JP2004239369A - 金属ガスケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼室孔2周りのビードを、多条の凸部6、7からなる金属ビードと当該金属ビードの凹部に少なくとも充填される弾性シール材からなるゴムビードとの合成多条ビードとしている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダブロックとシリンダヘッド間に介挿されボルト締結されて燃焼ガスをシールするのに好適な薄物の金属ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の金属ガスケットとしては例えば、先行技術文献1に記載されているものがある。
この金属ガスケットは、剛性が高く且つ弾力性のある薄肉金属板から基板を構成して、燃焼室孔の周縁を囲繞するシールラインに沿って、基板を板厚方向に屈曲成形して金属ビードを形成している。そして、上記金属ガスケットを、シリンダーブロックの接合面とシリンダーヘッドの接合面との間に介挿してボルトで締め付けて取り付けると、当該締付け力に応じて金属ビードが弾性変形し、その弾性変形による圧によって燃焼室孔の周りを線シールする。
【0003】
また、上記燃焼室孔の端部を折り返して増厚部を形成することで、接合面間に組み付けたときに、当該増厚部に一番大きな面圧を発生させて燃焼ガスをシールすると共に、当該増厚部によって上記金属ビードの圧縮変形量を狙いとする値に設定している。
また、従来、この種の金属ガスケットとしては、例えば先行技術文献2に記載されているものもある。
【0004】
この金属ガスケットは、基板を1枚の薄鋼板から構成し、燃焼室孔の開口端部全周にグロメットなどを装着したり折り返したりして第1の増厚部を形成し、また、基板の外周縁近傍をシールラインとして基板の両面に突出するようにゴムを焼き付けてゴムビードを形成している。また、基板の外周端部の一部を折り返して第2の増厚部を形成している。この金属ガスケットでは、増厚部によってゴムビードの圧縮変形量を規制することで当該ゴムビードの破壊を防止しつつ圧縮変形したゴムビードによってシールしている。なお、ゴムビードが圧縮破壊されるのを防止するために、通常、ゴムビードの圧縮変形量を例えば最大40%程度以下に設定している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−3465号公報
【特許文献2】
特開平6−101761号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の金属ガスケットのビードでは、接合面に対し金属ビードによるメタル接触かつ線接触でシールする。このため、基板つまりビードを構成する部材を高硬度材とすることでビードのバネ応力を高めて、要求されるシール圧を確保する必要がある。また、上記ビードは、メタル接触でシール機能を発揮するため、当該ビードを形成する基板は高硬度のものとする必要があることから、エンジン運転時に発生する振動振幅によりビードの曲げR部に集中している内部応力が、圧縮、引張の繰り返しで入力されて疲労破壊に繋がることが有る。
【0007】
また、上記金属ガスケットが使用されるエンジンは、更なる軽量化、筒内圧の高騰、燃焼ガス温度の高騰等による、熱変形、振動振幅の増大化の傾向にあるため、上述のように硬度の高い基材では疲労破壊防止に限界があり、基板の硬度を下げるために硬度の低い材料を使用することが望ましい。
しかし、上記従来の金属ガスケットにあっては、基板の硬度を下げるとビードが発生するバネ力が低下し、更に増厚部でビードの変形を制限している為にシールライン幅も狭いことから、シール面の取り扱い傷や鋳巣穴等に弱い。
【0008】
また、上記後者の金属ガスケットにあっては、ゴムビードのうち増厚部よりも突出した突出厚さ分だけが圧縮変形してシールのための反発弾力を発生するが、当該ゴムビードは、基板の平坦部に形成されると共に基板の両面から突出する形状であるので、ゴムビードのゴム量が抑えられて圧縮変形量が小さくなる。この結果、ゴムビードの寸法精度の要求度が高く、かつ変形追随量も小さく、当該ゴムビード53の成形加工が難しくなると共に加工精度も厳しくなる。
【0009】
また、上述のように、基板の平坦部にゴムビードが成形されていると、例えば、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間の接合面に介挿される金属ガスケットを想定した場合に、当該シリンダーヘッド材とシリンダーブロック材の素材の違いによる熱膨張差によるずれによって基板の表面に沿ったせん断力が入力される結果、上記ゴムビードが、基板から剥離する心配もある。
【0010】
さらに、上記従来の金属ガスケットにあっては、基板端部の折返しやグルメットの装着によって、ビードとは別に当該ビードのストッパとなる増厚部を設けているため、当該増厚部によって金属ガスケットの薄さが制限されてしまう。例えば、基板を折り返して増厚部を形成すると、金属ガスケットの厚さは、ほぼ基板の板厚の2倍程度となってしまう。これは、前者の従来の金属ガスケットであっても同様である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、安定したシール性能を確保することができると共に、ビードとは別の増厚部を不要とした薄物の金属ガスケットを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、薄肉金属板からなる基板に対し、シールラインに沿ってビードが形成されて、対向する接合面間に組み付けられる金属ガスケットにおいて、
