JP2008068176A - 排気ガス浄化用の触媒担体 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1に、触媒物質の昇温化,活性化が促進されると共に、第2に、しかもこれが、コスト面に優れて実現され、第3に、排気ガスの攪拌,乱流化が促進され、第4に、強度面にも優れた、排気ガス浄化用の触媒担体を提案する。
【解決手段】この触媒担体7は、他端面16が曲面状に閉鎖された筒ケース9内に、一端室12,中央室13,他端室14を備えている。一端室12は、エンジンCとの間に介装され、上流側排気管Aが内挿されている。中央室13は、触媒物質が付着せしめられ往流用セル部分21が排気管Aに接続された、ハニカム構造体8が挿着されている。他端室14は、ハニカム構造体8の往流用セル部分21からの排気ガスDを、反転,攪拌,乱流化させると共に、復流用セル部分18へと流入させる。外周空間20は、復流用セル部分18からの排気ガスDを、下流側排気管Bへと導きつつ上流側排気管Aを断熱保温する。
【選択図】図1
【解決手段】この触媒担体7は、他端面16が曲面状に閉鎖された筒ケース9内に、一端室12,中央室13,他端室14を備えている。一端室12は、エンジンCとの間に介装され、上流側排気管Aが内挿されている。中央室13は、触媒物質が付着せしめられ往流用セル部分21が排気管Aに接続された、ハニカム構造体8が挿着されている。他端室14は、ハニカム構造体8の往流用セル部分21からの排気ガスDを、反転,攪拌,乱流化させると共に、復流用セル部分18へと流入させる。外周空間20は、復流用セル部分18からの排気ガスDを、下流側排気管Bへと導きつつ上流側排気管Aを断熱保温する。
【選択図】図1
Description
本発明は、排気ガス浄化用の触媒担体に関する。すなわち、排気ガスの有害物質を除去する、排気ガス浄化用の触媒担体に関するものである。
《技術的背景》
自動車等のエンジンの排気ガス中には、一酸化炭素,炭化水素,その他の有害物質が含有されており、そのまま外気へ排出すると有害である。そこで、エンジンの排気管には、排気ガス中の有害物資を除去する排気ガス浄化用の触媒担体が、付設されている。
そして、この種の触媒担体としては、ハニカム構造をなし触媒物質が付着された構造のものが、代表的に使用されている。
自動車等のエンジンの排気ガス中には、一酸化炭素,炭化水素,その他の有害物質が含有されており、そのまま外気へ排出すると有害である。そこで、エンジンの排気管には、排気ガス中の有害物資を除去する排気ガス浄化用の触媒担体が、付設されている。
そして、この種の触媒担体としては、ハニカム構造をなし触媒物質が付着された構造のものが、代表的に使用されている。
《従来技術》
図3は、この種従来例の説明に供し、正断面図である。同図にも示したように、この種従来例の触媒担体1は、前後の両端面開口タイプの筒ケース2内に、触媒物質が付着されたハニカム構造体3が挿着された構造よりなり、上流側の排気管Aと下流側の排気管B間に介装されていた。
そして、エンジンCからの排気ガスDが、排気管Aから触媒担体1の筒ケース2内のハニカム構造体3へと供給され、その各セル空間4を通過することにより、含有されていた有害物質が、セル壁5に付着された触媒物質と接触して、反応,除去され、もって、浄化された排気ガスDが、排気管Bから外気へと排出されるようになっていた。
図3は、この種従来例の説明に供し、正断面図である。同図にも示したように、この種従来例の触媒担体1は、前後の両端面開口タイプの筒ケース2内に、触媒物質が付着されたハニカム構造体3が挿着された構造よりなり、上流側の排気管Aと下流側の排気管B間に介装されていた。
そして、エンジンCからの排気ガスDが、排気管Aから触媒担体1の筒ケース2内のハニカム構造体3へと供給され、その各セル空間4を通過することにより、含有されていた有害物質が、セル壁5に付着された触媒物質と接触して、反応,除去され、もって、浄化された排気ガスDが、排気管Bから外気へと排出されるようになっていた。
《先行技術文献情報》
このような触媒担体1としては、例えば、次の特許文献1中に示されたものが挙げられる。
特開2001−321678号公報
このような触媒担体1としては、例えば、次の特許文献1中に示されたものが挙げられる。
ところで、このような従来例については、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、触媒物質は高温下で活性化され、有害物質の浄化が促進される。従って、例えば自動車のエンジンCの排気ガスD浄化用に使用される場合は、触媒物質の昇温化,活性化が重要となる。特に昇温化,活性化を急ぐ場合も多い。
そこで、この種従来例では、エンジンCと触媒担体1間の上流側の排気管Aに、断熱保温用の外管6が付設されることが多かった。
すなわち、エンジンCから排出された排気ガスDが、高温を維持したまま、触媒担体1のハニカム構造体3へと供給されるように、排気管Aが外管6にて2重管加工されていた。排気管Aと外管6との間に外気に対する断熱空気層を設けて、高温維持された排気ガスDが、ハニカム構造体3に供給されるようにし、もって触媒物質の昇温化,活性化が図られていた。
しかしながら、このような従来例については、このように2重管加工しても、排気ガスDの高温維持が確実ではなく、排気ガスDの温度低下、そして触媒物質の昇温化不足,活性化不足が指摘されており、有害物質の浄化率低下が問題となっていた。更に、2重管加工によりコスト高となる、という問題も指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、触媒物質は高温下で活性化され、有害物質の浄化が促進される。従って、例えば自動車のエンジンCの排気ガスD浄化用に使用される場合は、触媒物質の昇温化,活性化が重要となる。特に昇温化,活性化を急ぐ場合も多い。
そこで、この種従来例では、エンジンCと触媒担体1間の上流側の排気管Aに、断熱保温用の外管6が付設されることが多かった。
すなわち、エンジンCから排出された排気ガスDが、高温を維持したまま、触媒担体1のハニカム構造体3へと供給されるように、排気管Aが外管6にて2重管加工されていた。排気管Aと外管6との間に外気に対する断熱空気層を設けて、高温維持された排気ガスDが、ハニカム構造体3に供給されるようにし、もって触媒物質の昇温化,活性化が図られていた。
しかしながら、このような従来例については、このように2重管加工しても、排気ガスDの高温維持が確実ではなく、排気ガスDの温度低下、そして触媒物質の昇温化不足,活性化不足が指摘されており、有害物質の浄化率低下が問題となっていた。更に、2重管加工によりコスト高となる、という問題も指摘されていた。
