい。絶縁層615は、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて、単層構造又は積層構造で形成することができる。例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、ポリシラザン、窒素含有炭素(CN)、リンガラス(PSG)、リンボロンガラス(BPSG)、アルミナ、その他の無機絶縁材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、有機絶縁材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どちらでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン樹脂などを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
また結晶性半導体層を用いることにより、画素領域と駆動回路領域を同一基板上に一体形成することができる。その場合、画素領域のトランジスタと、駆動回路領域608bのトランジスタとは同時に形成される。駆動回路領域608bに用いるトランジスタは、CMOS回路を構成する。CMOS回路を構成する薄膜トランジスタはGOLD構造であるが、トランジスタ622のようなLDD構造を用いることもできる。
本実施の形態に限定されず、画素領域606の薄膜トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、周辺駆動回路領域の薄膜トランジスタも、シングルゲート構造、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
なお、本実施の形態で示した薄膜トランジスタの作製方法に限らず、トップゲート型(例えば順スタガ型)、ボトムゲート型(例えば、逆スタガ型)、あるいはチャネル領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型やその他の構造も適用できる。
次に、画素電極層630を覆うように、印刷法や液滴吐出法により、配向膜と呼ばれる絶縁層631を形成する。なお、絶縁層631は、スクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いれば、選択的に形成することができる。その後、ラビング処理を行う。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないときがある。配向膜として機能する絶縁層633も絶縁層631と同様である。続いて、シール材692を液滴吐出法により画素を形成した周辺の領域に形成する。
その後、配向膜として機能する絶縁層633、対向電極として機能する導電層634、カラーフィルタとして機能する着色層635、偏光子641(偏光板ともいう)、及び偏光子642が設けられた封止基板695と、TFT基板である基板600とをスペーサ637を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層632を設ける。本実施の形態の液晶表示装置は透過型であるため、基板600の素子を有する面と反対側にも偏光子(偏光板)643を設ける。偏光子は、接着層によって基板に設けることができる。シール材にはフィラーが混入されていても良く、さらに封止基板695には、遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。なお、カラーフィルタ等は、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、着色層を無くす、もしくは少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
なお、バックライトにRGBの発光ダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継続加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合がある。ブラックマトリクスは、トランジスタやCMOS回路の配線による外光の反射を低減するため、トランジスタやCMOS回路と重なるように設けるとよい。なお、ブラックマトリクスは、容量素子に重なるように形成してもよい。容量素子を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
液晶層を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)や、素子を有する基板600と封止基板695とを貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。滴下法は、注入法を適用しづらい大面積基板を扱うときに適用するとよい。
スペーサは数μmの粒子を散布して設ける方法でも良いが、本実施の形態では基板全面に樹脂膜を形成した後これをエッチング加工して形成する方法を採用した。このようなスペーサの材料を、スピナーで塗布した後、露光と現像処理によって所定のパターンに形成する。さらにクリーンオーブンなどで150℃〜200℃で加熱して硬化させる。このようにして作製されるスペーサは露光と現像処理の条件によって形状を異ならせることができるが、好ましくは、スペーサの形状は柱状で頂部が平坦な形状となるようにすると、対向側の基板を合わせたときに液晶表示装置としての機械的な強度を確保することができる。形状は円錐状、角錐状などを用いることができ、特別な限定はない。
続いて、画素領域と電気的に接続されている端子電極層678a、678bに、異方性導電体層696を介して、接続用の配線基板であるFPC694を設ける。FPC694は、外部からの信号や電位を伝達する役目を担う。上記工程を経て、表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。
なおトランジスタが有する配線、ゲート電極層、画素電極層630、対向電極層である導電層634は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化シリコン(SiO)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属又は当該金属を主成分とする合金若しくは金属窒化物から選ぶことができる。
偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
なお、本実施の形態ではTN型の液晶パネルについて示しているが、上記のプロセスは他の方式の液晶パネルに対しても同様に適用することができる。例えば、ガラス基板と平行に電界を印加して液晶を配向させる横電界方式の液晶パネルに本実施の形態を適用することができる。また、VA(Vertical Aligment)方式の液晶パネルに本実施の形態を適用することができる。
図23と図24は、VA型液晶パネルの画素構造を示している。図23は平面図であり、図中に示す線分IJに対応する断面構造を図24に表している。以下の説明ではこの両図を参照して説明する。
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すなわち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立して制御する構成を有している。
