JP2002129247A - 製鉄用高品位焼成塊成鉱及びその製造方法 - Google Patents

製鉄用高品位焼成塊成鉱及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内層が酸化鉄主体の多孔質、外層が主にカル
シウムフェライトで強度確保された結合相を形成し、品
質に優れた高品位の焼成塊成鉱を製造する。 【解決手段】 内層の残留核部分28に多孔質ヘマタイ
ト、多孔質マグネタイト、少量のカルシウムシリケート
系スラグとカルシウムフェライト、外層の結合相29に
カルシウムフェライトと少量のオリビン系溶融スラグと
の凝固相を生成させる。そのために、擬似粒子17の塩
基度を、核部分10で0.3〜0.9、外層部分27で
1.5〜4.5となるよう原料配合する。添加全固体燃
料、CaO分の内、核部分にそれぞれを20%以下、1
0%以下を、外層部分27にそれぞれを残部、残部を添
加する。焼結ケーキの塩基度を1.5〜2.0にし、S
iO 2≦4.8%、T.Fe≧58%、MgO=0.5
〜2.0%にする。 【効果】 微粉炭多量吹込みの低スラグ比、低燃料比の
安定的高炉操業が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉で使用され
る製鉄用原料としての焼成塊成鉱及びその製造方法に関
するものであり、特に、品質が良好且つ品位が高く、し
かもコークスの代替として微粉炭を多量に吹き込む高炉
操業において、燃料比の低減を図ろうとする高炉操業時
に、高炉装入用原料として適した焼成塊成鉱及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉を有する製鉄所においては、従来、
高炉で発生する多量のガスが、製鉄所全体への燃料供給
源として確保され、製鉄所内における適切なエネルギー
バランスをとることに寄与している。しかしながら、上
記燃焼性ガスの利用は同時にCO2の発生を伴なう。そ
こで、製鉄所におけるCO2発生量低減による環境改善
への寄与の観点から、将来の望ましい製鉄所における高
炉操業では、高炉における燃料比の低減を図ることによ
り、上記燃焼性ガスの発生量を低減することが重要な課
題となる。
【0003】高炉で発生するガスの低減要因及び低減阻
止要因は、いくつかのものが互いに複雑に関連している
が、特に最近の重要な開発技術との関連でみると、高炉
への微粉炭多量吹込み操業、高炉原料である焼結鉱の低
SiO2焼結鉱製造工程、及び高炉への装入物分布制御
方法のそれぞれにおいて実施される反応操作要因がそれ
に相当する。
【0004】高炉への微粉炭多量吹込み操業、及び低S
iO2焼結鉱製造技術を、高炉での燃料比の増減の観点
から、従ってまたガス発生量の増減の観点からみると下
記の通りである。
【0005】高炉への微粉炭多量吹込み操業は、コーク
ス用原料炭の枯渇化に対処するために、安価な非微粘結
炭を主体とした微粉炭によるコークス代替をねらってコ
ークス比の低減を図ると共に、コークス炉の操業負荷を
減らし炉寿命の延長を図ることにより、高炉及びコーク
ス炉におけるコストの低減を目標としている。ところ
が、微粉炭の多量吹込みによりコークス比は低減する
が、反面、微粉炭吹込み量の増加につれてガス発生量が
増加すると共に、オールコークス操業に比較して微粉炭
吹込み操業においては、炉内の熱流比(固体の熱容量/
ガスの熱容量)が低下して、高炉内の通気性・通液性が
悪化する。また、発生ガス量増加に伴い高炉内でのガス
流れ分布が悪化し、その結果、高炉における燃料比は増
加傾向をたどる。
【0006】低SiO2焼結鉱の製造は、高炉内におけ
る被還元性向上、炉内の通気・通液性向上、及び高炉ス
ラグ比低下を図ることを目的とする。しかしながら、高
炉燃料比低下を意図して、塩基度(CaO/SiO2
一定の条件で焼結鉱配合率を上昇させると、焼結鉱塩基
度よりはるかに低い高炉スラグの目標塩基度に合わせる
ため、高炉でSiO2系の添加が必要となる。その結
果、低SiO2焼結鉱を使用するにもかかわらず、高炉
のスラグ比低下効果を鈍らせる。
【0007】上記事情に鑑み本発明者等は、上述した最
近の開発技術を生かしつつ、しかも経済的に高炉におけ
る燃料比の低減を図り、製鉄所におけるCO2発生量の
低減に結び付けることにより、環境改善に寄与し得る高
炉操業技術の確立を目指すことにした。
【0008】そこで、本発明者等は、高炉における燃料
比低減の方向として、高炉装入原料中、70〜85ma
ss%程度を占める焼結鉱中のスラグ化成分組成を一層
低減させ、しかも当該焼結鉱の高温性状を更に改善する
ことにより、高炉の炉内通気・通液性を損なうことな
く、特に、高炉への微粉炭吹込み量を高水準に維持しつ
つ高炉の安定操業を確保し、高炉での燃料比低減を図る
ことを目的とした。
【0009】上記観点から従来の焼結鉱製造技術をみる
と、最も先行していると思われる焼結鉱の製造技術とし
て、特公平2−4658号公報等に開示されている焼成
塊成鉱とその製造方法に関するものがある。これらの技
術は、所謂HPS(Hybrid Pelletize
d Sinter)と称される新しいタイプの焼成塊成
鉱に関する技術である。このHPSは、例えば特公平2
−4658号公報に次の通り開示されている。即ち、所
定粒径の微粉を所定割合で含有している微粉鉄鉱石と、
他の所定粒径の粗粒を他の所定割合で含有している粗粒
鉄鉱石とを主原料として、両者を所定の比率で配合し、
媒溶剤を添加し混合して造粒する。こうして粗粒鉄鉱石
を核として形成された擬似粒子(ミニペレット)の表面
に粉コークス等の粉状燃料を被覆して、粒径3〜12m
mのペレットを調製し、これを焼結機で焼成して焼成塊
成鉱を得る。
【0010】得られた焼成塊成鉱は、元の擬似粒子(ミ
ニペレット)の核部分の一部が残留し、この多数の残留
核部分で一塊りとなり、各残留核部分の外層部にカルシ
ウムフェライト相と少量のスラグ相とからなる相が形成
され、この相が各残留核部分を相互に結合する結合相を
形成すると共に、各残留核部分は多孔質形態を有すると
いうものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記HPSは上述した
通り、残留核部分(元の擬似粒子(ミニペレット)の核
部分の一部が残留したもの)が多孔質形態であり、残留
核部分同士の間隙には、カルシウムフェライト相と少量
のスラグ相とからなる結合相が形成している。しかも、
HPS中のSiO2含有率は低い水準にある。その結
果、高炉装入原料として、炉内での通気・通液性が確保
され、高炉の高生産性及び安定操業に寄与している。
【0012】しかしながら、HPSの品質面及び生産性
等についての利点を維持しつつ、今後の鉄鉱石及び原料
炭の供給動向に適切に対処し、しかも、設備及び運転コ
ストの上昇を抑制して溶銑の製造コストを上昇させず
に、高炉における燃料比の低減を図り、高炉で発生する
ガス(高炉ガス)を減らして、所期目的を達成するため
には、高炉操業において発生するスラグ量、即ち、高炉
スラグ比の低減を図り、スラグ顕熱を減らすことが重要
であり、効果的である。本発明者等は、かかる着想に立
脚し、従来のHPSを更に改善するために、焼結原料の
