JP2003239803A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JP2003239803A
JP2003239803A JP2002039089A JP2002039089A JP2003239803A JP 2003239803 A JP2003239803 A JP 2003239803A JP 2002039089 A JP2002039089 A JP 2002039089A JP 2002039089 A JP2002039089 A JP 2002039089A JP 2003239803 A JP2003239803 A JP 2003239803A
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JP2002039089A
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Kosaku Ueda
耕作 植田
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Japan Metal Gasket Co Ltd
Original Assignee
Japan Metal Gasket Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたシール性能を得ると共に、耐久性の向
上を図り、更にはフルビードの凹部の幅内にある接合面
の傷や鋳造の巣穴を低面圧で良好にシールする。 【解決手段】 2枚の基板31,32の燃焼室孔33の
内周縁部Aの周囲および外周部の所定箇所に、それぞれ
該基板31,32を湾曲成形して形成したフルビード3
4,35をその凹部34a,35aが互いに離反する側
を向くように配設し、更に、内周縁部Aにシム板40を
介装すると共にフルビード34とフルビード35との間
の中間部Bにシム板40より薄いシム板41を介装して
中間部Bの総板厚を前記内周縁部Aの総板厚より薄く、
且つ、フルビード34の位置の総板厚および外周縁部C
の総板厚より厚くすると共に、前記フルビード34,3
5の凹部34a,35a内に弾性シール材44を充填す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関を構成す
るシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介
装して該接合面間をシールする金属ガスケットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の金属ガスケットとして
は、例えば図11および図12に示すものが知られてい
る。図11に示す金属ガスケットは、薄板金属板からな
る上下二枚の基板1,2間に副板3とシム板4が介装さ
れている。シム板4の燃焼室孔5側の端部は上方に折り
返されて副板3の端部を内包しており、これにより、燃
焼室孔5の内周縁部5aの総板厚が他の部分より厚くさ
れて板厚差が設けられている。
【0003】また、基板1,2の外面(金属ガスケット
の表裏面)側における前記内周縁部5aの周囲には基板
1,2を湾曲成形して形成したフルビード6がその凹部
7を互いに離反する側に向けて配設されている。そし
て、かかる構成の金属ガスケットをシリンダブロックと
シリンダヘッドとの接合面間に介装して締結ボルトで締
め付けると、基板1,2の各フルビード6が板厚方向に
圧縮変形し、締め付け終了時においては、最も板厚が厚
い燃焼室孔5の内周縁部5aと他の部分との板厚差によ
り該内周縁部5aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部5aの面圧とフルビード
6の弾性反発力による二重シールがなされると共に、内
周縁部5aのストッパー効果によりフルビード6の全屈
が防止される。
【0004】なお、シム板4の折り返し部分に内包され
る副板3の端部には、二枚の基板1,2に均等なストッ
パー効果が得られるようにすべく、シム板4の板厚の1
/2の段差8が設けられている。一方、図12に示す金
属ガスケットは、一枚の基板10の燃焼室孔11側の端
部を断面U字状のシム板12で挟み込んで内周縁部Aと
すると共に、基板10の外周部をシム板12より薄肉の
断面U字状のシム板13で挟み込んで外周縁部Cとし、
内周縁部Aと外周縁部Cとの間の基板10の表裏面にシ
ム板12より薄く且つシム板13より厚いシム板14を
それぞれ積層して中間部Bとし、内周縁部Aの総板厚>
中間部Bの総板厚>外周縁部Cの総板厚の関係となるよ
うにしたものである。
【0005】また、内周縁部Aと中間部Bとの間に位置
する基板10の表裏面にはそれぞれ燃焼室孔11の周囲
に沿ってゴムビード15が設けられ、中間部Bと外周縁
部Cとの間に位置する基板10の表裏面の所定箇所(ボ
ルト挿通孔、水孔、油孔の周囲等)にはそれぞれゴムビ
ード16が設けられている。そして、かかる構成の金属
ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの接
合面間に介装して締結ボルトで締め付けると、ゴムビー
ド15,16が板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時
においては、最も板厚が厚い燃焼室孔11の内周縁部A
と他の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差
により該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作
用し、これにより、前記内周縁部Aの面圧とゴムビード
15,16の弾性反発力による三重シールがなされると
共に、内周縁部Aおよび中間部Bのストッパー効果によ
りゴムビード15の全屈が防止され、また、中間部Bお
よび外周縁部Cのストッパー効果によりゴムビード16
の全屈が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図11に示す金属ガス
ケットでは、熱膨張差によるエンジンの変形や爆発によ
る振動振幅で内周縁部5aの面圧の弱い箇所(特に締結
ボルト間)から燃焼ガスが漏れることがあり、この漏れ
た燃焼ガスは基板1,2を湾曲成形して形成したフルビ
ード6によってシールされて完全シールがなされるよう
になっている。
【0007】従って、フルビード6に高い面圧を発生さ
せるべく、基板1,2に高い硬度の材料を使用する必要
があるが、硬度の高い材料は疲労破壊に弱い傾向がある
ため、シール性能は維持できるものの耐久性に劣るとい
う問題が生じてくる。また、フルビード6の凹部7と基
板1,2の平坦面との境部の曲げR部7aが接合面に対
して線接触(シールライン)するようになっているた
め、凹部7の幅内にある接合面の傷や鋳造の巣穴がシー
ルラインを跨ぐ場合のシールができないという問題があ
る。
【0008】一方、図12に示す金属ガスケットでは、
ゴムビード15,16のシール圧力(弾性反発力)はゴ
ムの体積変化での復元力のみであるため、必要なシール
圧力を得にくく、また、ゴムビード15,16がエンジ
ンの発生する熱に曝されたり、冷却水やエンジンオイル
に直接接触したり、エンジンの接合面からの微少な燃焼
ガスや大気中のオゾンに触れたり、また、エンジンの運
転停止による温度変化も加わったりして、ゴムビード1
5,16の耐久性劣化を促進することになり、この結
果、長期間にわたって安定したシール性能を維持できな
くなるという問題がある。
【0009】本発明はこのような不都合を解消するため
になされたものであり、優れたシール性能を得ることが
できると共に、耐久性の向上を図ることができ、更には
フルビードの凹部の幅内にある接合面の傷や鋳造の巣穴
がフルビードのシールラインを跨いでいても低面圧で良
好にシールすることができる金属ガスケットを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、燃焼室孔の内周縁部を厚く
して他の部分との間に板厚差を設けることにより、シリ
ンダヘッドとシリンダブロックとの接合面間に介装して
締結ボルトで締め付ける際に前記燃焼室孔の内周縁部に
面圧を集中させ、これにより、エンジンが発生する最大
の爆発圧力を該内周縁部に最大荷重をかけて前記接合面
間をシールするようにした金属ガスケットであって、少
なくとも2枚の金属板を備え、表裏面に配設された前記
金属板の前記燃焼室孔の内周縁部の周囲および該金属板
の外周部の所定箇所に、それぞれ前記金属板を湾曲成形
して形成したフルビードをその凹部が互いに離反する側
を向くように配設し、更に、前記内周縁部の周囲に設け
られた前記フルビードと前記金属板の外周部に設けられ
た前記フルビードとの間の総板厚を前記内周縁部の総板
厚より薄く、且つ、前記内周縁部の周囲に設けられた前
記フルビードの位置の総板厚および該金属板の外周部の
総板厚より厚くすると共に、前記フルビードの凹部内に
弾性シール材を充填したことを特徴とする。
【0011】上記手段によれば、前記内周縁部の周囲に
設けられた前記フルビードと前記金属板の外周部に設け
られた前記フルビードとの間の総板厚を前記内周縁部の
総板厚より薄く、且つ、前記内周縁部の周囲に設けられ
た前記フルビードの位置の総板厚および該金属板の外周
部の総板厚より厚くすると共に、前記フルビードの凹部
内に弾性シール材を充填しているため、フルビードの反
発力と該フルビード内に充填された弾性シール材の弾性
反発力とが相乗して必要なシール圧力を容易に確保する
ことができ、優れたシール性能を得ることができる。