画素電極層1624は開口(コンタクトホール)1623により、配線層1618でTFT1628と接続している。また、画素電極層1626は開口(コンタクトホール)1627により、配線層1619でTFT1629と接続している。TFT1628のゲート配線層1602と、TFT1629のゲート電極層1603は、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能する配線層1616は、TFT1628とTFT1629で共通に用いられている。
画素電極層1624と画素電極層1626は、上記実施の形態で示すように、フォトマスクを介したレーザビームの照射によるアブレーションを利用して形成してもよい。レーザアブレーションにより光吸収層からなるマスクを形成し、当該マスクを用いて下層の被加工層をエッチング加工して所望の画素電極層を得ることができる。このように、本発明を用いると、リソグラフィー工程の回数を削減することができるので、工程が簡略化し、スループットを向上することができる。また、フォトレジストによる不純物汚染等も防ぐことができる。
画素電極層1624と画素電極層1626の形状は異なっており、スリット1625によって分離されている。V字型に広がる画素電極層1624の外側を囲むように画素電極層1626が形成されている。画素電極層1624と画素電極層1626に印加する電圧のタイミングを、TFT1628及びTFT1629により異ならせることで、液晶の配向を制御している。対向基板1601には、遮光層1632、着色層1636、対向電極層1640が形成されている。また、着色層1636と対向電極層1640の間には平坦化層1637が形成され、液晶の配向乱れを防いでいる。図25に対向基板側の構造を示す。対向電極層1640は異なる画素間で共通化されている電極であるが、スリット1641が形成されている。このスリット1641と、画素電極層1624及び画素電極層1626側のスリット1625とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。
本実施の形態は、上記の実施の形態1乃至6と適宜自由に組み合わせることができる。
本発明を適用することで、リソグラフィー工程の回数を削減でき、製造工程を簡略化できるため、スループットを向上させることができるその結果、量産性よく表示装置を製造することができる。
また、レジスト塗布、現像工程等を省略することも可能になるため、基板を回転させる必要がなくなり、大面積基板が処理しやすくなる。さらに、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。その結果、大面積基板に、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、表示装置を量産性良く製造することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態では、表示素子に液晶表示素子を用いる液晶表示装置について説明する。
図27に示す表示装置は、基板250上に、画素領域に逆スタガ型トランジスタであるトランジスタ220、画素電極層251、絶縁層252、絶縁層253、液晶層254、スペーサ281、絶縁層235、対向電極層256、カラーフィルタ258、ブラックマトリクス257、対向基板210、偏光板(偏光子)231、偏光板(偏光子)233、封止領域にシール材282、端子電極層287、異方性導電層288、FPC286が設けられている。
本実施の形態で作製される逆スタガ型トランジスタであるトランジスタ220のゲート電極層、半導体層、ソース電極層、ドレイン電極層、及び画素電極層251は実施の形態1等で示すように、レーザビームの照射によるアブレーションを利用してマスクを形成し、当該マスクを用いてエッチング加工して形成すればよい。このように本発明を用いると、フォトレジストを用いるリソグラフィー工程の回数を削減・簡略化することができ、スループットを向上させることができる。
本実施の形態では、チャネルを形成する半導体層として非晶質半導体層を用いており、ソース電極層又はドレイン電極層と半導体層との間に設けられる一導電性型を有する半導体層は、必要に応じて形成すればよい。本実施の形態では、半導体層と一導電型を有する半導体層として非晶質n型半導体層を積層する。またチャネルを形成する半導体層としてn型半導体層を形成し、nチャネル型薄膜トランジスタのNMOS構造、p型半導体層を形成したpチャネル型薄膜トランジスタのPMOS構造、nチャネル型薄膜トランジスタとpチャネル型薄膜トランジスタとのCMOS構造を作製することができる。
また、導電性を付与するために、導電性を付与する元素をドーピングによって添加し、不純物領域を半導体層に形成することで、nチャネル型トランジスタ、Pチャネル型トランジスタを形成することもできる。n型半導体層を形成するかわりに、PHガスによるプラズマ処理を行うことによって、半導体層に導電性を付与してもよい。
本実施の形態では、トランジスタ220はnチャネル型の逆スタガ型薄膜トランジスタとなっている。また、半導体層のチャネル領域上に保護層を設けたチャネル保護型の逆スタガ型薄膜トランジスタを用いることもできる。
次いで、バックライトユニット352の構成について説明する。バックライトユニット352は、蛍光を発する光源361として冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL、有機ELが、蛍光を効率よく導光板365に導くためのランプリフレクタ362、蛍光が全反射しながら全面に光を導くための導光板365、明度のムラを低減するための拡散板366、導光板365の下に漏れた光を再利用するための反射板364を有するように構成されている。
バックライトユニット352には、光源361の輝度を調整するための制御回路が接続されている。制御回路からの信号供給により、光源361の輝度を制御することができる。
トランジスタ220のソース電極層又はドレイン電極層は絶縁層252に形成された開口で画素電極層251と電気的に接続している。絶縁層252に形成される開口は上記実施の形態で示したようにレーザビームの照射によるアブレーションを利用して形成してもよいし、リソグラフィー技術を用いて形成してもよい。本実施の形態は、ソース電極層又はドレイン電極層に比較的蒸発し易い低融点金属(本実施の形態ではクロム)を用いる。絶縁層252側より、フォトマスクを介して、ソース電極層又はドレイン電極層にレーザビームを照射し、照射されたエネルギーによりソース電極層又はドレイン電極層の照射領域及び当該照射領域上の絶縁層252は除去され、一導電型の半導体層に達する開口を形成することができる。
ソース電極層又はドレイン電極層及び一導電型の半導体層が露出された開口に画素電極層251を形成し、一導電型の半導体層、ソース電極層又はドレイン電極層と画素電極層251とを電気的に接続することができる。
本発明を適用することで、リソグラフィー工程の回数を削減でき、製造工程を簡略化できるため、スループットを向上させることができる。その結果、量産性良く表示装置を製造することができる。
