JP2011246781A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素含有率および塩基度が低く、融体流動性の劣る製鋼スラグを焼結原料に配合した場合に、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下を防止できる焼結鉱の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、CaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度が3.7以下である製鋼スラグおよび石灰石を含有する焼結原料を混合、造粒して擬似粒子とし、当該擬似粒子を用いて焼結鉱を製造する方法であって、焼結原料における、製鋼スラグと石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。本発明の焼結鉱の製造方法は分割造粒法を採用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、DL式焼結機(ドワイトロイド式焼結機:以下、「焼結機」とも略記する)を用いて高炉で使用される焼結鉱を製造する方法に関し、さらに詳しくは、鉄鋼生産における製鋼工程で発生する製鋼スラグを焼結鉱の製造プロセスに効率よくリサイクルしつつ、高品質の焼結鉱を製造する方法に関する。
高炉による銑鉄生産操業で鉄源として使用される焼結鉱は、一般に下記の方法により製造される。焼結鉱の原料は粉鉄鉱石、副原料および炭材であり、副原料とは、SiO2を含有する原料、CaOを含有する原料、MgOを含有する原料などが該当し、鉄鉱石、炭材、および返鉱を除く原料を意味する。
炭材とは、コークス、石炭などが該当し、フリーカーボン源を含有する原料を意味する。また、製鉄所内で発生するダストやスラグなどは雑原料として用いられ、この雑原料はフリーカーボンを含有するが、副原料に分類される。これらの個々の原料は、予め計画された配合比率にしたがって原料槽から切り出され、混合される。このように混合された原料を「焼結原料」と称す。
焼結原料は、通常6.0〜7.5質量%程度の水分値になるように水分が添加され、混合、調湿および造粒処理が施される。水分の添加、混合、調湿および造粒処理を経る過程で、種々の粒径の粒子が水分を介して合体して擬似的な粒子が形成される。形成された擬似的な粒子を「擬似粒子」と称す。通常、擬似粒子は、粒子径が1mm以上の原料を核粒子として、その周囲に粒子径が0.25mm以下の原料が付着することにより、粒子径が2〜4mm程度に形成されたものである。
擬似粒子は、サージホッパーに装入された後、サージホッパーの下方からロールフィーダによって切り出され、スローピングシュートを介して焼結機のパレット上へ装入される。擬似粒子は、パレット上で焼結原料充填層(以下、「原料層」とも略記する)を形成し、通常、その焼結原料充填層の層厚は500〜700mm程度に調整される。
こうして形成された原料層は、焼結機の点火炉においてその表面に着火される。この着火により、原料層内に存在する擬似粒子中の炭材の燃焼が開始される。燃焼熱によって周囲の擬似粒子が昇温されて、擬似粒子が部分的に溶融し、その融液(融体)により擬似粒子間が架橋されて焼結し、原料層は最終的に焼結ケーキを形成する。このようにして形成された焼結ケーキは、焼結機の排鉱部から排鉱され、クラッシャーにより所定の粒度に破砕されて焼結鉱となり、高炉の原料として使用される。
上記のように、原料層は、焼結機のパレット上に装入されて以降、焼結ケーキを形成し、冷却後、排鉱されるまでの間に、昇温、焼結反応および冷却の各操作を受けるので、それらの条件により焼結成品の品質は左右される。
焼結鉱を製造する際に雑原料として製鋼スラグが使用される場合があり、この製鋼スラグは、鉄鋼生産における製鋼工程で生成される副産物である。製鋼スラグの用途は、焼結鉱の原料以外に、製鋼工程での再利用(リサイクル)、埋め立て、または各種素材としての外販が考えられている。
ここで、製鋼スラグとは、転炉等の脱炭工程で発生する脱炭スラグ、脱珪工程で発生する脱珪スラグ、脱硫工程で発生する脱硫スラグ、脱燐工程で発生する脱燐スラグ、2次製錬工程で発生する2次製錬スラグ、連続鋳造工程で発生する連鋳スラグなどが例示される。脱珪スラグ、脱硫スラグおよび脱燐スラグは、溶銑予備処理スラグなどと総称されることもある。
製鋼工程では脱炭スラグが脱燐工程でリサイクルされる場合があるが、脱炭スラグは融点が高いため、脱燐炉において多量にリサイクルすることは困難である。また、製鋼スラグを埋め立て処理する場合、環境上の課題が多いことから、その処理量は制限される。製鋼スラグを各種素材として外販する場合、土木・建築分野に外販されて利用されているが、その受入量は少ない。
一方、製鋼スラグを焼結鉱の原料として使用する場合、製鋼スラグに含有される鉄成分やCaO成分を有効に利用できる。ここで、製鋼工程では、脱燐工程の後に脱炭工程を施す溶銑脱燐法を用いる場合があり、溶銑脱燐法による製鋼工程の脱炭工程で発生する脱炭スラグは、脱燐された溶銑から発生するため、P含有率が低い。このように溶銑脱燐法による製鋼工程の脱炭工程で発生する脱炭スラグを「溶銑脱燐法で発生する脱炭スラグ」と称す。溶銑脱燐法で発生する脱炭スラグを焼結鉱の原料として使用することにより、製銑から製鋼までのプロセスで燐が循環することを低減できる。