事前処理工程で調製すべき擬似粒子の設計改善が必要で
あることに着眼した。
【0013】かくして、この発明の課題は、焼成塊成鉱
の鉱物学的形態及び物理特性として、内部に酸化鉄主体
で多孔質形態の多数の粒子状核部分が含まれ、しかもこ
の粒子状核部分同士の間隙に、この多孔質核部分の集合
体の低い強度を補完して、十分な強度を維持し得る結合
相を、必要最低限度量だけ形成させる。かくして、被還
元性、耐還元粉化性及び冷間強度共に、従来のHPSと
同程度以上の水準を有し、しかも、スラグ化成分組成を
一層低減させ、高温性状が一層改善された焼成塊成鉱を
得ることにより、所期目的の高炉スラグ比の低減を可能
とする。このような塊成鉱の焼成を可能とする焼結原料
に適した、核部分とその結合相となるべき外層部分とで
構成される擬似粒子を調製する技術を創案することにあ
る。焼成され得るように、鉄鉱石、媒溶剤及び固体燃料
の分布と成分組成分布とを有する擬似粒子を設計し、こ
れを適切に焼成することにある。
【0014】こうしてこの発明の目的は、従来のHPS
と同程度ないしそれ以上に被還元性、耐還元粉化性及び
冷間強度に優れ、高温性状に優れており、高炉内におけ
る通気・通液性に優れた特性を維持しつつ、しかも、従
来のHPSよりもSiO2含有率が低く、塩基度(Ca
Omass%/SiO2mass%)が低く、且つ全鉄
含有率が高い塊成鉱を製造し、これを高炉装入原料とす
ることにより、高炉スラグ比の低減、組織の多孔質化、
その結果として、被還元性の向上、高炉燃料比の低減が
可能となるような製鉄用高品位焼成塊成鉱及びその製造
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対して鋭意試験及び研究を行ない、次の知見を得た。
即ち、上述した特性を備えた焼成塊成鉱用の擬似粒子の
設計は、焼成過程における初期融液の生成状態を支配す
る焼結原料中の塩基度(CaO含有率(mass%)/
SiO2含有率(mass%))を、核部分と外層部分
とにおいて適切に配分・制御する、即ち、1.5〜1.
8(CaO:SiO2=60:40〜64:36)程度
を境界として、核部分の塩基度を十分に小さくし、外層
部分の塩基度を十分に大きくすると共に、擬似粒子全体
の塩基度を従来のHPSよりも適切に低下させること、
しかも、固体燃料の分布についても当該核部分と外層部
分とに対して適切に配分・制御することが、上記望まし
い擬似粒子設計の実現にとって重要であるとの知見を得
た。
【0016】上記外層部分の塩基度調整においては、焼
成後における残留核部分の相互間隙領域にカルシウムフ
ェライト主体の結合相が生成するように当該結合相の塩
基度が2.0〜4.0程度の範囲内になるようにしてや
ることが必要である。焼成過程においては通常、外層部
分に含まれる固体燃料は全量燃焼させ、CaO源物質も
全量融体化させて、核部分表層領域の構成物質と反応さ
せる。従って、上記結合相の塩基度は、外層部分の量
と、焼成過程で融体化反応を起こす核部分表層領域の量
とにも影響されてきまる。このような焼成過程の前後に
おける組成的及び量的関係は、他の焼結操業条件によっ
ても影響を受ける。従って、上記に関する定量的条件
は、操業する焼結機を用いた試験により把握しておくこ
とができる。
【0017】本発明者等は、かかる観点から、擬似粒子
の外層部分の塩基度調整について試験すると共に、前述
のこの発明で解決すべき課題において述べた通りの「鉱
物学的形態及び物理特性」として望ましい性状を備えた
焼成塊成鉱を得るための、CaO分の添加量配分につい
ての条件を検討した。その結果、少なくとも、擬似粒子
の核部分に全石灰分添加量の内10mass%以下を添
加し、残部をその外層部分に添加することが必要である
との結論を得た。
【0018】この発明は、主として上記知見に基づきな
されたものであり、その要旨は下記の通りである。
【0019】請求項1記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、事前処理の造粒工程において鉄鉱石及び媒溶剤が
含まれた混合原料から調製された核部分と、固体燃料及
びCaO源物質を前記核部分の表面に被覆した外層部分
とからなる擬似粒子粒子の集合の内、前記核部分の一部
が残留しており、当該残留核部分が、多孔質ヘマタイト
及び多孔質マグネタイト、並びに、少量のカルシウムシ
リケート系スラグ及び少量のカルシウムフェライトから
なるものである。そして、当該残留核部分同士の間隙に
は、焼成過程で生成したカルシウムフェライト融液と少
量のオリビン系溶融スラグとの凝固相からなる結合相が
形成しており、当該結合相は、前記残留核部分の内部へ
の浸透が抑制されている形態を呈していることに特徴を
有するものである。
【0020】請求項2記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項1記載の発明において、前記残留核部分の
構成物質として、ヘマタイト、マグネタイト、並びに、
少量のカルシウムシリケート系スラグ及び少量のカルシ
ウムフェライトに加えて、少量のマグネシオフェライト
が当該残留核部分自体の結合強化相として付加されてい
ることに特徴を有するものである。
【0021】請求項3記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項1又は2記載の発明において前記残留核部
分同士の間隙を形成する結合相中のCaO含有率(ma
ss%)とSiO2含有率(mass%)との比(Ca
O/SiO2bond.(所謂塩基度)が、残留核部分中の
CaO含有率(mass%)とSiO2含有率(mas
s%)との比(CaO/SiO2rem-gr.よりも大きい
ことに特徴を有するものである。
【0022】請求項4記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項3記載の発明において、(CaO/SiO
2bond.及び(CaO/SiO2rem-gr.がそれぞれ、
下記(1)及び(2)式の関係: 2.0≦(CaO/SiO2bond.≦4.0 ‥‥‥‥‥‥‥(1) 0.3≦(CaO/SiO2rem-gr.≦0.9 ‥‥‥‥‥‥(2) を満たし、且つ、残留核部分と結合相とからなる焼成塊
成鉱中の、CaO含有率(mass%)とSiO2含有
率(mass%)との比(CaO/SiO2PROD .が、
1.5〜2.0の範囲内にあることに特徴を有するもの
である。
【0023】請求項5記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、
前記焼成塊成鉱中のSiO2含有率が、4.8mass
%以下であることに特徴を有するものである。
【0024】請求項6記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、
前記焼成塊成鉱中の全鉄含有率が、58mass%以上
であることに特徴を有するものである。
【0025】請求項7記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱は、請求項1〜6のいずれかに記記載の発明におい
て、前記焼成塊成鉱中のMgO含有率が、0.5〜2.