また、レジスト塗布、現像工程等を省略することも可能になるため、基板を回転させる必要がなくなり、大面積基板が処理しやすくなる。さらに、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いることで、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。その結果、大面積基板に、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、表示装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は実施の形態1乃至6と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態12)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる表示装置の一例について説明する。
図29は、本発明を適用したアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。図29ではアクティブマトリクス型を示すが、本発明はパッシブマトリクス型にも適用することができる。
電子ペーパーとしてツイストボール表示方式を用いることができる。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
トランジスタ5801は逆コプラナ型の薄膜トランジスタであり、ゲート電極層5802、ゲート絶縁層5804、配線層5805a、配線層5805b、半導体層5806を含む。配線層5805a、配線層5805bは、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する。また配線層5805bは第1の電極層5807と絶縁層5908に形成する開口で接しており電気的に接続している。第1の電極層5807と第2の電極層5808との間には黒色領域5900a及び白色領域5900bを有し、周りに液体で満たされているキャビティ5904を含む球形粒子5809が設けられており、球形粒子5809の周囲は樹脂等の充填材5905で充填されている。
本実施の形態において、トランジスタ5801を構成するゲート電極層5802、半導体層5806、配線層5805a、5805bなどは、上記実施の形態で示すように、目的の層となる被加工層上に光吸収層を形成し、フォトマスクを介したレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用してマスクを形成し、当該マスクを用いて被加工層をエッチング加工することで形成することができる。
配線層5805bは絶縁層5908に形成された開口で第1の電極層5807と電気的に接続している。絶縁層5908に形成される開口は、上記実施の形態で示したようにレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用することによって形成することができる。本実施の形態は、配線層5805bに比較的蒸発し易い低融点金属(本実施の形態ではクロム)を用いる。絶縁層5908側よりレーザビームを選択的に配線層5805bに照射し、照射されたエネルギーにより配線層5805bの照射領域及びその上層の絶縁層5908は除去され、配線層5805bに達する開口を形成することができる。開口を形成する際のエッチングは、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、またその両方を用いて行ってもよく、複数回行ってもよい。
配線層5805bが貫通された開口に第1の電極層5807を形成し、配線層5805bと第1の電極層5807は電気的に接続することができる。
レーザアブレーションを利用することで、複雑なリソグラフィー工程を行うことなく、レーザビーム照射によって絶縁層に開口を形成することもできる。
また、ツイストボールの代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層との間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極層と第2の電極層によって、電場が与えられると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することができる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子であり、一般的に電子ペーパーとよばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持することが可能であるため、電波発信源から表示機能付き表示装置を遠ざけた場合であっても、表示された像を保存しておくことが可能となる。
トランジスタはスイッチング素子として機能し得るものであれば、どのような構成で設けてもよい。半導体層も非晶質半導体、結晶性半導体、多結晶半導体、微結晶半導体など様々な半導体を用いることができ、有機化合物を用いて有機トランジスタを形成してもよい。
本実施の形態では、具体的には、表示装置の構成がアクティブマトリクス型の場合に関して示すが、勿論本発明はパッシブマトリクス型の表示装置にも適用できる。パッシブマトリクス型の表示装置においても、フォトマスクを介したレーザビームの照射によるレーザアブレーションを利用して形成したマスクを用い、エッチング加工することで、配線層、電極層などを所望の形状に形成することができる。
本発明を適用することで、リソグラフィー工程の回数を削減でき、製造工程を簡略化できるため、スループットを向上させることができる。したがって、量産性良く表示装置を製造することができる。
また、レジスト塗布、現像工程等を省略することも可能になるため、基板を回転させる必要がなくなり、大面積基板が処理しやすくなる。さらに、線状レーザビーム、または矩形状レーザビームあるいは円形状レーザビーム等の面積の大きな面状レーザビームを用いる場合は、短時間で複数の領域にレーザビームを照射することが可能になる。その結果、大面積基板に、短時間で多くのパターンを形成することも可能となり、表示装置を量産性良く製造することができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態1乃至6と適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態13)
次に、実施の形態6乃至11によって作製される表示パネルに駆動用のドライバ回路を実装する態様について説明する。
まず、COG方式を採用した表示装置について、図18(A)を用いて説明する。基板2700上には、文字や画像などの情報を表示する画素部2701が設けられる。複数の駆動回路が設けられた基板を、矩形状に分断し、分断後の駆動回路(ドライバICとも表記)2751は、基板2700上に実装される。図18(A)は複数のドライバIC2751、ドライバIC2751の先にFPC2750を実装する形態を示す。また、分割する大きさを画素部の信号線側の辺の長さとほぼ同じにし、単数のドライバICに、該ドライバICの先にテープを実装してもよい。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、図18(B)で示すように複数のテープを貼り付けて、該テープにドライバICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数のドライバICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、ドライバICを固定する金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
