JP2008068577A - プリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール状の記録用紙を往復動させて繰り返し印刷を行うプリンタにおいて、記録用紙の退避場所を別途用意することなく、また、プリンタを大型化することなく確保する。
【解決手段】ロール状の記録用紙を保持するロール紙ホルダと、記録用紙をプリンタ外部に排出する排出経路と、記録用紙を一時的に収納する記録用紙収納部と、排出経路と記録用紙収納部のいずれか一方に切り替えて記録用紙の先端を導く切替案内部とを備えたプリンタにおいて、記録用紙収納部をロール状の記録用紙の外周の少なくとも一部により形成する。切替案内部は、ヘッドの下流側に設けられ、切替動作によって、記録用紙を記録用紙収納部側に導いて一次的に退避させる動作と、排出経路側に導いて記録用紙をプリンタ外部に排出する動作を切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドに対してロール状の記録用紙を往復動させることによって、記録用紙に印刷を複数回繰り返すことで、同一紙面上に例えば異なる色の印刷を行うプリンタに関する。
カラー印刷等の多色印刷を行うプリンタでは、三原色(イエロー、マゼンタ、シアン)あるいはブラックを含めた4色で印刷が行われる。このような多色印刷のプリンタとして、ロール状の記録用紙を往復動させながら印刷を複数回繰り返すことによって、同一紙面上に異なる色の印刷を行うプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示されるプリンタでは、供給ローラから送り出された記録紙上にヘッドで印刷を行うには、一つの色ヘッドで印刷した記録用紙を記録紙収納部内に収納し、次の色を印刷するときには、この記録紙収納部内に収納された記録紙を巻き戻した後、再度次の色ヘッドを通過させて印刷を行い、印刷した記録用紙を記録紙収納部内に収納する。このように、各色で印刷を行う度に、記録紙収納部に対して記録用紙を出し入れする。
このプリンタは、記録紙を記録紙収納部あるいは記録紙切断部に切り替えて導くための切替ガイド手段を備え、この切替ガイド手段を切り替えることによって、印刷時には記録紙を記録紙収納部に導き、印刷が終了した後は記録紙切断部に導いている。
特開平8−67041号公報
上述したプリンタでは、ロール状の記録用紙を往復動させながら印刷を複数回繰り返すために、記録紙を退避させるために、記録紙を一時的に収納する記録紙収納部が必要である。この記録紙収納部はヘッドと記録紙切断部との間に設ける必要性から、プリンタの筐体内にこの記録紙収納部を設置するスペースを確保する必要がある。
記録紙を丸めた状態で収納する場合には、記録紙収納部は、内部に収納空間を形成する筒状体の形状とする必要があるため、この筒状体の径に応じて縦方向あるいは横方向の寸法が大きくなり、プリンタが大型化するという問題がある。
また、記録紙を延ばした状態で収納する場合には、記録紙収納部は、内部に収納空間を形成する箱状の形状とする必要があるため、この箱体の長さや幅に応じて横方向の寸法が大きくなり、プリンタが大型化するという問題がある。
何れの収納状態であっても、プリンタの筐体内に記録紙収納部を設置するスペースを別途確保するには、プリンタの筐体の寸法を大きくせざるを得ず、プリンタが大型化するという問題がある。
また、記録用紙に印刷する印刷長さは、記録紙収納部に収納する記録用紙の長さに制限されるため、記録紙収納部に収納する記録用紙の長さよりも長い印刷を行うことができないという問題がある。
そこで、本発明は上記の課題を解決して、ロール状の記録用紙を往復動させて繰り返し印刷を行うプリンタにおいて、記録用紙の退避場所を別途用意することなく確保し、これによってプリンタを大型化することなく記録用紙の退避場所を確保することを目的とする。
また、記録紙収納部に収納する記録用紙の長さよりも長い印刷が求められた場合であっても、印刷を可能とすることを目的とする。
本発明は、ロール状の記録用紙を保持するロール紙ホルダの外周部分のスペースを利用し、この部分の少なくとも一部によって収納空間を形成し、この収納空間に記録用紙を一時的に収納する。
ロール紙ホルダの外周部分は、本来、ロール紙を収納する空間、あるいは、ロール紙を巻きほどいて送り出すために用意されている空間である。ロール紙ホルダの外周の径は、ロール紙径が最も大きい状態にある未使用のロール紙が収納されている場合であっても、ロール紙の外周部分がプリンタの内部の壁面等と接触しないように、通常、マージン分を持たせた外径に設定されているため、ロール紙ホルダの外周部分には、余裕空間が設けられている。
