JP2006299312A - 光水電解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価、且つ、耐久性高く、光エネルギーを利用して水素と酸素を生成する。
【解決手段】太陽光エネルギーを利用して水を電気分解することにより酸素を生成する光触媒部11と、光触媒部11における電気分解反応の対極反応を生じさせることにより水素を生成する水素発生触媒12とを備え、光触媒部11と水素発生触媒12は多孔質導電体12を介して連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光エネルギーを利用して水を電気分解することにより水素と酸素を生成する光水電解装置に関する。
二酸化チタン(TiO)に代表される光触媒は、光エネルギーを吸収することにより電子と正孔(ホール)を生成し、この電子と正孔によって様々な化学反応を引き起こす。特に二酸化チタンの場合には、価電子帯のエネルギー準位が他の光触媒と比較して深い位置にあるために、光エネルギーを吸収することにより生成される正孔が有する酸化力は塩素やオゾンの酸化力にも勝るとされている。
ところで近年、このような光触媒を利用して水を電気分解することにより水素と酸素を生成する光水電解装置が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、この装置は、水中に分散させた光触媒粉末に太陽光を照射することにより、光触媒の価電子帯に存在する電子を伝導帯に励起し、価電子帯に正孔を生成する。そして、この装置は、価電子帯に生成された正孔によって水を酸化することにより酸素を生成するのと同時に、伝導帯に励起された電子によって水中のプロトンを還元することにより水素を生成する。
しかしながら、従来の光水電解装置では、水素と酸素の取出口が一つになっているために、電気分解反応によって生成された水素と酸素が混合してしまい、水素と酸素をエネルギーとして有効利用するためには、水素と酸素を別途分離する必要があった。また、従来の光水電解装置では、水素と酸素が同じ系内で発生するために、電気分解反応の逆反応が生じることによって、エネルギー効率(水素のエンタルピー/太陽光エネルギー量)が非常に低くなってしまう。
このような背景から、最近では、垂直に配列された光触媒電極とその対極とをイオン交換膜又は塩橋で仕切ると共に、白金薄膜を介して光触媒電極とその対極を導通させた光水電解装置が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。具体的には、この装置は、水槽の透過窓を通じて水平方向から入射した太陽光を光触媒電極に当てることにより、光触媒の価電子帯に存在する電子を伝導帯に励起し、価電子帯に正孔を生成する。そして、この装置では、価電子帯に生成された正孔は、水と光触媒界面に形成されるショットキー障壁によって生じた界面準位の傾き(電位差)によって光触媒と水の界面へと移動し、酸素を生成する。
一方、伝導帯に励起された電子は、白金薄膜中を伝導して対極に移動する。また、光触媒で発生したプロトンは、ナフィオン等のパーフルオロスルホン酸系のポリマーから成るイオン交換膜を介して対極側の水貯留部へ輸送される。そして、対極に移動してきた電子とプロトンは水貯留部と白金薄膜の界面に塗布されている白金等の水素発生触媒によって反応し、水素が生成される。そして、このような光水電解装置によれば、水素と酸素は白金薄膜及びイオン交換膜によって仕切られた2つの水電解槽においてそれぞれ発生するために、水素と酸素を分離する必要がなく、逆反応によるエネルギー効率低下の恐れが無くなる。
特開平10−218601号公報 特開2001−213608号公報
しかしながら、従来の光水電解装置においてイオン交換膜として用いられているパーフルオロスルホン酸系のポリマーは、高価であり、且つ、耐久性に問題がある。また、従来の光水電解装置は、上述の通り、水平方向から入射された光を利用する構成になっているために、光エネルギーとして太陽光エネルギーを利用する場合には、太陽光の入射方向を鉛直方向から水平方向に変換する光学系が必要になり、貯留池等の大面積での設置(大規模化)には適さない。なお、このような問題を解決するために、光水電解装置本体を水平方向に傾ける方法も考えられるが、この方法を用いた場合には、電気分解によって発生した水素が滞留し、水素の収集が困難になる。さらに、水素が速やかに収集,除去されない場合には、ルシャトリエの法則から反応速度が小さくなるために、エネルギー変換効率が下がってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、安価、且つ、耐久性高く、光エネルギーを利用して水素と酸素を生成することが可能な光水電解装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光水電解装置は、光エネルギーを利用して水を電気分解することにより水素又は酸素の一方の気体を生成する光エネルギー変換部と、エネルギー変換部における電気分解反応の対極反応を生じさせることにより水素又は酸素の他方の気体を生成する対極反応部と、少なくとも一部が多孔質導電体により形成され、光エネルギー変換部と対極反応部とを連結する連結部を備える。
