JP2008069495A - 製織方法及びプログラム - Google Patents

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勇 松浦
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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】 長目綜絖を使用して織物を製造する製織方法において、綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的に作成すること。
【解決手段】 S1にて入力された組織図における経糸の浮きを「1」,沈みを「0」としたブール行列を作成し(S5)、そのブール行列をグラフ理論を用いて2つのブール行列の積に分解し(S7)、分解後のブール行列から紋栓図及び綜絖通図を作成する(S9)。また、普通綜絖用の紋栓図から同様にブール行列を作成し(S15)、その行列を分解して紋栓図を作成し(S17,S19)、得られた紋栓図とS1にて入力された組織図とから綜絖通図を作成してもよい(S21)。
【選択図】図4

Description

本発明は、綜絖を移動させることにより杼口を形成して緯糸を供給する織機を用いた製織方法に関し、詳しくは、長目綜絖を使用する点と紋栓図及び綜絖通図の作成過程とに特徴を有する製織方法、及びその製織方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
従来より、綜絖を移動させることにより杼口を形成して緯糸を供給する織機において、1つの綜絖が開口側(例えば上方)へ移動しなくてもその綜絖に通された経糸を他の綜絖にも通しておくことによってその経糸を開口側へ移動させることが可能な長目綜絖を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、例えば1本の経糸を複数の綜絖枠にそれぞれ設けられた長目綜絖に通しておけば、いずれか1つの長目綜絖が開口側(例えば上方)へ移動することにより、その経糸を開口側へ移動させることが可能となる。このため、長目綜絖を適宜使用することにより、綜絖枠の数を減らして製織作業を容易にできる可能性がある。
特公昭39−185号公報
ところが、長目綜絖を使用して織物を製造する場合の紋栓図及び綜絖通図は、専門家が試行錯誤によって作成しており、綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的に作成する技術は確立されていない。このため、上記のように綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を、コンピュータ等により自動的に作成することもできない。
そこで、本発明は、長目綜絖を使用して織物を製造する製織方法において、綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的に作成することを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明の製織方法は、複数の経糸がそれぞれ複数の長目綜絖に通され、いずれかの経糸が通された上記複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動したときに当該経糸を開口側へ移動させて杼口を形成する杼口形成手段と、該杼口形成手段が形成した杼口を通って緯糸を供給する緯糸供給手段と、該緯糸供給手段によって供給された緯糸に筬打ちを行って織物を形成する筬と、を備えた織機を用いて織物を製造する製織方法であって、少なくとも上記複数の経糸に関する紋栓図及び綜絖通図を作成するに当り、組織図における経糸の浮き沈みに対応したブール行列を作成し、該ブール行列を2つのブール行列の積に分解し、該分解後のブール行列から紋栓図及び綜絖通図を作成することを特徴としている。
このように構成された本発明の製織方法では、複数の経糸がそれぞれ複数の長目綜絖に通され、いずれかの経糸が通された上記複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動したときに当該経糸を開口側へ移動させて杼口を形成する杼口形成手段と、該杼口形成手段が形成した杼口を通って緯糸を供給する緯糸供給手段と、該緯糸供給手段によって供給された緯糸に筬打ちを行って織物を形成する筬と、を備えた織機を用いて織物を製造している。このため、複数の長目綜絖に通された経糸は、その複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動すれば、その経糸も開口側へ移動して杼口を形成する。そして、緯糸供給手段はその杼口を通って緯糸を供給し、その緯糸に筬が筬打ちを行うことによって織物が製造される。
