JP2008075712A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成にて、カム部材の磁化に起因する応答性及び制御性の低下を効果的に抑制することのできる駆動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】メインカム20の反メインクラッチ側の面、即ち電磁クラッチを構成するアーマチャと対向する対向面20aには、軸方向に延びる突起35が立設される。これにより、アーマチャがメインカム20側に移動した際には、これら突起35の軸方向端面35aを同アーマチャとの接触面とするとともに、その接触面積は、電磁石の磁力により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲内に設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動力伝達装置に関するものである。
従来、駆動力の入力により回転する筒状の第1回転体と、該第1回転体の筒内に回転自在に同軸配置された軸状の第2回転体と、これら第1回転体と第2回転体との間に設けられ両者をトルク伝達可能に連結するクラッチ機構とを備えた駆動力伝達装置がある。そして、このような駆動力伝達装置には、軸方向に押圧されることにより作動して第1回転体及び第2回転体をトルク伝達可能に連結するメインクラッチと、同メインクラッチの軸方向に並置されたパイロットクラッチと、同パイロットクラッチの作動により第1クラッチを軸方向に押圧するカム機構とにより、そのクラッチ機構が構成されたものがある。
例えば、特許文献1に記載の駆動力伝達装置では、パイロットクラッチには、電磁石に吸引されて移動するアーマチャの押圧力により、その各クラッチプレートを摩擦係合させる電磁クラッチが用いられている。そして、このパイロットクラッチの作動により伝達される第1回転体と第2回転体との回転差に基づくトルクを、カム機構によって軸方向の押圧力に変換することによりメインクラッチを押圧駆動する構成となっている。
ところが、このような電磁クラッチとカム機構との組み合わせによりメインクラッチを押圧駆動する構成では、磁束漏れの発生によって、アーマチャの軸方向、反電磁石側に配置されたメインカム、即ちメインクラッチを押圧するためのカム部材が磁化される可能性がある。そして、その磁化されたカム部材にアーマチャが吸引されることにより、同アーマチャのクラッチプレート側への移動、即ち電磁クラッチの円滑な作動が妨げられ、ひいては、駆動力伝達装置の応答性及び制御性が低下するおそれがある。
特に、電磁石に通電していない状態ではアーマチャが軸方向に自由に動くことができるので、アーマチャがメインカムに吸引されてしまい、アーマチャとパイロットクラッチとの間が離間することがある。このような場合には、電磁石に通電した際にアーマチャをパイロットクラッチ側に吸引できないおそれがある。
このため、通常、これらパイロットクラッチ及びカム機構を収容する第1回転体は、その磁束漏れの発生を防止すべく非磁性材料(例えばアルミニウム合金等)により形成されている。そして、更に、アーマチャとメインカムとの間に非磁性材料からなるスペーサを挿入することによりその隙間を規定する(例えば、特許文献2参照)、或いは、アーマチャの電磁石側の面以外の面を非磁材料で被覆する(例えば、特許文献3参照)等の対策も提案されている。
特開2003−14001号公報 特開2002−48157号公報 特開2002−61677号公報
しかしながら、上記従来の対策は、何れも新たな構成を追加することでその加工及び組付け工程が煩雑になる。また、それに伴う製造コストの上昇が避けられないという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、カム部材の磁化に起因する応答性及び制御性の低下を効果的に抑制することのできる駆動力伝達装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動力の入力により回転する筒状の第1回転体と、前記第1回転体の筒内に回転自在に同軸配置された軸状の第2回転体と、前記第1回転体と第2回転体との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転体及び第2回転体をトルク伝達可能に連結する第1クラッチと、前記第1クラッチの軸方向に並置された第2クラッチと、前記第1クラッチと前記第2クラッチとの間に設けられ前記第2クラッチを介して伝達される前記第1回転体と前記第2回転体との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換してカム部材を軸方向移動させることにより前記第1クラッチを押圧するカム機構とを備え、前記第2クラッチは、駆動源である電磁石と、軸方向に交互に配置された複数のクラッチプレートと、前記カム部材の軸方向に並置さて前記電磁石との間に前記各クラッチプレートを挟む位置において軸方向移動可能に設けられたアーマチャとを備えてなり、前記電磁石に吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記各クラッチプレートを摩擦係合させる電磁クラッチとして構成された駆動力伝達装置であって、前記カム部材と前記アーマチャとが接触する際の接触面の面積は、前記電磁石により該接触面に形成される磁束密度が飽和する範囲内に設定されること、を要旨とする。
