JP2008074668A - 活性シリカ微粒子、その製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Alを質量基準で10ppm以上含有するシリカ微粒子に対して、一般式:R1 nSi(OR2)4-n{式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、フェニル基、−CO−CH=CH2及び−CO−C(CH3)=CH2のうちのいずれかから選択される;R2は炭素数1〜3のアルキル基である;nは0、1、2のいずれかである}で表されるアルコキシシラン化合物を乾式処理する工程をもつ製造方法にて製造され得ることを特徴とする。アルコキシシラン化合物をシリカ微粒子の表面に反応・結合させることで、反応点としてのシラノール基を表面に導入することができる。シリカ微粒子に含有させているAlに対してアルコキシシラン化合物が結合導入される。樹脂組成物に用いた場合に、より強固な結合が形成でき、高い機械的物性が実現できる。
【選択図】なし
Description
本発明の活性シリカ微粒子はシリカ微粒子に対してアルコキシシラン化合物を反応させて製造され得るものである。シリカ微粒子は第13族元素を質量基準で10ppm以上含有する。第13族元素としてはホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウムがあるが、特にアルミニウムとして含有させることが望ましい。第13族元素の量としては第13族元素を構成するそれぞれの元素の総和として10ppm以上含有していれば充分であるが、各々の元素について10ppm以上含有することも望ましい。例えば、第13族元素としてアルミニウムを採用する場合にはアルミニウムとして10ppm以上含有させることが望ましい。更に第13族元素の含有量としては、質量基準で10ppm以上含有するが、30ppm以上含有することが望ましく、50ppm以上含有することが更に望ましい。
本実施形態の樹脂組成物は前述の活性シリカ微粒子とその活性シリカ微粒子を分散するカチオン重合性化合物とを有する。本樹脂組成物は半導体素子の封止に用いることができるほか、基板材料、無機ペースト、接着剤、コーティング剤、精密成形樹脂、プリプレグなどに用いることができる。
(試験例1)
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、第13族元素としてのアルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量のメチルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM13:一般式(1)におけるR1及びR2がメチル基で、nが1の化合物)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例1のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量のビニルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM1003:一般式(1)におけるR1がビニル基であり、R2がメチル基であって、nが1の化合物)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例2のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量のフェニルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM103:一般式(1)におけるR1がフェニル基であり、R2がメチル基であって、nが1の化合物)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例3のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量2ppm)に対して、0.2質量%の量のメチルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM13)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例4のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM403)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例5のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM903)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例6のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量600ppm)に対して、0.2質量%の量の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM803)を混合することで活性シリカ微粒子を得た。得られた活性シリカ微粒子を試験例57シリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量300ppm)をそのまま試験例8のシリカ微粒子とした。
シリカ微粒子(比表面積6.5m2/g、体積平均粒径0.6μm、アルミニウム含有量2ppm)をそのまま試験例9のシリカ微粒子とした。
(ゲル化時間)
各試験例のシリカ微粒子30gと液状エポキシ樹脂(ZX−1059:東都化成製)20gとを遊星式撹拌機にて撹拌し、液状エポキシ樹脂中にシリカ微粒子を分散させて樹脂組成物を得た。撹拌条件は回転数2000rpm、撹拌時間5分間とした。得られた樹脂組成物を70℃に加熱してゲル化に要する時間を測定した。
各試験例のシリカ微粒子80質量部、体積平均粒径28.2μmのシリカ微粒子を320質量部、エポキシ樹脂(EOCN−1020:日本化薬製)を65質量部、硬化剤としてのフェノール樹脂(TD2131、大日本インキ化学工業社製)を35質量部、硬化促進剤(硬化触媒)としてのトリフェニルフォスフィンを1質量部、離型剤としてのカルナバワックスを1.5質量部をミキサーにて混合した。その後、100℃でロール混練を行い、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
Claims (11)
- 第13族元素を質量基準で10ppm以上含有するシリカ微粒子に対して、アルコキシシラン化合物を乾式処理する工程をもつ製造方法にて製造され得ることを特徴とする活性シリカ微粒子。
- 前記アルコキシシラン化合物は一般式(1):R1 nSi(OR2)4-n{式(1)中、R1は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、フェニル基、−CO−CH=CH2及び−CO−C(CH3)=CH2のうちのいずれかから選択される;R2は炭素数1〜3のアルキル基である;nは0、1、2のいずれかである}で表される化合物である請求項1に記載の活性シリカ微粒子。
- 前記第13族元素はアルミニウムである請求項1又は2に記載の活性シリカ微粒子。
- 前記シリカ微粒子はアモルファスシリカから構成される請求項1〜3のいずれかに記載の活性シリカ微粒子。
- 前記シリカ微粒子は真球度が0.7以上である請求項1〜4のいずれかに記載の活性シリカ微粒子。
- 第13族元素を質量基準で10ppm以上含有するシリカ微粒子に対して、アルコキシシラン化合物を乾式処理する工程を有することを特徴とする活性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記アルコキシシラン化合物は一般式(1):R1 nSi(OR2)4-n{式(1)中、R1は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、フェニル基、−CO−CH=CH2及び−CO−C(CH3)=CH2のうちのいずれかから選択される;R2は炭素数1〜3のアルキル基である;nは0、1、2のいずれかである}で表される化合物である請求項6に記載の活性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記第13族元素はアルミニウムである請求項6又は7に記載の活性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記シリカ微粒子はアモルファスシリカから構成される請求項6〜8のいずれかに記載の活性シリカ微粒子の製造方法。
- 前記シリカ微粒子は真球度が0.7以上である請求項6〜9のいずれかに記載の活性シリカ微粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の活性シリカ微粒子及び/又は請求項6〜10に記載の製造方法により製造された活性シリカ微粒子と、該活性シリカ微粒子を分散するカチオン重合性化合物とを有することを特徴とする樹脂組成物。
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