従来、溶銑脱燐法で発生する脱炭スラグをはじめとする製鋼スラグは、フッ素の含有率およびCaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度(CaO/SiO2)が高い。このため、焼結機に装入された擬似粒子が燃焼して焼結する過程で、生成される融体の流動性を向上させることから、焼結性に優れる原料であった。
製鋼スラグを用いて焼結鉱を製造する方法に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1〜3がある。特許文献1に記載の焼結鉱の製造方法は、5〜15重量%のFeO成分と0.5〜4.0重量%のフッ素成分を含む製鋼スラグを、全焼結原料に対して0.1〜5.0重量%配合し、CaO成分が6.0〜12.0重量%含まれる焼結鉱を製造する方法である。特許文献1に記載の焼結鉱の製造方法では、製鋼スラグのフッ素成分を0.5〜4.0重量%とすることにより、焼結過程で鉄鉱石と製鋼スラグの融体による焼結化反応を適正に保つことができるとしている。
また、特許文献2に記載の焼結鉱の製造方法は、焼結原料を鉄鉱石、コークス等の主原料群(以下A群)と、生石灰等のバインダー、ヘマタイト系鉄鉱石、石灰石に製鋼スラグとドロマイトを選択的に加えたその他群(以下B群)とに分け、A群およびB群に属する焼結原料をそれぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とし、各群の擬似粒子を混合した混合原料を用いて焼結鉱を製造する方法である。特許文献2に記載の焼結鉱の製造方法では、焼結性が劣るドロマイトを焼結性に優れる製鋼スラグと選択的に組み合わせて造粒することにより、焼結鉱の品質を低下させることなく、焼結鉱のSiO2含有率を低減させるドロマイトを使用できるとしている。
特許文献3に記載の焼結鉱の製造方法は、結晶水を4質量%以上含有する高結晶水鉄鉱石を全鉄鉱石量に対して40質量%以上配合し、FeOを5〜30質量%含有する製鋼スラグを、該製鋼スラグ中のFeOと前記高結晶水鉄鉱石中のFeとの質量%比(FeO/Fe)で1.0%以上となるように配合した原料を、焼結原料の全量または一部として使用する焼結鉱の製造方法である。特許文献3に記載の焼結鉱の製造方法では、高結晶水鉄鉱石を焼結原料に配合した場合に焼結過程で溶融率が上昇して融体の流動性が悪化するのを、焼結原料に製鋼スラグを配合することにより防止するとしている。
これらの特許文献1〜3に共通することは、製鋼スラグはフッ素含有率および塩基度が高いことから、焼結過程で融体流動性を向上させ、優れた焼結性を発揮でき、このような製鋼スラグを焼結原料に配合することにより、焼結化反応を適正に保つこと、特に焼結性の劣る焼結原料を併用する場合に優れた焼結性を発揮させることである。
しかし、現在の製鋼工程は環境への影響を考慮して、フッ素の使用量を低減した操業に移行しており、製鋼スラグのフッ素成分の含有量は0.5質量%以下である。このため、焼結原料に製鋼スラグを配合し、製鋼スラグに含有されるCaF2といったフッ素成分により、焼結過程で融体流動性を向上させる効果は期待できなくなっている。
特開平10−317070号公報 特開平11−229046号公報 特開2004−27250号公報
住友金属 Vol.42−4(1990) p.84−93 日本鉄鋼協会編:第3版鉄鋼便覧II製銑・製鋼(1979) p.119
前述の通り、昨今においては、製鋼工程では環境への影響を考慮して、CaF2といったフッ素を多く含有する媒溶剤の使用を回避する、いわゆる低フッ素操業を指向しており、その結果、製鋼スラグのフッ素含有率は低下している。さらに、製鋼スラグの塩基度も低下する傾向にあり、製鋼スラグを焼結原料としての観点から見ると、融体流動性は悪化している。そのため、従来の配合方法で製鋼スラグを焼結原料に使用すると、焼結鉱の生産性、成品歩留、品質が低下する。
ところが、前述の通り、製鋼スラグの用途として、製鋼工程での再利用(リサイクル)、埋め立て、または各種素材としての外販があるが、いずれの用途も発生量に対する処理または利用可能な量が不足している。このため、製鋼スラグの処理では、焼結原料として利用することが、従来と同様に必要とされている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、フッ素含有率および塩基度が低く、融体流動性の劣る製鋼スラグを焼結原料に配合した場合に、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下を防止できる焼結鉱の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記問題を解決するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、石灰石を製鋼スラグと近接配置することにより、焼結過程で生成される融体のCaO/Fe23比(固液比)を上昇させ、融体流動性を向上させるとともに、発熱原料(製鋼スラグ)近傍に易溶融原料(石灰石)を配置することにより、焼結過程で石灰石の溶融による液相生成が促進され、融体流動性を向上させる。これにより、フッ素含有率および塩基度が低い製鋼スラグを焼結原料に配合することによる融体流動性の悪化を抑制し、焼結過程で融体流動性を確保できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)〜(4)の焼結鉱の製造方法を要旨としている。