即ち、カム部材とアーマチャとの接触面の面積を電磁石により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲内に設定することで、カム部材によるアーマチャの吸引力を、その接触面積の縮小化により確実に低下させることが可能になる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、カム部材の磁化に起因する応答性及び制御性の低下を効果的に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記接触面は、前記カム部材又は前記アーマチャの対向面に立設された突起の先端面により構成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、カム部材とアーマチャとの接触面を突起の先端面に限定することで、当該接触面積を容易に設定することができる。その結果、カム部材の磁化に起因する応答性及び制御性の低下をより効果的に抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記突起は、前記対向面上において、前記突起が形成される前記カム部材又は前記アーマチャの軸心を中心として点対称に複数設けられること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記突起は、三箇所に設けられること、を要旨とする。
上記各構成によれば、カム部材又はアーマチャの何れかに軸ぶれが生じ相対的に傾いた状態で接触するような場合であっても、確実に各突起の先端面を接触面とすることができる。その結果、接触面積の変動を抑えて、安定的にカム部材によるアーマチャの吸引力を低減することができるようになる。特に、請求項4の構成を採用することで、アーマチャには、これら各突起の3つの先端面が接触することになる。従って、より効果的に接触面積の変動を抑えることができる。
本発明によれば、簡素な構成にて、カム部材の磁化に起因する応答性及び制御性の低下を効果的に抑制することが可能な駆動力伝達装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の駆動力伝達装置1は、有底筒状に形成された第1回転体としてのフロントハウジング3と、中空軸状に形成されてフロントハウジング3の筒内に回転自在に同軸配置された第2回転体としてのインナシャフト4とを備えている。
フロントハウジング3の底部3aには、外周にスプラインを有する軸状の連結部5が立設されており、同フロントハウジング3は、この連結部5においてプロペラシャフト(図示略)に連結されることにより、駆動源であるエンジン(図示略)の発生する駆動力に基づき回転する。
また、フロントハウジング3の開口端3bには、環状のリヤハウジング7が嵌着されており、インナシャフト4は、その一端がリヤハウジング7の中央孔7aに挿通された状態で、同中央孔7aに設けられたすべり軸受8及びフロントハウジング3の筒内に設けられたボール軸受9により回転自在に支承されている。そして、そのリヤハウジング7側(同図中、右側)の軸端内周には、図示しないリヤディファレンシャルとの連結部(スプライン嵌合部)13が形成されている。
また、フロントハウジング3の筒内には、フロントハウジング3とインナシャフト4とをトルク伝達可能に連結可能なメインクラッチ14と、このメインクラッチ14の軸方向、リヤハウジング7側に並置されたパイロットクラッチ15と、これらメインクラッチ14とパイロットクラッチ15との間に介在されたカム機構16とが設けられている。
本実施形態では、メインクラッチ14には、軸方向に移動可能に設けられた複数のアウタクラッチプレート17及びインナクラッチプレート18を交互に配置してなる多板式の摩擦クラッチが採用されている。具体的には、各アウタクラッチプレート17はフロントハウジング3の内周に、各インナクラッチプレート18はインナシャフト4の外周にスプライン嵌合されることにより、それぞれ軸方向に移動可能、且つ対応するフロントハウジング3又はインナシャフト4と一体回転可能に設けられている。
本実施形態のメインクラッチ14は、これら各アウタクラッチプレート17及びインナクラッチプレート18が軸方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング3とインナシャフト4とを結合、即ちトルク伝達可能に連結するように構成されている。
一方、カム機構16は、インナシャフト4に支承されることにより回転自在に設けられたパイロットカム19と、インナシャフト4の外周にスプライン嵌合されることにより同インナシャフト4と一体回転可能且つ軸方向移動可能に設けられたメインカム20と、パイロットカム19及びメインカム20の間に介在されたボール部材21とを備えてなる。尚、本実施形態では、これらカム機構16を構成する各部材は、その要求される強度を充足するために磁性材料である鉄系金属により形成されている。