このロール紙ホルダに巻かれていたロール紙を巻きだし後には、少なくともそのロール紙が巻かれていた空間部分が遊休空間となる。したがって、ロール紙ホルダの外周部分は、少なくともロール紙から巻きほどかれて送り出された記録用紙を収納するに十分な空間を有している。
本発明のプリンタは、このロール紙ホルダの外周部分の空間部分を記録用紙の退避場所として利用することで、プリンタ内に記録用紙の退避場所を新たに別途用意することなく記録用紙を退避させるための空間を確保することができる。
本発明のプリンタは、ロール状の記録用紙を保持するロール紙ホルダと、この記録用紙をプリンタ外部に排出する排出経路と、記録用紙を一時的に収納する記録用紙収納部と、排出経路と記録用紙収納部のいずれか一方に切り替えて記録用紙の先端を導く切替案内部とを備えたプリンタにおいて、記録用紙収納部はロール状の記録用紙の外周の少なくとも一部により形成される構成とする。
そして、この記録用紙収納部に記録用紙を収納させる構成において、切替案内部は切り替えによって記録用紙の先端を記録用紙収納部に導く。この切替案内部は、ヘッドの下流側に設けられ、切替動作によって、記録用紙を記録用紙収納部側に導いて一次的に退避させ、また、排出経路側に導いて記録用紙をプリンタ外部に排出する。
本発明の切替案内部は、記録用紙収納部の収納長さ内の印刷を行う場合には、印刷工程中の記録用紙の先端を記録用紙収納部に導き、印刷終了後の記録用紙の先端を排出経路に導く。この切替案内部によって、記録用紙の先端の送り先方向を切り替えることで、印刷中においては、記録用紙を記録用紙収納部に一次的に退避させて繰り返し印刷を可能とし、印刷が終了した後は、排出経路を通してプリンタの外部に排出する。
この構成によれば、記録用紙収納部は、本来ロール紙を保持しておく空間であるため、印刷中の記録用紙を一時的に退避させた場合であっても、プリンタ筐体によって外部から遮蔽されて状態を保持することができるため、印刷中の記録用紙面にゴミや埃が付着するといったことを防ぐことができ、印刷の品質を確保することができる。
一方、記録用紙収納部の収納長さを超える印刷を行う場合には、記録用紙収納部に収納可能な長さが不十分であるため、記録用紙を記録用紙収納部内に退避させることで印刷を行うことができない。そこで、切替案内部は、印刷工程中および印刷終了後において、記録用紙の先端を排出経路側に導くように、記録用紙の送り先方向を切り替える。これによって、印刷工程中では、記録用紙を排出口から一旦プリンタの外部に出した状態とすることで、記録用紙の一次退避を行い。印刷が終了した後は、排出経路を通し、排出口からプリンタの外部に排出する。なお、上述したように、印刷中の記録用紙の一時退避をプリンタの筐体の外部で行う場合には、印刷中の記録用紙面にゴミや埃が付着する可能性が生じる。
本発明の切替案内部はフラッパ板によって構成することができる。このフラッパ板は、記録用紙の先端を記録用紙収納部側に案内する第1の切替位置と、記録用紙の先端を排出経路側に案内する第2の切替位置を含む少なくとも2つの切替位置に保持自在に軸支される構成とし、この切替位置を変えることで、記録用紙の先端の送り先方向を切り替えて、記録用紙を記録用紙収納部側あるいは排出経路側に案内する。
また、切替案内部は、少なくとも印刷開始時にはフラッパ板を第1の切替位置とし、印刷終了時にフラッパ板を第1の切替位置から第2の切替位置に切り替える。フラッパ板の切替位置の切替のタイミングは、印刷開始時や印刷終了時であり、プリンタの印刷制御に同期して行うことができる。
一方、切替案内部は、記録用紙収納部の収納長さを超える印刷を行う場合には、フラッパ板を第2の切替位置とし、印刷時に記録用紙の先端を排出経路側に案内する。この場合には、印刷中および印刷終了後の排出の両状態において、フラッパ板は第1の切替位置としたままである。
本発明のロール状の記録用紙は中心軸を備え、この中心軸を支持することによってロール紙ホルダに回転可能に収納することができる。
また、本発明のプリンタは、排出経路上に、記録用紙を切断する記録用紙切断部と、記録用紙をプリンタの筐体の外部に排出する排出口とを備える。この記録用紙切断部の下方位置には、記録用紙切断部で切断された記録用紙の切断片を収納する切断片収納部を備える。この構成によって、記録用紙切断部で切断された記録用紙の切断片を、プリンタ内部の切断片収納部に収納して、プリンタの外部に漏洩することを防ぐことができる。
本発明のプリンタによれば、ロール状の記録用紙を往復動させて繰り返し印刷を行うプリンタ等において、記録用紙の退避場所を別途用意することなく確保し、これによってプリンタを大型化することなく記録用紙の退避場所を確保することができる。
また、記録紙収納部に収納する記録用紙の長さよりも長い印刷が求められた場合であっても、印刷を可能とすることができる。
以下、本発明のプリンタの態様について、図1〜図14を用いて説明する。
