JP2008071374A - 記録装置、ノイズ除去方法、ノイズ除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】音声信号と基準波形との相関計算結果に基づいてノイズ発生タイミングを検出する。これによれば、音声信号中に重畳するノイズを実際に検出することができ、例えばノイズ発生源に対する制御タイミングからノイズ発生タイミングを予想する場合と比較すれば適正にノイズ発生区間を設定することができ、ノイズ除去を行うための区間としては必要最小限に抑えることができる。この結果、ノイズ除去に伴う音質劣化は最小限に抑えることができる。
【選択図】図6
Description
この間欠アクセスでは、記録開始後、撮影データを一旦内蔵メモリに蓄積するものとしておき、その間は磁気ヘッドを所定のパーキング位置に退避させた上で磁気ディスクの回転を止めておく。そして、内蔵メモリへの撮影データの蓄積量が所定以上となったことに応じ、磁気ディスクの回転駆動及び磁気ヘッドの記録位置へのロードを行って蓄積された撮影データの読出・記録を行い、所定時間分の記録を行うと、再度磁気ヘッドをパーキング位置へ退避させ且つ磁気ディスクの回転駆動を停止する。このようにして内蔵メモリへの撮影データの蓄積量に応じ、磁気ディスクに対する間欠的な記録を行う。
この間欠アクセスの手法により、磁気ディスクを常時回転させたままの状態で記録を行う場合よりも消費電力の削減が図られる。
このため、間欠アクセスの手法を用いる場合には、消費電力の削減が図られる一方で、このようなノイズについての対策を行うことが必要となってくる。
ここでノイズ除去は、本来の信号に対して改変を与える処理であり、その結果音質の劣化を招く可能性のある処理となる。定常的なノイズに関しては、それを除去するのであれば常にその除去処理を行う他はないが、間欠的なノイズについては、このような音質劣化の面から必要最小限の改変となるように、ノイズが生じる区間のみを対象として行われることが望ましいものとなる。
このようなことを考慮すると、上記のような間欠アクセスに伴うノイズの除去を行うにあたっては、先ずはノイズの発生するタイミングを検出することが肝要となる。
しかしながら、上記のような間欠アクセスにおいて、記録開始指示に応じ磁気ヘッドのロードに伴う衝突音が生じるまでの時間長、及び記録停止指示に応じ磁気ヘッドのパーキングに伴う衝突音が生じるまでの時間長は、記録開始/終了位置の違いやその他の条件に応じて異なることがわかっている。
これに対しては、記録開始/停止指示に応じて設定すべきノイズ区間に或る程度のマージンを設けることで対応することも考えられるが、先に述べた音質面の問題を考慮すると、ノイズ除去を行う対象区間は最小限とすることが望ましく、その意味で、このように記録開始/停止指示のタイミングからノイズ発生区間を予測する手法には限界があるといえる。
つまり、本発明の記録装置は、収音手段と、上記収音手段を入力源とする音声信号を所要の記録媒体に記録する記録手段とを備えると共に、記録動作に伴い間欠的なノイズが発生する記録装置であって、先ず、上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手段を備える。
そして、上記ノイズタイミング検出手段により検出された上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えるものである。
すなわち、本発明のノイズ除去装置は、音声信号に重畳する間欠的なノイズを除去するためのノイズ除去装置であって、上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手段を備える。
また、上記ノイズタイミング検出手段により検出された上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えるものである。
このようにノイズ検出の精度を高くできることで、ノイズの誤検出に基づく無駄なノイズ除去動作もその分行われないようにすることができ、この結果、音質劣化の機会を相応に減らすことができる。すなわち、この面でも本発明では音質劣化を最小限に抑えることができる。
[記録装置の構成]
図1は、本発明の記録装置の一実施形態であるビデオカメラ装置1について、その外観構成を斜視図により示した図である。
このビデオカメラ装置1は、図示するようにしてカメラレンズ1aを備え、当該カメラレンズ1aを介して得られる撮影映像を内部の記録媒体に対して記録することができる。また、ビデオカメラ装置1は、図示するようにして筐体外部に表出するようにして設けられた外部音収音マイク(マイクロフォン)1bを備えており、この外部音収音マイク1bにより収音された音声を、上記撮影映像と共に上記記録媒体に対して記録することができる。
先ず、この図2においても、図1に示したカメラレンズ1aが示されている。カメラレンズ1aは、図示するようにしてカメラブロック5内に設けられる。
カメラブロック5は、上記カメラレンズ1aを介して入射される被写体光を検出するCCD(Charge Coupled Device)センサ或いはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等の固体撮像素子部や、固体撮像素子部から画素信号を転送してゲイン調整やA/D変換などを行って映像信号を得る映像信号生成部等を備える。
映像信号圧縮処理部7は、映像信号に対し所定の映像圧縮方式に基づく圧縮処理を施し圧縮ビデオデータを生成する。そして、この圧縮ビデオデータをストリームデータ(図示するビデオストリームVstrm)として出力する。