本実施形態では、パイロットカム19及びメインカム20は、ともに円盤状に形成され、パイロットカム19はリヤハウジング7側に、メインカム20はメインクラッチ14側に配置されている。パイロットカム19の外周面は、パイロットクラッチ15の後述するインナクラッチプレート24の内周端とスプライン嵌合し、メインカム20はインナシャフト4の外周にスプライン嵌合している。これらパイロットカム19及びメインカム20の対向面には、複数のV字溝(符号略)が互いに対向するように形成されており、ボール部材21は、これら対向する各V字溝内に配置された状態でパイロットカム19及びメインカム20により挟持されている。そして、本実施形態のカム機構16は、パイロットカム19とメインカム20とが相対回転することにより、これらパイロットカム19とメインカム20との間が離間、即ちカム部材としてのメインカム20がメインクラッチ14側に軸方向移動するように構成されている。
また、第2クラッチとしてのパイロットクラッチ15には、上記メインクラッチ14と同様に、軸方向に移動可能に設けられた複数のアウタクラッチプレート23及びインナクラッチプレート24を交互に配置してなる多板式の摩擦クラッチが採用されている。具体的には、各アウタクラッチプレート23は、フロントハウジング3の内周に、インナクラッチプレート24はパイロットカム19の外周にスプライン嵌合されることにより、それぞれ軸方向に移動可能、且つ対応するフロントハウジング3又はパイロットカム19と一体回転可能に設けられている。そして、本実施形態のパイロットクラッチ15は、これら各アウタクラッチプレート23及びインナクラッチプレート24が軸方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング3とパイロットカム19とをトルク伝達可能に連結するように構成されている。
即ち、メインカム20との間にボール部材21を挟持したパイロットカム19は、パイロットクラッチ15の非作動時、同メインカム20、即ちインナシャフト4とともに一体回転する状態となっており、フロントハウジング3とパイロットカム19との間には、同フロントハウジング3とインナシャフト4との回転差に相当する回転差が生ずる。そして、パイロットクラッチ15は、その作動により、フロントハウジング3とパイロットカム19とをトルク伝達可能に連結することで、フロントハウジング3とインナシャフト4(パイロットカム19)との回転差に基づくトルクをカム機構16に伝達するようになっている。
つまり、本実施形態の駆動力伝達装置1では、パイロットクラッチ15の作動により、フロントハウジング3とインナシャフト4との回転差に基づくトルクがカム機構16に伝達され、カム機構16は、そのトルクにより生ずるパイロットカム19とメインカム20との間の回転差に基づいて同メインカム20を軸方向メインクラッチ側に移動させる。即ち、カム機構16は、パイロットクラッチ15を介して伝達されたフロントハウジング3とインナシャフト4との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換する。そして、そのメインカム20がメインクラッチ14を押圧することにより、同メインクラッチ14が作動、即ちフロントハウジング3とインナシャフト4とがトルク伝達可能に連結されるように構成されている。
ここで、本実施形態のパイロットクラッチ15は、電磁石25を駆動源とする電磁クラッチとして構成されている。具体的には、リヤハウジング7には、フロントハウジング3の筒外(反フロントハウジング側、図1中右側)に開口する環状溝26が形成されており、電磁石25は、この環状溝26内に収容されている。尚、本実施形態では、リヤハウジング7には、その中央孔7aから軸方向、反フロントハウジング側に延びる円筒部7bが設けられており、電磁石25は、この円筒部7bに設けられたボール軸受27によりリヤハウジング7(及びフロントハウジング3)と相対回転可能に支承されている。
また、フロントハウジング3の筒内には、円環状に形成されたアーマチャ28が、カム機構16を構成するメインカム20の軸方向、リヤハウジング側(同図中右側)に並置さることにより、リヤハウジング7との間に上記アウタクラッチプレート23及びインナクラッチプレート24を挟む位置において、軸方向に移動可能に設けられている。尚、本実施形態では、アーマチャ28は、フロントハウジング3内周にスプライン嵌合されることにより、同フロントハウジング3に対して相対回転不能、且つ軸方向可能に連結されている。そして、本実施形態のパイロットクラッチ15は、このアーマチャ28が、電磁石25の磁力に吸引され、リヤハウジング7との間に各アウタクラッチプレート23及びインナクラッチプレート24を挟み込むように移動することにより、該各アウタクラッチプレート23及びインナクラッチプレート24が摩擦係合するように構成されている。
このように、本実施形態の駆動力伝達装置1では、電磁石25に対する電力供給を通じてパイロットクラッチ15の作動(摩擦係合力)を制御することが可能である。そして、このパイロットクラッチ15の作動を通じてメインクラッチ14の作動、即ち、フロントハウジング3とインナシャフト4との間で伝達可能な駆動力を自在に制御可能な構成となっている。
