JP2015183289A - 焼結鉱製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製鋼スラグ中のCaOを最大限、同化反応に活用し、焼結歩留まりの向上を図ることが可能な、焼結鉱製造方法を提供する。【解決手段】P含有量が1.0質量%以下、かつSiO2含有量が25質量%以下の製鋼スラグを、細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとに分級する工程10と、前記細粒製鋼スラグを、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材と混合し、造粒して、造粒物Aを製造する工程11と、前記粗粒製鋼スラグを、石灰石及び鉄鉱石と混合し、造粒して、造粒物Bを製造する工程12と、前記造粒物Aと前記造粒物Bとを混合し、焼結原料を製造する工程13と、前記焼結原料を下方吸引型焼結機で焼成する工程14を実施することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、焼結鉱製造方法に関する。
製鉄所において、転炉、溶銑予備処理炉等の精錬工程から発生する製鋼スラグ中には、石灰が遊離した形(以下で遊離CaOと称す)が残存しているため、そのままの形で道路用材、土木用材などの陸域に利用した場合、遊離CaOの水酸化により膨張が起こることが知られている。そこで、現在一般にスラグを自然冷却し、破砕した後、屋外で山積みするかあるいは人為的に水蒸気と接触させることにより遊離CaOを安定化させている。
しかし、このエージングは、非常に長時間を要することであり、そのために製鉄所内に非常に広いスペースが必要であるという問題がある。
一方で、製鋼スラグは、鉄分やCaO成分の含有量が高いため、焼結プロセスにおける鉄源やCaO源、熱源としての再利用が可能である。しかし、製鋼スラグには、アルミナやシリカといった焼結溶融同化開始温度を上昇させる成分を含んでおり、温度上昇によって流動性を低下させるため、製鋼スラグの使用によって焼結鉱の生産性が低下する問題があった。
上記従来の問題を解決する方策として、製鋼スラグを粉砕することで製鋼スラグ中のCaOの表面積を大きくし、溶融同化反応を促進させることが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、転炉スラグの粒度を−3mmに粉砕して、平均粒子径が0.4〜0.6mmとなるように粒度調整し、塩基度を1.80〜2.20に維持するように転炉スラグを石灰石又は生石灰の代替として、フラックスとして使用することが記載されている。
また、製鋼スラグ中のアルミナによる焼結生産性への悪影響を防ぐために、製鋼スラグとその他の原料に分けて、別々に造粒した後、各造粒物を混合することが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2では、製鋼スラグ造粒粒子とその他の原料から得られた造粒粒子とを極力隔離して焼成することでアルミナの弊害を製鋼スラグ造粒粒子内に収め、焼結への悪影響を軽減させている。具体的には、製鋼スラグのみを造粒するラインと製鋼スラグ以外の原料を造粒するラインとに分けている。製鋼スラグ造粒ラインで行う処理は、1mm以下の粉砕とペレタイザによる造粒である。ここで製鋼スラグを粉砕することによって、遊離CaOを露出させている。これによって、遊離CaOのバインダー効果を発現させ、製鋼スラグの造粒性を改善し、また、その造粒物の表面に遊離CaOを存在させることで焼結時にカルシウムフェライトの生成を促進させている。
さらに、製鋼スラグ中のCaOの溶融同化の悪影響を緩和させるために、製鋼スラグに石灰石を近接配置させ、融体流動性を向上させることが提案されている(特許文献3参照)。特許文献3では、石灰石を製鋼スラグに近接配置することにより、焼結過程で生成される融体のCaO/Fe(固液比)を上昇させ、融体流動性を向上させるとともに、発熱原料(製鋼スラグ)近傍に易溶融原料(石灰石)を配置することにより、焼結過程で石灰石の溶融による液相生成が促進されることで、融体流動性を向上させている。
特開平5−51653号公報 特開2012−117082号公報 特開2011−246781号公報
しかしながら、上記特許文献1,2では、製鋼スラグを粉砕する作業が発生するため、その分だけ製造コストが向上してしまう。
