JP2008075097A - 光水電解装置及び光水電解システム - Google Patents
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Abstract
【課題】小さい設置面積でエネルギー効率が高い光水電解装置及び光水電解システムを提供する。
【解決手段】本発明は、外壁27によって構成された複数のケーシング49の内部に電解液Lを収容し、かつ、それぞれのケーシング49の内部に隔壁を設けた光水電解セル11を複数備えた光水電解装置であって、前記隔壁の下部は、イオン伝導膜の両面に光触媒電極及び対極を形成した光水電解電極膜接合体33に構成されて前記電解液L中に浸漬されると共に、前記光触媒電極及び対極が互いに導通され、前記複数の光水電解セル11内におけるそれぞれの光水電解電極膜接合体33が電気的に直列に接続されている。
【選択図】図11
【解決手段】本発明は、外壁27によって構成された複数のケーシング49の内部に電解液Lを収容し、かつ、それぞれのケーシング49の内部に隔壁を設けた光水電解セル11を複数備えた光水電解装置であって、前記隔壁の下部は、イオン伝導膜の両面に光触媒電極及び対極を形成した光水電解電極膜接合体33に構成されて前記電解液L中に浸漬されると共に、前記光触媒電極及び対極が互いに導通され、前記複数の光水電解セル11内におけるそれぞれの光水電解電極膜接合体33が電気的に直列に接続されている。
【選択図】図11
Description
本発明は、光水電解装置及び光水電解システムに関する。
従来から、太陽エネルギーを有効利用するために、この太陽エネルギーを利用し易いエネルギー形態に変換及び貯蔵する技術の研究が行われている。太陽電池はその代表的な例であるが、コストが高いために普及が進まず、より安価なシステムの開発が望まれている。
一方、例えば二酸化チタン等の光触媒は、光エネルギーを吸収し電子と正孔を生成することによって、さまざまな化学反応を引き起こす。特に二酸化チタンの場合には、価電子帯の位置が深く、生成する正孔による酸化力は塩素やオゾンにも勝るとされている。
例えば、特開平10−218601号公報においては、光触媒を用いた太陽光による水の分解方法が開示されている。このような装置は水中に光触媒粉末を分散させ、そこに光を当てる構成となっている。光を当てると、光触媒の価電子帯の電子が伝導帯へと励起され、価電子帯にはホールが形成される。このホールが水を酸化することで酸素が発生する一方、励起電子は水中のプロトンを還元し水素を発生させる。しかし、この例では、水素と酸素の取り出し口が一つであるため得られるガスは水素、酸素の混合ガスであり、エネルギーとして有効利用するには、これらを別途分離する必要があった。また、このようなシステムのエネルギー効率(得られた水素のエンタルピー/入射光エネルギー量)は非常に低いものである。この原因として、水素と酸素が同じ場所で発生することで逆反応が起きていることが理由に挙げられる。
このような効率低下の原因を排除するため、例えば、特開2001−213608では、光触媒電極とその対極を白金薄膜を介して導通させ、また、水槽内がイオン交換膜または塩橋で仕切られた構造を提案している。
この装置においては、太陽光が水槽の透過窓を通じて入射し、光触媒中の電子を価電子帯から伝導帯へ励起する。この際に価電子帯の電子が抜けた部分にはホールが形成される。価電子帯に生じたホールは、水と光触媒界面に形成されるショットキーバリヤーによって生じた界面電位の傾きによって、触媒と水の界面に移動する。界面に達したホールは以下の反応を起こし、酸素を発生する。
2H2O+4h+→4H++O2・・・・・[1]
伝導帯に生じた電子は白金薄膜中を伝導し、対極へ運ばれる。また、光触媒部で発生したプロトンは、ナフィオンなどのイオン交換膜を介して対極側の水貯留部へ輸送される。この水貯留部と電子伝導体の界面には白金(Pt)などの水素発生触媒が塗布されているため、電子伝導帯を輸送されてきた電子とプロトンから以下の還元反応がおきる。
伝導帯に生じた電子は白金薄膜中を伝導し、対極へ運ばれる。また、光触媒部で発生したプロトンは、ナフィオンなどのイオン交換膜を介して対極側の水貯留部へ輸送される。この水貯留部と電子伝導体の界面には白金(Pt)などの水素発生触媒が塗布されているため、電子伝導帯を輸送されてきた電子とプロトンから以下の還元反応がおきる。