0mass%の範囲内であることに特徴を有するもので
ある。
【0026】請求項8記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱の製造方法は、鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及
び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサー
に装入して混合する。得られた混合原料を造粒機に装入
して擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核
部分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCa
O源物質を配合して、調整原料を得る。得られた調整原
料を2次ミキサーで処理して、当該固体燃料及び当該C
aO源物質を前記核部分の表面に付着外装し、前記核部
分の表面に外層部分が形成された擬似粒子を調製する。
こうして得られた前記擬似粒子を焼結原料として、焼結
機へ装入する製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法であ
り、次の通り行なう。即ち、前記1次ミキサーに装入す
る主原料と媒溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核部
分の表面に外装する前記固体燃料と前記CaO源物質と
の配合を、成品焼結鉱中のSiO2含有率が、4.8m
ass%以下となるように調整し、且つ、前記擬似粒子
の核部分中に全固体燃料の20〜0mass%の範囲内
の固体燃料及び/又は固体燃料を含有する原料を含有さ
せ、そして、前記擬似粒子の外層部分中に当該全固体燃
料の残部を全量含有させた擬似粒子を調製する。こうし
て得られた擬似粒子に焼成処理を施すことに特徴を有す
るものである。
【0027】請求項9記載に係る製鉄用高品位焼成塊成
鉱の製造方法は、鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及
び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサー
に装入して混合する。得られた混合原料を造粒機に装入
して擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核
部分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCa
O源物質を配合して、調整原料を得る。得られた調整原
料を2次ミキサーで処理して、当該固体燃料及び当該C
aO源物質を前記核部分の表面に付着外装し、前記核部
分の表面に外層部分が形成された擬似粒子を調製する。
こうして得られた前記擬似粒子を焼結原料として、焼結
機へ装入する製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法であ
り、次の通り行なう。
【0028】即ち、前記擬似粒子の調製過程で添加する
全CaO分の内、10mass%以下を前記核部分に添
加し、そして残部を前記外層部分に添加し、しかも成品
焼結鉱中のCaO含有率(mass%)とSiO2含有
率(mass%)との比(CaO/SiO2PRODが、
1.5〜2.0の範囲内となるように、前記外層部分に
添加するCaO源物質中のCaO分添加量を調整する。
こうして得られた擬似粒子に焼成処理を施すことに特徴
を有するものである。
【0029】請求項10記載に係る製鉄用高品位焼成塊
成鉱の製造方法は、鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤
及び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサ
ーに装入して混合する。得られた混合原料を造粒機に装
入して擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の
核部分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びC
aO源物質を配合して、調整原料を得る。得られた調整
原料を2次ミキサーで処理して、当該固体燃料及び当該
CaO源物質を前記核部分の表面に付着外装し、前記核
部分の表面に外層部分が形成された擬似粒子を調製す
る。こうして得られた前記擬似粒子を焼結原料として、
焼結機へ装入する製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法で
あり、次の通り行なう。
【0030】即ち、前記1次ミキサーに装入する主原料
と媒溶剤と固体燃料との配合を、前記混合原料中のCa
O含有率(mass%)とSiO2含有率(mass
%)との比(CaO/SiO2mix.が、0.3〜0.
9の範囲内となるように調整し、且つ、前記核部分の表
面に外装する前記固体燃料と前記CaO源物質との配合
を、前記外層部分中のCaO含有率(mass%)とS
iO2含有率(mass%)との比(CaO/SiO2
surf.が、1.5〜4.5の範囲内となり、しかも成品
焼結鉱中のCaO含有率(mass%)とSiO2含有
率(mass%)との比(CaO/SiO2PRODが、
1.5〜2.0の範囲内となるように、前記外層部分に
添加するCaO源物質中のCaO分添加量を調整する。
こうして得られた擬似粒子に焼成処理を施すことに特徴
を有するものである。
【0031】請求項11記載に係る製鉄用高品位焼成塊
成鉱の製造方法は、鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤
及び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサ
ーに装入して混合する。得られた混合原料を造粒機に装
入して擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の
核部分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びC
aO源物質を配合して、調整原料を得る。得られた調整
原料を2次ミキサーで処理して、当該固体燃料及び当該
CaO源物質を前記核部分の表面に付着外装し、前記核
部分の表面に外層部分が形成された擬似粒子を調製す
る。こうして得られた前記擬似粒子を焼結原料として、
焼結機へ装入する製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法で
あり、次の通り行なう。即ち、前記1次ミキサーに装入
する主原料と媒溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核
部分の表面に外装する前記固体燃料と前記CaO源物質
との配合を、成品焼結鉱中のSiO2含有率が、4.8
mass%以下となるように調整し、且つ、前記擬似粒
子の核部分中に全固体燃料の20〜0mass%の範囲
内の固体燃料を含有させ、そして、前記擬似粒子の外層
部分中に当該全固体燃料の残部を全量含有させる。そし
て、前記1次ミキサーに装入する主原料と媒溶剤と固体
燃料との配合を、前記混合原料中のCaO含有率(ma
ss%)とSiO2含有率(mass%)との比(Ca
O/SiO2mix.が、0.3〜0.9の範囲内となる
ように、且つ、前記核部分の表面に外装する前記固体燃
料と前記CaO源物質との配合を、前記外層部分中のC
aO含有率(mass%)とSiO2含有率(mass
%)との比(CaO/SiO2surf.が、1.5〜4.