上記シールラインに沿って形成されるビードの少なくとも1部のビードを、
一方の面側にのみ突出するように上記基板を凹凸状に成形することで形成されて上記シールラインを横切る方向に並ぶ複数条の凸部からなる金属ビードと、
上記複数条の凸部のうちの少なくとも1つの凸部裏側に充填されると共に当該複数条の凸部のうちの少なくとも1つの凸部における少なくとも当該凸部表面に固着する弾性シール材からなるゴムビードと、の合成からなる合成多条ビードとしたことを特徴とするものである。
【0012】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ゴムビードは、少なくとも金属ビードの凸部裏側の凹部内及び凸部間の凹部内に充填される弾性シール材からなることを特徴とするものである。
各ビードが金属ビードとゴムビードの合成により構成され、且つ軟質な弾性シール材が接合面に接触することで、基板の硬度を下げつつ、ビードによる確実なシールを確保可能となる。
【0013】
また、多条とすることで、ビードに負荷される荷重が低減して必ずしも増厚部などのストッパが必要ではない結果、ガスケットを薄くすることが可能となる。また、シールラインを横切る方向に多条に成形することでラビリンス効果を得る。
さらに、2条以上の凸部の表裏にそれぞれ上記弾性シール材を設けた場合には、仮に一条の凸部に設けた弾性シール材が熱や液などによって劣化しても、残りの弾性シール部分でシールすることが可能である。
【0014】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記合成多条ビードを形成する金属ビードの凸部の条数、及び各凸部の幅の少なくとも一方は、ビードの延在方向に沿って、上記接合面間に組み付けられたときに当該接合面から負荷される圧力に応じて変更され、当該負荷される圧力が小さいところでは、上記凸部の条数を他の部分に比べて多く設定したり、上記凸部の幅を広くしたりすることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、負荷される圧力が低くなる部分の条数や幅を増加することで、その部分で受ける加重が増加して、シールライン(ビード)に沿った面圧の均等化を図ることが可能となる。
例えば、締付けボルト孔近傍に比べてボルト孔間は負荷される荷重が相対的に小さいが、そのような部分においては、凸部の条数を相対的に増やしたり全部若しくは一部の凸部の幅を相対的に広くしたりすることで、当該ボルト孔間のビードに負荷される荷重が増加して、シールラインに沿った圧の均等化を図ることが可能となる。
【0016】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、少なくとも燃焼室孔及びボルト孔が開口した薄肉金属板から基板が構成され、上記燃焼室孔を囲むようにシールラインが配置される金属ビードにおいて、その燃焼室孔を囲むシールラインに沿って形成されるビードを、上記合成多条ビードとしたことを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、万一、燃焼室孔側の凸部位置で圧漏れが生じたり弾性シール材に焼けがあっても、それよりも外周側の温度の低い他の凸部位置でシール可能となる。
なお、一部の凸部だけに弾性シール材を設ける場合には、燃焼室孔から離れた位置の凸部に弾性シール材を設けることが好ましい。
【0018】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した構成に対し、上記燃焼室孔の開口端部を上記金属ビードの突出側に90度未満の角度で折り曲げて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部は、接合面間に組み付けた状態において折り曲げ方向に向けて付勢するバネを有することを特徴とするものである。
なお、上記折り曲げ部はハーフビードと見なすことも可能である。
【0019】
本発明によれば、折り曲げ部が、合成多条ビードに対し、ボアからの燃焼ガスに侵入や炎の侵入を防止したり、隙間に入った不完全燃焼ガスによるすすが堆積炭化するのを防止して、よりシール性が向上すると共に合成多条ビードでの焼けを防止可能となる。
ここで、90度未満の角度としているのは、次の理由による。すなわち、90度以上に折り曲げてバネを発揮させようとすると、折り曲げ部が2つに折り畳まれた状態となって、金属ガスケットの厚さが例えば基板の2倍以上の厚さとなってしまう。これに対し、90度未満の角度とすることで、折り曲げ部を設けても金属ガスケットのシール厚を薄くすることが可能となる。角度としては、30度〜60度が好ましい。
【0020】
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載した構成に対し、上記金属ビードを構成する複数条の凸部の少なくとも一つのの凸部は、上端面が平坦面となっていると共に、その平坦面の開始位置と当該凸部裏側の凹部の開始位置とがビード幅方向にオフセットしていることで、当該凸部を構成する立上り部部分の一部に段部が形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明によれば、上記段部がストッパの役割をして、ビードの変形量を確実に目的の値に設定することが可能となる。