(1)フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、CaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度が3.7以下である製鋼スラグおよび石灰石を含有する焼結原料を混合、造粒して擬似粒子とし、当該擬似粒子を用いて焼結鉱を製造する方法であって、前記焼結原料における、前記製鋼スラグと前記石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)焼結原料をCaO含有率の高い群(以下A群)と、CaO含有率が低い群(以下B群)とに分割し、A群およびB群に属する焼結原料をそれぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とし、各群の擬似粒子を混合した混合原料を用いて焼結鉱を製造する方法であって、フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、CaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度が3.7以下である製鋼スラグを前記A群の焼結原料とし、前記A群の焼結原料における、前記製鋼スラグと前記石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(3)前記製鋼スラグとして、溶銑に脱燐工程の後に脱炭工程を施す溶銑脱燐法による製鋼工程において、脱炭工程で発生した脱炭スラグを用いることを特徴とする上記(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記溶銑脱燐法による製鋼工程の脱炭工程で発生した脱炭スラグのP含有率が0.5質量%以下であることを特徴とする上記(3)に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明の焼結鉱の製造方法により、フッ素含有率および塩基度が低く、融体流動性の劣る製鋼スラグを焼結原料に配合した場合に融体流動性の悪化を抑制でき、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下を防止できる。
実施例で行った焼結鉱の製造プロセスを示す図である。
以下に、本発明の焼結鉱の製造方法について詳述する。本発明の焼結鉱の製造方法では、全量の焼結原料に製鋼スラグを配合する方式、または一部の焼結原料に製鋼スラグを配合する方式のいずれも用いることができる。
全量の焼結原料に製鋼スラグを配合する場合、本発明の焼結鉱の製造方法は、フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、塩基度が3.7以下である製鋼スラグおよび石灰石を含有する焼結原料を混合、造粒して擬似粒子とし、当該擬似粒子を用いて焼結鉱を製造する方法であって、焼結原料における、製鋼スラグと石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする。
一部の焼結原料に製鋼スラグを配合する場合、本発明の焼結鉱の製造方法は、焼結原料をCaO含有率の高い群(以下A群)と、CaO含有率が低い群(以下B群)とに分割し、A群およびB群に属する焼結原料をそれぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とし、各群の擬似粒子を混合した混合原料を用いて焼結鉱を製造する方法であって、フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、塩基度が3.7以下である製鋼スラグをA群の焼結原料とし、A群の焼結原料における、製鋼スラグと石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする。
一部の焼結原料に製鋼スラグを配合する場合に採用する分割造粒法は、焼結鉱製造における選択造粒処理技術の一環であり、例えば非特許文献1に記載されている。分割造粒法は、焼結過程で擬似粒子が部分的に溶融した融液の流動性や、焼結鉱の鉱物生成に重要な役割を有するCaO成分の含有率に基づき焼結原料を分割し、分割された焼結原料をそれぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とし、CaO成分の含有率が高い擬似粒子と低い擬似粒子とを混合して焼結するプロセスである。