ここで、本願出願人は、上記複数の長目綜絖に通された複数の経糸の組織図における開口側への移動(例えば浮き)を「1」、開口側への不移動(例えば沈み)を「0」としてブール行列を作成することにより、そのブール行列を分解することで紋栓図及び綜絖通図が作成できることを発見した。すなわち、上記ブール行列は、例えば、紋栓図における綜絖の開口側へ移動する,しないを「1」,「0」としたブール行列と、綜絖通図における経糸の通る,通らないを「1」,「0」としたブール行列との積に分解することができるのである。
そこで、本発明では、組織図における経糸の浮き沈みに対応したブール行列を作成し、そのブール行列を2つのブール行列の積に分解し、分解後のブール行列から紋栓図及び綜絖通図を作成している。また、このようなブール行列の分解において、m行n列のブール行列をm行r列のブール行列とr行n列のブール行列の積に分解できる最小のrを元の行列の階数(rank)というが、この階数若しくはその近似値を求める方法も種々提案されている。組織図に対応するブール行列の階数は、その組織を製織するために最小限必要な綜絖枠の数に対応し、上記ブール行列をその階数若しくはその近似値に対応する2つのブール行列に分解することで、綜絖枠の数を最も減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図が作成できる。従って、本発明では、綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的に作成することができる。
また、本発明の製織方法は、複数の経糸がそれぞれ複数の長目綜絖に通され、いずれかの経糸が通された上記複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動したときに当該経糸を開口側へ移動させて杼口を形成する杼口形成手段と、該杼口形成手段が形成した杼口を通って緯糸を供給する緯糸供給手段と、該緯糸供給手段によって供給された緯糸に筬打ちを行って織物を形成する筬と、を備えた織機を用いて織物を製造する製織方法であって、少なくとも上記複数の経糸に関する紋栓図及び綜絖通図を作成するに当り、普通綜絖使用時の紋栓図に対応したブール行列を作成し、該ブール行列を2つのブール行列の積に分解し、該分解後のブール行列から紋栓図を作成し、該作成された紋栓図と組織図とから綜絖通図を作成することを特徴としている。
前述の製織方法では組織図に対応するブール行列を分解したのに対し、本発明の製織方法では、普通綜絖使用時の紋栓図に対応したブール行列を分解している。普通綜絖使用時の紋栓図は、経糸の浮き沈みのパターンが何通りあるかを示しており、それに対応したブール行列を分解することによって、少なくとも上記杼口形成手段使用時の紋栓図を得ることができる。この方法によれば、例えば、一循環の中に同じ経糸の動きが複数存在する組織、例えば左右対称の組織などに対しては、組織図に対応するブール行列を分解するよりも遥かに計算を簡略化することができる。
そこで、本発明では、普通綜絖使用時の紋栓図に対応したブール行列を作成し、そのブール行列を2つのブール行列の積に分解し、分解後のブール行列から紋栓図を作成し、その紋栓図と組織図とから綜絖通図を作成している。このため、本発明でも、綜絖枠の数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的に作成することができ、特に、一循環の中に同じ経糸の動きが複数存在する組織、例えば左右対称の組織などに対しては、計算を一層簡略化することができる。
なお、上記ブール行列の分解方法は種々考えられるが、例えば、上記ブール行列の分解をグラフ理論を用いて行ってもよい。ブール行列の分解がグラフ理論を用いて行えることは、例えば、HANS ULRICH SIMON 、「ON APPROXIMATE SOLUTIONS FOR COMBINATORIAL OPTIMIZATION PROBLEMS」、SIAM J.Disc.MATH.、平成2年5月、Vol.3,No.2,pp.294-310などに紹介されている。このようにブール行列の分解をグラフ理論を用いて行った場合、組織図または普通綜絖の紋栓図に対応するブール行列を、一層階数に近い値に応じて分解したブール行列を求めることが容易にかつ数学的に行える。
また、上記各製織方法において、裏織りに対応する組織図または普通綜絖使用時の紋栓図に対しても、上記ブール行列を作成し、階数若しくは階数の近似値が小さい方のブール行列を分解して上記紋栓図及び綜絖通図を作成してもよい。この場合、裏織りした方が綜絖枠の数を減らすことのできる組織に対しては、その裏織りに対応する紋栓図及び綜絖通図を得ることができる。
また、本発明のプログラムは、上記ブール行列の作成処理、該ブール行列の分解処理、及び、上記紋栓図及び綜絖通図の作成処理を、コンピュータに実行させることを特徴としている。このため、本発明のプログラムをコンピュータに実行させれば、前述の方法で紋栓図及び綜絖通図を作成することができ、上記製織方法を容易に実施することができる。