なお、このノイズ検出・除去部2の内部構成及び動作については後述する。
音声信号圧縮処理部4は、上記音声信号処理部3から供給される出力音声信号Aoutに対して所定の音声圧縮方式に基づく圧縮処理を施し圧縮オーディオデータを生成する。そして、この圧縮オーディオデータをストリームデータ(図示するオーディオストリームAstrm)として出力する。
例えば、図示されない操作入力部からの操作信号に応じ必要な各部を制御することで、ユーザの操作入力に応じた動作を実現させたり、またHDD10へのデータファイルの格納や管理情報の作成・更新等を行う。
つまり、システムコントローラ11は、撮影データの記録開始後、直ちにバッファメモリ9からの撮影データの読み出し及びHDD10への撮影データの記録開始指示は行わず、バッファメモリ9への撮影データの蓄積量が第1の閾値以上となったことに応じてそれらの指示を行う。そして、バッファメモリ9からの撮影データの読み出し、及びHDD10によるその記録の開始後は、バッファメモリ9における撮影データの蓄積量が第2の閾値以下となったことに応じ、バッファメモリ9からの撮影データの読み出し及びHDD10の記録動作を停止させる指示を行う。以降も、バッファメモリ9の撮影データの蓄積量と上記第1及び第2の閾値との比較結果に応じ、バッファメモリ9からの撮影データの読み出し開始指示及びHDD10への記録開始指示と、バッファメモリ9からの撮影データの読み出し停止指示及びHDD10への記録停止指示とを繰り返し行うようにされる。
ここで、図2に示すビデオカメラ装置1において、このような間欠アクセスの手法が採用されることによっては、例えばHDD10において磁気ディスク10Bを回転させたままの状態で磁気ヘッド10Aによる記録動作を継続的に行う場合と比較して、その分消費電力の削減を図ることができる。
このようなHDDノイズは、HDD10の個体差に依存するものとはなるが、時間波形(図4(a))で見ると概ね持続時間が約0.03sec程度と非常に短いスパイク状のノイズとなっている。またスペクトログラム(図4(b))で見るとインパルス状に広い周波数帯域にパワーが分布しており、時間的に集中している信号は周波数的には広い帯域に分布していることが確認できる。
このHDDノイズは極めてレベルの小さい信号成分ではあるが、これらの特性より、聴覚的に非常に煩わしいノイズとなる。そして、このように煩わしいノイズが、間欠アクセスに伴う記録開始/停止ごとに間欠的に発生し、これが撮影データ(音声信号)に重畳されて記録されてしまう。
つまり、ノイズ除去は、本来の信号に対して改変を与える処理であり、その結果音質の劣化を招く可能性のある処理となる。定常的なノイズに関しては、それを除去するのであれば常にその除去処理を行う他はないが、間欠的なノイズについては、このような音質劣化の面から必要最小限の改変となるように、ノイズが生じる区間のみを対象として行われることが望ましいものとなる。
しかしながら、上述した間欠アクセスにおいて、記録開始指示に応じ磁気ヘッド10Aのロードに伴う衝突音が生じるまでの時間長、及び記録停止指示に応じ磁気ヘッド10Bのパーキングに伴う衝突音が生じるまでの時間長は、記録開始/終了位置の違いやその他の条件に応じて異なることがわかっている。
これに対しては、記録開始/停止指示に応じて設定すべきノイズ区間に或る程度のマージンを設けることで対応することも考えられるが、先に述べた音質面の問題を考慮すると、除去を行う区間は最小限とすることが望ましく、その意味で、このように記録開始/停止指示のタイミングからノイズ発生区間を予測する手法には限界があるといえる。
そこで、本実施の形態のビデオカメラ装置1では、図2に示されるノイズ検出・除去部2によって、実際にノイズの発生するタイミングを検出するものとし、この検出されたタイミングに基づく区間内についてのみノイズの除去を行うものとしている。
このノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24は、先に述べた外部音収音マイク1bからの入力音声信号Ainと、システムコントローラ11からのノイズ発生予想区間情報NcSとに基づき、後述するようにしてノイズ発生タイミングの検出、及び検出したノイズ発生タイミングに基づくノイズ区間の設定を行う。
このため本実施の形態では、このようにして予測される、HDDノイズが発生するとされる区間でのみ、上記ノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24による動作が実行されるようにし、無駄な検出動作の削減を図るものとしている。
つまり、システムコントローラ11は、上述した間欠アクセスのための制御処理に伴いHDD10に対する記録開始指示、記録停止指示を行ったことに応じ、予め定められた区間情報をノイズ発生予想区間情報NcSとしてノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24に対して供給する。
そして、検出したノイズ発生タイミングに基づき、HDDノイズが生じる区間を示すノイズ区間を設定し、その開始タイミングと終了タイミングとを示すノイズ区間情報NSを出力する。
相関計算部24aには、図示するようにして入力音声信号Ainとノイズ発生予想区間情報NcSとが供給される。この相関計算部24aは、入力音声信号Ain中における、上記ノイズ発生予想区間情報NcSにより示されるノイズ発生予想区間内でのみ、予め設定された標準ノイズ信号との波形相関計算を行ってその結果を相関値として出力する。