《第2の問題点》
第2に、ハニカム構造体3のセル空間4内は、レイノルズ数が小さい。そこで、通過する排気ガスDが層流となり、セル壁5に付着された触媒物質との接触が少なく、不十分であり、この面からも有害物質の浄化率が低い、という問題が指摘されていた。
そこで、この種従来例では、セル壁5に孔加工や凹凸スクープ加工を施したり、ハニカム構造体3を軸方向に複数に分割設置して途中に空間を設けたりすることも、試みられていた。すなわち、通過する排気ガスDの強制的な攪拌等により、層流から乱流化し、もって、排気ガスD中の有害物質が、ムラなく一様に触媒物質と接触して反応し、もって均等に過不足なく浄化せんとすることも、試みられていた。
しかしながら、このような試みは、硬くて切れ易いセル壁の加工や、ハニカム構造体の分割設置を要する等、大幅なコストアップを伴う、という問題が指摘されていた。
第2に、ハニカム構造体3のセル空間4内は、レイノルズ数が小さい。そこで、通過する排気ガスDが層流となり、セル壁5に付着された触媒物質との接触が少なく、不十分であり、この面からも有害物質の浄化率が低い、という問題が指摘されていた。
そこで、この種従来例では、セル壁5に孔加工や凹凸スクープ加工を施したり、ハニカム構造体3を軸方向に複数に分割設置して途中に空間を設けたりすることも、試みられていた。すなわち、通過する排気ガスDの強制的な攪拌等により、層流から乱流化し、もって、排気ガスD中の有害物質が、ムラなく一様に触媒物質と接触して反応し、もって均等に過不足なく浄化せんとすることも、試みられていた。
しかしながら、このような試みは、硬くて切れ易いセル壁の加工や、ハニカム構造体の分割設置を要する等、大幅なコストアップを伴う、という問題が指摘されていた。
《本発明について》
本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、触媒物質の昇温化,活性化が促進されると共に、第2に、しかもこれが、コスト面に優れて実現され、第3に、排気ガスの攪拌,乱流化が促進され、第4に、強度面にも優れた、排気ガス浄化用の触媒担体を提案することを、目的とする。
本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、触媒物質の昇温化,活性化が促進されると共に、第2に、しかもこれが、コスト面に優れて実現され、第3に、排気ガスの攪拌,乱流化が促進され、第4に、強度面にも優れた、排気ガス浄化用の触媒担体を提案することを、目的とする。
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。この排気ガス浄化用の触媒担体は、一端面が開口され他端面が曲面状に閉鎖された筒ケース内に、一端室と中央室と他端室とを順に連通して備えている。
そして該一端室は、エンジンに介装されると共に、該エンジンからの排気ガスの上流側の排気管が内挿された2重構造よりなる。
該中央室は、該ハニカム構造体が挿着されており、該ハニカム構造体は、そのセル壁に触媒物質が付着せしめられると共に、その中心側の往流用セル部分が該排気管に接続されている。
該他端室は、該中央室のハニカム構造体の往流用セル部分から流出した排気ガスを、反転させて、該ハニカム構造体の外周側の復流用セル部分へと流入させると共に、その際、排気ガスを攪拌して乱流化する。
そして該一端室は、該ハニカム構造体の復流用セル部分から流出した排気ガスを、付設された排出口を介し下流側の排気管へと導くと共に、その際、その排気ガスにて、内挿された上流側の該排気管を断熱保温すること、を特徴とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。この排気ガス浄化用の触媒担体は、一端面が開口され他端面が曲面状に閉鎖された筒ケース内に、一端室と中央室と他端室とを順に連通して備えている。
そして該一端室は、エンジンに介装されると共に、該エンジンからの排気ガスの上流側の排気管が内挿された2重構造よりなる。
該中央室は、該ハニカム構造体が挿着されており、該ハニカム構造体は、そのセル壁に触媒物質が付着せしめられると共に、その中心側の往流用セル部分が該排気管に接続されている。
該他端室は、該中央室のハニカム構造体の往流用セル部分から流出した排気ガスを、反転させて、該ハニカム構造体の外周側の復流用セル部分へと流入させると共に、その際、排気ガスを攪拌して乱流化する。
そして該一端室は、該ハニカム構造体の復流用セル部分から流出した排気ガスを、付設された排出口を介し下流側の排気管へと導くと共に、その際、その排気ガスにて、内挿された上流側の該排気管を断熱保温すること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)エンジンからの排気ガスは、排気ガス浄化用の触媒担体に、供給される。
(2)触媒担体は、その筒ケース内に、一端室,中央室,他端室を備えている。
(3)そこで排気ガスは、一端室内の上流側排気管を経由して、中央室のハニカム構造体の往流用セル部分を流れた後、他端室へと流入する。そして、他端室にて反転せしめられてから、ハニカム構造体の復流用セル部分へと還流した後、一端室の外周空間を経由して、下流側排気管そして外気へと排出される。
(4)そして排気ガスは、ハニカム構造体を通過することにより、浄化される。すなわち、そのセル壁には触媒物質が付着せしめられており、排気ガス中の有害物質は、この触媒物質と接触して反応,除去される。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)エンジンからの排気ガスは、排気ガス浄化用の触媒担体に、供給される。
(2)触媒担体は、その筒ケース内に、一端室,中央室,他端室を備えている。
(3)そこで排気ガスは、一端室内の上流側排気管を経由して、中央室のハニカム構造体の往流用セル部分を流れた後、他端室へと流入する。そして、他端室にて反転せしめられてから、ハニカム構造体の復流用セル部分へと還流した後、一端室の外周空間を経由して、下流側排気管そして外気へと排出される。
(4)そして排気ガスは、ハニカム構造体を通過することにより、浄化される。すなわち、そのセル壁には触媒物質が付着せしめられており、排気ガス中の有害物質は、この触媒物質と接触して反応,除去される。
(5)さてそこで、この触媒担体によると、次のようになる。第1に、上流側排気管が、一端室内に内挿されており、一端室を流れて下流側排気管へと向かう排気ガスにて、断熱保温される。そこで、エンジンからの排気ガスが、高温を維持したままハニカム構造体へと供給されるようになり、触媒物質が昇温化,活性化され、有害物質の反応,除去が促進される。
