JP2008069427A - 高品質低SiO2焼結鉱の製造方法 - Google Patents

高品質低SiO2焼結鉱の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価なコストで、焼結鉱中のMgO含有率を確保でき、かつ還元性、還元粉化性および高温性状を向上させることができる高品質低SiO2焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】成品焼結鉱中のSiO2含有率が4.0質量%以上、4.6質量%以下であり、CaO/SiO2質量比率が1.5以上、2.5以下の範囲であり、かつ、MgO含有率が0.5質量%を超える焼結鉱を製造する方法において、配合されるMgO系副原料として、(1)焼結生産率≧37.0T/d/m2の場合には、SiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料を配合しない(2)35.0T/d/m2<焼結生産率<37.0T/d/m2の場合には、SiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料も配合する(3)焼結生産率≦35.0T/d/m2の場合には、CaO・MgO系副原料を配合し、かつSiO2・MgO系副原料を配合しない。
【選択図】図4

Description

本発明は、高炉に装入される焼結鉱の製造方法に関し、さらに詳しくは、焼結生産率に応じて焼結原料中の副原料の配合を変更することにより、高炉減産期におけるコスト削減が可能であり、かつ高炉増産期における成品焼結鉱の品質の悪化を最小限に低減できる高品質低SiO2焼結鉱の製造方法に関する。
高炉に装入される焼結鉱の一般的な製造工程は次のとおりである。まず、本船から荷揚げされた粉鉱石を銘柄毎に粉鉱ヤードに山積みする。これらの粉鉱石を焼結機において銘柄毎に配合槽に装入し、その他の配合槽に装入されている副原料(石灰石、生石灰、蛇紋岩等)、凝結材(粉コークス等)、返鉱(粉焼結)とともに、それぞれの配合槽から所定量連続的に切り出し、混合造粒機内で適量の水分を添加しながら造粒する。この造粒処理によって擬似粒子化された焼結原料を焼結機のパレットに充填する。
そして、焼結原料充填層の上部から下方に向かって空気を吸引しつつ、充填層の上部に点火し、原料中の凝結材を上部から順次燃焼させて焼結原料を焼成する。焼成後は、焼成物を破砕し、冷却した後に、一定粒度以上の焼結鉱を成品焼結鉱として高炉に装入する。破砕および整粒過程で発生した一定粒度未満の焼結鉱(5mm以下程度)は返鉱として再び焼結原料に使用される。
製造された焼結鉱の品質特性としては冷間強度、還元性、還元粉化性および粒度分布等があり、これらの品質特性は高炉の安定操業に大きく影響する。このため、焼結原料の配合割合は、円滑な焼結操業はもちろんのこと、高炉の安定操業をも目的に見据えて決定される。さらに、一般的には粉鉱石の銘柄調整のみでは、上記目的を達成することは困難であることから、副原料が配合される。
一方、高炉に装入される鉄鉱石としては、焼結鉱、塊鉱石およびペレットが代表的である。しかし、近年の原料事情から、良質な塊鉱石が枯渇してきたため、高炉の操業方法は、使用する鉄鉱石中の焼結鉱の比率(以下、「焼結比」という)を高める操業方法に推移している。また、高炉の操業変動を抑制する観点から、焼結比を一定に維持することが要求される。
さらに、単位銑鉄量に対して生成する高炉スラグ量(以下、「スラグ比」という)を低減することによって、還元材比を低減するとともに、スラグ処理費用を削減するために、焼結鉱中のSiO2含有率をできるだけ低く抑えることが求められている。
一般に、焼結鉱の還元性や高温性状を改善する方法としては、焼結鉱中のSiO2含有率を低減することが効果的であることが知られている。従来から、焼結鉱のSiO2含有率を低減する方法としては、SiO2含有率が2質量%以下である低SiO2粉状鉄鉱石を用いる方法、および蛇紋岩の配合を減ずる方法が採用されてきた。
しかし、低SiO2粉状鉄鉱石を用いる方法は、コストが高いという欠点がある。一方、蛇紋岩の配合を低減する方法は、蛇紋岩がSiO2・MgO系副原料であることから、その配合量の低減によって焼結鉱中のMgO濃度も同時に低下するため、焼結鉱の高温性状の悪化により高炉炉内の通気抵抗が増加する恐れがある。
このような問題を解決する手段として、例えば、特許文献1には、MgO系副原料にCaO・MgO系副原料であるドロマイト、軽焼ドロマイトを使用し、焼結鉱のMgO濃度が2〜4質量%、SiO2濃度が5〜6.5質量%となるように調整して焼結鉱を製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1で開示される方法では、成品焼結鉱のSiO2濃度が5〜6.5質量%と高く、高炉における焼結比を高めることが困難である。さらに、ドロマイトおよび軽焼ドロマイトは原料混合の造粒時に分散性が悪いことから、CaO・MgO系副原料が未反応のまま焼結鉱中に残留するため、冷間強度や歩留の低下を招くことになる。
