JP2008073157A - 形状縫いミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】形状縫いミシンの消費電力及び発熱量を低減する。
【解決手段】制御部100は、送りパルスモータであるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の駆動時におけるカレントハイ電流を、ミシンモータ5の回転速度に応じて大小二段階に切り替える切替制御手段として機能する。そして、送りピッチすなわち縫い目長さが長く低速で縫製が行われる際には、ミシンMにおけるミシンモータ5の回転速度の制限値の最高速に対応する高速カレントハイの状態よりも電流値の低い低速カレントハイ状態とすることで、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15における消費電力及び発熱量の低減を図ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、形状縫いミシンに関し、特に、被縫製物を所定の平面内における任意の位置に移動位置決めするパルスモータを具備する形状縫いミシンに関する。
従来から、被縫製物たる布を保持する保持枠を所定の平面内における任意の位置に自在に移動位置決めして縫いを行う形状縫いミシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この形状縫いミシンは、座標系の二つの成分(X,Y)に関する布の移動を二つのパルスモータで分担して行い、一針毎に、縫い針に対して布を任意の位置に位置決めして任意の形状に縫製を行っていた。
ところで、上記パルスモータの駆動電流は、動作を行わない待機状態ではカレントダウン(通電電流を小さくする制御)を行い、動作状態ではカレントハイ(通電電流を大きくする制御)を行う。つまり、大小二段階の電流値を切り替えて通電する制御を行うことにより、駆動時以外は通電電流値が小さい状態を形成し、パルスモータからの発熱量及び消費電気量の低減を図る構成が採られている。
かかるカレントダウン及びカレントハイの実行による電流値の変化を示す線図を図7に示す。図7(A)のように、パルスモータのカレントハイ(CHで示す)の期間に対するカレントダウン(CDで示す)の期間が短いと点線に示すように、パルスモータの総発熱量は大きくなり、図7(B)のように、パルスモータのカレントハイの期間に対するカレントダウンの期間が長くなると、点線で示すように、パルスモータの総発熱量を小さくすることができる。また、図7(C)のように、ミシンの低速駆動を行うと、パルスモータのカレントダウンの期間に対するカレントハイの期間が長くなり点線に示すように、パルスモータの総発熱量は大きくなる。このように、パルスモータの総発熱量及び消費電力量は、単位時間当たりのカレントハイとカレントダウンの期間の比率に応じて決定される。
上記カレントダウンの電流値は停止時のモータ保持力により決定される。
一方、カレントハイの電流値は、以下のように決定される。すなわち、パルスモータの出力トルクは、該パルスモータに流す電流に比例するため、大きな電流を流せばモータの出力トルクは増大し、逆に、電流を減らせばモータの出力トルクも減少する。
ここで、ミシンの送り動作は針棒の上下動と同期させる必要があり、図8に示すように、針棒が下降して縫い針が布に刺さっているときには送りは停止し、針棒が上昇して縫い針が布から抜けている際に送りが移動する(図8及び図9中、Sは縫い針の上下動周期、Qはパルスモータがカレントハイの区間を示す)。このため、一般に、送りピッチが大きいほど、針落ちと針落ちとの間の単位時間内における布の移動距離を大きく確保する必要があり、送り駆動源であるパルスモータには加速のための大きなトルクが必要とされる。しかし、パルスモータを高速で駆動する際にはトルクの低下により脱調を生ずるおそれが生じるため、かかる脱調を防止する等の理由により、従来から、縫い目長さすなわち送りピッチが大きい場合はミシンモータの回転速度を低速とし、逆に、送りピッチが小さい場合はミシンモータの回転速度を高速に設定することで、パルスモータの出力トルクに応じてミシンモータの回転速度を調整する構成が採られている。つまり、ミシンモータの回転速度は、縫い目長さ(送りピッチ)に応じてその最高値(最高速度)が制限される。
また、ミシンモータの回転速度が高速のときは送りパルスモータの動作速度も高速となる。従って、この高速動作の際にはパルスモータ加速のためのトルクも必要となるため、それに応じた電流をパルスモータに通電する必要がある。
このように、カレントハイにおけるパルスモータの電流値は、かかる高速動作時においてトルクが最も必要となる条件によって決定される。
そして、このカレントハイの状態は、パルスモータに対する駆動パルスの出力後一定期間保持され、該パルスモータによる送り動作が停止してから所定の時間が経過した際にはカレントハイからカレントダウンに自動的に切り替えられるようになっている。
特開2005−218630号公報
上記特許文献1に開示される形状縫いミシンにおいては、連続して針落ちが行われる場合、カレントハイの状態が保持される上記一定期間が経過する前に次の送り動作が開始されるため、カレントダウンに切り替わることなくカレントハイの状態が維持される。また、図9に示すように、ミシンモータの回転速度が低速となるにつれてカレントハイの時間が長期化されることとなる。
しかしながら、上記特許文献1に開示される形状縫いミシンにおいては、送りピッチが大きな縫い目の場合はミシンモータ及び送りパルスモータともに低速で駆動するように制御される構成であるにもかかわらず、該送りパルスモータに流すカレントハイの電流値が上記高速動作時においてトルクが最も必要な場合にも対応可能な一の電流値にのみ設定される構成であったため、送りピッチの大きな縫い目が連続する場合、すなわち、ミシンモータの回転速度が低速の状態で連続的に縫製が行われる場合には、上記高速動作時にも対応可能な高い電流値でカレントハイの状態が長時間継続することにより送りパルスモータの発熱量及び消費電力が増加してしまうという問題があった。