【0012】また、前記内周縁部の総板厚と該内周縁部
の周囲に設けられたフルビードの外側部分の総板厚(前
記内周縁部の周囲に設けられたフルビードと前記金属板
の外周部に設けられたフルビードとの間の総板厚)との
差を調整することにより、前記内周縁部の周囲に設けら
れたフルビード(弾性シール材含む)の全屈防止と反発
力の調整を行うことができるので、該フルビード自体に
大きな反発力を付与する必要がなくなって前記フルビー
ドを湾曲成形する金属板に硬度の低い材料を用いること
ができ、この結果、該フルビードの疲労破壊が防止され
て耐久性の向上を図ることができる。
【0013】更に、フルビードの凹部には弾性シール材
が充填されているため、該凹部の幅内にある接合面の傷
や鋳造の巣穴がフルビードのシールラインを跨いでいて
も弾性シール材によって低面圧で良好にシールすること
ができる。更に、弾性シール材はフルビードで覆われた
状態となるため、外部の環境に影響されず、この結果、
劣化が防止されて長期にわたって安定したシール性能を
確保することができる。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1におい
て、前記金属板の外周部に設けられた前記フルビードの
外側部分の総板厚を該フルビードの位置の総板厚より厚
くしたことを特徴とする。上記手段によれば、前記金属
板の外周部に設けられたフルビードの内側部分の総板厚
(前記内周縁部の周囲に設けられたフルビードと前記金
属板の外周部に設けられたフルビードとの間の総板厚)
と該フルビードの外側部分の総板厚との差を調整するこ
とにより、前記フルビード(弾性シール材含む)の全屈
防止と反発力の調整を行うことができる。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
おいて、前記燃焼室孔の内周縁部の総板厚を前記締結ボ
ルトのボルト挿通孔近傍は薄く、各ボルト挿通孔間は厚
くして該燃焼室孔の周方向に沿って変化させ、且つ、前
記ボルト挿通孔近傍の総板厚を前記内周縁部の周囲に設
けられた前記フルビードと前記金属板の外周部に設けら
れた前記フルビードとの間の総板厚より厚くしたことを
特徴とする。
【0016】上記手段によれば、前記内周縁部の総板厚
を比較的面圧が高いボルト挿通孔近傍は薄く、比較的面
圧が低いボルト挿通孔間は厚くしているので、締結ボル
トで締結した際に前記内周縁部に作用する面圧を周方向
に均等にすることができ、しかも、締結ボルトの軸力も
軽減することができるのでエンジンの変形、特に低剛性
エンジンのシリンダボア真円度の変形を良好に防止する
ことかできる。
【0017】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項において、前記フルビードの凹部内に充填さ
れる弾性シール材の量は該凹部内の容積と略同一とされ
ていることを特徴とする。上記手段によれば、フルビー
ドの凹部の幅内にあるフルビードのシールラインを跨い
でいる接合面の傷や鋳造の巣穴のシールをより効果的な
ものとすることができる。
【0018】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれか一項において、表裏面に配設された前記金属板の
外面側の前記フルビードの凹部を含む全面に二流化モリ
ブデン等の減摩剤を塗布したことを特徴とする。上記手
段によれば、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱
膨張差により起こるフレッチングを防止することができ
る。
【0019】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか一項において、前記金属板の切断面を含む全面に
金属メッキ処理又は樹脂メッキ処理等のメッキ処理を施
したことを特徴とする。上記手段によれば、軟鋼等の安
価な材料でも金属ガスケットの腐食を防止して長期にわ
たって良好なシール性能を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態で
ある金属ガスケットを説明するための平面図、図2は図
1のA−A線断面図、図3〜図10は本発明の他の実施
の形態である金属ガスケットを説明するための説明的断
面図である。
【0021】図1および図2を参照して、本発明の第1
の実施の形態である金属ガスケットを説明すると、この
金属ガスケット30は、略均一厚さの金属板からなる2
枚の積層基板31,32に複数の燃焼室孔33がシリン
ダボア端部に対応して形成されている。基板31,32
には、燃焼室孔33の周囲にフルビード34が基板3
1,32を湾曲成形して形成されると共に、外周部にフ
ルビード35が基板31,32を湾曲成形して形成され
ている。
【0022】基板31,32に設けられた各フルビード
34はその凹部34aを互いに離反する側(外側)に向
けて配設され、基板31,32に設けられた各フルビー
ド35も同様にその凹部35aを互いに離反する側(外
側)に向けて配設されている。基板31,32のフルビ
ード34とフルビード35との間には、締結ボルトのボ
ルト挿通孔36が周方向の略等間隔で複数箇所形成さ
れ、各ボルト挿通孔36間には水孔37や油孔38が形
成されている。
【0023】また、基板31,32のボルト挿通孔36
の周囲にはフルビード39aが基板31,32を湾曲成
形して形成されると共に、油孔38の周囲にもフルビー
ド39bが基板31,32を湾曲成形して形成されてい
る。基板31,32に設けられた各フルビード39aは
その凹部(図示せず)を互いに離反する側(外側)に向
けて配設され、基板31,32に設けられた各フルビー
ド39bも同様にその凹部(図示せず)を互いに離反す
る側(外側)に向けて配設されている。
【0024】ここで、この実施の形態では、基板31,
32のフルビード34の内側、即ち、燃焼室孔33の内
周縁部Aの基板31,32間に金属板からなるシム板4
0を介装して該シム板40を下側の基板32に溶接等に
より取り付けると共に、基板31,32のフルビード3
4とフルビード35との間(以下、中間部Bという)の
基板31,32間にシム板40より薄い金属板からなる
シム板41を介装して該シム板41を下側の基板32に
溶接等により取り付けている。
【0025】シム板41には基板31,32と同様に締
結ボルトのボルト挿通孔36、水孔37および油孔38
が形成されている。これにより、前記中間部Bの総板厚
を、前記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビー
ド34の位置の総板厚および基板31,32の外周部
(以下、外周縁部Cという)の総板厚より厚して、前記
内周縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周
縁部Cの総板厚の関係になるようにしている。
【0026】前記内周縁部Aのシム板40は、ボルト挿
通孔36近傍は薄肉部42とされると共に、各ボルト挿
通孔36間は厚肉部43とされて燃焼室孔33の周方向
に沿って板厚に変化が付けられており、また、前記内周
縁部Aの薄肉部42部分の総板厚は中間部Bの総板厚よ
り厚くなっている。また、フルビード34,35の各凹
部34a,35aには、例えばフッ素ゴム、NBR、シ
リコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の弾性シール材4
4が充填されている。これらの凹部34a,35a内に
充填される弾性シール材44の充填量は該凹部34a,
35a内の容積と略同一とされて基板31,32の平坦
面と略面一になっている。
【0027】なお、基板31,32の外面側の前記フル
ビード34,35の凹部34a,35aを含む全面に
は、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨張差に
より起こるフレッチングを防止すべく、二流化モリブデ
ン等の減摩剤が塗布されている。また、基板31、基板
32、シム板40およびシム板41の全部又は一部には
金属板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メ
ッキ処理が施されており、これにより、金属ガスケット
の腐食を防止して長期にわたって良好なシール性能を確
保するようにしている。
【0028】そして、かかる構成の金属ガスケット30
をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に介
装して締結ボルトで締め付けると、フルビード34、フ
ルビード35、フルビード39a、フルビード39bが
板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時においては、最
も板厚が厚い燃焼室孔33の内周縁部Aと他の部分であ
る中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差により該内周縁
部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用し、これによ
り、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビード(弾性シー
ル材含む)34,35の反発力による三重シールがなさ
れると共に、内周縁部Aおよび中間部Bのストッパー効
果によりフルビード34の全屈が防止され、また、中間
部Bのストッパー効果によりフルビード35、フルビー
ド39a、フルビード39bの全屈が防止される。
【0029】ここで、この実施の形態では、前記中間部