軽焼ドロマイトの分散性を改善する手段として、特許文献2には、円柱型ロッドを内蔵したドラム型振動混練機を使用して、軽焼ドロマイトを含む焼結原料の破砕と混合を行うことにより、焼結鉱を製造する方法が開示されている。しかし、特許文献2で開示される方法では、粗粒の鉄鉱石まで粉砕することから、造粒過程で核粒子となる粗粒鉄鉱石の粒度が低下するため造粒が困難となる。このように、造粒後の焼結原料の粒度が低下すると、焼結原料充填層の通気性が悪化することから、焼結生産性の低下を招くことになる。
これらの改善策として、特許文献3には、焼結原料を分割して分割した工程ラインにてドロマイトおよび軽焼ドロマイトを配合した原料を攪拌高速羽根を内蔵した混合機で混合する方法が提案されている。しかし、特許文献3で提案される方法を行うためには、大幅な設備変更が必要となることから、設備費を要するという問題がある。
また、特許文献4には、MgO系副原料として粒径1mm以下のマグネサイト(MgCO3)やブルーサイト(Mg(OH)2)を配合し、高結晶水鉱石と均一混合した予備造粒後の擬似粒子と、残原料である通常鉱石とを配合し、MgO系副原料の均一化を図る焼結鉱の製造方法が開示されている。しかし、特許文献4で開示される方法は、CaO・MgO系副原料が微細かつ均一に分散される融体を形成しやすく、その結果、鉄鉱石どうしが容易に結合する点では好ましいが、多量の原料の破砕が必要となることから、製造コストの上昇を招くという問題がある。さらに、原料の粒径が低下するため焼結原料充填層の通気性悪化により生産性が低下するという問題、およびマグネサイトやブルーサイトは高価であり原料コストの上昇を招くという問題があり、実用的な方法とは言えない。
特開昭53−30403号公報 特開平2−170926号公報 特開平8−283876号公報 特開2001−348623号公報
前述の通り、安価なコストで、焼結鉱中のMgO含有率の確保が可能であり、かつ還元性、還元粉化性および高温性状を向上または維持できる低SiO2焼結鉱の製造技術は提案されていない。
本発明の目的は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、製造および原料コストの上昇を招くことなく、高炉の安定操業を実現できる高品質低SiO2焼結鉱の製造方法を提供することである。
本発明者は、高品質低SiO2焼結鉱の製造方法について検討し、高炉における焼結鉱の必要量と焼結生産量との関係に着目した。具体的には、高炉増産期において焼結比を一定に保つためには、焼結鉱を増産する必要があるのに対し、高炉減産期において焼結生産量が低下しても焼結比を維持できるという点、すなわち、高炉増産期と高炉減産期とでは、焼結機における生産性の余力に差が生じることに着目した。
さらに、本発明者は、配合原料が同一であっても、焼結生産率を低下させることによって、冷間強度、粒度等の品質が向上する性質を利用した。すなわち、焼結生産率が低い場合(高炉減産期に対応)には、焼結鉱中のMgO含有率の補填をドロマイト等のCaO・MgO系副原料を用いて行うことにより、安価なコストで、しかも冷間強度、粒度等の品質を維持できる低SiO2焼結鉱を製造することが可能であることを知見した。
一方、焼結生産率が高い場合(高炉増産期に対応)には、焼結中MgO含有率の補填をドロマイト等のCaO・MgO系副原料ではなく、蛇紋岩等のSiO2・MgO系副原料と低SiO2鉱石で行うことにより、焼結生産性を向上または維持した状態で冷間強度、粒度等の品質を確保できる低SiO2焼結鉱を製造することが可能であることを知見した。ここで、焼結生産率とは、焼結鉱生産量(Ton/日)を焼成面積(m2)で割ったものであり、焼結機の生産性を示す指標である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法を要旨としている。
すなわち、成品焼結鉱中のSiO2含有率が4.0質量%以上、4.6質量%以下であり、CaO/SiO2質量比率が1.5以上、2.5以下の範囲であり、かつ、MgO含有率が0.5質量%を超える焼結鉱の製造方法において、配合されるMgO系副原料が、以下の条件(1)〜(3)のいずれかを満足することを特徴とする高品質低SiO2焼結鉱の製造方法。
条件(1)焼結生産率≧37.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料を配合しない。
条件(2)35.0T/d/m2<焼結生産率<37.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料も配合する。