標準ノイズ信号は、複数のHDDノイズをサンプリングした結果に基づき生成したHDDノイズの基準波形信号である。
その具体的な生成手法としては、例えば無響室など背景音のない状況下においてビデオカメラ装置1にHDDノイズを所定複数回発生させそれらをサンプリングし、図7に示されるようにして所定のN個分のHDDノイズのサンプル波形を取得する。そして、これらN個のHDDノイズに対して、相関が最大となるように同期加算を行うことで、HDDノイズの標準的なテンプレートとしての標準ノイズ信号(基準波形信号)を生成する。
このとき、同期加算に用いるHDDノイズの個数が多いほどより精度の高い標準ノイズ信号とすることができる。
本例の場合、上記のような相関計算には、マッチドフィルタの技術を応用するものとしている。周知のようにマッチドフィルタの技術は観測信号から既知の信号を分離するための技術であり、本例ではこのマッチドフィルタの技術を入力音声信号AinからHDDノイズ(つまり標準ノイズ信号)を検出するために適用する。
Σt{Ain(t)−aTn(t−k)}2 ・・・(式1)
これは、以下の式2のような相関値を最大とするようなシフト量kを推定することと等価であり、従って入力音声信号Ain、標準ノイズ信号Tnとについてこの式2による計算を行うことによって相関値を算出することができる。
ΣtAin(t)Tn(t−k)/sqrt{ΣtAin2(t)ΣtTn2(t)} ・・・(式2)
例えばこの場合のノイズ区間設定部24cは、図6(c)に示されるようにして、ノイズ発生タイミングを基準としてその前後にわたる所定区間をノイズ区間として設定する。
そしてノイズ区間設定部24cは、このように設定したノイズ区間の開始点と終了点の情報を、図5に示すノイズ区間情報NSとして出力する。
その場合には、相関計算部24aに対しても検出情報Dtを入力するものとし、相関計算部24aは当該検出情報DtによりHDDノイズが検出されたことが示されたことに応じて相関計算を終了するように構成すればよい。
相関計算は演算量が比較的多いので、このようにすることで相関計算部24aにおける処理負担を有効に削減することができる。
本実施の形態のビデオカメラ装置1では、上記のようにしてノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24により設定されたノイズ区間の情報(NS)に基づき、後述する構成によって入力音声信号Ainからのノイズの除去を行うようにされることになるが、先の図4での説明時にも触れたように、本実施の形態の場合のHDDノイズとしてはその信号レベルが比較的小さいものであることから、場合によっては外部音(背景音)に埋もれてかき消される可能性も考えられる。
先ず図8、図9は、それぞれ背景音が比較的小音量とされる場合について示した図であり、図8では(a)図により背景音の時間波形を、また(b)図によりHDDノイズの時間波形を、さらに(c)図ではこれらHDDノイズと背景音とが加算された入力音声信号Ainの時間波形を示している。また、図9では背景音(破線)とHDDノイズ(実線)の周波数スペクトルをそれぞれ対比して示している。
これら図8、図9の結果からも、比較的小音量の背景音下では人間の聴覚はHDDノイズを知覚しやすくなり、そのような場合にノイズ除去を行うことは有効であることがわかる。
図10(a)のような比較的大音量による背景音下では、図10(c)に示す入力音声信号Ain中においてHDDノイズは埋没しやすいものとなり、また図11に示す周波数スペクトルを見ても、HDDノイズのスペクトルは背景音のスペクトルより概ね小さいパワーで分布するものとなることがわかる。
このように大音量の背景音下では人間の聴覚はHDDノイズを知覚しにくく、このような状況でノイズ除去を行う利点は極めて少ないものとなる。むしろこの場合には、ノイズ除去を行う入力音声信号Ainのレベルが非常に大きなものとなるのだから、ノイズ除去を行ったことによる音質劣化がより聴取されやすくなってしまう可能性が高くなる。
先ず、ディレイ回路21は、外部音収音マイク1bからの入力音声信号Ainを入力し、これに予め定められた所定時間長分のディレイを与え出力する。このようなディレイ回路21による遅延が与えられた入力音声信号Ainについては、入力音声信号Ain-1と呼ぶ。
なお、この場合、外部音収音マイク1bからディレイ回路21(及び前述したノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24)に入力される入力音声信号Ainについては、このような遅延後の入力音声信号Ainと区別するために、以下、入力音声信号Ain-0とも呼ぶ。
具体的に、ノイズ埋没判定部25は、入力音声信号Ain-1の時間波形について、その所定区間ごとのパワーを計算し、このパワーが予め定められた所定の閾値th-pより大きい場合には、人間の聴覚によってHDDノイズが知覚されない、すなわちHDDノイズが埋没する(マスクされる)という判定結果を埋没判定結果情報Mとして出力する。また、計算したパワーが上記閾値th-pよりも大きくない場合には、HDDノイズが知覚される、すなわちHDDノイズが埋没しないという判定結果を埋没判定結果情報Mとして出力する。
この際、入力音声信号Ain-1の時間波形のパワーは、例えば以下の式に示すようにして、各時間における入力音声信号Ain-1の値の2乗和により算出することができる。