また、上記特許文献3では、焼結鉱中のCaO含有量が一定の条件で、製鋼スラグの焼結使用量の拡大を考えた際、CaO含有率の高い群の焼結原料において、製鋼スラグと近接させるための石灰石の量が増加し、一方でCaO含有率が低い群の焼結原料での石灰石量が減少することになる。したがって、焼結全体としての歩留や生産率は低下してしまう。
本発明は、このような状況を鑑み、製鋼スラグの焼結使用時における前記課題を克服し、製鋼スラグ中のCaOを最大限、同化反応に活用し、焼結歩留まりの向上を図ることが可能な、焼結鉱製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、焼結工程における付着粉粒子と核粒子の挙動の違いや、製鋼スラグの粒度別の組成の違いに着目し、製鋼スラグをその境界粒度で分級し、分級した細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグに対して、それぞれに適した処理を行うことで、使用する製鋼スラグ中のCaOを最大限、同化反応に活用できることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)P含有量が1.0質量%以下、かつSiO含有量が25質量%以下の製鋼スラグを、細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとに分級する工程と、前記細粒製鋼スラグを、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材と混合し、造粒して、造粒物Aを製造する工程と、前記粗粒製鋼スラグを、石灰石及び鉄鉱石と混合し、造粒して、造粒物Bを製造する工程と、前記造粒物Aと前記造粒物Bとを混合し、焼結原料を製造する工程と、前記焼結原料を下方吸引型焼結機で焼成する工程を実施することを特徴とする焼結鉱製造方法。
(2)前記製鋼スラグを前記細粒製鋼スラグと前記粗粒製鋼スラグとに分級する工程は、前記製鋼スラグの粒径1mm〜3mmの範囲のいずれかの粒径を分級点として分級する工程であることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱製造方法。
(3)前記造粒物Bを製造する工程は、前記鉄鉱石に対する前記石灰石の比が、0.19以上0.39以下であり、かつ、前記粗粒製鋼スラグに対する前記鉄鉱石と前記石灰石の合計の比が、1以上3以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の焼結鉱製造方法。
(4)前記製鋼スラグが、脱硫スラグ又は脱炭スラグであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の焼結鉱製造方法。
本発明によれば、製鋼スラグ中のCaOを最大限、同化反応に活用し、焼結歩留まりの向上を図ることができる。
本実施形態における焼結鉱製造方法を示す概略図である。 脱硫スラグの粒度分布を示す図である。 脱硫スラグの粒度別の化学組成を示す図である。 Fe−CaO−SiOの三元系状態図である。 造粒物Bの層構成を示す概略図である。 CaO−Feの二元系状態図である。 非融液生成条件での製鋼スラグの粒径と反応率との関係を示す図である。 融液生成条件での製鋼スラグの粒径と反応率との関係を示す図である。 焼結鍋試験の試験手順フローを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態で使用される製鋼スラグは、P含有量が1.0質量%以下、かつSiO含有量が25質量%以下である。このうち、製鋼スラグは、脱硫スラグ又は脱炭スラグであることが好ましい。なお、本明細書において、「脱硫スラグ」とは、溶銑予備処理の脱硫工程で発生するスラグをいう。また、「脱炭スラグ」とは、製鋼工程において、溶銑脱燐後の脱硫脱炭工程で発生するスラグをいう。
図2に脱硫スラグの粒度分布を示す。粒径1.0〜2.0mmが約28%含まれ、粒径2.8〜4.75mmも約20%含まれている。
図3に脱炭スラグの粒度別の化学組成を示す。粒径が小さいほど、遊離CaO(F−CaO)が含まれ、粒度が大きくなるにつれ、遊離CaOの割合が少なくなっている。
[分級する工程]