Bの総板厚を前記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、
前記フルビード34の位置の総板厚および前記外周縁部
Cの総板厚より厚くすると共に、前記フルビード34,
35の凹部34a,35a内に弾性シール材44を充填
しているため、フルビード34,35の反発力と該フル
ビード34,35の凹部34a,35a内に充填された
弾性シール材44の弾性反発力とが相乗して必要なシー
ル圧力を容易に確保することができ、優れたシール性能
を得ることができる。
【0030】また、前記内周縁部Aの総板厚と前記中間
部Bの総板厚との差を調整することにより、該内周縁部
Aの周囲に設けられたフルビード(弾性シール材含む)
34の全屈防止と反発力の調整を行うことができるの
で、該フルビード34自体に大きな反発力を付与する必
要がなくなって前記フルビード34を湾曲成形する基板
31,32に硬度の低い材料を用いることができ、この
結果、特に高い面圧が作用する側のフルビード34の疲
労破壊が防止されて耐久性の向上を図ることができる。
【0031】更に、フルビード34,35,39a,3
9bの各凹部には弾性シール材44が充填されているた
め、該凹部の幅内にある接合面の傷や鋳造の巣穴がフル
ビードのシールラインを跨いでいても弾性シール材44
によって低面圧で良好にシールすることができる。更
に、弾性シール材44はフルビードで覆われた状態とな
るため、外部の環境に影響されず、この結果、劣化が防
止されて長期にわたって安定したシール性能を確保する
ことができる。
【0032】更に、前記内周縁部Aのシム板40は、ボ
ルト挿通孔36近傍が薄肉部42とされると共に、各ボ
ルト挿通孔36間が厚肉部43とされ、且つ、前記内周
縁部Aの薄肉部42部分の総板厚が中間部Bの総板厚よ
り厚くなっているので、ボルト締結時における前記内周
縁部Aの反発力が締め付け力の大きい締結ボルト近傍で
は弱く、締め付け力が比較的小さい各締結ボルト間では
強くなり、この結果、前記内周縁部Aに作用する面圧を
周方向に均等にすることができると共に、締結ボルトの
軸力も軽減することができるのでエンジンの変形、特に
低剛性エンジンの変形を良好に防止することかできる。
【0033】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施の形態である金属ガスケットを説明する。なお、上記
第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を
用いて説明する。この金属ガスケット130は、金属板
からなる基板131と該基板131より薄肉の金属板か
らなる副板132との間に、前記基板131より厚肉の
金属板からなる副板140が介装されて互いに積層され
ており、基板131および各副板132,140には複
数の燃焼室孔133がシリンダボア端部に対応して形成
されている。
【0034】基板131および副板132には、燃焼室
孔133の周囲にフルビード134が基板131および
副板132を湾曲成形して形成されると共に、外周部に
フルビード135が基板131および副板132を湾曲
成形して形成されている。基板131および副板132
に設けられた各フルビード134はその凹部134aを
互いに離反する側(外側)に向けて配設され、基板13
1および副板132に設けられた各フルビード135も
同様にその凹部135aを互いに離反する側(外側)に
向けて配設されている。
【0035】基板131および副板132、副板140
のフルビード134とフルビード135との間には、締
結ボルトのボルト挿通孔36が周方向の略等間隔で複数
箇所形成され、各ボルト挿通孔36間には水孔37や油
孔38が形成されている。また、基板131および副板
132のボルト挿通孔36の周囲にはフルビード39a
が基板131および副板132を湾曲成形して形成され
ると共に、油孔38の周囲にもフルビード39bが基板
131および副板132を湾曲成形して形成されてい
る。
【0036】基板131および副板132に設けられた
各フルビード39aはその凹部(図示せず)を互いに離
反する側(外側)に向けて配設され、基板131および
副板132に設けられた各フルビード39bも同様にそ
の凹部(図示せず)を互いに離反する側(外側)に向け
て配設されている。ここで、この実施の形態では、基板
131のフルビード134の内側、即ち、燃焼室孔13
3側の端部を下方に折り返して厚肉の内周縁部Aとする
と共に、フルビード134とフルビード135との間
(以下、中間部Bという)に位置する部分で基板131
と副板140との間に基板131より薄く、且つ、副板
132の二倍を超える厚さの金属板からなるシム板14
1を介装して該シム板141を副板140に溶接等によ
り取り付け、更に、副板132の外周側の端部を上方に
折り返して外周縁部Cとしている。
【0037】シム板141には基板131および副板1
32,140と同様に締結ボルトのボルト挿通孔36、
水孔37および油孔38が形成されている。また、副板
140の内周縁部Aには基板131の板厚の1/2の段
差50が設けられ、副板140の中間部Bにはシム板1
41の板厚の1/2の段差51が設けられ、副板140
の外周縁部Cには副板132の板厚の1/2の段差52
が設けられている。
【0038】これにより、前記中間部Bの総板厚を、前
記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビード13
4の位置の総板厚および外周縁部Cの総板厚より厚する
と共に、外周縁部Cの総板厚をフルビード135の位置
の総板厚より厚くして、前記内周縁部Aの総板厚>前記
中間部Bの総板厚>前記外周縁部Cの総板厚の関係にな
るようにしている。
【0039】前記内周縁部Aの基板131の折り返し部
分は、ボルト挿通孔36近傍は薄肉部142とされると
共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉部143とされて燃
焼室孔133の周方向に沿って板厚に変化が付けられて
おり、また、前記内周縁部Aの薄肉部142部分の総板
厚は中間部Bの総板厚より厚くなっている。また、フル
ビード134,135の各凹部134a,135aに
は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム
材料や樹脂材料等の弾性シール材144が充填されてい
る。
【0040】これらの凹部134a,135a内に充填
される弾性シール材144の充填量は該凹部134a,
135a内の容積と略同一とされて基板131および副
板132の平坦面と略面一になっている。なお、第1の
実施の形態と同様に、基板131および副板132の外
面側の前記フルビード134,135の凹部134a,
135aを含む全面には、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの熱膨張差により起こるフレッチングを防止す
べく、二流化モリブデン等の減摩剤が塗布されているま
た、基板131,副板132、副板140およびシム板
141の全部又は一部には金属板の切断面を含む全面に
金属メッキ処理又は樹脂メッキ処理が施されており、こ
れにより、金属ガスケットの腐食を防止して長期にわた
って良好なシール性能を確保するようにしている。
【0041】そして、かかる構成の金属ガスケット13
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード13
4、フルビード135、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔133の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)134,135の反発力および
前記外周縁部Cの面厚による四重シールがなされると共
に、内周縁部Aおよび中間部Bのストッパー効果により
フルビード134の全屈が防止され、また、中間部Bお
よび外周縁部Cのストッパー効果によりフルビード13
5、フルビード39a、フルビード39bの全屈が防止
される。
【0042】この実施の形態では、前記中間部Bの総板
厚と前記外周縁部Cの総板厚との差を調整することによ
り、外周側のフルビード(弾性シール材含む)135の
全屈防止と反発力の調整を行うことができるので、フル
ビード135の疲労破壊が確実に防止されて耐久性の向
上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1の
実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0043】次に、図4を参照して、本発明の第3の実
施の形態である金属ガスケットを説明する。なお、上記
第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を
用いて説明する。この金属ガスケット230は、略均一
厚さの金属板からなる2枚の積層基板231,232の
間に金属板からなる副板240が介装されており、基板
231,232および副板240には複数の燃焼室孔2
33がシリンダボア端部に対応して形成されている。
【0044】基板231,232には、燃焼室孔233
の周囲にフルビード234が基板231,232を湾曲
成形して形成されると共に、外周部にフルビード235
が基板231,232を湾曲成形して形成されている。
基板231,232に設けられた各フルビード234は
その凹部234aを互いに離反する側(外側)に向けて