図1は本発明のプリンタの概略構成を説明するための図である。なお、図1では、プリンタ1が備え各構成要素の内で、本発明の説明に要する部分のみを示し、その他の構成要素については省略している。
プリンタ1は、ロール状の記録用紙10をロール紙ホルダ2に保持しておき、このロール紙ホルダ2から巻き戻した記録用紙10の記録面上の印刷を行う。ロール状の記録用紙10をロール紙ホルダ2に保持させるには、例えば、ロール状の記録用紙10が有する中心軸をロール紙ホルダ2によって回転自在に支持させることで行うことができ、これによって、記録用紙10をロール紙ホルダ2に回転可能に収納することができる。
印刷は、例えば、インクリボンカセット4に保持されたインクリボン4aを記録用紙10の記録面に当接させながら、ヘッド3によって所定位置にインクを記録することによって行う。この印刷において、カラー印刷などの多色印刷を行う場合には、インクリボン4aに印刷を行う色に対応したイエロー、マゼンタ、シアン等の複数のインク部分を、インクリボン4aの巻き取る方向に沿って順に用意しておき、インクリボン4aを巻き取りながらインク部分をヘッド3を通過させる動作を、各色毎に繰り返す。この際、記録用紙10の同一印刷領域に各色の印刷を重ねて行わせるために、記録用紙10を往復動させる。この記録用紙10の往復動は、ロール紙ホルダ2の回転方向を変えてロール紙を巻きほどきと巻き戻しを繰り返すことで行うことができる。
これによって、記録用紙10をヘッド3に対して往復動させ、記録用紙10の同一の印刷領域に対して複数回の印刷を繰り返して行う。
なお、インクリボンは、イエロー、マゼンタ、シアン等の色部分に加えてオーバーコート層を備え、全色の印刷が終了した印刷面上をこのオーバーコート層で覆うことによって印刷面を保護することができる。
印刷が終了した記録用紙10は、ヘッド3部分を通過した後、排出経路13を通過した後、プリンタ1の筐体7に設けた排出口6からプリンタ外部に排出される。
記録用紙10は、各色の印刷において、一たんヘッド3の位置を通過して印刷を行う長さに応じて紙送りされた後、反転して巻き取られる。ヘッド3による印刷は、この記録用紙10を巻き戻す過程で行われる。したがって、ヘッド3を通過した記録用紙10を、プリンタ1の内部に一時的に退避させる必要がある。
本発明のプリンタ1は、ロール紙ホルダ2の外周部分を記録用紙収納部12とし、記録用紙を一時退避させるための収納空間として使用する。図1では、記録用紙収納部12を斜線部分で示している。この記録用紙収納部12は、ロール紙ホルダ2の外周部分のスペースを利用し、全外周の内の少なくとも一部において、プリンタ内部との間で形成される隙間によって収納空間を形成する。通常、ロール紙ホルダの外周部分は、ロール紙を収納するとともに、ロール紙を巻きほどいて送り出すための空間部分を備えている。ロール紙ホルダの外周の径は、このロール紙の径が最大径の場合にも、ロール紙の外周部分がプリンタの内部の壁面等と接触しないように、通常、マージンを持たせた径に設定されているため、ロール紙ホルダの外周部分には余裕空間が設けられている。また、このロール紙ホルダに巻かれていたロール紙を巻きだし後には、少なくともそのロール紙が巻かれていた空間部分が遊休空間となる。
したがって、ロール紙の外周部分には、少なくともロール紙から巻きほどかれて送り出された記録用紙を収納するに十分な空間を有している。
本発明のプリンタ1は、このロール紙ホルダ2の外周部分の空間部分を、記録用紙を退避させる収納空間20として利用することで、プリンタ内に記録用紙を退避させる場所を新たに設けることなく記録用紙を退避させるための空間を確保する。
ヘッド3の下流であって、記録用紙収納部12及び排出経路13の上流部分には、切替案内部11を備える。この切替案内部11は、ヘッド3を通過した記録用紙10の先端を、記録用紙収納部12に向けて送るか、あるいは排出経路13に向けて送るかの切替を行い、記録用紙10を切替方向に導く部分であり、例えば、後述するフラッパ板によって構成することができる。
また、プリンタ1は、排出経路13上であって排出口6の直前の位置に記録用紙切断部5を備える。記録用紙切断部5は、排出経路13を通過し、排出口6から外部に送り出された記録用紙10において、排出口6の手前位置の部分を切断する。記録用紙切断部5は、記録用紙10が排出口6から外部に突出した状態において、記録用紙10の記録面の後方の所定位置を切断することによって、カットした記録用紙10を排出口6から取り出すことができ、また、記録用紙10が排出口6から突出する前の状態において、記録用紙10を複数箇所で切断することによって、記録用紙10を短く裁断することができる。
