JP2016210127A - サーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、印刷面にグリップ痕を残さずに両面印刷を行うサーマルプリンタの提供を目的とする。【解決手段】本発明に係るサーマルプリンタ100は、サーマルヘッド1と、プラテンローラ6と、プラテンローラ6に一体に設けられ、記録紙ロール2から引き出された記録紙2aの先端を固定する第1、第2のクリップレバー21,22と、記録紙ロール2から引き出され、第1のクリップレバー21に先端を固定された記録紙2aの第1主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の一方入口に記録紙2aを導く第1の経路と、記録紙ロール2から引き出され、第2のクリップレバー22に先端を固定された記録紙2aの第2主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の他方入口に記録紙2aを導く第2の経路と、第1、第2の経路を切り替える切り替えガイド20と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明はサーマルプリンタに関し、特に両面印刷を行うサーマルプリンタに関する。
インクシートのインクを記録紙に熱転写して印刷を行うサーマルプリンタ(熱転写型プリンタ、昇華型プリンタとも呼ばれる)において、記録紙の両面に印刷を行う機能を有するサーマルプリンタが知られている。特許文献1に記載の技術においては、反転手段によりロール状の記録媒体を反転させることにより、記録紙の両面に印刷を行っている。
また、特許文献2に記載の技術においては、ロール状の記録媒体から引き出して切断した記録紙を、サーマルヘッドとプラテンローラの間隙の一方方向に導入して記録紙の一方主面に印刷を行い、次に、記録紙の表裏を反転させて、サーマルヘッドとプラテンローラの間隙の他方方向に記録紙を導入して記録紙の他方主面に印刷を行っている。
特許文献1、2に記載の技術においては、記録紙の搬送にフィードローラーが使用されている。フルカラー印刷対応のサーマルプリンタにおいては、インクシートのイエロー、マゼンタ、シアンの各色がずれて転写されることを防ぐために、表面に微小突起が施されたグリップローラを使用して記録紙の位置ずれを防止している。片面印刷時には印刷面の裏側に微小突起によるグリップ痕が残るが、両面印刷時には印刷面にグリップ痕が残り、印刷物の品位を著しく下げる問題があった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、印刷面にグリップ痕を残さずに両面印刷を行うサーマルプリンタの提供を目的とする。
本発明に係るサーマルプリンタは、サーマルヘッドと、サーマルヘッドと対向配置されたプラテンローラと、プラテンローラに一体に設けられ、記録紙ロールから引き出された記録紙の先端を固定する第1、第2のクリップレバーと、記録紙ロールから引き出され、第1のクリップレバーに先端を固定された記録紙の第1主面がサーマルヘッド側に来るように、サーマルヘッドとプラテンローラとの間隙の一方入口に記録紙を導く第1の経路と、記録紙ロールから引き出され、第2のクリップレバーに先端を固定された記録紙の第2主面がサーマルヘッド側に来るように、サーマルヘッドとプラテンローラとの間隙の他方入口に記録紙を導く第2の経路と、第1、第2の経路を切り替える切り替えガイドと、を備える。
本発明に係るサーマルプリンタは、第1、第2の2つの経路を備えるため、記録紙の両面に対して印刷が可能である。さらに、記録紙の第1主面へ印刷を行う際は、第1のクリップレバーによって記録紙の先端がプラテンローラに固定される。同様に、記録紙の第2主面へ印刷を行う際は、第2のクリップレバーによって記録紙の先端がプラテンローラに固定される。これにより、第1、第2主面に各色の転写を行う間、記録紙の位置ずれが防止される。よって、本発明に係るサーマルプリンタにおいては、記録紙の位置ずれを防ぐための、表面に微小突起が施されたグリップローラの設置が不要となる。つまり、記録紙に微小突起によるグリップ跡が付かないため、より高品位な印刷物を提供することが可能となる。
<構成>
図1は、本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100の構成を示す図である。また、図2は、サーマルプリンタ100に備わる切り替えガイドの動作を示す図である。図3は、サーマルプリンタ100に備わる第1のクリップレバーの動作を示す図である。
