JP2008068497A - 積層二軸延伸ポリエテルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルム表面の凹凸を形成する不活性粒子が脱落しにくく、さらに光透過性に優れた透明部材同士が密着する際に発生する干渉縞発生を防止する共押出積層二軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 表面を形成する層(A)を有する、少なくとも2層からなる共押出フィルムであって、当該層(A)表面において二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm以上であり、層(A)中の不活性粒子の回りに実質的にボイドがないことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明部材と密着して使用されるときに問題となる干渉縞の発生を防止する必要性のあるフィルムやシート、例えばタッチパネルの透明導電性フィルム、バックライトユニットの拡散板、反射板などのフィルム基材として使用される、光透過性に優れた干渉縞発生を防止するポリエステルフィルムに関する。
透明部材同士が密着する際に発生する干渉縞を防止することは、光学用途では重要な課題である。その対策としては、両者の間に生じる間隔を一定以上に広げる、または光を散乱させる、あるいはそれらを複合した方法が取られている。従来、干渉縞などの発生を防止するフィルムおよびシートは、透明部材と密着する表面を粗面化処理したものが用いられ、多くの場合光散乱性を有する粒子を含有した透明樹脂層をコートしたフィルムが開示されている。しかしながら、塗布層の塗布工程や乾燥工程が必要であり、生産性向上に限界あり、安全衛生管理にも注意が必要である。一方、フィルム表面を粗面化する方法として、不活性粒子を含有させる方法がある。例えば、特許文献1には、平均粒子径が15μmの無機粒子を用いた積層フィルムが開示されているが、フィルム表面からの粒子脱落による汚れの問題や透明部材に対する傷付き性の問題がある。
特開2004−67853号公報
本発明は、フィルム表面の凹凸を形成する不活性粒子が脱落しにくく、さらに光透過性に優れた透明部材同士が密着する際に発生する干渉縞発生を防止する共押出積層二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することを解決課題とするものである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有する二軸延伸ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、表面を形成する層(A)を有する、少なくとも2層からなる共押出フィルムであって、当該層(A)表面において二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm以上であり、層(A)中の不活性粒子の回りに実質的にボイドがないことを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ボリブチレンテレフタレート等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の20モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、および/またはジオール成分の20モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよい。またそれらの混合物であってもよい。
本発明のフィルムは、透明部材と接触する側の表面(以降、凹凸面と略記することがある)を形成する層(A)と反対面を形成する少なくとも2層からなる共押出し積層フィルムである。層構成としては、例えばA層/B層、A層/B層/A層、A層/B層/A’層、A層/B層/C層の形態をとることができる。なお、ここでA層とB層(C層)の違いは、用いるポリエステル樹脂の種類または含有する不活性粒子の種類や濃度が異なることを意味する。またA層とA’層の違いは層の厚みが異なることを意味する。
本発明におけるポリエステルフィルムの凹凸面の二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度は0.7個/mm以上であり、好ましくは0.8個/mm以上である。二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm未満では、透明部材と接触したときに発生する干渉縞を抑制する効果は不十分となる。また、二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度の上限の値は、好ましくは20個/mmであり、さらに好ましくは15個/mm以下、特に好ましくは10個/mm以下である。20個/mmを超えると表面での光の散乱が顕著になり、フィルムの透明性が低下する問題が起こることがある。
本発明におけるポリエステルフィルムには、凹凸面に5次以上の干渉縞を有する突起を設けるために層(A)に、不活性粒子が含有される。
