JP5015017B2 - 排気ガス浄化触媒用担体構造 - Google Patents

排気ガス浄化触媒用担体構造 Download PDF

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Description

この発明は,エンジン,バーナ,燃焼装置等の排出口から排気される排気ガスを触媒を担持した担体に接触通過させて排気ガス中に含まれる有害物質を燃焼や酸化・還元反応させて消失除去して排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒用担体構造に関する。
従来,ディーゼルエンジンでは,排気ガス中の有害成分であるHC,CO,PM(粒子状物質)中のSOF(可溶有機成分)等の有害物質を浄化するため,酸化触媒を搭載する自動車が大幅に増加しており,酸化触媒をコージライトセラミックスで製作したハニカム担体に担持しており,最近では,排気ガス規制の強化から粒子状物質(PM)の成分であるSOF分とスート分との双方を浄化する後処理が必要になり,それらには,セラミック製のハニカム担体のガス通路の端部を交互に封止してハニカムの壁体に排気ガスを流し,ハニカム担体の壁面でPMを捕集し,浄化するものも一般化されてきた。また,ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中に含まれるNOX を浄化するには,NOX 還元触媒が使用されるようになり,これらのNOX 還元触媒についてもセラミック製のハニカム担体に担持したものが用いられている。触媒用ハニカム担体には,2種類が存在し,一つは,ハニカム個々のガス通路の端部を交互に封止し,排気ガス中に含まれるPMを捕集するものであり,もう一つは,ハニカム個々のガス通路の端部を封止せずに,排気ガスをガス通路に流して排気ガス中の有害物質を浄化するものである。
上記のセラミックハニカム,特に,ガス通路の端部を交互に封止しない構造をもつ担体は,排気ガスとの接触面積を増やすため,ハニカムの壁厚を減らして,ハニカムのセル数(1インチ平方当たりのセルの数)を増やす努力が行われており,ディーゼルエンジン用のハニカム担体では,200〜400セルの構造が実用化されている。また,セラミック製ハニカムに対向して,そのハニカムを耐熱金属で製造した排気ガス浄化触媒用担体も実用化されている。このような金属製のハニカムは,波板状に成形された波状薄板と平らに成形された平薄板とを交互に重ねて渦巻き状に巻き上げた構造を有するものであり,板の厚さを薄く構成することによって強度を保ちながら,ハニカムのセル数を増やして排気ガスとの接触面積を増やすものが実用化されている。
また,上記のように,金属製ハニカムについて,排気ガスとの接触面積を増やすことは有効であるが,更にハニカムのセルで構成されたガス通路を流れる排気ガスに乱れを与えて,排気ガスを触媒に積極的に接触させる構造のものが提案されている。該ハニカム構造は,薄板を孔開き構造に形成し,表面積の増大という点では損失であるが,ガス通路内に乱流を生成し,乱れによる排気ガスを触媒に積極的に接触させるものである(例えば,非特許文献1参照)。
また,排気ガス浄化用触媒担体として,通流中のガスが乱流となって触媒との反応時間が長くなり,浄化性能を向上させるものが知られている。該排気ガス浄化用触媒担体は,多重捲回体を形成しつつ両端を開口した筒状ケース内に収納配置され,触媒担体は帯状薄板からなり,該帯状薄板にケース内に配置した状態で乱流を発生させる乱流発生部を設け,乱流発生部は複数の孔又はケース内に配置した状態で風の流れを変化させる変化面部から成り,触媒担体を収納するケースの両端開口部分には内部に収納した触媒担体の離脱を係止させるための係止部が設けられたものである(例えば,特許文献1参照)。
また,排ガス浄化触媒用担体構造として,断熱クッションなどを用いることなく,担体からの放熱を防止し,昇温特性を向上させるものが知られている。該排ガス浄化触媒用担体構造は,外筒と,排ガスの上流側に配置される第一ハニカム体と,排ガスの下流側に配置される第二ハニカム体とを備え,第二ハニカム体は外筒に固定され,第一ハニカム体は第二ハニカム体から突出し軸方向上流側に延びる保持部材に外筒と非接触状態に保持されている。第一ハニカム体と外筒との間に空気層が介在しているので,第一ハニカム体からの放熱が防止され,昇温特性が向上するものである(例えば,特許文献2参照)。