本発明に係る光水電解装置によれば、高価、且つ、耐久性に難があるイオン交換膜ではなく、少なくとも一部が多孔質導電体により形成された連結部によって光エネルギー変換部と対極反応部が連結されているので、安価、且つ、耐久性高く、光エネルギーを利用して水素と酸素を生成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1乃至第3の実施形態となる光水電解システムの構成について説明する。
〔光水電解システムの構成〕
本発明の第1の実施形態となる光水電解システムは、図1に示すように、電気分解の対象となる水を貯留する水貯留槽1と、水貯留槽1内部に設けられ、太陽光エネルギーを利用して水貯留槽1内に蓄えられた水を電気分解することにより水素と酸素を生成する光水電解装置2と、光水電解装置2の内部に設けられ、電気分解反応によって生成された水素を貯留する複数の水素貯留部3と、水素貯留部3毎に設置され、水素貯留部3内の水位を検出することにより水素貯留部3内に貯留されている水素量を検出する複数の超音波式の水位センサ4と、水素配管5を介して水素貯留部3内に貯留された水素をコンプレッサ7に供給する複数の水素ポンプ6と、水素ポンプ6から供給された水素を吐出するコンプレッサ7と、水位センサ4の検出結果に基づいて水素ポンプ6とコンプレッサ7の動作を制御するコントローラ8とを主な構成要素として備える。
〔光水電解装置の構成〕
上記光水電解装置2は、図2に示すように凹凸形状を有し、凹部表面が水貯留槽1内の水面より低い位置になる(水で覆われる)ように水貯留槽1内部に配置されている。また、凹部表面には、図2,3に示すように、鉛直上方から入射した太陽光(入射光)を利用して価電子帯にある電子を励起し、水との界面において以下の反応式(1)に示す反応を生じさせることにより酸素を発生する光触媒部11が設けられている。ここで、光触媒部11としては、価電子帯準位が酸素の酸化還元準位(1.23V vs. NHE)よりも低い半導体、例えば、二酸化チタン(TiO),酸化鉄(Fe),酸化ニオビウム(Nb),チタン酸ストロンチウム(SrTiO),チタン酸バリウム(BaTiO),酸化亜鉛(ZrO),二酸化スズ(SnO),又は硫化カドミウム(CdS),InTaO,In1−xNiTaO,RbLaTi10,Ta,TaON,Taを例示することができる。なお、本実施形態では、光触媒部11としてTiO2を用いる。
2H0→4H+O+4e …(1)
また、凹部は、図2,4に示すように、多孔質導電体12によって形成され、この多孔質導電体12は、光触媒部11において発生した電子を後述する水素発生部基材16に伝導する経路の役割と、多孔質を介して下面の水との間でイオン交換を行うイオン交換体の役割とを兼ねている。ここで、多孔質導電体12としては、光触媒部11を全面に担持することが可能で、且つ、光触媒部11と水素発生部基材16とを電気的に導通させることができ、且つ、水中のプロトンが光触媒部11から水素発生部基材16に移動する通路となる孔が形成されているものであれば、どのような材料であっても構わない。但し、長時間の使用、すなわち耐久性を考えると、金属チタン(Ti)やSUS等の腐蝕に強い材料を用いることが望ましい。また、多孔質導電体12の孔径は、ある程度のイオン伝導が可能な大きさであればよいが、数十μm程度の大きさを有することが望ましい。なお、本実施形態では、多孔質導電体12として金属チタンを用いる。
一方、凸部表面には、図2,3に示すように、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池13が形成され、また、凸部の側面には、図2に示すように、斜め方向から入射した太陽光を反射して光触媒部11に太陽光を導く反射鏡14が形成されている。また、凸部の下面には、図2,4に示すように溝が形成され、この溝は上述の水素貯留部3として機能する。また、溝の上面には、溝内部の水面方向に向けて超音波を発振する超音波発振部4aと水面において反射された超音波を受信することにより溝の上面と水面との間の距離(水位)を計測する超音波受信部4bとから成る上述の水位センサ4が設けられている。
また、溝内部の水中には、図2,4に示すように、光触媒部11において発生した電子と多孔質導電体12と水貯留槽1の水中を伝導してきたプロトンを用いて以下の反応式(2)に示す反応によって水素を発生させる水素発生触媒15と、外部短絡線17と水素発生触媒15とを連通し、反応式(2)において用いられる電子の通り道となる円柱状の水素発生部基材16が設けられている。なお、上記外部短絡線17は、図4,5に示すように、多孔質導電体12と水素貯留部3の壁面3a(図4参照)とを太陽電池13を介して短絡させる。また、水素発生触媒15としては、水素発生の活性化エネルギーを低減する材料、例えば、白金(Pt),酸化ルテニウム(RuO),酸化ニッケル(NiO),酸化セリウム(CeO),その他白金系合金を例示することができる。なお、本実施形態では、水素発生触媒15としてPtを用いる。
2H+2e→H …(2)