Σt = 0 〜 T-1 {Ain(t)}2
すなわち、入力音声信号Ain-1の周波数スペクトルのパワーを計算し、そのパワーが所定の閾値より大きい場合にはHDDノイズが埋没するとの判定結果を埋没判定結果情報Mとして出力し、パワーが所定の閾値より小さい場合にはHDDノイズが埋没しないとの判定結果を埋没判定結果情報Mとして出力する。
なお、周波数スペクトルのパワーは、例えば以下の式のように各時間における入力音声信号Ain-1の周波数スペクトルの2乗和により算出することができる。
Σf = 0 〜 fs / 2 {Ain(f)}2
Σf = fa 〜 fb {Ain(f)}2
具体的には、ノイズ区間情報NSにより示される区間内でのみ、上述したような入力音声信号Ain-1の時間波形のパワー計算、及びそのパワーについての閾値th-pとの比較、及びその比較結果に基づく埋没判定結果情報Mの出力を行うようにされているものである。
すなわち、このような選択制御信号SLCが信号挿入部30に対して供給されることで、HDDノイズが背景音に埋もれるとされた場合には入力音声信号Ain-3がそのまま出力され(つまりノイズ除去の行われていない音声信号が出力され)、HDDノイズが背景音に埋もれないとされた場合にのみ上記ノイズ除去信号(つまりノイズが除去された音声信号)が出力されるようにすることができる。
一方、HDDノイズが背景音に埋没するとされた場合、つまりノイズ除去が不要であるとされた場合には、入力音声信号Ainについてのノイズ除去処理は行われないようにすると共に、ノイズ除去の行われていない音声信号が選択出力されるようにすることができる。
続いては、本実施の形態としてのビデオカメラ装置1にて行われるノイズ除去の手法について説明する。
先ずは、実施の形態のノイズ除去手法の説明に先立ち、実施の形態のHDDノイズについて再考してみると、このHDDノイズとしては、時間波形(図4(a))で見ると概ね持続時間が約0.03sec程度と非常に短いスパイク状のノイズとなっている。また、スペクトログラム(図4(b))で見るとインパルス状に広い周波数帯域にパワーが分布しており、時間的に集中している信号は周波数的には広い帯域に分布しているものとなる。
図12は、実施の形態のノイズ除去手法の基本的な考え方について模式的に示した図であり、図12(a)は、入力音声信号Ainについてノイズ区間とその前後を含む時間波形とを示し、図12(b)ではノイズ除去後の音声出力信号Aoutについてノイズ区間とその前後を含む時間波形を示している。
つまり、図12(b)に示されるようにして、ノイズ発生タイミングの周辺波形からノイズを除去するためのノイズ除去信号を生成し、ノイズ区間に対し、このように生成したノイズ除去信号を挿入するようにしてノイズ区間の信号を補間するというものである。
図2に示すようにしてノイズ除去信号生成部26には、ディレイ回路21とディレイ回路22とを介して得られる入力音声信号Ain-2と、ノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24からのノイズ区間情報NSとが入力される。
ノイズ除去信号生成部26は、上記入力音声信号Ain-2における上記ノイズ区間情報NSが示すノイズ区間を補間するためのノイズ除去信号を生成し、これを上記信号挿入部30に対して供給する。
なお、このノイズ除去信号生成部26の内部構成及び動作については後述する。
この信号挿入部30は、上記入力音声信号Ain-3をそのまま出力するか、或いは上記入力音声信号Ain-3における上記ノイズ区間情報NSが示すノイズ区間に、上記入力音声信号Ain-3に代えて上記ノイズ除去信号を出力するかを選択可能に構成される。この信号挿入部30の選択出力は、図示するようにして音声出力信号Aoutとして音声信号処理部3に対して供給される。
つまり、信号挿入部30は、上記選択制御信号SLCにより入力音声信号Ain-3の選択が指示された場合は、入力音声信号Ain-3をそのまま選択出力する。そして、上記選択制御信号SLCによりノイズ除去信号の選択が指示された場合は、上記入力音声信号Ain-3におけるノイズ区間の信号の代わりに、上記ノイズ除去信号を出力するようにされる。換言すれば、入力音声信号Ain-3におけるノイズ区間にノイズ除去信号を挿入するようにされるものである。
図13は、図2に示したノイズ除去信号生成部26の内部構成を示している。
この図13に示すようにしてノイズ除去信号生成部26内には、ディレイ回路31、前半ピッチ計算部32、後半ピッチ計算部33、前半信号生成部34、後半信号生成部35、クロスフェード処理部36が備えられる。
先の図2にも示したように、ノイズ除去信号生成部26には、ノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24からのノイズ区間情報NSと、除去動作制御部27からのON/OFF制御信号が供給される。図示は省略しているが、上記ノイズ区間情報NSは、ノイズ除去信号生成部26内の各部に対して供給されている。
また、上記ON/OFF制御信号としても、ノイズ除去信号生成部26内の各部に対して供給され、各部はこのON/OFF制御信号に応じてON/OFFするように構成されている。
上記前半ピッチ計算部32は、入力音声信号Ain-2について、ノイズ区間情報NSにより示されるノイズ区間の開始点を基準としてその前後の最も相関性のあるとされるピッチ周期を計算し、そのピッチ周期により特定される区間を示す前半ピッチ情報P-fを得る。
