JP2008078154A - モジュラコネクタ - Google Patents

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太 西村
Hirohisa Okuno
裕寿 奥野
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Abstract

【課題】モジュラプラグとの組合せにおいて、広周波数帯域に亘って漏話成分及び反射成分を低減させる高速伝送用のモジュラコネクタを提供する。
【解決手段】モジュラコネクタ1は、プラグ挿入口2が開口したハウジング3内部に導電路と各導電路に接続された導体パターンからなり導電路間に容量性結合を生じさせるキャパシタンス要素とを有する。導電路同士を平行に近接させたコンタクトリード部における導電路の間隔とコンタクトリード部の長さとを設定要素とする構成と、1本の導電路と複数のキャパシタンス要素との接続位置間の導電路の長さを適切に設定する構成とを単独で、又は組み合わせて利用することで、モジュラコネクタ1において発生する漏話成分の大きさと位相との周波数特性をモジュラプラグにおいて発生する漏話成分に対応させ、モジュラプラグと組み合わせた状態における漏話を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として情報通信に使用されるモジュラコネクタに関するものである。
情報通信に使用されるモジュラコネクタとして、例えば図14に示すようなものがある。このモジュラコネクタ1はモジュラプラグが挿入されるプラグ挿入口2が設けられたハウジング3と、モジュラプラグの接触子に弾接する8本のコンタクトピン6とを備え、コンタクトピン6はハウジング3に収納された基板5に接続されている。ここで、コンタクトピンはプラグ挿入口2内部の奥の図14における下部に載置されたプリント基板から下向きに延び前方へ曲がってプラグ挿入口2の下部を通過して上向きにU字状に曲がりプラグ挿入口2内部の入り口付近からプラグ挿入口2の奥に向かって上向きに互いに平行に延びた構造である。
しかし、このようなモジュラコネクタ及びモジュラコネクタと組み合わせて使用されるモジュラプラグは複数の伝送線が互いに接近して平行に並べられているという構造上、回線間の静電容量不平衡(以下、容量性結合)及び相互誘導(以下、誘導性結合)によって回線を伝送する信号中に漏話成分が発生しやすい。ここで漏話成分は大きさと位相で定義される電気信号成分であり、その特性は周波数に依存する。漏話成分には信号の伝播方向に現れる遠端漏話成分と、その反対方向に現れる近端漏話成分とがある。
さらなる大容量高速通信の実現のためには、信号中において伝送の障害となる漏話成分及び反射成分を低減させることが重要である。モジュラコネクタとモジュラプラグを組み合わせた状態においてトータルの漏話成分を低減するためには、モジュラプラグにおいて発生した漏話成分を打ち消す漏話成分をモジュラコネクタにおいて意図的に発生させることが考えられる。具体的には、伝送線間に容量性結合又は誘導性結合を発生させる構成をモジュラとケーブルの接続部に組み込むという手法が採用されている。例えば、先に示した図14のモジュラコネクタ1においては、図15に示すように基板5上の配線を互いに近接させることにより誘導性結合を発生させている。また、特開平6−243937や特開平06−84562には、伝送対間への静電容量の付加や導体の交差によって近端漏話成分を低減する方法が開示されている。この技術は、近端漏話成分の低減において一応の効果を奏している。
特開平6−243937号公報 特開平06−84562号公報
しかし、誘導性結合のみを利用して補正する方法は近端漏話成分または遠端漏話成分のいずれか一方を低減させるかわりもう一方を増大させるという問題があり、容量性結合のみを利用する方法は、1組の対間のみに適用するには有効であるが、それ以上の対の組み合わせを補償する場合に別の対間にも影響するという問題がある。また、伝送対を構成する導体間で長さが異なったり、伝送対を構成する導体間の距離が離れてしまうと反射成分を増大させることにもなる。
すなわち、モジュラプラグにおいて発生する漏話成分の大きさと位相の周波数特性(以下、漏話特性)に対して、広周波数帯域にわたってモジュラコネクタの漏話特性を十分に対応させ、モジュラプラグとの組合せにおける漏話を有効に低減させることができない場合があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、モジュラコネクタ内部において伝送対間に発生する漏話成分の大きさと位相とがモジュラプラグ内部において伝送対間に発生する漏話成分の大きさと位相とに広周波数帯域にわたって対応し、モジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することができるモジュラコネクタを提供することにある。