配設され、基板231,232に設けられた各フルビー
ド235も同様にその凹部235aを互いに離反する側
(外側)に向けて配設されている。
【0045】基板231,232および副板240のフ
ルビード234とフルビード235との間には、締結ボ
ルトのボルト挿通孔36が周方向の略等間隔で複数箇所
形成され、各ボルト挿通孔36間には水孔37や油孔3
8が形成されている。また、基板231,232のボル
ト挿通孔36の周囲にはフルビード39aが基板23
1,232を湾曲成形して形成されると共に、油孔38
の周囲にもフルビード39bが基板231,232を湾
曲成形して形成されている。
【0046】基板231,232に設けられた各フルビ
ード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反する側
(外側)に向けて配設され、基板231,232に設け
られた各フルビード39bも同様にその凹部(図示せ
ず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されてい
る。ここで、この実施の形態では、副板240の基板2
31,232のフルビード234の内側、即ち、燃焼室
孔233側の端部を上方に折り返して厚肉の内周縁部A
とすると共に、フルビード234とフルビード235と
の間(以下、中間部Bという)に位置する部分で基板2
31と副板240との間に該副板240より薄い金属板
からなるシム板241を介装して該シム板241を下側
の副板240に溶接等により取り付けている。
【0047】シム板241には基板231、232およ
び副板240と同様に締結ボルトのボルト挿通孔36、
水孔37および油孔38が形成されている。また、副板
240の内周縁部Aの折り返し部分には副板240の板
厚の1/2の段差501が設けられ、副板240の中間
部Bにはシム板241の板厚の1/2の段差511が設
けられている。
【0048】これにより、前記中間部Bの総板厚を、前
記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビード23
4の位置の総板厚および基板231,232の外周部
(以下、外周縁部Cという)の総板厚より厚して、前記
内周縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周
縁部Cの総板厚の関係になるようにしている。副板24
0の内周縁部Aの折り返し部分は、ボルト挿通孔36近
傍は薄肉部242とされると共に、各ボルト挿通孔36
間は厚肉部243とされて燃焼室孔233の周方向に沿
って板厚に変化が付けられており、また、前記内周縁部
Aの薄肉部242部分の総板厚は中間部Bの総板厚より
厚くなっている。
【0049】また、フルビード234,235の各凹部
234a,235aには、例えばフッ素ゴム、NBR、
シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の弾性シール材
244が充填されている。これらの凹部234a,23
5a内に充填される弾性シール材244の充填量は該凹
部234a,235a内の容積と略同一とされて基板2
31,232の平坦面と略面一になっている。
【0050】なお、第1の実施の形態と同様に、基板2
31,232の外面側の前記フルビード234,235
の凹部234a,235aを含む全面には、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの熱膨張差により起こるフレ
ッチングを防止すべく、二流化モリブデン等の減摩剤が
塗布されている。また、基板231、基板232、副板
240およびシム板241の全部又は一部には金属板の
切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メッキ処理
が施されており、これにより、金属ガスケットの腐食を
防止して長期にわたって良好なシール性能を確保するよ
うにしている。
【0051】そして、かかる構成の金属ガスケット23
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード23
4、フルビード235、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔233の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)234,235の反発力による
三重シールがなされると共に、内周縁部Aおよび中間部
Bのストッパー効果によりフルビード234の全屈が防
止され、また、中間部Bのストッパー効果によりフルビ
ード235、フルビード39a、フルビード39bの全
屈が防止される。
【0052】なお、その他の作用効果については、上記
第1の実施の形態と略同様であるので、その説明を省略
する。次に、図5を参照して、本発明の第4の実施の形
態である金属ガスケットを説明する。なお、上記第1の
実施の形態と重複する部分については同一符号を用いて
説明する。
【0053】この金属ガスケット330は、略均一厚さ
の金属板からなる2枚の積層基板331,332の間に
上下二枚の金属板からなる副板340a,340bが介
装されており、上側の副板340aは下側の副板340
bより薄肉とされている。基板331,332および副
板340a,340bには複数の燃焼室孔333がシリ
ンダボア端部に対応して形成されており、また、基板3
31,332には、燃焼室孔333の周囲にフルビード
334が基板331,332を湾曲成形して形成される
と共に、外周部にフルビード335が基板331,33
2を湾曲成形して形成されている。
【0054】基板331,332に設けられた各フルビ
ード334はその凹部334aを互いに離反する側(外
側)に向けて配設され、基板331,332に設けられ
た各フルビード335も同様にその凹部335aを互い
に離反する側(外側)に向けて配設されている。基板3
31,332および副板340a,340bのフルビー
ド334とフルビード335との間には、締結ボルトの
ボルト挿通孔36が周方向の略等間隔で複数箇所形成さ
れ、各ボルト挿通孔36間には水孔37や油孔38が形
成されている。
【0055】また、基板331,332のボルト挿通孔
36の周囲にはフルビード39aが基板331,332
を湾曲成形して形成されると共に、油孔38の周囲にも
フルビード39bが基板331,332を湾曲成形して
形成されている。基板331,332に設けられた各フ
ルビード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反す
る側(外側)に向けて配設され、基板331,332に
設けられた各フルビード39bも同様にその凹部(図示
せず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されて
いる。
【0056】ここで、この実施の形態では、副板340
aの基板331,332に設けられたフルビード334
の内側、即ち、副板340aの燃焼室孔333の端部を
下方に折り返して下側の副板340bの燃焼室孔333
側の端部を内包することにより厚肉の内周縁部Aとする
と共に、基板331,332のフルビード334とフル
ビード335との間(以下、中間部Bという)に位置す
る部分で基板331と副板340aとの間に該副板34
0aより薄い金属板からなるシム板341を介装して該
シム板341を副板340aに溶接等により取り付けて
いる。
【0057】シム板341には基板331,332およ
び副板340a,340bと同様に締結ボルトのボルト
挿通孔36、水孔37および油孔38が形成されてい
る。また、副板340aおよび副板340bの内周縁部
Aには副板340aの板厚の1/2の段差502が設け
られ、副板340aおよび副板340bの中間部Bには
シム板341の板厚の1/2の段差512が設けられて
いる。
【0058】これにより、前記中間部Bの総板厚を、前
記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビード33
4の位置の総板厚および基板331,332の外周部
(以下、外周縁部Cという)の総板厚より厚して、前記
内周縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周
縁部Cの総板厚の関係になるようにしている。前記内周
縁部Aの副板340bは、ボルト挿通孔36近傍は薄肉
部342とされると共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉
部343とされて燃焼室孔333の周方向に沿って板厚
に変化が付けられており、また、前記内周縁部Aの薄肉
部342部分の総板厚は中間部Bの総板厚より厚くなっ
ている。
【0059】また、フルビード334,335の各凹部
334a,335aには、例えばフッ素ゴム、NBR、
シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の弾性シール材
344が充填されている。これらの凹部334a,33
5a内に充填される弾性シール材344の充填量は該凹
部334a,335a内の容積と略同一とされて基板3
31,332の平坦面と略面一になっている。
【0060】なお、第1の実施の形態と同様に、基板3
31,332の外面側の前記フルビード334,335
の凹部334a,335aを含む全面には、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの熱膨張差により起こるフレ