本発明は、形状縫いミシンの消費電力及び発熱量を低減することをその目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ミシンモータにより主軸を回転することで縫い針を上下に駆動する針上下動機構と、被縫製物を保持する保持枠を送りパルスモータにより所定平面内の任意の位置に移動位置決めする布送り機構と、一針ごとの前記送りパルスモータの動作量を決める縫製パターンデータを記憶するデータ記憶手段と、一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に応じて定められた前記ミシンモータの回転速度の制限値を記憶する速度制限値記憶手段と、一針ごとの前記ミシンモータの回転速度を、縫製パターンにおける前記送りパルスモータの動作量に対応する前記速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値に制限する縫製速度制御手段とを備え、待機時には前記保持枠の位置保持に足りるカレントダウン電流を前記送りパルスモータに通電し、縫製時には前記保持枠の移動に必要なカレントハイ電流まで電流値を高めて前記送りパルスモータに通電する形状縫いミシンにおいて、前記縫製パターンデータにおける一針ごとの送りパルスモータの動作量により定まるミシンモータの回転速度の制限値に応じて前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替える切替制御手段を備えることを特徴とする形状縫いミシンである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、入力操作により前記ミシンモータの回転速度を制限する速度制限手段を備え、前記切替制御手段は、前記縫製パターンにおける一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に対応する前記速度記憶手段に記憶された一針ごとのミシンモータの回転速度の制限値と前記速度制限手段により制限されたミシンモータの回転速度とのうち何れか遅い方の回転速度に応じて前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記切替制御手段は、前記縫製パターンにおける現在針から所定数先の針落ちまでの一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に基づいて決定される、現在針から前記所定数先の針落ちまでにおいて一針ごとに対応する前記速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値のうち最も低速となる回転速度に応じて、前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明において、前記切替制御手段は、前記縫製速度制御手段又は前記速度制限手段により設定されたミシンモータの回転速度と所定の回転速度との大小を比較することで前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を第一の設定値と第二の設定値との大小二段階に選択的に切り替えて設定することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、縫製速度制御手段により、データ記憶手段に記憶された縫製パターンにおける一針ごとの送りパルスモータの動作量に基づきミシンモータの回転速度が速度制限値記憶手段に記憶された対応する制限値に制限される。そして、針上下動機構により、前記制限された回転速度で主軸が回転されて縫い針が上下に駆動される。また、切替制御手段により、前記制限されたミシンモータの回転速度に応じて送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流が複数段階に切り替えられる。これにより、送りパルスモータのカレントハイ電流を、最大値のみならずそれよりも低い複数の電流値に段階的に切り替えて設定することができる。従って、送りパルスモータに流す電流を、布送り機構による被縫製物の移動に必要十分なカレントハイ電流とすることができ、形状縫いミシンにおける送りパルスモータの消費電力及び発熱量を効率的に低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、切替制御手段により、速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値と速度制限手段からの入力操作によって制限されたミシンモータの回転速度とのうち何れか遅い方のミシンモータの回転速度に応じて送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流が複数段階に切り替えられる。つまり、一針ごとに送りパルスモータに通電するカレントハイ電流を、複数段階のカレントハイ電流のうちより低速なミシンモータの回転速度に対応する電流値に設定することができるため、送りパルスモータの消費電力及び発熱量の低減が図られる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、切替制御手段により、縫製パターンにおける現在針から所定数先の針落ちまでの一針ごとの送りパルスモータの動作量に基づきミシンモータの回転速度が現在針から所定数先の針落ちまでにおいて一針ごとに対応する速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値のうち最も低速となる回転速度に設定される。これにより、縫製パターンの縫い始めから縫いの終了までにおける一針ごとの縫製速度すなわちミシンモータの回転速度のバラつきを低減することができ、縫製全体にわたってミシンモータの回転速度の安定化を図ることができる。また、所定数すなわち現在針から何針先のミシンモータの回転速度までを考慮するかを適宜調節することにより、縫製パターンの縫製に要するサイクルタイムと、消費電力及び発熱とのバランスを所望に調節することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、切替制御手段により、縫製速度制御手段又は速度制限手段によって制限されたミシンモータの回転速度と所定の回転速度との大小を比較することで送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流が第一の設定値と第二の設定値との大小二段階に選択的に切り替えて設定される。