条件(3)焼結生産率≦35.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてCaO・MgO系副原料を配合し、かつSiO2・MgO系副原料を配合しない。
本発明において、「MgO系副原料」とは、MgOを10質量%以上含有する副原料を意味する。
また、「SiO2・MgO系副原料」とは、MgO系副原料のうちSiO2を10質量%以上含有する副原料を、「CaO・MgO系副原料」とは、MgO系副原料のうちCaOを10質量%以上含有する副原料を意味する。
本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法によれば、焼結生産率に応じてMgO系副原料の配合を変更することにより、高炉減産期においてはコスト削減が可能であり、また、高炉増産期においては成品焼結鉱の品質を悪化させることなく高炉に最適な焼結鉱を供給することができる。
前記のとおり、本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法は、成品焼結鉱中のSiO2含有率が4.0質量%以上、4.6質量%以下であり、CaO/SiO2質量比率が1.5以上、2.5以下の範囲であり、かつ、MgO含有率が0.5質量%を超える焼結鉱を製造する方法であり、焼結生産率≧37.0T/d/m2の場合には、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料を配合しないこと、35.0T/d/m2<焼結生産率<37.0T/d/m2の場合には、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料も配合すること、および焼結生産率≦35.0T/d/m2の場合には、MgO系副原料としてCaO・MgO系副原料を配合し、かつSiO2・MgO系副原料を配合しないことを特徴としている。以下に、本発明を上記のように規定した理由および好ましい範囲について説明する。
本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法において、焼結鉱成分中のSiO2含有率を4.0質量%以上、4.6質量%以下とした理由は、焼結鉱のSiO2含有率が4.0質量%未満では、SiO2含有率が低すぎるため、焼結反応において十分な量の融液生成が見込めないからである。一方、SiO2含有率が4.6質量%を超えると、SiO2含有率が低い焼結鉱とはいえず、この焼結鉱を高炉に装入した場合には、高炉スラグ比が上昇し高炉操業に支障をきたすからである。
また、CaO/SiO2質量比率を1.5以上、2.5以下とした理由は、CaO/SiO2質量比率が1.5未満では、融液が不足するため、焼結鉱の強度および歩留りの維持が困難となるからである。一方、CaO/SiO2質量比率が2.5を超えると、強度および歩留りは維持されるが、微細気孔が減少することにより、被還元性が悪化するからである。
さらに、焼結鉱成分中のMgO含有率が0.5質量%を超えることとした理由は、0.5質量%未満の低MgO焼結鉱では、高炉炉内での高温性状の悪化、および高炉内で生成するスラグ粘度の増加を招くからである。
本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法では、MgO系副原料として、SiO2・MgO系副原料およびCaO・MgO系副原料を使用する。表1に、MgO系副原料の化学組成を示す。
Figure 2008069427
表1には、SiO2・MgO系副原料として蛇紋岩の化学組成を、また、CaO・MgO系副原料としてドロマイトの化学組成を示した。また、SiO2・MgO系副原料またはCaO・MgO系副原料に該当しないブルーサイトおよびマグネサイトについても、参考のために化学組成を示した。焼結鉱中のMgO含有率の確保という点のみに着目すれば、ブルーサイトおよびマグネサイトの方が、蛇紋岩またはドロマイトよりも優れているが、前述のとおり、マグネサイトやブルーサイトは高価であり原料コストの上昇を招くことから、本発明の課題の解決には適さない。
さらに、本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法は、焼結生産率に応じて焼結原料中のSiO2・MgO系副原料およびCaO・MgO系副原料の配合を変更すること特徴としている。本発明者は、CaO・MgO系副原料の成品粒度に対する影響を調査するために、CaO・MgO系副原料としてドロマイトを使用し、焼成面積が260m2のドワイトロイド型焼結機を用いた焼成試験を行った。
