上述したような、従来の前記電界カーテン機構においては、前記容器内の前記現像剤の量の変化に伴って、形成画像の画質(濃度や均一性)が変化することがあり得る。このような画質変化は、前記板状部材の上の前記現像剤の搬送量の変動によって生じる。
すなわち、前記容器内の前記現像剤の量によって、前記板状部材の上にて搬送される前記現像剤の量が変動する。これにより、前記現像部に対する前記現像剤の供給量が変動する。この供給量の変動により、濃度変化や濃度ムラが発生する。
特に、前記容器内の前記現像剤の収容量(貯留量)が少なくなった場合、当該容器内の底部に貯留されている前記現像剤が、前記板状部材に良好に供給されなくなることがあり得る。このような場合、前記現像部に対する前記現像剤の供給量の不足が急速に進行することで、濃度不足や濃度ムラが急激に生じることもあり得る。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、前記現像剤の収容量(貯留量)の変化に伴う画質変化を、可及的に抑制し得る、現像剤供給装置及び画像形成装置を提供することにある。
(1)本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、現像剤供給装置と、を備えている。
前記静電潜像担持体は、潜像形成面を有している。前記潜像形成面は、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成されている。この潜像形成面は、所定の主走査方向と平行に形成されている。
前記静電潜像担持体は、前記潜像形成面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように構成されている。
前記現像剤供給装置は、前記静電潜像担持体と対向するように配置されている。この現像剤供給装置は、現像剤を帯電した状態で前記潜像形成面に供給し得るように構成されている。
本発明の画像形成装置における前記現像剤供給装置は、具体的には、現像剤収容ケーシングと、現像剤搬送体と、複数の第1搬送電極と、複数の第2搬送電極と、を備えている。
前記現像剤収容ケーシングは、箱状部材であって、前記現像剤を収容し得るように構成されている。この現像剤収容ケーシングは、天板と、その天板と対向するように設けられた底板と、を備えている。この現像剤収容ケーシングにおける前記天板の、前記静電潜像担持体と対向する位置には、開口部が形成されている。
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤主搬送面を有している。この現像剤搬送体は、前記天板における前記開口部を挟んで、前記現像剤主搬送面が前記静電潜像担持体と対向するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。
複数の前記第1搬送電極は、前記潜像形成面と対向するように、前記現像剤主搬送面に沿って設けられている。これらの第1搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第1搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤主搬送面上にて所定の現像剤主搬送方向に搬送し得るように構成されている。
複数の前記第2搬送電極は、斜面状の現像剤副搬送面に沿って、且つ前記現像剤収容ケーシングにおける前記底板に沿って設けられている。これらの第2搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第2搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤副搬送面上にて所定の現像剤副搬送方向に搬送し得るように構成されている。
ここで、本発明の画像形成装置においては、前記現像剤副搬送面は、水平面とのなす角が一定となるように、前記水平面と交差する平面状に形成されている。例えば、前記現像剤副搬送面は、水平面とのなす角が常に30度以下となるように形成され得る。
また、前記現像剤副搬送面は、例えば、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部に向かって上昇する斜面状に形成され得る。この場合、前記現像剤副搬送方向は、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の前記端部に向かって前記現像剤副搬送面上を上昇する方向となる。
かかる構成を有する本発明の画像形成装置は、画像形成の際に、以下のように動作する。
前記静電潜像担持体における前記潜像形成面に対して、電位分布による前記静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された前記潜像形成面は、前記副走査方向に沿って移動する。
一方、前記副走査方向に沿って配列された複数の前記第1搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面にて、所定の電界が形成される。この電界は、前記副走査方向に沿った前記現像剤主搬送方向に進行する、進行波状の電界として形成される。
また、前記副走査方向に沿って配列された複数の前記第2搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤副搬送面にて、所定の電界が形成される。この電界は、前記副走査方向に沿った前記現像剤副搬送方向に進行する、進行波状の電界として形成される。
前記現像剤収容ケーシング内に収容された前記現像剤は、前記現像剤副搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤副搬送方向に搬送される。この現像剤副搬送面上における前記現像剤の搬送は、所定の現像剤搬送開始領域を始点とする。
この現像剤搬送開始領域は、前記現像剤収容ケーシング内の現像剤溜まりの最上端部と前記現像剤副搬送面とが最近接する位置の近傍の領域である。ここで、前記現像剤溜まりとは、前記現像剤収容ケーシングの底部の空間内に貯留された前記現像剤の集合体をいうものとする。
また、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤主搬送方向に搬送される。そして、かかる現像剤は、互いに平行な前記潜像形成面と当該現像剤主搬送面とが対向する位置(現像位置)まで供給される。
その後、上述の現像位置を経た前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で前記現像剤主搬送方向に搬送されつつ、前記現像剤溜まりに還流する。
このようにして、前記現像剤供給装置は、前記静電潜像が形成された前記潜像形成面に対して、前記現像剤を、帯電した状態で供給する。これにより、前記静電潜像が、前記現像剤によって現像される(顕像化される)。
かかる構成の画像形成装置においては、上述の現像剤搬送開始領域における、前記現像剤溜まりの上面と前記現像剤副搬送面との角度(以下、「現像剤接触角」という。)が、ほぼ一定となり得る。
前記現像剤収容ケーシング内の前記現像剤の収容量(貯留量)が変化するのに伴って、上述の現像剤接触角が変動すると、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給状態、及び、当該現像剤搬送開始領域から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送状態が、変動する。
これに対し、本発明によれば、上述の通り、前記現像剤収容ケーシング内の前記現像剤の収容量(貯留量)の変化に伴う、前記現像剤接触角の変動が、可及的に抑制される。
これにより、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給状態、及び、当該現像剤搬送開始領域から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送状態が、安定化され得る。
よって、本発明の画像形成装置によれば、前記現像剤の収容量(貯留量)の変化に伴う画質変化が、可及的に抑制され得る。
・前記画像形成装置が、以下のように構成されていてもよい:前記第2搬送電極は、前記現像剤副搬送面及び現像剤補助搬送面に沿って設けられている。前記現像剤副搬送面の、前記現像剤副搬送方向における下流側の端部は、前記現像剤補助搬送面と接続されている。複数の前記第2搬送電極は、前記現像剤を所定の位置に向かって搬送し得るように構成されている。
ここで、前記現像剤補助搬送面は、前記現像剤収容ケーシングの前記天板の前記開口部よりも前記現像剤主搬送方向における上流側の内壁面に沿った面を少なくとも含んでいる。また、前記所定の位置とは、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部と、前記現像剤副搬送面又は前記現像剤補助搬送面とが、最近接状態にて対向する位置である。
かかる構成においては、前記現像剤副搬送面上で、前記現像剤が、前記現像剤副搬送方向に搬送される。すると、当該現像剤は、前記現像剤副搬送面よりも前記現像剤副搬送方向における下流側に位置する前記現像剤補助搬送面に達する。
その後、この現像剤は、前記現像剤補助搬送面上にて、上述の所定の位置まで搬送される。これにより、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面に達する。そして、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面で前記現像剤主搬送方向に搬送されることで、前記現像位置に供給される。
かかる構成によれば、前記現像剤副搬送面から前記現像剤主搬送面へ、前記現像剤が確実に搬送され得る。よって、前記現像剤主搬送面及び前記現像位置への前記現像剤の供給状態が、より安定化され得る。
・前記画像形成装置が、現像剤加振部をさらに備えていてもよい。
前記現像剤加振部は、前記現像剤収容ケーシング内に収容(貯留)された前記現像剤(前記現像剤溜まり)を加振し得るように構成されている。この現像剤加振部は、少なくとも前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤を加振し得るように構成されていることが好適である。
かかる構成においては、前記現像剤加振部によって、前記現像剤収容ケーシング内に貯留された前記現像剤(前記現像剤主搬送面上で搬送される前のもの)が、加振される。これにより、(好ましくは前記現像剤搬送開始領域の)前記現像剤に、良好な流動性が付与される。
かかる構成によれば、前記現像剤溜まり(前記現像剤搬送開始領域)から前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量が、前記主走査方向及び前記副走査方向について、可及的に均一化され得る。
これにより、当該現像剤溜まり(前記現像剤搬送開始領域)から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量が、前記主走査方向及び前記副走査方向について、可及的に均一化され得る。
また、前記現像剤溜まりにおける前記現像剤に対して大きな凝集力やせん断力等のストレスが与えられることが、可及的に抑制され得る。
したがって、かかる構成によれば、濃度ムラの発生が効果的に抑制され、良好な画像が形成され得る。
・前記現像剤加振部は、振動子と、振動子駆動部、とを備えていてもよい。
ここで、前記振動子は、前記現像剤副搬送面から離隔するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。この振動子は、前記現像剤収容ケーシングによって揺動自在に支持されている。