本発明において使用する不活性粒子は、ポリエステルに配合するため耐熱性を有することが好ましく、具体的には5%熱分解温度が280℃以上の粒子が好ましく、さらに好ましくは290℃以上の粒子である。不活性粒子の5%熱分解温度が280℃未満では、熱劣化によりフィルムが黄色または茶色を帯びてしまうことがある。具体的な不活性粒子の例としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等の有機質微粒子および炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、ガラス等の無機質微粒子で単体もしくは混合体が挙げられる。
また不活性粒子は、ポリエステルを延伸する工程で適度な変形をする性質のものがボイドの形成を抑制するために好ましく、延伸による粒子変形度が1.5〜10の範囲の粒子が好ましく、さらに好ましくは2.0〜8.0、特に好ましくは2.0〜5.0の範囲の粒子である。粒子変形度が1.5未満では、フィルムの延伸時に粒子の回りにボイドが発生しやすく、透明性の低下やフィルムからの粒子脱落が起こりやすくなる。一方、粒子変形度が10を超えると、フィルム表面に形成される突起高さが小さくなり、干渉縞の発生を防止できないおそれがある。なお粒子変形度は、下記のようにして測定することができる。
すなわち、フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、フィルム切断面がフィルム幅(横)延伸方向と平行になるようにミクロトームで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。粒子毎に最大径と最小径を求め最大径が平均粒径の±10%に入る、少なくとも50個の粒子について、最大径と最小径の比を算出し、その相加平均を変形度とした。
また、層(A)における不活性粒子の含有量は、好ましくは0.05〜1.4重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜1.2重量%の範囲である。粒子含有量が0.05重量%未満では、干渉縞防止性に劣る傾向がある。一方、1.4重量%を超えると透明性が低下する傾向がある。
また、不活性粒子の平均粒径は、好ましくは4〜40μm、さらに好ましくは5〜30μmである。平均粒径が4μm未満の不活性粒子は、干渉縞防止の効果が不十分となることがある。一方、50μmを超える不活性粒子は、粒子が大きすぎてポリエステル中の異物を除去するためのフィルターで目詰まりを起こしたり、フィルム製膜時に破断が起こったりしやすくなる等の問題が生じる恐れがある。
本発明において層(A)を形成するポリエステルの融点は、好ましくは240℃以下である、さらに好ましくは235℃以下、特に好ましくは230℃以下である。融点が、240℃を超えたポリエステルレジンを用いると、不活性粒子の回りで大きなボイド(空隙)が発生し、さらに粒子間でもボイドが発生しやすくなる傾向があり、そのため粒子の脱落を起こしやすくなる。
層(A)のポリエステルの融点を240℃以下にすることで、実質的にボイドが発生しなくなる理由は、フィルム製膜工程の熱処理の温度を層(A)のポリエステルの融点に近い値で設定することができ、延伸時にボイドが発生しても、かかる高温度の工程で瞬間的に層(A)のレジンが融解し、ボイドを消失させる効果を有するためと考えられる。
層(A)の厚みは、添加する不活性粒子の平均粒子径をd(μm)とすると、0.03d〜1.5d(μm)の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.1d(μm)、特に好ましくは0.2d〜0.8dμmの範囲である。0.03d(μm)以下では、共押出しが困難となったり、粒子の脱落が起こりやすくなったりする場合がある。一方、1.5d(μm)を超えると、干渉縞防止性能に劣る傾向がある。
また、層(A)の厚みのフィルム総厚みに対する割合は、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。層(A)の厚みのフィルム総厚みに対する割合が15%を超えるとフィルムがカールしやすくなる傾向があり、特に100℃前後と高い温度にさらされた場合にフィルムが変形することがある。
また、本発明のフィルムの全光線透過率は、87%以上が好ましく、さらに好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。また、本発明のフィルムのヘーズは、20%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である、ヘーズが20%を超えると透明性が低下する。
本発明のフィルムの総厚みは、特に限定しないが20〜300μmである。20μm未満では、フィルムの加工作業性が悪い傾向がある。一方、300μmを超えるとフィルムの延伸均一性が維持できなかったり、フィルムを使用した製品の重量増加やフィルム取り扱い性の悪化等の問題が起きたりすることがある。
また、本発明のフィルムの表面には、必要に応じて帯電性、易滑性、易接着性を有する塗布層を設けてもよい。さらに、各共押出層には、必要に応じて、平均粒子径が2μm以下の不活性微粒子や紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有してもよい。
次に本発明のフィルムの製造方法を具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
