JP2019065367A - 光エネルギー利用装置 - Google Patents

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達雄 深野
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Abstract

【課題】電極の劣化を防止する。【解決手段】入射してくる光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池1と、原料キャリア4と接触する陽極2および陰極3を含み、太陽電池1からの出力を陽極2と陰極3の間に印加して、陽極2または陰極3に接触する原料キャリア4から合成物を生成する。そして、陽極2または陰極3の面積が、太陽電池1の受光面積より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池を用いて人工光合成を行うなどの光エネルギー利用装置に関する。
非特許文献1には、太陽電池を用いた人工光合成のシステムが記載されている。例えば、金電極(還元電極)、太陽電池に酸化コバルトを成膜した電極(酸化電極)を使用し、還元電極においてCOからCOを発生することが記載されている。また、電極表面での化学反応を行うための過電圧、電極表面から反応物質が拡散するための過電圧、セルおよび電解液の構成によって決められる溶液の抵抗過電圧により、太陽電池の電流を光合成反応へ十分利用できないことも示されている。
特許文献1には、人工光合成モジュールを複数配置するシステムが記載されている。
再公表特許公報WO2016/052002号公報
東芝レビュー Vol.71 No.5 (2016)
非特許文献1に記載された過電圧に対処するために、太陽電池自体の電圧を大きくすることが考えられる。これによって、反応が進むが、太陽電池からの電流をCO生成に使い果たすことはできない。
特許文献1に記載された人工光合成システムでは、太陽光の入射方向に人工光合成モジュールを重ねた場合、太陽光の入射面の反対側の人工光合成モジュールへの太陽光入射量が減る。このため、この部分での合成物の生成量が極端に低下する問題点がある。
本発明は、光エネルギーを利用して、原料キャリアから合成物を生成する光エネルギー利用装置において、入射してくる光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、原料キャリアと接触する陽極および陰極を含み、太陽電池からの出力を陽極と陰極の間に印加して、陽極または陰極に接触する原料キャリアから合成物を生成する合成部と、を有し、陽極または陰極の面積が、太陽電池の受光面積より大きいことを特徴とする。
また、原料キャリアは、液状であり、合成物は液体または気体であることが好適である。
また、陽極または陰極の面積は、太陽電池の受光面積の2倍以上であることが好適である。
また、太陽電池の受光面の法線方向に、陽極または陰極を複数配置することが好適である。
また、陽極と陰極との電極間距離は、20cm以下であることが好適である。
本発明によれば、光エネルギー利用装置の性能低下を抑制できる。
実施形態1に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 比較例に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態1と比較例の合成反応の経時変化を示す図である。 実施形態2に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態3に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態4に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態5に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態6に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態7に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 実施形態8に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である 電極間距離の影響を調べるための実験装置の構成を示す図である。 電極間距離と電流密度の関係を示す図である。 実施形態9に係る光エネルギー利用装置の構成を示す模式図である。 電流を一定に維持した場合の電圧の経時変化を示す図である。 ファラデー効率の経時変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