またビードによって形成するので、金属ガスケットを薄物とすることが可能である。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した構成に対し、上記立ち上がり部分の一部に段部が形成された凸部の凹部内に、その凹部の深さと同じ若しくは深さ未満の板厚からなるシム板を配設したことを特徴とするものである。
【0022】
ここで、上記シム板の配設は、例えば、上記凹部に嵌め込むことで実現される。
上記シム板の厚さは、凹部の深さと同等か同等以下であるので、凹部から突出することはなく、当該シム板を凹部内に配置することで、その分だけ上記段部の剛性が高くなり、当該段部によるストッパ効果が寄り確実となる。また、シムの板厚を、凹部の深さよりも小さく設定することで、上記段部の剛性を高めると共に当該段部を備えた凸部のバネを調整可能となる。
【0023】
なお、上記シム板は、上述のように凹部内に嵌め込むなどによって配設可能であるので、直接に、基板平坦部に固着させる場合に比べて取付けを容易とすることが可能である。また、凹部内に配置すると当該凹部によってシム板の横方向への移動が規制される結果、剪断力が入力されても、上記シム板が基板から剥がれ難くなる。
【0024】
次に、請求項8に記載した発明は、請求項6又は請求項7に記載した構成に対し、上記基板に少なくとも燃焼室孔が開口し、その燃焼室孔を囲むように上記合成多条ビードが形成され、上記段部は、金属ビードを形成する複数条の凸部のうち少なくとも燃焼室孔に一番近い凸部に形成されていることを特徴とするものである。 本発明によれば、一番燃焼室孔に近い段部が、炎に対する遮蔽壁の役割を有して弾性シール材の焼けを防止可能となる。
【0025】
次に、請求項9に記載した発明は、請求項8に記載した構成に対し、上記段部の高さは、ビード延在方向に沿って抑揚変化していて、接合面間に組み付けたとき当該接合面から負荷される荷重が小さい場所ほど上記段部の高さが高くなるように設定されていることを特徴とするものである。
上記合成多条ビードのうちでは、段部に一番大きな圧が発生するが、その段部の延在方向に沿って当該段部に高さに適当な抑揚を付けることで延在方向に沿った圧の均等化が図られる結果、ボアの真円度を歪ませる要因を除去可能となる。
【0026】
次に、請求項10に記載した発明は、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載した構成に対し、上記金属ビードを形成する複数条の凸部の高さは、互いに異なることを特徴とするものである。
各凸部に負荷される圧が均一とは限らないが、凸部高さを互いに変えることで各凸部位置での荷重負荷の分担が調整されて、ビード幅方向に沿った、適正なシール圧の分布を実現可能となる。
【0027】
次に、請求項11に記載した発明は、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載した構成に対し、上記金属ビードを形成する複数条の凸部の条数を3条以上とし、左右両端部に位置する凸部の高さを、その間に位置する凸部の高さよりも高く設定すると共に、その左右両端部に位置する凸部における、ビード幅方向外側を向く凸部表面には弾性シール材を固着せず、ゴムビードを構成する弾性シール材は、上記各凸部裏側の凹部内及び上記左右両端部に位置する凸部間に充填されていることを特徴とするものである。
【0028】
本発明によれば、外側部分に弾性シール材を固着しないことで、左右両端部の凸部位置が一番撓みやすくなると共に一番多く撓む。これによって、その間の凸部位置に生じる圧と左右両端部位置での圧との差を小さく設定して、ビード幅方向に沿ったシール圧を適正化することが可能となる。
また、左右の外側に弾性シール材を設けないことと、左右両端部の凸部が一番高く設定されているので、基板両面に設ける弾性シール材の充填をプリント方式で実施することも可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケット1 を示す平面図、図2は、図1におけるA−A断面図である。
まず、本実施形態に係る金属ガスケット1の構成について説明する。
【0030】
基板1を、ステンレス鋼板や軟鋼板などの薄肉金属板から構成する。本実施形態では、低価格品を対象として基板1が軟鋼板から構成されているものとする。本実施形態の金属ガスケットKでは、後述のように硬度が低い軟鋼板を使用してもビードによる十分なシールが可能となっている。
上記基板1には、図1に示すように、その略中央部に燃焼室孔2が開口し、また、基板1外周側に複数のボルト孔3が開口している。さらに、基板1には、オイル孔5、チャンバー孔4などが開口している。なお、水冷式の場合には冷却水用の孔も開口している。
【0031】
また、上記燃焼室孔2を囲むようにして第1シールラインが設定されると共に、基板1の外周、オイル孔5、及びチャンバー孔4に沿って第2シールラインが設定されている。
そして、上記第1シールラインに沿って、第1のビードBD1である合成多条ビードが形成されている。合成多条ビードは、図2に示すように、シールラインに沿って延びる複数条の凸部6、7からなる金属ビードと、その金属ビードに充填・固着されるゴムビードとの合成によって構成される。
【0032】
