JP2008075503A - 水冷式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグが挿入される筒状壁に当たる冷却水の量を増やし、筒状壁を効率よく冷却できる水冷式エンジンを提供する。
【解決手段】シリンダヘッド9内の主冷却水通路81の底壁83を構成する燃焼室Sの天井壁35を備える。天井壁35を挟んで燃焼室Sとは反対側に位置する上壁53を備える。天井壁35から上壁53に延びるように形成された点火プラグ挿入用の筒状壁51を備える。冷却水通路23の上流側から見て筒状壁51の両側方において天井壁35から上壁53に延びる一対の側壁(内側壁84と外側壁103)とを備える。これら一対の側壁のうち少なくとも一方の側壁(内側壁84)に筒状壁51へ冷却水を導く突起94を設けた。
【選択図】 図7

Description

本発明は、点火プラグが挿入された筒状壁の周囲に冷却水が流れる水冷式エンジンに関するものである。
従来のこの種の水冷式エンジンとしては、例えば特許文献1で開示されたものがある。この特許文献1に示された水冷式エンジンは、吸気弁と排気弁とを1気筒当たり2本ずつ備えた多気筒エンジンである。これらの吸・排気弁が開閉する吸気ポートおよび排気ポートは、クランク軸の軸線方向から見てシリンダヘッドの一側部と他側部とに形成されている。また、この水冷式エンジンは、シリンダの軸線方向から見て燃焼室の中央近傍に点火プラグを装備している。この点火プラグは、シリンダヘッド内に形成された冷却水通路中をシリンダの軸線方向に延びる筒状壁の内部に挿入され、燃焼室の天井壁に螺着されている。
前記冷却水通路は、燃焼室の天井壁を含む底壁と、この底壁を挟んで燃焼室とは反対側に位置する上壁と、両側壁および前・後壁などにより囲まれた空間によって形成されている。前記底壁と上壁とは、クランク軸の軸線方向の一端側に位置するシリンダヘッドの前端部から前記軸線方向の他端側に位置する後端部に延びるように形成されている。
前記両側壁のうち一方の側壁は、吸気ポートを形成する壁を含み、クランク軸の軸線方向から見てシリンダヘッドの一側部において前記底壁から前記上壁に延びている。
他方の側壁は、排気ポートを形成する壁を含み、クランク軸の軸線方向から見てシリンダヘッドの他側部において前記底壁から前記上壁に延びている。
前記前壁は、前記両側壁の前端部どうしを接続するようにシリンダヘッドの前端部においてクランク軸の軸線方向とは交差する方向に延びている。前記後壁は、前記両側壁の後端部どうしを接続するようにシリンダヘッドの後端部においてクランク軸の軸線方向とは交差する方向に延びている。
また、この冷却水通路は、クランク軸の軸線方向(シリンダヘッドの前後方向)に冷却水が流れるように形成されている。前記点火プラグが挿入された筒状壁は、前記天井壁から冷却水通路の上壁に延びるように形成されている。
従来のこの種のエンジンにおいては、前記天井壁における点火プラグの近傍の部位が最も高温になるため、この部位、すなわち天井壁と筒状壁との接続部分(筒状壁の基部)を冷却水によって冷却することが重要である。
特開平7−229446号公報
しかしながら、上述した従来の水冷式エンジンにおいては、筒状壁の基部を効率よく冷却することができないという問題があった。これは、筒状壁に当たってここを冷却する冷却水の量より、筒状壁と冷却水通路の両側壁との間を通過してしまう冷却水の量の方が多いからであると考えられる。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、点火プラグが挿入される筒状壁に当たる冷却水の量を増やし、この筒状壁を効率よく冷却できる水冷式エンジンを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る水冷式エンジンは、シリンダヘッド内の冷却水通路の底壁を構成する燃焼室の天井壁と、この天井壁を挟んで燃焼室とは反対側に位置する冷却水通路上壁と、前記天井壁から前記冷却水通路上壁に延びるように形成された点火プラグ挿入用の筒状壁と、冷却水通路の上流側から見て前記筒状壁の両側方において前記底壁から冷却水通路上壁に延びる一対の冷却水通路側壁とを備えた水冷式エンジンにおいて、前記一対の冷却水通路側壁のうち少なくとも一方の冷却水通路側壁に前記筒状壁へ冷却水を導く突起を設けたものである。