次に、本発明の実施の形態を、図面と共に説明する。図1は、本発明を適用した製織方法の一例を実施するために使用される織機51の構成を概略的に表す説明図である。先ず、織機51の構成について説明する。
図1(A)に示すように、織機51は、バックローラ52から繰り出される経糸81を、綜絖枠53の上下動によって開口させるいわゆるドビー式織機で、その開口動作によって形成された杼口Kを通って往復することにより緯糸82を供給する緯糸供給手段としての杼55と、杼55によって供給された緯糸82に筬打ちを行って織物83を形成する筬57とを備えている。
また、織機51は、図1(B)に示すような周知の綜絖枠駆動機構60を備えている。この綜絖枠駆動機構60は、紋栓図に対応して透孔91が形成されたペーパフィルム90を用いて、次のように綜絖枠53を上下動させるものである。すなわち、この綜絖枠駆動機構60は、ペーパフィルム90のピッチ孔92に係合してペーパフィルム90を搬送するスプロケット61を備え、各綜絖枠53と図示しない周知のリンクを介して接続されたフィーラニードル63が透孔91を通って下降するか否かに応じて、綜絖枠53を上下動させるものである。
ここで、綜絖枠53に設けられた綜絖58は、一部の綜絖58が開口側(この場合上方)へ移動しなくてもその綜絖58に通された経糸81を開口側へ移動させることが可能な長い目58a(図2参照)を有するいわゆる長目綜絖であり、1本の経糸81を複数の綜絖枠53にそれぞれ設けられた綜絖58に通しておけば、いずれか1つの綜絖58が開口側へ移動したときにその経糸81を開口側へ移動させることができる。
例えば、図2に示すように、経糸81が2つの綜絖58,58に通されている場合、両方の綜絖58,58が下降している場合は、図2(A)に例示するように経糸81は開口側には配設されないが、図2(B)に例示するように織前側の綜絖58のみが上昇した場合は、バックローラ52側の綜絖58の目58aが上下に長いため、経糸81は開口側へ移動する。同様に、図2(C)に示すようにバックローラ52側の綜絖58のみが上昇した場合も、経糸81は開口側へ移動する。また、図2(D)に例示するように、経糸81が通された両方の綜絖58が上昇した場合は、言うまでもなく経糸81は開口側に配設される。
そこで、このような綜絖58を利用した場合、綜絖枠53の数を減らして製織作業を容易にできる可能性がある。すなわち、綜絖枠53の数が多いと紋栓図も複雑になるが、綜絖枠53を減らして紋栓図を簡略化することができれば、ペーパフィルム90への透孔91の形成作業が容易になり、また、織機51に綜絖枠53をセットする作業も容易になるのである。
次に、そのように綜絖枠53を減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を作成するための、製織データ作成装置について説明する。図3は、製織データ作成装置としてのパーソナルコンピュータ1の構成を概略的に表す説明図である。本実施の形態における製織データ作成処理のプログラムは、このパーソナルコンピュータ1のハードディスク装置(HDD)34に格納されている。パーソナルコンピュータ1は、このハードディスク装置34の他、CPU31,ROM32,RAM33を備えた本体3に、ディスプレイ5、キーボード7、マウス9等が接続された一般的な構成を有している。なお、パーソナルコンピュータ1には、既存の組織図や紋栓図をデータとして読み込むための、スキャナ装置等を接続してもよい。
図4は、このパーソナルコンピュータ1で実行される製織データ作成処理を表すフローチャートである。図4に示すように、この処理では、先ずS1(Sはステップを表す:以下同様)にて、製織すべき織物83の組織図が入力される。この処理は、ディスプレイ5に入力画面を表示して使用者のキーボード7またはマウス9による操作に基いてなされてもよく、前述のようにスキャナ装置を接続した場合はそのスキャナ装置を介して読み込んだ組織図の画像を解析してなされてもよい。また、S1では、普通綜絖使用時の紋栓図がある場合、組織図と共にその紋栓図も入力されてもよい。
続くS3では、S1にて普通綜絖使用時の紋栓図も入力され、かつ、その紋栓図を使用するか否かが、使用者のキーボード7またはマウス9の操作に基いて判断される。紋栓図を使用しない場合は(S3:N)、続くS5にて、S1で入力された組織図から、経糸81の浮きを「1」沈みを「0」としたブール行列が作成され、続くS7にて、そのブール行列が分解される。
ここで、S7によるブール行列の分解処理について詳細に説明する。ブール行列の分解は、グラフ彩色問題に帰着させることができる。グラフ彩色問題とは、隣接する頂点を異なる色で塗り分けるための最低必要な色数を求める組合せ最適化問題である。