また、上記後半ピッチ計算部33は、入力音声信号Ain-2について、ノイズ区間情報NSにより示されるノイズ区間の終了点を基準としてその前後の最も相関性のあるとされるピッチ周期を計算し、そのピッチ周期により特定される区間を示す後半ピッチ情報P-rを得る。
(1 / T) * Σt = 0 〜 T-1 {Ain(t) - Ain(t + T)}2
又は、
(1 / T) * Σt = 0 〜 T-1 | Ain(t) - Ain(t + T) |
このようにして上記前半ピッチ計算部32及び後半ピッチ計算部33においては、波形相関が最も高くなるようなピッチ周期が算出される。
なお、このディレイ回路31に設定されるべき遅延時間については後述する。
また後半信号生成部35は、上記入力音声信号Ain-2dと上記後半ピッチ情報P-rとに基き、次の図15に説明するようにして後半信号を生成する。
先ず、図14において、例えば図14(a)に示されるようにして入力音声信号についてのノイズ区間が設定されたとすると、前半ピッチ計算部32によっては、図14(b)に示すようなピッチ周期が計算される。先の説明からも理解されるように、このようなピッチ周期は、ノイズ区間の開始点を基準として、その前後において最も波形相関の高くなる周期が算出される。
つまり、前半信号生成部34は、先ずは入力音声信号(Ain-2d)における、上記前半ピッチ情報P-fにより示される2つのピッチ区間の信号に対して、図14(c)に示されるような重み窓データをそれぞれ乗算することにより重み付けを行う。
図示するようにしてこの場合の重み窓データは、ノイズ区間の開始点を「1」として、それぞれのピッチ区間の端点側に向けて徐々に「0」に向けて低下するような窓データが設定される。
その上で、次の図14(e)に示すようにして、この1ピッチ周期分の重み付け加算信号をノイズ区間の開始点からノイズ区間の終了点の方向に所定回数繰り返すことにより、繰り返し重み付け加算信号を得る。図示するようにしてこの場合は、上記重み付け加算信号を、ノイズ区間内に収まる範囲で最大個数繰り返して上記繰り返し重み付け加算信号を生成するものとしている。
前半信号生成部34は、この繰り返し重み付け加算信号を前半信号として出力する。
この場合も、例えば図15(a)に示されるようにして入力音声信号についてのノイズ区間が設定されたとすると、後半ピッチ計算部33によっては、図15(b)に示すようなピッチ周期が計算される。このような後半ピッチ計算部33によって計算されるピッチ周期としても、ノイズ区間の終了点を基準として、その前後において最も波形相関の高くなる周期となる。
すなわち後半信号生成部35は、入力音声信号(Ain-2d)における、上記後半ピッチ情報P-rにより示される2つのピッチ区間の信号に対して、図15(c)に示されるような重み窓データをそれぞれ乗算することにより重み付けを行う。この場合の重み窓データとしても、図示するようにしてノイズ区間の終了点を「1」として、それぞれのピッチ区間の端点側に向けて徐々に「0」に向けて低下するような窓データが設定される。
その上で、図15(e)に示すようにして、この1ピッチ周期分の重み付け加算信号をノイズ区間の終了点からノイズ区間の開始点の方向に所定回数繰り返すことにより、繰り返し重み付け加算信号を得る。この場合も、上記重み付け加算信号を、ノイズ区間内に収まる範囲で最大個数繰り返して上記繰り返し重み付け加算信号を生成するようにされる。
クロスフェード処理部36は、前半信号生成部34が出力する前半信号と、後半信号生成部35が出力する後半信号とを入力し、それらのクロスフェード処理を行ってノイズ除去信号を生成する。
クロスフェード処理部36では、図16(a)に示されるようにして、前半信号生成部34からの前半信号に対し、図のような重み窓データを乗算して重み付けを行う。
同様に、図16(b)に示されるようにして、後半信号生成部35からの後半信号に対しても、図のような重み窓データを乗算して重み付けを行う。
前半信号、後半信号に対して重み付けを行うための窓データは、それぞれ図示するようにして前半信号と後半信号とがオーバーラップする区間の長さを有し、「1」から「0」に徐々に低下するものが設定される。具体的に、前半信号に対する窓データは、後半信号の開始点を「1」として、前半信号の終了点にかけて徐々に「0」に向けて低下するものが設定される。また、後半信号に対する窓データとしては、前半信号の終了点を「1」として後半信号の開始点にかけて徐々に「0」に向けて低下するものが設定される。
クロスフェード処理部36は、このような処理により生成された前半・後半重み付け加算信号(つまりクロスフェード信号)を、ノイズ除去信号として出力する。
先ず、ディレイ回路21の遅延時間としては、先にも述べたようにノイズ埋没判定部25に供給される入力音声信号Ain-1として、少なくともノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24により設定されたノイズ区間の開始点よりもタイミング的に前となる信号部分が供給されるようにして設定されていればよい。
これまでで説明したようにして、本実施の形態のビデオカメラ装置1によれば、基準波形としての標準ノイズ信号との波形相関性に基づき入力音声信号Ainに重畳するHDDノイズを検出することができるので、例えばHDD10への記録開始/停止指示のタイミングからノイズ発生区間を設定する等、ノイズ発生源としての部位に対する制御タイミングからノイズ発生区間を予測する場合とは異なり、適正にノイズ発生タイミングを検出することができ、これによってノイズ区間は必要最小限の区間を設定することができる。