また,排気ガス浄化触媒用金属担体として,自動車排気ガス等の排気ガスの浄化に使用される触媒のためのハニカム構造を有するものが知られている。該排気ガス浄化触媒用金属担体は,金属の平板と波板とを交互に配列したハニカム構造体であって,排気ガスの上流側から下流側に向けて複数個に分割され,かつ上流側ハニカム構造体と下流側ハニカム構造体とを各々の平板端部を重ね合わせて配列した渦巻き状又は積層状のハニカム構造体であると共に,ハニカム構造体のセル孔方向に沿った外周面を筒体で被装し,該筒体の両端に支持プレートを取り付けて支持プレートで筒体内部に固定されているものである(例えば,特許文献3参照)。
Next generation catalysts are turbulent: Development of Support and Coating (2004-01-1488,インターネトgoogle参照) 特開平8−196918号公報 特開平6−2536号公報 特開平1−123638号公報
しかしながら,上記のようなメタルハニカムは,セラミックハニカムより壁厚を薄く形成することができるという特性があり,それによって,ハニカムのセル密度を高く構成できるので,排気ガスの接触面積を増大させたり,排気ガス流れに乱れを起こさせることができるが,多数の孔を薄板に形成するものであって,構造が複雑であり,製造コストが高くなるという問題がある。更に,このようなメタルハニカムでは,小型化するため,ハニカムのセルを通過する排気ガスに乱れを発生させるため,通孔,ガイド等のいろいろな手段を形成しているが,メタルの一枚の薄板を用いてハニカムを形成するため,加工の自由度が低く,複雑な構造や形状になり,製造コストが高価になるという問題があった。
また,NOをNO2 に酸化させることを活用する排ガス浄化装置は,NOX の排出量の絶対値が減少してきている状況においては,生成するNO2 量が減少することになり,その効果も制限されてきた。また,フィルタに触媒を担持してPMを浄化するDPFは存在するが,触媒の劣化に関しては,予め白金等の触媒をフィルタに多めに担持しておき,触媒が劣化した後も,余分な触媒を担持していることで性能を確保できることを狙っているが,触媒を余分に担持させる対応でも,極めて長距離を走行するトラック等の車両では十分ではなく,粒子状物質を排気ガス中から除去する本来の性能を発揮できない可能性が高くなっている。また,煤を燃焼させる触媒は,白金が主に用いられているが,上記のことを考慮して,DPFに白金等の貴金属の触媒を大量に担持するには,例えば,4トン積みトラックでは触媒に担持する白金の価格が高く,高価なDPFになる問題がある。
また,PMの主成分である煤は,フィルタにより濾過されて燃焼するが,DPFを搭載した車両が渋滞路等で連続的に走行する場合に,エンジンの排気ガス温度は触媒によるPM燃焼温度に達する頻度が極めて少なくなり,結果的に煤によりフィルタが閉塞し,それが排気ブレーキとなって車両が走行できなくなる可能性が発生している。更に,フィルタに堆積した煤が走行条件により煤の燃焼温度を上回った時に,PMが急激に爆発的に燃焼し,DPFを破損するか,最悪の場合に,フィルタの溶損や火災に発展する恐れがある。従って,最近では,DPFは,煤の堆積量を圧力センサ等により検知し,煤の堆積量が一定値を超えた場合に,排気温度を高める装置を付加して煤を積極的に燃焼させようとする工夫がなされてきた。
この発明の目的は,上記の問題を解決するため,排気ガスが通過する担体のガス通路そのものの構造を従来のものと根本的に異なるように構成したものであって,薄板で形成するハニカム構造の担体構造の限界を超える性能を発揮させるため,金網の帯体を巻き上げ又は積層して円筒や角筒の筒体の柱状体を形成し,帯体間にストレート又はジグザグに延びる排気ガス通路を形成し,それによって排気ガスが帯体の隙間をほとんど通過させずに,大半の排気ガスを帯体の通路壁面に沿って接触通過させ,排気ガス流れに乱れを発生させると共に排気ガスの帯体壁面への接触面積を増大させ,帯体表面に担持した触媒の助けで有害物質を酸化・還元の効果をアップして有害物質を消失させ,従来のような粒子状物質による担体のセルの目詰まり即ち閉塞現象の発生を避け,排気ガスがガス通路を通って常に流れ続けることができ,排気ガス中の有害物質を70〜99%程度を酸化又は還元して消失処理させ,排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒用担体構造を提供することである。