請求項1の発明は、モジュラプラグを挿入するプラグ挿入口が開口するハウジングと、前記ハウジングの内壁に取り付けられた基板と、前記プラグ挿入口の中に配設され複数の伝送対を構成し前記基板に接続されモジュラプラグの接触子に弾接する複数本のコンタクトピンと、前記ハウジングに設けた端子台に配設され各コンタクトピンに夫々対応する複数の端子板とを備え、前記基板には前記コンタクトピンと対応する前記端子板とを夫々電気的に接続する導電路と、前記導電路に接続され少なくとも2つの前記導電路の間に誘導性結合を生じさせる誘導性結合手段と、少なくとも2つの前記導電路の間に容量性結合を生じさせる容量性結合手段とを備え、前記各導電路の一部には前記誘導性結合手段として他のいずれかの導電路と平行に近接したコンタクトリード部が設けられているモジュラコネクタにおいて、前記基板は、導体層が3層以上の多層基板より成り、前記コンタクトリード部は、同一導体層上に配設された導電路同士から構成されるとともに、任意の異なる導体層に配設された導電路同士から構成され、前記容量性結合手段として前記導電路に接続された導体パターンより成る複数のキャパシタンス要素を有し、伝送対を構成する1対の導電路に接続された夫々の導体パターンが異なる導体層に重ねて配置されていることを特徴とする。
請求項1の発明は、モジュラプラグを挿入するプラグ挿入口が開口するハウジングと、前記ハウジングの内壁に取り付けられた基板と、前記プラグ挿入口の中に配設され複数の伝送対を構成し前記基板に接続されモジュラプラグの接触子に弾接する複数本のコンタクトピンと、前記ハウジングに設けた端子台に配設され各コンタクトピンに夫々対応する複数の端子板とを備え、前記基板には前記コンタクトピンと対応する前記端子板とを夫々電気的に接続する導電路と、前記導電路に接続され少なくとも2つの前記導電路の間に誘導性結合を生じさせる誘導性結合手段と、少なくとも2つの前記導電路の間に容量性結合を生じさせる容量性結合手段とを備え、前記各導電路の一部には前記誘導性結合手段として他のいずれかの導電路と平行に近接したコンタクトリード部が設けられているモジュラコネクタにおいて、前記基板は、導体層が3層以上の多層基板より成り、前記コンタクトリード部は、同一導体層上に配設された導電路同士から構成されるとともに、任意の異なる導体層に配設された導電路同士から構成され、前記容量性結合手段として前記導電路に接続された導体パターンより成る複数のキャパシタンス要素を有し、伝送対を構成する1対の導電路に接続された夫々の導体パターンが異なる導体層に重ねて配置されているので、導体間の三次元的な容量性結合を利用することにより、場所を取らずに多くの対間に容量性結合を生じさせることができるので信号の周波数毎に発生する漏話成分の位相と大きさとを高い自由度で設定することができ、したがって広周波数帯域に亘ってモジュラプラグとの組合せにおける漏話の低減が可能となる。また、伝送対を構成する1対の導電路間に容量性結合を生じさせておけば特に容積を占める事無く反射成分を低減することが可能となる。
(実施形態1)
本実施例のモジュラコネクタ1は8極8心用であって、図1乃至図2に示すようにモジュラプラグ(図示せず)を挿入するプラグ挿入口2が開口するハウジング3を備える。ハウジング3においてプラグ挿入口2の背面側上部には端子台4が設けられていて、端子台4の下部には基板5が配設されている。プラグ挿入口2の内部には、モジュラプラグの接触子(図示せず)に弾接する4対のコンタクトピン6を備えている。コンタクトピン6は、図2乃至図3に示すようにプラグ挿入口2の背面側の基板5上に設けられたコンタクトピン支持部7に支持されている。端子台4にはコンタクトピン6と1対1対応した8つの端子板8が立設されている。基板5には各コンタクトピン6と電気的に接続されたビアホール12と、各端子板8と電気的に接続されたビアホール13とが設けられている。また、基板5にはビアホール12と対応するビアホール13とを電気的に接続する導電路9が導体パターンによって形成されている。図5及び図6に示すように、望ましくない誘導性結合の発生を抑制するため導電路9は基板5の表面5Aと裏面5Bとに分けて形成されている。さらに、基板5には一部の導電路9にのみ接続されるビアホール14が設けられている。
以下において、コンタクトピン6、導電路9、ビアホール12、ビアホール13、ビアホール14の電気的に接続されたものについてはそれぞれ同じ符号a,b,c,d,e,f,g,hを番号の後に付すものとする。ここで、番号の後に付した符号においては、aとb、cとf、dとe、gとhが夫々伝送対を構成している。