この記録用紙切断部5の下方位置には、切断片収納部14が設けられ、記録用紙切断部5で裁断された切断片を収納することができる。切断片を切断片収納部14に収納することによって、切断片がプリンタ1の外部に漏洩することを防ぐことができる。
なお、図1の構成によれば、切断片収納部14はロール紙ホルダ2と隣接する位置に設けられているため、上述したロール紙ホルダ2の外周部が形成する記録用紙収納部12の他方の境界を定めることになる。図1では、記録用紙収納部12の境界の一部を切断片収納部14の壁面で形成する例を示しているが、ロール紙ホルダ2の外周部とともに記録用紙収納部12の境界を形成する面は、この切断片収納部14の壁面に限られるものではなく、プリンタ1内においてロール紙ホルダ2の外周部と対向する位置に配置される構成部材の壁部を用いることができる。
プリンタ1は、上述した各構成部分を駆動する駆動部(ロール紙駆動部32、ヘッド駆動部33)、あるいは制御を行う制御部(制御部30,切替制御部31,切断制御部35)を備える。また、上記した各部の他に、制御条件を取得するための検出信号を検出する検出部(リボン種検出部34)を備える。
ロール紙駆動部32は、ロール紙ホルダ2内に収納されたロール紙を駆動する。ロール紙駆動部32は、駆動方向を反転させることができ、ロール紙を巻きほどく方向に回転駆動することによって記録用紙10の送り出しを行い、駆動方向を反転させてロール紙を巻き戻す方向に回転駆動することによって、送り出した記録用紙10を元に戻す。ここでは、送り出した記録用紙10を元に戻す際に、記録用紙10上に印刷を行う。
また、ヘッド駆動部33は、画像データに基づいてヘッドを駆動し、記録用紙10上に所定の画像や印字を印刷する。ヘッドは、昇華型のプリンタ、熱転写型プリンタ等の各種の印刷方式に応じた機構を用いることができる。また、インクリボン4を駆動するインクリボン駆動部(図1では示していない)を備え、ヘッドの駆動と同期してインクリボン4をヘッドに対して移動させ、記録用紙10上に印刷を行う。
インクリボンを用いて印刷を行う場合には、記録用紙10上に印刷する印刷長さはインクリボンの各色の長さに依存する。例えば、L版、2L版の写真の相当する印刷を行う場合には、インクリボンはL版、2L版の寸法に応じた大きさを有し、例えば横方向の長さ分を移動させることで印刷を行う。
したがって、ロール紙駆動部32やインクリボン駆動部(図示していない)の駆動量は、プリンタ1に設置したインクリボン4aの種類に応じて定める必要がある。そこで、このインクリボン4aの種類データを記録したIDチップ等の記憶素子(図示していない)をインクリボンカセット4に取り付けておき、この記憶素子をリボン種検出部34によって検出する。制御部30は、検出したデータからインクリボンの種類を取得し、取得したインクリボンの種類に基づいてロール紙駆動部32やインクリボン駆動部(図示していない)の駆動量を制御する。
また、切替制御部31は切替案内部11を制御し、記録用紙10の先端を記録用紙収納部12側あるいは排出経路13側の何れの方向に向けるかの切り替えを行う。この切替制御は、例えば、印刷中には、記録用紙10の先端を記録用紙収納部12側に切り替えて、記録用紙10を一時的に退避させ、一方、印刷終了時には、記録用紙10の先端を排出経路13側に切り替えて、記録用紙10を排出口6から外部に排出する。
記録用紙切断制御部35は記録用紙切断部5を制御し、記録用紙10が排出経路13を経由し排出口6から外部に排出したときに、記録用紙10の記録部分の後端を切断して1枚ずつに切り分ける態様とする他、記録用紙10を廃棄するなどのために短く裁断する態様とすることができる。
次に、本発明のプリンタの切替案内部11及び記録用紙収納部12について、図2〜図14を用いて説明する。なお、図2〜4を用いてフラッパ板による切替案内部の一構成例と動作を示し、図5〜図8を用いて記録用紙を記録用紙収納部に一時退避させるときの動作を示し、図9,図10を用いて記録用紙をプリンタ外に排出させるときの動作を示し、図11〜図14を用いて本発明のプリンタの動作例を示す。
はじめに、フラッパ板による切替案内部の一構成例を図2,図3の断面図を用いて説明する。図2,図3に示す切替案内部11は、フラッパ板11aを用いた構成例であり、このフラッパ板11aを軸11bによって軸支し、駆動モータ(図示していない)で駆動されるクラッチ機構11cによって2つの位置で保持される。
このフラッパ板11aは、ヘッド3の下流側において、ロール紙ホルダ2から送り出された記録用紙10を案内するガイド機構40に設けられる。このガイド機構40は、記録用紙10を通過させて案内するように、間隔を開けて対向配置した2枚のガイドプレート41,43を備えるとともに、記録用紙10を案内するためのガイドローラ42が設けられている。なお、図2では、上方のガイドプレート41にのみにガイドローラ42を設ける構成を示しているが、下方のガイドプレート43についてもガイドローラを設けてもよい。
