JP2008075483A - エンジンのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダブロック4の上方にガスケット6を介してシリンダヘッド8が接合され、該シリンダブロック4およびシリンダヘッド8のクランク軸14方向における一端面側に液状ガスケット22を介してチェーンカバー20が接合されるエンジン2において、前記ガスケットの一端面側におけるチェーンカバー当接部分に、クランク軸方向へ広がる面62aを形成し、前記ガスケットにおけるビードの終端部61aをクランク軸方向と略直交する方向に形成して、該ビードの終端縁61bを、前記ガスケットのクランク軸方向へ広がる面まで延設した。
【選択図】 図1
Description
このチェーンカバー120は、シリンダブロック104、シリンダヘッド108、およびロアクランクケース116の一端面とともにタイミングチェーンを覆うチェーン室120aを形成し、その周縁部が液状ガスケット(液状シール)122を介してシリンダブロック104、シリンダヘッド108、およびロアクランクケース116の一端面に接合されている。
また、シリンダブロック104とシリンダヘッド108とチェーンカバー120との3つの部材が集合している、所謂三面合わせ部においては、ビード106の終端縁と液状ガスケット122とが接着することにより内部のオイルをシールしている。
つまり、ビード106の終端部においては、前記クランク軸114方向に延設されたビード106aが、前記液状ガスケット122と接合されていて、ビード106aの終端縁によるシール方向はクランク軸114方向となっている。
また、図15に示すように、シリンダブロック104、シリンダヘッド108、およびチェーンカバー120のクランク軸方向における相対位置は、エンジン稼動時における温度変化により大きく変動するため、その相対位置変動に液状ガスケット106が追従して変形することができず、シリンダヘッドガスケット106の終端縁と液状ガスケット106とが剥離し易くなっている。
さらに、前記窪み部Cに充填された液状ガスケット122は硬化時に収縮し、該液状ガスケット122のシリンダヘッドガスケット106との接合面には、該シリンダヘッドガスケット106の一端面から離れる方向の力がかかるため、シリンダヘッドガスケット106の一端面と液状ガスケット106とが、さらに剥離し易い。
そこで、本発明においては、シリンダブロック104、シリンダヘッド108、およびチェーンカバー120が集合する三面合わせ部における、オイル漏れの発生を抑えることが可能なエンジンのシール構造を提供するものである。
即ち、請求項1記載の如く、シリンダブロックの上方にガスケットを介してシリンダヘッドが接合され、該シリンダブロックおよびシリンダヘッドのクランク軸方向における一端面側に液状ガスケットを介してチェーンカバーが接合されるエンジンにおいて、前記ガスケットの一端面側におけるチェーンカバー当接部分に、クランク軸方向へ広がる面を形成し、前記ガスケットにおけるビードの終端部をクランク軸方向と略直交する方向に形成して、該ビードの終端縁を、前記ガスケットのクランク軸方向へ広がる面まで延設した。
このように、ガスケットのビードの終端部を、シリンダブロック、シリンダヘッド、およびチェーンカバーの温度変化による相対位置変動が僅かである、クランク軸方向と略直交する方向に配置しているため、互いに当接するビードの終端縁と該終端縁の当接部材との間に、クランク軸方向と略直交する方向への位置変動があまり生じることがなく、両者が剥離して隙間が生じることを抑制できる。
これにより、オイルがビードの終端縁部分から外部へ漏れ出すことを防止することができる。
これにより、前記ビードの終端縁と弾性部材とが圧着して、両者間のシール状態を確実に保持することができる。さらに、ビードの終端縁と弾性部材との当接状態は、液状ガスケットの硬化時の収縮により影響を受けることがなく、ビードの終端縁と弾性部材との間に隙間が生じることはない。
これにより、より確実にビードの終端縁と該終端縁が当接する部材である弾性部材とが剥離することを防止して、オイルが外部へ漏れ出すことを抑えることができる。
このように、シリンダブロックおよびシリンダヘッドに凹部を形成するとともに、ガスケットに切欠部を形成して、該凹部および切欠部に弾性部材を挿入しているので、該弾性部材を確実に保持することができ、オイル漏れ防止効果を高めることができる。