図1乃至図4に示すようにコンタクトピン6はプラグ挿入口2の入り口付近に一端を固定され、挿入口2の内側に向かって平行に延びる。その後コンタクトピン6のうちチップ線に接続される4本であるコンタクトピン6a,6c,6e,6gは1回曲がってコンタクトピン支持部7に支持されコンタクトピン支持部7から2mm程度後方において90度下向きに曲げられてそれぞれ対応するビアホール12a,12c,12e,12gに通され、コンタクトピン6のうちリング線に接続される4本であるコンタクトピン6b,6d,6f,6hは2回曲がってコンタクトピン6a,6c,6e,6gより低い位置でコンタクトピン支持部7に支持されコンタクトピン支持部7近傍において90度下向きに曲げられてそれぞれ対応するビアホール12b,12d,12f,12hに通されている。したがってビアホール12は側面から見て千鳥状の配置になっており、チップ線に対応するビアホール12a,12c,12e,12gとリング線に対応するビアホール12b,12d,12f,12hとが前後に離されている。
図5及び図6に示すように、導電路9は2本以上の導電路9同士が平行に近接していることにより誘導性結合を生じているコンタクトリード部10を有する。図5及び図6において斜線で示されている部分がコンタクトリード部10である。
コンタクトリード部10の存在によって、表面5Aにおいては導電路9a,9c間及び導電路9f,9h間に、裏面5Bにおいては導電路9b,9e間及び導電路9d,9g間に誘導性結合が生じている。これが、いわゆる同一導体層上に配設された導電路同士から構成されるコンタクトリード部である。また、導電路9c,9fの対と導電路9d,9eの対では、対をなす2本の導電路9が異なる上下の平面に配置されており、伝送対のうちのチップ線に対応したチップ導体同士である導電路9c,9e及びリング線に対応したリング導体同士である導電路9d,9fが基板5を挟んで平行に近接していることでそれら導電路9の組の間にも誘導性結合が生じている。これが、いわゆる異なる導体層に配設された導電路同士から構成されてコンタクトリード部である。
また基板5は多層基板であって内層面5Cを有する。内層面5Cにおいては図7に示すようにビアホール12cに接続された導電パターンと、ビアホール12eに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Aを形成し、ビアホール12aに接続された導電パターンとビアホール12cに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Cを形成している。また、ビアホール14cに接続された導電パターンと、ビアホール14dに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Bを形成している。すなわち、キャパシタンス要素11A,11B,11Cによって導電路9c,9e間、導電路9c,9d間、導電路9a,9c間にそれぞれ容量性結合が生じる。このとき、キャパシタンス要素11Aは、コンタクトピン6と導電路9との接続部分であるビアホール12c及びビアホール12eから直接導体パターンによって形成されている。また、キャパシタンス要素11Cは、ビアホール12c及びビアホール12aから直接導体パターンによって形成されている。こうすることによって、モジュラコネクタにおけるよりモジュラプラグに近い部分で、プラグで発生した漏話成分を打ち消す漏話成分を意図的に発生させることができ、強いてはプラグで発生した漏話成分とこれを打ち消す漏話成分との位相のずれを低減できるので、モジュラプラグと組合せにおける漏話を効率よく低減できる。
キャパシタンス要素11Aと導電路9cとの接続位置からキャパシタンス要素11Bと導電路9cとの接続位置までの導電路9cにおいて発生する位相遅れを利用し、前記接続位置間の導電路9cの長さを選ぶことによってモジュラコネクタ1において発生する漏話成分の位相の周波数特性を設定することができ、したがってモジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することが可能となる。
また、コンタクトリード部10の長さと、コンタクトリード部10における導電路9の間隔とを設計時のパラメータとして適切に選ぶことにより、モジュラコネクタ1における漏話成分の大きさと位相とをモジュラプラグにおいて発生する漏話成分に対応させることが可能となり従ってモジュラプラグと組み合わせた状態における漏話を低減することができる。
さらに、上で述べたキャパシタンス要素11A,11B,11Cの設計による容量性結合の調整とコンタクトリード部10の設計による誘導性結合の調整とを組み合わせて利用することにより、モジュラコネクタ1において発生する漏話成分の大きさと位相とを広周波数帯域に亘ってモジュラプラグにおいて発生する漏話成分に対応させることが可能となり従ってモジュラプラグと組み合わせた状態における漏話を低減することができる。
容量性結合又は誘導性結合を発生する導電路9a〜9fの組合せについて、漏話成分又は反射成分の低減に効果があれば特に制限はない。キャパシタンス要素11A,11B,11Cは同様の作用を持つ他の素子に置き換えてもよい。