そして、このような構成を有する光水電解装置2では、太陽光が光水電解装置2の鉛直上方から入射した場合、光触媒部11及び太陽電池13に太陽光が照射され、太陽光エネルギーを利用して水素を発生する。一方、太陽光が光水電解装置2に対して斜め方向から入射した場合には、単位面積あたりの光エネルギー密度は低下するものの、光触媒部11及び太陽電池13に太陽光が照射されると共に、反射鏡14が斜め方向から入射した太陽光を反射して光触媒11に導き、太陽光エネルギーを利用して水素を発生する。従って、この光水電解装置2によれば、太陽光の入射方向を変換する光学系を用いることなく、照射された太陽光を入射方向に関係なく全て水電解反応に利用し、効率よく水素と酸素を生成することができる。
〔光水電解装置の動作〕
この光水電解装置2では、光触媒部11に太陽光が照射されると、光触媒部11の価電子帯と伝導帯のバンドギャップ幅に対応する波長の光が吸収される。ここで、価電子帯と伝導帯のバンドギャップ幅Eと光の吸収波長の関係は、h,cをそれぞれプランク定数,光速度とすると、E=hυ,λ=c/υのように表される。つまり、波長λ以下の光は価電子帯から伝導帯に電子(e−)が励起するためのエネルギーとして用いられる。そして、このようにして励起された電子は、多孔質導電体12を介して外部短絡線17に至り、外部短絡線17上に設置されている太陽電池13によりバイアス電圧を印加されることによってエネルギー状態が水素の酸化還元準位よりも高くなり、水素発生触媒15に供給される。また、光触媒部11の価電子帯にはホール(h)が形成され、上述の反応式(1)の反応によって水を酸化して酸素が生成される。なお、本実施形態では、太陽電池13によりバイアス電圧を印加したが、外部から電力を供給することにより、安定的に水分解ができるようにしてもよい。また、電池を設け、この電池から電力を供給するようにしてもよい。電池から電力を供給することにより、光水電解装置2を電力網に接続する必要がなくなるので、光水電解装置2の移動が容易になる。
一方、光触媒部11で発生したプロトンは、濃度勾配を駆動力として水素発生触媒15に向かって拡散する。そして、プロトンと電子は、水素発生触媒15上で上述の反応式(2)の反応によって水素となる。なお、反応式(2)に示す反応は、活性化エネルギーが低下する水素発生触媒15上でしか起こらないために、水素発生触媒15を設置する場所を決めることで、水素発生箇所を限定することができる。そして、水素発生触媒15上で発生した水素は浮力によって水素貯留部3(溝)内部に貯留される。なお、水素貯留部3に貯留された水素は、水素ポンプ6及びコンプレッサ7を介して外部に供給されるが、水位センサ4によって水素貯留部3内の水位を常時検出することによって、水位が高すぎることによって水素ポンプ6に水が流入する、及び水位が低すぎることによって水素貯留部3から水素が漏れることを防止できる。
なお、図6に示すように、水素発生部基材16である円柱の直径をx,水素貯留部3の壁面3aの位置S1から凹部の中心位置S2までの距離をy,水素貯留部3の中心位置S3と壁面3aの位置S1から水平右方向にy/2の距離の位置S4間の距離をLと定義し、半径xの大きさが距離Lに比べて小さいと仮定すると、光触媒部11で発生したプロトンの移動距離はL−y/2〜L+y/2の範囲内になる。そして、仮にこの移動距離が長い、つまり距離Lが大きいとすると、水中におけるプロトンの移動距離は大きくなり、水電解反応に必要な電圧は大きくなる。またこの結果、広いバンドキャップ幅を有する光触媒が必要になり、装置のエネルギー変換効率が低下してしまう。
しかしながら、逆に距離Lの大きさが小さい場合には、光触媒の面積に対する水素貯留部3の占める面積の割合が大きくなり、この結果、太陽光が斜めに入射する際、光触媒にかかる凸部の影の面積が大きくなり、装置面積に対して十分は光を吸収することができない。従って、移動距離Lの大きさは水中のプロトン伝導度に応じて決めることが望ましい。そこで以下では、移動距離Lの最適値を算出する。なお以下では、簡便のため、光水電解装置2の奥行き方向の長さは単位長さであるとして計算を行う。
いま半径xの大きさが移動距離Lと比べて十分に小さいと仮定すると、位置S1と位置S2間の光触媒部11において発生するプロトンの伝導パスは、縦の長さa=1,横の長さb=L,高さc=3.14x/4の長方形で近似できる。従って、この伝導パスを通過するプロトンによって電荷が輸送される場合の抵抗Rは溶液中のプロトン伝導度をσとすると、R=(1/σ)×(b/(a×c))=4L/3.14xσと表することができる。そして、位置S1と位置S2間の光触媒部11で発生する光電流密度をiとすると、このプロトン伝導に起因する電圧低下をΔV以下にするためには以下の条件式(3)を満たす必要がある。
ΔV>i×y×R=4iyL/3.14xσ …(3)
そして、仮に電圧低下量ΔVを0.5[V],水素発生部3の直径xを0.1[cm],プロトン伝導度σを0.05[S/cm],光電流値iを100[μA/cm]とすると、Lとyは以下の条件式(4)を満たす必要がある。また、水素貯留部3の幅(2L−y)の値はどこまでも小さくしてもよいというわけではなく、少なくとも水素発生部3の直径xより大きくなければならないため以下の条件式(5)が導かれる。