ッチングを防止すべく、二流化モリブデン等の減摩剤が
塗布されている。また、基板331,332、副板34
0a,340bおよびシム板341の全部又は一部には
金属板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メ
ッキ処理が施されており、これにより、金属ガスケット
の腐食を防止して長期にわたって良好なシール性能を確
保するようにしている。
【0061】そして、かかる構成の金属ガスケット33
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード33
4、フルビード335、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔333の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)334,335の反発力による
三重シールがなされると共に、内周縁部Aおよび中間部
Bのストッパー効果によりフルビード334の全屈が防
止され、また、中間部Bのストッパー効果によりフルビ
ード335、フルビード39a、フルビード39bの全
屈が防止される。
【0062】なお、その他の作用効果については、上記
第1の実施の形態と略同様であるので、その説明を省略
する。次に、図6を参照して、本発明の第5の実施の形
態である金属ガスケットを説明する。なお、上記第1の
実施の形態と重複する部分については同一符号を用いて
説明する。
【0063】この金属ガスケット430は、略均一厚さ
の金属板からなる2枚の積層基板431,432の間に
上下二枚の金属板からなる副板440a,440bが介
装されており、上側の副板440aは下側の副板440
bより薄肉とされている。基板431,432および副
板440a,440bには複数の燃焼室孔433がシリ
ンダボア端部に対応して形成されており、また、基板4
31,432には、燃焼室孔433の周囲にフルビード
434が基板431,432を湾曲成形して形成される
と共に、外周部にフルビード435が基板431,43
2を湾曲成形して形成されている。
【0064】基板431,432に設けられた各フルビ
ード434はその凹部434aを互いに離反する側(外
側)に向けて配設され、基板431,432に設けられ
た各フルビード435も同様にその凹部435aを互い
に離反する側(外側)に向けて配設されている。基板4
31,432および副板440a,440bのフルビー
ド434とフルビード435との間には、締結ボルトの
ボルト挿通孔36が周方向の略等間隔で複数箇所形成さ
れ、各ボルト挿通孔36間には水孔37や油孔38が形
成されている。
【0065】また、基板431,432のボルト挿通孔
36の周囲にはフルビード39aが基板431,432
を湾曲成形して形成されると共に、油孔38の周囲にも
フルビード39bが基板431,432を湾曲成形して
形成されている。基板431,432に設けられた各フ
ルビード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反す
る側(外側)に向けて配設され、基板431,432に
設けられた各フルビード39bも同様にその凹部(図示
せず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されて
いる。
【0066】ここで、この実施の形態では、副板440
aの基板431,432に設けられたフルビード434
の内側、即ち、副板440aの燃焼室孔433の端部を
下方に折り返して厚肉の内周縁部Aとすると共に、基板
431,432のフルビード434とフルビード435
との間(以下、中間部Bという)に位置する部分で基板
431と副板440aとの間に該副板440aより薄い
金属板からなるシム板441を介装して該シム板441
を前記副板440aに溶接等により取り付けている。
【0067】シム板441には基板431,432およ
び副板440a,440bと同様に締結ボルトのボルト
挿通孔36、水孔37および油孔38が形成されてい
る。また、副板440aおよび副板440bの内周縁部
Aには副板440aの板厚の1/2の段差503が設け
られ、副板440aおよび副板440bの中間部Bには
シム板441の板厚の1/2の段差513が設けられて
いる。
【0068】これにより、前記中間部Bの総板厚を、前
記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビード43
4の位置の総板厚および基板431,432の外周部
(以下、外周縁部Cという)の総板厚より厚して、前記
内周縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周
縁部Cの総板厚の関係になるようにしている。前記内周
縁部Aの副板440bは、ボルト挿通孔36近傍は薄肉
部442とされると共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉
部443とされて燃焼室孔433の周方向に沿って板厚
に変化が付けられており、また、前記内周縁部Aの薄肉
部442部分の総板厚は中間部Bの総板厚より厚くなっ
ている。
【0069】また、フルビード434,435の各凹部
434a,435aには、例えばフッ素ゴム、NBR、
シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の弾性シール材
444が充填されている。これらの凹部434a,43
5a内に充填される弾性シール材444の充填量は該凹
部434a,435a内の容積と略同一とされて基板4
31,432の平坦面と略面一になっている。
【0070】なお、第1の実施の形態と同様に、基板4
31,432の外面側の前記フルビード434,435
の凹部434a,435aを含む全面には、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの熱膨張差により起こるフレ
ッチングを防止すべく、二流化モリブデン等の減摩剤が
塗布されている。また、基板431,432、副板44
0a,440bおよびシム板441の全部又は一部には
金属板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メ
ッキ処理が施されており、これにより、金属ガスケット
の腐食を防止して長期にわたって良好なシール性能を確
保するようにしている。
【0071】そして、かかる構成の金属ガスケット43
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード43
4、フルビード435、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔433の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)434,435の反発力による
三重シールがなされると共に、内周縁部Aおよび中間部
Bのストッパー効果によりフルビード434の全屈が防
止され、また、中間部Bのストッパー効果によりフルビ
ード435、フルビード39a、フルビード39bの全
屈が防止される。
【0072】なお、その他の作用効果については、上記
第1の実施の形態と略同様であるので、その説明を省略
する。次に、図7を参照して、本発明の第6の実施の形
態である金属ガスケットを説明する。なお、上記第1の
実施の形態と重複する部分については同一符号を用いて
説明する。
【0073】この金属ガスケット530は、略均一厚さ
の金属板からなる2枚の積層基板531,532の間に
金属板からなる副板540が介装されており、基板53
1,532および副板540には複数の燃焼室孔533
がシリンダボア端部に対応して形成されている。また、
基板531,532には、燃焼室孔533の周囲にフル
ビード534が基板531,532を湾曲成形して形成
されると共に、外周部にフルビード535が基板53
1,532を湾曲成形して形成されている。
【0074】基板531,532に設けられた各フルビ
ード534はその凹部534aを互いに離反する側(外
側)に向けて配設され、基板531,532に設けられ
た各フルビード535も同様にその凹部535aを互い
に離反する側(外側)に向けて配設されている。基板5
31,532および副板540のフルビード534とフ
ルビード535との間には、締結ボルトのボルト挿通孔
36が周方向の略等間隔で複数箇所形成され、各ボルト
挿通孔36間には水孔37や油孔38が形成されてい
る。
【0075】また、基板531,532のボルト挿通孔
36の周囲にはフルビード39aが基板531,532
を湾曲成形して形成されると共に、油孔38の周囲にも
フルビード39bが基板531,532を湾曲成形して
形成されている。基板531,532に設けられた各フ
ルビード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反す
る側(外側)に向けて配設され、基板531,532に
設けられた各フルビード39bも同様にその凹部(図示
せず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されて
いる。
【0076】ここで、この実施の形態では、副板540
と基板532の間に燃焼室孔533からフルビード53
5の手前まで延びるシム板541aを介装して該シム板
541aの燃焼室孔533側の端部を上方に折り返すこ
とにより厚肉の内周縁部Aとすると共に、基板531,