また、前記振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側から前記振動子を加振し得るように構成されている。この振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側に配置されている。
かかる構成においては、前記振動子と、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体とが、離隔した状態で、当該振動子が振動する。よって、当該振動子にて生じている振動は、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体には、直接的には伝達されない。
したがって、かかる構成によれば、前記静電潜像担持体における前記潜像形成面と、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面との、所定の位置関係が、前記振動子の振動によって変動することが、可及的に抑制され得る。
これにより、前記静電潜像の現像に対する悪影響を可及的に抑制しつつ、前記現像剤を良好に流動化させて前記現像剤主搬送面及び前記現像剤副搬送面における前記現像剤の搬送状態を均一化させることができる。
(2)本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、現像剤供給装置と、を備えている。前記静電潜像担持体は、上述の(1)に記載されているものと同様に構成されている。
前記現像剤供給装置は、前記静電潜像担持体と対向するように配置されている。この現像剤供給装置は、現像剤を帯電した状態で前記潜像形成面に供給し得るように構成されている。
具体的には、この現像剤供給装置は、現像剤収容ケーシングと、現像剤搬送体と、複数の第1搬送電極と、複数の第2搬送電極と、を備えている。
前記現像剤収容ケーシングは、箱状部材であって、前記現像剤を収容し得るように構成されている。この現像剤収容ケーシングは、天板と、その天板と対向するように設けられた底板と、を備えている。この現像剤収容ケーシングにおける前記天板の、前記静電潜像担持体と対向する位置には、開口部が形成されている。
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤主搬送面を有している。この現像剤搬送体は、前記天板における前記開口部を挟んで、前記現像剤主搬送面が前記静電潜像担持体と対向するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。
複数の前記第1搬送電極は、前記潜像形成面と対向するように、前記現像剤主搬送面に沿って設けられている。これらの第1搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第1搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤主搬送面上にて所定の現像剤主搬送方向に搬送し得るように構成されている。
複数の前記第2搬送電極は、斜面状の現像剤副搬送面に沿って設けられている。これらの第2搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第2搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤副搬送面上にて所定の現像剤副搬送方向に搬送し得るように構成されている。
ここで、本発明の画像形成装置においては、前記現像剤副搬送面は、前記現像剤収容ケーシングにおける前記底板の上面に沿った面であって、水平面とのなす角が常に30度以下となるように形成されている。
前記現像剤副搬送面は、例えば、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部に向かって上昇する斜面状に形成され得る。この場合、前記現像剤副搬送方向は、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の前記端部に向かって前記現像剤副搬送面上を上昇する方向となる。
かかる構成を有する本発明の画像形成装置は、画像形成の際に、以下のように動作する。
前記潜像形成面に、前記静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された前記潜像形成面は、前記副走査方向に沿って移動する。
一方、前記副走査方向に沿って配列された複数の前記第1搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面にて、前記現像剤主搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。
また、前記副走査方向に沿って配列された複数の前記第2搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤副搬送面にて、前記現像剤副搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。
前記現像剤収容ケーシング内に収容された前記現像剤は、所定の現像剤搬送開始領域を始点として、上述の進行波状の電界により、前記現像剤副搬送面上で、前記現像剤副搬送方向に搬送される。
ここで、前記現像剤搬送開始領域は、前記現像剤収容ケーシング内の現像剤溜まりの最上端部と前記現像剤副搬送面とが最近接する位置の近傍の領域である。また、前記現像剤溜まりは、前記現像剤収容ケーシングの底部の空間内に貯留された前記現像剤の集合体である。
そして、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤主搬送方向に搬送される。かかる現像剤は、互いに平行な前記潜像形成面と当該現像剤主搬送面とが対向する位置(現像位置)まで供給される。
その後、上述の現像位置を経た前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で前記現像剤主搬送方向に搬送されつつ、前記現像剤溜まりに還流する。
かかる構成の画像形成装置においては、上述の現像剤搬送開始領域における、前記現像剤溜まりの上面と前記現像剤副搬送面との角度(以下、「現像剤接触角」という。)が、常に30度以下となる。よって、上述の進行波状の電界の影響が、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤の大部分に及ぼされ得る。
したがって、かかる構成によれば、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量が、可及的に多くされ得る。これにより、前記現像剤搬送開始領域から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量、及び前記現像剤主搬送面上における前記現像剤の搬送量が、可及的に確保され得る。
よって、本発明の画像形成装置によれば、画質変化の発生が、可及的に抑制され得る。
・前記画像形成装置が、以下のように構成されていてもよい:前記第2搬送電極は、前記現像剤副搬送面及び現像剤補助搬送面に沿って設けられている。前記現像剤副搬送面の、前記現像剤副搬送方向における下流側の端部は、前記現像剤補助搬送面と接続されている。複数の前記第2搬送電極は、前記現像剤を所定の位置に向かって搬送し得るように構成されている。
ここで、前記現像剤補助搬送面は、前記現像剤収容ケーシングの前記天板の前記開口部よりも前記現像剤主搬送方向における上流側の内壁面に沿った面を少なくとも含んでいる。また、前記所定の位置とは、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部と、前記現像剤副搬送面又は前記現像剤補助搬送面とが、最近接状態にて対向する位置である。
かかる構成によれば、前記現像剤補助搬送面を仲介することで、前記現像剤副搬送面から前記現像剤主搬送面への、前記現像剤の搬送が確実に行われ得る。よって、前記現像剤主搬送面及び前記現像位置への前記現像剤の供給状態が、より安定化され得る。
・前記画像形成装置が、現像剤加振部をさらに備えていてもよい。この現像剤加振部は、前記現像剤収容ケーシング内に収容(貯留)された前記現像剤(前記現像剤溜まり)を加振し得るように構成されている。ここで、前記現像剤加振部は、少なくとも前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤を加振し得るように構成されていることが好適である。
かかる構成においては、前記現像剤加振部によって、前記現像剤収容ケーシング内に貯留された、前記現像剤主搬送面上で搬送される前の前記現像剤が、加振される。これにより、(好ましくは前記現像剤搬送開始領域の)前記現像剤に、良好な流動性が付与される。
かかる構成によれば、前記現像剤溜まり(前記現像剤搬送開始領域)から前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量、及び、当該現像剤溜まり(前記現像剤搬送開始領域)から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量が、前記主走査方向及び前記副走査方向について、可及的に均一化され得る。また、前記現像剤溜まりにおける前記現像剤に対して大きな凝集力やせん断力等のストレスが与えられることが、可及的に抑制され得る。したがって、濃度ムラの発生が効果的に抑制され、良好な画像が形成され得る。
・前記現像剤加振部は、振動子と、振動子駆動部、とを備えていてもよい。
ここで、前記振動子は、前記現像剤副搬送面から離隔するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。この振動子は、前記現像剤収容ケーシングによって揺動自在に支持されている。
また、前記振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側から前記振動子を加振し得るように構成されている。この振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側に配置されている。
かかる構成においては、振動している前記振動子と、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体とが、離隔している。よって、前記静電潜像担持体における前記潜像形成面と、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面との、所定の位置関係が、前記振動子の振動によって変動することが、可及的に抑制され得る。
したがって、かかる構成によれば、前記静電潜像の現像に対する悪影響を可及的に抑制しつつ、前記現像剤を良好に流動化させて前記現像剤主搬送面及び前記現像剤副搬送面における前記現像剤の搬送状態を均一化させることができる。
(3)本発明の現像剤供給装置は、現像剤担持体における現像剤担持面に対して、現像剤を帯電した状態で所定の現像剤搬送方向に沿って供給し得るように構成されている。ここで、前記現像剤担持面は、所定の主走査方向と平行な面であって、前記現像剤が担持され得る面である。
前記現像剤担持体は、前記現像剤担持面を有するとともに、当該現像剤担持面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように構成されている。
前記現像剤担持体としては、例えば、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成された潜像形成面を有する静電潜像担持体が用いられ得る。
あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記副走査方向に沿って搬送される記録媒体(用紙)が用いられ得る。
あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記記録媒体や前記静電潜像担持体と対向することで当該記録媒体や当該静電潜像担持体上に前記現像剤を転写し得るように構成・配置された、ローラ、スリーブ、又はベルト状の部材(現像ローラ、現像スリーブ、中間転写ベルト等)が用いられ得る。
本発明の現像剤供給装置は、現像剤収容ケーシングと、現像剤搬送体と、複数の搬送電極と、を備えている。
前記現像剤収容ケーシングは、箱状部材であって、前記現像剤を収容し得るように構成されている。この現像剤収容ケーシングは、天板と、その天板と対向するように設けられた底板と、を備えている。この現像剤収容ケーシングにおける前記天板の、前記現像剤担持体と対向する位置には、開口部が形成されている。
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤主搬送面を有している。この現像剤搬送体は、前記天板における前記開口部を挟んで、前記現像剤主搬送面が前記現像剤担持体と対向するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。
複数の前記第1搬送電極は、前記現像剤担持面と対向するように、前記現像剤主搬送面に沿って設けられている。これらの第1搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第1搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤主搬送面上にて所定の現像剤主搬送方向に搬送し得るように構成されている。
複数の前記第2搬送電極は、斜面状の現像剤副搬送面に沿って、且つ前記現像剤収容ケーシングにおける前記底板に沿って設けられている。これらの第2搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第2搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤副搬送面上にて所定の現像剤副搬送方向に搬送し得るように構成されている。
ここで、本発明の現像剤供給装置においては、前記現像剤副搬送面は、水平面とのなす角が一定となるように、前記水平面と交差する平面状に形成されている。例えば、前記現像剤副搬送面は、水平面とのなす角が常に30度以下となるように形成され得る。
また、前記現像剤副搬送面は、例えば、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部に向かって上昇する斜面状に形成され得る。この場合、前記現像剤副搬送方向は、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の前記端部に向かって前記現像剤副搬送面上を上昇する方向となる。
かかる構成を有する本発明の現像剤供給装置は、以下のように動作する。
前記現像剤担持体における前記現像剤担持面は、前記副走査方向に沿って移動する。
一方、前記副走査方向に沿って配列された複数の前記第1搬送電極及び複数の前記第2搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。
これにより、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面にて、前記副走査方向に沿った前記現像剤主搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。また、前記現像剤副搬送面にて、前記副走査方向に沿った前記現像剤副搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。
前記現像剤収容ケーシング内に収容された前記現像剤は、現像剤溜まりにおける所定の現像剤搬送開始領域を始点として、前記現像剤副搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤副搬送方向に搬送される。
ここで、前記現像剤溜まりは、前記現像剤収容ケーシングの底部の空間内に貯留された前記現像剤の集合体である。また、前記現像剤搬送開始領域は、前記現像剤収容ケーシング内の前記現像剤溜まりの最上端部と前記現像剤副搬送面とが最近接する位置の近傍の領域である。)
かかる構成においては、上述の現像剤搬送開始領域における、前記現像剤溜まりの上面と前記現像剤副搬送面との角度(以下、「現像剤接触角」という。)が、ほぼ一定となり得る。
すなわち、かかる構成においては、前記現像剤収容ケーシング内の前記現像剤の収容量(貯留量)の変動に伴う、前記現像剤接触角の変動が、可及的に抑制される。
これにより、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給状態、及び、当該現像剤搬送開始領域から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送状態が、安定化され得る。
その後、前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤主搬送方向に搬送される。そして、かかる現像剤は、互いに平行な前記現像剤担持面と当該現像剤主搬送面とが対向する位置(現像剤担持位置)まで供給される。これにより、当該現像剤担持位置にて、前記現像剤担持面上に、前記現像剤が担持される。
上述の現像剤担持位置を経た前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で前記現像剤主搬送方向に搬送されつつ、前記現像剤溜まりに還流する。
上述のように、本発明の現像剤供給装置によれば、前記現像剤の収容量(貯留量)の変化に伴う当該現像剤の搬送量の変化が、可及的に抑制され得る。
・前記現像剤供給装置が、以下のように構成されていてもよい:前記第2搬送電極は、前記現像剤副搬送面及び現像剤補助搬送面に沿って設けられている。前記現像剤副搬送面の、前記現像剤副搬送方向における下流側の端部は、前記現像剤補助搬送面と接続されている。複数の前記第2搬送電極は、前記現像剤を所定の位置に向かって搬送し得るように構成されている。
ここで、前記現像剤補助搬送面は、前記現像剤収容ケーシングの前記天板の前記開口部よりも前記現像剤主搬送方向における上流側の内壁面に沿った面を少なくとも含んでいる。また、前記所定の位置とは、前記現像剤主搬送面の前記端部と前記現像剤副搬送面又は前記現像剤補助搬送面とが最近接状態にて対向する位置である。
かかる構成においては、前記現像剤副搬送面上で前記現像剤が前記現像剤副搬送方向に搬送されると、当該現像剤は、前記現像剤補助搬送面に達する。その後、この現像剤は、前記現像剤補助搬送面上にて、上述の所定の位置まで搬送される。
これにより、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面に達する。そして、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面で前記現像剤主搬送方向に搬送されることで、前記現像剤担持位置に供給される。
かかる構成によれば、前記現像剤副搬送面から前記現像剤主搬送面へ、前記現像剤が確実に搬送され得る。よって、前記現像剤主搬送面及び前記現像剤担持位置への前記現像剤の供給状態が、より安定化され得る。
・前記現像剤供給装置が、現像剤加振部をさらに備えていてもよい。ここで、前記現像剤加振部は、前記現像剤収容ケーシング内に収容(貯留)された前記現像剤(前記現像剤溜まり)を加振し得るように構成されている。この現像剤加振部は、少なくとも前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤を加振し得るように構成されていることが好適である。
かかる構成においては、前記現像剤収容ケーシング内に貯留された前記現像剤が、前記現像剤加振部によって加振される。これにより、前記現像剤に、良好な流動性が付与される。
かかる構成によれば、前記現像剤溜まり(前記現像剤搬送開始領域)から前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量が、前記主走査方向及び前記副走査方向について、可及的に均一化され得る。これにより、当該現像剤溜まりから前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量が、可及的に均一化され得る。
また、前記現像剤溜まりにおける前記現像剤に対して大きな凝集力やせん断力等のストレスが与えられることが、可及的に抑制され得る。
・前記現像剤加振部は、振動子と、振動子駆動部、とを備えていてもよい。
ここで、前記振動子は、前記現像剤副搬送面から離隔するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。この振動子は、前記現像剤収容ケーシングによって揺動自在に支持されている。
また、前記振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側から前記振動子を加振し得るように構成されている。この振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側に配置されている。
かかる構成においては、前記振動子と、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体とが、離隔した状態で、当該振動子が振動する。よって、当該振動子にて生じている振動は、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体には、直接的には伝達されない。
したがって、かかる構成によれば、前記現像剤担持体における前記現像剤担持面と、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面との、所定の位置関係が、前記振動子の振動によって変動することが、可及的に抑制され得る。
(4)本発明の現像剤供給装置は、現像剤担持体における現像剤担持面に対して、現像剤を帯電した状態で所定の現像剤搬送方向に沿って供給し得るように構成されている。ここで、前記現像剤担持面は、所定の主走査方向と平行な面であって、前記現像剤が担持され得る面である。
前記現像剤担持体は、前記現像剤担持面を有するとともに、当該現像剤担持面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように構成されている。
前記現像剤担持体としては、例えば、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成された潜像形成面を有する静電潜像担持体が用いられ得る。
あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記副走査方向に沿って搬送される記録媒体(用紙)が用いられ得る。
あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記記録媒体や前記静電潜像担持体と対向することで当該記録媒体や当該静電潜像担持体上に前記現像剤を転写し得るように構成・配置された、ローラ、スリーブ、又はベルト状の部材(現像ローラ、現像スリーブ、中間転写ベルト等)が用いられ得る。
本発明の現像剤供給装置は、現像剤収容ケーシングと、現像剤搬送体と、複数の搬送電極と、を備えている。
前記現像剤収容ケーシングは、箱状部材であって、前記現像剤を収容し得るように構成されている。この現像剤収容ケーシングは、天板と、その天板と対向するように設けられた底板と、を備えている。この現像剤収容ケーシングにおける前記天板の、前記現像剤担持体と対向する位置には、開口部が形成されている。