(実施形態2)
本実施形態においては、実施形態1と同様の構成の他、基板5に第2の内層面5Dを有する。図8に示すように、内層面5Dにおいてはビアホール12dに接続された導電パターンと、ビアホール12fに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Dを形成し、ビアホール12eに接続された導電パターンとビアホール12fに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Eを形成している。また、ビアホール14fに接続された導電パターンと、ビアホール14hに接続された導電パターンとがキャパシタンス要素11Fを形成している。すなわち、キャパシタンス要素11D,11E,11Fによって導電路9d,9fの間、導電路9e,9fの間、導電路9f,9hの間に夫々容量性結合が生じる。
ここで、導電路9c,9eの間に容量性結合を生じさせるキャパシタンス要素11Aと導電路9d,9fの間に容量性結合を生じさせるキャパシタンス要素11Dとにおいては、ビアホール12cに接続された導体パターンとビアホール12fに接続された導体パターンとがプリント基板を挟んで対応した位置にあり、またビアホール12eに接続された導体パターンとビアホール12dに接続された導体パターンとがプリント基板を挟んで対応した位置にある。キャパシタンス要素11B,11Eでも同様に、ビアホール14cに接続された導体パターンとビアホール14fに接続された導体パターンとがプリント基板を挟んで対応した位置にあり、またビアホール14eに接続された導体パターンとビアホール14dに接続された導体パターンとが基板を挟んで対応した位置にある。
伝送対をなす導電路9c,9fの間及び導電路9e,9dの間に並列に容量性結合が生じ、導電路9c,9fを含む伝送対と導電路9e,9dを含む伝送対との特性インピーダンスを整合させる効果が生じるので広周波数帯域に亘って反射を低減することができる。
また、キャパシタンス要素11Aと導電路9cとの接続位置であるビアホール12cからキャパシタンス要素11Bに接続されたビアホール14cと導電路9cとの接続位置までの導電路9cにおいて発生する位相遅れと、キャパシタンス要素11Dと導電路9fとの接続位置であるビアホール12fからキャパシタンス要素11Eに接続されたビアホール14fと導電路9fとの接続位置までの導電路9fにおいて発生する位相遅れとを利用し、前記接続位置間の導電路9c,9fの長さまたは導電路9c,9fと対応するビアホール14c,14fとの接続位置を設定することによってモジュラコネクタ1において発生する漏話成分の位相の周波数特性を設定することができ、したがってモジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することが可能となる。
容量性結合手段または誘導性結合手段を付加する導電路9a〜9fの組合せについて、漏話成分又は反射成分の低減に効果があれば特に制限はない。
(実施形態3)
本実施形態において、基板5は多層基板ではなく内層面を有さない通常のプリント基板であり、ビアホール14は設けられていない。本実施例に用いる基板5の厚さは実施形態1における基板5よりも薄く、誘導性結合によって生じる漏話の大きさが実施形態1と同じになるように導電路9a〜9fの配置を調整してある。図9は、本実施例における基板5の2層に形成された導電路9a〜9fの配置を1つの図に合成して示している。この他の構成は実施形態1と同様である。
図9を図5及び図6と比較すると、2つの平面間の距離が短くなったかわりにコンタクトリード部10の平行配線長を短くしてある。これにより、コンタクトリード部10における誘導性結合によって生じる漏話成分の大きさが同じであるにも関わらず、コンタクトリード部10における誘導性結合によって生じる漏話成分の位相は変化する。
このようにコンタクトリード部10における導電路9間の距離とコンタクトリード部10の長さとを調整することによって誘導性結合によって生じる漏話信号の大きさを変化させずに位相のみを変化させることができる。即ち、設計上で対応させることが可能なモジュラプラグの漏話特性の自由度が高い。
なお、導電路9a〜9f間に容量性結合手段を備えていてもよい。さらに、コンタクトリード部10を形成する導電路9a〜9fの組合せについて、漏話成分又は反射成分の低減に効果があれば特に制限はない。
(実施形態4)