本発明のフィルムを製造するときには、ポリエステルを少なくとも2台の押出機に供給し、各ポリエステルの融点以上の温度に加熱してそれぞれ溶融させる。次いで、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り溶融シートとして押出し、ガラス転位温度未満にまで急冷し、非晶質の未延伸フィルムを得る。このとき、未延伸フィルムの平面性を向上させるために、静電印加密着法や液体塗布密着法等によって、未延伸フィルムと回転冷却ドラムとの密着性を向上させてもよい。そして、ロール延伸機を用いて、未延伸フィルムをその長手方向に延伸(縦延伸)することにより一軸延伸フィルムを得る。このときの延伸温度は、原料ポリエステルのガラス転移温度をTgとすると(Tg−10)℃〜(Tg+40)℃の温度範囲で延伸する。また、延伸倍率は、好ましくは2.5〜7.0倍、さらに好ましくは3.0〜6.0倍である。縦延は一段階のみで行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。その後、テンターに導き、一軸延伸フィルムをその幅方向に延伸(横延伸)することにより二軸延伸フィルムを得る。このときの延伸温度は、通常(Tg)℃〜(Tg+50)℃の温度範囲とする。また、延伸倍率は、好ましくは2.5〜7.0倍、さらに好ましくは3.5〜6.0倍である。さらに、横延伸を一段階のみで行ってもよいし、二段以上に分けて行ってもよい。また縦と横を同時に行う同時二軸延伸を行ってもよい。そして二軸延伸フィルムを熱処理することにより積層フィルムが製造される。このときの熱処理温度は、130〜250℃である。また二軸延伸フィルムを熱処理するときには、二軸延伸フィルムに対して20%以内の弛緩を行ってもよい。
本発明によれば、フィルム表面の凹凸を形成する不活性粒子が脱落しにくく、光透過性に優れた、さらに透明部材同士が密着する際に発生する干渉縞発生を防止する共押出積層光散乱性二軸延伸ポリエステルフィルムを提供でき、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および本発明で用いた測定法および用語の定義は次のとおりである。
(1)添加粒子平均粒子径
電子顕微鏡を用いて粒子を観察して最大径と最小径を求め、その平均を粒子1個の粒径とした。フィルム中の少なくとも100個の粒子についてこれを行う。粒子群の平均粒子径は、これらの粒子の重量平均径とする。
(2)ヘーズ、全光線透過率
分球式濁度計NDH−300A(日本電色工業株式会社製)を用いてその値を測定する。
(3)表面粗さRa
小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定する。ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mmとする。
(4)融点
測定対象の層を構成するポリマー10mgをMDSC2920(ティー・エイ・インスツルメント株式会社製)を用いて測定する。
(5)二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度
フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、ニコンオプチフォト干渉顕微鏡を用い、二光束法にて測定する。測定波長は0.54μmで5次以上の干渉縞を示す突起個数を100mmの面積にわたって測定し、1mm面積あたりの突起個数を求める。
(6)フィルムのボイド
低温灰化プラズマ装置にて、フィルム表面から厚さ方向に向かって、平均粒径の半分の深さに灰化した後、走査型電子顕微鏡にて平均粒径の±10%に入る少なくとも50個の粒子について粒子径とその周りにできたボイドを観察し、粒子径の平均値とボイド径の平均値を求め、それぞれの平均値を粒子径とボイド径とし下記式よりボイド径比を求める。
ボイド径/粒子径=ボイド径比
ボイド径比が1.1以下の場合を実質的にボイドなしとし、ボイド径比が1.1を超える場合をボイドありとする。
(7)干渉縞防止性
表面粗さRa(小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定、ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mm)が8nmであり、厚さが0.2mmのポリエステルフィルムの表面に試料フィルムの評価する表面(A層表面)と重ねて5mm角のアクリル棒を45°の角度で100gの荷重で上から押し付けて20mm移動させ蛍光灯下で干渉縞が発生するかどうか観察する。干渉縞防止性は以下のように評価する。
○:アクリル棒を押し付けて、20mm移動してもリング状の干渉縞は観察されない
△:20mm移動中にわずかにリング状干渉縞が観察されたが、3分後には消える
×:20mm移動中に、明瞭なリング状の干渉縞が観察され、3分後でも消えない
(8)傷付き防止性
RUBBING TESTER(55mm/秒 往復)を用いて、JISk6718に規定された厚み2mmのメタクリル樹脂板を往復運動するプレートに両面粘着テープで固定する。次に5cm×5cmのガーゼを24枚重ねクッションとした試験フィルムを貼り付けたプレートをおく、そしてプレートを含めた治具の自重380gの荷重がかかった状態で試験フィルムとメタクリル板とがこすられる状態で10回往復運動をさせる。その後メタクリル板の表面に発生した長さ5mm以上の傷を蛍光灯下で目視観察する。1試料につき3回試験を行い傷の本数の平均値を求め、以下のように評価する。