2H++2e−=H2・・・・・[2]
このようにして発生した水素と酸素は白金薄膜およびイオン交換膜によって仕切られた2つの水電解層でそれぞれ発生するため、水素と酸素を分離する必要がなく、逆反応によるエネルギー効率低下の怖れもない。
特開平10−218601号公報
特開2001−213608公報
このようにして発生した水素と酸素は白金薄膜およびイオン交換膜によって仕切られた2つの水電解層でそれぞれ発生するため、水素と酸素を分離する必要がなく、逆反応によるエネルギー効率低下の怖れもない。
しかしながら、前記特許文献2に開示された技術においては、太陽光が水槽の透過窓を通じて入射する構成となっている場合、光を水平方向から入るように光学系を設計する必要があるなど、大面積での設置には適しない構成となっていた。また、光水電解セルを高集積化して、セル内を流れる電流値を小さくすることがエネルギー効率向上の観点から望まれるが、未だその例はない。
そこで、本発明は、小さい設置面積でエネルギー効率が高い光水電解装置及び光水電解システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る光水電解装置は、外壁によって構成された複数のケーシングの内部に純水又は電解液を収容し、かつ、それぞれのケーシングの内部に隔壁を設けた光水電解セルを複数備えた光水電解装置であって、前記隔壁の下部は、イオン伝導膜の両面に光触媒電極及び対極を形成した光水電解電極膜接合体に構成されて前記純水又は電解液中に浸漬されると共に、前記光触媒電極及び対極が互いに導通され、前記複数の光水電解セル内におけるそれぞれの光水電解電極膜接合体が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る光水電解装置によれば、複数の光水電解電極膜接合体を直列に接続することにより、設置面積を小さくすることができ、また、光水電解装置全体に流れる電流値が小さくなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態による光水電解システム1は、大別すると、光水電解装置3、水素タンク5、貯水タンク7、純水供給装置(図示せず)、及び電解液濃度センサ9を備えている。
前記光水電解装置3は、太陽光から得られる光エネルギーを水素エネルギーに変換する機能を有し、複数の光水電解セル11から構成されている。この光水電解装置3には、太陽光の日射量を測定する日射センサ13が設けられている。
また、水素タンク5は、前記光水電解装置3で発生した水素を貯留するものであり、光水電解装置3に水素ガス用配管15を介して接続されている。
そして、光水電解装置3と貯水タンク7は、電解液用配管17を介して接続されており、該電解液用配管17内を電解液Lが図1の矢印方向に沿って循環している。この電解液Lは、光水電解により水素及び酸素を発生させる原料となる。また、電解液用配管17の途中には、昇圧ポンプ及びフローコントローラが配設されている。昇圧ポンプは、前記光水電解セル11に、水電解の材料となる電解液Lを供給するために必要な水圧を付与するものであり、光水電解セル11へ供給する電解液Lの流量調整を行うものである。貯水タンク7は、前記光水電解セル11に供給する電解液Lの貯留を行うものである。なお、電解液用配管17には、昇圧ポンプ8及びフローコントローラ10が設けられている。
一方、前記純水供給装置は、純水用配管19を介して貯水タンク7に接続されている。この純水用配管19の途中には、フローコントローラ21及びストップバルブ23が配設されている。このフローコントローラ21は、貯水タンク7へ供給する純水の流量調整を行うものであり、ストップバルブ23は、貯水タンク7へ供給する純水の開通と停止を任意に行う。そして、前記貯水タンク7には、該貯水タンク内に収容された電解液Lの濃度を測定する濃度センサ(図示せず)が設けられている。
また、図2は本発明の実施形態による光水電解装置3を構成する光水電解セルを示す斜視図、図3は図2のA−A線による断面図、及び図4は本発明の実施形態による光水電解装置3を示す平面図である。