第2に、しかもこれは、一端室に上流側排気管を内挿すると共に、その外側を下流側排気管への排気ガスが流れるようにした、簡単な構造により実現される。
第3に、ハニカム構造体のセル空間内は、レイノルズ数が小さいので、通過する排気ガスが層流となり、そのままでは触媒物質との接触が少なく、反応が不十分となる。そこで、他端室での反転,Uターンによる攪拌等で、排気ガスは乱流化されるようになっており、もって有害物質が、触媒物質と一様にムラなく接触するようになり、その反応,除去が促進される。
第4に、この触媒担体は、一端面側が、エンジンとの間に介装,保持されると共に、他端面側が、半球状等の曲面状に閉鎖された構造よりなるので、剛性,強度に優れている。
(6)さてそこで、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、次の効果を発揮する。
第2に、しかもこれは、一端室に上流側排気管を内挿すると共に、その外側を下流側排気管への排気ガスが流れるようにした、簡単な構造により実現される。
第3に、ハニカム構造体のセル空間内は、レイノルズ数が小さいので、通過する排気ガスが層流となり、そのままでは触媒物質との接触が少なく、反応が不十分となる。そこで、他端室での反転,Uターンによる攪拌等で、排気ガスは乱流化されるようになっており、もって有害物質が、触媒物質と一様にムラなく接触するようになり、その反応,除去が促進される。
第4に、この触媒担体は、一端面側が、エンジンとの間に介装,保持されると共に、他端面側が、半球状等の曲面状に閉鎖された構造よりなるので、剛性,強度に優れている。
(6)さてそこで、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、触媒物質の昇温化,活性化が促進される。すなわち、本発明の排ガス浄化用の触媒担体では、筒ケース一端室に内挿された上流側排気管が、一端室内を下流側排気管へと向かう排気ガスにて、断熱保温される。そこで、エンジンからの排気ガスが、高温を維持したまま触媒物質へと供給されるようになり、触媒物質の昇温化,活性化が促進され、有害物質の反応,除去が促進される。
この点は特に、触媒物質の昇温化,活性化が急がれる場合、例えば自動車エンジンのコールドスタート時において効果的である。又、2重管加工を採用していた前述したこの種従来例に比し、単なる断熱以上の優れた保温効果が得られるようになり、排気ガス浄化率が大きく向上する。
第1に、触媒物質の昇温化,活性化が促進される。すなわち、本発明の排ガス浄化用の触媒担体では、筒ケース一端室に内挿された上流側排気管が、一端室内を下流側排気管へと向かう排気ガスにて、断熱保温される。そこで、エンジンからの排気ガスが、高温を維持したまま触媒物質へと供給されるようになり、触媒物質の昇温化,活性化が促進され、有害物質の反応,除去が促進される。
この点は特に、触媒物質の昇温化,活性化が急がれる場合、例えば自動車エンジンのコールドスタート時において効果的である。又、2重管加工を採用していた前述したこの種従来例に比し、単なる断熱以上の優れた保温効果が得られるようになり、排気ガス浄化率が大きく向上する。
《第2の効果》
第2に、しかもこれは、コスト面に優れて実現される。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体では、上述した第1の点が、一端室に上流側排気管を内挿して、下流側排気管への排気ガスにて保温するようにしたことにより、コスト面にも優れて実現される。
すなわち、前述したこの種従来例のように、上流側排気管を2重管加工することもなく、実現される。更に、筒ケースの製作が、ロール曲げ加工と合わせ面での溶接によることもなく、例えばプレス成形とシャーリング加工により生産性や精度に優れて実施される等、大幅コストダウンが実現される。
第2に、しかもこれは、コスト面に優れて実現される。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体では、上述した第1の点が、一端室に上流側排気管を内挿して、下流側排気管への排気ガスにて保温するようにしたことにより、コスト面にも優れて実現される。
すなわち、前述したこの種従来例のように、上流側排気管を2重管加工することもなく、実現される。更に、筒ケースの製作が、ロール曲げ加工と合わせ面での溶接によることもなく、例えばプレス成形とシャーリング加工により生産性や精度に優れて実施される等、大幅コストダウンが実現される。
《第3の効果》
第3に、排気ガスの攪拌,乱流化が促進される。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体において、筒ケース中央室のハニカム構造体を通過する排気ガスは、他端室にて反転される。
そして排気ガスは、このような反転,Uターンにより攪拌されて乱流化され、もってムラなく一様にハニカム構造体の触媒物質と接触して、全体的に均等に過不足なく反応して浄化されるようになる。層流化が著しかった前述したこの種従来例に比し、この面からも、浄化率が大きく向上する。又これは、ハニカム構造体について、セル壁の孔加工,凹凸スクープ加工,分割設置等を要することなく実現されるので、コスト面にも優れている。
第3に、排気ガスの攪拌,乱流化が促進される。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体において、筒ケース中央室のハニカム構造体を通過する排気ガスは、他端室にて反転される。
そして排気ガスは、このような反転,Uターンにより攪拌されて乱流化され、もってムラなく一様にハニカム構造体の触媒物質と接触して、全体的に均等に過不足なく反応して浄化されるようになる。層流化が著しかった前述したこの種従来例に比し、この面からも、浄化率が大きく向上する。又これは、ハニカム構造体について、セル壁の孔加工,凹凸スクープ加工,分割設置等を要することなく実現されるので、コスト面にも優れている。
《第4の効果》
第4に、強度面にも優れている。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、一端面側が、エンジンとの間に介装,保持されると共に、他端面側が、曲面状に閉鎖された構造よりなる。そこで、前後の排気管の途中に介装された両端面開口タイプの前述したこの種従来例に比し、全体的な剛性,強度に優れている。