図1は、本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100の構成を示す図である。また、図2は、サーマルプリンタ100に備わる切り替えガイドの動作を示す図である。図3は、サーマルプリンタ100に備わる第1のクリップレバーの動作を示す図である。
サーマルプリンタ100は、サーマルヘッド1と、プラテンローラ6と、給紙ローラ13と、切り替えガイド20と、第1、第2のクリップレバー21,22と、インクシート巻取りボビン4と、インクシート巻き出しボビン3を備える。
サーマルプリンタ100はさらに、記録紙2aの位置を検出するための第1から第5センサ9,10,11,12,18を備える。また、サーマルプリンタ100は、カッター17、搬送ガイド30、ピンチローラ7,8、排紙ローラ14,15、排紙用ガイド24を備える。
プラテンローラ6はサーマルヘッド1と対向して配置されている。プラテンローラ6内部には、記録紙2aがロール状に巻かれた記録紙ロール2が配置される。プラテンローラ6および記録紙ロール2は、回転軸40に対して回動する。なお、プラテンローラ6と記録紙ロール2の回転は独立している。プラテンローラ6の外側には、記録紙2aをプラテンローラ6の外周に沿って誘導するために搬送ガイド30が設けられる。
プラテンローラ6には、記録紙2aをプラテンローラ6の外部に引き出すために開口が設けられている。開口と記録紙ロール2との間には、一対の給紙ローラ13が配置される。給紙ローラ13は、記録紙2aをグリップし、紙搬送経路への給紙及び巻き取り動作を行う。給紙ローラ13の回動は記録紙ロール2の回動と同期して制御されるため、記録紙ロール2において記録紙2aのたるみが抑制される。なお、給紙ローラ13はプラテンローラ6に対して固定されている。そのため、プラテンローラ6が回転しても、給紙ローラ13とプラテンローラ6の相対的な位置関係は変わらない。
プラテンローラ6の開口の外側には、切り替えガイド20が配置される。図2(a)は、切り替えガイド20が第1の経路(即ち、記録紙2aが、プラテンローラ6の周方向の一方方向(図中の反時計回りの方向)に沿ってプラテンローラ6に巻き付く経路)を選択した状態である。切り替えガイド20が第1の経路を選択することで、給紙ローラ13によりプラテンローラ6の外部に引き出された記録紙2aは第1の経路に導かれる。
図2(b)は、切り替えガイド20が第2の経路(即ち、記録紙2aが、プラテンローラ6の周方向の他方方向(図中の時計回りの方向)に沿ってプラテンローラ6に巻き付く経路)を選択した状態である。切り替えガイド20が第2の経路を選択することで、給紙ローラ13によりプラテンローラ6の外部に引き出された記録紙2aは第2の経路に導かれる。
また、図2(c)は、切り替えガイド20が退避位置に移動した状態である。印刷動作を行う際には、プラテンローラ6の回動に切り替えガイド20が干渉することを防止するために、切り替えガイド20は退避位置に移動する。
本実施形態では、まず、記録紙2aを第1の経路に導入して記録紙の第1主面(表面)の印刷を行う。その後、記録紙2aを第2の経路に導入して記録紙の第2主面(裏面)の印刷を行う。そして、記録紙2aを排紙する。従って、印刷前の待機状態において、切り替えガイド20は第1の経路を選択した状態におかれる。
第1、第2のクリップレバー21,22は、プラテンローラ6に一体に設けられている。第2のクリップレバーの動作について図3を用いて説明する。図3(a)は、第2のクリップレバー22に記録紙2aの先端が到達した状態を示す図である。図3(b)は、第2のクリップレバー22で記録紙2aの先端を固定した状態を示す図である。図3(a)に示すように、記録紙ロール2から引き出された記録紙2aが搬送されて、開いた状態の第2のクリップレバー22に達すると、第3センサが記録紙2aを検出する。第3センサが記録紙2aを検出すると、図3(b)に示すように、第2のクリップレバーが閉じて記録紙2aを挟んで固定する。
なお、第4センサ12と第1のクリップレバー21の動作は、上述した第3センサ11と第2のクリップレバー22の動作と同様のため、説明を省略する。