請求項2に記載した発明に係る水冷式エンジンは、請求項1に記載した水冷式エンジンにおいて、一対の冷却水通路側壁のうち一方の冷却水通路側壁は吸気ポートを形成する壁によって形成され、他方の冷却水通路側壁は排気ポートを形成する壁によって形成され、突起は、前記一方の冷却水通路側壁に形成されているものである。
本発明によれば、冷却水通路内を流れる冷却水のうち、冷却水通路側壁に設けられた突起に当たった冷却水は、突起によって流れる方向が変えられ、筒状壁に向けて流れるようになる。
このため、本発明によれば、筒状壁に当たる冷却水の量を増やすことができるから、筒状壁を効率よく冷却できる水冷式エンジンを提供することができる。この結果、本発明に係る水冷式エンジンは、最も高温になる点火プラグ取付部位の周辺近傍の温度を低下させるから、ノッキングが発生し難いものとなった。
請求項2記載の発明によれば、筒状壁に近接する位置にある吸気ポート形成用の壁に突起が設けられているから、突起を筒状壁に接近させて設けることができる。突起によって流れる方向が変えられた冷却水を確実に筒状壁に当てることができるようになる。
また、突起に当たった冷却水は、排気ポートを指向する方向に流れる方向が変わることになるから、排気ポートを形成する壁の近傍を流れる冷却水の量を増やすことができる。
したがって、この発明によれば、前記筒状壁をより一層効率よく冷却することができるとともに、排気ポートを形成する壁の冷却を促進することができる。
以下、本発明に係る水冷式エンジンの一実施の形態を図1ないし図13によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る水冷式エンジンの正面図、図2はシリンダヘッドの底面図、図3はシリンダヘッドの背面図、図4はシリンダヘッドとシリンダブロックの一部を示す断面図である。図4の破断位置を図2中にIV−IV線によって示す。
図5は図4における要部のV−V線断面図、図6および図7はシリンダヘッドとシリンダブロックの一部を示す断面図である。図6の破断位置を図2中にVI−VI線によって示し、図7の破断位置を図2中にVII−VII線によって示す。
図8は図7におけるシリンダヘッドのVIII−VIII線断面図、図9は図7におけるシリンダヘッドのIX−IX線断面図、図10は図7におけるシリンダヘッドのX−X線断面図である。図10中においては、図6の破断位置をVI−VI線によって示し、図7の破断位置をVII−VII線によって示す。図11はヘッドガスケットの底面図、図12は冷却系の構成を示すブロック図、図13は副冷却水通路の構成を説明するための斜視図である。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による水冷式エンジンを示す。このエンジン1は、自動車に搭載する水冷式4サイクルV型6気筒エンジンで、図1において左側に位置する第1の気筒列2と、同図において右側に位置する第2の気筒列3とを備えている。この明細書においては、図1に示すように、このエンジン1をクランク軸4の軸線方向から見た状態で、両気筒列2,3において左右方向の両側のうち、他方の気筒列に近接する一側部をVバンク内側といい、他側部をVバンク外側という。
また、この明細書においては、図1に示すように、クランク軸4に吸・排気カム軸5,6を接続する伝動手段7が位置する一端部を前端部といい、反対側(図1の紙面の裏側)を後端部という。この水冷式エンジン1の前端部には、図示してはいないが伝動手段7をを覆うためのフロントカバーが取付けられている。
上述した2つの気筒列2,3は、互いに同等の構成が採られているから、以下においては第1の気筒列2について詳細に説明し、第2の気筒列3の各部材の説明は同一符号を付して省略する。
第1の気筒列2と第2の気筒列3とは、図1に示すように、シリンダブロック8に気筒列2,3毎に突設されたシリンダ部8aと、このシリンダ部8aの上に取付けられたシリンダヘッド9と、このシリンダヘッド9の上部に設けられたカムハウジング9aおよびヘッドカバー10などによって構成されている。