そこで例えば、外周側から荷重が作用した場合の耐性に優れており、押し潰し,損壊等が防止されると共に、共振によるハニカム構造体の破損も回避される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
第4に、強度面にも優れている。すなわち、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体は、一端面側が、エンジンとの間に介装,保持されると共に、他端面側が、曲面状に閉鎖された構造よりなる。そこで、前後の排気管の途中に介装された両端面開口タイプの前述したこの種従来例に比し、全体的な剛性,強度に優れている。
そこで例えば、外周側から荷重が作用した場合の耐性に優れており、押し潰し,損壊等が防止されると共に、共振によるハニカム構造体の破損も回避される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《図面について》
以下、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体を、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1および図2は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供する。そして図1は、第1例の正断面図である。図2の(1)図は、第1例の要部の斜視図、(2)図は、第2例の要部の正断面図、(3)図は、第3例の要部の正断面図、(4)図は、第4例の要部の正断面図である。
以下、本発明の排気ガス浄化用の触媒担体を、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1および図2は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供する。そして図1は、第1例の正断面図である。図2の(1)図は、第1例の要部の斜視図、(2)図は、第2例の要部の正断面図、(3)図は、第3例の要部の正断面図、(4)図は、第4例の要部の正断面図である。
《触媒担体7について》
まず、図1,図2を参照して、排気ガスDの浄化用の触媒担体7について、一般的に説明する。
自動車のエンジンCや、発電機,機関車,各種機械設備等の内燃機関のエンジンCから排出される排気ガスD中には、一酸化炭素CO,炭化水素HC,窒素酸化物NOX,粒子状物質PM,その他の有害物質が含有されており、そのまま外気に排出されると人体や環境に有害である。
そこで、エンジンCの排気管A,Bには、排気ガスD中の有害物質を除去する排気ガス浄化装置の一環として、排気ガスD浄化用の触媒担体7が、途中に介装されている。そして、この触媒担体7は、ハニカム構造体8が筒ケース9内に挿着されると共に、例えば波板や平板よりなるセル壁10に、触媒物質が付着せしめられている。
まず、図1,図2を参照して、排気ガスDの浄化用の触媒担体7について、一般的に説明する。
自動車のエンジンCや、発電機,機関車,各種機械設備等の内燃機関のエンジンCから排出される排気ガスD中には、一酸化炭素CO,炭化水素HC,窒素酸化物NOX,粒子状物質PM,その他の有害物質が含有されており、そのまま外気に排出されると人体や環境に有害である。
そこで、エンジンCの排気管A,Bには、排気ガスD中の有害物質を除去する排気ガス浄化装置の一環として、排気ガスD浄化用の触媒担体7が、途中に介装されている。そして、この触媒担体7は、ハニカム構造体8が筒ケース9内に挿着されると共に、例えば波板や平板よりなるセル壁10に、触媒物質が付着せしめられている。
このような触媒担体7について、更に詳述する。まず、ハニカム構造体8のセル壁10を構成する波板や平板は、ステンレス箔その他の金属箔製よりなり、同幅平行の帯状をなす。波板は、波形の凹凸が、帯の長辺に対して直角の短手方向に直線的に平行で、長手方向に繰り返し連続的に、所定ピッチと高さで折曲形成されている。
そして、このような波板と平板が、中心軸から順次交互に重ね合わせられつつ多層に巻き付けられ、相互間の当接箇所の要部がロウ材で接合されている。もって、図2の(1)図等に示したように、このような波板と平板をセル壁10として、ハニカム構造体8が構成されている。
ハニカム構造体8は、全体が例えば円柱ロール状をなすと共に、セル壁10にて軸方向Eに沿い各々独立空間に区画形成された中空柱状のセル空間11の平面的集合体よりなり、両端面が開口されている。触媒担体7では、このようなハニカム構造体8が、外筒である筒ケース9内に同軸に挿着されている。
そして、セル壁10の外表面には、触媒物質が付着されている。すなわち、単位容積当たりの表面積が大であるという特徴を備えたハニカム構造体8のセル壁10の外表面を利用して、触媒物質が被膜状に付着,担持せしめられ、もって触媒物質の排気ガスDとの接触面積が、広く確保されている。触媒物質としては、例えば、酸化反応促進用の白金,その他の貴金属や、還元反応促進用の物質が使用される。
触媒担体7は、概略このようになっている。
そして、このような波板と平板が、中心軸から順次交互に重ね合わせられつつ多層に巻き付けられ、相互間の当接箇所の要部がロウ材で接合されている。もって、図2の(1)図等に示したように、このような波板と平板をセル壁10として、ハニカム構造体8が構成されている。
ハニカム構造体8は、全体が例えば円柱ロール状をなすと共に、セル壁10にて軸方向Eに沿い各々独立空間に区画形成された中空柱状のセル空間11の平面的集合体よりなり、両端面が開口されている。触媒担体7では、このようなハニカム構造体8が、外筒である筒ケース9内に同軸に挿着されている。
そして、セル壁10の外表面には、触媒物質が付着されている。すなわち、単位容積当たりの表面積が大であるという特徴を備えたハニカム構造体8のセル壁10の外表面を利用して、触媒物質が被膜状に付着,担持せしめられ、もって触媒物質の排気ガスDとの接触面積が、広く確保されている。触媒物質としては、例えば、酸化反応促進用の白金,その他の貴金属や、還元反応促進用の物質が使用される。
触媒担体7は、概略このようになっている。
《筒ケース9について》
以下、図1,図2を参照して、本発明の排気ガスD浄化用の触媒担体7について、説明する。
まず、触媒担体7の筒ケース9について説明する。この触媒担体7は、一端面15が開口されると共に他端面16が曲面状に閉鎖された筒ケース9内に、一端室12と中央室13と他端室14とを、備えている。
以下、図1,図2を参照して、本発明の排気ガスD浄化用の触媒担体7について、説明する。