試験は、焼結生産率37.0T/d/m2および35.0T/d/m2の2ケースに関して、成品焼結鉱中の成分が、SiO2=4.55質量%、CaO=9.10質量%、Al23=1.70質量%を満たすように原料を調整し、ドロマイトの配合率を変化させた場合の成品焼結鉱の粒度分布における10mm以下の占める割合(以下、「成品−10mm」ともいう)を調査した。
図1は、ドロマイトの配合率と粒径10mm以下の成品焼結鉱の割合との関係を示す図である。図1に示すように、ドロマイトの配合率を高くするのにともなって、成品−10mmが上昇し、その結果として歩留が低下した。また、焼結生産率を減ずることにより同一配合において成品−10mmが改善することが確認された。
また、本発明者は、SiO2・MgO系副原料の成品粒度に対する影響を調査するために、SiO2・MgO系副原料として蛇紋岩を使用して焼成試験を行った。
試験は、焼結生産率37.0T/d/m2で一定とし、成品焼結鉱中の成分が、SiO2=4.55質量%、CaO=9.10質量%、Al23=1.70質量%を満たすように原料を調整し、蛇紋岩の配合を変化させた場合の成品−10mmを調査した。なお、蛇紋岩増減による成品焼結鉱中のSiO2の含有量は低SiO2低Al23鉱石(ブラジル鉱)と高SiO2低Al23鉱(豪ピソライト)置換により調整した。
図2は、蛇紋岩の配合率と粒径10mm以下の成品焼結鉱の割合との関係を示す図である。図2に示すように、蛇紋岩の配合を増加させたことによる成品−10mmの上昇は、ドロマイトの配合を増加させたことによる上昇に比べて小さいことが判明した。この理由としては、蛇紋岩の配合を増加させたことによる悪影響が、ピソライトの配合を減少させたことにより、ある程度相殺されたからであると推定される。
さらに、本発明者は、ドロマイト配合率の焼結生産率への影響を定量的に把握するため、上記と同じ条件下で成品−10mmが33%で一定となるように、焼結生産率の調整を行った。
図3は、ドロマイトの配合率と焼結生産率との関係を示す図である。図3から明らかなように、成品−10mmを一定とするため、すなわち、成品焼結鉱の品質を維持するためには、焼結生産率を上昇させるにともなって、ドロマイト配合率を低下させねばならないことが確認された。
本発明者は、これらの試験結果を整理し、成品−10mm一定とするための各生産率におけるドロマイトの配合率の上限値を得た。
図4は、ドロマイトの配合率の上限値と焼結生産率との関係を示す図である。焼結生産率を37.0T/d/m2以上とするためには、ドロマイトの配合を避けるべきであり、また、焼結生産率が35.0T/d/m2以下でよいのであれば、安価なドロマイトでも成品焼結鉱の品質を維持できることが、図4から判明した。
以上の結果より、本発明者は、下記の(1)〜(3)の結論を得た。
(1)焼結生産率≧37.0T/d/m2の場合には、CaO・MgO系副原料であるドロマイトを配合せず、MgOはSiO2・MgO系副原料である蛇紋岩を配合して調整する。
(2)35.0T/d/m2<焼結生産率<37.0T/d/m2の場合には、焼結生産率が上昇するに従いCaO・MgO系副原料であるドロマイトの配合率を減少させ、その結果として、MgOが不足するのであれば、SiO2・MgO系副原料である蛇紋岩を配合する。
(3)焼結生産率が35.0T/d/m2以下の場合には、MgO原料としてCaO・MgO系副原料であるドロマイトを配合しても、成品−10mmが上昇し難いことから、SiO2・MgO系副原料を配合する必要は無い。
本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法は、上記の(1)〜(3)の条件に従って、SiO2・MgO系副原料またはCaO・MgO系副原料を配合することにより、焼結増産における品質悪化を最小限に低減できる。
本発明の効果を確認するため、CaO・MgO系副原料であるドロマイト、およびSiO2・MgO系副原料である蛇紋岩の配合を変化させて、焼結および高炉の試験操業を行い、その結果を評価した。
(試験条件)
本試験に使用した配合原料の化学組成および成品焼結鉱の化学組成を表2に、粉鉱石の化学組成を表3に示す。
Figure 2008069427
Figure 2008069427
表2に示すように、成品焼結鉱中の成分が、SiO2=4.55質量%、CaO/SiO2=2.0で一定となるように調整し、有効面積が260m2の焼結機を用いて、成品焼結鉱を焼成した。試験番号T1〜T3は、焼結生産率に対するドロマイトおよび蛇紋岩の配合条件が、本発明で規定する条件を満たさない比較例であり、試験番号T4〜T8は、焼結生産率に対するドロマイトおよび蛇紋岩の配合条件が、本発明で規定する条件を満たす本発明例である。
炉容積が2700m3の高炉1基を用いて、比較例T1およびT2、並びに本発明例T4〜T7に対しては高炉減産期を想定した高炉操業を行い、比較例T3および本発明例T8に対しては高炉増産期を想定した高炉操業を行った。
(高炉減産期)