5の範囲内となるようにし、しかも、前記擬似粒子全体
のCaO含有率(mass%)とSiO 2含有率(ma
ss%)との比(CaO/SiO2ps-gr.が、1.5
〜2.0の範囲内となるように調整する。こうして得ら
れた擬似粒子に焼成処理を施すことに特徴を有するもの
である。
【0032】請求項12記載に係る製鉄用高品位焼成塊
成鉱の製造方法は、請求項8〜11のいずれかに記載の
発明において、前記1次ミキサーに装入する主原料と媒
溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核部分の表面に外
装する前記固体燃料と前記CaO源物質との配合を、当
該請求項8、9又は10に記載の配合調整条件に加えて
更に、前記擬似粒子中の全鉄含有率が、58mass%
以上となるように調整する条件を付加することに特徴を
有するものである。
【0033】請求項13記載に係る製鉄用高品位焼成塊
成鉱の製造方法は、請求項8〜12のいずれかに記載の
発明において、前記1次ミキサーに装入する主原料と媒
溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核部分の表面に外
装する前記固体燃料と前記CaO源物質との配合を、当
該請求項8〜11のいずれかに記載の配合調整条件に加
えて更に、前記擬似粒子中のMgO含有率が、0.5〜
2.0mass%の範囲内となるように調整する条件を
付加することに特徴を有するものである。
【0034】請求項14記載に係る製鉄用高品位焼成塊
成鉱の製造方法は、請求項8〜13のいずれかに記載の
発明において、前記主原料中には、結晶水を4mass
%以上含有する鉄鉱石を、25mass%以上配合する
ことに特徴を有するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】この発明に係る製鉄用高品位焼成
塊成鉱の製造方法の特徴は、各種原料及び固体燃料の事
前処理方法にある。鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤
及び固体燃料を配合し、得られた配合原料を次の通り事
前処理して、擬似粒子を調製する。ここで、この発明で
用いる主原料の種類としては、通常使用されているもの
を使用する。即ち、粉状鉄鉱石或いは多銘柄の粉状鉄鉱
石を混合して作ったいわゆるB粉及び返鉱等を使用す
る。また適宜、雑原料として製鉄所で発生するダスト、
即ち鉄分を含有するダストや、ニッケルスラグ、MgO
を含有するフラックス等を使用する。媒溶剤としては、
CaO源物質は添加するが、蛇紋岩や珪石等のSiO2
源物質は、低SiO2焼結鉱製造に不利であるから、通
常の鉱石需給条件下においては、使用しないこととす
る。
【0036】図1に、この発明に係る焼成塊成鉱を製造
するために望ましい製造工程の一例を説明する概略フロ
ー図を示す。主原料として粉鉄鉱石1及び返鉱2を、適
宜雑原料として製鉄所発生ダスト3等を、媒溶剤として
生石灰4、又は、生石灰4とマグネサイト5とを、そし
て、固体燃料として粉コークス6を、それぞれのホッパ
ーから所定の重量割合で切り出し、水分30を添加して
1次ミキサー7において混合・処理し、混合原料8を調
製する。マグネサイト5の替わりにドロマイトを用いて
もよい。次いで混合原料8を造粒機9へ装入する。
【0037】造粒機9としては、皿型造粒機(ディスク
ペレタイザー)を用いるのが望ましいが、ドラムミキサ
ーの内、滞留時間の長いものを用いることもできる。水
分25を添加して加湿された混合原料8を造粒機9で、
粒径が3〜12mm程度の範囲内に入る不規則形状体に
擬似粒化して、擬似粒子の核部分10を調製する。造粒
機9としてディスクペレタイザーを用いれば、核部分1
0を効率的に調製することができる。得られた核部分1
0に、固体燃料として粉コークス11と、CaO源物質
として粉石灰石12、消石灰13又は生石灰14とを配
合し、水分26を添加して加湿された調整原料15を調
製する。こうして得られた調整原料15を2次ミキサー
16で処理し、核部分10の表面に固体燃料及びCaO
源物質が外装された擬似粒子17を調製する。
【0038】図2は、この発明に係る焼成塊成鉱を製造
する過程において、上記のように事前処理を施された擬
似粒子17が焼成されて本発明の焼結ケーキ3が得られ
る状況を、CaO−Fe23−SiO2の平衡状態図を
用いて説明する模式図である。
【0039】先ず、事前処理を施された擬似粒子17の
構造を説明する。擬似粒子17(図2の(a)参照)
は、核部分10と外層部分27とからなる。そして、核
部分10は、ヘマタイト及び少量の脈石、並びに少量の
粉コークス11及び生石灰4と適宜少量添加されたマグ
ネサイト5等とのMgO含有フラックスからなる。核部
分10は、低塩基度組成物である。そして、外層部分2
7は、粉コークス11と、粉石灰石12又は消石灰1
3、及び適宜生石灰14を添加したCaO源物質とから
なる高塩基度組成の混合粉でなる。
【0040】こうして事前処理を施されて調製された擬
似粒子17を焼結機18へ搬送し、これを焼結原料とし
て原料装入装置19により焼結機18のパレット20内
へ、厚さ500〜700mm程度の層状に充填装入す
る。原料装入装置19には、焼結原料の粒度偏析装入機
構21を装備し、底面がグレートで構成されたパレット
20に装入される焼結原料、即ち擬似粒子17は、偏析
装入機構21により、下層から上層に向かって細粒から
粗粒に変化する粒度分布となるように調整する。焼結機
18は無端移動グレート式焼結機であって、パレット2
0内に形成された焼結原料層22の上面に点火し、擬似
粒子17は乾燥、加熱、溶融、冷却過程を経て焼成塊成
鉱の焼結ケーキ23を得る。得られた焼結ケーキ23を
冷却、破砕、篩分けして所定粒度の焼結鉱、例えば4m
m〜50mmのものを成品焼結鉱24とし、高炉装入用
原料にする。一方、−4mmのものは返鉱2として焼結
鉱製造原料にリターンする。
【0041】上記工程において、主原料と媒溶剤との配
合においては、1次ミキサー7で得られる混合原料8中
のCaO成分の含有率(mass%)とSiO2成分の
含有率(mass%)との比(CaO/Si
2mix.、即ち、混合原料8の塩基度が、0.3〜
0.9の範囲内に入るように調整し、更に、この混合原
料8中には、本焼成塊成鉱用の製造工程で原料中に添加
する全固体燃料の内、20〜0mass%の範囲内の固
体燃料を配合調整する。固体燃料としては、例えば前述
した通り、粉コークス6を用いるのが望ましい。その他
の固体燃料として、粉状チャー、微粉炭、粉状石油コー
クス等がある。
【0042】上記混合原料8を調製する工程での各種原
料及び固体燃料の配合調整における第1の特徴は、焼成
塊成鉱の成分組成の内、SiO2含有率を4.8mas
s%以下に制限するようにし、且つ、混合原料8に添加
する固体燃料(ここでは粉コークス6)の全固体燃料中
の比率を20〜0mass%の範囲内と、相当に低くし
ていることであり、その比率は0であってもよい。即
ち、混合原料8中には一切固体燃料を添加しなくてもよ
いということである。これに対して、後工程で混合原料
8が造粒されて得られる、核部分10の表面に外装され
て形成される外層部分27には、全固体燃料の残部の全
量を、即ち全固体燃料の80〜100mass%の範囲
内で含有させることにある。
【0043】そして、第2の特徴は、混合原料8の塩基
度を0.3〜0.9の範囲内と相当に低くし(いわば
「低塩基度ライン」を構成し)、これに対して、後工程
で混合原料8が造粒されて得られる、核部分10の表面
に外装されて形成される外層部分27の塩基度は、1.