図4は、サーマルプリンタ100のブロック図である。サーマルプリンタ100は、CPU102と、インターフェース101(以下I/F101と記載)と、メモリ103と、熱転写制御部104と、駆動機構制御部を備える、駆動機構制御部は、記録紙ロール回転制御部106と、プラテンローラ回転制御部107と、給紙ローラ回転制御部108と、ピンチローラ制御部109,110と、第1のクリップレバー制御部111と、第2のクリップレバー制御部112と、切り替えガイド制御部113と、排紙用ガイド制御部114と、排紙ローラ制御部115,116と、カッター制御部117を備える。
画像データはI/F101を介してCPU102に入力され、メモリ103に記憶される。メモリ103に記憶されている画像データは、熱転写制御部104に転送される。熱転写制御部104は、画像データに基づいてサーマルヘッド1の加熱を制御する。
CPU102は、メモリ103に予め記憶されたプログラムおよび第1から第5センサ9,10,11,12,18からの検出信号に基づいて、駆動機構制御部に備わる各部を制御する。
記録紙ロール回転制御部106は、CPU102からの命令に基づいて記録紙ロール2を回動するモーター(図示せず)の駆動を制御する。プラテンローラ回転制御部107は、CPU102からの命令に基づいてプラテンローラ6を回動するモーター(図示せず)の駆動を制御する。給紙ローラ回転制御部108は、CPU102からの命令に基づいて給紙ローラ13を回動するモーター(図示せず)の駆動を制御する。
ピンチローラ制御部109は、CPU102からの命令に基づいてピンチローラ7の圧着、離間および回動を制御する。ピンチローラ制御部110は、CPU102からの命令に基づいてピンチローラ8の圧着、離間および回動を制御する。
第1のクリップレバー制御部111は、CPU102からの命令に基づいて第1のクリップレバー21の開閉を制御する。第2のクリップレバー制御部112は、CPU102からの命令に基づいて第2のクリップレバー22の開閉を制御する。
切り替えガイド制御部113は、CPU102からの命令に基づいて、第1の経路を選択する位置(図2(a))、第2の経路を選択する位置(図2(b))、退避位置(図2(c))のいずれかの位置に、切り替えガイド20を移動させる。
排紙用ガイド制御部114は、CPU102からの命令に基づいて、閉じた状態(例えば図1の状態)、開いた状態(例えば図13の状態)のいずれかに排紙用ガイド24を切り替える。排紙ローラ制御部115,116は、CPU102からの命令に基づいて、排紙用ローラ14,15のそれぞれを駆動する。カッター制御部117は、CPU102からの命令に基づいてカッター17の動作を制御する。
<動作>
図5は、本実施形態におけるサーマルプリンタ100の動作を示すフローチャートである。最初、サーマルプリンタ100は待機状態である(ステップS101)。この待機状態は図1に相当する。サーマルプリンタ100は、まず第1主面(表面)の印刷を行い、次に第2主面(裏面)の印刷を行う。その後、記録紙2aの先端余白のカットおよび後端カットを行い、排紙を行って、待機状態に戻る。
図5は、本実施形態におけるサーマルプリンタ100の動作を示すフローチャートである。最初、サーマルプリンタ100は待機状態である(ステップS101)。この待機状態は図1に相当する。サーマルプリンタ100は、まず第1主面(表面)の印刷を行い、次に第2主面(裏面)の印刷を行う。その後、記録紙2aの先端余白のカットおよび後端カットを行い、排紙を行って、待機状態に戻る。
まず、図6に示すように、第1の印刷経路に記録紙2aが導入される(ステップS102)。このとき、切り替えガイド20は第1の経路を選択した状態である。また、第1のクリップレバー21は開いた状態である。CPU102は、給紙ローラ13および記録紙ロール2を回動する。記録紙2aが切り替えガイド20に到達すると、記録紙2aは切り替えガイド20により第1の経路に導かれる。記録紙2aは、さらにピンチローラ7を通過し、記録紙2aの先端が第4センサ12に検出されるまで搬送される。
CPU102は、第4センサ12からの信号を受けると、第1のクリップレバー21を閉じるように、第1のクリップレバー制御部111に命令を出力して第1のクリップレバー21を閉じさせる。図7に示すように、第1のクリップレバー21が閉じることにより、記録紙2aの先端が固定される。