Ly>19.62 …(4)
2L−y>0.1⇔y<2L−0.1 …(5)
従って、上記条件式(4),(5)を満たすL,yの値の範囲は図7の斜線部のように表される。但し、yの値は溝の数をなるべく少なくするためと、高価な太陽電池の設置面積を小さくするために、できるだけ大きい方が好ましい。つまり、yの値は図7の点Aに位置にあることが好ましく、その時のyの値は6.22[cm]、Lの値は3.16[cm]になる。この値から考えると、光水電解装置2の凸部の幅は0.1[cm]、凹部の幅は12.4[cm]となる。なお、上記の値はΔV,x,i,σの値を適当な値に固定した場合の最適値であり、これらの条件の変動によって変化するものである。しかし、これらの条件の変動幅を考えると、L,yの値はそれぞれ50,100[cm]以下に設定されることが好ましく、より好ましくは5,10[cm]以下であることが望ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、太陽光エネルギーを利用して水を電気分解することにより酸素を生成する光触媒部11と、光触媒部11における電気分解反応の対極反応を生じさせることにより水素を生成する水素発生触媒15とは、高価、且つ、耐久性に難があるイオン交換膜ではなく、多孔質導電体12により連結されているので、安価、且つ、耐久性高く、太陽光エネルギーを利用して水素と酸素を生成することができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、水素発生触媒15の鉛直上方には気体貯留部3が設けられ、水素発生触媒15において発生した水素は気体貯留部3内に貯留されるので、水素を効率よく収集すると共に、水素発生触媒15近傍から水素を速やかに除去することができる。また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、光水電解装置2は、凹凸形状を有する平板により構成され、凹部は上面に光触媒部11を担持した多孔質導電体12により構成され、凸部には気体貯留部3が形成されているので、光触媒部11を常に水面付近に固定し、太陽光エネルギーの利用効率を上げることができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、凸部の側面には光を光触媒部11側に反射する反射鏡14が配設されているので、太陽光が斜め方向から入射する場合であっても、太陽光を効率よく利用することができる。また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、凸部の上面には光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池13が配設されているので、太陽光エネルギーの利用効率を上げることができる。また、光触媒部11が設定されてない部分を有効活用することができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、水素貯留部3は水平に配設されているので、光水電解装置2を水平方向に広げて配置し、大面積化が容易になる。また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、水素発生触媒15は、水素貯留部3の中心軸方向に配設されているので、水素発生触媒15において発生した水素を確実に水素貯留部3内に貯留することができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、水位センサ4によって水素貯留部3内の水面位置と水素貯留部3の上部壁面との間の距離を検出することにより水素貯留部3内に貯留されている水素量を検出し、検出された水素量に応じて水素貯留部3に貯留された水素を外部に排出するので、水素が水素貯留部3から漏れることを防止できる。また、水素量を確実に検出することができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、水素貯留部3内の水面が水素発生触媒15の上端部よりも高い位置になるように、水素貯留部3内に貯留されている水素量を調整するので、水素発生触媒15と水面の接触面積を常に最大にし、水素の発生効率を上げることができる。
また、本発明の第1の実施形態となる光水電解システムによれば、光触媒部11と水素発生触媒15間の導通経路に電圧を印加するので、水の電気分解に十分でないバンドキャップ幅を有する半導体も光触媒部11として利用することができる。また、太陽電池13の電圧を印加するので、光水電解装置2を電力網に接続する必要がなく、光水電解装置2を容易に移動することができる。
〔光水電解システムの構成〕