これらの表示パネルに実装されるドライバICは、生産性を向上させる観点から、一辺が300mm〜1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。
つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して取り出せばよい。ドライバICの長辺の長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
ドライバICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15mm〜80mmで形成されたドライバICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上にドライバICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
また、図17(B)のように走査線側駆動回路3702は基板上に一体形成される場合、画素部3701の外側の領域には、信号線側の駆動回路が形成されたドライバICが実装される。これらのドライバICは、信号線側の駆動回路である。RGBフルカラーに対応した画素領域を形成するためには、XGAクラスで信号線の本数が3072本必要であり、UXGAクラスでは4800本が必要となる。このような本数で形成された信号線は、画素部3701の端部で数ブロック毎に区分して引出線を形成し、ドライバICの出力端子のピッチに合わせて集められる。
ドライバICは、基板上に形成された結晶質半導体により形成されることが好適であり、該結晶質半導体は連続発振のレーザビームを照射することで形成されることが好適である。従って、当該レーザビームを発生させる発振器としては、連続発振の固体レーザ又は気体レーザを用いる。連続発振のレーザを用いると、結晶欠陥が少なく、大粒径の多結晶半導体層を用いて、トランジスタを作製することが可能となる。また移動度や応答速度が良好なために高速駆動が可能で、従来よりも素子の動作周波数を向上させることができ、特性バラツキが少ないために高い信頼性を得ることができる。なお、さらなる動作周波数の向上を目的として、トランジスタのチャネル長方向とレーザビームの走査方向と一致させるとよい。これは、連続発振レーザによるレーザ結晶化工程では、トランジスタのチャネル長方向とレーザビームの基板に対する走査方向とが概ね並行(好ましくは−30度以上30度以下)であるときに、最も高い移動度が得られるためである。なおチャネル長方向とは、チャネル形成領域において、電流が流れる方向、換言すると電荷が移動する方向と一致する。このように作製したトランジスタは、結晶粒がチャネル方向に延在する多結晶半導体層によって構成される活性層を有し、このことは結晶粒界が概ねチャネル方向に沿って形成されていることを意味する。
レーザ結晶化を行うには、レーザビームの大幅な絞り込みを行うことが好ましく、そのレーザビームの形状(ビームスポット)の幅は、ドライバICの短辺の同じ幅の1mm以上3mm以下程度とすることがよい。また、被照射体に対して、十分に且つ効率的なエネルギー密度を確保するために、レーザビームの照射領域は、線状であることが好ましい。但し、ここでいう線状とは、厳密な意味で線を意味しているのではなく、アスペクト比の大きい長方形もしくは長楕円形を意味する。例えば、アスペクト比が2以上(好ましくは10以上10000以下)のものを指す。このように、レーザビームの形状(ビームスポット)の幅をドライバICの短辺と同じ長さとすることで、生産性を向上させた表示装置の作製方法を提供することができる。
図18(A)、(B)のように走査線駆動回路及び信号線駆動回路の両方として、ドライバICを実装してもよい。その場合には、走査線側と信号線側で用いるドライバICの仕様を異なるものにするとよい。
画素領域は、信号線と走査線が交差してマトリクスを形成し、各交差部に対応してトランジスタが配置される。本実施の形態は、画素領域に配置されるトランジスタとして、非晶質半導体又はセミアモルファス半導体をチャネル部としたTFTを用いることを特徴とする。非晶質半導体は、プラズマCVD法やスパッタリング法等の方法により形成する。セミアモルファス半導体は、プラズマCVD法で300℃以下の温度で形成することが可能であり、例えば、外寸550mm×650mmの無アルカリガラス基板であっても、トランジスタを形成するのに必要な膜厚を短時間で形成するという特徴を有する。このような製造技術の特徴は、大画面の表示装置を作製する上で有効である。また、セミアモルファスTFTは、SASでチャネル形成領域を構成することにより2cm/V・sec〜10cm/V・secの電界効果移動度を得ることができる。このように、システムオンパネル化を実現した表示パネルを作製することができる。また、画素領域に配置されるトランジスタは、本発明を適用して作製することができる。したがって、製造工程が簡略化し、量産性良く表示パネルを作製することができる。
半導体層をSASで形成したTFTを用いることにより、走査線側駆動回路も基板上に一体形成することができる。半導体層をSASで形成したTFTを用いる場合には、走査線側駆動回路及び信号線側駆動回路の両方にドライバICを実装するとよい。
その場合には、走査線側と信号線側で用いるドライバICの仕様を異なるものにすることが好適である。例えば、走査線側のドライバICを構成するトランジスタには30V程度の耐圧が要求されるものの、駆動周波数は100kHz以下であり、比較的高速動作は要求されない。従って、走査線側のドライバを構成するトランジスタのチャネル長(L)は十分大きく設定することが好適である。一方、信号線側のドライバICのトランジスタには、12V程度の耐圧があれば十分であるが、駆動周波数は3Vにて65MHz程度であり、高速動作が要求される。そのため、ドライバを構成するトランジスタのチャネル長などはミクロンルールで設定することが好適である。
ドライバICの実装方法は、特に限定されるものではなく、COG方法やワイヤボンディング方法、或いはTAB方法を用いることができる。
ドライバICの厚さは、対向基板と同じ厚さとすることで、両者の間の高さはほぼ同じものとなり、表示装置全体としての薄型化に寄与する。また、それぞれの基板を同じ材質のもので作製することにより、この表示装置に温度変化が生じても熱応力が発生することなく、TFTで作製された回路の特性を損なうことはない。その他にも、本実施形態で示すようにICチップよりも長尺のドライバICで駆動回路を実装することにより、1つの画素領域に対して、実装されるドライバICの個数を減らすことができる。
以上のようにして、表示パネルに駆動回路を組み入れることができる。
(実施の形態14)
実施の形態6乃至11によって作製される表示パネル(EL表示パネル又は液晶表示パネル)において、半導体層を非晶質半導体、又はSASで形成し、走査線側の駆動回路を基板上に形成する例を示す。
図31は、1cm/V・sec〜15cm/V・secの電界効果移動度が得られるSASを使ったnチャネル型のTFTで構成する走査線側駆動回路のブロック図を示している。