このようにしてノイズ区間を必要最小限に設定することができれば、ノイズ除去に伴い生じる可能性のある音質劣化部分としても最小限に抑えることができる。
このようにノイズ検出の精度を高くできることで、ノイズの誤検出に基づく無駄なノイズ除去動作もその分行われないようにすることができ、この結果、音質劣化の機会を相応に減らすことができる。すなわち、この面でも本実施の形態によれば音質劣化を最小限に抑えることができる。
これに対し本例のノイズ検出手法は、入力音声信号Ainに基づく信号処理のみで行うことが可能であるので、追加構成は最小でプログラムの書き換えのみで実現可能となり、その分、追加コストの抑制や省スペース化を図ることができる。
ノイズの発生期間が比較的長い場合は、標準ノイズ信号のデータ量もその分多くなって相関計算部24aの処理負担も増大化する傾向となるが、本例のHDDノイズのように発生期間が比較的短い場合には処理負担は少ないものとすることができ、この点で間欠的に生じるノイズの検出に好適な手法となる。
これにより、ノイズタイミング検出・ノイズ区間設定部24(相関計算部24a)では、常時ノイズタイミング検出のための動作を行う必要はないものとでき、その分の処理負担と消費電力とを削減することができる。
このようにして、HDDノイズが背景音に埋没しないとされた場合にのみノイズの除去された音声信号が選択出力されるようにしたことで、HDDノイズが背景音に埋没しノイズ除去を行う必要がない場合に、無駄なノイズ除去が行われてしまうことを効果的に防止することができる。そして、このように無駄なノイズ除去が行われないようにすることができれば、その分ノイズ除去に伴う音質劣化の機会も有効に減らすことができる。
このようにしてノイズ埋没判定のための信号分析を行う期間がノイズの発生するとされる区間内のみに絞られれば、その分ノイズ埋没判定部24の処理負担を軽減することができ、またその消費電力としても削減を図ることができる。
これによれば、本実施の形態のHDDノイズのように、その発生期間が非常に短く、また比較的広い周波数帯域にわたりパワーが分布するノイズに対し、例えば従来の適応型フィルタを用いる手法や逆位相信号を加算する手法などが採られる場合と比較して、より有効にノイズ除去を行うことができる。
<第1の変形例>
以下、実施の形態の変形例について説明する。
先ず、第1の変形例は、これまでで説明した実施の形態としての動作を、ソフトウェア処理により実現するものである。
ここでは一例として、ビデオカメラ装置の全体制御を行うシステムコントローラのソフトウエア処理により実施の形態としての動作を実現する場合について説明する。
図示するようにしてこの場合は、外部音収音マイク1bからの入力音声信号Ain(Ain-0)、ディレイ回路21からの入力音声信号Ain-1、ディレイ回路22からの入力音声信号Ain-2、ディレイ回路31からの入力音声信号Ain-2d、及びディレイ回路23からの入力音声信号Ain-3が、それぞれシステムコントローラ16に対して供給される。
この場合のシステムコントローラ16としても、先に説明したシステムコントローラ11と同様に、間欠アクセスのための制御処理を行うものとされる。
先ず、ステップS101では、記録開始/停止指示の発生を待機する。つまり、この図に示す処理動作とは並行して行われることになる間欠アクセスのための制御処理によって行われる、HDD10への記録開始指示又は記録停止指示の発生を待機するようにされる。
さらに、続くステップS103では、ノイズ発生予想区間における入力音声信号Ain-0と標準ノイズ信号との相関計算を開始する。すなわち、上記のようにして記録開始/停止指示のタイミングが検出されたことに応じ、そのタイミングに基づくノイズ発生予想区間(ノイズ発生予想区間情報NcS)を設定し、入力音声信号Ain-0中のこのノイズ発生予想区間内での標準ノイズ信号との相関計算を開始する。
この場合も相関計算は、入力音声信号Ain-0と標準ノイズ信号とについて、例えば先に説明した式2に基づく計算を行えばよい。
上記ステップS103にて行われる相関計算の結果得られる相関値が上記閾値th-sを超えてはいないとして否定結果が得られた場合は、ステップS105に進み、ノイズ発生予想区間が終了したか否かを判別する。そして、ノイズ発生予想区間が未だ終了していないとして否定結果が得られた場合はステップS104に戻り、またノイズ発生予想区間が終了したとして肯定結果が得られた場合はステップS107に進んで相関計算を終了して「RETURN」となる。
図19において、ステップS201では、ノイズ検出待機処理として、先の図18に示したステップS106によるノイズ区間の設定を待機するようにされる。
そして、ノイズ区間が設定された場合は、ステップS202において、入力音声信号Ain-1を入力する。
一方、パワーP-NSが閾値th-pを超えないとして否定結果が得られた場合は、ステップS206に進んでノイズ非埋没判定を行って「RETURN」となる。
先ず、ステップS301では、上記ステップS206によるノイズ非埋没判定を待機するようにされる。そして、ノイズ非埋没判定があった場合は、ステップS302において入力音声信号Ain-2を入力する。
そして、ステップS305では、前半ピッチ情報P-fに基づき前半信号を生成するための処理を実行する。すなわち、入力音声信号Ain-2dについて、前半ピッチ情報P-fにより示される2つのピッチ区間の信号に先の図14(c)に示したような重み窓データをそれぞれ乗算し、それらを加算した重み付け加算信号を生成すると共に、この重み付け加算信号を図14(d)に示したようにノイズ区間の開始点から終了点側に所定回数繰り返すことで前半信号を生成する。