先ず、図5(A)に例示するような組織図が入力された場合(S1)、その組織図からは図5(B)に例示するようなブール行列が作成される(S5)。この行列からは、成分が「1」となる行番号と列番号とを結ぶことにより、図5(C)に例示するような2部グラフが作成される。この2部グラフにおける10個の辺を頂点とみなし、図5(C)における端点が2部クリークとなる頂点同士を結ぶと、図5(D)に例示するようなグラフが得られる。例えば、図5(C)における辺1,2の端点L1,R1,R2は2部クリークであるので、図5(D)において頂点1,2を結び、図5(C)における辺1,5の端点L1,L2,R1,R3は2部クリークではないので、図5(D)において頂点1,5は結ばないのである。
こうして得られた図5(D)のグラフの補グラフを求め、互いに結ばれた頂点同士が異なる色となるように最小の色数で彩色すると、図6(A)のようになる。この色を元の組織図に反映させると、図6(B)のようになり、それを上下方向,左右方向に投影することにより、図6(C)のように分解することができる。すなわち、当初の行列が、次式に示すように分解されたことになる。
Figure 2008069495
そこで、続くS9では、分解後のブール行列から、紋栓図及び綜絖通図が作成され、処理が終了する。例えば、図6(C)の分解結果からは、図6(D)のような紋栓図及び綜絖通図が得られる。すなわち、綜絖枠枚数を4から3に減らすことができる。
なお、大きな織物組織から誘導したグラフの頂点数は大きくなる。頂点数が大きいグラフの彩色数の厳密解を求めるための計算量は膨大になるため、近似解法を用いるのが現実的である。近似解を求める手法の代表的なものには、LF法、DSATUR法、RLF法などがあり,LF法とDSATUR法には、更に改善したLFI法、DSI法がある。739通りの周知の組織図に対して、各方法によって得られた紋栓図,綜絖通図における綜絖枠枚数の平均は、以下のようになった。
Figure 2008069495
また、表1に示すように、裏織りに対応する組織図に対しても同様の方法で紋栓図,綜絖通図を作成し、少ない方の綜絖枠枚数の平均を算出したところ、綜絖枠枚数を一層減らすことができた。図7(A)に例示する組織を製織する場合には、長目綜絖を使用しても、綜絖枠が4枚必要である。しかし、裏織りをすることにより、図7(B)の組織(図5(A))となり、長目綜絖を使用することにより、綜絖枠3枚で製織が可能となる。
更に、表2は、上記739通りの組織図に対する裏織りも含めた最良解を、普通綜絖使用時の綜絖枠枚数毎に平均綜絖枠枚数(長目綜絖)として示したものである。表2に示すように、綜絖枠枚数が多い織物組織ほど、本実施の形態の効果が顕著に表れることが分かる。
Figure 2008069495
最も効果が大きかった組織を図8に例示する。この組織では、普通綜絖を使用した場合、図8(A)のように綜絖枠枚数が24枚であったが、本実施の形態の製織方法を利用することにより、図8(B)に例示するように綜絖枠枚数を14枚に減らすことができた。
図4に戻って、一方、普通綜絖の紋栓図を使用する場合は(S3:Y)、S15にて、その紋栓図からS5と同様にブール行列が作成され、S17にて、そのブール行列がS7と同様に分解される。普通綜絖使用時の紋栓図は、経糸81の浮き沈みのパターンが何通りあるかを示しており、これを分解することにより、綜絖通図は直接得られないものの、少なくとも紋栓図は得られる。そこで、続くS19では、分解後のブール行列から紋栓図が作成され、続くS21にて、その紋栓図とS1で入力された組織図とから綜絖通図が作成されて、処理が終了する。
この場合、ステップが1つ多くなるが、例えば、緯糸方向に同じパターンを何回も繰り返す組織や左右対称のパターンを有する組織になどに対しては、組織図に対応するブール行列を分解するよりも、前述のグラフにおける頂点数を減らすなどして遥かに計算を簡略化することができる。例えば、図9(B)の組織図に対応する普通綜絖使用時の紋栓図は図9(A)に示すようになるが、この紋栓図に対応するブール行列を分解することにより図9(D)の紋栓図を作成し、そこから図9(F)に示す綜絖通図を作成することができる。この場合、図9(B)または図9(E)に示す組織図に対応するブール行列を直接分解する場合に比べて計算が簡単になる。なお、図9(C)は普通綜絖使用時の綜絖通図である。
以上説明したように、本実施の形態では、長目綜絖としての綜絖58を使用した織機51によって織物83を製造する製織方法において、綜絖枠枚数をより良好に減らすことのできる紋栓図及び綜絖通図を数学的にかつ自動的に作成することができる。