まず、触媒担体7の筒ケース9について説明する。この触媒担体7は、一端面15が開口されると共に他端面16が曲面状に閉鎖された筒ケース9内に、一端室12と中央室13と他端室14とを、備えている。
筒ケース9について、更に詳述する。まず筒ケース9は、円筒状をなす例が代表的であるが、これに限定されるものではなく、例えば、断面がラウンドトラック状や楕円状をなすものも可能である。
筒ケース9の一端面15は、開口されると共にエンジンCのエンジンブロックに、密着取付けされており、多くの場合は図示のように、一端面15にフランジ17が付設形成されており、このフランジ17にて密着取付けされている。
筒ケース9の他端面16は、曲面状をなして閉鎖されており、半球状をなす例が代表的であるが(つまり、筒ケース9が全体的には短い試験管状をなす例)、これに限定されるものではなく、例えば、図2の(2)図に示した特殊形状の曲面状のものも可能である。
図2の(2)図の例の他端面16は、外周側の凸状半球状面に、中心側の同芯凹曲状面を付加した形状(いわば略リンゴの上半分状)よりなり、反転される排気ガスDの圧力損失が低減されるという利点があり、例えば、排気ガスDの背圧上昇によるエンジンCの駆動トルク等への悪影響が懸念される場合に、好適である。
筒ケース9の一端面15は、開口されると共にエンジンCのエンジンブロックに、密着取付けされており、多くの場合は図示のように、一端面15にフランジ17が付設形成されており、このフランジ17にて密着取付けされている。
筒ケース9の他端面16は、曲面状をなして閉鎖されており、半球状をなす例が代表的であるが(つまり、筒ケース9が全体的には短い試験管状をなす例)、これに限定されるものではなく、例えば、図2の(2)図に示した特殊形状の曲面状のものも可能である。
図2の(2)図の例の他端面16は、外周側の凸状半球状面に、中心側の同芯凹曲状面を付加した形状(いわば略リンゴの上半分状)よりなり、反転される排気ガスDの圧力損失が低減されるという利点があり、例えば、排気ガスDの背圧上昇によるエンジンCの駆動トルク等への悪影響が懸念される場合に、好適である。
又、筒ケース9は、プレス成形とシャーリング加工により製作される。例えば、金属円板の中央部分を絞る態様で円筒部分をプレス加工すると共に、金属円板の残余部分でシャーリング加工すれば、フランジ17も同時形成される。勿論、円筒部分をシャーリング加工することにより、フランジ17無しで製作することも可能である。
勿論、このような製作例によらず、曲面状の他端面16部分を別途製作して、一端面15を含む円筒部分本体に対して、溶接等にて接合し、もって筒ケース9とする製作例も可能である。
そして、このような筒ケース9内に、一端面15側から他端面16側へ向け、一端室12,中央室13,他端室14が、順に連通してエリア形成されている。
筒ケース9は、このようになっている。
勿論、このような製作例によらず、曲面状の他端面16部分を別途製作して、一端面15を含む円筒部分本体に対して、溶接等にて接合し、もって筒ケース9とする製作例も可能である。
そして、このような筒ケース9内に、一端面15側から他端面16側へ向け、一端室12,中央室13,他端室14が、順に連通してエリア形成されている。
筒ケース9は、このようになっている。
《一端室12について》
まず、筒ケース9の一端室12について、説明する。一端室12は、エンジンCに対して介装されると共に、エンジンCからの排気ガスDの上流側の排気管Aが内挿された、2重構造よりなる。
そして、一端室12の外周空間20は、中央室13のハニカム構造体8の復流用セル部分18から流出した排気ガスDを、付設された排出口19を介し下流側の排気管Bへと導くと共に、その際、その排気ガスDにて、内挿された上流側の排気管Aを断熱保温する。
まず、筒ケース9の一端室12について、説明する。一端室12は、エンジンCに対して介装されると共に、エンジンCからの排気ガスDの上流側の排気管Aが内挿された、2重構造よりなる。
そして、一端室12の外周空間20は、中央室13のハニカム構造体8の復流用セル部分18から流出した排気ガスDを、付設された排出口19を介し下流側の排気管Bへと導くと共に、その際、その排気ガスDにて、内挿された上流側の排気管Aを断熱保温する。
一端室12について、更に詳述する。筒ケース9の一端室12内には、上流側の排気管Aが軸方向Eに同軸に内挿されているが、図示例によらず、排気管Aを同軸でなく偏心内挿することも可能である。なお、排気管Aは多くの場合、円筒状をなす。
そして、一端室12の中心側,軸側に内挿された排気管Aと、一端室12の外壁を形成する筒ケース9との間には、十分な間隔寸法の外周空間20が形成されており、この外周空間20は、中央室13のハニカム構造体8外周側の復流用セル部分18と、対応位置して連通接続されている。
又、内挿された排気管Aの下流端は、ハニカム構造体8中心側,軸側の往流用セル部分21と、対向位置して連通接続されている(特に図2の(1)図を参照)。
更に、一端室12を形成する筒ケース9には、排気ガスDの排出口19が付設されており、排出口19は、下流側の排気管Bに接続されている。図示例の排出口19は、筒ケース9の一端面15寄りに隣接形成されている。
このように一端室12は、筒ケース9において、エンジンCのエンジンブロックに密着取付けされた一端面15と、中央室13つまりハニカム構造体8との間に、形成されている。
一端室12は、このようになっている。
そして、一端室12の中心側,軸側に内挿された排気管Aと、一端室12の外壁を形成する筒ケース9との間には、十分な間隔寸法の外周空間20が形成されており、この外周空間20は、中央室13のハニカム構造体8外周側の復流用セル部分18と、対応位置して連通接続されている。
又、内挿された排気管Aの下流端は、ハニカム構造体8中心側,軸側の往流用セル部分21と、対向位置して連通接続されている(特に図2の(1)図を参照)。
更に、一端室12を形成する筒ケース9には、排気ガスDの排出口19が付設されており、排出口19は、下流側の排気管Bに接続されている。図示例の排出口19は、筒ケース9の一端面15寄りに隣接形成されている。
このように一端室12は、筒ケース9において、エンジンCのエンジンブロックに密着取付けされた一端面15と、中央室13つまりハニカム構造体8との間に、形成されている。
一端室12は、このようになっている。
《中央室13について》
次に、筒ケース9の中央室13について説明する。中央室13には、ハニカム構造体8が全体的に密に挿着されており、ハニカム構造体8は、そのセル壁10に触媒物質が付着せしめられると共に、中心側の往流用セル部分21が、上流側の排気管Aに接続されている。