なお、ガイドプレート41、43が形成する案内用の隙間はガイド溝44を形成し、これらガイドプレートの対向する面の断面形状を、記録用紙の湾曲した形状に合わせて略円弧状の形成することによって、ガイド溝44内を通過する際の記録用紙の案内を円滑とすることができる。
また、ガイド機構40の下流側には、記録用紙10の湾曲を逆方向に曲げることで湾曲形状を矯正するために、カール矯正機構50を設けることができる。このカール矯正機構50は、例えば、ガイドプレート41の先端方向に取り付けられ、その一部がガイドプレート41の下面からガイド溝44内に突出する矯正ローラ51と、ガイド溝44の延長部分を形成するとともに、この矯正ローラ51と対向する位置に設けられて、湾曲した記録用紙10のカール状態を平らに戻すためのカール調整プレート52とを備える。図2において、矯正ローラ51とカール調整プレート52の湾曲部とは対向し、下方に湾曲したガイド溝44を形成している。
ロール紙ホルダ2から送り出された記録用紙10は、ロール状に巻かれていたことにより、ロール紙の中心に向かって湾曲している。この湾曲によって、記録用紙10の先端部分は、ガイドプレート41とガイドプレート43の間に形成されるガイド溝44に沿って移動する。ガイド溝44に沿って移動した記録用紙10は、ガイド機構40の後方部分において、矯正ローラ51とカール調整プレート52とによってその湾曲状態が逆方向に曲げられ、平らな状態に戻された後、プリンタの外部に排出される。
フラッパ板11aは、軸11bによってカール調整プレート52に開閉自在に取り付けられる。フラッパ板11aは、その開閉する先端縁部11dがヘッド側となるように取り付けられる。ここで、記録用紙10の先端を記録用紙収納部12側に向かわせるフラッパ板11aの状態を第1の状態(図2中のAで示す状態)とし、一方、記録用紙10の先端を排出経路13側に向かわせるフラッパ板11aの状態を第2の状態(図2中のBで示す状態)とする。
フラッパ板11aを第1の状態とした場合には、フラッパ板11aの先端の縁部11dはガイドプレート41の下面に向かって上昇し、ガイド溝44が形成する記録用紙の通路を遮蔽する。これによって、ヘッドを通過した後、ガイド溝44を通過して案内された記録用紙10の先端部分は、フラッパ板11aの下方面に当接して、記録用紙収納部12側に向けて進行方向が変更される。
一方、図3に示すように、フラッパ板11aを第2の状態とした場合には、フラッパ板11aの先端の縁部11dは下降し、フラッパ板11aの上面とガイドプレート43の上面とがほぼ同一面に揃う位置となる。このフラッパ板11aの状態とすることで、ガイド溝44は延長してフラッパ板11aの上面まで延びて形成される。これによって、ヘッドを通過した後、ガイド溝44を通過して案内された記録用紙10の先端部分は、フラッパ板11aの上面を通過し、カール調整機構50を通って、排出経路13側に向けて進行方向が変更される。このフラッパ板11aの第1の状態と第2の状態の切り替えは、クラッチ機構11Cを介してモータ駆動される。
図4,図5に示す斜視図は、フラッパ板による切替案内部を説明するための斜視図であり、ガイド部40およびカール矯正機構50の一部を示している。図4は記録用紙10がフラッパ板11aの手前の位置にある状態を示し、図5はフラッパ板11aを第1の状態として記録用紙を記録用紙収納部側に向けた状態を示している。なお、図4,5では、ガイドプレート41は省略して示している。また、ロール紙ホルダ2の径およびガイド部40およびカール矯正機構50との位置関係は、説明上から模式的に示すものであって、必ずしも実際の装置を反映するものではない。
図5において、フラッパ板11aの先端縁部11dが上昇した状態にあり、記録用紙10はこのフラッパ板11aの下面を通った後、ロール紙ホルダ2の外周に沿って移動する。
図6は、記録用紙収納部の状態を説明するための斜視図である。図6において、記録用紙収納部12の収納空間20は、ほぼロール紙ホルダ2の外周で定まる。ここで、記録用紙収納部12の収納空間20として、ロール紙ホルダ2の外周に沿って形成される収納空間20Aと、境界部分をプリンタ1の筐体の内壁あるいはプリンタ1内に設置される構成要素部分まで延ばした拡張した収納空間20Bとを示している。
収納空間20Aは、ロール紙ホルダ2の外周の一部に沿って形成される筒状部分の一部分の形状を有する。なお、筒状部分の一方の端部は切替案内部11のフラッパ板11aの下方位置にあり、筒状部分の他方の端部はロール紙ホルダ2の下部位置、あるいはさらにこの下部位置よりも先の、インクリボンカセット等のプリンタ1が備える構成要素と干渉する位置とすることができる。