「実施形態1」
実施形態1に係る光エネルギー利用装置の一例である人工光合成ユニットについて、図1を用いて説明する。この光合成ユニットは、炭酸ガスと水を原料として、陽極で酸素を、陰極でギ酸または一酸化酸素を生成する。
容器5は、例えば中空の直方体であり、上面と下面に開口5a,5bが形成されている。これら開口5a,5bは、一方を入口、他方を出口として、液状の原料キャリアを循環する。また、上方の開口5aは、容器5内で発生した気体を容器5外に出すためにも利用される。なお、容器5内が合成部として機能する。
太陽電池1は、容器5の外側に配置されている。太陽電池1には、例えば結晶シリコン太陽電池を用いることができる。外側面が受光面であり、外部から太陽光(光エネルギー)が入射し、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを出力する。太陽電池1は、複数の太陽電池セルをマトリクス配置し、複数個と直列接続するとともに、複数個並列接続することで、所望の電圧、電流を出力できるようにする。1つの太陽電池セルの出力電圧は0.5V程度であり、例えば4セル直列として、2V程度の出力を得る。あるいは、2V程度の出力を得ることができるアモルファスシリコン系タンデム太陽電池を用いることができる。
容器5内の太陽電池1側には陽極2が配置されている。陽極2には太陽電池1の+出力(陽極)が接続されている。陽極2は複数枚の陽極ユニットをジグザグになるように構成してある。陽極2は、ガラス基板上に透明導電膜が配置され、その上に集電線とそのカバー層を設け、少なくとも透明導電膜上にイリジウム酸化物粒子が配置された構成からなっている。イリジウム酸化物粒子が酸化触媒として機能し、陽極2に接触する原料キャリア4の水から酸素を生成する。
容器5内には、陽極2に対しその法線方向に対向する位置(容器5の太陽電池1が配置される側面に対向する側面の内側面)に、陰極3が配置されている。
陰極3は、ガラス基板上に透明導電膜が配置され、その上に集電線とそのカバー層を設け、少なくとも透明導電膜上に、カーボン導電性接着剤により、ルテニウム錯体を含む分子を設けたカーボンクロスを接合した構成からなっている。ルテニウム錯体が還元触媒として機能し、陰極3に接触する原料キャリア4の二酸化炭素をもとにギ酸や一酸化炭素を合成物として生成する。ギ酸は液体(水に溶解した状態)であるが、一酸化炭素は一部水に溶解するが気体である。
容器5の中は、開口5a,5bを介し循環する原料キャリア4で満たされている。原料キャリア4には、炭酸ガスを溶存させた燐酸バッファ液を用いた。
このような構成において、太陽電池1から2V程度以上の電圧が陽極2、陰極3間に印加されることで、両電極において酸化還元反応が生起され、二酸化炭素をもとにギ酸や一酸化炭素が合成される。
ここで、陽極2の面積は太陽電池1の受光面積の2倍の面積に設定してある。すなわち、陽極2は、複数の陽極ユニットをジグザグに接続しているが、2枚のユニットの頂角が60度に設定されて、陽極2の面積を投影面積の2倍にしている。一方、陰極3は、平板を用いており、その面積は太陽電池1の受光面積の同じ面積(陽極2の1/2)にしてある。
「比較例」
比較例の人工光合成ユニットを図2に示す。この例では、陽極2を1枚の平板の陽極ユニットから構成し、その面積を太陽電池1の受光面積と同じにした。それ以外は、実施形態1と同じである。
なお、図2においては、太陽電池1の陽極と陽極2の接続、太陽電池1の陰極と陰極3の配線について、図示を省略している。図4−10においても、この配線については図示を省略する。
「性能試験」
実施形態1、比較例ともに、陽極2と陰極3の間の電圧が1.8Vになるように調節し、時間と電流の関係を測定した。その結果を図3に示す。
図3から明らかなように、実施形態1の方が、時間による電流低下が低く、ギ酸生成効率の劣化が抑制されていることが分かる。
これは、ここで示した人工光合成セルの場合、太陽電池1で発生する電流を太陽電池1の受光面と同じ面積の陽極2では電流密度が高く、酸化触媒であるイリジウム酸化物が劣化してしまうことが原因と考えられる。そして、陽極2の面積を大きくすることで陽極2の劣化を抑制できたと考えられる。
ここで、陽極2と、陰極3との距離は20cmを超えないことが好ましい。これは、電極間距離が大きくなるとプロトンの移動などが十分でなくなり、反応が十分行えなくなるからである。