本実施形態では、図1に示すように、製鋼スラグを、篩1により細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとに分級する(分級する工程10)。製鋼スラグは、粒径1mm〜3mmの範囲のいずれかの粒径を分級点として分級することが好ましい。このうち、粒径3mmを分級点として分級することが特に好ましい。分級点に幅を持たせた理由は、製鋼スラグの成分変動によって遊離CaOを効率的に分級する分級点が変動するためである。
[造粒物Aを製造する工程]
脱硫スラグの粒度分布を図2に、脱硫スラグの粒度別の化学組成を図3に示す。
篩1の篩下である細粒製鋼スラグは、粒径が小さいことから製鋼スラグ中のCaOの表面積も大きくなる。また、図3から明らかなように、細粒製鋼スラグは、遊離CaOが多く含まれている特徴を有しており、生石灰と同等の効果を発揮する。このように、製鋼スラグを粉砕することなく、生石灰の代替品が得られる。このため、細粒製鋼スラグは、その他配合原料と混合し、造粒した造粒粒子(擬似粒子)とすることで、焼結原料に有効活用できる。
本実施形態では、細粒製鋼スラグを、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材と混合し、造粒して、造粒物Aを製造する。
具体的には、図1に示すように、細粒製鋼スラグを、その他配合原料である鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材とともにドラムミキサー2に供給して、混合し、造粒することで造粒物Aが製造される(造粒物Aを製造する工程11)。なお、造粒物Aは、混合ミキサーでいったん混合し、その後、造粒用ドラムミキサーで造粒することによって製造してもよい。
ドラムミキサー2で造粒された造粒物Aは、ドラムミキサー2から排出され、ベルトコンベアで焼結機側に搬送される。
[造粒物Bを製造する工程]
篩1の篩上である粗粒製鋼スラグは、その表面積が細粒製鋼スラグと比較して相対的に小さくなる。また、図3から明らかなように、粗粒製鋼スラグは、遊離CaOが少ない。これらのことが影響するため、このままでは粗粒製鋼スラグを同化に有効活用することは難しい。
そこで、本実施形態では、図1に示すように、粗粒製鋼スラグと、石灰石と鉄鉱石の微粉とを造粒原料として使用し、上記造粒原料を、例えばパンペレタイザー3で混合し、造粒することで、造粒物Bを製造する(造粒物Bを製造する工程12)。造粒物Bは、粗粒製鋼スラグを核として、この核の周囲に石灰石と鉄鉱石の微粉を付着させた、図5に示す層構成となる。
図4から明らかなように、Fe(鉄鉱石)と2CaO・SiO(製鋼スラグ)との反応では、初晶融点が1315℃と高温である。一方、造粒物Bの層構成では、Fe・CaO(核の周辺部)と2CaO・SiO(核である製鋼スラグ)との反応になるため、その初晶融点は1195℃と、上記と比較して、初晶融点が下がり、低温で反応し、融液を生成する。このように、粗粒製鋼スラグを図5に示す層構成の造粒物Bとすることで、周囲からの融液を製鋼スラグと接触させることができるため、その滓化が促進される。
粗粒製鋼スラグの周囲に付着させる石灰石及び鉄鉱石を微粉としたのは、粗粒のような大きさでは粗粒製鋼スラグの周囲に上手く付着しないためである。粗粒製鋼スラグの周囲に付着させることが可能な粒径であれば制限はないが、例えば、石灰石の粒径は0.25mm以下、鉄鉱石の粒径は0.5mm以下が好ましい。
図6に示すCaO−Feの2元系状態図において、初晶融点がおおよそ1300℃(焼結過程における標準的な加熱温度に相当する。)以下の、低温で融液が発生する条件は、点線で囲まれた領域である。この点線で囲まれた領域において、石灰石中のCaOと、鉄鉱石中のFeとの割合は、CaO:Fe=28質量%:72質量%〜16質量%:84質量%である。したがって、製造する造粒物Bの、粗粒製鋼スラグの周囲に付着させる石灰石及び鉄鉱石の割合は、鉄鉱石に対する石灰石の比で、0.19以上0.39以下とすることが好ましい。上記配合比であれば、初晶融点がおおよそ1300℃以下の、低温で融液を発生させることができるため、その滓化が促進される。