上記金属ビードを形成する各条の凸部6、7は、上記図2に示すように、いずれも上側にのみ突出するように、基板1を板厚方向に凹凸状に屈曲成形して形成されて、各条の凸部6、7の裏側(下面側)に凹部が形成されると共に、隣り合う凸部6、7間にも凹部が形成される。ここで、シールラインを横切る方向に並ぶ上記凸部6、7の条数は、本実施形態では、原則として2条に設計しているが、相対的に負荷される圧が小さくなりやすいボルト孔3の間にあっては、当該ボルト孔3間に1条多く凸部8を形成して合計3条の凸部6、7、8に設定している(図3参照)。なお、条数は、2条や3条に限定されず、形成可能なビード幅などに応じて4条以上であっても勿論構わない。
【0033】
また、上記ゴムビードは、上記凸部6、7裏側の凹部及び凸部6、7間の凹部に充填される第1の弾性シール材12、13、20と、上記凸部6、7表面のうち上記凹部を形成しない当該凸部6、7表面側に固着する第2の弾性シール材22とから構成される。第2の弾性シール材22は、上記凸部6、7を形成する立上り部と、その立上り部に連続する基板1平坦部とに固着している。ただし、上記第2の弾性シール材22は、燃焼室孔2に一番近位の凸部6の表面には固着していない。これは、燃焼室孔2に一番近位の凸部6表面に弾性シール材が固着していると、当該弾性シール材が燃焼室孔2からの炎によって焼けるからである。なお、上側に設けられる弾性シール材20、22の高さは、略凸部6、7と同一若しくは同程度に設定すればよい、すなわち、凸部6、7の最上面にも弾性シール材が被着していても構わない。上記弾性シール材20,21の高さは、組み込まれたときに想定される圧縮率が当該弾性シール材20,21が圧縮破壊を生じない範囲となる範囲で設定すればよい。
【0034】
また、第2シールラインに沿って形成される第2のビードBD2は、1条の凸部からなる金属ビード9と、ゴムビードとから構成される。
上記金属ビード9は、基板1を板厚方向に屈曲して上側にのみ突出するように凸状に成形して構成される。この金属ビードを形成する凸部の幅は、上記第1シールラインの凸部6、7の幅よりも広い。また、ゴムビードは、その金属ビード9の凸部裏側(下面側)の凹部内に充填される弾性シール材15と、当該金属ビード9の凸部表面側に固着する弾性シール材23、24とから構成される。
【0035】
ここで、上記弾性シール材は、いずれも、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の、耐食性かつ弾性と耐熱性を有する素材から構成すれば良い。
次に、上記構成の金属ガスケットKの作用・効果などについて説明する。
上記構成の金属ガスケットKは、シリンダブロックとシリンダガスケットとの対向する接合面間に介装されて、締付けボルトを締め付けることで、上記ビードBD1、BD2が圧縮変形して所要のシール圧を発生して燃焼ガスなどをシールする。
【0036】
このとき、本実施形態のビードは、圧縮変形した金属ビードとゴムビードとのによる合成バネによって所要のシール圧を発生する構造であるので、金属ビードを構成する基板1の硬度をその分、下げることが可能となっている。また、上下両接合面(シール面)と接触するビードの部分は、圧縮変形した軟質の弾性シール材の平坦面部分となり、その軟質な弾性シール材が、当接した接合面部分にあるエンジンの加工ツールマークを埋める。このために、例えばビードBD1によって、エンジン稼働による脈動加圧であっても、燃焼ガスを完全にシールすることができる。
【0037】
また、本実施形態では、外周側に位置する第2のビードBD2に比べて、燃焼室孔2側に形成した第1のビードBD1(合成多条ビード)の金属ビードの条数を増やしていることから、当該合成多条ビードに負荷される荷重が大きくなり、つまり圧が小さくなって第1のビードBD1での変形量を抑える。この結果、当該第1のビードBD1の圧縮変形量を規制するために、燃焼室孔2側端部を折り返して形成する金属性の増厚部を必ずしも設ける必要がない。
【0038】
また、第1シールラインを横切るように複数条の凸部6、7を形成しているので、仮に、燃焼室孔2側の凸部6位置で圧漏れが生じても、その位置よりも外周側の凸部7位置の金属ビード及びゴムビード部分でシールすることが可能となる。
このように、本実施形態では、ボア内の燃焼ガスをシール可能であるにも拘わらず、第1のビードBD1の圧縮変形量を規制する折返し増厚部が不要となる。つまり、薄物で安価な金属ガスケットKを提供することができる。
【0039】
また、ボルト孔3間は、他の部分よりも負荷される圧が小さいことに鑑み、本実施形態では、当該ボルト孔3間に位置する部分の凸部6、7の条数を相対的に増加してボルト孔3間に負荷される荷重を増加している。この結果、第1のビードBD1について、周方向に沿った圧縮変形量が均等化することで、周方向に沿ったシール圧のバランスを取っている。
【0040】
ここで、上記負荷される圧が小さい部分について、凸部の条数を相対的に増加させる代わりに若しくは併用して、凸部の幅を相対的に広くすることで荷重の増加を図っても良い。この場合、例えば、全ての凸部の幅を変えずに、一番燃焼室孔2側の凸部6の幅だけを広くするようにするなどでも良い。
また、図3に示すように、燃焼室孔2を形成する基板1端部を、90度未満の角度で上方に折り曲げて折り曲げ部11を形成しておくと良い。なお、図3は、図1におけるB−B断面図であり、金属ガスケットを構成する凸部の条数が3条6、7、8の部分での図である。
【0041】