ロール紙ホルダ2から送り出された記録用紙10は、ロール状の巻かれた状態にあるたため、ロール紙から巻きほどかれた場合には、ロール状に湾曲した形状となる。そのため、フラッパ板11aの方向切り替えによって記録用紙収納部12側に送られた際には、この記録用紙10は、湾曲形状が類似する筒状体の収納空間20A内に収納される。
収納空間20は、図5中の収納空間20Bまで拡張して設定することもできるが、記録用紙10はロール状に湾曲した形状であるため、前記した収納空間20Aの外側にはみ出して収納空間20Bに収納されることは少ない。
したがって、ここでは、記録用紙10を一時的に退避させる記録用紙収納部12の収納空間20は、少なくともロール紙ホルダ2の外周部分によって定め収納空間20Aとすることができる。
図7と図8の断面図は、記録用紙を記録用紙収納部側に一時退避させた状態を示している。この状態では、フラッパ板11aの先端縁部11dを上方位置とすることによって、ガイド溝44の通路を途中で遮蔽し、これによって記録用紙10の先端の進行方向を記録用紙収納部12に向ける切り替えを行う。
図7の断面図は、ロール紙ホルダ2に保持されるロール紙の残量が多い状態を示し、図8の断面図は、ロール紙ホルダ2に保持されるロール紙の残量が少ない状態を示している。何れの状態であっても、ロール紙の残量に係わらず、記録用紙をール紙ホルダ2の外周部分に収納して退避させることができる。
ここで、記録用紙収納部12の収納空間20を定めるロール紙ホルダ2の外周部分は、ロール紙ホルダ2自体の外周部分で定める他、ロール紙ホルダ2に保持されるロール紙2aの外周面で定めても良い。
図7に示す状態では、ロール紙11aの残量が多いため、ロール紙11aの径は大きい、一方、図8に示す状態では、ロール紙11aの残量が少ないため、ロール紙11aの径は小さい。そのため、ロール紙ホルダ2の外周部として、ロール紙11aの外周部分を含めた場合には、ロール紙の径の変化に伴って、記録用紙収納部12の収納空間20が変化する。図7,図8に示す状態において、ロール紙11aの外周部分を含めた収納空間20C,20Dは、ロール紙ホルダ2の外周自体で定まる収納空間20Aよりも、送り出された記録用紙の分だけ広くなる。また、記録用紙の残量が少ないときの収納空間20Dは、記録用紙の残量が多いときの収納空間20Cよりも、残量の相違分だけ収納空間が広くなる。
しかしながら、記録用紙収納部12に一時退避する記録用紙は、ロール紙ホルダから送り出した記録用紙そのものであるため、記録用紙収納部12の収納空間20は、ロール紙ホルダ2の外周自体で定まる収納空間20Aであれば十分である。
また、図9は、フラッパ板11aの先端縁部11dが下降した状態にあり、記録用紙10はこのフラッパ板11aの上面を通った後、カール調整機構50を通過し、排出経路13を通って、排出口から外部に排出される。
図10は、記録用紙の排出状態を説明するための斜視図である。図10において、記録用紙10は、フラッパ板11aの切り替えによって、カール調整機構50を通過し、排出経路13を通って、排出口6から外部に排出される。このとき、記録用紙10は、記録用紙切断部5によって所定長さに切断されて排出さる他、短く裁断し、裁断片をプリンタ1内に収納し、外部に排出させないようにすることもできる。
次に、本発明のプリンタの動作例について、図11のフローチャートおよび図12の動作図を用いて説明する。なお、ここでは、主に切替案内部の動作について説明する。
はじめに、フラッパ板を上げて(S1)、記録用紙を所定長さだけ送り出す(図12(a))。この送り出し長さは、記録用紙上に印刷する印刷領域の大きさに基づいて設定することができる。ここで、記録用紙上に印刷する印刷領域の大きさは、上述したようにインクリボンに設定されるインク部分の長さに依存するため、プリンタにセットするインクリボンの種類のデータを取得することで定めることができる。例えば、L版の印刷を行うインクリボンが設けられている場合には、このインクリボンから印刷の大きさがL版である情報を取得し、このL版に相当する長さ分の紙送りを行う。プリンタにセットされるインクリボンが2Lの印刷を行うものであるときは、この2L版に相当する長さ分の紙送りを行う。送り出された記録用紙は、切替案内部によって送り先の方向が記録用紙収納部側に切り替えられ、記録用紙収納部内に一時的に退避される(S2)。
送り出した記録用紙を巻き戻しながら、ヘッドによって印刷を行う(図12(b))。このとき、インクリボンカセットに取り付けられたインクリボンについても移動させる。この記録用紙の巻き戻しとインクリボンの巻き取り、およびヘッドでの画像印刷処理は、同期をとって行う(S3)。
上記したS2,S3の工程を、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色について、記録用紙の同一の記録領域の印刷を繰り返すことでカラー印刷を行う(図12(c)〜図12(f))(S4)。