(メインカムによるアーマチャの吸引防止構造)
次に、本実施形態の駆動力伝達装置におけるメインカムによるアーマチャの吸引防止構造について説明する。
図2(a)(b)に示すように、円盤状をなすメインカム20の中央部には、略円柱状に形成された連結部31が設けられており、その軸方向端面31aには、上記パイロットカム19との間にボール部材21を挟持する複数の三角溝32が形成されている。また、連結部31には、同連結部31を軸方向に貫通する挿通孔33が形成されており、メインカム20は、この挿通孔33内にインナシャフト4が挿通されることにより、各三角溝32をリヤハウジング7側に向けた状態で同インナシャフト4にスプライン嵌合される。そして、上記メインクラッチ14を押圧するための軸方向移動が可能な状態で、同メインクラッチ14の軸方向、リヤハウジング7側(図1中右側)に並置されるようになっている(図1参照)。
また、本実施形態では、メインカム20の反メインクラッチ側の面、即ち上記アーマチャ28と対向する対向面20aには、軸方向に延びる複数の突起35が立設されている。具体的には、本実施形態では、メインカム20の対向面20aには、その外周縁から軸方向に延びる環状のつば部36が立設されており、上記の突起35は、このつば部36の軸方向端面において、メインカム20の軸心Oを中心として略点対称となる位置に複数(3つ)設けられている。そして、本実施形態では、上記アーマチャ28がメインカム20側に移動し、両者が接触する際には、これら各突起35の先端面35aが同アーマチャ28との接触面となるように構成されている。
ここで、本実施形態では、各突起35は、その各先端面35aの合計面積、即ちアーマチャ28との接触面の面積が、電磁石25により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲内に設定されている。そして、これにより、磁束漏れ等の発生によってメインカム20が磁化された場合においても、同メインカム20がアーマチャ28を吸引する力を低く抑えて、電磁クラッチとして構成されたパイロットクラッチ15の円滑なる作動、ひいては、その良好な応答性及び制御性を実現することが可能となっている。
詳述すると、磁束を「φ」、透磁率を「μ」、磁束が通過する断面積を「S」、磁束密度を「B」とすると、磁束φの通過により生ずる吸引力Fは、次の二式により表すことができる。
F=B・S/(2・μ) ・・・(1)
F=φ/(2・μ・S) ・・・(2)
即ち、上記(1)式に示されるように、磁束密度Bが一定である場合、吸引力Fは、磁束の通過する断面積Sが小さいほどほど小さくなる。従って、このような状況下においては、その断面積S、つまりメインカム20のアーマチャ28との接触面積を小さくすることで、メインカム20によるアーマチャ28の吸引力を小さく抑えることができる。一方、磁束φが一定であるとすれば、断面積Sを小さくすることで磁束密度Bは大となる。従って、このような状況下においては、上記(2)式に示されるように、その吸引力Fは、断面積Sが小さくなるほど大となる。つまり、電磁石25に通電される電流量によりその磁力、即ちメインカム20のアーマチャ28との接触面を通過する磁束が変化する駆動力伝達装置1においては、単純にその接触面積を小さくするだけでは、必ずしもメインカム20によるアーマチャ28の吸引力を低減させることはできない。
しかし、磁束密度Bが既に飽和磁束密度にある領域においては、断面積Sの減少によってもその磁束密度Bの値は一定であり、吸引力Fは、上記(1)式に示される関係のみに依存して変化する。従って、メインカム20とアーマチャ28との接触面の面積を電磁石25により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲(図3に示す磁束密度飽和領域)内に設定することで、メインカム20によるアーマチャ28の吸引力を、その接触面積の縮小化により確実に低下させることができるのである。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)メインカム20の反メインクラッチ側の面、即ち上記アーマチャ28と対向する対向面20aには、軸方向に延びる突起35が立設される。これにより、アーマチャ28がメインカム20側に移動した際には、該突起35の先端面35aを同アーマチャ28との接触面とするとともに、その接触面積を、電磁石25により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲内に設定される。
即ち、メインカム20とアーマチャ28との接触面の面積を電磁石25により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲内に設定することで、メインカム20によるアーマチャ28の吸引力を、その接触面積の縮小化により確実に低下させることが可能になる。つまり、接触面積を磁束密度の飽和する範囲内に設定することで、メインカム20の残留磁気の大きさにかかわらず、吸引力Fの上限を規定することができ、この上限値でも電磁石25への通電時にアーマチャ28が確実にパイロットクラッチ15側に吸引されるように各部の寸法等を設定することで、パイロットクラッチ15の動作を保障しつつ、可及的に小型化することができる。そして、メインカム20とアーマチャ28との接触面を突起35の先端面35aに限定することで、当該接触面積を容易に設定することができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、メインカム20の磁化に起因する応答性及び制御性の低下を効果的に抑制することができるようになる。