上記折り曲げ部11は、基板1の下面を形成する基準面に対する立上り角度が90度未満、好ましくは30度〜60度に設定されていて、第1のビードBD1の変形と共に、基板1の下面側に押し戻される結果、上方に向けて付勢するバネを発揮可能となっている。このことから、折り曲げ部11の立上り量(高さ)は、第1のビードBD1が圧縮変形したときの高さより高く設定する。例えば第1のビードBD1の高さと同じに設定すればよい。
【0042】
この折り曲げ部11を設けておくと、直接に燃焼ガスや燃焼時の炎と接触する部分が折り曲げ部11となることから、当該折り曲げ部11によって、第1のビードBD1が炎などから保護されて、第1のビードBD1のゴムビードが焼けにくくなる。また、立上り角度を90度未満、つまり折り返さないので、上記折り曲げ部11を設けてもガスケットを厚くすることがない。
【0043】
ここで、上記実施形態の合成多条ビードにあっては、一番外周側の凸部7、8の外周側表面にも第2の弾性シール材22を固着する例を示しているが、この一番外周側の凸部7、8の外周側表面に固着する弾性シール材22を省略しても良い。
また、上記実施形態では、金属ビードを形成する多条の凸部6、7を全てフルビードで形成する場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、図4に示すように、一番外周側の凸部8−2をハーフビード状に形成しても良い。
【0044】
ここで、一番外側の凸部8−2をハーフビードとした場合には、それに続く基板1の平坦部が上側にオフセットする。これを防止するために、図5に示すように、ハーフビードの端部に沿って切欠き30を形成しても良い。なお、この実施例では、ボルト孔3間だけに凸部8が形成されているので、つまり周方向に沿って部分的に凸部8が形成されているので、上述のような切欠きを形成しても問題はない。
【0045】
また、金属ビードを形成する多条の凸部6、7、8の高さを、ビード幅方向に沿った圧バランスを適正化する目的などに応じて、互いに異なるように設定しても良い。
また、上記実施形態では、凸部6,7,8の全ての凹部に弾性シール材12,13,14を充填しているが、例えば凸部7,8の凹部だけに充填するようにしても良い。
【0046】
また、上側の弾性シール材20,21についても、全ての凸部間の凹部に充填するようにしているが、例えば、燃焼室孔2に近い弾性シール材20を省略しても構わない。また、凸部間の凹部に充填するようにして弾性シール材20,21を設けているが、個々独立に、各凸部の表面に弾性シール材を固着させるようにしても構わない。
【0047】
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部材などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、合成多条ビードの構成が少し異なる。
すなわち、本実施形態の合成多条ビードも、複数条の凸部6、7、8からなる金属ビードと、上述のようなゴムビードとからなるが、上記折り曲げ部11に代えて、若しくは当該折り曲げ部11と共に、図6に示すように、上記第1のビードBD1を構成する金属ビードの複数条の凸部6、7における一番内周側(燃焼室孔2側)に位置する凸部6の立上り部を略90度に設定し、且つ、当該凸部6の上端面を平坦にしている。これによって、その平坦部の開始位置と、その裏側に形成される凹部の開始位置とを、燃焼室孔2から離れる方向(ビード幅方向)にδだけオフセットさせて、凸部6の立上り部に段部6a、6bを形成している。この段部6a、6bは、板厚方向の荷重によって圧縮しないか、当該圧縮量が小さいので、合成多条ビード全体の板厚方向圧縮量を規制する。図6では、一番内側の凸部6の2つの立上り部を共に段部6a、6bとしているが、少なくとも燃焼室孔2側が段部6aを形成していればよい。
【0048】
なお、複数条の凸部6、7のうち段部を形成しない凸部7、8の高さについては、段部を形成した凸部6の高さよりも若干高めに設定しておく。また、段部を形成する凸部上面の平坦部は、基板と必ずしも平行でなくても良く、若干傾斜していても良い。
このように、金属ビードの一部に段部を形成すると、ビードとは別に基板1を折返して増厚部を設けることなく、金属ビードの圧縮変形量を所定の値に規制することが可能となる。また、上記段部6a、6bは、凸部6の立上り部に形成するので、基板1の厚さの1倍未満など、その高さを小さく設定することが可能となって、薄物の金属ガスケットKを提供することが可能となる。
【0049】
このとき、第1のビードBD1では、段部6aに一番圧が付与されることとなることに鑑み、当該段部6aの高さを延在方向に沿って抑揚変化を付けて当該延在方向に沿った圧の均等化を図ることが好ましい。このように抑揚変化を付けることで、ボアの真円度への悪影響を小さくすることが可能となる。
また、上記段部のうち、燃焼室孔2に一番近い部分の凸部6の立上り部に形成した段部6aは、燃焼室孔2から離れる方向に、基板1の板厚相当の遮蔽壁となって、その分、凹部の弾性シール材12の焼き付けを防止する。
【0050】
その他の構成、及び作用・効果などについては上記第1実施形態と同様である。
ここで、上記実施形態の説明では、一番内周側の凸部6に段部を形成する場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、複数条の凸部6、7を形成する立上り部のうち、一番内周側と一番外周側の部分に段部6a、7bを形成するようにしても良い。このような構成であっても、ゴムビードを形成する弾性シール材12、13、20、22等が変形することでシールすることが可能である。なお、段部7bの高さよりも段部6aの高さを高く設定することで、段部6aへの圧が一番高くなるように設定している。