そして、図7に示すように、記録紙2aをプラテンローラ6に密着させるために、給紙ローラ13と記録紙ロール2を巻き取り方向に回動させる。このとき、第1のクリップレバー21から記録紙2の先端が外れない程度のトルクで給紙ローラ13と記録紙ロール2を回動させる。そして、記録紙2aとプラテンローラ6の密着が緩まないように、給紙ローラ13および記録紙ロール2の回転を固定する。回転の固定は機械的に行ってもよいし、給紙ローラ13、記録紙ロール2がステッピングモータで回動されている場合は、ステッピングモータを静止状態に駆動してもよい。
次に、第1主面への印刷動作前の準備を行う。図7に示すように、CPU102は、サーマルヘッド1を記録紙2aに密着させる。この時、インクシート5は記録紙2aとサーマルヘッド1の間に配置される。さらに、プラテンローラ6が回転できるように、切り替えガイド20を退避位置に移動させる。また、ピンチローラ7,8を解放する(ステップS103)。
次に、記録紙2aの第1主面(表面)に各色の転写を行う(ステップS104)。インクシート5は、単位画面分のイエロー(Y)領域、単位画面分のマゼンタ(M)領域、単位画面分のシアン(C)領域、単位画面分のオーバーコート(OP)領域が順に配置され、これらの領域を一組として、この組が繰り返して配置されて構成される。各単位画面において、インクシート5の長手方向の両端には、印画に利用されないマージン(例えば10mm)が設けられている。各単位画面からマージンを除いた領域が、印画に利用される有効印画領域である。各単位画面において、有効印画領域のインクシート5の長手方向の長さを、有効印画長と呼ぶ。なお、本実施形態において、プラテンローラ6の外周の長さは、インクシート5の単位画面における有効印画長よりも大きいとする。
印刷開始時において、記録紙2aの印刷開始位置にサーマルヘッド1が圧着されている。CPU102は、プラテンローラ6を反時計方向に回動させながら、記録紙2aに1画面分のイエロー領域を熱転写する。このとき、プラテンローラ6は、例えば図8中の矢印Aで示す分だけ回動する。つまり、図8中の矢印Aで示すプラテンローラ6の回動量が印刷物1枚分の長さとなる。なお、プラテンローラ6の回動と同期して記録紙ロール2も回転する。
そして、CPU102は、プラテンローラ6からサーマルヘッド1を離間させた後、プラテンローラを反時計方向に回動させて、サーマルヘッド1の直下に記録紙2aの印刷開始位置を移動させる。このとき、プラテンローラ6は、例えば図8中の矢印Bで示す分だけ回動する。また、プラテンローラ6の回動と同期して記録紙ロール2も回転する。同時に、CPU102は、インクシートのマゼンタ領域の頭出しを行う。そして、記録紙2aに1画面分のマゼンタ領域が熱転写される。以降、シアン領域、OP領域に関しても同様にして転写が行われる。これにより第1主面(表面)に対する印刷が完了する。
図9は、記録紙2aの第1主面(表面)の印刷が完了した後に、第2主面(裏面)の印刷の準備を説明する図である。記録紙2aの第1主面への印刷が完了した後、図9に示すように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6の圧着が解除され、プラテンローラ6は待機状態(図1)と同じ位置に戻される。そして、CPU102は、第1のクリップレバー21を開き、ピンチローラ7,8を閉じた状態において、給紙ローラ13、記録紙ロール2およびピンチローラ7を巻き取り方向に回転して、記録紙2aを巻き戻す(ステップS105)。第1センサ9が記録紙2aの先端を検知した後、CPU102はさらに所定の位置まで記録紙2aを巻き戻す。ここで、所定の位置とは、図9に示すように、記録紙2aが給紙ローラ13から抜けない位置で、かつ記録紙2aの先端が切り替えガイド20に触れない位置である。次に、CPU102は、切り替えガイド20を制御して、図9に示すように第2の経路を選択させる。
次に、図10に示すように、第2の印刷経路に記録紙2aを導入する(ステップS106)。このとき、切り替えガイド20は第2の経路を選択した状態である。また、第2のクリップレバー22は開いた状態である。給紙ローラ13および記録紙ロール2が回動して、記録紙2aが切り替えガイド20に到達する。記録紙2aは切り替えガイド20により第2の経路に導かれる。記録紙2aは、さらにピンチローラ8を通過し、記録紙2aの先端が第3センサ11に検出されるまで搬送される。