なお、上記所定の回転速度は、切替制御手段によって第一の設定値又は第二の設定値に切り替えられる送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を、第一又は第二の設定値の何れかに設定する際の閾値となるものであり、この形状縫いミシンに搭載されるミシンモータの最高速度未満において任意の回転速度に設定することができる。
以下、図1〜図9を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態では、形状縫いミシンとして電子サイクルミシンを例に説明する。電子サイクルミシンは、縫製を行う布を保持する保持枠を有し、その保持枠が縫い針に対して相対的に移動することで、この保持枠に保持される布に所定の縫製パターンに基づく縫い目を形成するミシンである。ここで、後述する縫い針8が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交する後述するミシンアーム部2aの長手方向をX軸方向(前後方向)とし、Z軸方向とX軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(左右方向)と定義する。
(全体構成)
図1に示すように、電子サイクルミシンM(以下、ミシンM)は、ミシンテーブルTの上面に備えられるミシン本体1と、ミシンテーブルTの下部に備えられ、ミシン本体1を操作するための操作ペダルP等により構成されている。
ミシン本体1は、外形が側面視にて略コ字状を呈するミシンフレーム2を備えている。このミシンフレーム2は、ミシン本体1の上部をなし前後方向に延びるミシンアーム部2aと、ミシン本体1の下部をなし前後方向に延びるミシンベッド部2bと、ミシンアーム部2aとミシンベッド部2bとを連結する縦胴部2cとを有している(図1参照)。
このミシン本体1は、ミシンフレーム2内に動力伝達機構が配されており、回動自在で前後方向に延びる図示しない上軸(主軸)及び図示しない下軸を有している。上軸はミシンアーム部2aの内部に配され、下軸はミシンベッド部2bの内部に配されている。
上軸(図示省略)は、ミシンモータ5(図4参照)に接続され、このミシンモータ5によって回転力が付与される。また、下軸(図示省略)は、図示しない縦軸を介して上軸と連結されており、上軸が回転すると該上軸の動力が縦軸(図示省略)を介して下軸側へ伝達されて下軸が回転するようになっている。
上軸(図示省略)の前端には、図示しない偏心錘及びクランク機構を介して針棒8aが接続されており、その針棒8aの下端には縫い針8が設けられている(図2参照)。
そして、ミシンモータ5の駆動により上軸が回転されると、偏心錘及びクランク機構を介して針棒8aに上下方向の移動成分が伝達され、縫い針8がミシンテーブルTの上面に直交するZ軸方向に沿って上下に駆動される。つまり、ミシンモータ5、上軸(主軸)、偏心錘、クランク機構及び針棒8aにより、本実施形態の針上下動機構が構成されている。
また、ミシンアーム2aには、縫い針8の上下動による布の浮き上がりを防止するために、針棒8aの上下動と連動して上下動し縫い針8の周囲の布を下方に押圧する周知の中押さえ12が設けられている。
下軸(図示省略)の前端には、釜(図示省略)が設けられている。そして、上軸と共に下軸が回転すると、縫い針8と釜(図示省略)との協働により縫い目が形成される。
なお、上軸(図示省略)、ミシンモータ5、針棒8a、縫い針8、下軸(図示省略)、釜(図示省略)等の接続構成は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
図1、図2に示すように、ミシンベッド部2b上には布保持板10が配設されており、この布保持板10の上方に保持枠11及び縫い針8が配置されるようになっている。
保持枠11は、ミシンアーム部2aの前端部に配される取付部材13に取り付けられており、その取付部材13にはミシンベッド2b内に配置されたX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15が駆動手段として連結されている(図4参照)。これらX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15は、被縫製物たる布を保持する保持枠11を当該保持枠11ごと前後左右方向すなわちX軸方向及びY軸方向に移動することにより、所定平面(本実施形態ではXY平面)内の任意の位置に移動位置決めする本実施形態の送りパルスモータとしてそれぞれ機能する。
そして、保持枠11の移動と縫い針8や釜(図示省略)の動作とが連動することにより、布に所定の縫製パターンに基づく縫い目が形成される。つまり、これら保持枠11、取付部材13、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15等により、被縫製物を保持する保持枠11を送りパルスモータにより所定平面内の任意の位置に移動位置決めする本実施形態の布送り機構が構成されている。
操作ペダルPは、ミシンMを駆動したり、保持枠11を上下動させるための図示しない押さえ上げアクチュエータを作動させたりするための操作ペダルとして作動する。すなわち操作ペダルPには、その踏み込み操作位置を検出するための、例えば、可変抵抗等から構成されるセンサ(踏み込み量検出手段)が組み込まれており、このセンサからの出力信号が操作ペダルPの操作信号として後述する制御部100に出力され、制御部100はその操作位置、操作信号に応じて、ミシンMを駆動させたり、押さえ上げアクチュエータを作動して保持枠11を上下動させたりするように構成されている。
また、ミシンM(ミシン本体1)は、作業者が縫製に必要な各種設定、入力等の操作を行うための操作パネル20を有している。この操作パネル20とミシン本体1とは、図示しない有線又は無線の回線により接続されている。
図3に示すように、操作パネル20は、ミシンの各種設定、入力の操作が可能な複数の操作キー群21と、各種設定状態等を表示する表示部22とを備えている。
操作キー群21には、保持枠11を所望する位置に移動させる操作入力を行うための八方向キー21a、前進後退キー21b等の方向指示キーや、保持枠11の所望の位置のデータを記憶させるための決定キー21cが備えられている。