前記シリンダブロック8の各シリンダ部8aには、3気筒分のシリンダ孔11がクランク軸4の軸線方向に並ぶように形成されている。図1において、12はシリンダ孔11に嵌挿されたピストンを示し、Sは燃焼室を示す。
前記シリンダヘッド9は、図7に示すように、後述する吸気ポート21および排気ポート22と、冷却水通路23とが形成されており、シリンダブロック8の上にヘッドガスケット24を介して載せられ、図示していないヘッドボルトによって取付けられている。このヘッドボルトを挿通するためのボルト孔を図2および図4中に符号25で示す。吸気ポート21は、シリンダヘッド9のVバンク内側に設けられ、排気ポート22は、シリンダヘッド9のVバンク外側に設けられている。
前記吸気ポート21は、下流側の端部に一対の分岐ポート21a,21a(図8参照)を有する二股状であって、いわゆるサイアミーズポートとして形成されており、1気筒当たり2本の吸気弁26によって開閉される。これらの吸気弁26,26は、図1に示すように、シリンダヘッド9に設けられた動弁装置27によって駆動する。この動弁装置27は、吸気カム軸5からロッカーアーム28を介して吸気弁26に駆動力を伝達する構造のものである。
シリンダヘッド9における吸気ポート21の上流側端部の近傍には、前記一対の分岐ポート21a,21a内に向けて燃料を噴射するインジェクタ29が取付られている。
前記排気ポート22は、各気筒の排ガスを集合させて排気管(図示せず)に導く構成が採られている。詳述すると、排気ポート22は、図9,10に示すように、気筒毎に設けられた第1〜第3の上流部31〜33と、これらの上流部31〜33どうしを接続する合流部34とから構成されている。この排気ポート22は、その全域において、シリンダヘッド9の吸気ポート21や燃焼室Sの天井壁35(図7参照)などとともに鋳造によって成形されている。この排気ポート22の前記第1〜第3の上流部31〜33を形成する壁を図13において36〜38で示し、合流部34を形成する壁を39で示す。
第1〜第3の上流部31〜33のうち、第1の上流部31は、図9に示すように、シリンダヘッド9の前端部9A(水冷式エンジン1の前記前端部に対応する一端部)に位置し、第3の上流部33は、シリンダヘッド9の後端部に位置し、第2の上流部32は、第1の上流部31と第3の上流部33との間に位置している。
これらの第1〜第3の上流部31〜33は、図7に示すように、燃焼室Sからシリンダヘッド9のVバンク外側であって上側に延びるように形成されている。また、これらの上流部は、図9に示すように、上流側の端部に一対の分岐ポート31a,31a,32a,32a,33a,33aを有する二股状であって、いわゆるサイアミーズポートとして形成されている。これらの分岐ポートは、それぞれ排気弁41によって開閉される。これらの排気弁41は、図1に示すように、排気カム軸6とロッカーアーム42とを有する前記動弁装置27によって駆動する。
前記合流部34は、図9,10および図13に示すように、シリンダヘッド9の前端部9Aに上流端が位置し、この上流端からシリンダヘッド9の後端部9Bに延びるように形成されている。この合流部34の上流端は、第1の上流部31の下流端に段差などが形成されることがないように接続されている。一方、合流部34の下流側の端部は、第3の上流部33の下流端をVバンク外側に延長したような形状に形成されている。
合流部34の下流端は、図10に示すように、シリンダヘッド9のVバンク外側の側面43に開口している。この側面43は、図示していない排気管を取付けるための取付座を構成している。この排気管の中間部には過給器が設けられている。前記側面43が形成されているシリンダヘッド9のVバンク外側の側部44には、図7および図9,10に示すように、側方に向けて解放する凹陥部45が形成されている。排気ポート22の合流部34を形成する壁39の一部は、この凹陥部45の底の一部を構成しており、エンジン1の外側に露出している。
上述した吸気ポート21や排気ポート22などと一体に形成された前記天井壁35には、図2,6,7に示すように、その下面を上方に凹ませるようにして凹部46が形成されている。前記吸気ポート21の下流端および排気ポート22の上流端は、この凹部46に開口している。