図31において8500で示すブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス出力回路に相当し、シフトレジスタはn個のパルス出力回路により構成される。8501はバッファ回路であり、その先に画素8502が接続される。
図32は、パルス出力回路8500の具体的な構成を示したものであり、nチャネル型のTFT8601〜8612で回路が構成されている。このとき、SASを使ったnチャネル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チャネル長を8μmとすると、チャネル幅は10〜80μmの範囲で設定することができる。
また、バッファ回路8501の具体的な構成を図33に示す。バッファ回路も同様にnチャネル型のTFT8620〜8635で構成されている。このとき、SASを使ったnチャネル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チャネル長を10μmとすると、チャネル幅は10μm〜1800μmの範囲で設定することとなる。
このような回路を実現するには、TFT相互を配線によって接続する必要がある。
以上のようにして、表示パネルに駆動回路を組み入れることができる。
(実施の形態15)
本実施の形態について図10を用いて説明する。図10は、本発明を適用して作製されるTFT基板2800を用いてEL表示モジュールを構成する一例を示している。図10において、TFT基板2800上には、画素により構成された画素部が形成されている。
図10では、画素部の外側であって、駆動回路と画素との間に、画素に形成されたものと同様なTFT又は画素に形成されたものと同様なTFTのゲート電極層とソース電極層若しくはドレイン電極層の一方とを接続してダイオードと同様に動作させた保護回路部2801が備えられている。駆動回路2809は、単結晶半導体で形成されたドライバIC、ガラス基板上に多結晶半導体層で形成されたスティックドライバIC、若しくはSASで形成された駆動回路などが適用されている。
TFT基板2800は、液滴吐出法で形成されたスペーサ2806a、スペーサ2806bを介して封止基板2820と固着されている。スペーサは、基板の厚さが薄く、また画素部の面積が大型化した場合にも、2枚の基板の間隔を一定に保つために設けておくことが好ましい。TFT2802、TFT2803とそれぞれ接続する発光素子2804、発光素子2805上であって、TFT基板2800と封止基板2820との間にある空隙には少なくとも可視領域の光に対して透光性を有する樹脂材料を充填して固体化しても良いし、無水化した窒素若しくは不活性気体を充填させても良い。
図10では発光素子2804、発光素子2805を上方放射型(トップエミッション型)の構成とした場合を示し、図中に示す矢印の方向に光を放射する構成としている。各画素は、画素を赤色、緑色、青色として発光色を異ならせておくことで、多色表示を行うことができる。また、このとき封止基板2820側に各色に対応した着色層2807a、着色層2807b、着色層2807cを形成しておくことで、外部に放射される発光の色純度を高めることができる。また、画素を白色発光素子として着色層2807a、着色層2807b、着色層2807cと組み合わせても良い。
外部回路である駆動回路2809は、外部回路基板2811の一端に設けられた走査線若しくは信号線接続端子と、配線基板2810で接続される。また、TFT基板2800に接して若しくは近接させて、熱を機器の外部へ伝えるために使われる、パイプ状の高効率な熱伝導デバイスであるヒートパイプ2813と放熱板2812を設け、放熱効果を高める構成としても良い。
なお、図10では、トップエミッショ型のEL表示モジュールとしたが、発光素子の構成や外部回路基板の配置を変えてボトムエミッション構造、又は上面及び下面両方から光が放射する両方放射構造としても良い。トップエミッション型の構成の場合、隔壁となる絶縁層を着色しブラックマトリクスとして用いてもよい。この隔壁は液滴吐出法により形成することができ、ポリイミドなどの樹脂材料に、顔料系の黒色樹脂やカーボンブラック等を混合させて形成すればよく、その積層でもよい。
また、EL表示モジュールは、位相差板や偏光板を用いて、外部から入射する光の反射光を遮断するようにしてもよい。また上方放射型の表示装置ならば、隔壁となる絶縁層を着色しブラックマトリクスとして用いてもよい。この隔壁は液滴吐出法などによっても形成することができ、顔料系の黒色樹脂や、ポリイミドなどの樹脂材料に、カーボンブラック等を混合させてもよく、その積層でもよい。液滴吐出法によって、異なった材料を同領域に複数回吐出し、隔壁を形成してもよい。位相差板としてはλ/4板又はλ/2板を用い、光を制御できるように設計すればよい。構成としては、TFT素子基板側から順に、発光素子、封止基板(封止材)、位相差板(λ/4板、又はλ/2板)、偏光板という構成になり、発光素子から放射された光は、これらを通過し偏光板側より外部に放射される。この位相差板や偏光板は光が放射される側に設置すればよく、両方放射される両方放射型の表示装置であれば両方に設置することもできる。また、偏光板の外側に反射防止膜を有していても良い。これにより、より高繊細で精密な画像を表示することができる。
TFT基板2800において、画素部が形成された側にシール材や接着性の樹脂を用いて樹脂フィルムを貼り付けて封止構造を形成してもよい。本実施の形態では、ガラス基板を用いるガラス封止を示したが、樹脂による樹脂封止、プラスチックによるプラスチック封止、フィルムによるフィルム封止、など様々な封止方法を用いることができる。樹脂フィルムの表面には水蒸気の透過を防止するガスバリア膜を設けておくと良い。フィルム封止構造とすることで、さらなる薄型化及び軽量化を図ることができる。
本発明を適用して作製したTFT基板等を備えた表示装置は、工程が一部簡略化し、その製造においてスループットが向上する。したがって、量産性良く表示モジュールを製造することが可能になる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至9、実施の形態13、14と適宜組み合わせて用いることが可能である。
(実施の形態16)
本実施の形態を図28(A)及び図28(B)を用いて説明する。図28(A)、図28(B)は、本発明を適用して作製されるTFT基板2600を用いて液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
図28(A)は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間に画素部2603と液晶層2604が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
図28(B)は図28(A)の液晶表示モジュールにOCBモードを適用した一例であり、FS−LCD(Field sequential−LCD)となっている。FS−LCDは、1フレーム期間に赤色発光と緑色発光と青色発光をそれぞれ行うものであり、時間分割を用いて画像を合成しカラー表示を行うことが可能である。また、各発光を発光ダイオードまたは冷陰極管等で行うので、カラーフィルタが不要である。よって、3原色のカラーフィルタを並べ、各色の表示領域を限定する必要がなく、どの領域でも3色全ての表示を行うことができる。一方、1フレーム期間に3色の発光を行うため、液晶の高速な応答が求められる。本発明の表示装置に、FS方式を用いたFLCモード、及びOCBモードを適用し、高性能で高画質な表示装置、また液晶テレビジョン装置を完成させることができる。