このような分割造粒法はCaO成分の偏在を前提にしていることや、全量の焼結原料に対するCaO成分の含有率を高炉の操業条件から定められる適正範囲内とする必要があることなどから、一部(A群)の焼結原料に製鋼スラグを配合する場合、焼結原料の全量に対してCaO含有率が高い群(A群)の焼結原料を、15〜30質量%の配合比率にするのが望ましい。
全量または一部(A群)の焼結原料に製鋼スラグを配合する際に、全量または一部(A群)の焼結原料における、製鋼スラグと石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合する理由を説明する。
まず、石灰石/製鋼スラグの比について、この質量含有率の比が1より小さい場合には、製鋼スラグの周囲に石灰石を近接配置させることはできない。このため、フッ素含有率および塩基度が低い製鋼スラグを焼結原料に配合することによる融体流動性の悪化を抑制できないので、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質が低下する。
ここで、石灰石は前述したように焼結鉱製造において重要な役割を有するCaO成分の供給源であり、焼結鉱の成分設計の範囲で必須に使用される。一方、製鋼スラグについては、焼結鉱の原料として任意に使用される原料であるので、極少量が使用される場合も有り得る。極少量の製鋼スラグが使用される場合、石灰石/製鋼スラグ比は、本発明で規定する1を大きく超えた値となるが、その場合であっても製鋼スラグの周囲に石灰石が近接配置されることから、焼結過程で融体のCaO/Fe23比(固液比)が上昇するとともに、石灰石の溶融による液相生成が促進され、融体流動性を確保できる効果を問題なく奏する。
次に、製鋼スラグと石灰石の含有率の和について、30質量%より小さい場合には、石灰石/製鋼スラグの比が1以上の場合であっても、石灰石は製鋼スラグ以外の原料の周囲にも配置されるため、焼結過程で融体流動性を確保できる効果を十分に享受できない。一方、製鋼スラグと石灰石の含有率の和が70質量%より大きい場合、全量または一部の焼結原料を混合、造粒して擬似粒子としても、擬似粒子に含有される鉄源が少なく、偏在することから、やはり焼結過程で融体流動性を確保できる効果を十分に享受できない。
本発明の焼結鉱の製造方法において、製鋼スラグのフッ素成分の含有率を0.5質量%以下、塩基度を3.7以下と規定するのは、本発明が、フッ素成分の含有率および塩基度の低く、融体流動性の劣る製鋼スラグを焼結原料に配合して利用することを目的とするからである。
製鋼スラグとしては、前述の脱炭スラグ、脱珪スラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグ、2次製錬スラグ、連鋳スラグを用いることができるが、本発明の焼結鉱の製造方法は、製鋼スラグとして、溶銑脱燐法で発生した脱炭スラグを用いるのが望ましい。溶銑脱燐法で発生した脱炭スラグは脱燐工程の後に施される脱炭工程で発生するスラグであることから、P含有率が低く、製銑から製鋼までのプロセスで燐が循環することを低減できる。
製鋼スラグとして、溶銑脱燐法で発生した脱炭スラグを用いる場合、溶銑脱燐法で発生した脱炭スラグのP含有率が0.5質量%以下であるものを用いるのが望ましい。これにより、製銑から製鋼までのプロセスで燐が循環することを、さらに低減できるからである。
本発明に係る焼結鉱の製造方法の効果を確認するため、下記に示す試験を行い、その結果を評価した。
[試験方法]
図1は、実施例で行った焼結鉱の製造プロセスを示す図である。焼結原料をCaO含有率の高いA群と、CaO含有率が低いB群とに分割し、図1に示すようにA群に属する焼結原料を第1ドラムミキサー1aで、B群に属する焼結原料を第2ドラムミキサー1bで、それぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とした。A群に属する焼結原料による擬似粒子と、B群に属する焼結原料による擬似粒子とを第3ドラムミキサー1cで混合し、混合原料とした。その後、混合原料を焼結機2に装入して原料層を形成させ、原料層を燃焼させて焼結ケーキとし、焼結ケーキを破砕して焼結鉱を得た。
焼結機はパレット面積540m2(幅5.4m、機長100m)のものを用い、製鋼スラグとして、溶銑脱燐法で発生した脱炭スラグであって、フッ素成分の含有率が0.11質量%、塩基度が3.31であるものを用いた。表1に、本実施例で使用した脱炭スラグの化学成分を示す。
Figure 2011246781
本発明例では、A群の焼結原料における、脱炭スラグの含有率を8.6%、石灰石の含有率を22.0%とし、製鋼スラグと前記石灰石の含有率の和は30.6質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを2.56にして配合した。比較例1では、A群およびB群のいずれの焼結原料にも脱炭スラグ(製鋼スラグ)を配合しなかった。比較例2では、脱炭スラグをA群に代えて、B群の焼結原料に配合した。表2に全量の焼結原料に対する各原料の配合比率を、表3にA群またはB群の焼結原料に対する各原料の配合比率をそれぞれ示す。