また、操作パネル20には、ミシンMにおける縫製速度の制限値すなわちミシンモータ5の回転速度の制限値を設定する縫製速度設定キー25が設けられている。この縫製速度設定キー25は、オペレータの入力操作によってミシンモータ5の回転速度を制限するスピードボリューム(スピードVR)すなわち本実施形態の速度制限手段として機能する。つまり、この縫製速度設定キー25を操作することで、後述する速度記憶手段としてのROM102或いは縫製パターン記憶手段としてのEEPROM104に記憶されているデータに基づき決定される縫製速度とは別に、ミシンモータ5の回転速度の上限(つまり制限速度)を入力操作によりマニュアル的に制限することができるようになっている。
なお、操作パネル20において各種キーを介して設定入力された各種データは、後述する制御部100に出力され、後述するEEPROM104に記憶される。
(形状縫いミシンの制御系)
次に、図4に示す制御ブロック図に基づき、形状縫いミシン1の制御系の構成について説明する。図4に示すように、ミシンM(ミシン本体1)は、ミシンモータ5、X軸パルスモータ14、Y軸パルスモータ15、X軸原点センサ14b、Y軸原点センサ15b、操作パネル20、操作ペダルP等に接続される制御部100を有している。
X軸原点センサ14b及びY軸原点センサ15bは、それぞれ駆動手段としてのX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の原点位置を検出するセンサであり、ミシンベッド部2b内に配置されている。
X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15は、操作パネル20の八方向キー21aや前進後退キー21bが押下されたことに伴い、保持枠11をXY方向に移動させる他、後述するデータ記憶手段としてのROM102やEEPROM104に記憶されている縫製パターンデータに基づき保持枠11をXY方向に移動位置決めするようになっている。
制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104及びI/Oインターフェース105を備えている。
CPU101には、バスを介して、ROM102、RAM103、EEPROM104及びI/Oインターフェース105が接続されている。このCPU101は、X軸原点センサ14bやY軸原点センサ15b、スタートスイッチ(スタートSW)である操作ペダルPから入力される操作信号、操作パネル20から入力される各種設定、データ等に応じて、ROM102に格納されている電子サイクルミシン用の各種制御プログラムやEEPROM104に格納されている各種データに従って各部の動作を集中制御する。そして、CPU101は、その処理結果をRAM103内のワークエリアに格納するとともに、操作パネル20の操作により入力された各種データや、RAM103に格納した処理結果を必要に応じてEEPROM104に記憶させ、ミシンM(ミシン本体1)を構成する各部の駆動を制御する。
ROM102には、ミシンM(ミシン本体1)の制御プログラムや制御データ、または各種縫製データ等の通常縫製プログラムが書き込まれ記憶されている。例えば、ROM102には、保持枠11がX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15により移動される際の移動速度を制御するためのデータである、移動制限速度に関するテーブルや初速度の制限値に関するテーブル及び加速度の制限値に関するテーブルが記憶されている。また、ROM102は、制御部100が、操作ペダルPの踏み込み量に応じて、保持枠11がX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15により移動される際の移動速度を制御するためのデータである、移動速度の制限値に関するテーブルを記憶する。
RAM103には、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、縫製動作中のワークエリアとして使用される。
EEPROM104には、入力された各種データや各種パラメータが記憶される。例えば、EEPROM104には、種々の縫製パターンにおける一針ごとの針落ち位置のXY座標データや縫い目長さ、ミシンモータ5の回転速度等のデータが記憶される。また、EEPROM104は、保持枠11が移動した位置の位置データを記憶する。そして、制御部100(CPU101)によって組み合わされたその位置データを、形状データ又は針落ちデータからなる縫製パターンデータとして記憶する。また、EEPROM104は、保持枠11の形状に応じて設定される、該保持枠11内で縫い針8が相対移動可能となる相対移動可能範囲の限界位置である移動限界データや、形状データなどにおける端部位置である端部データを記憶する。
I/Oインターフェース105には、ドライバー(ミシンモータドライバー)5aを介してミシンモータ5が接続されている。このドライバー5aには、ミシンモータ5の回転数を検出するエンコーダ5bが接続され、フィードバック制御が可能となっている。さらに、ミシンモータドライバー5aには、縫い針8が上昇したことを検知する縫い針上位置センサ5cが接続されている。これにより、縫い針8により縫い目が形成される際の縫い針数が、制御部100によりカウントされるようになっている。また、I/Oインターフェース105には、ドライバー14a,15aを介してX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15が接続されているとともに、これら両パルスモータの原点位置を検出するX軸原点センサ14b及びY軸原点センサ15bが接続されている。