また、この天井壁35におけるクランク軸4の軸線方向から見てシリンダの軸線Cと交差する部位には、図6に示すように、点火プラグ47が取付けられている。この点火プラグ47は、シリンダの軸線方向から見て燃焼室Sの略中央部に設けられている。
この点火プラグ47は、シリンダヘッド9の後述する冷却水通路23内に設けられた筒状壁51(図8〜図10参照)の内部に挿入され、図6に示すように、前記天井壁35に穿設されたプラグ孔52に螺着している。前記筒状壁51は、図6に示すように、前記天井壁35から後述する冷却水通路23内を上方へ延びるように形成されている。
この筒状壁51の上端部は、冷却水通路23の上壁53に接続されている。この実施の形態による点火プラグ47および筒状壁51は、図6に示すように、クランク軸4の軸線方向から見て上方に向かうにしたがって次第にVバンク外側に位置するように傾斜している。
シリンダヘッド9内に形成されている冷却水通路23は、図8および図12に示すように、シリンダヘッド9の前端部9Aから後端部9Bに向けて延びるように形成されている。この冷却水通路23は、図2に示すように、シリンダヘッド9の前端部9A(図2においては上端部)に形成された主入口54と、気筒毎に燃焼室S(凹部46)を囲むような位置に設けられた副入口55と、点火プラグ47と対応する位置に設けられた貫通孔56と、ヘッドガスケット24における前記主、副入口54,55および貫通孔56と対向する位置に穿設された孔57〜59(図11参照)とを介してシリンダブロック8内の冷却水通路60(図6,7および図12参照)に接続されている。
前記主入口54と、副入口55および貫通孔56とにそれぞれ流入する冷却水の量は、ヘッドガスケット24に穿設された孔57〜59の開口面積の大きさによって決められる。この実施の形態においては、主入口54に最も多く冷却水が流入するように、これらの孔57〜59の開口面積が設定されている。
シリンダヘッド9の下面に開口する孔のうち、図2に示すように、副入口55と同様に燃焼室S(凹部46)を囲むような位置に設けられている孔61は、ヘッドガスケット24によって閉塞されることになるために冷却水が通ることはない。この孔61は、例えば冷却水通路形成用の中子(図示せず)の脚部によって形成されたものである。また、シリンダヘッド9の下面における凹部46どうしの間に形成されている孔62は、図4に示すように、栓部材63が圧入されており、この栓部材63によって閉塞されている。なお、ヘッドガスケット24には、上述した冷却水を通すための孔57〜59の他に、ヘッドボルトを通すための孔64と、オイルを通すための孔65などが穿設されている。
シリンダブロック8内の冷却水通路60は、図12に示すように、冷却水供給通路71によって冷却水ポンプ72の吐出口に接続されている。冷却水ポンプ72の吸込口は、従来からよく知られているサーモスタット73を介してラジエータ74の冷却水出口74aまたはラジエータバイパス通路75の下流側端部に接続されている。ラジエータ74の冷却水入口74bは、冷却水戻り通路76によってシリンダヘッド9の冷却水出口78に接続されている。前記ラジエータバイパス通路75の上流側端部は、この冷却水戻り通路76の中間部に接続されている。
シリンダヘッド9の冷却水出口78は、図3および図10に示すように、シリンダヘッド9の後端部9BであってVバンク内側(図3においては左側)に形成されており、シリンダヘッド9の後面に開口している。シリンダヘッド9は、図1に示すように、Vバンク内側が相対的に高くなるように傾斜した状態でシリンダブロック8に取付けられる。すなわち、冷却水出口78は、シリンダヘッド9をシリンダブロック8に取付けた状態では冷却水通路23の相対的に高い位置に位置することになる。
このため、シリンダヘッド9の冷却水通路23内に混入した空気は、冷却水通路23内に残留することがなく冷却水出口78から排出される。このようにシリンダヘッド9の後端部9Bに冷却水出口78が形成されるとともに、シリンダヘッド9の前端部9Aに主入口54が形成されているために、シリンダヘッド9の冷却水通路23内の冷却水は、図8および図12中に矢印によって示すように、シリンダヘッド9の前端部9A側から後端部9B側へ流れる。