5〜4.5の範囲内と相当に高い値に調整し(いわば
「高塩基度ライン」を構成し)、しかも擬似粒子(即ち
上記核部分10の表面に外層部分が被覆された造粒物)
17の塩基度を、焼成後の塊成鉱(焼結ケーキ23)の
塩基度が1.5〜2.0の範囲内となるように、CaO
分の添加量を調整することにある。焼成過程において
は、焼成前擬似粒子17の核部分10の表層の一部が溶
融して、焼成後の結合相29(図2の(c)参照)の一
部を構成する。こうして、焼成塊成鉱の結合相29の塩
基度は、2.0〜4.0の範囲内となるようにする。
【0044】結合相29の塩基度が、2.0〜4.0の
範囲内となる成分組成のCaO−Fe23−SiO2
元系平衡状態図(図2、(b)参照)上の領域は、Ca
O濃度軸上の67〜80mass%の範囲であって、そ
の下限濃度67mass%とFe23100mass%
の点とを結ぶ直線と、その上限濃度80mass%とF
23100mass%の点とを結ぶ直線とで囲まれた
3角形領域内部に相当する。この領域内のFe23コー
ナーよりに存在するβ相領域でカルシウムフェライト系
初期融液(溶融温度<約1200℃)を生成させる。こ
れにより、焼成後の焼結ケーキ23に対して、残留核部
分28同士の強固な結合機能を与えると共に、当該結合
相29に被還元性に比較的優れた特性を確保させる。
【0045】なお、焼結ケーキ23の塩基度1.5〜
2.0の範囲内となる成分組成のCaO−Fe23−S
iO23元系平衡状態図(図2、(b)参照)上の領域
は、同じように、CaO濃度軸上の60〜67mass
%の範囲であって、Fe23100mass%の点とを
結ぶ直線とで囲まれた3角形領域内部に相当する。
【0046】この発明においては、上記の通り、擬似粒
子17の核部分10及び外層部分27に対する固体燃料
の配分調整及び塩基度調整を行ない、しかも、擬似粒子
全体に含まれるSiO2含有率を低く抑えることによ
り、焼成塊成鉱の焼結ケーキ23として、下記特徴を有
するものが得られる。
【0047】図2(a)〜(c)により、擬似粒子17
が焼成されて焼結ケーキ23が得られる状況を説明す
る。擬似粒子17は、外層部分27に粉コークスの大半
が含まれており、これが焼結工程で、吸引空気中の酸素
ガスで燃焼される。擬似粒子17内への酸素の拡散は遅
いので、外層部分27にある固体燃料(粉コークス)の
燃焼によって擬似粒子は短時間で強熱され、高温短時間
焼結のパターンで焼成される。従って、核部分10は、
図2中の一点鎖線l1の経路にしたがって、一部分のみ
が溶融して図2の(b)に示すマグネタイト相となり、
外層部分27に移行して結合相29に溶け込み、残部は
ヘマタイトとマグネタイトとになって、図2の(c)に
示す焼結ケーキ23の残留核部分28になる(一点鎖線
1’)。一方、外層部分27は、強熱されるので、図
2中の一点鎖線l2の経路にしたがって、全体が溶融し
て図2の(b)に示すβ相となり、上記核部分の一部溶
融によるマグネタイト相を吸収して、カルシウムフェラ
イトと、局所的に塩基度の低い部分は少量のオリビン系
スラグになり、これら両者が図2の(c)に示す結合相
29になる。結合相29は上述した通り、短時間で生成
した後急速に冷えるので、残留核部分28内部への融液
浸透は抑制される。こうして、残留核部分28は、多孔
質ヘマタイトと多孔質マグネタイトとからなる状態が確
保される。よって、優れた被還元性を示すことになる。
【0048】ここで、焼結ケーキ23のSiO2含有率
としては、4.8mass%以下であることが望まし
い。SiO2含有率が、4.8mass%を超えると、
残留核部分28中のスラグ成分(カルシウムシリケート
系スラグ)及び結合相中のオリビン系スラグの量が限度
以上に増加し、焼結鉱の被還元性を高水準に維持できな
くなる。
【0049】上記のようにして、本発明で得られる焼成
塊成鉱の鉱物学的形態及び物理特性として、内部に形成
される多数の残留核部分28については、固体燃料配合
量が少なく、且つ低SiO2含有率であって低塩基度で
あるため、多孔質ヘマタイトと多孔質マグネタイトとが
主体をなし、カルシウムシリケート系スラグとカルシウ
ムフェライトとが少量生成するに留まる。そして、残留
核部分の主体を構成する多孔質ヘマタイト及び多孔質マ
グネタイトは、拡散結合主体の結合力によりその強度維
持に寄与する。
【0050】一方、多数個が形成されたこの残留核部分
28の間隙には、焼成過程で生成したカルシウムフェラ
イト融液(CaO・Fe23及びCaO・2Fe23
と少量のオリビン系溶融スラグ(2(Fe,Ca)O・
SiO2)との凝固相からなる結合相29が形成され、
この結合相29は、残留核部分28の内部への浸透が抑
制された形態を呈する。得られる焼結ケーキ23はこの
ような形態を呈するので、多数の残留核部分28を取り
巻く結合相29が、内部の拡散結合主体による多孔質ヘ
マタイト及び多孔質マグネタイト部分の強度維持を補完
して、局部的に強度劣化部分が生じていても強固に被覆
保護する。ここで、多孔質ヘマタイト及び多孔質マグネ
タイトを被覆する結合相29の主体はカルシウムフェラ
イトであり、これは被還元性が比較的優れている。そし
て、上記主原料、媒溶剤及び固体燃料の配合条件が満た
されているので、この結合相29の形成量に関しては、
残留核部分28同士の強固な結合と、衝撃や摩耗による
焼結ケーキ23の表面に対する外力からの保護作用を発
揮し得るに十分なだけの量を確保することができる。但
し、擬似粒子17の外層部分27の塩基度を、1.5〜
4.5と相当に高い値に調整してあり、且つ、上記の高
温短時間焼結であるため、残留核部分28の最外層部中
のカルシウムフェライトあるいは微量のオリビン系溶融
スラグが、残留核部分28の内部に浸透する量は少な
く、しかもSiO2含有率を低く調整してあるので、残
留核部分自体のスラグ量も少なく、焼結ケーキ23の被
還元性は優れた水準に維持される。
【0051】上記混合原料8の塩基度調整において用い
るCaO源物質としては、石灰石を用いず、生石灰4を
用いるのが望ましい。石灰石は焼成過程で吸熱反応によ
り分解熱を吸収するので、配合すべき固体燃料の増加に
つながる。その点、生石灰4は有利であり、また造粒過
程でバインダー機能を発揮するから造粒性向上に有利と
なるからである。また、生石灰4と共にマグネサイト8
を用いると、マグネタイト及びマグネシオフェライト
((Mg,Fe)O・Fe23)の生成を助長し、結果
的に耐還元粉化性が改善される。ここで、MgO源物質
としてドロマイトを用いると、MgO成分がマグネタイ
ト中のFeOと十分に置換しないが、マグネサイトを用
いれば、これが解消され、またマグネサイトのSiO2
含有率が僅少であり(1mass%以下)、Al23
有率も微小だからである。
【0052】この発明においては、主原料中の鉄鉱石と
して、結晶水含有率が4mass%程度以上含有される
鉄鉱石(本願明細書において、「高結晶水鉱石」とい
う)を適宜用いる。但し、高結晶水鉱石の主原料中配合
率が、25mass%以上になると、この発明の焼成塊
成鉱の製造においても、従来の焼結鉱製造におけると同
様、擬似粒子の造粒性の劣化、及び溶融・焼結過程にお
ける局部的な過溶融部分と未焼部分との発生や通気性の
劣化等による、成品焼結鉱歩留の低下や生産性低下を招
く。一方、高結晶水鉱石の焼結鉱への大量使用は、今後
回避困難な情勢にある。従って、この発明においても、
高結晶水鉱石の多量使用技術が必要である。その際の高
結晶水鉱石使用技術は、当該高結晶水鉱石の物性特徴に
応じた事前処理を施すことを付加するものとする。例え
ば、結晶水を予め除去する事前処理や、逆に予め十分に
吸水させる事前処理が考えられ、また、これらを粒度に
注目してその処理方法を変えることも考えられる。
【0053】次に、混合原料8の各構成体粒子の望まし
い粒度分布は、鉄鉱石については、−0.04mmの微
粉部分割合が、50〜80mass%程度を占める粉鉄
鉱石と、1〜−8mmの粗粒部分割合が、30〜50m
ass%程度を占める粒度−8mm程度の粗粒鉄鉱石と
からなり、その粉鉄鉱石と粗粒鉄鉱石との重量構成比率