そして、制御部100は、所定のプログラムに基づき、ミシンモータ5の回転を制御し、上軸(図示省略)の回転により上下動する針棒8aおよび縫い針8の動作や、下軸(図示省略)とともに回転する釜(図示省略)の動作を制御し、ミシン本体1における縫製動作の制御を行う。また、制御部100は、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を制御し、所定の縫製パターンを形成するために保持枠11をXY方向に移動させる制御を行う。また、制御部100は、決定キー21cが操作された際に、検出された位置データをEEPROM104に記憶させて、所定の縫製パターンデータを作成する制御を行う。また、制御部100は、決定キー21cが操作された際に、検出された位置データをEEPROM104に記憶させて、所定の縫製パターンデータを編集する制御を行う。また、制御部100は、操作ペダルPが踏み込まれて操作されたことに伴う操作信号に基づき、操作ペダルPの踏み込み量を検出する制御を行う。また、制御部100は、パターンデータ作成手段(制御部100)またはパターンデータ編集手段(制御部100)により作成、編集された縫製パターンデータ、あるいは外部インターフェース23を介して外部から入力されたパターンデータに基づいて、縫い針8(ミシンモータ5)とX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を制御して、布に縫い目を形成する。
(縫い目長さ−縫製速度の関係)
ここで、縫い目長さと縫製速度すなわちミシンモータ5の回転速度との関係について説明する。
図8に示すように、ミシンMの布送り動作は針棒8aの上下動と同期させる必要があり、針棒8aが下降して縫い針8が布に刺さっているときは布送り動作は停止し、針棒8aが上昇して縫い針8が布から抜けている際に布送り動作が行われて布が移動する。このため、一般に、送りピッチが大きいほど、針落ちと針落ちとの間の単位時間内における布の移動距離を大きく確保する必要がある。単位時間内における布の移動距離を大きく確保するためには、送り駆動源であるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に加速のための大きなトルクが必要とされるが、パルスモータを高速で駆動する際には、1相あたりのパルス幅つまり各相を励磁するための通電時間が短くなるため、トルクの低下による脱調等の問題を防止する必要がある。このため、縫い目長さすなわち送りピッチが大きい場合はミシンモータ5の回転速度を低速とし、逆に、送りピッチが小さい場合はミシンモータ5の回転速度を高速に設定することで、送りパルスモータの出力トルクに応じてミシンモータ5の回転速度を調整する構成が採られている。つまり、ミシンモータ5の回転速度は、一針ごとの送りピッチに応じてその最高値(最高速度)が制限される。
そして、本実施形態におけるEEPROM104には、例えば、一針ごとのX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の動作量、すなわち、一針ごとの縫い目長さ(送りピッチ)におけるX軸方向成分及びY軸方向成分の長さと、これら各方向に対する送りパルスモータの動作量に応じて定められたミシンモータ5の回転速度の制限値との対応を示すテーブル(図5参照)が記憶されている。つまり、EEPROM104は、送りパルスモータの動作量すなわち縫い目長さ(布送りピッチ)と、この縫い目長さに応じて制限されたミシンモータ5の回転速度の制限値を記憶する本実施形態の速度制限値記憶手段として機能する。
かかる縫い目長さと該縫い目長さに応じて制限されたミシンモータ5の回転速度の制限値との関係は、例えば、図5に示すように、一針ごとの縫い目長さにおけるX軸方向成分すなわちX軸パルスモータ14の動作量が3[mm]の場合、これに対応するミシンモータ5の回転速度の制限値は2000[rpm]であり、縫い目長さのX軸方向成分が6[mm]野場合は、対応するミシンモータ5の回転速度の制限値は1000[rpm]という具合である。つまり、一針ごとの縫い目長さが長い程、対応するミシンモータ5の回転速度の制限値が低速に制限されるようになっている。
なお、縫い目長さのY軸方向成分すなわちY軸パルスモータ15の動作量とミシンモータ5の回転速度の制限値との対応は上記X軸方向成分の場合と同様であるため本実施形態では図示を省略している。
また、ミシンモータ5の回転速度は、縫製パターンにおける一針ごとの縫い目長さにおいて、これらX軸方向成分又はY軸方向成分のうち何れか長い方の長さに合わせて制限される。つまり、ミシンモータ5の回転速度は、縫い目長さのX軸方向成分及びY軸方向成分のうち、対応する当該ミシンモータ5の回転速度が低速となる方に合わせて設定されるようになっている。
また、EEPROM104には、縫い始めから縫いの終了までに形成する縫い目模様(形状)における一針ごとの針落ち位置、すなわち、縫い針8に対して保持枠11をXY平面内において相対的に移動位置決めするための、一針ごとのX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の各動作量が記憶されている。つまり、EEPROM104は、一針ごとの保持枠11と縫い針8との相対位置を定める縫製パターンデータを記憶する本実施形態のデータ記憶手段として機能する。
(縫製速度―パルスモータ駆動電流の関係)
次に、ミシンモータ5の回転速度(縫製速度)と送りパルスモータの駆動電流との関係について説明する。
本実施形態におけるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の駆動電流は、CPU101により、動作を行わない待機状態(待機時)においては通電電流を小さくする制御すなわちカレントダウンが行われ、動作状態(縫製時)においては通電電流を大きくする制御すなわちカレントハイが行われる。つまり、大小の電流値を切り替えて通電する制御を行うことで、駆動時以外は通電電流値が小さい状態を形成し、各パルスモータ14,15からの発熱量及び消費電気量の低減を図る構成が採られている。
上記カレントダウンの際の電流値すなわちカレントダウン電流の値は、待機時における保持枠11の位置を保持するのに足りる低電流に設定される。一方、上記カレントハイの際の電流値すなわちカレントハイ電流の値は、上記カレントダウン電流よりも高く、縫製時において保持枠11を駆動(移動)するのに必要とされる電流値に設定される。