本発明の第2の実施形態となる光水電解システムでは、図8,9に示すように、水素貯留部3の内壁部分3aと水素発生部基材16が内部短絡線21によって連通されている。このような構成によれば、図10に示すように、ZnO,KTaO,SrTiO,TiO,ZnS,CdS,SiC等の伝導帯のエネルギー準位がH/Hの酸化還元電位よりも高く、価電子帯のエネルギー準位がO/HOの酸化還元電位よりも低いバンド構造を有する光触媒の場合には、水電解にバイアスをかける必要がなくなるため、換言すれば、太陽電池13を経由する必要がなくなるために、太陽電池13で発電された電気エネルギーを装置の運転に必要な水素ポンプ6等の補機用の電力に用いることができる。
〔光水電解システムの構成〕
本発明の第3の実施形態となる光水電解システムでは、図11に示すように、光電解装置2は、多孔質導電体12と、多孔質導電体12の上面全体に形成された光触媒部11とを備え、多孔質導電体12の下面には、水素貯留部3として機能する溝が形成されている。また、水素貯留部3の壁面の下部部分には、水素発生触媒15が塗布され、水素貯留部3の上部には、超音波発振部4aと超音波受信部4bとから成る水位センサ4が設けられている。
〔光水電解装置の動作〕
上記第1及び第2の実施形態となる光水電解装置2では、光触媒のバンドキャップが水電解に十分な幅を有していない場合、外部電力網,電池,太陽電池等から電気エネルギーを供給し、バイアス電位を印加する必要がある。しかしながら、この第3の実施形態となる光水電解装置2では、上面全面が光触媒部11により覆われているために、電力供給源となる太陽電池を設けるためのスペースが存在しない。そこで、この実施形態では以下のように水素を効率的に生成する。
光触媒部11で発生したプロトンと電子はそれぞれ、多孔質導電体12中の水と多孔質導電体12を通って水素貯留部3壁面の水素発生触媒15に達し、水素を発生する。発生した水素は、浮力によって水素貯留部3の上部へと移動し、貯留される。この際、水位センサ4を介して水素貯留部3の最上面と水面との間の距離Dをモニタする。そして、水素貯留部3の最上部から水素発生触媒15の最上面までの鉛直方向の距離をD0とすると、水素貯留部3の最上面と水面との間の距離Dが距離D0となった時点で、dD/dt>0になるまで水素ボンベ6の吐出量を増加させ、水素発生触媒15が常に水と接するように調整する。
以上の説明から明らかなように、本発明の第3の実施形態となる光水電解システムによれば、水素発生触媒15は光触媒部11及び多孔質導電体12を介して背面側に設けられているので、光触媒部11を水面全体に設置し、太陽光エネルギーの利用効率を上げることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、上記実施形態では、水位センサ4を用いることにより水素貯留部3内に貯留された水素量を測定したが、水素貯留部3に貯留されている水素によって光水電解装置2に掛かる浮力や光水電解装置2の重量を測定することにより水素量を測定するようにしてもよい。このような構成によれば、水素量の検出部材の構成を簡易なものにすることができる。また、水位センサ4として超音波式の水位センサを利用したが、水圧を利用して水位を検出する差圧型水位センサを用いて水位を検出してもよいし、水素貯留部3内に設置されたフロートを利用して水位を検出してもよい。また、上記実施形態では、水平面に光水電解装置2を形成したが、傾斜角を有する平面に光水電解装置2を形成するようにしてもよい。このような構成によれば、水素が自然に水素貯留部3の上方に集まるようになるために、水素ポンプ6等の気体収集装置が不要になり、装置構成を簡便にすることができる。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の第1の実施形態となる光水電解システムの構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の構成を示す横方向断面図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の構成を示す下面図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の動作を説明するためのエネルギー準位図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の寸法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態となる光水電解装置の凹部及び凸部の寸法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態となる光水電解装置の構成を示す横方向断面図である。 本発明の第2の実施形態となる光水電解装置の構成を示す下面図である。 本発明の第2の実施形態となる光水電解装置の動作を説明するためのエネルギー準位図である。 本発明の第3の実施形態となる光水電解装置の構成を示す横方向断面図である。
符号の説明
1:水貯留槽
2:光水電解装置
3:水素貯留部
4:水位センサ
5:水素配管
6:水素ポンプ
7:コンプレッサ
8:コントローラ
11:光触媒部
12:多孔質導電体
13:太陽電池
14:反射鏡
15:水素発生触媒
16:水素発生部基材

Claims (19)

  1. 光エネルギーを利用して水を電気分解することにより水素又は酸素の一方の気体を生成する光エネルギー変換部と、