このように構成することで、シリンダブロックやシリンダヘッドに凹部を形成するなどの加工を施す必要がないので、簡易な構成でビードの終端縁からのオイル漏れを防止することができる。
さらに、シリンダブロック4とシリンダヘッド8とロアクランクケース6とのクランク軸方向における一端面側にチェーンカバー(タイミングチェーンカバー)20が接合されている。
図2〜図5に示すように、シリンダブロック4とシリンダヘッド8との接合部に配置されるシリンダヘッドガスケット6においては、ビード61によりチェーン室20aの内部をシールしており、シリンダブロック4およびシリンダヘッド8とチェーンカバー20との接合部では、両者間に充填された液状ガスケット22によりチェーン室20aの内部をシールしている。
つまり、凹部4aはシリンダブロック4の一端面および上面にかかるように形成され、凹部8aはシリンダヘッド8の一端面および下面にかかるように形成されており、該凹部4aと凹部8aとは平面視において略同じ位置および略同じ形状に形成されている。
前記シリンダヘッドガスケット6のビード61の終端部61aは、クランク軸14方向と略直交する方向へ延びるように配置されており、該ビード61の終端縁61bは、前記切欠部62における、クランク軸14方向に広がる面62aまで延設されている。
前記弾性部材31は、シリンダブロック4およびシリンダヘッド8の一端面にチェーンカバー20が接合された状態では、前記凹部4a・8aおよび切欠部62に圧入された状態となっており、前記ビード61の終端縁61bは、圧入された弾性部材31により、クランク軸14方向と略直交する方向に押圧されている。
また、例えば弾性部材31は、前記凹部4a・8aおよび切欠部62の奥端部までは挿入されておらず、該凹部4a・8aおよび切欠部62の奥端部には液状ガスケット22が充填されている。
弾性部材31をこのように挿入することで、凹部4a・8aおよび切欠部62内に充填されている液状ガスケット22が加圧され、加圧された液状ガスケット22の反発力により弾性部材31が押圧されることとなる。弾性部材31が液状ガスケット22に押圧されることにより、該弾性部材31にクランク軸14方向と略直交する方向への加圧力が発生し、弾性部材31がビード61の終端縁61bを押圧することとなる。
一方、シリンダブロック4、シリンダヘッド8、およびチェーンカバー20のクランク軸14方向と略直交する方向の、エンジン稼動時における温度変化による相対位置変動は、僅かである。
これにより、ビード61の終端縁61b部分から、チェーン室20a内部のオイルが外部へ漏れ出すことを防止することができる。
これにより、より確実にビード61の終端縁61bと弾性部材31とが剥離することを防止して、チェーン室20a内部のオイルが外部へ漏れ出すことを抑えることができる。
特に、本例では、シリンダブロック4およびシリンダヘッド8に凹部4a・8aを形成するとともに、シリンダヘッドガスケット6に切欠部62を形成して、該凹部4a・8aおよび切欠部62に弾性部材31を挿入しているので、該弾性部材31を確実に保持することができ、オイル漏れ防止効果を高めることができる。
図6〜図8に示すように、シリンダブロック4とシリンダヘッド8との接合部に配置されるシリンダヘッドガスケット6の三面合わせ部に位置する部分においては、前記シリンダヘッドガスケット6のビード61の終端部61aは、クランク軸14方向と略直交する方向へ延びるように配置されており、該ビード61の終端縁61bは、シリンダヘッドガスケット6の、前記チェーン室20aに接するとともに、クランク軸14方向に広がる面6aまで延設されている。
なお、本例では、三面合わせ部におけるシリンダブロック4およびシリンダヘッド8の一端面には、前述のような凹部4a・8aは形成されていない。
係合突起20bに係合してチェーンカバー20に取り付けられた弾性部材32は、該チェーンカバー20がシリンダブロック4およびシリンダヘッド8の一端面に接合された状態では、前記シリンダヘッドガスケット6のクランク軸14方向に広がる面6a、すなわちビード61の終端縁61bに圧接している。
つまり、クランク軸14方向と略直交する方向に配置されたビード61の終端部61aにおいては、切欠部62のクランク軸14方向に広がる面62aまで延設される終端縁61bが弾性部材32に当接していて、ビード61の終端縁61bによるシール方向はクランク軸14方向と略直交する方向となっている。
これにより、ビード61の終端縁61b部分から、チェーン室20a内部のオイルが外部へ漏れ出すことを防止することができる。