かかるカレントダウン及びカレントハイの実行による電流値の変化を示す線図を図7に示す。図7(A)のように、パルスモータのカレントハイ(CHで示す)の期間に対するカレントダウン(CDで示す)の期間が短いと点線に示すように、パルスモータの総発熱量は大きくなり、図7(B)のように、パルスモータのカレントハイの期間に対するカレントダウンの期間が長くなると、点線で示すように、パルスモータの総発熱量が小さくなる。また、図7(C)のように、ミシンの低速駆動を行うと、パルスモータのカレントダウンの期間に対するカレントハイの期間が長くなり点線に示すように、パルスモータの総発熱量は大きくなる。このように、パルスモータの総発熱量及び消費電力量は、単位時間当たりのカレントハイとカレントダウンの期間の比率に応じて決定される。
上記カレントダウンの際の電流(保持電流)値はX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の待機時におけるモータ保持力すなわち保持トルクに応じて次式(1)により得ることができる。
Figure 2008073157
一方、カレントハイの際の電流値は、以下のように決定される。すなわち、各パルスモータ14,15の出力トルクは、当該各パルスモータ14,15に流す電流に比例するため、大きな電流を流せば各パルスモータ14,15の出力トルクは増大し、逆に、電流を減らせば各パルスモータ14,15の出力トルクも減少する。また、ミシンモータ5の回転速度が高速のときは各パルスモータ14,15の動作速度も高速となる。従って、この高速動作の際にはモータ加速のためのトルクも必要となるため、それに応じた電流をX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する必要がある。
このように、カレントハイにおけるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の各電流値は、かかる高速動作時においてトルクが最も必要となる条件によって決定される。このカレントハイにおける各パルスモータ14,15の電流つまりカレントハイ電流の値は、各パルスモータ14,15の駆動時における電流(定格電流)値である。
なお、上記カレントハイの状態は、各パルスモータ14,15に対する駆動パルスの出力後一定期間保持され、当該各パルスモータ14,15による送り動作が停止してから所定の時間(本実施形態では約100[msec])が経過した際にはカレントハイからカレントダウンに自動的に切り替えられるようになっている。
そして、本実施形態における制御部100は、一針ごとのミシンモータ5の回転速度を、縫製パターンにおけるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の動作量すなわち一針ごとの縫い目長さにおけるX軸方向成分又はY軸方向成分に対応する、上記速度制限値記憶手段たるEEPROM104に記憶されたミシンモータ5の回転速度の制限値に制限する縫製速度制御手段として機能する。
さらに、制御部100は、縫製パターンデータにおける一針ごとのX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の動作量により定まるミシンモータ5の回転速度の制限値に応じてX軸パルスモータ14又はY軸パルスモータ15の駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替える切替制御手段として機能する。
また、制御部100は、縫製パターンにおける現在針から所定数(本実施形態では3針)先の針落ちまでの一針ごとのX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の動作量に基づき、ミシンモータ5の回転速度を、現在針から前記所定数(3針)先の針落ちまでにおいて一針ごとに対応する速度制限値記憶手段(EEPROM104)に記憶されたミシンモータ5の回転速度の制限値のうち最も低速となる回転速度に設定する制御を行う。
具体的に、CPU101は、縫製速度制御手段(CPU101)により制限されたミシンモータ5の回転速度の制限値と、上述した速度制限手段(縫製速度設定キー25)により制限されたミシンモータ5の回転速度の制限値とのうち、何れか遅い方をミシンモータ5の回転速度として設定する制御を行う。
また、制御部100は、所定の回転数(例えば、1200[rpm])を閾値として、縫製速度制御手段としての該CPU101により制限されたミシンモータ5の回転速度と、閾値である所定の回転数(1200[rpm])との大小を比較する判断を行い、制限されたミシンモータ5の回転速度が1200[rpm]よりも大きい場合と小さい場合とで、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する電流(カレントハイ電流)を、第一の設定値と第二の設定値との大小二段階に選択的に切り替えて設定する制御を行う。
すなわち、制御部100は、縫製速度制御手段(CPU101)により制限されたミシンモータ5の回転速度が1200[rpm]よりも大きい場合は、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する電流を、該X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15において出力されるトルクの最大値を出力可能とする値(第一の設定値)に設定する高速カレントハイ設定を行う。
また、制御部100は、縫製速度制御手段(CPU101)により制限されたミシンモータ5の回転速度が1200[rpm]よりも小さい場合は、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する電流を、上記第一の設定値よりも小さく、且つ、カレントダウンの際の電流(保持電流)値よりも大きな値(第二の設定値)に設定する低速カレントハイ設定を行う。
(実施形態の動作説明)
次に、図6に示すフローチャートに基づき上記構成を備えるミシンMの動作説明を行う。
まず、縫製を開始する際、CPU101は、ROM102或いはEEPROM104に記憶されている縫製パターンデータを読み込み(ステップS1)、その縫製パターンに基づきドライバー14a,15aを介してX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を駆動することで、該縫製パターンにおける最初の針落ち位置すなわち縫製開始位置(縫製の初期位置)に保持枠11を移動する制御を行う(ステップS2)。ここで、ステップS1で読込む縫製パターンデータにより規定される上軸の回転速度を主軸回転速度Aとする。