532のフルビード534とフルビード535との間
(以下、中間部Bという)に位置する部分で基板531
と副板540との間およびシム板541aと基板532
との間にそれぞれシム板541aの板厚の1/2未満の
厚さの金属板からなるシム板541bを介装して各シム
板541bを前記副板540および前記シム板541a
に溶接等により取り付けている。
【0077】シム板541aおよびシム板541bに
は、それぞれ基板531,532および副板540と同
様に締結ボルトのボルト挿通孔36、水孔37および油
孔38が形成されている。また、副板540およびシム
板541aの内周縁部Aにはシム板541aの板厚の1
/2の段差505が設けられ、副板540の中間部Bに
はシム板541aの板厚の1/2の段差514が設けら
れている。
【0078】これにより、前記中間部Bの総板厚を、前
記内周縁部Aの総板厚より薄く、且つ、フルビード53
4の位置の総板厚および基板531,532の外周部
(以下、外周縁部Cという)の総板厚より厚して、前記
内周縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周
縁部Cの総板厚の関係になるようにしている。前記内周
縁部Aの副板540は、ボルト挿通孔36近傍は薄肉部
542とされると共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉部
543とされて燃焼室孔533の周方向に沿って板厚に
変化が付けられており、また、前記内周縁部Aの薄肉部
542部分の総板厚は中間部Bの総板厚より厚くなって
いる。
【0079】また、フルビード534,535の各凹部
534a,535aには、例えばフッ素ゴム、NBR、
シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等の弾性シール材
544が充填されている。これらの凹部534a,53
5a内に充填される弾性シール材544の充填量は該凹
部534a,535a内の容積と略同一とされて基板5
31,532の平坦面と略面一になっている。
【0080】なお、第1の実施の形態と同様に、基板5
31,532の外面側の前記フルビード534,535
の凹部534a,535aを含む全面には、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの熱膨張差により起こるフレ
ッチングを防止すべく、二流化モリブデン等の減摩剤が
塗布されている。また、基板531,532、副板54
0およびシム板541a,541bの全部又は一部には
金属板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メ
ッキ処理が施されており、これにより、金属ガスケット
の腐食を防止して長期にわたって良好なシール性能を確
保するようにしている。
【0081】そして、かかる構成の金属ガスケット53
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード53
4、フルビード535、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔533の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)534,535の反発力による
三重シールがなされると共に、内周縁部Aおよび中間部
Bのストッパー効果によりフルビード534の全屈が防
止され、また、中間部Bのストッパー効果によりフルビ
ード535、フルビード39a、フルビード39bの全
屈が防止される。
【0082】なお、その他の作用効果については、上記
第1の実施の形態と略同様であるので、その説明を省略
する。次に、図8を参照して、本発明の第7の実施の形
態である金属ガスケットを説明する。なお、上記第1の
実施の形態と重複する部分については同一符号を用いて
説明する。
【0083】この金属ガスケット630は、略同一板厚
の二枚の金属板からなる基板631,632の間に、金
属板からなる副板640が介装されて互いに積層されて
おり、基板631,632および副板640には複数の
燃焼室孔633がシリンダボア端部に対応して形成され
ている。基板631,632には、燃焼室孔633の周
囲にフルビード634が基板631,632を湾曲成形
して形成されると共に、外周部にフルビード635が基
板631,632を湾曲成形して形成されている。
【0084】基板631,632に設けられた各フルビ
ード634はその凹部634aを互いに離反する側(外
側)に向けて配設され、基板631,632に設けられ
た各フルビード635も同様にその凹部635aを互い
に離反する側(外側)に向けて配設されている。基板6
31,632および副板640のフルビード634とフ
ルビード635との間には、締結ボルトのボルト挿通孔
36が周方向の略等間隔で複数箇所形成され、各ボルト
挿通孔36間には水孔37や油孔38が形成されてい
る。
【0085】また、基板631,632のボルト挿通孔
36の周囲にはフルビード39aが基板631,632
を湾曲成形して形成されると共に、油孔38の周囲にも
フルビード39bが基板631,632を湾曲成形して
形成されている。基板631,632に設けられた各フ
ルビード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反す
る側(外側)に向けて配設され、基板631,632に
設けられた各フルビード39bも同様にその凹部(図示
せず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されて
いる。
【0086】ここで、この実施の形態では、副板640
と基板632との間に、燃焼室孔633からフルビード
634の外側まで延びる副板640の厚さの1/2を超
える厚さの金属板からなるシム板641を介装し、副板
640の燃焼室孔633側の端部を下方に折り返して該
シム板641の燃焼室孔633側の端部を内包すること
により厚肉の内周縁部Aとすると共に、シム板641の
外側の端部を下方に折り返して中間部Bとし、更に、副
板640の外周側の端部を下方に折り返して外周縁部C
としている。
【0087】また、副板640およびシム板641の内
周縁部Aには副板640の板厚の1/2の段差506が
設けられ、副板640およびシム板641の中間部Bに
はシム641の板厚の1/2の段差515が設けられ、
副板640の外周縁部Cには副板640の板厚の1/2
の段差516が設けられている。これにより、前記中間
部Bの総板厚を、前記内周縁部Aの総板厚より薄く、且
つ、フルビード634の位置の総板厚および外周縁部C
の総板厚より厚すると共に、外周縁部Cの総板厚をフル
ビード635の位置の総板厚より厚くして、前記内周縁
部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周縁部C
の総板厚の関係になるようにしている。
【0088】前記内周縁部Aの副板640の折り返し部
分は、ボルト挿通孔36近傍は薄肉部642とされると
共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉部643とされて燃
焼室孔633の周方向に沿って板厚に変化が付けられて
おり、また、前記内周縁部Aの薄肉部642部分の総板
厚は中間部Bの総板厚より厚くなっている。また、フル
ビード634,635の各凹部634a,635aに
は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム
材料や樹脂材料等の弾性シール材644が充填されてい
る。
【0089】これらの凹部634a,635a内に充填
される弾性シール材644の充填量は該凹部634a,
635a内の容積と略同一とされて基板631,632
の平坦面と略面一になっている。なお、第1の実施の形
態と同様に、基板631,632の外面側の前記フルビ
ード634,635の凹部634a,635aを含む全
面には、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨張
差により起こるフレッチングを防止すべく、二流化モリ
ブデン等の減摩剤が塗布されているまた、基板631,
632、副板640およびシム板641の全部又は一部
には金属板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹
脂メッキ処理が施されており、これにより、金属ガスケ
ットの腐食を防止して長期にわたって良好なシール性能
を確保するようにしている。
【0090】そして、かかる構成の金属ガスケット63
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード63
4、フルビード635、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔633の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)634,635の反発力および
前記外周縁部Cの面厚による四重シールがなされると共
に、内周縁部Aおよび中間部Bのストッパー効果により
フルビード634の全屈が防止され、また、中間部Bお
よび外周縁部Cのストッパー効果によりフルビード63
5、フルビード39a、フルビード39bの全屈が防止
される。
【0091】この実施の形態では、前記中間部Bの総板
厚と前記外周縁部Cの総板厚との差を調整することによ
り、外周側のフルビード(弾性シール材含む)635の