【0051】
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記各実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様である。但し、合成多条ビードの構成が少し異なる。
すなわち、本実施形態の合成多条ビードも、複数条の凸部からなる金属ビードと、ゴムビードとからなるが、両端部に位置する凸部の外側表面側に弾性シール材を固着させていない。
【0052】
そして、金属ビードを形成する多条の凸部6、7の高さを互いに異なるように設定している。本実施形態では、図8に示すように、凸部6、7、8の高さを燃焼室孔2に近づくにつれて高くなるように設定している。通常、燃焼室孔2に近づくにつれてボルト孔3から離れて負荷される圧が小さくなるが、当該燃焼室孔2側のビード高さを高く設定することで、燃焼室孔2側の面圧を高く設定することができる。この結果、ビード幅方向に沿ったシール圧のバランスを適正化することが可能となる。
【0053】
また、凸部6、7、8の高さを燃焼室孔2に近づくにつれて高く設定して、凸部6、8の上端を結ぶ線が直線状となるように設定している。これによって、合成多条ビードを形成するゴムビードの上面及び下面が平面状となって、上下の凹部に充填する弾性シール材12、13、14及び20、21をプリント方式で充填することが可能となる。なお、上面側にのみ突出するようにして金属ビードを形成しているため、いずれの実施形態を採用しても、下面側のゴムビードの面は平面状となってプリント方式による弾性シール材12、13、14の充填が可能である。
【0054】
なお、いずれの図においても、凸部と凸部との境界部下面が基板1下面と同じ面位置にあるが、若干上側にオフセットしていても良い。この場合であっても、下面の凹部に充填する弾性シール材の下面は、基板1下面に等しく設定する。
また、図9に示すように、凸部の条数を3条以上として、一番内周側及び一番外周側の凸部6、8高さを、狙いとする高さよりも若干高めに設定し、その両端部の凸部6、8の間に位置する凸部7を狙いとする高さとし、さらに、その両端部の凸部6、8間について、その両端の凸部6,8の高さまで弾性シール材20、21を充填するようにする。このようにすると、弾性シール材の下面及び上面が共に平面状態となるので、プリント方式でも弾性シール材12、13、14、及び20、21を充填することが可能となり、シール材の形成を安価に実施できて、金属ガスケットKをより安価とすることが可能となる。
【0055】
また、この構成のビードにあっては、両端部の凸部6、8の各ビード外側部分に位置する凸部6、8表面には、弾性シール材を固着しないので、両端部の凸部6、8を高めに設定しても当該両端部の凸部6、8が変形しやすく設定可能となる。
これによって、各凸部6位置〜凸部8位置までの幅方向での圧を、均等に近づけることが可能となると共に弾性シール材を安価に形成することが可能となる。
【0056】
このとき、図10に示すように、中央部の相対的に低めに設定した凸部7に対して上記段部を採用しても良い。このように、低めに設定したつまり狙いとする高さ相当に設定した凸部7に対して上記段部を採用を採用することで、当該段部によって、狙い通りの圧縮変形量に設定することが可能となる。
その他の構成や作用・効果は上記実施形態と同様である。
【0057】
ここで、全実施形態において、第2のビードBD2についても、面圧が弱い部分に対して合成多条ビードを採用しても良い。図11では、基板1外周部を上側に折り曲げて外周側にハーフビード32からなる凸部を追加した例を示している。
また、上記各実施形態では、単気筒のエンジンに使用される金属ガスケットKを例示しているが、多気筒エンジンや産業機械など他の部分に使用される金属ガスケットに適用しても構わない。
【0058】
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記各実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様である。但し、燃焼室孔2周りに形成する合成多条ビードの構成が少し異なる。
すなわち、図12及び図13に示すように、第1のビードDB1を形成する金属ビードの凸部6,7が2条となっている。燃焼室孔2側の凸部6は、両側の立ち上がり部が段部6a、6bを形成して、当該凸部6に一番圧が集中するようになっている。なお、図13では、凸部6,7の延在方向に沿った軌跡(ライン)のみを図示している。
【0059】
また、第1のビードBD1のゴムビードを形成する弾性シール材12,20,22は、凸部6の凹部には充填せず、凸部7の凹部に充填及び当該凸部7の表面(上面)側にのみ固着している。なお、弾性シール材20について、凸部6と凸部7の間の凹部全部を埋めるように弾性シール材20を配置しても良い。
また、本実施形態では、第1のビードBD1を、図13に示すように、燃焼室孔2の周方向に沿って波打ちながら延びるような軌跡に構成することで、基板1の素材の硬度を抑えつつ、第1のビードBD1の板厚方向の剛性を高めて、第1のビードBD1を補強している。なお、図13においては、2条の凸部6,7とも波打つような軌跡としているが、一方の凸部だけ波打たせても良い。また、その振幅や周期についても、凸部6の軌跡と凸部7の軌跡とを同期させることは必ずしも必要はない。