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤主搬送面を有している。この現像剤搬送体は、前記天板における前記開口部を挟んで、前記現像剤主搬送面が前記現像剤担持体と対向するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。
複数の前記第1搬送電極は、前記現像剤担持面と対向するように、前記現像剤主搬送面に沿って設けられている。これらの第1搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第1搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤主搬送面上にて所定の現像剤主搬送方向に搬送し得るように構成されている。
複数の前記第2搬送電極は、斜面状の現像剤副搬送面に沿って設けられている。ここで、前記現像剤副搬送面は、前記現像剤収容ケーシングにおける前記底板の上面に沿った面であって、水平面とのなす角が常に30度以下となるように形成されている。
これらの第2搬送電極は、前記副走査方向に沿って配列されている。そして、これらの第2搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を前記現像剤副搬送面上にて所定の現像剤副搬送方向に搬送し得るように構成されている。
前記現像剤副搬送面は、例えば、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の端部に向かって上昇する斜面状に形成され得る。この場合、前記現像剤副搬送方向は、前記現像剤主搬送面の前記現像剤主搬送方向における上流側の前記端部に向かって前記現像剤副搬送面上を上昇する方向となる。
かかる構成を有する本発明の現像剤供給装置は、以下のように動作する。
前記現像剤担持体における前記現像剤担持面は、前記副走査方向に沿って移動する。
一方、複数の前記第1搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面にて、前記現像剤主搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。
また、複数の前記第2搬送電極に対して、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、前記現像剤副搬送面にて、前記現像剤副搬送方向に進行する進行波状の電界が形成される。
前記現像剤収容ケーシング内の前記現像剤は、所定の現像剤搬送開始領域を始点として、上述の進行波状の電界により、前記現像剤副搬送面上で、前記現像剤副搬送方向に搬送される。
ここで、前記現像剤搬送開始領域は、前記現像剤収容ケーシング内の現像剤溜まりの最上端部と前記現像剤副搬送面とが最近接する位置の近傍の領域である。また、前記現像剤溜まりは、前記現像剤収容ケーシングの底部の空間内に貯留された前記現像剤の集合体である。
前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で、上述の進行波状の電界により、前記現像剤主搬送方向に搬送される。そして、かかる現像剤は、互いに平行な前記現像剤担持面と当該現像剤主搬送面とが対向する位置(現像剤担持位置)まで供給される。その後、上述の現像剤担持位置を経た前記現像剤は、前記現像剤主搬送面上で前記現像剤主搬送方向に搬送されつつ、前記現像剤溜まりに還流する。
かかる構成においては、上述の現像剤搬送開始領域における、前記現像剤溜まりの上面と前記現像剤副搬送面との角度(以下、「現像剤接触角」という。)が、常に30度以下となる。よって、上述の進行波状の電界の影響が、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤の大部分に及ぼされ得る。
これにより、前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量が、可及的に多くされ得る。よって、前記現像剤搬送開始領域から前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量、及び前記現像剤主搬送面上における前記現像剤の搬送量が、可及的に確保され得る。
したがって、本発明の現像剤供給装置によれば、前記現像剤の搬送量不足の発生が、可及的に抑制され得る。
・前記現像剤供給装置が、以下のように構成されていてもよい:前記第2搬送電極は、前記現像剤副搬送面及び現像剤補助搬送面に沿って設けられている。前記現像剤副搬送面の、前記現像剤副搬送方向における下流側の端部は、前記現像剤補助搬送面と接続されている。複数の前記第2搬送電極は、前記現像剤を所定の位置に向かって搬送し得るように構成されている。
ここで、前記現像剤補助搬送面は、前記現像剤収容ケーシングの前記天板の前記開口部よりも前記現像剤主搬送方向における上流側の内壁面に沿った面を少なくとも含んでいる。また、前記所定の位置とは、前記現像剤主搬送面の前記端部と前記現像剤副搬送面又は前記現像剤補助搬送面とが最近接状態にて対向する位置である。
かかる構成においては、前記現像剤副搬送面上で前記現像剤が前記現像剤副搬送方向に搬送されると、当該現像剤は、前記現像剤補助搬送面に達する。その後、この現像剤は、前記現像剤補助搬送面上にて、上述の所定の位置まで搬送される。
これにより、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面に達する。そして、当該現像剤は、前記現像剤主搬送面で前記現像剤主搬送方向に搬送されることで、前記現像剤担持位置に供給される。
かかる構成によれば、前記現像剤副搬送面から前記現像剤主搬送面へ、前記現像剤が確実に搬送され得る。よって、前記現像剤主搬送面及び前記現像剤担持位置への前記現像剤の供給状態が、より安定化され得る。
・前記現像剤供給装置が、現像剤加振部をさらに備えていてもよい。ここで、前記現像剤加振部は、前記現像剤収容ケーシング内に収容(貯留)された前記現像剤(前記現像剤溜まり)を加振し得るように構成されている。この現像剤加振部は、少なくとも前記現像剤搬送開始領域における前記現像剤を加振し得るように構成されていることが好適である。
かかる構成においては、前記現像剤収容ケーシング内に貯留された前記現像剤が前記現像剤加振部によって加振されことで、当該現像剤に良好な流動性が付与される。このとき、前記現像剤溜まりにおける前記現像剤に対して大きな凝集力やせん断力等のストレスが与えられることが、可及的に抑制され得る。
かかる構成によれば、前記現像剤副搬送面への前記現像剤の供給量が、前記主走査方向及び前記副走査方向について、可及的に均一化され得る。これにより、当該現像剤溜まりから前記現像剤副搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送量が、可及的に均一化され得る。
・前記現像剤加振部は、振動子と、振動子駆動部、とを備えていてもよい。
ここで、前記振動子は、前記現像剤副搬送面から離隔するように、前記現像剤収容ケーシング内に配置されている。この振動子は、前記現像剤収容ケーシングによって揺動自在に支持されている。
また、前記振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側から前記振動子を加振し得るように構成されている。この振動子駆動部は、前記現像剤収容ケーシングの外側に配置されている。
かかる構成においては、前記振動子と、前記現像剤収容ケーシング及び前記現像剤搬送体とが、離隔した状態で、当該振動子が振動する。よって、前記現像剤担持体における前記現像剤担持面と、前記現像剤搬送体における前記現像剤主搬送面との、所定の位置関係が、前記振動子の振動によって変動することが、可及的に抑制され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
<レーザープリンタの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用されているレーザープリンタ100の概略構成を示す側断面図である。
本実施形態におけるレーザープリンタ100は、シート状の用紙(paper)Pを画像形成対象ないし記録媒体とするものである。そして、本実施形態におけるレーザープリンタ100は、用紙P上に単色(例えば黒色)の画像を形成し得るように構成されている。
ここで、図1においては、用紙Pの搬送経路である用紙搬送経路PPが、2点鎖線で示されている。そして、この用紙搬送経路PPの接線方向を、用紙搬送方向と称する。
また、図中x軸方向を、前後方向と称する。この前後方向における、レーザープリンタ100の一端側(図中右側)を、「前」側と称する。これに対し、レーザープリンタ100の前記一端側と反対の他端側(図中左側)を、「後ろ」側と称する。
さらに、レーザープリンタ100の高さ方向(図中y軸方向)、前記用紙搬送方向、及び前記前後方向と直交する方向を、用紙幅方向(図中z軸方向)とする。
<<本体部>>
図1を参照すると、本発明の画像形成装置としてのレーザープリンタ100は、本体ケーシング112を備えている。この本体ケーシング112は、レーザープリンタ100の外側カバーを構成する部材であり、合成樹脂板により一体に形成されている。
本体ケーシング112の上部における前側には、スリット状の貫通孔からなる排紙口(paper ejection port)112aが形成されている。
本体ケーシング112の上部における前側であって、排紙口112aに対応する位置には、排紙トレイ(catch tray)114が装着されている。この排紙トレイ114は、排紙口112aから排出された、画像形成済みの用紙Pを受け止め得るように構成されている。
<<静電潜像形成部>>
本体ケーシング112の内部には、静電潜像形成部120が収容されている。この静電潜像形成部120は、本発明の静電潜像担持体及び現像剤担持体としての感光体ドラム121を備えている。
感光体ドラム121は、略円筒形状の部材である。この感光体ドラム121の回転中心軸は、前記用紙幅方向と平行となるように配置されている。この感光体ドラム121は、図中時計回りに回転駆動され得るように構成されている。
具体的には、感光体ドラム121は、ドラム本体121aと、感光体層121bと、から構成されている。
ドラム本体121aは、アルミニウム合金等の金属管から構成されている。感光体層121bは、ドラム本体121aの外周に形成されている。
感光体層121bは、正帯電性の光導電層から構成されている。すなわち、感光体層121bは、所定の波長帯域の光の照射によって、正孔をキャリアとする電気伝導性を示す物質から構成されている。
感光体ドラム121は、本発明の潜像形成面及び現像剤担持面としての像担持面121b1を有している。
像担持面121b1は、感光体層121bの周面によって構成されている。この像担持面121b1は、前記用紙幅方向及び後述する前記主走査方向と平行となるように形成されている。この像担持面121b1は、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成されている。
そして、感光体ドラム121は、像担持面121b1が後述の副走査方向(後述の主走査方向と直交する方向)に沿って移動し得るように構成されている。
また、静電潜像形成部120は、スキャナユニット122と、帯電器123と、を備えている。
スキャナユニット122は、レーザービームLBを生成し得るように構成されている。このレーザービームLBは、上述の感光体層121bが電気伝導性を示す前記所定の波長帯域に包含される波長帯域を有していて、画像情報に基づいて変調されている。
また、スキャナユニット122は、このレーザービームLBを、主走査方向に沿って走査し得るように構成されている。ここで、主走査方向とは、前記用紙幅方向と平行な方向(図中z軸方向)である。