全屈防止と反発力の調整を行うことができるので、フル
ビード635の疲労破壊が確実に防止されて耐久性の向
上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1の
実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0092】次に、図9を参照して、本発明の第8の実
施の形態である金属ガスケットを説明する。なお、上記
第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を
用いて説明する。この金属ガスケット730は、略同一
板厚の二枚の金属板からなる基板731,732に複数
の燃焼室孔733がシリンダボア端部に対応して形成さ
れている。
【0093】基板731,732には、燃焼室孔733
の周囲にフルビード734が基板731,732を湾曲
成形して形成されると共に、外周部にフルビード735
が基板731,732を湾曲成形して形成されている。
基板731,732に設けられた各フルビード734は
その凹部734aを互いに離反する側(外側)に向けて
配設され、基板731,732に設けられた各フルビー
ド735も同様にその凹部735aを互いに離反する側
(外側)に向けて配設されている。
【0094】基板731,732のフルビード734と
フルビード735との間には、締結ボルトのボルト挿通
孔36が周方向の略等間隔で複数箇所形成され、各ボル
ト挿通孔36間には水孔37や油孔38が形成されてい
る。また、基板731,732のボルト挿通孔36の周
囲にはフルビード39aが基板731,732を湾曲成
形して形成されると共に、油孔38の周囲にもフルビー
ド39bが基板731,732を湾曲成形して形成され
ている。
【0095】基板731,732に設けられた各フルビ
ード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反する側
(外側)に向けて配設され、基板731,732に設け
られた各フルビード39bも同様にその凹部(図示せ
ず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されてい
る。ここで、この実施の形態では、基板731と基板7
32との間に、燃焼室孔733からフルビード734の
外側まで延びる基板731の厚さの1/2を超える厚さ
の金属板からなるシム板741を介装して該シム板74
1の燃焼室孔733側の端部を基板732に溶接等によ
り取り付けると共に基板731の燃焼室孔733側の端
部を下方に折り返して厚肉の内周縁部Aとし、また、シ
ム板741の外側の端部を下方に折り返して中間部Bと
し、更に、基板731の外周側の端部を下方に折り返し
て外周縁部Cとしている。
【0096】また、シム板741の内周縁部Aにはフル
ビード734の凸部を超える段差517が設けられ、シ
ム板741の中間部Bには該シム板741の板厚の1/
2の段差518が設けられている。これにより、前記中
間部Bの総板厚を、前記内周縁部Aの総板厚より薄く、
且つ、フルビード734の位置の総板厚および外周縁部
Cの総板厚より厚すると共に、外周縁部Cの総板厚をフ
ルビード735の位置の総板厚より厚くして、前記内周
縁部Aの総板厚>前記中間部Bの総板厚>前記外周縁部
Cの総板厚の関係になるようにしている。
【0097】前記内周縁部Aの基板731の折り返し部
分は、ボルト挿通孔36近傍は薄肉部742とされると
共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉部743とされて燃
焼室孔733の周方向に沿って板厚に変化が付けられて
おり、また、前記内周縁部Aの薄肉部742部分の総板
厚は中間部Bの総板厚より厚くなっている。また、フル
ビード734,735の各凹部734a,735aに
は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム
材料や樹脂材料等の弾性シール材744が充填されてい
る。
【0098】これらの凹部734a,735a内に充填
される弾性シール材744の充填量は該凹部734a,
735a内の容積と略同一とされて基板731,732
の平坦面と略面一になっている。なお、第1の実施の形
態と同様に、基板731,732の外面側の前記フルビ
ード734,735の凹部734a,735aを含む全
面には、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨張
差により起こるフレッチングを防止すべく、二流化モリ
ブデン等の減摩剤が塗布されているまた、基板731,
732およびシム板741の全部又は一部には金属板の
切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メッキ処理
が施されており、これにより、金属ガスケットの腐食を
防止して長期にわたって良好なシール性能を確保するよ
うにしている。
【0099】そして、かかる構成の金属ガスケット73
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード73
4、フルビード735、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔733の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)734,735の反発力および
前記外周縁部Cの面厚による四重シールがなされると共
に、内周縁部Aおよび中間部Bのストッパー効果により
フルビード734の全屈が防止され、また、中間部Bお
よび外周縁部Cのストッパー効果によりフルビード73
5、フルビード39a、フルビード39bの全屈が防止
される。
【0100】この実施の形態では、前記中間部Bの総板
厚と前記外周縁部Cの総板厚との差を調整することによ
り、外周側のフルビード(弾性シール材含む)735の
全屈防止と反発力の調整を行うことができるので、フル
ビード735の疲労破壊が確実に防止されて耐久性の向
上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1の
実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】次に、図10を参照して、本発明の第9の
実施の形態である金属ガスケットを説明する。なお、上
記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号
を用いて説明する。この金属ガスケット730は、略同
一板厚の二枚の金属板からなる基板831,832に複
数の燃焼室孔833がシリンダボア端部に対応して形成
されている。
【0102】基板831,832には、燃焼室孔833
の周囲にフルビード834が基板831,832を湾曲
成形して形成されると共に、外周部にフルビード835
が基板831,832を湾曲成形して形成されている。
基板831,832に設けられた各フルビード834は
その凹部834aを互いに離反する側(外側)に向けて
配設され、基板831,832に設けられた各フルビー
ド835も同様にその凹部835aを互いに離反する側
(外側)に向けて配設されている。
【0103】基板831,832のフルビード834と
フルビード835との間には、締結ボルトのボルト挿通
孔36が周方向の略等間隔で複数箇所形成され、各ボル
ト挿通孔36間には水孔37や油孔38が形成されてい
る。また、基板831,832のボルト挿通孔36の周
囲にはフルビード39aが基板831,832を湾曲成
形して形成されると共に、油孔38の周囲にもフルビー
ド39bが基板831,832を湾曲成形して形成され
ている。
【0104】基板831,832に設けられた各フルビ
ード39aはその凹部(図示せず)を互いに離反する側
(外側)に向けて配設され、基板831,832に設け
られた各フルビード39bも同様にその凹部(図示せ
ず)を互いに離反する側(外側)に向けて配設されてい
る。ここで、この実施の形態では、基板831の燃焼室
孔833側の端部を下方に折り返して厚肉の内周縁部A
とすると共に、基板831,832のフルビード834
とフルビード835との間(以下、中間部Bという)に
位置する部分で基板831と基板832との間に該基板
831より薄い金属板からなるシム板841を介装して
該シム板841を前記基板831に溶接等により取り付
け、更に、基板831,832のフルビード835の外
側を外周縁部Cとしている。
【0105】なお、シム板741には、基板831,8
32と同様に締結ボルトのボルト挿通孔36、水孔37
および油孔38が形成されている。これにより、前記中
間部Bの総板厚を、前記内周縁部Aの総板厚より薄く、
且つ、フルビード834の位置の総板厚および外周縁部
Cの総板厚より厚くして、前記内周縁部Aの総板厚>前
記中間部Bの総板厚>前記外周縁部Cの総板厚の関係に
なるようにしている。
【0106】前記内周縁部Aの基板831の折り返し部
分は、ボルト挿通孔36近傍は薄肉部842とされると
共に、各ボルト挿通孔36間は厚肉部843とされて燃
焼室孔833の周方向に沿って板厚に変化が付けられて
おり、また、前記内周縁部Aの薄肉部842部分の総板
厚は中間部Bの総板厚より厚くなっている。また、フル
ビード834,835の各凹部834a,835aに
は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム
材料や樹脂材料等の弾性シール材844が充填されてい
る。