これらの図に示すように、光水電解装置3は、上下方向及び左右方向に沿って並設された複数の光水電解セル11から構成されている。また、隣接する光水電解セル11間には、交流抵抗計25が配設されており、該交流抵抗計25を用いて、各光水電解セル11間の交流抵抗値を計測する。
それぞれの光水電解セル11は、外周部分が透明なガラス板又は合成樹脂板からなる外壁27によって囲まれた箱状のケーシング49を有しており、図3に示すように水平状態から角度θ分だけ傾斜して配置されている。光水電解セル11内の下部には、電解液Lが収容されており、また、厚さ方向中央には、光水電解セル11内を2つの空間に画成する隔壁29が設けられている。さらに、各光水電解セル11同士は、図示しない配線を介して直列に接続されている。
図5及び図6は、光水電解セル内の隔壁を示している。
この隔壁29は、上部側に配置されたガス分離膜31と、下部側に配置された光水電解電極膜接合体33(Membrane Electrode Assembly)とが一体に接合されたものであり、発生水素と発生酸素とを分離する役割を果たす。
光水電解電極膜接合体33には、図6に示すように、厚さ方向中央部に配置されたイオン伝導膜であるNafion膜35の両面に、光触媒電極37と白金で形成された対極39とがそれぞれ形成されている。この光水電解電極膜接合体33では、太陽光の照射により光水電解を起こし、光触媒電極37からは酸素、対極39からは水素が発生する。なお、ガス分離膜31の両面には、光触媒電極37及び対極39は形成されていない。
また、隔壁29の下端には、図5に示すように、矩形状の貫通孔41が形成されており、該貫通孔41を介して光水電解セル11内を電解液Lが流通することができる。そして、貫通孔41の周辺の枠部分29aにも、光触媒電極37及び白金対極39が形成されている。
そして、図7に示すように、光水電解セル11の外壁27には、平面視矩形状の流通孔43が形成されており、該流通孔43の開口面積を可変自在とする可動壁45が設けられている。該可動壁45は、外壁27の高さ方向(長手方向)に沿ってスライド自在に構成されており、上方に移動すると、開口部分の開口面積が小さくなり、下方に移動すると、開口面積が大きくなる。
ここで、各寸法について説明する。
流通孔43の上下方向長さはX0であり、可動壁45の上下方向長さはX3である。可動壁45は上下方向に沿ってスライド可能に構成されており、可動壁45の上端45aと流通孔43の上端43aとの距離X2が、流通孔43の開口部分の上下長さとなっている。なお、流通孔43の下端43bと可動壁45の上端45aとの距離はX1となっている。
次いで、本発明の実施形態による光水電解システムの作動手順を図8を用いて大まかに説明する。
まず、光水電解装置3の傾斜角を調整し(S1)、該光水電解装置3の光水電解セル11内に供給する電解液Lの供給量を調整する(S2)。そして、日射量を測定し(S3)、その日射量が所定範囲内であるか否かを検出し(S4)、所定範囲内である場合は、光水電解装置3の運転を停止すべきか否かを判断する(S5)。なお、日射量が所定範囲外の場合は、光水電解装置3の傾斜角を再度調整したり、光水電解装置3の運転を停止しない場合は、日射量の測定を再度行ったりする。
以下に、図8の各手順について更に詳細に説明する。
図9は、本発明の実施形態による光水電解セルの傾斜角度の設定手順を示すフローチャートである。
光水電解セル11の傾斜角を設定するサブルーチンにおいては、光水電解装置3に設けられた傾斜角可変な日射センサ13を用いて、まずθ=0°における日射量Qを測定する(S11)。その後、図10に示すように、徐々に傾斜角θを増加させる(S12)。そして、dQ/dθ=0となるθmaxを検知し(S13)、光水電解セル11全体の傾斜角をθ=θmaxに固定する(S14)。
次いで、光水電解セル11における可動壁45の位置を検出し、以下の式で表されるX=X1に固定する(S15)。
X1=D/tanθ
ここで、図11に示すように、光水電解電極膜接合体33の上端33aと可動壁45の上端45aとは略同じ高さ位置に配置されている。また、Dは、光水電解セル11内の光水電解電極膜接合体33と外壁27との厚さ方向の距離である。また、光水電解電極膜接合体33の上端33aから光水電解セル11の外壁27に向けて降ろした垂線の足Pは、流通孔43の下端位置43bと一致している。