すなわち、スキャナユニット122は、所定のスキャン位置SPにて、上述のレーザービームLBを、前記主走査方向に沿って走査しつつ、像担持面121b1に照射し得るように、構成及び配置されている。
帯電器123は、スキャン位置SPよりも、像担持面121b1の移動方向(感光体ドラム121の回転方向)における上流側に配置されている。この帯電器123は、スキャン位置SPよりも前記方向における上流側の像担持面121b1を一様に正帯電させ得るように、構成及び配置されている。
静電潜像形成部120は、帯電器123によって一様に正帯電させられた像担持面121b1に対して、スキャナユニット122によってレーザービームLBを照射することで、電位分布(電荷分布)による静電潜像を像担持面121b1に形成し得るように構成されている。
また、静電潜像形成部120は、静電潜像が形成された像担持面121b1を、副走査方向に沿って移動させ得るように構成されている。
ここで、「副走査方向」とは、前記主走査方向と直交する任意の方向である。通常、前記副走査方向は、鉛直線と交差する方向とされる。典型的には、前記副走査方向は、レーザープリンタ100の前記前後方向(図中x軸方向)に沿った方向とされることがある。
<<現像装置>>
本体ケーシング112の内部には、本発明の現像剤供給装置としての現像装置130が収容されている。現像装置130は、感光体ドラム121と、現像位置DP(現像剤担持位置)にて対向するように配置されている。
現像装置130の内部には、トナー収容領域130aが形成されている。このトナー収容領域130aは、微粒子状の乾式現像剤(粉体現像剤)であるトナーTを収容(貯留)し得る空間である。
レーザープリンタ100の非動作時において、トナーTは、トナー収容領域130aの底部に貯留されている。このトナー収容領域130aの底部に貯留されたトナーTの集合体を、以下「トナー溜まりTP」と称する。
現像装置130は、図中矢印で示されているように、トナーTを、トナー主搬送方向TTD1及びトナー副搬送方向TTD2に沿って搬送し得るように構成されている。
ここで、本発明の現像剤主搬送方向としての、トナー主搬送方向TTD1は、後述するトナー主搬送面133a上におけるトナーTの搬送方向である。
このトナー主搬送方向TTD1は、上方から見た場合(図中y軸方向と平行な方向で見た場合)に、前記副走査方向(図中x軸方向)とほぼ平行となるように設定されている(なお、トナー主搬送方向TTD1は、部分的に、前記高さ方向(図中y軸方向)と平行となり得る。)。
また、本発明の現像剤副搬送方向としての、トナー副搬送方向TTD2は、後述するトナー副搬送面135a上におけるトナーTの搬送方向である。
このトナー副搬送方向TTD2も、上方から見た場合に、前記副走査方向(図中x軸方向)とほぼ平行となるように設定されている(なお、トナー副搬送方向TTD2も、部分的に、前記高さ方向(図中y軸方向)と平行となり得る。)。
そして、現像装置130は、トナーTを、側断面視にて略オーバル(長円)形状に形成された循環搬送経路に沿って循環させつつ搬送し得るように構成されている。すなわち、トナー主搬送方向TTD1及びトナー副搬送方向TTD2は、側断面視にて、上述の循環搬送経路の任意の点における接線方向である。
現像装置130は、現像位置DPの近傍にて、トナーTを、帯電した状態で、静電潜像が形成された像担持面121b1に供給し得るように、以下のように構成及び配置されている。
なお、本実施形態におけるトナーTは、電子写真方式における非磁性1成分現像用のものが用いられている。
図2は、図1に示されている静電潜像形成部120及び現像装置130を拡大した側断面図である。
図1及び図2を参照すると、現像装置130は、感光体ドラム121の下方に配置されている。この現像装置130は、スキャン位置SPよりも像担持面121b1の移動方向における下流側の像担持面121b1と対向するように設けられている。
<<<現像ケーシング>>>
図1及び図2を参照すると、本発明の現像剤収容ケーシングとしての現像ケーシング131は、箱状部材であって、トナーTを貯留し得るように構成されている。すなわち、上述のトナー溜まりTPは、現像ケーシング131内に形成されたトナー収容領域130aの底部に収容されている。
本発明の現像剤収容ケーシングにおける天板としての、ケーシング上面カバー131aは、側断面視にて略J字状の形状に形成されている。このケーシング上面カバー131aにおける後ろ側の部分である、現像部対向板131a1は、その他の部分よりも厚さが薄くなっている。
現像部対向板131a1は、感光体ドラム121の下方に位置する平板部と、その平板部の後端に接続された半円筒部と、から構成されている。
現像部対向板131a1における上述の平板部には、本発明の開口部としての現像開口部131a2が形成されている。この現像開口部131a2は、現像部対向板131a1における、像担持面121b1と対向する位置にて、上述の現像位置DPを囲むように設けられている。
本発明の現像剤収容ケーシングにおける底板としての、ケーシング底板131bは、ケーシング上面カバー131aと対向するように設けられている。このケーシング底板131bは、現像部対向板131a1と同一の厚さの平板状の部材から構成されている。
ケーシング底板131bは、水平面とのなす角が、一定かつ30度以下となるように傾斜した状態で設けられている。すなわち、ケーシング底板131bの図中上側の面が、前側から後ろ側に向かって上っていくような、なだらかな斜面を形成するように、ケーシング底板131bが配置されている。
ケーシング底板131bの、後ろ側の端部は、ケーシング上面カバー131aにおける上述の半円筒部の下端に接続されている。すなわち、ケーシング底板131bと、ケーシング上面カバー131aとは、現像ケーシング131の後ろ側の端部にて滑らかに接続するように、一体に形成されている。
ケーシング上面カバー131a及びケーシング底板131bの、前記用紙幅方向における両端は、一対のケーシング側板131cによって閉塞されている。
また、ケーシング上面カバー131a、ケーシング底板131b、及び一対のケーシング側板131cの、前側の端は、ケーシング前部閉塞板131dによって閉塞されている。
すなわち、ケーシング上面カバー131a、ケーシング底板131b、一対のケーシング側板131c、及びケーシング前部閉塞板131dで囲まれた空間によって、上述のトナー収容領域130aが構成されている。
<<<トナー電界搬送体>>>
図2を参照すると、現像ケーシング131の内側には、本発明の現像剤搬送体としてのトナー電界搬送体132が収容されている。すなわち、トナー電界搬送体132は、現像ケーシング131によって覆われている。
トナー電界搬送体132は、現像開口部131a2を挟んで、像担持面121b1と対向するように、現像ケーシング131の内側の空間における後ろ側に配置されている。すなわち、感光体ドラム121と、トナー電界搬送体132(上述のトナー主搬送面133a)とが、現像開口部131a2を挟んで対向するように、トナー電界搬送体132が設けられている。
トナー電界搬送体132は、現像部対向板131a1と所定の間隙を隔てて対向しつつ、ケーシング底板131bから浮いた状態となるように、その両端が一対のケーシング側板131cによって支持されている。
<<<<搬送配線基板>>>>
図3は、図2に示されているトナー電界搬送体132における、現像開口部131a2の近傍の部分を拡大した側断面図である。
図2及び図3を参照すると、トナー電界搬送体132は、搬送配線基板133を備えている。搬送配線基板133は、現像開口部131a2を挟んで、像担持面121b1と対向するように配置されている。
搬送配線基板133の図中上側の表面である、上述のトナー主搬送面133aは、側方視にて逆U字状に形成されている。すなわち、トナー主搬送面133aの後ろ側の端部は、現像ケーシング131におけるケーシング上面カバー131aに沿って下方に屈曲するように形成されている。
また、トナー主搬送面133aの前側の端部も、後ろ側の端部と同様の形状で、下方に屈曲するように形成されている。そして、トナー主搬送面133aの、上述の両端部の間の部分は、略平面状に形成されている。
本発明の現像剤主搬送面としてのトナー主搬送面133aは、前記主走査方向(図中z方向)と平行に形成されている。また、トナー主搬送面133aは、感光体ドラム121における像担持面121b1と対向するように設けられている。トナー主搬送面133aと像担持面121b1とは、現像位置DPにて最も近接するようになっている。
図3を参照すると、搬送配線基板133は、フレキシブルプリント配線基板と同様の構成を有している。すなわち、搬送配線基板133は、本発明の第1搬送電極としての複数の搬送電極133bを備えている。
これらの搬送電極133bは、トナー主搬送面133aに沿って配置されている。すなわち、搬送電極133bは、トナー主搬送面133aの近傍に配置されている。
搬送電極133bは、厚さが数十μm程度の銅箔からなる。この搬送電極133bは、前記主走査方向と平行な(前記副走査方向と直交する)長手方向を有する線状の配線パターンとして形成されている。
複数の搬送電極133bは、互いに平行に配置されている。そして、これらの搬送電極133bは、トナー主搬送方向TTD1に沿って(前記副走査方向に沿って)配列されている。
前記副走査方向に沿って多数配列された各搬送電極133bは、3本置きに同一の電源回路に接続されている。
すなわち、電源回路VAに接続された搬送電極133b,電源回路VBに接続された搬送電極133b,電源回路VCに接続された搬送電極133b,電源回路VDに接続された搬送電極133b,電源回路VAに接続された搬送電極133b,電源回路VBに接続された搬送電極133b・・・が、前記副走査方向に沿って順に配列されている。
搬送配線基板133は、また、搬送電極支持基板133cと、搬送電極コーティング層133dと、を備えている。
搬送電極支持基板133cは、可撓性のフィルムであって、ポリイミド樹脂等の絶縁性の合成樹脂から構成されている。この搬送電極支持基板133cの上側表面上に、搬送電極133bが設けられている。
搬送電極支持基板133cにおける、搬送電極133bが形成されている上側表面上には、搬送電極コーティング層133dが設けられている。搬送電極コーティング層133dは、搬送電極133bを覆うように設けられている。
搬送電極コーティング層133dは、搬送電極支持基板133c及び搬送電極133bを覆うことで、トナー主搬送面133aを平滑な面として形成するように設けられている。
図2及び図3を参照すると、トナー電界搬送体132は、搬送基板支持部材134を備えている。搬送基板支持部材134は、搬送配線基板133を下側から支持するように設けられている。
図2を参照すると、搬送基板支持部材134の、後ろ側の端部は、現像ケーシング131におけるケーシング上面カバー131aに沿って下方に屈曲するように形成されている。搬送基板支持部材134の、前側の端部も、後ろ側の端部と同様の形状で、下方に屈曲するように形成されている。搬送基板支持部材134の、上述の両端部の間の部分は、略平板状に形成されている。
すなわち、搬送基板支持部材134は、側方視にて逆U字状に形成されている。そして、この搬送基板支持部材134によって、搬送配線基板133は、側方視にて逆U字状に屈曲した状態で支持されている。
図4は、図3に示されている電源回路VAないしVDが発生する電圧の波形を示したグラフである。図4に示されているように、各電源回路VAないしVDは、ほぼ同一波形の交流電圧を発生させるように構成されている。
ここで、各電源回路VAないしVDが発生する電圧の波形は、位相が90°ずつ異なっている。すなわち、電源回路VAから電源回路VDに向かう順に、電圧の位相が90°ずつ遅れるように、各電源回路VAないしVDが後述する制御部180によって制御されている。