OCBモードの液晶層は、いわゆるπセル構造を有している。πセル構造とは、液晶分子のプレチルト角がアクティブマトリクス基板と対向基板との基板間の中心面に対して面対称の関係で配向された構造である。πセル構造の配向状態は、基板間に電圧が印加されていない時はスプレイ配向となり、電圧を印加するとベンド配向に移行する。このベンド配向が白表示となる。さらに電圧を印加するとベンド配向の液晶分子が両基板と垂直に配向し、光が透過しない状態となる。なお、OCBモードにすると、従来のTNモードより約10倍速い高速応答性を実現できる。
また、FS方式に対応するモードとして、高速動作が可能な強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)を用いたHV(Half V)−FLC、SS(Surface Stabilized)−FLCなども用いることができる。OCBモードは粘度の比較的低いネマチック液晶を用い、HV−FLC、SS−FLCには、強誘電相を有するスメクチック液晶を用いることができる。
また、液晶表示モジュールの高速光学応答速度は、液晶表示モジュールのセルギャップを狭くすることで高速化する。また液晶材料の粘度を下げることでも高速化できる。上記高速化は、TNモードの液晶表示モジュールの画素領域の画素ピッチが30μm以下の場合に、より効果的である。また、印加電圧を一瞬だけ高く(または低く)するオーバードライブ法により、より高速化が可能である。
図28(B)の液晶表示モジュールは透過型の液晶表示モジュールを示しており、光源として赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cが設けられている。光源は赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cのそれぞれオンオフを制御するために、制御部2912が設置されている。制御部2912によって、各色の発光は制御され、液晶に光は入射し、時間分割を用いて画像を合成し、カラー表示が行われる。
以上に示す液晶表示モジュールは、本発明を適用して作製したTFT基板等を用いている。したがって、一部工程を簡略化することができ、スループットも向上するため、量産性良く製造することができる。また、フォトレジストを用いたリソグラフィー工程の回数を削減できるため、高信頼性の液晶表示モジュールを作製することができる。
本実施の形態は、実施の形態1乃至6、実施の形態10、11と適宜組み合わせて用いることが可能である。
(実施の形態17)
本発明によって形成される表示装置によって、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)を完成させることができる。図30はテレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図を示している。
図17(A)は本発明に係る表示パネルの構成を示す上面図であり、絶縁表面を有する基板2700上に画素2702をマトリクス状に配列させた画素部2701、走査線側入力端子2703、信号線側入力端子2704が形成されている。画素数は種々の規格に従って設ければ良く、XGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1024×768×3(RGB)、UXGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1600×1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させ、RGBを用いたフルカラー表示であれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
画素2702は、走査線側入力端子2703から延在する走査線と、信号線側入力端子2704から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素部2701の画素それぞれには、スイッチング素子とそれに接続する画素電極層が備えられている。スイッチング素子の代表的な一例はTFTであり、TFTのゲート電極層側が走査線と、ソース若しくはドレイン側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から入力する信号によって独立して制御可能としている。
図17(A)は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する表示パネルの構成を示しているが、図18(A)に示すように、COG(Chip on Glass)方式によりドライバIC2751を基板2700上に実装しても良い。また他の実装形態として、図18(B)に示すようなTAB(Tape Automated Bonding)方式を用いてもよい。ドライバICは単結晶半導体基板に形成されたものでも良いし、ガラス基板上にTFTで回路を形成したものであっても良い。図18において、ドライバIC2751は、FPC(Flexible printed circuit)2750と接続している。
また、画素に設けるTFTを結晶性を有する半導体で形成する場合には、図17(B)に示すように走査線側駆動回路3702を基板3700上に形成することもできる。図17(B)において、画素部3701は、信号線側入力端子3704と接続した図17(A)と同様に外付けの駆動回路により制御する。画素に設けるTFTを移動度の高い、多結晶(微結晶)半導体、単結晶半導体などで形成する場合は、図17(C)に示すように、画素部4701、走査線駆動回路4702と、信号線駆動回路4704を基板4700上に一体形成することもできる。
表示パネルには、図17(A)で示すような構成として、図30において、画素部9011のみが形成されて走査線側駆動回路9013と信号線側駆動回路9012とが、図18(B)のようなTAB方式により実装される場合と、図18(A)のようなCOG方式により実装される場合と、図17(B)に示すようにTFTを形成し、画素部9011と走査線側駆動回路9013を基板上に形成し信号線側駆動回路9012を別途ドライバICとして実装する場合、また図17(C)で示すように画素部9011と信号線側駆動回路9012と走査線側駆動回路9013を基板上に一体形成する場合などがあるが、どのような形態としても良い。
図30において、その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ9014で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路9015と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路9016と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路9017などからなっている。コントロール回路9017は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路9018を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ9014で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路9019に送られ、その出力は音声信号処理回路9110を経てスピーカー9113に供給される。制御回路9111は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部9112から受け、チューナ9014や音声信号処理回路9110に信号を送出する。