が30:70から70:30程度までの範囲内に入るよ
うにするのが望ましい。こうすることにより、次の造粒
工程において、粗粒鉄鉱石が核粒子となり、この表面に
粉鉄鉱石が付着粒子となって充填密度の大なる不規則形
状体である、擬似粒子の核部分の形成が促進される。
【0054】固体燃料として、製鉄所のコークス炉で発
生するCDQ粉(コークス乾式消火設備粉)等のコーク
ス粉6、11を用いれば、粒度構成が微粉であることか
ら有利である。
【0055】この発明による焼成塊成鉱では、全鉄含有
率を58mass%以上に制限する。その理由は、成品
焼結鉱を高炉原料として装入するに当たり、銑鉄1t当
たりの製造に要する高炉装入主原料の重量(以下、「高
炉主原料比」という)を、所定値以下に低くして、高炉
スラグ比を低下させ、高炉燃料比を減らすためである。
高炉装入主原料は、一般に処理鉱と塊鉱石とからなり、
処理鉱の主なものは、焼結鉱とペレットである。わが国
においては、多くの高炉において処理鉱として焼結鉱を
主体とし、残部を購入ペレットでまかなっており、一部
の高炉においては処理鉱として、自社製造のペレットを
使用している。わが国の上記多くの高炉で使用されてい
る焼結鉱の主原料に占める割合は、70〜85mass
%程度である。このように高炉装入主原料中に多くを占
める焼結鉱の鉄分含有率を高くすることは、高炉主原料
比を減らし、その結果スラグ比を低下させるのに極めて
効果的である。わが国においては、高炉主原料比は、凡
そ1600〜1650kg/t程度であり、焼結鉱中の
全鉄含有率は、凡そ57mass%弱〜59mass%
弱である。
【0056】この発明による焼成塊成鉱では、MgO成
分の望ましい含有率は、0.5〜2.0mass%の範
囲内とし、残留核部分に含有させる。その理由は、当該
MgO含有率が、0.5mass%よりも低いと、マグ
ネタイト及びマグネシオフェライトの生成量が少なく耐
還元粉化性が悪化し、一方、当該MgO含有率が2.0
mass%を超えて含有させると、緻密質マグネタイト
の影響で、成品焼結鉱の被還元性を悪化させるからであ
る。
【0057】
【実施例】この発明を実施例により更に説明する。
【0058】(試験1)図1に示した焼成塊成鉱の製造
フローに準じて、本発明の製鉄用高品位焼成塊成鉱を製
造した。主原料として粉鉄鉱石1及び返鉱2を、媒溶剤
として生石灰4及びマグネサイト5を、そして固体燃料
として粉コークス6をそれぞれ所定量切出して配合し、
得られた配合原料を1次ミキサー7で混合し、混合原料
8を得た。次いで、混合原料8を造粒機9に装入し、水
分25を添加して造粒処理を行なった。造粒機9として
ディスクペレタイザーを用い、混合原料8から擬似粒化
体を調製した。擬似粒化体は擬似粒子17の核部分10
となるものである。ディスクペレタイザーから排出され
た核部分10に粉コークス11及び粉石灰石12を配合
し、水分26を添加して調整原料15とした。調整原料
15を2次ミキサー16で処理して擬似粒子17を調製
した。擬似粒子17の核部分の表面には粉石灰石12と
粉コークス11とが外装されて外層部分が形成される。
擬似粒子17を焼結機18に装入し、焼成塊成鉱の焼結
ケーキ23を製造した。
【0059】ここで使用した粉鉄鉱石1、返鉱2、生石
灰4、マグネサイト5、その他の成分組成を表1に示
し、粉コークス6の工業分析値を表2に示す。なお、使
用した粉鉄鉱石1は、−44μmの微粉部分の割合が4
0mass%以上を占める鉱石を40〜70mass%
程度と、ペレットフィードを20〜30mass%程度
使用した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】本発明に係る焼成塊成鉱の製造試験とし
て、1次ミキサー7に装入する粉鉄鉱石1及び返鉱2か
らなる主原料、生石灰4、及び粉コークス6並びにマグ
ネサイト5からなる配合原料を、その塩基度目標値を
0.5に設定して、0.3〜0.9の範囲内に入るよう
に調整した。ここでの粉コークス6の添加量としては、
全粉コークス添加量の内、20mass%以下とし、種
々の水準に設定した。この配合原料を混合して混合原料
8とし、水分6〜8mass%程度でディスクペレタイ
ザーで粒度約3〜12mm程度の不規則形状体に擬似粒
化して、擬似粒子17の核部分10を調製した。
【0063】次いで、造粒された核部分10に粉コーク
ス11と粉石灰石12とを外装被覆して、擬似粒子17
を次の通り調製した。
【0064】ここで、外装被覆の粉コークス11と粉石
灰石12とを、その外装部分の塩基度目標値を、焼成後
において2.5におき、2〜4の範囲内に入るように、
しかも、焼成後における塊成鉱の平均塩基度の目標値を
1.75におき、少なくとも1.5〜2.0の範囲内に
入るように、核部分10の原料に対する粉コークス11
と粉石灰石12との添加量及び両者の配合比率を調整し
て、調整原料15を調製した。ここでの粉コークス11
の添加量としては、全粉コークス添加量の内、上記配合
原料8に添加した粉コークス6を差し引いた残部の全量
を添加した。そして、上述した焼成後における塊成鉱の
SiO2含有率が4.8mass%以下、全Fe含有率
が58mass%以上、且つMgO含有率が0.5〜
2.0mass%の範囲内に入るように調整した。こう
して得られた調整原料15を2次ミキサー16で処理し
て、粒径約4〜15mmの擬似粒子17を調製した。
【0065】なお、上記本発明の範囲内の試験(実施
例)においては、鉄鉱石1の銘柄別配合比率において、
高結晶水鉱石の主原料に占める割合が25mass%以
上となるように調整した。
【0066】上記条件で調製された擬似粒子17を焼結
機18へ搬送し、装入ホッパーへ貯留せずに、コンベア
ベルト型の原料装入装置19により焼結機18のパレッ
ト20内へ装入した。ここで、装入ホッパーへ焼結原料
を貯留しない理由は、核部分10に含ませたバインダー
機能も有する生石灰添加量を、当該部分の塩基度を0.
3〜0.9の範囲内という低い範囲に抑えたのに伴い少
なくしている。これを考慮して擬似粒子17の崩壊をで
きるだけ無くすためである。擬似粒子17即ち焼結原料
の装入は、粒度偏析装入機構21により、パレット20
内の焼結原料層22の上層部に細かい粒度焼結原料が分
布し、下層部にいくにつれて粗い粒度の焼結原料が分布
するようにした。従って、焼結原料層22の層厚方向の
粉コークス11の含有率は、細粒側原料が分布する上層
部において相対的に高く、粗粒側原料が分布する下層部
において相対的に低くなる。
【0067】なお、これは、擬似粒子17の核部分に含
ませた粉コークス6は擬似粒子17の大きさよらず、ほ
ぼ同じ含有率になる。これに対して、核部分に外装して
外層部分に含ませた粉コークス11は、核部分の表面に
ほぼ均一に付着するので、擬似粒子17の比表面積(単
位質量に対する表面積)当たりの粉コークス11の量
は、細粒側原料に多く、粗粒側原料に少なくなるからで
ある。
【0068】こうして、層厚約600mmに充填装入し
た焼結原料22を、ドワイトロイド式焼結機18で焼成
した。焼成時の原料層内の雰囲気圧力は、焼成・冷却ゾ
ーンで−450mm程度の負圧で吸引した。このように
低い負圧条件で操業できるのは、原料層内の通気性が良
好に維持されているためである。
【0069】上記実施例に対して、本発明の範囲外の試
験(比較例)として、実施例と同じく図1に示した概略
フローの製造工程により焼成塊成鉱を製造した。但し、
比較例においては、同図において核部分10の原料に造
粒する前の混合原料8の原料配合、及びその核部分10
の表面を外装被覆するための原料配合において、下記の
ように、実施例における配合とは、次の2点において異
なった調整を行なった。第1点は、塩基度に関して、焼
成後における塊成鉱の平均塩基度の目標値を1.5未満
(比較例1)、又は、2.0超え(比較例2)としたこ
と、そして、第2点は、それぞれの平均塩基度の場合に
おいて、焼成後における外装部分相当領域、即ち、焼成
ケーキ23における結合相29(図2、(c)参照)の
塩基度を2〜4の範囲外とし、且つ、焼成ケーキ23に
おける残留核部分(図2、(c)参照)の塩基度を0.