CPU102は、第3センサ11からの信号を受けると、第2のクリップレバー22を閉じるように、第2のクリップレバー制御部112に命令を出力する。図11に示すように、第2のクリップレバー22が閉じることにより、記録紙2aの先端が固定される。そして、図11に示すように、記録紙2aをプラテンローラ6に密着させるために、給紙ローラ13と記録紙ロール2を巻き取り方向に回動させる。このとき、第2のクリップレバー22から記録紙2の先端が外れない程度のトルクで給紙ローラ13と記録紙ロール2を回動させる。そして、記録紙2aとプラテンローラ6の密着が緩まないように、給紙ローラ13および記録紙ロール2の回転を固定する。
次に、第2主面への印刷動作前の準備を行う。図11に示すように、CPU102は、サーマルヘッド1を記録紙2aに密着させる。この時、インクシート5は記録紙2aとサーマルヘッド1の間に配置される。さらに、プラテンローラ6が回転できるように、切り替えガイド20を退避位置に移動させる。また、ピンチローラ7,8を解放する(ステップS107)。
次に、記録紙2aの第2主面(裏面)に各色の転写を行う(ステップS108)。転写動作は、第1主面に対する動作と同様である。まず、CPU102は、プラテンローラ6を反時計方向に回動させながら、記録紙2aに1画面分のイエロー領域を熱転写する。このとき、プラテンローラ6は、例えば図12中の矢印Aで示す分だけ回動する。なお、プラテンローラ6の回動と同期して記録紙ロール2も回転する。そして、CPU102は、プラテンローラ6からサーマルヘッド1を離間させた後、プラテンローラを反時計方向に回動させて、サーマルヘッド1の直下に記録紙2aの印刷開始位置を移動させる。このとき、プラテンローラ6は、例えば図12中の矢印Bで示す分だけ回動する。また、プラテンローラ6の回動と同期して記録紙ロール2も回転する。同時に、CPU102は、インクシートのマゼンタ領域の頭出しを行う。以降、マゼンタ領域、シアン領域、OP領域の転写が順次行われる。これにより第2主面(裏面)に対する印刷が完了する。
第2主面への印刷が完了した後、記録紙2aを排紙する準備を行う(ステップS109)。図13は、排紙の準備を説明する図である。まず、CPU102は、サーマルヘッド1のプラテンローラ6への圧着を解除する。また、クリップレバー22を開くとともに、ピンチローラ7,8を閉じる。そして、給紙ローラ13と記録紙ロール2を巻き取り方向に回転させ、記録紙2aを切り替えガイド24の手前(即ち、切り替えガイド24を開いた状態におけるガイドの先端より手前)まで巻き戻す。そして、図13に示すように、切り替えガイド24を開く。
次に、サーマルプリンタ100は、記録紙2aの先端の余白部分21aの切断動作を行う(ステップS110)。図14は、記録紙2aの先端の余白部分21aの切断動作を説明する図である。まず、CPU102は、給紙ローラ13と記録紙ロール2を給紙側に回動させて、記録紙2aを排出口16側に向けて搬送する。第5センサ18が記録紙2aの先端を検知すると、CPU102は記録紙の搬送を停止させて、カッター17を駆動して記録紙2aを切断する。図14に示すように、カッター17と第5センサ18との距離が余白部分21aの長さに対応している。切断された記録紙2aの余白部分21aは、排出経路の外へ排出される。
次に、サーマルプリンタ100は、記録紙2aの後端の切断動作を行う(ステップS111)。図15は、記録紙2aの後端の切断動作を説明する図である。CPU102は、印刷物一枚分の長さに相当する距離だけ記録紙2aを搬送し、カッター17を制御して記録紙2aの後端を切断する。これにより、記録紙2aが記録紙ロールから切り離される。
次に、図16に示すように、サーマルプリンタ100は記録紙2aを排出口16から排出する(ステップS112)。CPU102は、排紙ローラ15を駆動して、記録紙ロール2から分離された記録紙2aを排出口16から排出する。排出口16から排出された記録紙2a(即ち印刷物)は、排紙トレイ19にスタックされる。この後、CPU102は給紙ローラ13および記録紙ロール2を回動させて、記録紙ロール2に繋がっている記録紙2aを巻き戻し、図1の待機状態へと戻る。
以上のように本実施例では排紙された印刷物の印刷面に微小突起によるグリップ痕が残らず、高品位な印刷物を実現することができる。
<効果>