印刷が終了した印刷面にオーバーコート層を被覆することで保護層を形成することができる。この膜をオーバーコート層の形成は、前記したS2と同様に記録用紙を所定長送り出した後(図12(g))(S5)、前記したS3と同様に記録用紙を巻き戻しながらオーバーコート層を設けることで行うことができる(図12(h))。なお、このオーバーコート層についても、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色部分とともにインクリボンに形成しておくことで、色形成と同様の工程とすることができる(S6)。
記録用紙上に各色の印刷とオーバーコート層の形成を行った後、フラッパ板を下げる。S6の工程が終了した時点では、記録用紙はロール紙ホルダに巻き戻された状態にある。フラッパ板を下げた状態で、ロール紙ホルダから記録用紙を送り出すと、フラッパ板の切り替えによって、記録用紙の送り方向は排出経路側に切り替わっているため、印刷が終了した記録用紙を排出口から送り出される(図12(i))(S8)。このとき、記録用紙が送り出された所定位置で記録用紙を切断する。この切断によって、印刷された所定長の記録用紙がプリンタから排出される(S9)。
上記説明では、本発明のプリンタによって多色印刷を行う際に、記録用紙を記録用紙収納部に一時的に退避させる動作について説明したが、記録用紙の長さが記録用紙収納部に収納できる長さよりも長い場合には、一時退避動作が困難となるため、上記動作による印刷を行うことができない。
そこで、本発明のプリンタは、一時退避動作時において、切替案内部によって記録用紙を記録用紙収納部側に代えて、排出経路側に送ることによって対応することができる。なお、この動作では、一時退避時には記録用紙は、プリンタの排出口から外部に一時的に出た状態となる。
以下、本発明のプリンタにおいて、印刷する領域が長く、記録用紙収納部で一時退避を行うことが困難な場合の動作例について、図13のフローチャートおよび図14の動作図を用いて説明する。なお、ここでは、主に切替案内部の動作について説明する。
はじめに、フラッパ板を下げて(S11)、記録用紙を所定長さだけ送り出す(図14(a))。この送り出し長さは、記録用紙上に印刷する印刷領域の大きさに基づいて設定することができる。ここでは、例えば、A5等の長い印刷領域に相当する長さ分の紙送りを行うものとする。この印刷領域の長さは、前記したと同様に、プリンタにセットしたインクリボンの種類のデータを取得することで定めることができる。送り出された記録用紙は、切替案内部によって送り先の方向が排出経路側に切り替えられており、プリンタの排出口から外部に出た状態で一時的な退避が行われる(S12)。
送り出した記録用紙を巻き戻しながら、ヘッドによって印刷を行う(図14(b))。このとき、インクリボンカセットに取り付けられたインクリボンについても移動させる。この記録用紙の巻き戻しとインクリボンの巻き取り、およびヘッドでの画像印刷処理は、同期をとって行う(S13)。
上記したS12,S13の工程を、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色について、記録用紙の同一の記録領域の印刷を繰り返すことでカラー印刷を行う(図14(c)〜図14(f))(S14)。
印刷が終了した印刷面にオーバーコート層を被覆することで保護層を形成することができる。この膜をオーバーコート層の形成は、前記したS12と同様に記録用紙を所定長送り出した後(図14(g))(S15)、前記したS13と同様に記録用紙を巻き戻しながらオーバーコート層を設けることで行うことができる(図14(h))。なお、このオーバーコート層についても、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色部分とともにインクリボンに形成しておくことで、色形成と同様の工程とすることができる(S16)。
S6の工程が終了した時点では、記録用紙はロール紙ホルダに巻き戻された状態にあり、また、フラッパ板は下げた状態にある。この状態から、ロール紙ホルダから記録用紙を送り出すと、印刷が終了した記録用紙が排出口から送り出される(図14(i))(S18)。このとき、記録用紙が送り出された所定位置で記録用紙を切断する。この切断によって、印刷された所定長の記録用紙がプリンタから排出される(S19)。
なお、上記した構成例は一例であり、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、各種変更を含むものである。