○:傷の本数が1以下。傷つき防止性に優れる
△:傷の本数が1を超え3以下。傷付き防止性はやや良い
×:傷の本数が3を越える。傷付き防止性不良
(原料の調整)
・ポリエステルa
常法の重縮合で合成された極限粘度0.65、融点253℃のポリエチレンテレフタレートである。
・ポリエステルb
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径4μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み3重量%含有させたものである。
・ポリエステルc
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径9μm架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み3重量%含有させたものである。
・ポリエステルd
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径2μm架橋アクリル有機粒子を練り込み2重量%含有させたものである。
・ポリエステルe
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径6μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み2重量%含有させたものである。
・ポリエステルf
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み4重量%含有させたものである。
・ポリエステルg
テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルとエチレングルコールを用いて、イソフタル酸を25モル%含有する共重合ポリエステルを常法により合成した。
・ポリエステルh
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を33モル%含有する共重合ポリエステル(イーストマン・コダック社製PETG6763(商品名))を用いた。
実施例1:
表層(A層)を形成するポリエステルhが80重量%とポリエステルbが20重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種2層の未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き95℃で横方向に4.0倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、230℃で5秒間幅方向に3%弛緩させながら熱固定し、表1に記載した厚みのポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
表層(A層)を形成するポリエステルgが55重量%とポリエステルcが10重量%とポリエステルa35重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
比較例1:
表層(A層)を形成するポリエステルaが0重量%とポリエステルdが40重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
比較例2:
表層(A層)を形成するポリエステルgが55重量%とポリエステルeが10重量%とポリエステルaが35重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
比較例3:
表層(A層)を形成するポリエステルaが90重量%とポリエステルfが10重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、二軸延伸、熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008068497
実施例1〜2においては、光透過性に優れ、透明部材同士が密着する際に発生する干渉縞発生を防止し、さらに表面の凹凸を形成する不活性粒子が脱落しにくいため相手部材のキズ発生を起こしにくい。一方、比較例1は粒子径が小さいため、干渉縞防止性に劣る。比較例2は表層の厚みが使用する不活性粒子の粒子径より大きいため干渉縞防止性に劣る。比較例3は、粒子周りにボイドが発生するため、脱落しやすい粒子が発生し、やや相手材に対する傷付き防止性に劣る。
本発明のフィルムは、例えば、タッチパネルの透明導電性フィルム、バックライトユニットの拡散板、反射板などのフィルム基材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 表面を形成する層(A)を有する、少なくとも2層からなる共押出フィルムであって、当該層(A)表面において二光束干渉法で観察される5次以上の干渉縞を有する突起の密度が0.7個/mm以上であり、層(A)中の不活性粒子の回りに実質的にボイドがないことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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