3〜0.9の範囲外としたことである。
【0070】実施例及び比較例1及び2の操業試験で製
造された成品焼結鉱の成分組成、鉱物学的組織、成品品
質及び操業成績を、表3に示す。ここで表3のミクロ組
織は研磨試料を反射顕微鏡で観察した結果であり、厳密
な意味での定量評価は困難であるが、その組織の特徴を
示すものである。
【0071】
【表3】
【0072】本発明による焼結鉱の成分組成について
は、SiO2含有率、塩基度(CaO/SiO2)、全鉄
(T.Fe)含有率、及びMgO含有率の全てにわた
り、本発明の望ましい範囲内にあり、また、鉱物学的組
織観察結果においても、特に、被還元性に優れた焼結鉱
の組織を呈している。成品焼結鉱の品質特性は、冷間強
度TI+5mm、還元率RI、及び耐還元粉化指数RIのい
ずれにおいても優れている。一方、焼結操業成績は、粉
コークス原単位、成品焼結鉱の歩留、及び焼結鉱生産率
のいずれにおいても優れている。
【0073】(試験2)上記試験1の実施例並びに比較
例1及び2において製造された焼成塊成鉱を高炉原料と
して用い、高炉操業試験を行なった。高炉操業は、内容
積3443m3の高炉において、送風温度1200℃、
酸素富化率3.2%、調湿蒸気25.3g/Nm3、ス
ラグ目標塩基度1.22、微粉炭吹込み比150〜20
0kg/t設定、溶銑目標温度1500℃の条件で操業
した。
【0074】この操業試験で得られた高炉の操業成績
を、表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】本発明による焼結鉱を使用した実施例の高
炉操業においては、高炉装入の主原料比(銑鉄1tを製
造するのに要する鉱石の重量)がほぼ1600kg/t
以下となり、高炉スラグ比がほぼ250kg/t以下に
なり、こうして、高炉燃料比は、コークス比306kg
/tと、微粉炭吹込み比203kg/tとの和である、
ほぼ509kg/tという低燃料比が達成された。
【0077】
【発明の効果】この発明によれば、既存の製造設備を利
用して、極めて高品質で歩留に優れた焼成塊成鉱を製造
することができる。また、本発明の焼成塊成鉱の製造方
法によれば、焼結鉱の生産性が向上する。そして、この
焼結鉱を高炉装入原料として用いることにより、高炉ス
ラグ比は低減し、高炉における燃料比が低下する。ま
た、その結果、製鉄所における二酸化炭素の排出量が減
り、環境改善にも寄与する。このような製鉄用高品位焼
成塊成鉱及びその製造方法を提供することができ、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る焼成塊成鉱を製造するために
望ましい製造工程の一例を説明する概略フロー図であ
る。
【図2】 この発明に係る焼成塊成鉱を製造する過程に
おいて、擬似粒子が焼成されて焼結ケーキが得られる状
況を、平行状態図を用いて説明する模式図である。
【符号の説明】
1 鉄鉱石 2 返鉱 3 ダスト 4 生石灰 5 マグネサイト 6 粉コークス 7 1次ミキサー 8 混合原料 9 造粒機 10 (擬似粒子の)核部分 11 粉コークス 12 粉石灰石 13 消石灰 14 生石灰 15 調整原料 16 2次ミキサー 17 擬似粒子 18 焼結機 19 原料装入装置 20 パレット 21 粒度偏析装入機構 22 焼結原料層 23 焼結ケーキ 24 成品焼結鉱 25 水分 26 水分 27 (擬似粒子の)外層部分 28 (焼結ケーキの)残留核部分 29 (焼結ケーキの)結合相 30 水分

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 事前処理の造粒工程において鉄鉱石及び
    媒溶剤が含まれた混合原料から調製された核部分と、固
    体燃料及びCaO源物質を前記核部分の表面に被覆した
    外層部分とからなる擬似粒子粒子の集合の内、前記核部
    分の一部が残留しており、当該残留核部分は、多孔質ヘ
    マタイト及び多孔質マグネタイト、並びに、少量のカル
    シウムシリケート系スラグ及び少量のカルシウムフェラ
    イトからなり、そして、当該残留核部分同士の間隙に
    は、焼成過程で生成したカルシウムフェライト融液と少
    量のオリビン系溶融スラグとの凝固相からなる結合相が
    形成しており、当該結合相は、前記残留核部分の内部へ
    の浸透が抑制されている形態を呈していることを特徴と
    する、製鉄用高品位焼成塊成鉱。
  2. 【請求項2】 前記残留核部分の構成物質として、前記
    ヘマタイト、前記マグネタイト、並びに、前記少量のカ
    ルシウムシリケート系スラグ及び前記少量のカルシウム
    フェライトに加えて、少量のマグネシオフェライトが当
    該残留核部分自体の結合強化相として付加されているこ
    とを特徴とする、請求項1記載の製鉄用高品位焼成塊成
    鉱。
  3. 【請求項3】 前記残留核部分同士の間隙を形成する前
    記結合相中のCaO含有率(mass%)とSiO2
    有率(mass%)との比(CaO/SiO2
    bond.は、前記残留核部分中のCaO含有率(mass
    %)とSiO2含有率(mass%)との比(CaO/
    SiO2rem-gr.よりも大きいことを特徴とする、請求
    項1又は2記載の製鉄用高品位焼成塊成鉱。
  4. 【請求項4】 前記(CaO/SiO2bond.及び前記
    (CaO/SiO2rem-gr.はそれぞれ、下記(1)及
    び(2)式の関係: 2.0≦(CaO/SiO2bond.≦4.0 ‥‥‥‥‥‥‥(1) 0.3≦(CaO/SiO2rem-gr.≦0.9 ‥‥‥‥‥‥(2) を満たし、且つ、前記残留核部分と前記結合相とからな
    る前記焼成塊成鉱中の、CaO含有率(mass%)と
    SiO2含有率(mass%)との比(CaO/Si
    2PROD.は、1.5〜2.0の範囲内にあることを特
    徴とする、請求項3記載の製鉄用高品位焼成塊成鉱。
  5. 【請求項5】 前記焼成塊成鉱中のSiO2含有率は、
    4.8mass%以下であることを特徴とする、請求項
    1〜4のいずれかに記載の製鉄用高品位焼成塊成鉱。
  6. 【請求項6】 前記焼成塊成鉱中の全鉄含有率は、58
    mass%以上であることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれかに記載の製鉄用高品位焼成塊成鉱。
  7. 【請求項7】 前記焼成塊成鉱中のMgO含有率は、
    0.5〜2.0mass%の範囲内であることを特徴と
    する、請求項1〜6のいずれかに記載の製鉄用高品位焼
    成塊成鉱。
  8. 【請求項8】 鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及び
    固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサーに
    装入して混合し、得られた混合原料を造粒機に装入して
    擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核部分
    とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCaO源
    物質を配合し、得られた調整原料を2次ミキサーで処理
    して、当該固体燃料及び当該CaO源物質を前記核部分
    の表面に付着外装し、前記核部分の表面に外層部分が形
    成された擬似粒子を調製し、こうして得られた前記擬似
    粒子を焼結原料として、焼結機へ装入する製鉄用高品位
    焼成塊成鉱の製造方法において、 前記1次ミキサーに装入する主原料と媒溶剤と固体燃料
    との配合、及び、前記核部分の表面に外装する前記固体
    燃料と前記CaO源物質との配合を、成品焼結鉱中のS
    iO2含有率が、4.8mass%以下となるように調