(2)突起35は、メインカム20の軸心Oを中心として略点対称となる位置に複数設けられる。このような構成とすることで、メインカム20又はアーマチャ28の何れかに軸ぶれが生じ相対的に傾いた状態で接触するような場合であっても、確実に各突起35の先端面35aを接触面とすることができる。その結果、接触面積の変動を抑えて、安定的にメインカム20によるアーマチャ28の吸引力を低減することができるようになる。
(3)突起35は、三箇所に設けられる。このような構成とすれば、アーマチャ28には、これら各突起35の3つの先端面35aが接触することになる。従って、より効果的に接触面積の変動を抑えることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、突起35の先端面35aを同アーマチャ28との接触面とした。しかし、これに限らず、その接触面積が、電磁石25により該接触面に形成される磁束密度の飽和する範囲(図3参照、磁束密度飽和領域)内であれば、これ以外の部分を接触面とする構成であってもよい。即ち、例えば、つば部36の軸方向端面を接触面として、その接触面積をこの範囲内に設定する構成に具体化してもよい。
・本実施形態では、突起35は、複数、具体的には三箇所に設けることとしたが、その数は、特に限定されるものではない。また、その形成位置は、つば部36の軸方向端面でなくともよく。更には、その配置についても、必ずしも点対称とならなくともよい。
・本実施形態では、アーマチャ28と対向するメインカム20の対向面20aに各突起35を設けることとした。しかし、これに限らず、メインカム20とアーマチャ28との接触面積を、上記磁束密度飽和領域内に設定可能な構成であれば、例えば、メインカム20と対向するアーマチャ28側の対向面に、突起を形成する構成としてもよい。
駆動力伝達装置の概略構成を示す断面図。 (a)(b)メインクラッチの平面図及び側面図。 磁力(吸引力)と接触面積との関係を示す説明図。
符号の説明
1…駆動力伝達装置、3…フロントハウジング、4…インナシャフト、14…メインクラッチ、15…パイロットクラッチ、16…カム機構、17,23…アウタクラッチプレート、18,24…インナクラッチプレート、20…メインカム、20a…対向面、25…電磁石、28…アーマチャ、35…突起、35a…先端面、B…磁束密度、F…吸引力、O…軸心。

Claims (4)

  1. 駆動力の入力により回転する筒状の第1回転体と、前記第1回転体の筒内に回転自在に同軸配置された軸状の第2回転体と、前記第1回転体と第2回転体との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転体及び第2回転体をトルク伝達可能に連結する第1クラッチと、前記第1クラッチの軸方向に並置された第2クラッチと、前記第1クラッチと前記第2クラッチとの間に設けられ前記第2クラッチを介して伝達される前記第1回転体と前記第2回転体との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換してカム部材を軸方向移動させることにより前記第1クラッチを押圧するカム機構とを備え、前記第2クラッチは、駆動源である電磁石と、軸方向に交互に配置された複数のクラッチプレートと、前記カム部材の軸方向に並置されて前記電磁石との間に前記各クラッチプレートを挟む位置において軸方向移動可能に設けられたアーマチャとを備えてなり、前記電磁石に吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記各クラッチプレートを摩擦係合させる電磁クラッチとして構成された駆動力伝達装置であって、
    前記カム部材と前記アーマチャとが接触する際の接触面の面積は、前記電磁石により該接触面に形成される磁束密度が飽和する範囲内に設定されること、
    を特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、
    前記接触面は、前記カム部材又は前記アーマチャの対向面に立設された突起の先端面により構成されること、を特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の駆動力伝達装置において、
    前記突起は、前記対向面上において、前記突起が形成される前記カム部材又は前記アーマチャの軸心を中心として点対称に複数設けられること、を特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項3に記載の駆動力伝達装置において、
    前記突起は、三箇所に設けられること、を特徴とする駆動力伝達装置。
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