図2及び図3を参照すると、トナー電界搬送体132は、搬送配線基板133における各搬送電極133bに対して、図4に示されているような搬送電圧が印加されて、トナー主搬送方向TTD1に沿った進行波状の電界が発生することで、正帯電したトナーTをトナー主搬送方向TTD1に搬送し得るように構成されている。
<<<<対向配線基板>>>>
図1及び図2を参照すると、上述のように、ケーシング上面カバー131aの内側面であって、現像部対向板131a1に対応する位置には、凹部が形成されている。この凹部に嵌め合わされるように、現像ケーシング131の内壁面には、対向配線基板135が装着されている。
すなわち、対向配線基板135は、トナー主搬送面133aと所定の空隙を挟んで対向するように、現像部対向板131a1の内壁面によって支持されている。
また、本実施形態においては、対向配線基板135は、ケーシング底板131bのほぼ全面に対応して設けられている。すなわち、対向配線基板135は、ケーシング底板131bの最高位置(現像部対向板131a1における上述の半円筒部の下端とケーシング底板131bとの接合位置)と最低位置(ケーシング底板131bの図中前側の端部)との間の位置に対応するように設けられている。
このように、対向配線基板135は、現像ケーシング131の内壁面によって、略U字ないし略V字状に屈曲した状態で支持されている。
本発明の現像剤副搬送面としてのトナー副搬送面135aは、対向配線基板135の表面であって、ケーシング底板131bに対応する部分によって形成されている。すなわち、トナー副搬送面135aは、現像ケーシング131におけるケーシング底板131bの内壁面に沿った平面である。具体的には、トナー副搬送面135aは、当該内壁面と平行な平面である。
また、トナー副搬送面135aは、水平面とのなす角が常に30度以下となる平滑な斜面状に形成されている。さらに、トナー副搬送面135aは、前記主走査方向(図中z方向)と平行に形成されている。
そして、トナー副搬送面135aは、ケーシング前部閉塞板131dの下端部からトナー電界搬送体132の後ろ側の端部(トナー主搬送面133aのトナー主搬送方向TTD1における上流側の端部)に向かって上昇する斜面状に形成されている。
この場合、トナー副搬送方向TTD2は、トナー主搬送面133aのトナー主搬送方向TTD1における上流側の端部に向かってトナー副搬送面135aを上昇する方向となる。
本発明の現像剤補助搬送面としてのトナー補助搬送面135a’は、対向配線基板135の表面であって、現像部対向板131a1に対応する部分によって形成されている。
すなわち、トナー補助搬送面135a’は、現像部対向板131a1の、現像開口部131a2よりもトナー主搬送方向TTD1における上流側(上述の半円筒部)及び下流側(上述の平板部)の内壁面に沿った面によって形成されている。
トナー補助搬送面135a’のトナー副搬送方向TTD2における上流側の端部(現像部対向板131a1における上述の半円筒部の、現像開口部131a2から遠い側の端部(図中下端部)に対応する、トナー補助搬送面135a’の端部)は、トナー副搬送面135aのトナー副搬送方向TTD2における下流側の端部と、段差なく滑らかに接続されている。
このトナー補助搬送面135a’もまた、前記主走査方向(図中z方向)と平行に形成されている。
対向配線基板135は、上述の搬送配線基板133と同様の構成を有している。
すなわち、図3を参照すると、本発明の第2搬送電極としての対向電極135bは、厚さが数十μm程度の銅箔からなる。この対向電極135bは、前記主走査方向と平行な(前記副走査方向と直交する)長手方向を有する線状の配線パターンとして形成されている。
複数の対向電極135bは、互いに平行に配置されている。これらの対向電極135bは、所定のトナー副搬送方向TTD2に沿って(前記副走査方向に沿って)配列されている。各対向電極135bは、3本置きに同一の電源回路に接続されている。
複数の対向電極135bは、トナー副搬送面135aに沿って設けられている。すなわち、対向電極135bは、現像ケーシング131におけるケーシング底板131bの内壁面に沿って設けられている。また、複数の対向電極135bは、トナー補助搬送面135a’に沿って設けられている。
対向配線基板135は、上述の対向電極135bの他に、対向電極支持基板135cと、対向電極コーティング層135dと、を備えている。
対向電極支持基板135cは、可撓性のフィルムであって、ポリイミド樹脂等の絶縁性の合成樹脂から構成されている。この対向電極支持基板135cの図中下側表面上に、対向電極135bが設けられている。
対向電極支持基板135cにおける、対向電極135bが形成されている下側表面上には、対向電極コーティング層135dが設けられている。対向電極コーティング層135dは、対向電極135bを覆うように設けられている。
この対向電極コーティング層135dは、対向電極支持基板135c及び対向電極135bを覆うことで、上述のトナー副搬送面135aを、水平面とのなす角が常に30度以下となる平滑な斜面に形成するように設けられている。このトナー副搬送面135aは、前側から後ろ側に向かって上っていくような、なだらかな斜面状に形成されている。
対向配線基板135は、上述の搬送配線基板133と同様に、複数の対向電極135bに対して所定の電圧が印加されて、トナー副搬送方向TTD2に沿った進行波状の電界が発生することで、正帯電したトナーTをトナー副搬送方向TTD2に搬送し得るように構成されている。
<<<現像剤加振部>>>
図2を参照すると、本実施形態における現像装置130は、振動子136及び振動子駆動部137を備えている。
振動子136及び振動子駆動部137は、本発明の現像剤加振部を構成するものであって、ケーシング底板131bの近傍に設けられている。すなわち、振動子136及び振動子駆動部137は、トナー溜まりTP(現像ケーシング131内のトナー収容領域130aの底部に貯留されたトナーT)を加振し得るように、以下の通り構成されている。
図5は、図2に示されている現像ケーシング131における、振動子136の近傍の部分を拡大して示す、正面側(前側)から見た断面図である。
図2を参照すると、振動子136は、棒状の部材であって、前記用紙幅方向(図中z軸方向)に沿って配置されている。この振動子136は、トナー副搬送面135aから離隔し、且つ当該トナー副搬送面135aと対向するように、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)内に配置されている。
すなわち、図2及び図5を参照すると、一対のケーシング側板131cには、それぞれ、ケーシング貫通孔131c1が設けられている。ケーシング貫通孔131c1は、振動子136の外径よりも若干大きめに形成されている。そして、これら一対のケーシング貫通孔131c1を貫通するように、振動子136が配置されている。
振動子駆動部137は、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)の外側に配置されている。この振動子駆動部137は、現像ケーシング131の外側から振動子136を加振し得るように、以下のように構成されている。
具体的には、図5を参照すると、振動子駆動部137は、振動発生部137aと、振動伝達部137bと、を備えている。
振動発生部137aは、通電によって振動を発生し得る圧電素子やバイブレーター等から構成されている。
振動伝達部137bは、金属からなる棒状の部材であって、振動子136及び振動発生部137aと接触するように配置されている。この振動伝達部137bは、振動発生部137aによって発生した振動を振動子136の一端部に伝達し得るように構成されている。
ケーシング側板131cの内側の表面(トナー収容領域130aに面する側の表面)であって、ケーシング貫通孔131c1に対応する位置には、一対の弾性シール138が接着されている。この弾性シール138は、ケーシング貫通孔131c1から現像ケーシング131の外部へのトナーT(図2参照)の漏れを抑制するとともに、振動子136を支持し得るように構成されている。
具体的には、弾性シール138は、円盤状の部材であって、合成ゴムから形成されている。この弾性シール138の略中心部には、シール貫通孔138aが設けられている。このシール貫通孔138aは、振動子136の外径よりも若干小さめに形成されている。
そして、ケーシング貫通孔131c1の前記用紙幅方向(図中z軸方向)における中心軸と、シール貫通孔138aの前記用紙幅方向における中心軸とが、ほぼ一致するように、弾性シール138が配置されている。すなわち、振動子136は、弾性シール138を介して、ケーシング側板131cによって揺動自在に支持されている。
<<転写部>>
再び図1を参照すると、転写部140は、感光体ドラム121と現像装置130とが対向する位置よりも、感光体ドラム121の回転方向における下流側の位置の、像担持面121b1と対向するように設けられている。
転写部140は、ローラ状の部材であって、金属製の回転中心軸141と、当該回転中心軸141の周囲に設けられた半導電性ゴム層142とから構成されている。回転中心軸141は、前記主走査方向(図中z軸方向)と平行に配置されている。この回転中心軸141には、高圧電源が接続されている。半導電性ゴム層142は、合成ゴムにカーボンブラック等を練り込むことで半導電性を示すように構成されている。
転写部140は、感光体ドラム121におけるドラム本体121aとの間で所定の転写電圧が印加されつつ、図中反時計回りに回転駆動されることで、像担持面121b1上に担持されたトナーTを用紙P上に転写させ得るように構成されている。
<<給紙カセット>>
給紙カセット150は、現像装置130の下方に配置されている。給紙カセットケース151は、給紙カセット150のケーシングを構成する箱状の部材であって、上方に開口するように形成されている。この給紙カセットケース151は、その内側に、最大A4サイズ(幅210mm×長さ297mm)のシート状の用紙Pを、積層状態にて多数収容し得るように構成されている。
給紙カセットケース151内には、用紙押圧板153が配置されている。用紙押圧板153は、その前側の端部を中心として、後ろ側の端部が図中上下方向に沿って揺動し得るように、給紙カセットケース151によって支持されている。用紙押圧板153の後ろ側の端部は、図示しないバネによって、上方に付勢されている。
<<用紙搬送部>>
本体ケーシング112の内部には、用紙搬送部160が収容されている。
用紙搬送部160は、転写部140と像担持面121b1とが最近接状態で対向する転写位置TRPに用紙Pを供給し得るように構成されている。この用紙搬送部160は、給紙ローラ161と、用紙ガイド163と、用紙搬送ガイドローラ165と、から構成されている。
給紙ローラ161は、前記主走査方向と平行な回転中心軸と、その周囲のゴム層とから構成されている。給紙ローラ161は、給紙カセットケース151内の用紙押圧板153上に載置された用紙Pの、前記用紙搬送方向における最先端部と対向するように配置されている。用紙ガイド163及び用紙搬送ガイドローラ165は、給紙ローラ161によって送り出された用紙Pを転写位置TRPまで案内し得るように構成されている。
<<定着部>>
本体ケーシング112の内部には、定着部170が収容されている。定着部170は、転写位置TRPよりも前記用紙搬送方向における下流側の位置に配置されている。
定着部170は、転写位置TRPを経てトナーTが付着した用紙Pを加圧しつつ加熱することで、当該用紙P上に形成されたトナーTによる像を、当該用紙P上に定着させ得るように構成されている。この定着部170は、加熱ローラ172と、加圧ローラ173と、を備えている。