    整し、且つ、 前記擬似粒子の核部分中に全固体燃料の20〜0mas
    s%の範囲内の固体燃料及び/又は固体燃料を含有する
    原料を含有させ、そして、前記擬似粒子の外層部分中に
    当該全固体燃料の残部を全量含有させた擬似粒子を調製
    し、こうして得られた擬似粒子に焼成処理を施すことを
    特徴とする、製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法。
  9. 【請求項9】 鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及び
    固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサーに
    装入して混合し、得られた混合原料を造粒機に装入して
    擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核部分
    とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCaO源
    物質を配合し、得られた調整原料を2次ミキサーで処理
    して、当該固体燃料及び当該CaO源物質を前記核部分
    の表面に付着外装し、前記核部分の表面に外層部分が形
    成された擬似粒子を調製し、こうして得られた前記擬似
    粒子を焼結原料として、焼結機へ装入する製鉄用高品位
    焼成塊成鉱の製造方法において、 前記擬似粒子の調製過程で添加する全CaO分の内、1
    0mass%以下を前記核部分に添加し、そして残部を
    前記外層部分に添加し、しかも成品焼結鉱中のCaO含
    有率(mass%)とSiO2含有率(mass%)と
    の比(CaO/SiO2PRODが、1.5〜2.0の範
    囲内となるように、前記外層部分に添加するCaO源物
    質中のCaO分添加量を調整し、こうして得られた擬似
    粒子に焼成処理を施すことを特徴とする、製鉄用高品位
    焼成塊成鉱の製造方法。
  10. 【請求項10】 鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及
    び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサー
    に装入して混合し、得られた混合原料を造粒機に装入し
    て擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核部
    分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCaO
    源物質を配合し、得られた調整原料を2次ミキサーで処
    理して、当該固体燃料及び当該CaO源物質を前記核部
    分の表面に付着外装し、前記核部分の表面に外層部分が
    形成された擬似粒子を調製し、こうして得られた前記擬
    似粒子を焼結原料として、焼結機へ装入する製鉄用高品
    位焼成塊成鉱の製造方法において、 前記1次ミキサーに装入する主原料と媒溶剤と固体燃料
    との配合を、前記混合原料中のCaO含有率(mass
    %)とSiO2含有率(mass%)との比(CaO/
    SiO2mix.が、0.3〜0.9の範囲内となるよう
    に調整し、且つ、前記核部分の表面に外装する前記固体
    燃料と前記CaO源物質との配合を、前記外層部分中の
    CaO含有率(mass%)とSiO2含有率(mas
    s%)との比(CaO/SiO2surf.が、1.5〜
    4.5の範囲内となり、しかも成品焼結鉱中のCaO含
    有率(mass%)とSiO2含有率(mass%)と
    の比(CaO/SiO2PRODが、1.5〜2.0の範
    囲内となるように、前記外層部分に添加するCaO源物
    質中のCaO分添加量を調整し、こうして得られた擬似
    粒子に焼成処理を施すことを特徴とする、製鉄用高品位
    焼成塊成鉱の製造方法。
  11. 【請求項11】 鉄鉱石を主体とする主原料に媒溶剤及
    び固体燃料を配合し、得られた配合原料を1次ミキサー
    に装入して混合し、得られた混合原料を造粒機に装入し
    て擬似粒化させ、得られた擬似粒化体を擬似粒子の核部
    分とし、当該核部分からなる原料に固体燃料及びCaO
    源物質を配合し、得られた調整原料を2次ミキサーで処
    理して、当該固体燃料及び当該CaO源物質を前記核部
    分の表面に付着外装し、前記核部分の表面に外層部分が
    形成された擬似粒子を調製し、こうして得られた前記擬
    似粒子を焼結原料として、焼結機へ装入する製鉄用高品
    位焼成塊成鉱の製造方法において、 前記1次ミキサーに装入する主原料と媒溶剤と固体燃料
    との配合、及び、前記核部分の表面に外装する前記固体
    燃料と前記CaO源物質との配合を、成品焼結鉱中のS
    iO2含有率が、4.8mass%以下となるように調
    整し、且つ、 前記擬似粒子の核部分中に全固体燃料の20〜0mas
    s%の範囲内の固体燃料を含有させ、そして、前記擬似
    粒子の外層部分中に当該全固体燃料の残部を全量含有さ
    せ、そして、 前記1次ミキサーに装入する主原料と媒溶剤と固体燃料
    との配合を、前記混合原料中のCaO含有率(mass
    %)とSiO2含有率(mass%)との比(CaO/
    SiO2mix.が、0.3〜0.9の範囲内となるよう
    に、且つ、前記核部分の表面に外装する前記固体燃料と
    前記CaO源物質との配合を、前記外層部分中のCaO
    含有率(mass%)とSiO2含有率(mass%)
    との比(CaO/SiO2surf.が、1.5〜4.5の
    範囲内となるように、しかも、 前記擬似粒子中のCaO含有率(mass%)とSiO
    2含有率(mass%)との比(CaO/SiO2
    ps-gr.が、1.5〜2.0の範囲内となるように調整
    し、こうして得られた擬似粒子に焼成処理を施すことを
    特徴とする、製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記1次ミキサーに装入する主原料と
    媒溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核部分の表面に
    外装する前記固体燃料と前記CaO源物質との配合を、
    請求項8、9又は10に記載の配合調整条件に加えて更
    に、前記擬似粒子中の全鉄含有率が、58mass%以
    上となるように調整する条件を付加することを特徴とす
    る、請求項8〜11のいずれかに記載の製鉄用高品位焼
    成塊成鉱の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記1次ミキサーに装入する主原料と
    媒溶剤と固体燃料との配合、及び、前記核部分の表面に
    外装する前記固体燃料と前記CaO源物質との配合を、
    請求項8〜11のいずれかに記載の配合調整条件に加え
    て更に、前記擬似粒子中のMgO含有率が、0.5〜
    2.0mass%の範囲内となるように調整する条件を
    付加することを特徴とする、請請求項8〜12のいずれ
    かに記載の製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記主原料中には、結晶水を4mas
    s%以上含有する鉄鉱石を、25mass%以上配合す
    ることを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載
    の製鉄用高品位焼成塊成鉱の製造方法。
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