人工光合成を行う光エネルギーシステムにおいては、電極の単位面積当たりの電流値に比例して単位面積当たりの合成物が生成できる。しかしながら、単位面積当たりの電流値がある値以上になると、陽極または/かつ陰極の性能が低下し、結果的に太陽エネルギー利用システムの性能が経時的に低下する。
本実施形態では、陽極または/かつ陰極での単位面積当たりの電流値が性能低下を起こすある一定以上にならないように、陽極または/かつ陰極性能の面積を増やすことで、太陽エネルギー利用システムの性能低下を抑止できる。
また、本実施形態の場合、陽極2の面積を太陽電池1の受光面積の2倍以上にすることで、十分な効果が得られた。
「その他の構成」
人工光合成ユニットは、太陽電池1で発生する電流を有効に使うことができるような形態であればよく、上述したように、陽極2の性能上、太陽電池1の受光面と同じ面積では電流密度が高すぎ、陽極2が劣化するのであれば、陽極2の面積を大きくすればよい。一方、陰極3の性能上、太陽電池1の受光面と同じ面積では陰極3陽極が劣化するのであれば、陰極3の面積を多くすればよい。さらに、陽極2と陰極3が共に、太陽電池受光面と同じ面積では劣化するのであれば、陽極2と陰極3の両方の面積を、太陽電池1の受光面よりも広くすればよい。陽極2、陰極3において、劣化するのは触媒であり、担持する触媒の種類によっても、劣化し易いかどうかは異なる。そこで、使用する触媒に合わせて、その電極面積を決定することが好適である。
酸化触媒、還元触媒については、各種のものが提案されており、上述のものに限定されるわけではない。
また、上述の例では、太陽電池1に近い位置に陽極2を配置したが、陽極2、陰極3の位置は反対でも構わない。陽極2と陰極3間の距離は、一定値の方が好ましいが、必ずしも一定でなくてもよい。さらに、容器5内に原料キャリアを循環する構成を採ったが、容器内に原料キャリアを貯留し、そこに人工光合成ユニットを浸漬する構成でもよい。
陽極2、陰極3を対向配置する構成を採ったが、陽極2、陰極3を背中合わせで接合する構成でもよい。
「実施形態2」
図4に、実施形態2の構成を示す。この例では、実施形態1のように、陽極2を折り曲げることなく、平板状のまま面積を大きくしている。従って、陽極2は、中央部が陰極3と対向しているが、周辺部は陽極2の法線方向において対向する位置に陰極3は、存在しない。しかし、周辺部分も、陽極2として機能することができ、陽極2の電流密度は面積が拡がったことに応じて小さくなる。
「実施形態3」
図5に、実施形態3の構成を示す。この例では、陽極2を複数配置している。すなわち、陽極2として、2枚の陽極2a,2bを有する。陽極2aは容器5の太陽電池1が設けられる側面の内側に配置されており、面積は太陽電池1の受光面積と同じである。また、陽極2aに対向する容器5の側面の内側には陰極3が配置されており、この面積も太陽電池1の受光面積と同じである。
そして、陽極2aと、陰極3との間に陽極2bが配置されている。この陽極2bは、陽極2aより面積が小さく設定されており、また陰極3よりは陽極2aに近い位置に配置されている。加えて、陽極2bは、部分的に貫通孔が形成されており、陽極2aで生成するプロトンなどが陰極3に到達しやすくなっている。陽極2bは、パンチングメタルのような形状としてもよいし、多数のスリットを形成するようなものとしてよい。陽極2a,2bは、太陽電池1の陽極に接続されている。また、陽極2aと陽極2bとの間にも原料キャリア4が流通するようになっている。
従って、陽極2a,2bの両方が陽極2として機能し、結果陽極2の面積が大きくなる。この実施形態では、太陽電池1の法線方向に複数の陽極2a、2bが存在することで陽極2の面積が大きくなっている。
「実施形態4」
図6に、実施形態4の構成を示す。この例では、2枚の陽極2a,2bと、2枚の陰極3a,3bを有し、これらそれぞれの電極の面積は太陽電池1の受光面積と同じである。陽極2aは容器5の太陽電池1が設けられる側面の内側に配置されている。また、陽極2aから所定の間隔をおいて対向する容器5の内部の位置に陰極3aが設けられ、陰極3aの裏側には所定の間隔をおいて陽極2bが容器5の側面の内側に配置されている。このように、容器5内には、陽極2a、陰極3a、陽極2b、陰極3bがこの順で配置されており、これらの電極間の3つ空間には原料キャリア4が流通できるようになっている。陰極3a、陽極2bはその両面が電極として機能し、3つの空間で酸化還元反応が生起される。このように、この例では、陽極2、陰極3の面積は、太陽電池1の受光面積の3倍に相当する。
「実施形態5」