次に、筒ケース9の中央室13について説明する。中央室13には、ハニカム構造体8が全体的に密に挿着されており、ハニカム構造体8は、そのセル壁10に触媒物質が付着せしめられると共に、中心側の往流用セル部分21が、上流側の排気管Aに接続されている。
中央室13について、更に詳述する。筒ケース9の中央部は中央室13となっており、中央室13は、一端室12と他端室14の中間に位置しており、内部にハニカム構造体8が、軸方向Eに同軸に密挿着されている。ハニカム構造体8は、中央室13を形成する筒ケース9に、外周面で取付け固定されている。
ハニカム構造体8の一端面は、図示例では縦にフラットな平面状をなし、前述したように、その中心側,軸側の往流用セル部分21が、一端室12に内挿された上流側の排気管Aの下流端に、連通接続されている。又、その外周側の復流用セル部分18が、一端室12内の外周空間20に、連通接続されている。
ハニカム構造体8の他端面は、他端室14に全体的に連通接続されているが、縦にフラットな平面状以外にも各種形状のものが考えられ、例えば、図2の(3)図や(4)図に示したように、円錐状や略コーン状の凸面形状や凹面形状のものも可能であり、これらの形状のものは、他端室14で反転される排気ガスDの圧力損失が低減される、という利点がある。
中央室13は、このようになっている。
ハニカム構造体8の一端面は、図示例では縦にフラットな平面状をなし、前述したように、その中心側,軸側の往流用セル部分21が、一端室12に内挿された上流側の排気管Aの下流端に、連通接続されている。又、その外周側の復流用セル部分18が、一端室12内の外周空間20に、連通接続されている。
ハニカム構造体8の他端面は、他端室14に全体的に連通接続されているが、縦にフラットな平面状以外にも各種形状のものが考えられ、例えば、図2の(3)図や(4)図に示したように、円錐状や略コーン状の凸面形状や凹面形状のものも可能であり、これらの形状のものは、他端室14で反転される排気ガスDの圧力損失が低減される、という利点がある。
中央室13は、このようになっている。
《他端室14について》
次に、筒ケース9の他端室14は、中央室13のハニカム構造体8の往流用セル部分21から流出した排気ガスDを、反転させて、ハニカム構造体8の復流用セル部分18へと流入させると共に、その際、排気ガスDを攪拌して乱流化する。
次に、筒ケース9の他端室14は、中央室13のハニカム構造体8の往流用セル部分21から流出した排気ガスDを、反転させて、ハニカム構造体8の復流用セル部分18へと流入させると共に、その際、排気ガスDを攪拌して乱流化する。
他端室14について、更に詳述する。他端室14は、筒ケース9の中央室13と、前述により曲面状に閉鎖された他端面16との間に、形成される。
そして、ハニカム構造体8の中心側の往流用セル部分21を通過した排気ガスDが、他端室14内への流入すると共に、他端面16に当たって反転せしめられ、もって、ハニカム構造体8の外周側の復流用セル部分18へと、方向転換してUターンすべく導かれる。
そして排気ガスDは、他端室14内において、このような反転,転流,Uターンによる、攪拌や高レイノルズ数化に基づく乱流化により、拡散化,均質化される。
他端室14は、このようになっている。
そして、ハニカム構造体8の中心側の往流用セル部分21を通過した排気ガスDが、他端室14内への流入すると共に、他端面16に当たって反転せしめられ、もって、ハニカム構造体8の外周側の復流用セル部分18へと、方向転換してUターンすべく導かれる。
そして排気ガスDは、他端室14内において、このような反転,転流,Uターンによる、攪拌や高レイノルズ数化に基づく乱流化により、拡散化,均質化される。
他端室14は、このようになっている。
《作用等》
本発明の排気ガスD浄化用の触媒担体7は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)エンジンCからの排気ガスDは、有害物質を含有しており、排気ガスD浄化用の触媒担体7に、供給される。
本発明の排気ガスD浄化用の触媒担体7は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)エンジンCからの排気ガスDは、有害物質を含有しており、排気ガスD浄化用の触媒担体7に、供給される。
(2)触媒担体7は、その筒ケース9内に、一端室12,中央室13,他端室14を、順に備えた構造よりなる。
そして一端室12に、上流側のエンジンCからの排気管Aが内挿されると共に、一端室12には、下流側の排気管Bへの排出口19が付設されている。
そして一端室12に、上流側のエンジンCからの排気管Aが内挿されると共に、一端室12には、下流側の排気管Bへの排出口19が付設されている。
(3)そこで、エンジンCからの排気ガスDは、触媒担体7の一端室12に内挿された上流側の排気管Aを経由して、触媒担体7の中央室13に挿着されたハニカム構造体8の往流用セル部分21へと流れ込み、往流用セル部分21を通過する。
それから排気ガスDは、触媒担体7の他端室14へと流入し、他端室14にて反転せしめられた後、中央室13に挿着されたハニカム構造体8の復流用セル部分18へと、還流する。
そして排気ガスDは、ハニカム構造体8の復流用セル部分18を流れた後、一端室12の外周空間20へと流出し、外周空間20を経由した後、排出口19から下流側の排気管Bへと導かれ、排気管Bから外気へと排出される。
それから排気ガスDは、触媒担体7の他端室14へと流入し、他端室14にて反転せしめられた後、中央室13に挿着されたハニカム構造体8の復流用セル部分18へと、還流する。
そして排気ガスDは、ハニカム構造体8の復流用セル部分18を流れた後、一端室12の外周空間20へと流出し、外周空間20を経由した後、排出口19から下流側の排気管Bへと導かれ、排気管Bから外気へと排出される。
(4)そして排気ガスDは、このように、触媒担体7の中央室13のハニカム構造体8の往流用セル部分21や復流用セル部分18を通過することにより、浄化される。
すなわち、ハニカム構造体8の往流用セル部分21や復流用セル部分18のセル壁10には、触媒物質が付着せしめられている。そこで、排気ガスD中に含有されていた有害物質は、このようなハニカム構造体8の往流用セル部分21や復流用セル部分18の各セル空間11を通過する際、セル壁10の触媒物質と接触して、例えば酸化反応や還元反応することにより、除去され無害化される。
排気ガスDは、触媒担体7によりこのように浄化されて、外気へと排出される。