Figure 2011246781
Figure 2011246781
表2の小計欄で示す通り、焼結原料の全量に対するCaO含有率が高い群(A群)の配合比率は、本発明例または比較例で若干異なるが、15質量%程度とした。
[評価指標]
本発明例および比較例ともに、焼結鉱の生産量、成品歩留および品質を評価した。焼結鉱の生産量(t/hr/m2)は、焼結ケーキを破砕し、5mm篩で整粒して得られた篩上の焼結鉱の質量(t)を、焼結に要した時間(hr)とパレット面積(m2)とで除し、単位時間かつ単位面積あたりで表したものである。焼結鉱の成品歩留(%)は、破砕して得られた上記篩上の焼結鉱の質量を破砕する前の焼結ケーキの質量により除し、この比率を百分率により表示した値である。
焼結鉱の品質を評価する指標として、回転強度(タンブラ強度)を用いた。回転強度(%)は、採取した粒径10〜50mmの焼結鉱を直径1mの回転ドラムに入れて200回転させた後、篩目10mmの篩で分級し、篩上の粒径10mm以上である焼結鉱の質量を採取した焼結鉱の質量で除し、この比率を百分率により表示した値である。回転強度(タンブラ強度)は、例えば、非特許文献2に記載されている。
[試験結果]
表4に本発明例および比較例の試験結果として、焼結鉱の生産量、成品歩留および品質を示す。
Figure 2011246781
脱炭スラグを使用しなかった比較例1および、脱炭スラグをB群で使用した比較例2に比べ、本発明例では焼結鉱の生産性、成品歩留および品質が改善した。これは脱炭スラグをA群の焼結原料に配合することにより、CaO含有率の高い群に脱炭スラグが配置され、焼結過程で生成される融体のCaO/Fe23(固液比)の上昇し、融体流動性を向上でき、発熱原料(製鋼スラグ)近傍に易溶融原料(石灰石)が配置されたことによって、焼結過程で石灰石の溶融による液相生成が促進され、融体流動性を向上できる。これにより、フッ素含有率および塩基度が低い製鋼スラグを焼結原料に配合することによる融体流動性の悪化が抑制され、焼結過程で融体流動性を確保できたためである。
したがって、本発明の焼結鉱の製造方法により、フッ素含有率および塩基度が低い製鋼スラグを焼結原料に配合した場合に融体流動性が悪化するのを抑制でき、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下を防止できることが明らかになった。
本発明の焼結鉱の製造方法により、フッ素含有率および塩基度が低く、融体流動性の劣る製鋼スラグを焼結原料に配合した場合の融体流動性の悪化を抑制でき、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下を防止できる。
したがって、高炉で使用される焼結鉱の製造に本発明を適用することにより、焼結鉱の生産性、成品歩留および品質の低下させることなく、フッ素含有率および塩基度が低く、融体流動性の劣る製鋼スラグをリサイクルすることができるので、製鋼スラグを資源として有効に活用することができる。
1a:第1ドラムミキサー、 1b:第2ドラムミキサー、
1c:第3ドラムミキサー、 2:焼結機

Claims (4)

  1. フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、CaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度が3.7以下である製鋼スラグおよび石灰石を含有する焼結原料を混合、造粒して擬似粒子とし、当該擬似粒子を用いて焼結鉱を製造する方法であって、前記焼結原料における、前記製鋼スラグと前記石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 焼結原料をCaO含有率の高い群(以下A群)と、CaO含有率が低い群(以下B群)とに分割し、A群およびB群に属する焼結原料をそれぞれ独立して混合、造粒して擬似粒子とし、各群の擬似粒子を混合した混合原料を用いて焼結鉱を製造する方法であって、フッ素成分の含有率が0.5質量%以下、CaOとSiO2の質量含有率の比である塩基度が3.7以下である製鋼スラグを前記A群の焼結原料とし、前記A群の焼結原料における、前記製鋼スラグと前記石灰石の含有率の和を30〜70質量%、質量含有率の比である石灰石/製鋼スラグを1以上にして配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 前記製鋼スラグとして、溶銑に脱燐工程の後に脱炭工程を施す溶銑脱燐法による製鋼工程において、脱炭工程で発生した脱炭スラグを用いることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記溶銑脱燐法による製鋼工程の脱炭工程で発生した脱炭スラグのP含有率が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
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