JP2008068497A - 積層二軸延伸ポリエテルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面を形成する層(A)を有する、少なくとも2層からなる共押出フィルムであって、当該層(A)表面において二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm2以上であり、層(A)中の不活性粒子の回りに実質的にボイドがないことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ボリブチレンテレフタレート等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の20モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、および/またはジオール成分の20モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよい。またそれらの混合物であってもよい。
電子顕微鏡を用いて粒子を観察して最大径と最小径を求め、その平均を粒子1個の粒径とした。フィルム中の少なくとも100個の粒子についてこれを行う。粒子群の平均粒子径は、これらの粒子の重量平均径とする。
分球式濁度計NDH−300A(日本電色工業株式会社製)を用いてその値を測定する。
小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定する。ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mmとする。
測定対象の層を構成するポリマー10mgをMDSC2920(ティー・エイ・インスツルメント株式会社製)を用いて測定する。
フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、ニコンオプチフォト干渉顕微鏡を用い、二光束法にて測定する。測定波長は0.54μmで5次以上の干渉縞を示す突起個数を100mm2の面積にわたって測定し、1mm2面積あたりの突起個数を求める。
低温灰化プラズマ装置にて、フィルム表面から厚さ方向に向かって、平均粒径の半分の深さに灰化した後、走査型電子顕微鏡にて平均粒径の±10%に入る少なくとも50個の粒子について粒子径とその周りにできたボイドを観察し、粒子径の平均値とボイド径の平均値を求め、それぞれの平均値を粒子径とボイド径とし下記式よりボイド径比を求める。
ボイド径/粒子径=ボイド径比
ボイド径比が1.1以下の場合を実質的にボイドなしとし、ボイド径比が1.1を超える場合をボイドありとする。
表面粗さRa(小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定、ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mm)が8nmであり、厚さが0.2mmのポリエステルフィルムの表面に試料フィルムの評価する表面(A層表面)と重ねて5mm角のアクリル棒を45°の角度で100gの荷重で上から押し付けて20mm移動させ蛍光灯下で干渉縞が発生するかどうか観察する。干渉縞防止性は以下のように評価する。
○:アクリル棒を押し付けて、20mm移動してもリング状の干渉縞は観察されない
△:20mm移動中にわずかにリング状干渉縞が観察されたが、3分後には消える
×:20mm移動中に、明瞭なリング状の干渉縞が観察され、3分後でも消えない
RUBBING TESTER(55mm/秒 往復)を用いて、JISk6718に規定された厚み2mmのメタクリル樹脂板を往復運動するプレートに両面粘着テープで固定する。次に5cm×5cmのガーゼを24枚重ねクッションとした試験フィルムを貼り付けたプレートをおく、そしてプレートを含めた治具の自重380gの荷重がかかった状態で試験フィルムとメタクリル板とがこすられる状態で10回往復運動をさせる。その後メタクリル板の表面に発生した長さ5mm以上の傷を蛍光灯下で目視観察する。1試料につき3回試験を行い傷の本数の平均値を求め、以下のように評価する。
○:傷の本数が1以下。傷つき防止性に優れる
△:傷の本数が1を超え3以下。傷付き防止性はやや良い
×:傷の本数が3を越える。傷付き防止性不良
・ポリエステルa
常法の重縮合で合成された極限粘度0.65、融点253℃のポリエチレンテレフタレートである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径4μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み3重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径9μm架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み3重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径2μm架橋アクリル有機粒子を練り込み2重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径6μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み2重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み4重量%含有させたものである。
テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルとエチレングルコールを用いて、イソフタル酸を25モル%含有する共重合ポリエステルを常法により合成した。
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を33モル%含有する共重合ポリエステル(イーストマン・コダック社製PETG6763(商品名))を用いた。
表層(A層)を形成するポリエステルhが80重量%とポリエステルbが20重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種2層の未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き95℃で横方向に4.0倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、230℃で5秒間幅方向に3%弛緩させながら熱固定し、表1に記載した厚みのポリエステルフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルgが55重量%とポリエステルcが10重量%とポリエステルa35重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが0重量%とポリエステルdが40重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルgが55重量%とポリエステルeが10重量%とポリエステルaが35重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが90重量%とポリエステルfが10重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて表1に示す。
Claims (1)
- 表面を形成する層(A)を有する、少なくとも2層からなる共押出フィルムであって、当該層(A)表面において二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm2以上であり、層(A)中の不活性粒子の回りに実質的にボイドがないことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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