加熱ローラ172は、表面が離型処理された金属製の円筒と、その円筒内に収容されたハロゲンランプとから構成されている。加圧ローラ173は、金属製の回転中心軸と、その回転中心軸の周囲に設けられたシリコンゴム製のゴム層と、から構成されている。加熱ローラ172と加圧ローラ173とは、所定の圧力をもって互いに押圧しあうように配置されている。
加熱ローラ172及び加圧ローラ173は、用紙Pを加圧及び加熱しつつ、排紙口112aに向けて当該用紙Pを送出し得るように構成及び配置されている。
<<制御部>>
本体ケーシング112内には、制御部180が収容されている。制御部180は、ROMと、CPUと、RAMと、リライタブルROMと、インタフェースと、を備えている。
ROMには、レーザープリンタ100の動作のためにCPUによって実行される各種のルーチンやテーブル等が予め格納されている。CPUは、ROMからルーチン等を読み出して、適宜RAMやリライタブルROMにデータを格納しつつ、当該ルーチンを実行し得るように構成されている。
CPUは、インタフェースを介して、レーザープリンタ100に備えられた各種のセンサ及びスイッチと接続されている。また、CPUは、インタフェースを介して、上述の静電潜像形成部120、現像装置130、転写部140等の各部の動作を制御し得るように構成されている。
<レーザープリンタによる画像形成動作の概略>
以下、上述の構成を備えたレーザープリンタ100による画像形成動作の概略について、各図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各動作は、すべて、制御部180に備えられたCPUの制御下で行われる。
<<給紙動作>>
まず図1を参照すると、用紙押圧板153上に積載された用紙Pが、当該用紙押圧板153によって、給紙ローラ161に向かって上方に付勢される。これにより、用紙押圧板153上に積載された最上位の用紙Pが、給紙ローラ161の周面と接触する。
給紙ローラ161が図中時計回りに回転駆動されることで、用紙Pの前記用紙搬送方向における先端が用紙ガイド163に向けて送られる。そして、当該用紙ガイド163、及び用紙搬送ガイドローラ165によって、用紙Pが転写位置TRPまで給送される。
<<像担持面上へのトナー像の担持>>
上述のように用紙Pが転写位置TRPに向けて搬送されている間に、感光体ドラム121の周面である像担持面121b1上に、以下のようにしてトナーTによる像が担持される。
<<<静電潜像の形成>>>
感光体ドラム121の像担持面121b1は、まず、帯電器123によって、正極性に一様に帯電される。
図3を参照すると、帯電器123によって帯電された像担持面121b1は、感光体ドラム121の図中時計回りの回転により、スキャナユニット122と対向する(正対する)位置であるスキャン位置SPまで、前記副走査方向に沿って移動する。
このスキャン位置SPにて、画像情報に基づいて変調されたレーザービームLBが、前記主走査方向に沿って走査されつつ、像担持面121b1に照射される。このレーザービームLBの変調状態に応じて、像担持面121b1上の正電荷が消失する部分が生じる。これにより、像担持面121b1上に、正電荷の画像状分布による静電潜像LIが形成される。
像担持面121b1に形成された静電潜像LIは、感光体ドラム121の図中時計回りの回転により、現像位置DPに向かって移動する。
<<<トナーの流動化>>>
図5を参照すると、振動発生部137aに対して、図示しない電源装置から、所定の交流電圧が出力される。
これにより、振動発生部137aが振動する。この振動発生部137aの振動が、振動伝達部137bを介して、振動子136に伝達される。すると、振動子136は、弾性シール138によって支持されつつ、現像ケーシング131内にて振動する。
図2を参照すると、このような、振動子136の振動により、トナー溜まりTP(現像ケーシング131におけるトナー収容領域130aの底部に貯留されているトナーT)が加振される。この加振されたトナー溜まりTPは、液体の如く流動化する。
<<<帯電トナーの搬送>>>
図2を参照すると、対向配線基板135に対し、所定の(図4に示されているものと同様の)電圧が印加される。これにより、当該対向配線基板135(トナー副搬送面135a及びトナー補助搬送面135a’)上には、所定の進行波状の電界が形成される。
すると、充分に流動化されたトナー溜まりTPにおける後ろ側の端部であって、トナー副搬送面135aの近傍の領域(トナー搬送開始領域TTA)に位置するトナーTに、トナー副搬送面135aにおける上述の進行波状の電界が作用する。
これにより、当該トナーTは、トナー搬送開始領域TTAを始点として、一定斜度の緩斜面状のトナー副搬送面135a、及びトナー補助搬送面135a’における円筒内面状の部分を上るように、トナー副搬送方向TTD2に搬送される。
なお、このトナー搬送開始領域TTAは、トナーの消費に伴って、トナー溜まりTPの最高位置(トナー溜まり上面TPS)が下がることにより、トナー副搬送面135a及びトナー補助搬送面135a’に沿って、前側かつ下方に移動する。
そして、トナー補助搬送面135a’を上ったトナーTは、搬送配線基板133のトナー主搬送方向TTD1における最上流部(図中左下側の端部)と対向配線基板135とが対向する位置まで誘導される。
搬送配線基板133と対向配線基板135との間まで誘導されたトナーTは、搬送配線基板133におけるトナー主搬送面133a、及び対向配線基板135におけるトナー補助搬送面135a’及びトナー副搬送面135aにて発生している進行波状の電界により、現像位置DPに向かって搬送される。
現像位置DPを経たトナーTは、トナー主搬送面133aにおける最も前側の端部から、下方に落下することで、トナー溜まりTPに還流する。
なお、対向配線基板135によるトナーTの搬送動作は、搬送配線基板133によるトナーTの搬送動作と同様である。よって、以下に、搬送配線基板133によるトナーTの搬送動作について詳述する。
図6は、図3に示されている搬送配線基板133におけるトナー主搬送面133aの周辺を拡大して示す側断面図である。なお、図3において、電源回路VAと接続されている搬送電極133bは、図6において、搬送電極133bAと示されている。搬送電極133bBないし搬送電極133bDも同様である。
図4及び図6を参照すると、図4における時点t1においては、図6の(A)に示されているように、搬送電極133bAと搬送電極133bBとの間の位置であるAB間位置にて、トナー主搬送方向TTD1と逆向き(図6におけるxと反対の方向)の電界EF1が形成される。
一方、搬送電極133bCと搬送電極133bDとの間の位置であるCD間位置には、トナー主搬送方向TTD1と同じ向き(図6におけるx方向)の電界EF2が形成される。
また、搬送電極133bBと搬送電極133bCとの間の位置であるBC間位置、及び搬送電極133bDと搬送電極133bAとの間の位置であるDA間位置には、トナー主搬送方向TTD1に沿った方向の電界が形成されない。
すなわち、時点t1においては、前記AB間位置にて、正帯電のトナーTは、トナー主搬送方向TTD1と逆向きの静電力を受ける。
また、前記BC間位置及び前記DA間位置にて、正帯電のトナーTは、トナー主搬送方向TTD1に沿った方向の静電力をほとんど受けない。
また、前記CD間位置にて、正帯電のトナーTは、トナー主搬送方向TTD1と同じ向きの静電力を受ける。
よって、時点t1においては、正帯電のトナーTは、前記DA間位置に集められる。同様に、時点t2においては、正帯電のトナーTは、前記AB間位置に集められる。次いで、時点t3になると、正帯電のトナーTは、前記BC間位置に集められる。
このように、トナーTが集められる領域が、時間の経過に伴い、トナー主搬送面133aに沿ってトナー主搬送方向TTD1に移動していく。
<<<静電潜像の現像>>>
図3を参照すると、上述のようにして、正帯電のトナーTが、現像位置DPに供給される。
この現像位置DPの近傍にて、像担持面121b1上であって、静電潜像LIにおける正電荷が消失した部分に、トナーTが付着する。すなわち、感光体ドラム121の像担持面121b1上の静電潜像LIがトナーTにより現像される。
このようにして、トナーTによる像が、当該像担持面121b1上に担持される。
<<像担持面上から用紙へのトナー像の転写>>
図1を参照すると、上述のようにして感光体ドラム121の像担持面121b1上に担持されたトナーTによる像は、当該像担持面121b1が図中時計回りに回転することにより、転写位置TRPに向けて搬送される。
そして、この転写位置TRPにて、トナーTによる像が、像担持面121b1から用紙P上に転写される。
<<定着・排紙>>
転写位置TRPにてトナーTによる像を転写された用紙Pは、用紙搬送経路PPに沿って定着部170に送られる。
そして、この用紙Pは、加熱ローラ172と加圧ローラ173との間で挟まれることで加圧されつつ加熱される。これにより、用紙Pの表面上に、トナーTによる像が定着される。
その後、用紙Pは、排紙口112aに送られ、当該排紙口112aを介して排紙トレイ114上に排出される。
<実施形態の構成による作用・効果>
本実施形態の構成においては、ケーシング底板131bが、水平面と一定の角度をもって交差する平板状に形成されている。そして、トナー副搬送面135aが、水平面と一定の角度をもって交差する平面状に形成されている。
ここで、図7は、図2に示されている現像装置130において、現像ケーシング131内のトナーTの貯留量(トナー溜まりTPの量)が減少した状態を示す側断面図である。また、図8は、図2に示されている現像装置130において、図7に示されている状態よりもさらにトナーTの貯留量が減少した状態を示す側断面図である。
図7や図8に示されているように、現像ケーシング131内におけるトナーTの貯留量が減少するにしたがって、上述のトナー溜まり上面TPSが、だんだん低くなる。
この場合でも、本実施形態の構成においては、トナー搬送開始領域TTAにおける、トナー溜まり上面TPSとトナー副搬送面135aとの角度(トナー接触角TCA)が、ほぼ一定となる。
図7及び図8を参照すると、本実施形態においては、トナーTの貯留量が減少した場合であっても、トナー接触角TCAがほぼ一定となる。
よって、本実施形態においては、トナー搬送開始領域TTAからトナー副搬送方向TTD2における下流側に向けてのトナーTの搬送状態がほぼ一定となる。すなわち、トナーTの搬送状態が安定化する。
したがって、本実施形態の構成によれば、現像ケーシング131内におけるトナーTの収容量(トナー収容領域130aの底部におけるトナーTの貯留量)が少なくなった場合の、トナーTの搬送不良(極端な搬送量の低下等)の発生が、効果的に抑制され得る。
本実施形態の構成においては、ケーシング底板131bが、水平面と小さな角度(30度以下)で交差する平板状に形成されている。また、トナー副搬送面135aが、水平面と小さな角度(30度以下)で交差する平面状に形成されている。このトナー副搬送面135aと水平面とのなす角度は、トナー接触角TCAとほぼ等しくなる。
かかる構成によれば、トナー溜まり上面TPSとトナー副搬送面135aとの角度であるトナー接触角TCAが、小さな角度(30度以下)となる。よって、トナー搬送開始領域TTAにおける大部分のトナーTが、トナー副搬送面135a上の進行波状の電界の作用を受ける。
これにより、トナー搬送開始領域TTAから、トナー副搬送方向TTD2における下流側のトナー副搬送面135aへのトナーTの供給が、良好に行われ得る。
また、現像ケーシング131の前記高さ方向のサイズが小さくなる。これにより、現像装置130が薄型化され得る。よって、レーザープリンタ100のさらなる小型化が可能になる。
本実施形態の構成においては、現像ケーシング131内に収容(貯留)されたトナーTを加振するための現像剤加振部としての、振動子136及び振動子駆動部137が設けられている。