この発明は,排気ガス中に含まれるNOX ,HC,粒子状物質やスートの有害物質を燃焼や酸化・還元反応によって消失させて前記排気ガスを浄化するため触媒を担持した担体と前記担体を収納する筒状ケースとから成る排気ガス浄化触媒用担体構造において,
前記担体は,金網から成る帯体を筒状に巻き上げた柱状体から構成され,
前記帯体は,前記柱状体の軸方向に対してジグザグな傾き状に延びる多数の稜線と前記稜線間の多数の溝とから構成される屈折路が形成される波状帯体に成形されており,
前記柱状体は,2枚の前記波状帯体同士を前記稜線の傾きが逆向きに延びるように互いに前記屈折路が交差して重なり配設されて螺旋状に巻き上げられ,前記波状帯体間に前記溝に沿って前記柱状体の一端面から他端面へ連通する排気ガス通路でなるジグザグガス通路に形成されており,
前記排気ガス通路が前記波状帯体の前記稜線が前記柱状体の軸に対して10°〜50°の角度にジグザグに傾いて延びた前記屈折路で構成されており,
前記排気ガス通路を流れる前記排気ガスが前記帯体の凹凸表面によって乱れて流されることを特徴とする排気ガス浄化触媒用担体構造に関する。
前記帯体を構成する前記金網は,ステンレス鋼又は鉄クロムアルミ合金から構成されている。また,重なり合う前記帯体同士はニッケルを主体としたロウ又はロウ箔のロウ材で接合されている。また,前記担体の少なくとも一方の端面は前記ロウ材で接合され,ロウ接部は予め決められた幅を持って放射曲線状に延びる間欠的な線状,又は外周側に幅広くなって放射曲線状に延びる線状になっている。更に,前記柱状体は,前記波状帯体の巻き上げ時に,少なくとも前記稜線が隣接する前記帯体に予め決められた領域の部位に前記ロウ材で前記帯体同士がロウ接されている。また,前記帯体同士がロウ接された前記予め決められた領域の部位は,隣接する前記帯体で前記柱状体の軸方向に互いに位置ずれしている。
更に,前記波状帯体の前記稜線は,前記柱状体の軸に対してジグザグの傾きが10°〜50°の範囲の角度で2種類以上の傾きを組み合わせているものである。また,前記柱状体は,前記筒状ケース内に複数個直列に配設され,前記柱状体の前記波状帯体の前記稜線の傾き角度は,前記排気ガスの上流側と下流側とで同一又は異なっている。
また,前記金網を構成する金属製ワイヤの線径は,0.03mm〜0.35mmである。また,前記金網のメッシュは,16〜200メッシュである。更に,前記金網のメッシュは,金網帯の縦線のメッシュ数が前記金網帯の横線のメッシュ数より多く,前記金網帯の前記縦線の前記メッシュ数が60200メッシュ且つ前記横線の前記メッシュ数が16100メッシュに設定されている。
また,前記波状帯体の波状凸凹のピッチは,1mm〜6mmである。また,前記波状帯体の波状凸凹の高さは,0.5mm〜5mmである。
前記帯体の線材表面には,アルミナ,シリカ,ジルコニア,セリアの少なくとも1種以上のセラミックスがコーティングされている。更に,前記コーティング層の表面には,白金,銀,カリウム,パラジウム,イリジウム,鉄,銅,バリウムから選択される1種又は複数種の前記触媒が担持されている。
この担体構造は,前記排気ガスが前記帯体間に前記溝に沿って形成された前記排気ガス通路を通過する際に,前記排気ガスに含まれる前記有害物質が前記帯体に接触しつつ乱れ状態で流れて前記触媒の助けで酸化・還元反応して消失される。更に,前記触媒は,酸化触媒,三元触媒,或いは炭化水素系燃料,アンモニア又は尿素を還元剤として機能させるNOX 還元触媒である。
この発明による担体構造は,上記のように構成されているので,波板状に成形された金網を成形した波状帯体と平らな平ら状帯体とを積層して螺旋状に巻き上げ又は積層し,波状帯体の多数の溝に沿ってハニカム構造を形成し,波状帯体の溝に沿って入口と出口とが封止されていない貫通した排気ガス通路を形成し,排気ガス通路の帯体の凹凸表面によって排気ガスの接触面積が増大し,排気ガスの帯体に担持された酸化触媒,三元触媒,NOX 選択還元触媒の各種触媒との接触チャンスを増大させ,HC,NOX ,COの有害物質を水,二酸化炭素,窒素に酸化還元させて有害物質を消失させる性能を促進できる。特に,この排気ガス浄化触媒用担体構造は,波板状の帯体の稜線をジグザグの屈折路に成形することにより排気ガス通路をジグザグ状の屈折路に成形し,排気ガスの接触面積を増大させると共に,金網を構成する帯体の凹凸表面によって排気ガスの流れに乱れを発生させ,排気ガスを波板状壁に接触させ衝突させながら流し,有害物質と触媒との接触機会を増大させ,酸化還元の高い性能を確保し,また,排気ガスが帯体を通過するのではなく,排気ガス通路を波状帯体の溝に沿って形成したので,排気ガス通路が粒子状物質で閉塞することなく,常に確保される。