なお、上記実施の形態において、綜絖枠53,綜絖58,及び綜絖枠駆動機構60が杼口形成手段に相当する。また、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、経糸81の一部は普通綜絖にのみ通されていてもよい。織物83の中央に比較的複雑な柄が配設され、その両側には簡単な柄が配設される場合は、上記複雑な柄に関わる部分だけ長目綜絖を利用して、上記方法により少なくともその部分に関わる紋栓図,綜絖通図を作成してもよい。この場合、比較的簡単な柄に関わる普通綜絖用の紋栓図,綜絖通図は上記作成された紋栓図,綜絖通図に後から付け足して全体的な紋栓図,綜絖通図を作成してもよい。
また、上記実施の形態では、綜絖58が上方へ移動することによって開口するいわゆる上口開口の織機51に対して本発明を適用したが、本発明は下口開口の織機や、杼55の代わりレピア等を使用するレピア織機など、各種織機に適用することができる。なお、綜絖が下方へ移動することによって開口する下口開口の場合、実質的には、上口開口の場合の裏織りと同様の結果になる。
更に、上記実施の形態では、グラフ理論を用いてブール行列の分解を行っているが、他の方法で分解してもよいことは言うまでもない。例えば、パーソナルコンピュータ1により、全ての成分が「0」の行列から全ての成分が「1」の行列まであらゆる行列を用いて分解を試みて、最も綜絖枠枚数を減らすことのできる組み合せを検索してもよい。
本発明を適用した製織方法を実施するための織機の構成を表す概略図である。 その織機の綜絖及び経糸の動作を表す説明図である。 上記製織方法を実施するためのパーソナルコンピュータの構成を概略的に表す説明図である。 そのパーソナルコンピュータで実行される処理を表すフローチャートである。 グラフ理論を用いたブール行列の分解処理を表す説明図である。 その分解処理の続きを表す説明図である。 図5(A)の組織図の裏織りに対応する組織図,紋栓図,綜絖通図を表す説明図である。 最も効果が大きかった組織に対応する組織図,紋栓図,綜絖通図を表す説明図である。 普通綜絖使用時の紋栓図から紋栓図,綜絖通図を作成する処理を表す説明図である。
符号の説明
1…パーソナルコンピュータ 3…本体 5…ディスプレイ
7…キーボード 9…マウス 34…ハードディスク装置
51…織機 53…綜絖 55…杼
57…筬 58…綜絖 58a…目
60…綜絖枠駆動機構 81…経糸 82…緯糸
83…織物 90…ペーパフィルム 91…透孔
K…杼口

Claims (5)

  1. 複数の経糸がそれぞれ複数の長目綜絖に通され、いずれかの経糸が通された上記複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動したときに当該経糸を開口側へ移動させて杼口を形成する杼口形成手段と、
    該杼口形成手段が形成した杼口を通って緯糸を供給する緯糸供給手段と、
    該緯糸供給手段によって供給された緯糸に筬打ちを行って織物を形成する筬と、
    を備えた織機を用いて織物を製造する製織方法であって、
    少なくとも上記複数の経糸に関する紋栓図及び綜絖通図を作成するに当り、組織図における経糸の浮き沈みに対応したブール行列を作成し、
    該ブール行列を2つのブール行列の積に分解し、
    該分解後のブール行列から紋栓図及び綜絖通図を作成することを特徴とする製織方法。
  2. 複数の経糸がそれぞれ複数の長目綜絖に通され、いずれかの経糸が通された上記複数の長目綜絖のうち少なくともいずれか1つが綜絖枠と共に開口側へ移動したときに当該経糸を開口側へ移動させて杼口を形成する杼口形成手段と、
    該杼口形成手段が形成した杼口を通って緯糸を供給する緯糸供給手段と、
    該緯糸供給手段によって供給された緯糸に筬打ちを行って織物を形成する筬と、
    を備えた織機を用いて織物を製造する製織方法であって、
    少なくとも上記複数の経糸に関する紋栓図及び綜絖通図を作成するに当り、普通綜絖使用時の紋栓図に対応したブール行列を作成し、
    該ブール行列を2つのブール行列の積に分解し、
    該分解後のブール行列から紋栓図を作成し、
    該作成された紋栓図と組織図とから綜絖通図を作成することを特徴とする製織方法。
  3. 上記ブール行列の分解をグラフ理論を用いて行うことを特徴とする請求項1または2記載の製織方法。
  4. 裏織りに対応する組織図または普通綜絖使用時の紋栓図に対しても、上記ブール行列を作成し、階数若しくは階数の近似値が小さい方のブール行列を分解して上記紋栓図及び綜絖通図を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製織方法。
  5. 上記ブール行列の作成処理、該ブール行列の分解処理、及び、上記紋栓図及び綜絖通図の作成処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5405681B1 (ja) * 2013-02-19 2014-02-05 清治 谷口 組織図の拡張方法

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