粗粒製鋼スラグに対する鉄鉱石と石灰石の合計の比は、1以上3以下とすることが好ましく、1.3以上2以下とすることが特に好ましい。配合比が下限未満では、粗粒製鋼スラグの周囲に付着させる石灰石と鉄鉱石の量が少ないため、粗粒製鋼スラグ中のCaOの同化促進が十分に発揮されないおそれがある。他方、配合比が上限を超えると、微粉量が過剰になるが、造粒物Bへの付着量には制限があり、それ以上は増えないため、造粒物Bにより得られる効果は変わらない。
造粒物Bを製造する際には水分を添加するが、その水分量は、配合原料全体に含まれる水分量よりも1〜2%程度多くなるように調整することが好ましい。上記水分量とするのは、製造する造粒物Bの強度を確保するためである。ただし、それ以上に水分を添加すると、水分が過剰になりすぎて、造粒物Bを造粒物Aと混合する際に、造粒物Aの造粒障害が生じるおそれがある。
造粒設備としては、例えば、パンペレタイザーを使用することが好ましい。なお、粗粒製鋼スラグを核として、この核の周囲に石灰石及び鉄鉱石の微粉を付着させることが可能であれば、どのような造粒設備で造粒物Bを製造してもよい。
[焼結原料を製造する工程]
次に、造粒物Aと造粒物Bとを混合することで、焼結原料を製造する(焼結原料を製造する工程13)。
例えば、図1に示すように、造粒物Aを造粒中のドラムミキサー内に、造粒物Bをその出口側から添加することによって、造粒物Aと造粒物Bとを混合することが好ましい。この方法では、比較的均一な混在状態とすることができ、また、後添加のようなかたちでの混合となるため、混合作業による造粒物Bの崩壊を防ぐことができる。
また、造粒物Aと造粒物Bとの混合は、以下のような方法により実施してもよい。
例えば、ベルトコンベア上に搭載された造粒物A上に、造粒物Bを払い出して積層状態とした後、焼結機のパレットに原料を装入するサージホッパに搬送し、このサージホッパ内で混合してもよい。また、ベルトコンベア上に搭載された造粒物B上に、造粒物Aを払い出して積層状態とした後、焼結機のパレットに原料を装入するサージホッパに搬送し、このサージホッパ内で混合してもよい。また、別途、混合用ドラムミキサーを設置し、この混合用ドラムミキサーに上記造粒物A,Bを供給し、混合処理を行った後、サージホッパに供給してもよい。さらに、積層状態にしてベルトコンベアで搬送中に、ジャンクション部分でのベルト乗り継ぎの際に造粒物A,Bを混合させる方法でも、比較的均一な混在状態とすることができる。
なお、上記に説明した造粒方法や混合方法は、単なる例示であり、他の方法を用いてもよいことは勿論である。
[焼結原料を焼成する工程]
上記得られた焼結原料を下方吸引型焼結機で焼成する(焼結原料を焼成する工程14)。
具体的には、先ず、焼結原料を焼結機のパレット上に充填して焼結原料層を形成する。次に、形成した焼結原料層の表層部の炭材に点火し、パレット下方に設置されたウインドボックスで空気を吸引しながら炭材を燃焼させ、その燃焼熱で焼結原料を1200℃〜1380℃の温度に加熱・溶融することで焼結する。得られた焼結ケーキは、クラッシャーなどで破砕する。破砕物は、5mm篩でスクリーニングして、篩上の5mm以上は製品として高炉に送り、篩下の5mm未満は返鉱とし、配合原料として繰り返し使用する。
[実施形態の効果]
上述の実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)本実施形態の焼結鉱製造方法では、製鋼スラグを焼結鉱の原料として使用している。製鋼スラグは、焼結鉱に必要な物質である鉄分や石灰分を多く含んでいるので、焼結の配合原料として再利用することで、焼結原料費を削減することができる。
(2)製鋼スラグを細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとに分級する。このように製鋼スラグを分級により分割しているので、従来実施していた粉砕作業を省略できるため、粉砕コストが削減される。
(3)細粒製鋼スラグを、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材とドラムミキサー2などを用いて混合し、造粒して、造粒物Aを製造している。また、粗粒製鋼スラグを、石灰石及び鉄鉱石とパンペレタイザー3を用いて混合し、造粒することで造粒物Bを製造している。このように、細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとを別々に処理し、粗粒製鋼スラグのみに、パンペレタイザー3を用いた造粒処理を行うので、製鋼スラグ全体としての、パンペレタイザー3を用いた造粒処理量が低減する。さらに、造粒物B側に供給する石灰石配合量が少なくすむため、その分を造粒物A側に供給する副原料として増加させることができる。このように、石灰石の効率的な使用が促進されるため、全体としての焼結歩留りが向上する。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