かかる構成によれば、現像ケーシング131内に貯留されたトナーT(トナー溜まりTP)が良好に流動化される。このときに、トナーTに与えられる凝集力やせん断力等のストレスは、きわめて小さい。
よって、かかる構成によれば、トナー副搬送面135a、トナー補助搬送面135a’、及びトナー主搬送面133aに対するトナーTの供給状態が良好に均一化され得る。したがって、トナー副搬送面135a、トナー補助搬送面135a’、及びトナー主搬送面133aにおけるトナーTの搬送状態が良好に均一化され得る。
このように、本実施形態の構成によれば、進行波電界によるトナーTの搬送、及び現像位置DPへのトナーTの供給が、より均一に行われ得る。したがって、濃度ムラの発生が効果的に抑制され良好な画像形成が可能になる。
本実施形態の構成においては、振動子136が、トナー副搬送面135aから離隔するように、現像ケーシング131内に配置されている。この振動子136は、ケーシング側板131cによって、弾性シール138を介して揺動自在に支持されている。
また、本実施形態の構成においては、振動子駆動部137が、現像ケーシング131の外側に配置されている。そして、この振動子駆動部137は、現像ケーシング131の外側から振動子136を加振し得るようになっている。
かかる構成によれば、現像位置DPにおけるトナー主搬送面133aと像担持面121b1との所定の位置関係が振動子136の振動によって変動することによる、形成画像の乱れの発生が、可及的に抑制され得る。
また、振動子136の振動のすべてが現像ケーシング131に直接伝えられることによる騒音の発生が、可及的に抑制され得る。
<変形例の例示>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた、本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が付されているものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記の変形例の記載に基づいて、限定解釈されてはならない。
このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、(発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し)許されない。
(1)本発明の適用対象は、単色の画像を形成可能な、いわゆるモノクロレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、多色(フルカラ)の画像形成が可能なレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式の画像形成装置(例えば、感光体を用いないトナージェット方式及びイオンフロー方式の画像形成装置等)に対しても、好適に適用され得る。
(2)トナー電界搬送体132、搬送配線基板133、及び対向配線基板135の構成も、上述の実施形態にて示されているものに全く限定されない。
例えば、搬送電極133bは、搬送電極支持基板133cの表面から突出しないように、搬送電極支持基板133cに埋め込まれ得る。また、搬送電極コーティング層133dは省略され得る。
あるいは、搬送電極133bは、搬送基板支持部材134上に直接形成され得る。この場合、搬送電極133bは、搬送基板支持部材134の上側表面から突出しないように、搬送基板支持部材134に埋め込まれ得る。また、この場合、搬送基板支持部材134の上側表面によって、トナー主搬送面133aが構成される。
対向電極135bも、例えば、対向電極支持基板135cの表面から突出しないように、対向電極支持基板135cに埋め込まれ得る。また、対向電極コーティング層135dは省略され得る。
あるいは、対向電極135bは、ケーシング底板131bの内壁面上に直接形成され得る。この場合、対向電極135bは、ケーシング底板131bの内壁面から突出しないように、当該ケーシング底板131bに埋め込まれ得る。また、この場合、ケーシング底板131bの内壁面によって、トナー副搬送面135aが構成される。
搬送電極133bや、対向電極135bの、長手方向は、上述の実施形態のように前記主走査方向と平行であってもよいし、前記主走査方向と交差するようになっていてもよい。
搬送電極133bや、対向電極135bの、配列方向も、上述の実施形態のように平面視にて前記副走査方向と平行であってもよいし、平面視にて前記副走査方向と交差する方向であってもよい。
搬送電極133b及び対向電極135bの形状や、電気的接続構成も、特に限定はない。例えば、搬送電極133b及び対向電極135bは、上述の実施形態のような直線状ではなく、V字状、円弧状、波状、ギザギザ状等、様々な形状に形成され得る。
各電極間の接続も、上述の実施形態のような3つ置きでなく、1つ置き、2つ置き、等、様々な状態とされ得る。この場合、対応する電源回路も4種類ではなく、各電圧波形の位相ずれも、180°、120°等に適宜変更され得る。さらに、電圧波形も、矩形波、正弦波等、様々なものが用いられ得る。
(3)本発明の現像剤加振部は、上述の実施形態及び対応する図面に開示されているような配置や構成に限定されない。
例えば、振動子136は、トナー収容領域130aにおける最低位置の近傍(図1における右下側の端部)に設けられていてもよい。
また、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)内には、振動子136が複数個備えられていてもよい。
図9は、図1に示されているレーザープリンタ100の一つの変形例の構成を示す側断面図である。
図9に示されているように、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)内には、下流側振動子1361と、中間振動子1362と、上流側振動子1363と、が設けられている。
下流側振動子1361は、トナー副搬送面135aのトナー副搬送方向TTD2における中央よりも下流側に設けられている。上流側振動子1363は、トナー副搬送面135aのトナー副搬送方向TTD2における中央よりも上流側に設けられている。中間振動子1362は、下流側振動子1361と上流側振動子1363との間に設けられている。
現像ケーシング131(トナー収容領域130a)の外側には、下流側振動子1361に対応するように、下流側振動子駆動部1371が設けられている。また、中間振動子1362に対応するように、中間振動子駆動部1372が設けられている。さらに、上流側振動子1363に対応するように、上流側振動子駆動部1373が設けられている。
なお、中間振動子1362は、省略され得る。あるいは、中間振動子1362は、複数個設けられ得る。さらには、下流側振動子駆動部1371ないし上流側振動子駆動部1373は、一体化され得る。
また、図2における振動子136(図9における下流側振動子1361等)に、圧電素子等の振動発生源を直接設けることで、振動子駆動部137(図9における下流側振動子駆動部1371等)が省略され得る。
また、図2における振動子136及び振動子駆動部137に代えて、図10に示されているように、振動板139が用いられ得る。この振動板139は、振動子駆動部137における振動発生部137a(図5参照)と同様に、通電によって振動を発生し得る圧電素子やバイブレーター等から構成されている。
図10に示されているように、振動板139は、ケーシング底板131bに設けられ得る。例えば、振動板139は、ケーシング底板131bの外側表面(対向配線基板135と対向する内側表面とは反対側の表面)に設けられ得る。
あるいは、振動板139は、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)内であって、トナー副搬送面135aと所定のギャップを隔てて対向するように設けられ得る。
かかる構成によれば、トナー収容領域130a内のトナー溜まりTPが、きわめて簡易な装置構成で良好に流動化され得る。
(4)本発明の現像剤加振部は、現像ケーシング131内のトナーTの貯留量(トナー溜まりTPの量)が減少した場合であっても、トナー溜まりTPの全体を振動させ得るように構成されていてもよい。あるいは、本発明の現像剤加振部は、少なくとも、トナー搬送開始領域TTAを加振し得るように構成されていることが好適である。
例えば、図9を参照すると、現像ケーシング131(トナー収容領域130a)内には、トナー量センサ182が設けられ得る。
トナー量センサ182は、トナー溜まり上面TPSの位置、すなわち、トナー収容領域130a内のトナーTの量に応じた信号を出力し得るように構成されている。このトナー量センサ182は、制御部180と電気的に接続されている。
かかる構成においては、トナー溜まり上面TPSの位置に応じて、複数の振動子(下流側振動子1361等)の励振状態が、制御部180によって制御される。
例えば、トナー溜まり上面TPSの位置が高い場合、下流側振動子1361ないし上流側振動子1363のすべてが励振される。トナー溜まり上面TPSが下流側振動子1361よりも低くなると、中間振動子1362及び上流側振動子1363が励振される。トナー溜まり上面TPSが中間振動子1362よりも低くなると、上流側振動子1363が励振される。
あるいは、例えば、トナー溜まり上面TPSの位置が高い場合、下流側振動子1361のみが励振される。トナー溜まり上面TPSが下流側振動子1361よりも低くなると、中間振動子1362のみが励振される。トナー溜まり上面TPSが中間振動子1362よりも低くなると、上流側振動子1363のみが励振される。
あるいは、図10に示されているように、振動板139がケーシング底板131bと対応するように設けられている場合、当該ケーシング底板131bが振動板139によって励振される。
これにより、トナーTの消費に伴ってトナー溜まり上面TPSの位置の変化が生じても、トナー搬送開始領域TTA(図8参照)が確実に加振され得る。
(5)図11は、図1に示されている現像装置130の他の変形例の構成を示す側断面図である。図12は、図11に示されている現像装置130において、現像ケーシング131内のトナーTの貯留量(トナー溜まりTPの量)が減少した状態を示す側断面図である。
図11に示されているように、ケーシング底板131b及びトナー副搬送面135aは、水平面と60度以上の角度をなすように設けられていてもよい。
かかる構成によれば、現像ケーシング131(現像装置130)の前記前後方向のサイズが小さくなる。これにより、現像装置130を前記前後方向に複数個並べた際の装置構成が小型化され得る。すなわち、多色画像形成可能な画像形成装置が、小型化され得る。
また、かかる構成によれば、図12に示されているように現像ケーシング131内のトナーTの貯留量(トナー溜まりTPの量)が減少した場合、振動板139等でトナー溜まりTPを励振しなくても、トナーTの自重により、トナー溜まり上面TPSが水平になり得る。
すなわち、トナー副搬送面135aを、水平面と60度以上の角度をなす急勾配の傾斜面とすることで、振動板139等でトナー溜まりTPを励振しなくても、トナーTの自重により、トナー接触角TCAが、安定的に、ほぼ一定にされ得る。
したがって、現像ケーシング131内のトナーTの貯留量(トナー溜まりTPの量)が減少した場合であっても、トナー搬送開始領域TTAからのトナーTの供給(搬送開始)の状態が、きわめて簡略な装置構成によって良好に安定化され得る。
(6)対向配線基板135は、部分的に、あるいは全体的に、省略され得る。
(7)その他、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されているものは、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。