【0107】これらの凹部834a,835a内に充填
される弾性シール材844の充填量は該凹部834a,
835a内の容積と略同一とされており、締結ボルトに
よる締め付け時に、凹部834a,835a内の弾性シ
ール材844が圧縮変形して基板831,832の平坦
面と略面一になるようにしている。なお、第1の実施の
形態と同様に、基板831,832の外面側の前記フル
ビード834,835の凹部834a,835aを含む
全面には、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨
張差により起こるフレッチングを防止すべく、二流化モ
リブデン等の減摩剤が塗布されているまた、基板83
1,832およびシム板841の全部又は一部には金属
板の切断面を含む全面に金属メッキ処理又は樹脂メッキ
処理が施されており、これにより、金属ガスケットの腐
食を防止して長期にわたって良好なシール性能を確保す
るようにしている。
【0108】そして、かかる構成の金属ガスケット83
0をシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面間に
介装して締結ボルトで締め付けると、フルビード83
4、フルビード835、フルビード39a、フルビード
39bが板厚方向に圧縮変形し、締め付け終了時におい
ては、最も板厚が厚い燃焼室孔833の内周縁部Aと他
の部分である中間部Bおよび外周縁部Cとの板厚差によ
り該内周縁部Aに最も面圧が集中して最大荷重が作用
し、これにより、前記内周縁部Aの最大面圧とフルビー
ド(弾性シール材含む)834,835の反発力による
三重シールがなされると共に、内周縁部Aおよび中間部
Bのストッパー効果によりフルビード834の全屈が防
止され、また、中間部Bのストッパー効果によりフルビ
ード835、フルビード39a、フルビード39bの全
屈が防止される。
【0109】その他の作用効果は上記第1の実施の形態
と同様であるので、その説明を省略する。なお、本発明
は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0110】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1の発明では、フルビードの反発力と該フルビード内に
充填された弾性シール材の弾性反発力とが相乗して必要
なシール圧力を容易に確保することができ、優れたシー
ル性能を得ることができるという効果が得られる。
【0111】また、燃焼室孔の内周縁部の総板厚と該内
周縁部の周囲に設けられたフルビードの外側部分の総板
厚(前記内周縁部の周囲に設けられたフルビードと前記
金属板の外周部に設けられたフルビードとの間の総板
厚)との差を調整することにより、前記内周縁部の周囲
に設けられたフルビード(弾性シール材含む)の全屈防
止と反発力の調整を行うことができるので、該フルビー
ド自体に大きな反発力を付与する必要がなくなって前記
フルビードを湾曲成形する金属板に硬度の低い材料を用
いることができ、この結果、該フルビードの疲労破壊が
防止されて耐久性の向上を図ることができるという効果
が得られる。
【0112】更に、フルビードの凹部には弾性シール材
が充填されているため、該凹部の幅内にある接合面の傷
や鋳造の巣穴を弾性シール材によって低面圧で良好にシ
ールすることができ、しかも、低面圧でシールできるこ
とから、締結ボルトの締結により発生する軸力を軽減で
きるので、該締結によるエンジンの変形を押さえること
ができるという効果が得られる。
【0113】更に、弾性シール材はフルビードで覆われ
た状態となるため、外部の環境に影響されず、この結
果、劣化が防止されて長期にわたって安定したシール性
能を確保することができるという効果が得られる。請求
項2の発明では、請求項1の発明に加えて、前記金属板
の外周部に設けられたフルビードの内側部分の総板厚
(前記内周縁部の周囲に設けられたフルビードと前記金
属板の外周部に設けられたフルビードとの間の総板厚)
と該フルビードの外側部分の総板厚との差を調整するこ
とにより、前記フルビード(弾性シール材含む)の全屈
防止と反発力の調整を行うことができるという効果が得
られる。
【0114】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明に加えて、前記内周縁部の総板厚を比較的面圧が高い
ボルト挿通孔近傍は薄く、比較的面圧が低いボルト挿通
孔間は厚くしているので、締結ボルトで締結した際に前
記内周縁部に作用する面圧を周方向に均等にすることが
でき、しかも、締結ボルトの軸力も軽減することができ
るのでエンジンの変形、特に低剛性エンジンのシリンダ
ボアの真円度の変形を良好に防止することかできるとい
う効果が得られる。
【0115】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れか一項の発明に加えて、フルビードの凹部の幅内にあ
る接合面の傷や鋳造の巣穴のシールをより効果的なもの
とすることができるという効果が得られる。請求項5の
発明では、請求項1〜4のいずれか一項の発明に加え
て、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨張差に
より起こるフレッチングを防止することができるという
効果が得られる。
【0116】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか一項の発明に加えて、金属ガスケットの腐食を防
止して長期にわたって良好なシール性能を確保すること
ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態である金属ガスケッ
トを説明するための説明的断面図である。
【図10】本発明の第9の実施の形態である金属ガスケ
ットを説明するための説明的断面図である。
【図11】従来の金属ガスケットを説明するための説明
的断面図である。
【図12】従来の金属ガスケットを説明するための説明
的断面図である。
【符号の説明】
30…金属ガスケット 31,32…基板(金属板) 33…燃焼室孔 34,35…フルビード 34a,35a…凹部 36…ボルト挿通孔 37…水孔 38…油孔 40…シム板(金属板) 41…シム板(金属板) 44…弾性シール材 A…内周縁部 B…中間部 C…外周縁部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室孔の内周縁部を厚くして他の部分
    との間に板厚差を設けることにより、シリンダヘッドと
    シリンダブロックとの接合面間に介装して締結ボルトで
    締め付ける際に前記燃焼室孔の内周縁部に面圧を集中さ
    せ、これにより、該内周縁部に最大荷重をかけて前記接
    合面間をシールするようにした金属ガスケットであっ
    て、 少なくとも2枚の金属板を備え、表裏面に配設された前
    記金属板の前記燃焼室孔の内周縁部の周囲および該金属
    板の外周部の所定箇所に、それぞれ前記金属板を湾曲成
    形して形成したフルビードをその凹部が互いに離反する
    側を向くように配設し、更に、前記内周縁部の周囲に設
    けられた前記フルビードと前記金属板の外周部に設けら
    れた前記フルビードとの間の総板厚を前記内周縁部の総
    板厚より薄く、且つ、前記内周縁部の周囲に設けられた
    前記フルビードの位置の総板厚および該金属板の外周部
    の総板厚より厚くすると共に、前記フルビードの凹部内
    に弾性シール材を充填したことを特徴とする金属ガスケ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記金属板の外周部に設けられた前記フ
    ルビードの外側部分の総板厚を該フルビードの位置の総
    板厚より厚くしたことを特徴とする請求項1記載の金属
    ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記燃焼室孔の内周縁部の総板厚を前記
    締結ボルトのボルト挿通孔近傍は薄く、各ボルト挿通孔
    間は厚くして該燃焼室孔の周方向に沿って変化させ、且
    つ、前記ボルト挿通孔近傍の総板厚を前記内周縁部の周
    囲に設けられた前記フルビードと前記金属板の外周部に
    設けられた前記フルビードとの間の総板厚より厚くした
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の金属ガスケッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記フルビードの凹部内に充填される弾
    性シール材の量は該凹部内の容積と略同一とされている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    金属ガスケット。
  5. 【請求項5】 表裏面に配設された前記金属板の外面側
    の前記フルビードの凹部を含む全面に二流化モリブデン
    等の減摩剤を塗布したことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の金属ガスケット。
  6. 【請求項6】 前記金属板の切断面を含む全面にメッキ
    処理を施したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    一項に記載の金属ガスケット。
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