ここで、図11に示すように、光水電解電極膜接合体33の上端33aと可動壁45の上端45aとは略同じ高さ位置に配置されている。また、Dは、光水電解セル11内の光水電解電極膜接合体33と外壁27との厚さ方向の距離である。また、光水電解電極膜接合体33の上端33aから光水電解セル11の外壁27に向けて降ろした垂線の足Pは、流通孔43の下端位置43bと一致している。
このように、光水電解セル11内における電解液Lの液面高さhは、光水電解電極膜接合体33の上端33a及び可動壁45の上端45aの高さと略一致している。
以上のような操作を行うことにより、どのような傾斜角θにおいても、光水電解電極膜接合体33が電解液Lに浸漬することとなり、光水電解システム1全体のエネルギー変換効率を向上させることができる。
次に、光水電解装置に供給する電解液の供給量を決定する手順を図12を用いて説明する。
ここで、電解液Lの供給量が多すぎる場合は、電解液Lの循環に必要な昇圧ポンプ8の駆動エネルギーが大きくなるため、光水電解システム1全体のエネルギー変換効率を低下させてしまう。また、水分解によって電解液L中の水分が消費されるため、必要最低限の水分は常に供給する必要がある。
まず、光水電解セル11を最適傾斜角に配置した際に光水電解セル11に流れる電流の電流値I0を、図外の電流計によって計測する(S21)。
全ての光水電解セル11は直列で接続されているため、光水電解セル11内で消費される水量S0は以下の式で計算される(S22)。
S0=I0/2F*M
ここで、Fはファラデー定数、Mは水の分子量である。
ここで、Fはファラデー定数、Mは水の分子量である。
このように計算された電解液Lの供給量は、光水電解セル11に必要な最低水量であるため、太陽高度、天候などの変化を考慮してΔSの水量を追加して、(S0+ΔS)の電解液Lを光水電解システム1に供給する。この際、カウント数をk=0とする(S23)。
次のステップでは、隣接する光水電解セル11間の交流抵抗値Rを、前述した図3に示す交流抵抗計25によって計測する(S24)。ここで、ある閾値R0を前もって定めておき、光水電解システム1内における光水電解セル11の全てがR>R0であるかどうかの判断を行う(S25)。
RがR0以上である場合、隣り合う光水電解セル11間は電解液Lを通して導通していないと判断し、水流量決定サブルーチンを終了する。
一方、RがR0未満である場合、隣り合う光水電解セル11間は電解液Lを通して導通していると判断し、電解液Lを間欠的に供給するモードに入る。間欠的に供給することにより、光水電解セル11間を電解液Lが移動する際に、電解質と電解質の間で空間が生じるため電解液Lを通じた導通を防ぐことができる。なお、この際になるべく間欠時間taを小さくすることが望まれる。つまり、必要以上に間欠時間が大きいと一度に大量の電解液Lが光水電解セル11内に供給されることとなり、光水電解セル11内における電解液Lの水位の安定性を乱す。従って、本実施形態では、カウント数kを増やすごとにtaを増加させるフローとしている。具体的には、カウント数kを(k+1)とし(S26)、電解液Lの供給量をF0、間欠時間間隔ta(k+1)として、電解液Lの供給を開始する(S27)。また、図13に示すように、その際にtaの増加に伴って、電解液Lを供給する時間における水量を増加させてS1とし、平均すると(S0+ΔS)の水量が供給されるように調整する。
なお、図8のS3及びS4に示すように、水量決定後は、太陽光日射量を常に監視しておいて、日射量の変化がΔQ0を超えた時点で、再度、光水電解セル11の最適設置角θを設定する。
また、本実施形態による光水電解システム1では、図1で説明したように、電解液Lを貯留する貯水タンク7を設け、該貯水タンク7に純水を供給する。図14のフローチャートを用いて、貯水タンク7内に収容された電解液Lの濃度を所定値以上に維持する手順を説明する。なお、電解液Lの濃度の代わりに、イオン伝導度を測定及び管理する。
まず、貯水タンク7内の電解液Lのイオン伝導度Cを測定する(S31)。そして、このイオン伝導度Cが所定値C0よりも高くなった場合に(S32)、ストップバルブ23を解放する(S33)と共に、フローコントローラ21で流量調整を行う(S34)。
光水電解装置3では、水のみが消費されて、電解液Lの濃度が上がる一方であるため、その電解液Lの濃度を一定値以下に保つことができる。