保持枠11が縫製の初期位置に配置されると、CPU101は、スタートスイッチ(スタートSW)である操作操作ペダルPが踏み込まれたか否かの判断を行う(ステップS3)。
スタートSWからの信号が検出されない場合(ステップS3;No)、信号が検出されるまで繰り返し判断が行われる。そして、操作ペダルPからの信号が検出されると(ステップS3;Yes)、CPU101は、操作パネル20の縫製速度設定キー25から設定されたミシンモータ5の回転速度の制限値(主軸回転速度Bとする)、つまり、スピードVRの読み込みを行う(ステップS4)。その後、CPU101は、ステップS1において読み込んだ主軸回転速度Aと、ステップS4において読み込んだ主軸回転速度Bとの大小を比較する判断を行い(ステップS5)、主軸回転速度Aすなわち縫製パターンデータ中におけるミシンモータ5の回転速度の制限値の方が低速に制限(A<B)されている場合(ステップS5;Yes)、主軸回転速度Aで上軸を回転する制御を実行する(ステップS6)。また、主軸回転速度Aが主軸回転速度Bよりも低速でない場合(ステップS5;No)、つまり、オペレータの入力操作によって縫製速度設定キー25から入力されたミシンモータ5の回転速度の制限値が縫製パターンデータ中におけるミシンモータ5の回転速度の制限値よりも低速である場合(A>B)、CPU101は、主軸回転速度Bで上軸を回転する制御を行う(ステップS7)。
次に、CPU101は、ミシンモータ5に設けられたエンコーダ5bからの信号を読み取ることで、保持枠11を移動して送り動作を開始する送りスタート角度となるまで上軸が回転したか否かの判断を行う(ステップS8)。上軸が送りスタート角度まで回転していない場合(ステップS8;No)は当該送りスタート角度まで上軸が回転した信号がエンコーダ5bから検出されるまで繰り返し判断を行う。そして、上軸が送りスタート角度まで回転した信号が検出されると(ステップS8;Yes)、CPU101は、上記ステップS6又はステップS7において決定された上軸の回転速度(Vとする)が閾値である所定の回転速度1200rpmよりも高速であるか否かの判断を行う(ステップS9)。
上軸の回転速度が1200rpm以上(V≧1200rpm)の高速である場合(ステップS9;Yes)、CPU101は、切替制御手段として、第一の設定値である高速カレントハイ電流をX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する高速カレントハイ設定を実行し(ステップS10)、各ドライバー14a,15aを介してX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を駆動して保持枠11を移動する制御すなわち送り動作を開始する(ステップS12)。また、上軸の回転速度が1200rpmよりも低速(V<1200rpm)である場合(ステップS9;No)、CPU101は、切替制御手段として、第二の設定値である低速カレントハイ電流をX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する低速カレントハイ設定を実行し(ステップS11)、各ドライバー14a,15aを介してX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を駆動して保持枠11を移動する送り動作を開始する制御を行う(ステップS12)。
送り動作が開始されると、CPU101は、上記縫製パターンデータ中における全ての針落ちが終了したか、つまり、該縫製パターンにおいて縫製すべき全てのデータが終了したか否かの判断を行う(ステップS13)。そして、縫製パターンデータ中における全てのデータが終了していない場合(ステップS13;No)は、ステップS4に移行して縫製速度設定キー25によって制限されたミシンモータ5の回転速度を読み込む処理を行い、全ての縫製パターンデータが終了するまで繰り返し上記各処理を実行する。ステップS13において、全ての縫製パターンデータが終了した場合(ステップS13;Yes)、CPU101は、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電する電流を保持電流まで低下するカレントダウン設定を行う(ステップS14)。そして、CPU101は、ミシンモータ5を停止することで主軸の回転を停止する処理を行い(ステップS15)、次の縫製パターンデータがある場合はそのデータを読み込む処理に移行する(ステップS1)。また、ステップS15で次の縫製パターンデータに移行しない場合、CPU101は、全ての縫製動作に関する処理が終了する。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態たるミシンMによれば、切替制御手段としての制御部100により、速度制限値記憶手段(ROM102)に記憶されたミシンモータ5の回転速度の制限値と速度制限手段(縫製速度設定キー25)からの入力操作によって制限されたミシンモータ5の回転速度とのうち何れか遅い方のミシンモータ5の回転速度に応じてX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の駆動時におけるカレントハイ電流を大小二段階に切り替えることができる。つまり、一針ごとにX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電するカレントハイ電流を、大小二段階のカレントハイ電流のうち、より低速なミシンモータ5の回転速度に対応する電流値に設定することができるため、送りパルスモータの消費電力及び発熱量の低減が図られる。
(その他)
なお、上述した第一の設定値は、上述したように当該形状縫いミシンMに搭載されるミシンモータ5において設定されている最高速度に対応する電流値、すなわち当該形状縫いミシンMに搭載されるX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15において設定されている出力トルクの最高値を出力可能な電流(カレントハイ電流)値となっている。