シリンダヘッド9内の冷却水通路23は、図8に示すように、燃焼室の天井壁35に沿ってシリンダヘッド9の前端部9Aから後端部9Bに延びる主冷却水通路81と、シリンダヘッド9の前端部9AからVバンク外側を通って後端部9Bに延びる副冷却水通路82とから構成されている。この副冷却水通路82の両端部(上流側端部と下流側端部)は主冷却水通路81の両端部に接続されている。前記主、副入口54,55や後述する貫通孔56は主冷却水通路81内に位置している。
主冷却水通路81は、図4,6,7および図8〜図10に示すように、燃焼室Sの天井壁35を含むシリンダヘッド9の底壁83(シリンダブロック8に取付けられる壁)と、この底壁83を挟んで燃焼室Sとは反対側に位置する前記上壁53と、シリンダヘッド9のVバンク内側に位置する内側壁84と、シリンダヘッド9の前端部9Aに位置する前壁85と、シリンダヘッド9の後端部9Bに位置する後壁86とによって囲まれた空間によって形成されている。
前記底壁83には、図8に示すように、主冷却水通路81と副冷却水通路82とを底壁83の近傍において仕切るための仕切壁87が上方へ突出する状態で一体に形成されている。この仕切壁87は、図6に示すように、排気ポート22の第2の上流部32と底壁83とによって挟まれた部位に形成されている。また、この仕切壁87は、図13に示すように、主冷却水通路81内に立設された2つのヘッドボルト挿通用の筒状壁88,88どうしの間に架け渡されている。なお、図13では、排気ポート22の周辺に形成された冷却水通路の構成を示しており、プラグ挿入用の筒状壁51や栓部材63などの部材は省略して描いてある。前記ヘッドボルト挿通用筒状壁88,88には、ボルト孔25の他に、シリンダヘッド9の上方に位置する動弁カム室89(図1参照)からオイルを下方に流下させるためのオイル孔90が穿設されている。
前記上壁53には、図6,9,10および図13に示すように、主冷却水通路81内を流れる冷却水を副冷却水通路82側に導くための板91と、主冷却水通路81と副冷却水通路82とを上壁53の近傍において仕切るための突条92とがそれぞれ下方に突出する状態で一体に形成されている。前記板91は、図10に示すように、この水冷式エンジン1の各気筒列2,3に3つずつ設けられている気筒のうち、前端部側の気筒と中央部の気筒との間と、中央部の気筒と後端部側の気筒との間とに対応する2箇所にそれぞれ設けられている。前記突条92は、図10に示すように、前記前壁85から後壁86の近傍まで延びるように形成されている。
前記内側壁84は、図7に示すように、吸気ポート21を形成する壁93を含むように形成されている。吸気ポート21を形成する壁93には、吸気弁26の弁軸を支持するための凸部93aが形成されている。この凸部93aには、図5に示すように、バルブステムガイド26a(図7参照)を挿通するための貫通孔93bが穿設されている。
この凸部93aと前記上壁53とによって形成された角部分には、図7,9,10に示すように、主冷却水通路81内を流れる冷却水を点火プラグ挿入用の筒状壁51に導くための突起94が設けられている。この突起94は、図9および図10に示すように、このシリンダヘッド9に6箇所設けられている前記凸部93の全てに同様に設けられている。
この突起94は、図5に示すように、前記凸部93aにおける筒状壁51に近接する先端部に筒状壁51側へ突出するように形成されている。
この突起94は、クランク軸の軸線方向とは交差する方向に延びる板状を呈するように形成されている。この板状の突起94の厚みは、基端部から先端部に向かうにしたがって漸次薄くなるように形成されている。また、突起94は、図4および図7に示すように、シリンダヘッド9の前端部側から見て前記凸部93aの先端縁と、上壁53の下縁とによって形成された角部分に、ここへの冷却水の流れを規制するように三角形状に形成されている。