これらの表示モジュールを、図16(A)、(B)に示すように、筐体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。表示モジュールとして液晶表示モジュールを用いれば液晶テレビジョン装置、ELモジュールを用いればELテレビジョン装置、またプラズマテレビジョン、電子ペーパーなども作製することができる。図16(A)において、表示モジュールにより主画面2403が形成され、その他付属設備としてスピーカー部2409、操作スイッチなどが備えられている。このように、本発明によりテレビジョン装置を完成させることができる。
図16(A)において、筐体2401に表示用パネル2402が組みこまれ、受信機2405により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム2404を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン装置2406により行うことが可能であり、このリモコン装置にも出力する情報を表示する表示部2407が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面2403の他にサブ画面2408を第2の表示用パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成において、主画面2403及びサブ画面2408を本発明の液晶表示用パネルで形成することができる。また、主画面2403を視野角の優れたEL表示用パネルで形成し、サブ画面を低消費電力で表示可能な液晶表示用パネルで形成しても良い。また、低消費電力化を優先させるためには、主画面2403を液晶表示用パネルで形成し、サブ画面をEL表示用パネルで形成し、サブ画面は点滅可能とする構成としても良い。本発明を用いると、このような大面積基板を用いて、多くのTFTや電子部品を用いても、信頼性の高い表示装置とすることができる。
図16(B)は例えば20インチ〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり、筐体2410、表示部2411、操作部であるリモコン装置2412、スピーカー部2413等を含む。本発明は、表示部2411の作製に適用される。図16(B)のテレビジョン装置は、壁かけ型となっており、設置するスペースを広く必要としない。
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
本発明を適用して、表示装置のTFT等を作製することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く表示装置を製造することが可能になる。
本実施の形態は、上記の実施の形態1乃至16と適宜自由に組み合わせることができる。
(実施の形態18)
本発明に係る電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニタ、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図20を参照して説明する。
図20(A)に示す携帯情報端末機器は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。表示部9202は、本発明に係る表示装置を適用することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く、携帯情報端末機器を製造することができる。
図20(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含んでいる。表示部9701は本発明に係る表示装置を適用することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く、デジタルビデオカメラを製造することができる。
図20(C)に示す携帯電話機は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示部9102は、本発明に係る表示装置を適用することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く、携帯電話機を製造することができる。
図20(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含んでいる。表示部9302は、本発明に係る表示装置を適用することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く、携帯型のテレビジョン装置を製造することができる。またテレビジョン装置としては、携帯電話機などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広いものに、本発明に係る表示装置を適用することができる。
図20(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んでいる。表示部9402は、本発明に係る表示装置を適用することができる。その結果、簡略化した工程で作製できるため、量産性良く、携帯型のコンピュータを製造することができる。
このように、本発明に係る表示装置により、量産性良く電子機器を提供することができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態1乃至17と適宜自由に組み合わせることができる。
本実施例では、本発明を適用して作製した逆スタガ型トランジスタの特性について説明する。まず、測定に用いたトランジスタの作製方法について説明する。
図35(A)に示すように、ガラス基板7000上に窒化酸化シリコン層7002(層厚50nm)、酸化窒化シリコン層7004(層厚100nm)、タングステン層7006(層厚100nm)、窒化シリコン層7008(層厚300nm)、第1アモルファスシリコン層7010(膜厚150nm)、リンが添加された第2アモルファスシリコン層7012(膜厚50nm)、モリブデン層7014(膜厚200nm)、ポリイミド層7016(膜厚100nm)を順に積層した積層構造を設けた。なお、窒化酸化シリコン層7002及び酸化窒化シリコン層7004は下地絶縁層を形成し、窒化シリコン層7008はゲート絶縁層を形成する。第1アモルファスシリコン層7010は、後にチャネルを形成する領域を含む半導体層を形成する。第2アモルファスシリコン層7012は、チャネルを形成する半導体層とソース電極又はドレイン電極とのオーミック接触を良好にする半導体層として機能する。また、タングステン層7006はゲート電極を形成し、モリブデン層7014はソース電極又はドレイン電極を形成する。ポリイミド層7016は、光吸収層を形成する。