本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100は、サーマルヘッド1と、サーマルヘッド1と対向配置されたプラテンローラ6と、プラテンローラ6に一体に設けられ、記録紙ロール2から引き出された記録紙2aの先端を固定する第1、第2のクリップレバー21,22と、記録紙ロール2から引き出され、第1のクリップレバー21に先端を固定された記録紙2aの第1主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の一方入口に記録紙2aを導く第1の経路と、記録紙ロール2から引き出され、第2のクリップレバー22に先端を固定された記録紙2aの第2主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の他方入口に記録紙2aを導く第2の経路と、第1、第2の経路を切り替える切り替えガイド20と、を備える。
本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100は、サーマルヘッド1と、サーマルヘッド1と対向配置されたプラテンローラ6と、プラテンローラ6に一体に設けられ、記録紙ロール2から引き出された記録紙2aの先端を固定する第1、第2のクリップレバー21,22と、記録紙ロール2から引き出され、第1のクリップレバー21に先端を固定された記録紙2aの第1主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の一方入口に記録紙2aを導く第1の経路と、記録紙ロール2から引き出され、第2のクリップレバー22に先端を固定された記録紙2aの第2主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の他方入口に記録紙2aを導く第2の経路と、第1、第2の経路を切り替える切り替えガイド20と、を備える。
サーマルプリンタ100は、第1、第2の2つの経路を備えるため、記録紙2aの両面に対して印刷が可能である。さらに、記録紙2aの第1主面へ印刷を行う際は、第1のクリップレバー21によって記録紙2aの先端がプラテンローラ6に固定される。同様に、記録紙2aの第2主面へ印刷を行う際は、第2のクリップレバー22によって記録紙2aの先端がプラテンローラ6に固定される。これにより、第1、第2主面に各色の転写を行う間、記録紙2aの位置ずれが防止される。よって、サーマルプリンタ100においては、記録紙の位置ずれを防ぐための、表面に微小突起が施されたグリップローラの設置が不要となる。つまり、サーマルプリンタ100においては、記録紙2aに微小突起によるグリップ跡が付かないため、より高品位な印刷物を提供することが可能となる。
また、本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100において、プラテンローラ6の外周の長さが、サーマルプリンタ100において用いられるインクシート5の単位画面における有効印画長よりも大きい。
プラテンローラ6の外周の長さを、インクシート5の単位画面における有効印画長よりも大きくすることにより、例えば第1主面に印刷を行う際には、第1のクリップレバー21による固定を解除することなく、一枚分の印刷物の印刷が可能となる。従って、印刷動作の効率が向上するとともに、各色の色ずれが抑制されたより高品質な印刷物の提供が可能となる。
また、本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100において、プラテンローラ6の内部に、記録紙ロール2が収納される。
プラテンローラ6の内部に記録紙ロール2を配置することにより、プラテンローラ6の外側に記録紙ロール2を配置した場合と比較して、サーマルプリンタ100の小型化が可能である。
また、本発明の実施形態におけるサーマルプリンタ100において、プラテンローラ6の外周には記録紙2aを引き出すための開口が設けられ、プラテンローラ6の開口の内側に配置された一対の給紙ローラ13をさらに備え、切り替えガイド20は、プラテンローラ6の前記開口の外側に配置され、給紙ローラ13によって、記録紙2aが記録紙ロール2から開口を通してプラテンローラ6の外側に引き出され、プラテンローラ6の外側に引き出された記録紙2aは、切り替えガイド20によって、第1の経路または第2の経路に導入され、第1の経路は、プラテンローラ6の周方向の一方方向に沿ってプラテンローラ6に記録紙2aが巻き付く経路であり、第2の経路は、プラテンローラ6の周方向の他方方向に沿ってプラテンローラ6に記録紙2aが巻き付く経路である。