これにより、図17に示す出力音声信号Aoutとして、HDDノイズが除去された信号を出力することができる。
ここで、これまでで説明した実施の形態において、HDDノイズは、磁気ヘッド10Aのロード/パーキング時に伴って発生することについて説明したが、このようなHDDノイズは、場合によってはロード/パーキング時でそれぞれ異なる波形特性となることも考えられる。
例えば、このようにしてロード/パーキング時のそれぞれでHDDノイズとして異なる特性が得られてしまう場合に対応しては、相関計算部24aにてロード時のHDDノイズについて生成したロード時標準ノイズ信号と、パーキング時のHDDノイズについて生成したパーキング時標準ノイズ信号とを設定しておき、入力音声信号Ainについてそれら双方との相関計算を同時並行的に行うことも考えられる。しかしながら、先にも述べたように相関計算はその演算量が比較的多く、このような手法は現実的ではないといえる。
先ず、第2の変形例の場合、相関計算部24aに対しては、上述したようなロード時のHDDノイズについて生成したロード時標準ノイズ信号と、パーキング時のHDDノイズについて生成したパーキング時標準ノイズ信号とが設定されている。
すなわち、上記ロード/パーキング識別情報LPによって記録開始指示が示されることに応じては、ロード時標準ノイズ信号を選択し、当該ロード時標準ノイズ信号と入力音声信号Ainとの相関計算を行う。また、上記ロード/パーキング識別情報LPによって記録停止指示が示されることに応じてはパーキング時標準ノイズ信号を選択し、当該パーキング時標準ノイズ信号と入力音声信号Ainとの相関計算を行う。
ところで、これまでの説明では、標準ノイズ信号は、例えば工場出荷時など所定タイミングで作業員等が手動で生成されるものとして説明したが、これをビデオカメラ装置1が自動的に生成するように構成することもできる。
また、システムコントローラ11は、記録開始/記録停止指示とは別に、HDD10に対して直接的に磁気ヘッド10Aのロード/パーキング指示を行うことが可能に構成されているとする。
その上で、次のステップS403において、外部音収音マイク1bからの入力音声信号Ain-0を入力して、例えば内部のRAM等への記録を開始する。
そして、このようにロード指示・パーキング指示を1セット行うと、ステップS406において、サンプリング回数値Nを1インクリメントする。
このようなステップS404〜S407の処理によって、所定個数のHDDノイズをサンプリングするようにされる。
その上で、次のステップS410においては、生成した標準ノイズ信号を相関計算部24aに対してセットして処理動作を終了する。
なお、この自動生成機能を先の第1の変形例にて実現する場合、図17に示したシステムコントローラ16としては、上記図22に示したステップS401〜S409と同様の処理を行って標準ノイズ信号を生成した後、それを自らにセットするようにされればよい。
先ず、この図に示すステップS501〜S508は、図22に示したステップS401〜S408と同様となるので説明は省略する。
そして、続くステップS510においては、記録された個々のパーキング時のノイズ信号を同期加算してパーキング時標準ノイズ信号を生成する。
その上で、ステップS511において、生成したロード時標準ノイズ信号とパーキング時標準ノイズ信号とを相関計算部24aに対してセットする。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば実施の形態では、標準ノイズ信号をそのまま用いて相関計算を行う場合を例示したが、間引きした標準ノイズ信号を用いて相関計算を行うものとしてもよい。これによれば、相関計算に要する演算量はより少なくすることができ、その分処理負担の軽減を図ることができる。
その場合には、それぞれ特性の異なる複数の標準ノイズ信号をセットしておき、例えば時間経過に応じてそれらの標準ノイズ信号を選択して相関計算に用いるようにすることもできる。
或いは、より正確性を期すのであれば、選択した標準ノイズ信号を用いて実際に計算された相関値に基づき、その標準ノイズ信号と実際のHDDノイズとの特性差について測定を行い、その測定の結果、選択した標準ノイズ信号と実際のHDDノイズとの特性差が所定以上である場合には別の標準ノイズ信号を選択するという手法を採ることもできる。或いは、複数の標準ノイズ信号のうち、相関値の最も高いものを選択して用いるように構成することもできる。
何れのノイズ除去手法が採られる場合にも、ノイズ除去に伴う音質の劣化は免れないものとなるので、そのような場合に実施の形態で例示したようなノイズ検出手法を採用して上述したようなノイズ除去区間(ノイズ区間)の最小限化、及びノイズ誤検出機会の削減に伴うノイズ除去機会の削減が図られることで、同様に音質劣化の防止を図ることができる。
このようにしてノイズ埋没判定のための信号分析は、少なくともノイズが生じるとされる区間内でのみ行うものとすれば、ノイズ埋没判定の判定漏れなく信号分析することと、ノイズ埋没判定のための処理負担・消費電力の削減との両立を図ることができる。