前記ガラス基板7000上に形成された積層構造に、フォトマスク7108を介してレーザビーム7104を照射した。レーザビーム7104としては、エキシマレーザを適用してエネルギー密度250mJ/cm程度のものを照射した。なお、フォトマスク7108は、レーザビーム7104の透過領域7100と、レーザビーム7104の遮光領域7102とで所望のパターンが形成されたものを用いた。また、本実施例では、ソース電極又はドレイン電極を形成するためのマスクパターンが形成されたフォトマスク7108を用いた。レーザビーム7104は、フォトマスク7108の透過領域7100を透過し、ポリイミド層7016に吸収される。
図35(B)に示すように、レーザビーム7104の到達した領域でポリイミド層7016はレーザアブレーションされ、ポリイミド層7016b、7016cが形成された。ここで、残存するポリイミド層7016b、7016cは、フォトマスク7108のパターン、具体的には遮光領域7102に対応する。
図35(C)に示すように、ポリイミド層7016b、7016cをマスクとしてモリブデン層7014をエッチングして、ゲート電極として機能するモリブデン層7014b、7014cを形成した。モリブデン層のエッチングは、混酸アルミ液を用いて行った。所望のモリブデン層7014b、7014cを形成した後、ポリイミド層7016b、7016cは除去した。
図35(D)に示すように、モリブデン層7014b、7014cをマスクとして第2アモルファスシリコン層7012をエッチングし、第2アモルファスシリコン層7012b、7012cを形成した。
図35(E)に示すように、第1アモルファスシリコン層7010を選択的にエッチングして島状の第1アモルファスシリコン層7010bを形成した。そして、ガラス基板7000周辺部の窒化シリコン層7008をエッチングして、窒化シリコン層7008bを形成した。以上で、本実施例の逆スタガ型トランジスタを得た。なお、逆スタガ型トランジスタは、チャネル長Lを9μm、チャネル幅Wを146μmとなるように形成した。また、ゲート絶縁層(窒化シリコン層7008b)の膜厚は300nmとした。
上記逆スタガ型トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧(I−V)特性、及び電界効果移動度−ゲート電圧(μFE−V)特性を測定した結果を図36に示す。ここで、I−V特性を示すグラフは、縦軸は電流(A)を示し、横軸は電圧(V)を示す。また、μFE−V特性を示すグラフは、縦軸は移動度(cm/Vs)を示し、横軸は電圧(V)を示す。測定は、ドレイン電圧(V)は1V又は15Vとし、ゲート電圧(V)を−20V乃至30Vまで変動させて行った。
図36において、V=1Vの条件のI−V特性をY、μFE−V特性をY’に示す。また、V=15Vの条件のI−V特性をX、μFE−V特性をX’に示す。図36から、電界効果移動度は0.40cm/Vsであり、しきい値電圧は4.20Vであることがわかった。
本発明を説明する概念図。 本発明を説明する概念図。 本発明に適用できるレーザ照射装置の構成例を示す図。 本発明を説明する概念図。 本発明の半導体装置の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の表示モジュールの例を示す図。 本発明の表示装置の作製方法の例を示す図。 本発明の表示装置の作製方法の例を示す図。 本発明に適用できる発光素子の構成を示す図。 本発明に適用できる発光素子の構成を示す図。 本発明に適用できる発光素子の構成を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明の表示装置の上面図。 本発明の表示装置の上面図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明の表示モジュールの構成例を示す図。 本発明の表示装置の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の主要な構成を示すブロック図。 本発明の表示装置の回路構成の例を示す図。 本発明の表示装置の回路構成の例を示す図。 本発明の表示装置の回路構成の例を示す図。 本発明を説明する概念図。 本発明を適用したトランジスタの作製方法の例を示す図。 本発明を適用したトランジスタの特性を示す図。
符号の説明
100 基板
102 被加工層
104 光吸収層
108 フォトマスク
110 透過領域
112 遮光領域
114 レーザビーム

Claims (10)

  1. 被加工層を形成し、
    前記被加工層上に光吸収層を形成し、
    フォトマスクを介して前記光吸収層にレーザビームを照射して、前記光吸収層の照射領域を除去し、
    残存した前記光吸収層をマスクとして前記被加工層をエッチングすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 被加工層を形成し、
    前記被加工層上に光吸収層を形成し、
    フォトマスクを介して前記光吸収層にレーザビームを照射して、前記光吸収層の照射領域を除去し、
    残存した前記光吸収層をマスクとして前記被加工層をエッチングし、テーパ形状を有する層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項2において、
    前記エッチングは、ウェットエッチング法、又はドライエッチング法及びウェットエッチング法を組み合わせて用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 被加工層を形成し、
    前記被加工層上に光吸収層を形成し、
    フォトマスクを介して前記光吸収層にレーザビームを照射して、前記光吸収層の照射領域を除去し、
    残存した前記光吸収層をマスクとして前記被加工層をエッチングし、垂直形状を有する層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項4において、
    前記エッチングは、ドライエッチング法を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記被加工層は、導電材料又は半導体材料を用いて形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記光吸収層は、前記レーザビームを吸収する材料を用いて形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記光吸収層は、導電材料、半導体材料、又は絶縁材料を用いて形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記光吸収層は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つの元素を用いて形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
    前記フォトマスクは、前記レーザビームを透過する領域と、前記レーザビームを遮光する領域とを有するマスクを用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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