プラテンローラ6に開口を設け、その開口に対して給紙ローラ13および切り替えガイド20を設けることにより、プラテンローラ6の内部に配置した記録紙ロール2から記録紙2aを引き出して、第1又は第2の経路に導くことが可能である。
また、プラテンローラ6の周方向の一方方向に沿ってプラテンローラ6に記録紙2aが巻き付く経路を第1の経路とすることにより、記録紙2aの第1主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の一方入口に記録紙2aを導くことが可能である。同様に、プラテンローラ6の周方向の他方方向に沿ってプラテンローラ6に記録紙2aが巻き付く経路を第2の経路とすることにより、記録紙2aの第2主面がサーマルヘッド1側に来るように、サーマルヘッド1とプラテンローラ6との間隙の他方入口に記録紙2aを導くことが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 サーマルヘッド、2 記録紙ロール、2a 記録紙、3 インクシート巻き出しボビン、4 インクシート巻き取りボビン、5 インクシート、6 プラテンローラ、7,8 ピンチローラ、9 第1センサ、10 第2センサ、11 第3センサ、12 第4センサ、13 給紙ローラ、14,15 排紙ローラ、16 排出口、17 カッター、18 第5センサ、19 排紙トレイ、20 切り替えガイド、21 第1のクリップレバー、22 第2のクリップレバー、24 排紙用ガイド、30 搬送ガイド、100 サーマルプリンタ、101 インターフェース、102 CPU、103 メモリ、104 熱転写制御部、106 記録紙ロール回転制御部、107 プラテンローラ回転制御部、108 給紙ローラ回転制御部、109,110 ピンチローラ制御部、111 第1のクリップレバー制御部、112 第2のクリップレバー制御部、113 切り替えガイド制御部、114 排紙用ガイド制御部、115,116 排紙ローラ制御部、117 カッター制御部。
Claims (4)
- サーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドと対向配置されたプラテンローラと、
前記プラテンローラに一体に設けられ、記録紙ロールから引き出された記録紙の先端を固定する第1、第2のクリップレバーと、
前記記録紙ロールから引き出され、前記第1のクリップレバーに先端を固定された前記記録紙の第1主面が前記サーマルヘッド側に来るように、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとの間隙の一方入口に前記記録紙を導く第1の経路と、
前記記録紙ロールから引き出され、前記第2のクリップレバーに先端を固定された前記記録紙の第2主面が前記サーマルヘッド側に来るように、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとの間隙の他方入口に前記記録紙を導く第2の経路と、
前記第1、第2の経路を切り替える切り替えガイドと、
を備える、
サーマルプリンタ。 - 前記プラテンローラの外周の長さが、前記サーマルプリンタにおいて用いられるインクシートの単位画面における有効印画長よりも大きい、
請求項1に記載のサーマルプリンタ。 - 前記プラテンローラの内部に、前記記録紙ロールが収納される、
請求項1に記載のサーマルプリンタ。 - 前記プラテンローラの外周には前記記録紙を引き出すための開口が設けられ、
前記プラテンローラの前記開口の内側に配置された一対の給紙ローラをさらに備え、
前記切り替えガイドは、前記プラテンローラの前記開口の外側に配置され、
前記給紙ローラによって、前記記録紙が前記記録紙ロールから前記開口を通して前記プラテンローラの外側に引き出され、
前記プラテンローラの外側に引き出された当該記録紙は、前記切り替えガイドによって、前記第1の経路または前記第2の経路に導入され、
前記第1の経路は、前記プラテンローラの周方向の一方方向に沿って当該プラテンローラに前記記録紙が巻き付く経路であり、
前記第2の経路は、前記プラテンローラの周方向の他方方向に沿って当該プラテンローラに前記記録紙が巻き付く経路である、
請求項3に記載のサーマルプリンタ。
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