本発明のプリンタの概略構成を説明するための図である。 本発明のフラッパ板による切替案内部の一構成例を説明するための断面図である。 本発明のフラッパ板による切替案内部の一構成例を説明するための断面図である。 本発明のフラッパ板による切替案内部を説明するための斜視図である。 本発明のフラッパ板による切替案内部を説明するための斜視図である。 本発明の記録用紙収納部の状態を説明するための斜視図である。 本発明の記録用紙を記録用紙収納部側に一時退避させた状態を示す断面図である。 本発明の記録用紙を記録用紙収納部側に一時退避させた状態を示す断面図である。 本発明のフラッパ板による切替案内部を説明するための斜視図である。 本発明の記録用紙の排出状態を説明するための斜視図である。 本発明のプリンタの動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明のプリンタの動作例を説明するための動作図である。 本発明のプリンタの別の動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明のプリンタの別の動作例を説明するための動作図である。
符号の説明
1 プリンタ
2 ロール紙ホルダ
3 ヘッド
4 インクリボンカセット
4a インクリボン
5 記録用紙切断部
6 排出口
7 筐体
10 記録用紙
11 切替案内部
11a フラッパ板
11b 軸
11c クラッチ
11d 先端縁部
12 記録用紙収納部
13 排出経路
14 切断片収納部
20、20A〜20D 収納空間
30 制御部
31 切替制御部
32 ロール紙駆動部
33 ヘッド駆動部
34 リボン種検出部
35 切断制御部
40 ガイド部
41 ガイドプレート
42 ガイドローラ
43 ガイドプレート
44 ガイド溝
50 カール矯正機構
51 カール矯正ローラ
52 カール調整プレート

Claims (8)

  1. ロール状の記録用紙を保持するロール紙ホルダと、
    前記記録用紙をプリンタ外部に排出する排出経路と、
    前記記録用紙を一時的に収納する記録用紙収納部と、
    前記排出経路と前記記録用紙収納部のいずれか一方に切り替えて前記記録用紙の先端を導く切替案内部とを備えたプリンタにおいて、
    前記記録用紙収納部は前記ロール状の記録用紙の外周の少なくとも一部により形成されていることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記切替案内部は、
    前記記録用紙収納部の収納長さ内の印刷を行う場合には、
    印刷工程中の記録用紙の先端を前記記録用紙収納部に導き、
    印刷終了後の記録用紙の先端を前記排出経路に導くことを特徴とする、請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記切替案内部は、
    前記記録用紙収納部の収納長さを超える印刷を行う場合には、
    印刷工程中および印刷終了後の記録用紙の先端を前記排出経路側に導くことを特徴とする、請求項2に記載のプリンタ。
  4. 前記切替案内部は、記録用紙の先端を記録用紙収納部側に案内する第1の切替位置と、記録用紙の先端を排出経路側に案内する第2の切替位置を含む少なくとも2つの切替位置に保持自在に軸支されるフラッパ板を備え、
    このフラッパ板の切替位置によって記録用紙を案内することを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか一つに記載のプリンタ。
  5. 前記切替案内部は、少なくとも印刷開始時にはフラッパ板を第1の切替位置とし、
    印刷終了時にフラッパ板を第1の切替位置から第2の切替位置に切り替えることを特徴とする、請求項4に記載のプリンタ。
  6. 前記切替案内部は、前記記録用紙収納部の収納長さを超える印刷を行う場合には、
    フラッパ板を第2の切替位置とし、印刷時に記録用紙の先端を排出経路側に案内することを特徴とする、請求項4に記載のプリンタ。
  7. 前記排出経路上に、
    記録用紙を切断する記録用紙切断部と、
    記録用紙をプリンタの筐体の外部に排出する排出口とを備え、
    前記記録用紙切断部の下方位置には、当該記録用紙切断部で切断された記録用紙の切断片を収納する切断片収納部を備えることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか一つに記載のプリンタ。
  8. 前記ロール状の記録用紙は、中心軸を備えこの中心軸を支持されることにより前記ロール紙ホルダに回転可能に収納されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一つに記載のプリンタ。
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