なお、前記実施形態においては、光水電解セル11を複数の平面上に設置する例を述べたが、電解液Lとして純水を用いる場合、図15及び図16に示すように、光水電解電極膜接合体33を分割して単一の光水電解セル11内に配設しても良い。
これらの図に示すように、隔壁47の下部には光水電解電極膜接合体33が複数設けられている。この光水電解電極膜接合体33は、中央側に配置されたNafion膜35と、該Nafion膜35の表面及び裏面に形成された矩形状の光触媒電極37及び白金からなる対極39とから構成されている。そして、それぞれの光触媒電極37と対極39は複数に分割されて、一枚のNafion膜35上に並設されている。なお、各光触媒電極37及び対極39は、図外の配線を介して直列に接続されている。また、外壁27によって構成されるケーシング49の内部には、純水Wが収容されている。
以下に、本発明の実施形態による作用効果を説明する。
(1)本発明の実施形態による光水電解装置3は、外壁27によって構成された複数のケーシング49の内部に電解液Lを収容し、かつ、それぞれのケーシング49の内部に隔壁29を設けた光水電解セル11を複数備えた光水電解装置3であって、前記隔壁29の下部は、イオン伝導膜(Nafion膜)35の両面に光触媒電極37及び対極39を形成した光水電解電極膜接合体33に構成されて前記電解液L中に浸漬されると共に、前記光触媒電極37及び対極39が互いに導通され、前記複数の光水電解セル11内におけるそれぞれの光水電解電極膜接合体33が電気的に直列に接続されている。このように、複数の光水電解電極膜接合体33を直列に接続することにより、設置面積を小さく設定することができ、また、光水電解装置3全体に流れる電流値が小さくなる。
(2)また、本発明の実施形態による別の光水電解装置51は、図15及び図16に示すように、外壁27によって構成された単一のケーシング49の内部に純水Wを収容し、かつ、ケーシング49の内部に隔壁47を設けた単一の光水電解セルを備え、前記隔壁47の下部は、単一のイオン伝導膜(Nafion膜)35の両面に光触媒電極37及び対極39を複数形成した光水電解電極膜接合体33に構成されて前記純水W中に浸漬されると共に、前記光触媒電極37及び対極39が互いに導通され、それぞれの光水電解電極膜接合体33が電気的に直列に接続されている。このため、光水電解装置51を構成する光水電解セルの構造が簡素になり、コストを低減することができる。
(3)前記複数の光水電解電極膜接合体33が、同一平面上のイオン伝導膜に配置されているため、光水電解セルの構造を簡単にすることができる。
(4)また、前記複数の光水電解セル11同士が、各光水電解セル11に収容された電解液Lを通じた電気的導通を防止するように構成されているため、各光水電解セル11における光触媒と対極39との間に生じる電位差を正確に制御できる。
(5)そして、前記光水電解セル11の外壁27に流通孔43を設け、隣接する光水電解セル11同士に、前記流通孔43を介して電解液Lが流通可能に構成しているため、光水電解装置3全体における電解液Lの供給部分及び排出部分の数を低減することができる。
(6)さらに、前記水又は電解液Lを間欠的に流通させることにより、隣接する光水電解セル11同士の電気的導通を防止するようにしているため、電解液Lの供給時における短絡を簡便に防止することができる。
(7)また、前記水又は電解液Lの流量を調整することにより、隣接する光水電解セル11同士の電気的導通を防止するようにしているため、電解液Lの供給時における短絡を簡便に防止することができる。
(8)さらに、前記光水電解セル11で生成された水素の発生量を検知又は推測する水素発生量検知手段又は水素発生量推測手段を設け、これらの水素発生量検知手段又は水素発生量推測手段から得られた水素量データに基づいて、太陽光から水素へのエネルギー変換効率を最大化する光水電解セル11の傾斜角、及び、光水電解セル11に供給する電解液Lの流量を決定している。このため、太陽光の照射角度や天候によって定まる光水電解セル11の最適傾斜角を確実に決定することができる。また、発生する水素量によって定まる必要最小限度の電解液L量を供給することにより、余分なポンピングロスの発生を防止することができる。