【0060】
さらに、燃焼室孔2端部が上側に向けて90度未満の角度、例えば45度の角度で立ち上がるように折り曲げられて折り曲げ部11を形成している。なお、折り曲げ部11の先端部高さは、ほぼ凸部6と同程度となっている。なお、この折り曲げ部11をハーフ状の金属ビードと見なせば、本実施形態は、3条の凸部から構成された例とも見なすことも可能である。
【0061】
本実施形態の作用効果、及び構成については上記各実施形態と同様である。
ただし、第1のビードBD1の軌跡に波打たせることで、第1のビードBD1の板厚方向の剛性が向上することから、上記第1実施形態などに比べて凸部の条数を抑えることが可能となる。なお、上記第1〜第3実施形態についても、第1のビードBD1の軌跡を波打たせるように形成して補強を図っても良い。
【0062】
また、図14に示すように、凸部の凹部に対して、当該凹部の深さの厚さを有する薄いシム板30を嵌合させておくと良い。このようにすることで、ガスケット板厚の厳しいものであっても、凸部6に十分なストッパ効果を発揮させることが可能となる。
なお、このシム板30は、凹部内に嵌め込んだり凹部内に接着などで固定すればよいので、基板1の平坦部に直接シム板を固定する場合に比べて作業性が容易となる。しかも、凹部によってシム板30の移動が規制されるので、対向するエンジンの接合面から剪断応力がガスケットに入力されてもシム板30が基板1から剥がれにくい。なお、このシム板30は、対応する凹部の延在方向全てに介挿させて良いし、所定間隔当たりに介挿しても良いし、接合面からの圧が低い部分にだけ介挿させるように設計しても良い。
【0063】
ここで、シム板30の厚さを凹部の深さ未満の適当な厚さに設定することで、基板1の厚さが薄くても、凸部6の剛性を高めつつ当該凸部6のバネを調整することが可能となる。
また、図15に示すように、上記凸部と折り曲げ部11との間にハーフビード状の凸部6−2を形成して、凸部の条数を3条としても良い。なお、図15は、凸部7,6,6−2を下面側にのみ突出させた場合の例である。図15では、ハーフビード状の凸部6−2に続いて折り曲げ部11が形成されることから、上記凸部7,6,6−2の突出方向とは反対側(上側)に折り曲げられている。なお、図16のように、ハーフビード状の凸部6−2に続く折り曲げ部11を省略しても良い。ハーフビード状の凸部6−2によって炎の侵入が阻止されるからである。
【0064】
また、上記実施形態では、第1のビードBD1のシールラインに沿った軌跡が波打つ場合を例示しているが、これに限定されない。例えば図17、図18,図19に示すように、燃焼室孔2に沿って部分的に径方向に段差がつくように形成しても良い。この例では、図17では、所定長さ単位に周期的に径方向に段差を付けた場合の例である。なお、図17,18,19では、段部を形成する凸部から燃焼室孔2側だけを図示しており、それに続く図15における凸部7については位置だけを図示している。
【0065】
そして、上記構成とすることで、C−C断面である図18,及びD−D断面である図19に示すように、燃焼室孔2から相対的に離れる部分では、フルビード状の凸部6とハーフビード状の凸部6−2とからなり(図18参照)、燃焼室孔2に相対的に近い側では、フルビード状の凸部6だけとなっている(図19参照)。勿論、図20に示すように、ハーフビード状の凸部を省略しても良い。なお図20では、各凸部の延在方向に延びる軌跡(ライン)だけを図示している。
【0066】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明を採用すると、金属ビードを形成する凸部の数を多条とすることで、必ずしもビードとは別に折返し増厚部を設けなくても、ビードを変形量を規制可能となることで、薄物の金属ガスケットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係る金属ガスケットを示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】図1におけるB−B断面図である。
【図4】B−B断面図の変形である。
【図5】B−B断面図の変形である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る合成多条ビードを説明する断面図である。
【図7】本発明に基づく第2実施形態に係る合成多条ビードを説明する別の例を示す断面図である。
【図8】本発明に基づく第3実施形態に係る合成多条ビードを説明する断面図である。
【図9】本発明に基づく第3実施形態に係る合成多条ビードを説明する別の例を示す断面図である。
【図10】本発明に基づく第3実施形態に係る合成多条ビードを説明する別の例を示す断面図である。
【図11】第2のビードの別の例を示す断面図である。
【図12】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードを説明する断面図である。
【図13】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードを説明する平面図である。
【図14】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードの別の例を説明する断面図である。