<同化実験>
製鋼スラグについて同化実験を実施した。
実験は、下記の粒度に調整した製鋼スラグの周囲に、非溶融生成条件並びに溶融生成条件となるように試薬をそれぞれ被覆してタブレットを作製した。得られたタブレットを以下の焼成条件で焼成した。焼成して得られる焼成タブレットを、その中心で切断し、得られた切断面を研磨して、観察面とした。この観察面における鉱物組織を顕微鏡観察した。
非融液生成条件での結果を図7に、融液生成条件での結果を図8に示す。
・製鋼スラグの粒度
小粒径:2.0mm以上2.8mm以下。
中粒径:4.75mm以上5.6mm未満。
大粒径:5.6mm以上6.5mm未満。
・製鋼スラグの周囲
非融液生成条件:粉末試薬Feのみ(FeとCaOとの比が100:0)。
融液生成条件:粉末試薬Feと消石灰とを、試薬中のFeと消石灰中のCaOとが質量比で80:20の割合で配合された混合物。
・焼成条件:タブレットを1300℃で保熱した炉に装入し、1300℃で2分間保持し、続いて1300℃から1100℃までを3分間で冷却し、その後自然冷却した。
・評価
焼成タブレットを切断し、切断した観察面において確認された製鋼スラグ反応部の径方向における厚みを測定し、この平均厚みを融液拡散距離とした。得られた融液拡散距離から次の式(1)により製鋼スラグ反応率を算出した。
図7から明らかなように、非融液生成条件において、小粒径の製鋼スラグでは、粒子の周囲にCaO、Feのような、製鋼スラグの同化を促進する物質が存在していなくても、製鋼スラグ中のCaOにより高い反応率を示している。一方で、粒径が3mm以上の中粒径、大粒径の製鋼スラグでは、反応率が小さくなる結果が得られた。この結果から、非融液生成条件では、粒度が大きくなると、CaOが十分に使用されないことが判る。
図8から明らかなように、融液生成条件においては、小粒径の製鋼スラグでは、上記非融液生成条件と同様に、高い反応率を示している。一方、粒径が3mm以上の中粒径、大粒径の製鋼スラグでは、粒子の周囲に同化促進物質を存在させることで反応率の上昇が確認できた。
<焼結焼成試験>
図9に示す試験手順フローに沿って焼結鍋試験を行い、効果の確認を行った。
焼結鍋試験は、それぞれの条件において指定の配合比率に試料を調整した後、造粒物Aについては、1,000mmφのドラムミキサーを用いて1分間の混合と4分間の造粒操作を、水分7.5%で行った。また、造粒物Bについては、万能混練機を用いて1分間の混合と2分間の混練後に、PP(パンペレタイザー)による5分間の造粒を、水分9%で行った。そして、造粒物Aの製造が4分40秒経過した時点で、造粒物Aを造粒中のドラムミキサーの出口側から造粒物Bを供給することで、造粒物Aと造粒物Bとを混合して焼結原料とした。得られた焼結原料を300mmφの焼結鍋に層厚600mmで装入し12.0kPa一定の条件で焼成した。
実施例1〜3では、製鋼スラグを、目開き3mmの篩により、篩上(+3mm)と篩下(−3mm)に篩分けた。そして、造粒物Aとして、篩下(−3mm)の細粒製鋼スラグと、その他の配合原料(豪州鉱、南米鉱、石灰石、その他、返鉱及び粉コークス)とを使用した。また、造粒物Bとして、篩上(+3mm)の粗粒製鋼スラグに対し、粒径が0.25mm未満に調整された石灰石及び粒径が0.5mm未満に調整された鉄鉱石(南米鉱)を使用した。そして、これら造粒物A,Bを混合したものを焼結原料とした。
なお、実施例1の造粒物Bにおける微粉(石灰石及び鉄鉱石)と核(粗粒製鋼スラグ)との比率は質量比で2:1、石灰石中のCaOと鉄鉱石中のFeとの配合割合は16質量%:84質量%とした。
また、実施例2の造粒物Bにおける微粉(石灰石及び鉄鉱石)と核(粗粒製鋼スラグ)との比率は質量比で1.3:1、石灰石中のCaOと鉄鉱石中のFeとの配合割合は16質量%:84質量%とした。さらに、実施例3の造粒物Bにおける微粉(石灰石及び鉄鉱石)と核(粗粒製鋼スラグ)との比率は質量比で2:1、石灰石中のCaOと鉄鉱石中のFeとの配合割合は24質量%:76質量%とした。