(9)そして、前記光水電解セル11の外壁27に形成した流通孔43の開口部分の開口面積が可変自在であり、かつ、流通孔43の下端43bと光水電解電極膜接合体33の上端33aとの高さが一致するように、流通孔43の開口面積を調整可能にしている。このため、光水電解セル11の傾斜角が変化しても、光水電解電極膜接合体33の全体を電解液Lに浸漬した状態に保持することができる。
(10)そして、前記水素発生量推測手段は、太陽光の照射量を日射センサ13で検知して、この検知量に基づいて水素の発生量を推測する手段であるため、日射量から直接的に光水電解セル11の最適傾斜角を決定することができる。
(11)前記水素発生量検知手段は、光水電解セル11内で発生した水素の量を検知する水素流量計であるため、発生した水素量を直接的に求めることができる。
(12)水素発生量推測手段は、光水電解装置3を流れる電流値に基づいて、発生する水素量を推測する手段であるため、電流量から発生水素量を正確に推測することができる。
(13)前記水素発生量推測手段は、前記光水電解セル11に供給する電解液Lの濃度に基づいて水素発生量を推測する手段であるため、電解液Lの濃度から水分解によって消費された水の量を検知し、発生水素量を正確に検知することができる。
(14)前記電解液Lの濃度を、電解液Lのイオン伝導度を用いて検知するため、イオン伝導度と電解液Lの濃度との関係から、電解液L濃度を正確に推測することができる。
(15)前記電解液Lの濃度を、電解液LのpHを用いて検知するため、pHと電解液L濃度との関係から、電解液Lの濃度を正確に推測することができる。
(16)前記光触媒電極37と対極39の間に、水分解を促進する極性の電圧を印加するため、光触媒電極37と対極39との間の電位差を任意に調整することができる。
(17)また、光水電解セル11を分割して複数設けているため、それぞれの光水電解セル11の間を流れる電流の距離が小さくなり、抵抗損失が減る。
(18)さらに、光水電解セル11を分割する際に、各々の光水電解セル11中に収容されている電解液L同士が液絡していないので、各々の光水電解セル11の電極にかかる電位を水電解電位に必要な最低限の電位にコントロールできる。液絡している場合、各々の光水電解セル11が直列に接続されているため、セル最上流の電極と最下流の電極には水電解電位に必要な電位差以上に電位が発生し、水電解以外の反応が起きる可能性がある。
(19)光電解セルが複数に分割されているので、一つの大きな水電解槽とする場合に比べて、光水電解セル11下部の水圧が低くなる。水圧が高いと水電解に必要な電圧が高くなるため、光水電解システム1のエネルギー変換効率が低下する。
(20)電解液Lを用いることで、光水電解セル11内部における電解液Lのイオン伝導性が増すため、電気抵抗によるエネルギーロスが低減される。
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
さらに、本実施形態においては、光水電解セル11間で電解液Lが電気的に導通するのを防ぐ手段として、電解液Lを間欠的に供給する方法を採用したが、余剰の電解液L供給量ΔSを減らすことによって、導通を防止しても良い。また、光水電解セル11内で消費される電解液Lの量S0を決定するために、光水電解セル11内を流れる電流値を指標としたが、実際に発生する水素量や、日射量Qにエネルギー変換効率を掛けた値、又は、前記貯水タンク7内に供給する純水の量から決定することも可能である。
また、本実施形態では、光触媒としてバイアス電圧を印加しないで水電解が可能なものを想定したが、光触媒電極37と対極39との間にバイアス電圧を印加することも可能である。
L…電解液
W…純水
1…光水電解システム
3,51…光水電解装置
11…光水電解セル
27…外壁
29…隔壁
33…光水電解電極膜接合体
35…Nafion膜(イオン伝導膜)
37…光触媒電極
39…対極
43…流通孔
47…隔壁
49…ケーシング
W…純水
1…光水電解システム
3,51…光水電解装置
11…光水電解セル
27…外壁
29…隔壁
33…光水電解電極膜接合体
35…Nafion膜(イオン伝導膜)
37…光触媒電極
39…対極
43…流通孔
47…隔壁
49…ケーシング
Claims (17)
- 外壁によって構成された複数のケーシングの内部に電解液を収容し、かつ、それぞれのケーシングの内部に隔壁を設けた光水電解セルを複数備えた光水電解装置であって、