    前記エネルギー変換部における電気分解反応の対極反応を生じさせることにより水素又は酸素の他方の気体を生成する対極反応部と、
    少なくとも一部が多孔質導電体により形成され、前記光エネルギー変換部と前記対極反応部とを連結する連結部と
    を備えることを特徴とする光水電解装置。
  2. 請求項1に記載の光水電解装置であって、
    前記対極反応部の鉛直上方に設けられ、前記対極反応部において発生した気体を貯留する気体貯留部を備えることを特徴とする光水電解装置。
  3. 請求項2に記載の光水電解装置であって、
    前記気体貯留部は前記光エネルギー変換部及び前記連結部を介して光水電解装置の背面側に設けられていることを特徴とする光水電解装置。
  4. 請求項2に記載の光水電解装置であって、
    光水電解装置は、凹凸形状を有する平板により構成され、凹部は上面に光触媒を担持した多孔質導電体により構成され、凸部には前記気体貯留部が形成されていることを特徴とする光水電解装置。
  5. 請求項4に記載の光水電解装置であって、
    前記凸部の側面には光を光触媒側に反射する反射鏡が配設されていることを特徴とする光水電解装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の光水電解装置であって、
    前記凸部の上面には光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池が配設されていることを特徴とする光水電解装置。
  7. 請求項2から請求項6のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記気体貯留部は水平方向に対して傾斜角を有することを特徴とする光水電解装置。
  8. 請求項2から請求項6のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記気体貯留部は水平に配設されていることを特徴とする光水電解装置。
  9. 請求項2から請求項7のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記対極反応部は、前記気体貯留部の中心軸方向に配設された、水素又は酸素の他方の気体を発生する触媒部であることを特徴とする光水電解装置。
  10. 請求項2から請求項7のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記対極反応部は、前記気体貯留部の壁面に配設された、水素又は酸素の他方の気体を発生する触媒部であることを特徴とする光水電解装置。
  11. 請求項2から請求項10のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記気体貯留部に貯留された気体量を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された気体量に応じて前記気体貯留部に貯留された気体を外部に排出する排出部と
    を備えることを特徴とする光水電解装置。
  12. 請求項11に記載の光水電解装置であって、
    前記検出部は、前記気体貯留部内の水面位置と気体貯留部の上部壁面との間の距離に基づいて気体量を検出することを特徴とする光水電解装置。
  13. 請求項11に記載の光水電解装置であって、
    前記検出部は、前記気体貯留部内に貯留されている気体によって生じる光水電解装置に対する浮力の大きさに基づいて気体量を検出することを特徴とする光水電解装置。
  14. 請求項11乃至請求項13のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記排出部は、前記気体貯留部内の水面が前記触媒部の上端部よりも高い位置になるように気体量を調整することを特徴とする光水電解装置。
  15. 請求項1乃至請求項14のうち、いずれか1項に記載の光水電解装置であって、
    前記光エネルギー変換部と前記対極反応部間の導通経路に電圧を印加する電圧印加部を備えることを特徴とする光水電解装置。
  16. 請求項15に記載の光水電解装置であって、
    前記電圧印加部は、外部電源であることを特徴とする光水電解装置。
  17. 請求項15に記載の光水電解装置であって、
    前記電圧印加部は、電池であることを特徴とする光水電解装置。
  18. 請求項15に記載の光水電解装置であって、
    前記電圧印加部は太陽電池であることを特徴とする光水電解装置。
  19. 請求項18に記載の光水電解装置であって、
    前記太陽電池は前記凸部の上面に配設された太陽電池であることを特徴とする光水電解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106995735A (zh) * 2017-05-03 2017-08-01 江苏天楹环保能源成套设备有限公司 一种填埋气或沼气的处置系统

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