図7に、実施形態5の構成を示す。この例では、容器5が3つの部屋に分割され、それぞれに陽極2と陰極3が対向配置されている。すなわち、太陽電池1の内側に第1の部屋が設けられここに陽極2a、陰極3aが対向配置され、第2の部屋に陽極2b、陰極3bが対向配置され、第3の部屋に陽極2c、陰極3cが対向配置されている。そして、各部屋にそれぞれ開口5a,5bが設けられ、各部屋に原料キャリア4が流通する。この例では、陽極2、陰極3は片面のみが電極として機能し、その面積はそれぞれ太陽電池1の受光面積の3倍になっている。
「実施形態6」
図8に、実施形態6の構成を示す。この例では、容器5が、プロトン透過電解質膜8によって、陽極室6と、陰極室7に分割されている。そして、陽極室6には、開口5a,5bを介し、陽極用原料キャリア4aが供給され、陰極室7には、開口5a,5bを介し、陰極用原料キャリア4bが供給される。この例において、陽極2の面積が太陽電池1の受光面積に比べ、3倍程度になっている。
なお、陽極2bは、陽極2aから所定距離離れるとともに、プロトン透過電解質膜8から離れて配置されている。陽極2bは、部分的に貫通孔が形成されており、陽極2aで生成するプロトンが、プロトン透過電解質膜8に到達しやすくなっている。そこで、陽極として作用するとともに、プロトン透過電解質膜8におけるプロトン透過を妨げない。
プロトン透過電解質膜8を設けることで、陽極室6と陰極室7との生成物を分離して得ることができる。
「実施形態7」
図9に、実施形態7の構成を示す。この例では、図7の実施形態6の構成に比べ、陰極室7に2枚の陰極3a,3bを配置している。すなわち、プロトン透過電解質膜8に近い陰極室7内に陰極3aが配置され、陰極室の側壁内側に陰極3bが配置されている。陽極2b、陰極3aは部分的に貫通孔が形成されており、陽極2a,2bで生成するプロトンなどが陰極3a,3bに到達しやすくなっている。この構成によれば、陽極2、陰極3の両方の面積が太陽電池1の受光面積に比べ大きくなっている(それぞれ約3倍)。
「実施形態8」
図10に、実施形態8の構成を示す。この例では、図8の実施形態7に比べ、陽極室6として、2つの陽極室6a,6bを設けている。すなわち、容器5内には、2枚のプロトン透過電解質膜8a,8bが設けられ、陽極室6a、陰極室7、陽極室6bに仕切られている。太陽電池1が設けられる側壁の内側に陽極室6aが配置され、ここに陽極2a、2bが配置され、プロトン透過電解質膜8aを介し隣接する陰極室7に陰極3a,3bが配置され、プロトン透過電解質膜8bを介し隣接する陽極室6bに陽極2c,2dが配置されている。陽極2b,2cは部分的に貫通孔が形成されており、陽極2a,2dで生成するプロトンなどが陰極3a,3bに到達しやすくなっている。そして、陽極室6a,6bには陽極用原料キャリア4aが流通され、陰極室7には陰極用原料キャリア4bが流通される。
この構成においても、陽極室6a,6bにおいて酸化反応が生起され、陰極室7において還元反応が生起され、陰極室7において、一酸化炭素や、ギ酸などが得られる。
この例においても、陽極2、陰極3の両方の面積が太陽電池1の受光面積に比べ大きくなっている。
「電極間距離」
ここで、本実施形態の一形態では、太陽電池1からの電力を利用し、陽極2において原料キャリアの水から酸素ガスが発生し、陰極3において二酸化炭素からギ酸または一酸化炭素を発生する。
この反応について、電極間距離と電流密度の関係を求めた。図11は、この実験に用いた装置の構成を示す図であり、容器10内には、原料キャリア4として、二酸化炭素を溶解した電解液リン酸バッファを保持した。容器10内の底部には、陰極3を固定した。そして、陰極3の上方に、陽極2を上下方向移動可能に配置した。すなわち、陽極2を移動することで電極間距離を任意に設定できる。
陽極2、陰極3には、ポテンショスタット12を接続し、これによって陽極2、陰極3間の印加電圧を調整した。
ポテンショスタット12を用いて一定電圧(2V)を陽極2、陰極3間に供給し、陽極2を移動することで電極間距離Lを変化させ、その際の電流密度をモニターした。
なお、陽極2には、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)基板上にIrOx(酸化イリジウム)を塗布したものを用い、陰極3には、多孔質炭素上にとRu錯体(RuCP)を担持したものを用いた。原料キャリア4には、電解液は濃度が0.4Mと0.8Mのリン酸バッファ液(0.4M/L KHPO+KHPO、および0.8M/L KHPO+KHPO)を用い、ギ酸の反応原料となるCOを電解液に供給するため、常時COガスをバブリングした。