すなわち、ハニカム構造体8の往流用セル部分21や復流用セル部分18のセル壁10には、触媒物質が付着せしめられている。そこで、排気ガスD中に含有されていた有害物質は、このようなハニカム構造体8の往流用セル部分21や復流用セル部分18の各セル空間11を通過する際、セル壁10の触媒物質と接触して、例えば酸化反応や還元反応することにより、除去され無害化される。
排気ガスDは、触媒担体7によりこのように浄化されて、外気へと排出される。
(5)さてそこで、本発明の排気ガスD浄化用の触媒担体7によると、次の第1,第2,第3,第4のようになる。
まず第1に、触媒物質は高温下で活性化され、もって有害物質の反応,除去が促進される。
そこで、この触媒担体7では、筒ケース9の一端室12がエンジンCとの間に介装されると共に、エンジンCからの上流側の排気管Aが、一端室12内に内挿されている。そして、このように一端室12に内挿された排気ガスD供給用の排気管Aは、一端室12の外周空間20を下流側の排気管Bへと向かう排出用の排気ガスDにて、断熱保温される。
そこで、エンジンCから排出された高温,高速,多量の排気ガスDは、このように断熱保温された上流側の排気管Aにより、その熱を維持したまま、外気温度の影響を受けて冷却されることもなく、中央室13のハニカム構造体8へと供給される。
このようにして、高温の排気ガスDが供給されるので、ハニカム構造体8の触媒物質は、温度がすみやかに上昇して活性化され、もって、その酸化反応促進機能や還元反応促進機能が活発化する。従って、有害物質の反応,除去が促進されるようになる。
なお、この触媒担体7によるこのような触媒物質の昇温化,活性化促進は、特にこれらが時間的に急がれる場合において、効果的である。
まず第1に、触媒物質は高温下で活性化され、もって有害物質の反応,除去が促進される。
そこで、この触媒担体7では、筒ケース9の一端室12がエンジンCとの間に介装されると共に、エンジンCからの上流側の排気管Aが、一端室12内に内挿されている。そして、このように一端室12に内挿された排気ガスD供給用の排気管Aは、一端室12の外周空間20を下流側の排気管Bへと向かう排出用の排気ガスDにて、断熱保温される。
そこで、エンジンCから排出された高温,高速,多量の排気ガスDは、このように断熱保温された上流側の排気管Aにより、その熱を維持したまま、外気温度の影響を受けて冷却されることもなく、中央室13のハニカム構造体8へと供給される。
このようにして、高温の排気ガスDが供給されるので、ハニカム構造体8の触媒物質は、温度がすみやかに上昇して活性化され、もって、その酸化反応促進機能や還元反応促進機能が活発化する。従って、有害物質の反応,除去が促進されるようになる。
なお、この触媒担体7によるこのような触媒物質の昇温化,活性化促進は、特にこれらが時間的に急がれる場合において、効果的である。
第2に、この触媒担体7にあっては、このように触媒物質が昇温化,活性化されるが、これは簡単容易に実現される。
すなわち、この触媒担体7は、筒ケース9の一端室12に上流側の排気管Aを内挿して、エンジンCとの間に介装すると共に、この一端室12の外周空間20を、下流側の排気管Bへの排気ガスDが流されるようにした簡単な構造により、前述した第1の点が実現される。
又、この触媒担体7の筒ケース9は、例えばプレス成形やシャーリング加工により、効率的に寸法精度にも優れて製作可能である。
すなわち、この触媒担体7は、筒ケース9の一端室12に上流側の排気管Aを内挿して、エンジンCとの間に介装すると共に、この一端室12の外周空間20を、下流側の排気管Bへの排気ガスDが流されるようにした簡単な構造により、前述した第1の点が実現される。
又、この触媒担体7の筒ケース9は、例えばプレス成形やシャーリング加工により、効率的に寸法精度にも優れて製作可能である。
第3に、ハニカム構造体8のセル空間11内は、その管径が細いためレイノルズ数が小さい。
従って、その往流用セル部分21や復流用セル部分18を通過する排気ガスDは、直線的でストレートな層流となり、そのままでは、セル壁10に付着された触媒物質との接触が少なく、有害物質の反応,除去が不十分となり易い。
そこで、この触媒担体7では、排気ガスDは、筒ケース9中央室13のハニカム構造体8の往流用セル部分21から流出した後、他端室14で反転させて、ハニカム構造体8の復流用セル部分18へと流れるようになっている。
そして排気ガスDは、このような他端室14での反転,Uターン等の攪拌、及び管径の増大による高レイノルズ数化で、層流が一旦途中で乱流化される。排気ガスDは、このようにして、含有された有害物質に関し、触媒物質と接触して反応,除去が進んだ部分と、接触せず反応,除去が進んでない部分とが、拡散され,混じり合い,ミックスされ、再び有害物質を除去するべく復流用セル部分18に流入する。
このようにして、排気ガスDの有害物質が、ハニカム構造体8の触媒物質と、全体的,結果的に、一様にムラなく接触するようになる。排気ガスDは、層流のままのケースに比べ、途中でこのように乱流化されることにより、全体的に均等に有害物質が反応,除去されて、浄化される。
従って、その往流用セル部分21や復流用セル部分18を通過する排気ガスDは、直線的でストレートな層流となり、そのままでは、セル壁10に付着された触媒物質との接触が少なく、有害物質の反応,除去が不十分となり易い。
そこで、この触媒担体7では、排気ガスDは、筒ケース9中央室13のハニカム構造体8の往流用セル部分21から流出した後、他端室14で反転させて、ハニカム構造体8の復流用セル部分18へと流れるようになっている。
そして排気ガスDは、このような他端室14での反転,Uターン等の攪拌、及び管径の増大による高レイノルズ数化で、層流が一旦途中で乱流化される。排気ガスDは、このようにして、含有された有害物質に関し、触媒物質と接触して反応,除去が進んだ部分と、接触せず反応,除去が進んでない部分とが、拡散され,混じり合い,ミックスされ、再び有害物質を除去するべく復流用セル部分18に流入する。
このようにして、排気ガスDの有害物質が、ハニカム構造体8の触媒物質と、全体的,結果的に、一様にムラなく接触するようになる。排気ガスDは、層流のままのケースに比べ、途中でこのように乱流化されることにより、全体的に均等に有害物質が反応,除去されて、浄化される。
第4に、この触媒担体7は、筒ケース9の一端面15側が、エンジンCに対して介装されており、エンジンC側に取付け,保持されると共に、他端面16側が、半球状等の曲面状に閉鎖された構造よりなる。
更に、一端室12内に、エンジンCからの排気管Aが内挿されると共に、中央室13内に、ハニカム構造体8が挿着されており、ハニカム構造体8は、排気管Aに接続されている。