焼結低生産率期、すなわち、高炉減産期を想定した試験結果を表4に示す。
Figure 2008069427
高炉減産期においては、必要以上に出銑する必要はなく、求められた生産量まで減産した中で如何にコストを削減できるかが重要であることから、コスト削減が第1に優先される。したがって、減産時の高炉操業の評価は、配合コストとスラグ処理に重点を置いて、総合評価を行った。
焼結生産率が35.0T/d/m2以下である本発明例T4〜T6は、低SiO2鉱石が増加することがなく、かつ高炉スラグも水砕スラグとして使用可能となることから、廃棄処分の必要がなかった。このことから、焼結生産率を35.0T/d/m2以下で操業する場合には、比較的高価な蛇紋岩や低SiO2鉱石の配合を増加させるのに替えて、安価なドロマイトを配合することにより、高炉スラグMgOを確保する方法が適していることが確認された。
一方、焼結生産率が35.0T/d/m2より大きく37.0T/d/m2より小さい場合には、蛇紋岩を配合しなかった比較例T1およびT2では、高炉スラグMgOが低下したためにJIS−A6206に規定する高炉スラグの塩基度([CaO+MgO+Al23]/SiO2、JIS塩基度とも称する)が低下し、セメント用として使用できず廃棄処分となった。すなわち、コスト面からも地球環境保全の面からも好ましくない結果となった。
これに対し、高炉スラグMgOを増加させるために蛇紋岩(および低SiO2鉱石)の配合率を増した本発明例T7(ドロマイトと蛇紋岩を併用したケース)では、高炉スラグMgOを確保することが可能となり、かつ配合上のコストの悪化も最小限に抑制することができた。
(高炉増産期)
焼結高生産率期、すなわち、高炉増産期を想定した試験結果を表5に示す。
Figure 2008069427
高炉増産期において、第1に優先されるべきは高生産率の維持である。したがって、増産時の高炉操業の評価は、出銑量の確保に重点を置いて、総合評価を行った。
比較例T3はドロマイトを配合しなかったことから、焼結品質を悪化させることなく焼結生産量を維持することができた。しかし、焼結鉱成分中MgO含有率が0.5質量%未満となったため、高炉炉内における高温性状が悪化し、通気性悪化等により高炉生産量が低下した。さらに、スラグは通常、全量水砕処理した後に、セメント材料としてリサイクル使用を行っていたが、焼結鉱成分中MgO含有率低下にともなって高炉スラグ中MgOも低下したことから、JIS塩基度が低下しセメント用として使用できず廃棄処分となった。このため、コスト面からも地球環境保全の面からも好ましくない結果となった。
これに対して、ドロマイトの配合に替えて、低SiO2鉱石と蛇紋岩を配合することによって、6質量%まで高炉スラグ中MgOを上昇させた本発明例T8では、焼結生産率の低下はほとんど見られず、高炉での生産量を維持することが可能であった。
本発明の高品質低SiO2焼結鉱の製造方法によれば、焼結生産率に応じてMgO系副原料の配合を変更することにより、高炉減産期においてはコスト削減が可能であり、また、高炉増産期においては成品焼結鉱の品質を悪化させることなく高炉に最適な焼結鉱を供給することができる。
これにより、高炉の安定操業を実現できる高品質焼結鉱の製造方法としてだけではなく、経済性に優れ、かつ資源の有効利用を可能とする焼結鉱の製造方法として広く適用できる。
ドロマイトの配合率と粒径10mm以下の成品焼結鉱の割合との関係を示す図である。 蛇紋岩の配合率と粒径10mm以下の成品焼結鉱の割合との関係を示す図である。 ドロマイトの配合率と焼結生産率との関係を示す図である。 ドロマイトの配合率の上限値と焼結生産率との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 成品焼結鉱中のSiO2含有率が4.0質量%以上、4.6質量%以下であり、CaO/SiO2質量比率が1.5以上、2.5以下の範囲であり、かつ、MgO含有率が0.5質量%を超える焼結鉱の製造方法において、
    配合されるMgO系副原料が、以下の条件(1)〜(3)のいずれかを満足することを特徴とする高品質低SiO2焼結鉱の製造方法。
    条件(1)焼結生産率≧37.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料を配合しない
    条件(2)35.0T/d/m2<焼結生産率<37.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてSiO2・MgO系副原料を配合し、かつCaO・MgO系副原料も配合する
    条件(3)焼結生産率≦35.0T/d/m2の場合、MgO系副原料としてCaO・MgO系副原料を配合し、かつSiO2・MgO系副原料を配合しない
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