図12に、電極間距離と電流密度の関係をプロットした。どちらの濃度のバッファ液においても電極間距離が短くなるほど電流密度値は上昇した。リン酸バッファ濃度0.4Mの場合は電極間距離が1cmで3.6mA/cm、20cmで1.9mA/cmであった。従って、約1cmから20cmに電極間距離が変化すると、電流密度は半減し、ギ酸の生成も同様に半減することになる。0.8Mの場合も同様の傾向である。ただし、0.8Mの方が、電流密度が高く、1cmにおいて4.6mA/cm、20cmにおいて2.5mA/cmであった。
本実施形態の場合、電流密度が低すぎると、ギ酸の生成効率が低いため2mA/cm以上の電流密度が適している。一方、電流密度が高すぎると電極材料の耐久性の問題があり、5mA/cm以下の電流密度が適している。
「装置構成」
具体的な装置構成例を図13に示す。容器5の位置側壁の外側には、太陽電池1が配置されている。この例においては、太陽電池1は、4つの太陽電池セル1a〜1dの直列接続で構成されている。各太陽電池セル1a〜1dには、結晶シリコン太陽電池が利用されている。4つの直列接続で2V程度の出力が得られる。なお、太陽電池セルは、4〜6個が好適である。
そして、この例では、陽極2、陰極3間の電極間距離を20mmに設定した。また、この装置では、陽極2、陰極3での電流密度が2mA/cmに設定し、太陽電池1の受光面積は、陽極2、陰極3の面積に比べ小さくなっている。そして、上述の実験と同様にして、陽極2(水の酸化極で酸素ガスが発生)と、陰極3(COの還元極でギ酸を生成)の反応を生起させた。このように、電極間距離を20mmにすることで、小型、大型を問わず、高い電流密度、すなわち高効率のギ酸生成ができることが確認された。
図14は、電流を一定にして電圧の経時変化をモニターした結果である。各電流値で電圧は安定しており、ギ酸が安定に生成されていることがわかる。なお、30分毎に光照射を停止して電解液を採取したので、その際電流値が低下した。
また、図15に、ギ酸のファラデー効率の経時変化を示す。ギ酸のファラデー効率は、電流密度が2mA/cmにおいて約80%以上と高い値を示し、この装置では電流密度が大きくなることを防止しており、電極の劣化は少なかった。なお、本実施形態の場合、電極間距離が1cm以上20cm以下で、電流密度が2〜5mA/cmで動作することが好適である。
このように、光エネルギー利用装置における電流密度を適正な値に維持し、劣化が少なく高効率の人工光合成反応を起こすことができる。
陽極2で生成されたプロトン(H)が原料キャリア4(電解液)中を拡散し、陰極3で合成物となる。従って、陽極2−陰極3間のプロトン拡散が効率的に起こる電極間距離にすることで適正な電流密度を維持して、高い人工光合成反応効率を保つことができる。
1 太陽電池、2 陽極、3 陰極、4 原料キャリア、5 容器、6 陽極室、7 陰極室、8 プロトン透過電解質膜。

Claims (5)

  1. 光エネルギーを利用して、原料キャリアから合成物を生成する光エネルギー利用装置において、
    入射してくる光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、
    原料キャリアと接触する陽極および陰極を含み、太陽電池からの出力を陽極と陰極の間に印加して、陽極または陰極に接触する原料キャリアから合成物を生成する合成部と、
    を有し、
    陽極または陰極の面積が、太陽電池の受光面積より大きい、
    光エネルギー利用装置。
  2. 請求項1に記載の光エネルギー利用装置であって、
    原料キャリアは、液状であり、合成物は液体または気体である、
    光エネルギー利用装置。
  3. 請求項1または2に記載の光エネルギー利用装置であって、
    陽極または陰極の面積は、太陽電池の受光面積の2倍以上である、
    光エネルギー利用装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光エネルギー利用装置であって、
    太陽電池の受光面の法線方向に、陽極または陰極を複数配置する、
    光エネルギー利用装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光エネルギー利用装置であって、
    陽極と陰極との電極間距離は、20cm以下である、
    光エネルギー利用装置。
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