また、切替制御手段としての制御部100が、カレントハイ電流を第一の設定値と第二の設定値とに切り替える際の閾値である「所定の回転速度」は、該カレントハイ電流を大小二段階に設定する際には、ミシンモータ5において設定されている最高速度の5〜6割程度の回転速度とすることが好ましく、本実施形態では、ミシンモータ5の最高速度である2000[rpm]の6割である1200[rpm]を閾値として設定している。
また、本実施形態では、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15に通電するカレントハイ電流を、1200[rpm]を閾値として大小2段階に切り替えて設定することとしているが、例えば、値の異なる大小2つ以上の閾値を設定し、縫製速度制御手段としてのCPU101により制限されたミシンモータ5の回転速度とこれら複数の閾値との大小を比較する判断を行うことで、大小3段階或いはそれ以上の複数段階にカレントハイ電流を選択的に切り替えて設定する制御を行うことも可能である。
また、縫製速度設定手段(制御部100)は、本実施形態では速度制限手段(縫製速度設定キー25)により制限された回転速度と縫製速度制御手段(制御部100)により制限された回転速度とのうち、何れか遅い方を一針ごとのミシンモータ5の回転速度として設定することとしているが、例えば、縫製速度設定手段(制御部100)によって制限された回転速度のみをミシンモータ5の回転速度として設定することとしてもよい。
本発明にかかる形状縫いミシンの外観構造を示す概略斜視図である。 本発明にかかる形状縫いミシンの保持枠の近傍を示す拡大斜視図である。 本発明にかかる形状縫いミシンの操作パネルを示す斜視図である。 本発明にかかる形状縫いミシンの要部構成を示すブロック図である。 縫い目長さと主軸回転速度の制限値との対応関係を示すテーブルの説明図である。 本発明にかかる形状縫いミシンの動作処理を示すフローチャートである。 カレントダウン及びカレントハイの実行による電流値の変化を示す線図であり、(A)はパルスモータのカレントダウンの期間が短い例を示し、(B)はパルスモータのカレントダウンの期間が長い例を示し、(C)はミシンの低速駆動を行う場合の例を示す。 針上下動と送り動作とのタイミングを示す模式図である。 ミシンの高速駆動と低速駆動による送り期間の変化を示す模式図である。
符号の説明
1 ミシン本体
2 ミシンフレーム
2a ミシンアーム部
2b ミシンベッド部
2c 縦胴部
5 ミシンモータ
8 縫い針
8a 針棒
10 布保持板
11 保持枠
12 中押さえ
13 取付部材
14 X軸パルスモータ(送りパルスモータ)
14b X軸原点センサ
15 Y軸パルスモータ(送りパルスモータ)
15b Y軸原点センサ
20 操作パネル
25 縫製速度設定キー(速度制限手段)
100 制御部
101 CPU(縫製速度制御手段,切替制御手段)
102 ROM
103 RAM
104 EEPROM(速度制限値記憶手段,データ記憶手段)
105 I/Oインターフェース
M ミシン
T ミシンテーブル
P 操作ペダル

Claims (4)

  1. ミシンモータにより主軸を回転することで縫い針を上下に駆動する針上下動機構と、
    被縫製物を保持する保持枠を送りパルスモータにより所定平面内の任意の位置に移動位置決めする布送り機構と、
    一針ごとの前記送りパルスモータの動作量を決める縫製パターンデータを記憶するデータ記憶手段と、
    一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に応じて定められた前記ミシンモータの回転速度の制限値を記憶する速度制限値記憶手段と、
    一針ごとの前記ミシンモータの回転速度を、縫製パターンにおける前記送りパルスモータの動作量に対応する前記速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値に制限する縫製速度制御手段とを備え、
    待機時には前記保持枠の位置保持に足りるカレントダウン電流を前記送りパルスモータに通電し、縫製時には前記保持枠の移動に必要なカレントハイ電流まで電流値を高めて前記送りパルスモータに通電する形状縫いミシンにおいて、
    前記縫製パターンデータにおける一針ごとの送りパルスモータの動作量により定まるミシンモータの回転速度の制限値に応じて前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替える切替制御手段を備えることを特徴とする形状縫いミシン。
  2. 入力操作により前記ミシンモータの回転速度を制限する速度制限手段を備え、
    前記切替制御手段は、前記縫製パターンにおける一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に対応する前記速度記憶手段に記憶された一針ごとのミシンモータの回転速度の制限値と前記速度制限手段により制限されたミシンモータの回転速度とのうち何れか遅い方の回転速度に応じて前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替えることを特徴とする請求項1記載の形状縫いミシン。
  3. 前記切替制御手段は、前記縫製パターンにおける現在針から所定数先の針落ちまでの一針ごとの前記送りパルスモータの動作量に基づいて決定される、現在針から前記所定数先の針落ちまでにおいて一針ごとに対応する前記速度制限値記憶手段に記憶されたミシンモータの回転速度の制限値のうち最も低速となる回転速度に応じて、前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を複数段階に切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の形状縫いミシン。
  4. 前記切替制御手段は、前記縫製速度制御手段又は前記速度制限手段により設定されたミシンモータの回転速度と所定の回転速度との大小を比較することで前記送りパルスモータの駆動時におけるカレントハイ電流を第一の設定値と第二の設定値との大小二段階に選択的に切り替えて設定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項記載の形状縫いミシン。
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