【図15】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードの別の例を説明する断面図である。
【図16】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードの別の例を説明する断面図である。
【図17】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードの別の例を説明する平面図である。
【図18】図17におけるC−C断面図である。
【図19】図17におけるD−D断面図である。
【図20】本発明に基づく第4実施形態に係る合成多条ビードの別の例を説明する平面図である。
【符号の説明】
K 金属ガスケット
1 基板
2 燃焼室孔
3 ボルト孔
4 オイル孔
5 チャンバー孔
6、7、8 凸部(金属ビード)
6a、6b、7a 段部
8−2 ハーフビード状の凸部
11 折り曲げ部
12、13、14 凸部裏側の凹部に充填された弾性シール材(ゴムビード)
20、21 凸部間の凹部に充填された弾性シール材(ゴムビード)
22 凸部外側表面に固着する弾性シール材(ゴムビード)
30 シム板
Claims (11)
- 薄肉金属板からなる基板に対し、シールラインに沿ってビードが形成されて、対向する接合面間に組み付けられる金属ガスケットにおいて、
上記シールラインに沿って形成されるビードの少なくとも1部のビードを、
一方の面側にのみ突出するように上記基板を凹凸状に成形することで形成されて上記シールラインを横切る方向に並ぶ複数条の凸部からなる金属ビードと、
上記複数条の凸部のうちの少なくとも1つの凸部裏側に充填されると共に当該複数条の凸部のうちの少なくとも1つの凸部における少なくとも当該凸部表面に固着する弾性シール材からなるゴムビードと、の合成からなる合成多条ビードとしたことを特徴とする金属ガスケット。 - 上記ゴムビードは、少なくとも金属ビードの凸部裏側の凹部内及び凸部間の凹部内に充填される弾性シール材からなることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
- 上記合成多条ビードを形成する金属ビードの凸部の条数、及び各凸部の幅の少なくとも一方は、ビードの延在方向に沿って、上記接合面間に組み付けられたときに当該接合面から負荷される圧力に応じて変更され、当該負荷される圧力が小さいところでは、上記凸部の条数を他の部分に比べて多く設定したり、上記凸部の幅を広くしたりすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した金属ガスケット。
- 少なくとも燃焼室孔及びボルト孔が開口した薄肉金属板から基板が構成され、上記燃焼室孔を囲むようにシールラインが配置される金属ビードにおいて、その燃焼室孔を囲むシールラインに沿って形成されるビードを、上記合成多条ビードとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載した金属ガスケット。
- 上記燃焼室孔の開口端部を上記金属ビードの突出側に90度未満の角度で折り曲げて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部は、接合面間に組み付けた状態において折り曲げ方向に向けて付勢するバネを有することを特徴とする請求項4に記載した金属ガスケット。
- 上記金属ビードを構成する複数条の凸部の少なくとも一つのの凸部は、上端面が平坦面となっていると共に、その平坦面の開始位置と当該凸部裏側の凹部の開始位置とがビード幅方向にオフセットしていることで、当該凸部を構成する立上り部部分の一部に段部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載した金属ガスケット。
- 上記立ち上がり部分の一部に段部が形成された凸部の凹部内に、その凹部の深さと同じ若しくは深さ未満の板厚からなるシム板を配設したことを特徴とする請求項6に記載した金属ガスケット。
- 上記基板に少なくとも燃焼室孔が開口し、その燃焼室孔を囲むように上記合成多条ビードが形成され、上記段部は、金属ビードを形成する複数条の凸部のうち少なくとも燃焼室孔に一番近い凸部に形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載した金属ガスケット。
- 上記段部の高さは、ビード延在方向に沿って抑揚変化していて、接合面間に組み付けたとき当該接合面から負荷される荷重が小さい場所ほど上記段部の高さが高くなるように設定されていることを特徴とする請求項8に記載した金属ガスケット。
- 上記金属ビードを形成する複数条の凸部の高さは、互いに異なることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載した金属ガスケット。
- 上記金属ビードを形成する複数条の凸部の条数を3条以上とし、左右両端部に位置する凸部の高さを、その間に位置する凸部の高さよりも高く設定すると共に、その左右両端部に位置する凸部における、ビード幅方向外側を向く凸部表面には弾性シール材を固着せず、ゴムビードを構成する弾性シール材は、上記各凸部裏側の凹部内及び上記左右両端部に位置する凸部間に充填されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載した金属ガスケット。
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