比較例1では、分級や粉砕を実施せず、粒度調整していない製鋼スラグと、その他の配合原料とを混合し、造粒して得られた造粒物を焼結原料とした。
比較例2では、粒径を3mm未満にまで粉砕した製鋼スラグとその他の配合原料とを混合し、造粒して得られた造粒物を焼結原料とした。
比較例3では、製鋼スラグを配合することなく、その他配合原料のみを混合し、造粒して造粒物Aを製造した。そして、この造粒物Aに対して、粒径を1mm未満にまで粉砕した製鋼スラグを混合したものを焼結原料とした。
比較例4では、製鋼スラグを配合することなく、その他配合原料のみを混合し、造粒して造粒物Aを製造した。また、分級や粉砕を実施せず、粒度調整していない製鋼スラグに対し、粒度調整していない石灰石及び粒度調整していない鉄鉱石を混合し、造粒して、造粒物Bを製造した。そして、これら造粒物A,Bを混合したものを焼結原料とした。
配合条件を次の表1に、得られた結果を次の表2にそれぞれ示す。
表2における焼結鉱の歩留(%)は、焼結ケーキを破砕し、5mm篩で整粒して得られた篩上の焼結鉱の質量を、破砕する前の焼結ケーキの質量により除し、この比率を百分率により表示した値である。焼結鉱の生産率(t/d/m)は上記篩上の焼結鉱の質量(t)を、焼結に要した時間(d)とパレット面積(m)とで除し、単位時間かつ単位面積あたりで表したものである。
表2から明らかなように、実施例1〜3は、比較例1〜4と比べて歩留と生産率が向上した結果が得られた。なお、実施例1〜3は、原料の配合割合を変化させた例であるが、歩留と生産率には殆ど差がみられなかった。
実施例1〜3では、細粒製鋼スラグは、その反応性の良さを利用して、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材と混合し、造粒して得られた擬似粒子である造粒物Aとして焼結に使用している。一方、粗粒製鋼スラグは、CaOの同化への寄与を促進させるために、粗粒製鋼スラグ粒子を核として、その周囲に石灰石と鉄鋼石を付着させた擬似粒子である造粒物Bとして焼結に使用している。また造粒物Bでは、比較例4よりも少ない石灰石量で製鋼スラグ中のCaOの同化促進を行っているため、造粒物Aにも石灰石を配合することが可能であり、造粒物Aの同化性も維持することができる。
したがって、本発明は、造粒物Bで製鋼スラグ中のCaOの同化促進を行いながら、造粒物Aでの同化の悪化の抑制も図っており、歩留、生産率を比較例1〜4よりも高めることができた。
1…篩、2…ドラムミキサー、3…パンペレタイザー、10…分級する工程、11…造粒物Aを製造する工程、12…造粒物Bを製造する工程、13…焼結原料を製造する工程、14…焼成する工程。

Claims (4)

  1. P含有量が1.0質量%以下、かつSiO含有量が25質量%以下の製鋼スラグを、細粒製鋼スラグと粗粒製鋼スラグとに分級する工程と、
    前記細粒製鋼スラグを、鉄鉱石、ダスト、副原料、返鉱及び炭材と混合し、造粒して、造粒物Aを製造する工程と、
    前記粗粒製鋼スラグを、石灰石及び鉄鉱石と混合し、造粒して、造粒物Bを製造する工程と、
    前記造粒物Aと前記造粒物Bとを混合し、焼結原料を製造する工程と、
    前記焼結原料を下方吸引型焼結機で焼成する工程を実施することを特徴とする焼結鉱製造方法。
  2. 前記製鋼スラグを前記細粒製鋼スラグと前記粗粒製鋼スラグとに分級する工程は、前記製鋼スラグの粒径1mm〜3mmの範囲のいずれかの粒径を分級点として分級する工程であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱製造方法。
  3. 前記造粒物Bを製造する工程は、前記鉄鉱石に対する前記石灰石の比が、0.19以上0.39以下であり、かつ、前記粗粒製鋼スラグに対する前記鉄鉱石と前記石灰石の合計の比が、1以上3以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼結鉱製造方法。
  4. 前記製鋼スラグが、脱硫スラグ又は脱炭スラグであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の焼結鉱製造方法。
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