前記隔壁の下部は、イオン伝導膜の両面に光触媒電極及び対極を形成した光水電解電極膜接合体に構成されて前記電解液中に浸漬されると共に、前記光触媒電極及び対極が互いに導通され、
前記複数の光水電解セル内におけるそれぞれの光水電解電極膜接合体が電気的に直列に接続されていることを特徴とする光水電解装置。 - 外壁によって構成された単一のケーシングの内部に純水を収容し、かつ、ケーシングの内部に隔壁を設けた単一の光水電解セルを備えた光水電解装置であって、
前記隔壁の下部は、単一のイオン伝導膜の両面に光触媒電極及び対極を複数形成した光水電解電極膜接合体に構成されて前記純水中に浸漬されると共に、前記光触媒電極及び対極が互いに導通され、
それぞれの光水電解電極膜接合体が電気的に直列に接続されていることを特徴とする光水電解装置。 - 前記光水電解電極膜接合体は、光水電解セル内に配設された同一平面上のイオン伝導膜に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光水電解装置。
- 前記複数の光水電解セル同士が、各光水電解セルに収容された電解液を通じた電気的導通を防止するように構成されたことを特徴とする請求項1又は3に記載の光水電解装置。
- 前記光水電解セルの外壁に流通孔を設け、前記流通孔を介して隣接する光水電解セル同士で電解液が流通可能に構成されたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の光水電解装置。
- 前記電解液を間欠的に流通させることにより、隣接する光水電解セル同士の電気的導通を防止するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の光水電解装置。
- 前記電解液の流量を調整することにより、隣接する光水電解セル同士の電気的導通を防止するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の光水電解装置。
- 前記光水電解セルで生成された水素の発生量を検知する水素発生量検知手段、又は水素の発生量を推測する水素発生量推測手段を設け、これらの水素発生量検知手段又は水素発生量推測手段から得られた水素量データに基づいて、太陽光を水素へ変換する際のエネルギー変換効率を最大にする光水電解セルの傾斜角、及び、光水電解セルに供給する電解液の流量を決定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光水電解装置。
- 前記流通孔の開口面積が可変自在であり、かつ、流通孔の開口部分の下端と隔壁の光水電解電極膜接合体の上端との高さが一致するように、流通孔の開口面積を調整可能にしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の光水電解装置。
- 前記水素発生量推測手段は、日射センサで検知した太陽光の照射量に基づいて水素の発生量を推測する手段であることを特徴とする請求項8に記載の光水電解装置。
- 前記水素発生量検知手段は、光水電解セル内で発生した水素の量を検知する水素流量計であることを特徴とする請求項8に記載の光水電解装置。
- 前記水素発生量推測手段は、光水電解装置を流れる電流値に基づいて、発生する水素量を推測する手段であることを特徴とする請求項8に記載の光水電解装置。
- 前記水素発生量推測手段は、前記光水電解セルに供給する電解液の濃度に基づいて水素発生量を推測する手段であることを特徴とする請求項8に記載の光水電解装置。
- 前記電解液の濃度を、電解液のイオン伝導度を用いて検知することを特徴とする請求項13に記載の光水電解装置。
- 前記電解液の濃度を、電解液のpHを用いて検知することを特徴とする請求項13に記載の光水電解装置。
- 前記光触媒電極と対極との間に、水分解を促進する極性の電圧を印加することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の光水電解装置。
- 前記請求項1〜16のいずれか1項に記載された光水電解装置を備えたことを特徴とする光水電解システム。
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