その場合、先ずノイズ発生タイミングの検出については、例えば対象とする音声信号の記録中に行われた記録開始/停止指示のタイミング情報を保持しておき、記録後に、それら保持したタイミング情報に基づき取得した各ノイズ発生予想区間内で、記録済み音声信号についてのノイズ発生タイミング検出を行うものとすればよい。そして、検出したノイズ発生タイミングに基づき、それぞれのノイズ区間の設定を行えばよい。
また、ノイズ埋没判定としては、このようにして設定されたノイズ区間内でのみ記録済み音声信号についての信号分析を行って、各ノイズ区間についてのノイズ埋没判定を行えばよい。
そして、ノイズ除去としては、記録済み音声信号について、上記のように設定されたノイズ区間のうちノイズ非埋没判定の為されたノイズ区間を対象としてのみ先に説明したような信号処理を行ってノイズ除去信号を生成し、これをそのノイズ区間の信号として挿入すればよい。
Claims (11)
- 収音手段と、上記収音手段を入力源とする音声信号を所要の記録媒体に記録する記録手段とを備えると共に、記録動作に伴い間欠的なノイズが発生する記録装置であって、
上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手段と、
上記ノイズタイミング検出手段により検出された上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。 - 上記ノイズタイミング検出手段は、
上記波形相関計算の結果得られる相関値と所定閾値とを比較した結果に基づき上記ノイズの発生タイミングを検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記基準波形信号は、複数の上記ノイズをサンプリングしてそれらを同期加算して生成されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記ノイズタイミング検出手段は、
所定情報に基づき取得されるノイズ発生予想区間内でのみ上記波形相関計算を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記記録媒体に記録されるべき音声信号が一時保持される一時保持手段と、
上記一時保持手段に保持される音声信号が上記記録手段によって上記記録媒体に間欠的に書き込まれるように制御する間欠記録制御手段とをさらに備え、
上記ノイズは、上記間欠記録制御手段の間欠記録制御に伴う上記記録手段の動作に伴って生じるものとされると共に、
上記ノイズタイミング検出手段は、
上記間欠記録制御手段による間欠記録制御に伴い発生する情報に基づき取得されるノイズ発生予想区間内でのみ上記波形相関計算を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記ノイズタイミング検出手段は、
上記基準波形信号が複数種設定されており、指示に応じて選択した上記基準波形信号と上記音声信号との波形相関計算を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記ノイズの発生部位を所定回数駆動し、それに伴い上記音声信号に重畳する所定数の上記ノイズをそれぞれサンプリングした結果に基づき上記基準波形信号を生成する基準波形信号生成手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 上記ノイズは、上記ノイズの発生部位の駆動態様によってそれぞれ異なる特性による波形が得られるものとされ、
上記基準波形信号生成手段は、
上記ノイズの発生部位をそれぞれの駆動態様によりそれぞれ所定回数駆動したときに上記音声信号に重畳するノイズをそれぞれサンプリングした結果に基づき、それら駆動態様ごとの上記基準波形信号を生成する、
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。 - 収音手段と、上記収音手段を入力源とする音声信号を所要の記録媒体に記録する記録手段とを備えると共に、記録動作に伴い間欠的なノイズが発生する記録装置において、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去方法であって、
上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手順と、
上記ノイズタイミング検出手順により検出した上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手順と、
を備えることを特徴とするノイズ除去方法。 - 音声信号に重畳する間欠的なノイズを除去するためのノイズ除去装置であって、
上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手段と、
上記ノイズタイミング検出手段により検出された上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手段と、
を備えることを特徴とするノイズ除去装置。 - 音声信号に重畳する間欠的なノイズを除去するためのノイズ除去方法であって、
上記音声信号と所定の基準波形信号との波形相関計算結果に基づき、上記ノイズの発生タイミングを検出するノイズタイミング検出手順と、
上記ノイズタイミング検出手順により検出した上記ノイズの発生タイミングに基づき設定されたノイズ区間における上記音声信号に所定の信号処理を施すことによって、上記音声信号に重畳する上記ノイズを除去するためのノイズ除去処理を行うノイズ除去手順と、
を備えることを特徴とするノイズ除去方法。
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