このように前記角部分に突起94を設けたことにより、この角部分を冷却水が真っ直ぐ通過してしまうのを防ぐことができ、図5中に矢印で示すように、突起94に当たった冷却水を筒状壁51に導くことができる。1気筒当たり2つ設けられている突起94のうち、シリンダヘッド9の前側(冷却水通路23の上流側)に位置する突起94に当たった冷却水は、この突起94により筒状壁51におけるシリンダヘッド前側の半部51aに導かれここを冷却する。
前記2つの突起のうち後側に位置する突起94に当たった冷却水は、この突起94により筒状壁51におけるシリンダヘッド後側の半部51bに導かれここを冷却する。前記後側に位置する突起94に当たった冷却水のうち、筒状壁51に当たらなかった残りの冷却水は、後述する副冷却水通路82側(排気ポート22側)へ流れる。
前記底壁83に設けられた貫通孔56は、シリンダブロック8の冷却水通路60内の冷却水を点火プラグ用筒状壁51の基部51c(図6参照)に直接当てるためのもので、前記基部51cを指向するように底壁83に斜めに穿設されている。
前記副冷却水通路82は、図6〜8および図13に示すように、排気ポート22の周囲に冷却水が流れるように形成されている。詳述すると、副冷却水通路82は、前記底壁83からVバンク外側に突出する下壁101と、前記上壁53における主冷却水通路81からVバンク外側に延在する上壁延在部102と、シリンダヘッド9のVバンク外側に位置する外側壁103と、前記前壁85における主冷却水通路81からVバンク外側に延在する前壁延在部104と、前記後壁86における主冷却水通路81からVバンク外側に延在する後壁延在部105とによって囲まれた空間により形成されている。
前記外側壁103は、シリンダヘッド9のVバンク外側に形成された前記凹陥部45の底を形成している。すなわち、排気ポート22の合流部34を形成する壁39は、前記外側壁103の一部を構成している。また、副冷却水通路82は、図4,6,7および図13に示すように、排気ポート22と、前記下壁101と平行に延びる隔壁106とによって下部通路107と上部通路108とに分けられている。
下部通路107は、図8に示すように、前壁延在部104と第1の上流部31との間に形成された第1の連通口111と、第1の上流部31と前記仕切壁87(ヘッドボルト挿通用の筒状壁88)との間に形成された第2の連通口112と、前記仕切壁87と第3の上流部33との間に形成された第3の連通口113と、第3の上流部33と後壁延在部105との間に形成された第4の連通口114とによって主冷却水通路81に連通されている。
上部通路108は、図13に示すように、上壁53に設けられた突条92と、この突条92の下方に位置する部材との間において主冷却水通路81に連通している。突条92の下方に位置する部材とは、排気ポート22の第1〜第3の上流部31〜33を形成する壁36〜38と底壁83とである。
上述したように構成された水冷式エンジン1においては、冷却水ポンプ72の運転により冷却水がシリンダブロック8の冷却水通路60から主入口54、副入口55および通孔56などを通ってシリンダヘッド9の主冷却水通路81内に流入する。主冷却水通路81内に流入した冷却水のうち一部は副冷却水通路82に流入し、他の冷却水は、主冷却水通路81内をクランク軸4の軸線方向に流れる。
副冷却水通路82に流入した冷却水は、排気ポート22の第1〜第3の上流部31〜33を形成する壁36〜38と、合流部34を形成する壁39とを冷却する。
主冷却水通路81内を流れる冷却水は、燃焼室Sの天井壁35と、点火プラグ挿入用筒状壁51と、天井壁35から延びる前記壁36〜38の上流側端部などを冷却する。
主冷却水通路81内を流れる冷却水のうち、内側壁84に沿ってシリンダヘッド9の後端部9B側へ流れる冷却水の一部は、吸気ポート形成用の壁93に設けられた凸部93aを越えるときに突起94に当たる。このように突起94に当たった冷却水は、突起94によって流れる方向が変えられ、筒状壁51に向けて流れるようになる。
このため、この実施の形態による水冷式エンジン1によれば、筒状壁51に当たる冷却水の量を増やすことができ、筒状壁51を効率よく冷却することができる。この結果、この実施の形態による水冷式エンジン1では、最も高温になる点火プラグ取付部分の周辺近傍の温度が低下するためか、ノッキングが発生し難いものとなった。