本実施形態は、基板5が3層以上の導体層からなる多層基板であり、コンタクトリード部が、同一導体層上及び任意の異なる導体層に配設された導電路同士から構成されている一例を示すものである。実施形態1では、基板5の表面5A及び裏面5Bにおいて基板の厚み方向に、いわゆる異なる導体層からなるコンタクトリード部が設けられていたが、本実施形態では、図10から図13に示すように、4層の導体層面50A、50B、50C、50Dからなる多層基板50の導体層面50Bと50Cにおいて基板の厚み方向に異なる導体層からなるコンタクトリード部を設けている。ここで、4層の導体層面を50Aから順に第1層面、…とする。なお、図10から図13は、キャパシタンス要素として、実施形態1及び実施形態2のキャパシタンス要素11A…と同様の作用を持つプレート状の導体パターンを用いている。また、斜線で示されている部分がコンタクトリード部10である。
コンタクトリード部10の存在によって、導体層面50Bにおいては導電路9a,9c間及び導電路9f,9h間に、導体層面50Cにおいては導電路9b,9e間及び導電路9d,9g間に誘導性結合が生じている。これが、いわゆる同一導体層上に配設された導電路同士から構成されるコンタクトリード部である。また、導電路9c,9fの対と導電路9d,9eの対では、対をなす2本の導電路9が異なる上下の導体層面に配置されており、伝送対のうちのチップ線に対応したチップ導体同士である導電路9c,9e及びリング線に対応したリング導体同士である導電路9d,9fが導体層を挟んで平行に近接していることでそれら導電路9の組の間にも誘導性結合が生じている。これが、いわゆる異なる導体層に配設された導電路同士から構成されてコンタクトリード部である。ここで、この異なる導体層からなるコンタクトリード部10は、同一導体層上に設けられたコンタクトリード部10よりも長く近接している。すなわち、チップ導体同士である導電路9c,9eを例にあげて説明すると、異なる導体層からなるコンタクトリード部10は、導電路において、ビアホール12c,12eの近辺から対応する各端子板8と電気的に接続するためのビアホール13c,13eに向かう屈曲部に至るまで略全長に亘るように設けられている。これは、異なる導体層に空間的にコンタクトリード部を設けることによって、同一基板上のコンタクトリード部よりも長さを自由に設定することができ、強いては誘導性結合量の設定の自由度を増やすことができる。また、誘導性結合を多層基板の任意の層間で形成するため、基板の全体厚みとは独立して層間寸法を設定することによって、誘導性結合量の設定の自由度を増やしたり、設定範囲を広くすることができる。
本発明の実施形態1を示す一部破断した平面図である。 同上の側面断面図である。 同上の要部の側面図である。 同上の要部の平面図である。 本発明の実施形態1に用いる基板の表面の平面図である。 同上に用いる基板の裏面を表面側から透視した平面図である。 同上に用いる基板の内層面図を表面側から透視した平面図である。 本発明の実施形態2に用いる基板の内層面図を表面側から透視した平面図である。 本発明の実施形態3に用いる基板の裏面と表面とに用いる導電路を合成した平面図である。 本発明の実施形態4に用いる基板の第1層面の平面図である。 同上に用いる基板の第2層面を表面側から透視した平面図である。 同上に用いる基板の第3層面を表面側から透視した平面図である。 同上に用いる基板の第4層面を表面側から透視した平面図である。 従来例の側面断面図である。 同上の要部の平面図である。
符号の説明
1 モジュラコネクタ
2 プラグ挿入口
3 ハウジング
5 基板
6,6a〜6h コンタクトピン
8 端子板
9,9a〜9h 導電路
10 コンタクトリード部
11A〜11F キャパシタンス要素

Claims (1)

  1. モジュラプラグを挿入するプラグ挿入口が開口するハウジングと、前記ハウジングの内壁に取り付けられた基板と、前記プラグ挿入口の中に配設され複数の伝送対を構成し前記基板に接続されモジュラプラグの接触子に弾接する複数本のコンタクトピンと、前記ハウジングに設けた端子台に配設され各コンタクトピンに夫々対応する複数の端子板とを備え、前記基板には前記コンタクトピンと対応する前記端子板とを夫々電気的に接続する導電路と、前記導電路に接続され少なくとも2つの前記導電路の間に誘導性結合を生じさせる誘導性結合手段と、少なくとも2つの前記導電路の間に容量性結合を生じさせる容量性結合手段とを備え、前記各導電路の一部には前記誘導性結合手段として他のいずれかの導電路と平行に近接したコンタクトリード部が設けられているモジュラコネクタにおいて、前記基板は、導体層が3層以上の多層基板より成り、前記コンタクトリード部は、同一導体層上に配設された導電路同士から構成されるとともに、任意の異なる導体層に配設された導電路同士から構成され、前記容量性結合手段として前記導電路に接続された導体パターンより成る複数のキャパシタンス要素を有し、伝送対を構成する1対の導電路に接続された夫々の導体パターンが異なる導体層に重ねて配置されていることを特徴とするモジュラコネクタ。
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