この触媒担体7は、このような構造よりなるので、剛性,強度に優れており、外部荷重への耐性に優れている。
更に、一端室12内に、エンジンCからの排気管Aが内挿されると共に、中央室13内に、ハニカム構造体8が挿着されており、ハニカム構造体8は、排気管Aに接続されている。
この触媒担体7は、このような構造よりなるので、剛性,強度に優れており、外部荷重への耐性に優れている。
(6)なお、この触媒担体7については、以上説明した図示例によらず、次の構成例も可能である。
すなわち、上流側の排気管Aにバルブを付設しておき、必要に応じ開に切換えることにより、ハニカム構造体8(つまり触媒担体7)をバイパス,迂回して、下流側の排気管Bへと流れる排気ガスDの流れを、容易に形成可能となる。つまり、触媒担体7を適宜不使用とする構成も、簡単容易に可能である。
これに対し、前述したこの種従来例(図3を参照)において、このような排気ガスDの流れを可能とするためには、バルブと共に、触媒担体1をバイパス,迂回するバイパスパイプの付設が必要となる。
すなわち、上流側の排気管Aにバルブを付設しておき、必要に応じ開に切換えることにより、ハニカム構造体8(つまり触媒担体7)をバイパス,迂回して、下流側の排気管Bへと流れる排気ガスDの流れを、容易に形成可能となる。つまり、触媒担体7を適宜不使用とする構成も、簡単容易に可能である。
これに対し、前述したこの種従来例(図3を参照)において、このような排気ガスDの流れを可能とするためには、バルブと共に、触媒担体1をバイパス,迂回するバイパスパイプの付設が必要となる。
1 触媒担体(従来例)
2 筒ケース(従来例)
3 ハニカム構造体(従来例)
4 セル空間(従来例)
5 セル壁(従来例)
6 外管
7 触媒担体(本発明)
8 ハニカム構造体(本発明)
9 筒ケース(本発明)
10 セル壁(本発明)
11 セル空間(本発明)
12 一端室
13 中央室
14 他端室
15 一端面
16 他端面
17 フランジ
18 復流用セル部分
19 排出口
20 外周空間
21 往流用セル部分
A 排気管
B 排気管
C エンジン
D 排気ガス
E 軸方向
2 筒ケース(従来例)
3 ハニカム構造体(従来例)
4 セル空間(従来例)
5 セル壁(従来例)
6 外管
7 触媒担体(本発明)
8 ハニカム構造体(本発明)
9 筒ケース(本発明)
10 セル壁(本発明)
11 セル空間(本発明)
12 一端室
13 中央室
14 他端室
15 一端面
16 他端面
17 フランジ
18 復流用セル部分
19 排出口
20 外周空間
21 往流用セル部分
A 排気管
B 排気管
C エンジン
D 排気ガス
E 軸方向
Claims (1)
- 排気ガス浄化用の触媒担体であって、一端面が開口され他端面が曲面状に閉鎖された筒ケース内に、一端室と中央室と他端室とを順に連通して備えており、
該一端室は、エンジンとの間に介装されると共に、該エンジンからの排気ガスの上流側の排気管が内挿された2重構造よりなり、
該中央室は、該ハニカム構造体が挿着されており、該ハニカム構造体は、そのセル壁に触媒物質が付着せしめられると共に、その中心側の往流用セル部分が該排気管に接続されており、
該他端室は、該中央室のハニカム構造体の往流用セル部分から流出した排気ガスを、反転させて、該ハニカム構造体の外周側の復流用セル部分へと流入させると共に、その際、排気ガスを攪拌して乱流化し、
そして該一端室は、該ハニカム構造体の復流用セル部分から流出した排気ガスを、付設された排出口を介し下流側の排気管へと導くと共に、その際、その排気ガスにて、内挿された上流側の該排気管を断熱保温すること、を特徴とする、排気ガス浄化用の触媒担体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006247512A JP2008068176A (ja) | 2006-09-13 | 2006-09-13 | 排気ガス浄化用の触媒担体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006247512A JP2008068176A (ja) | 2006-09-13 | 2006-09-13 | 排気ガス浄化用の触媒担体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008068176A true JP2008068176A (ja) | 2008-03-27 |
Family
ID=39290245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006247512A Pending JP2008068176A (ja) | 2006-09-13 | 2006-09-13 | 排気ガス浄化用の触媒担体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008068176A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017047404A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 日本碍子株式会社 | 排ガス処理装置及びハニカム構造体の製造方法 |
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KR20180129341A (ko) * | 2017-05-26 | 2018-12-05 | 에이치에스디엔진 주식회사 | 선택적 촉매 환원 시스템 |
Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JP2006226279A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-31 | Honda Motor Co Ltd | 車両の排気装置 |
-
2006
- 2006-09-13 JP JP2006247512A patent/JP2008068176A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006226279A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-31 | Honda Motor Co Ltd | 車両の排気装置 |
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