また、この実施の形態による突起94は、前記筒状壁51に近接する位置にある吸気ポート形成用の壁93に設けられている。このため、この実施の形態による水冷式エンジン1によれば、突起94を筒状壁51に接近させて設けることができるから、突起94によって流れる方向が変えられた冷却水を確実に筒状壁51に当てることができる。
また、突起94に当たった冷却水は、排気ポート22を指向する方向に流れる方向が変わることになるから、排気ポート22を形成する壁36〜39の近傍を流れる冷却水の量を増やすことができる。したがって、この水冷式エンジン1によれば、前記筒状壁51をより一層効率よく冷却することができるとともに、排気ポート22を形成する壁36〜39の冷却を促進することができる。
上述した実施の形態による水冷式エンジン1は、点火プラグ47と筒状壁51とが排気ポート側へ傾斜するように形成されている。このため、この実施の形態においては、筒状壁51と内側壁84との間に広く開口する冷却水通路を冷却水が通過してしまうのを突起94によって規制する構成を採っている。しかし、点火プラグ47と筒状壁51とが上記とは逆方向に傾斜するような場合は、排気ポート22を形成する壁36〜38と筒状壁51との間が相対的に広くなるから、前記壁36〜38に突起94を設ける。なお、突起94は、吸気ポート21を形成する壁93を有する内側壁84と、排気ポート22を形成する壁36〜38との両方に設けることもできる。
この実施の形態による水冷式エンジン1のシリンダヘッド9は、各気筒の排ガスを合流させる構造の排気ポート22が形成されている。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、排気ポート22が気筒毎に独立するように形成された一般的な水冷式エンジンに適用することができる。また、本発明は、V型エンジンとは別のエンジン、例えば自動車用の直列多気筒エンジンや、自動二輪車用の単気筒エンジンにも適用することができる。
本発明に係る水冷式エンジンの正面図である。 シリンダヘッドの底面図である。 シリンダヘッドの背面図である。 シリンダヘッドとシリンダブロックの一部を示す断面図である。 図4における要部のV−V線断面図である。 シリンダヘッドとシリンダブロックの一部を示す断面図である。 シリンダヘッドとシリンダブロックの一部を示す断面図である。 図7におけるシリンダヘッドのVIII−VIII線断面図である。 図7におけるシリンダヘッドのIX−IX線断面図である。 図7におけるシリンダヘッドのX−X線断面図である。 ヘッドガスケットの底面図である。 冷却系の構成を示すブロック図である。 副冷却水通路の構成を説明するための斜視図である。
符号の説明
1…水冷式エンジン、4…クランク軸、8…シリンダブロック、9…シリンダヘッド、11…シリンダ孔、21…吸気ポート、22…排気ポート、23,60…冷却水通路、35…天井壁、47…点火プラグ、51…筒状壁、74…ラジエータ、81…主冷却水通路、84…内側壁、93…壁、93a…凸部、94…突起、S…燃焼室。

Claims (2)

  1. シリンダヘッド内の冷却水通路の底壁を構成する燃焼室の天井壁と、
    この天井壁を挟んで燃焼室とは反対側に位置する冷却水通路上壁と、
    前記天井壁から前記冷却水通路上壁に延びるように形成された点火プラグ挿入用の筒状壁と、
    冷却水通路の上流側から見て前記筒状壁の両側方において前記底壁から冷却水通路上壁に延びる一対の冷却水通路側壁とを備えた水冷式エンジンにおいて、
    前記一対の冷却水通路側壁のうち少なくとも一方の冷却水通路側壁に前記筒状壁へ冷却水を導く突起を設けたことを特徴とする水冷式エンジン。
  2. 請求項1記載の水冷式エンジンにおいて、
    一対の冷却水通路側壁のうち一方の冷却水通路側壁は吸気ポートを形成する壁によって形成され、
    他方の冷却水通路側壁は排気ポートを形成する壁によって形成され、
    突起は、前記一方の冷却水通路側壁に形成されていることを特徴とする水冷式エンジン。
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