これにより、より確実にビード61の終端縁61bと弾性部材32とが剥離することを防止して、チェーン室20a内部のオイルが外部へ漏れ出すことを抑えることができる。
特に、本例においては、シリンダブロック4やシリンダヘッド8に凹部4a・8aを形成するなどの加工を施す必要がないので、簡易な構成でビード61の終端縁61bからのオイル漏れを防止することができる。
図9に示すように、シリンダブロック4とシリンダヘッド8との接合部に配置されるシリンダヘッドガスケット6の三面合わせ部に位置する部分においては、前記シリンダヘッドガスケット6のビード61の終端部61aは、クランク軸14方向と略直交する方向へ延びるように配置されており、該ビード61の終端縁61bは、シリンダヘッドガスケット6の、前記チェーン室20aに接するとともに、クランク軸14方向に広がる面6aまで延設されている。
なお、本例では、三面合わせ部におけるシリンダブロック4およびシリンダヘッド8の一端面には、前述のような凹部4a・8aは形成されていない。
また、突起部20cの先端部には、他部よりもシリンダヘッドガスケット6のクランク軸14方向に広がる面6a側に突出する加圧部20dが形成されている。
この場合、前記突起部20c近傍に位置する液状ガスケット22は、該突起部20cとシリンダヘッドガスケット6のクランク軸14方向に広がる面6aとの間を通じて反チェーンカバー20側へ流動しようとするが、突起部20cの先端には加圧部20dが形成されているため、反チェーンカバー20側への流動が制限される。
つまり、クランク軸14方向と略直交する方向に配置されたビード61の終端部61aにおいては、切欠部62のクランク軸14方向に広がる面62aまで延設される終端縁61bが液状ガスケット22に当接していて、ビード61の終端縁61bによるシール方向はクランク軸14方向と略直交する方向となっている。
これにより、ビード61の終端縁61b部分から、チェーン室20a内部のオイルが外部へ漏れ出すことを防止することができる。
4 シリンダブロック
4a (シリンダブロックの)凹部
6 シリンダヘッドガスケット
8 シリンダヘッド
8a (シリンダブロックの)凹部
14 クランク軸
20 チェーンカバー
22 液状ガスケット
31・32 弾性部材
61 ビード
61a (ビードの)終端部
61b (ビードの)終端縁
62 (ビードの)切欠部
Claims (4)
- シリンダブロックの上方にガスケットを介してシリンダヘッドが接合され、該シリンダブロックおよびシリンダヘッドのクランク軸方向における一端面側に液状ガスケットを介してチェーンカバーが接合されるエンジンにおいて、
前記ガスケットの一端面側におけるチェーンカバー当接部分に、クランク軸方向へ広がる面を形成し、
前記ガスケットにおけるビードの終端部をクランク軸方向と略直交する方向に形成して、該ビードの終端縁を、前記ガスケットのクランク軸方向へ広がる面まで延設した、
ことを特徴とするエンジンのシール構造。 - 前記ガスケットのクランク軸方向へ広がる面に延設される前記ビードの終端縁が、弾性部材によりクランク軸方向と略直交する方向に押圧される、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのシール構造。 - 前記シリンダブロックおよびシリンダヘッドの一端面に、両者を跨ぐように凹部を形成し、
前記ガスケットに、前記凹部と位置および形状を合わせた切欠部を形成し、
該ビードの終端縁を、前記ガスケットの切欠部における、クランク軸方向に広がる面まで延設し、
前記シリンダブロックおよびシリンダヘッドの凹部、並びに前記ガスケットの切欠部に弾性部材を挿入して、該弾性部材により前記ビードの終端縁をクランク軸方向と略直交する方向に押圧した、
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのシール構造。 - 前記ビードの終端縁を、前記ガスケットにおける、シリンダブロック、シリンダヘッド、およびチェーンカバーにて形成される空間に接するとともに、クランク軸方向に広がる面まで延設し、
該ビードの終端縁を、チェーンカバーに取り付けた弾性部材によりクランク軸方向と略直交する方向に押圧した、
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのシール構造。
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