また,この担体構造は,触媒を担持する担体の排気ガスとの接触表面積が大きく極めて浄化性能が高性能であり,それによって担体自体を小形に構成でき,低コストに製作でき,また,還元剤を用いるNOX 選択還元触媒では極めて高い性能を有し,サイズを半分以下に小型化でき,担体が金属製であるのでセラミックスのように剥がれが発生せず,耐久性に優れている。また,担体は,金網の仕様(線径,メッシュ数,枚数)を変更することによって,波板で形成される排気ガス通路の断面形状を平行路又はジグザク形状の屈折路に変えることにより処理効率を制御することができる。排気ガス通路を屈折路に形成することによって,排気ガス中の粒子状物質を効率的に捕集して消失させる機能を持たせることもできる。また,この担体構造は,従来のようなステンレススチール製の薄板の代わりに金網から成る帯体を螺旋状に巻き上げ又は積層して担体を作製できるので,担体成形の自由度が大幅に改善され,製造が容易であり,安価である。例えば,従来の20〜30μmのステンレススチール製の薄板では,伸びがほとんど期待できないが,本発明のように担体の素材が金網から成る帯体では,成形の自由度が高くなり,成形が簡単に安価に行うことができる。即ち,20〜30μmの薄板では,伸びはほとんど期待できないが,金網の成形では自由度が高くなる。
以下,図面を参照して,この発明による排気ガス浄化触媒用担体構造について説明する。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,エンジン,バーナ,燃焼装置,煙道等の排出口から排出される排気ガスに含まれるHC,NOX 等の有害物質を,触媒の助けで水,二酸化炭素,窒素に酸化・還元反応させて消失させ,排気ガスを浄化する触媒用担体1(総称は符号1)に関する。担体1は,特に,図1〜図3に示すように,金網から成る帯体8を成形した波状帯体3と平ら状帯体13とを交互に配置して,或いは図4〜図6に示すように,波状帯体3単独又は波状帯体3同士を配置して渦巻き状即ち螺旋状に巻き上げ又は積層して柱状体4に構成し,波状帯体3の溝6に沿って柱状体4の一端面の流入口9から他端面の流出口10へ連通した排気ガス通路5を形成したことを特徴としている(図11〜図14)。柱状体4は,全体として,円筒,角筒等の筒体形状に形成されている。排気ガス通路5は,端部が封止されておらず,一端面の流入口から他端面の流出口へ連通してストレート又はジグザグの屈折路に延びる多数の通路のハニカム構造を有している。この排気ガス浄化触媒用担体構造では,図3に示すストレートな排気ガス通路5を備えた柱状体4即ち担体1は,HC,NOX 等の有害物質を浄化するのに適しており,また,図4,図7に示すジグザグな排気ガス通路5を備えた担体1は,HC,NOX に加えて粒子状物質18等の有害物質を浄化するのに適している。
帯体8は,金網を各種の構成に織っものである。波状帯体3は,平らな帯体8を歯車状等の成形具によって幅方向に多数の稜線7と稜線7間の多数の溝6とに成形することによって形成でき,また,平ら状帯体13は,帯体8を平らに成形して形成できる。また,柱状体4を形成する帯体8は,その表面に有害物質を酸化・還元させて消失させる触媒を担持している。帯体8は,金網で成形されて表面に多数の凹凸が形成され,凹凸表面に触媒が担持されているので,帯体8から成る担体1は,排気ガスGが帯体表面に接触する機会が増え,高い浄化性能を発揮できる。排気ガスGは,担体1の帯体壁面の接触流れによって乱れ即ち乱流を起こし,排気ガスGと触媒との接触チャンスや接触時間が増大され,有害物質の酸化・還元が促進されることになる。担体1を構成する帯体8は,常時,低温と高温の繰り返しの熱応力を受けており,その上,温度分布も帯体8の場所によって異なっている。金網は,それぞれ非常に細いワイヤで構成されているため,熱分布による変形を柔軟に許容することができ,局部的な塑性変形等が起きないので,表面にコーティングされているセラミックス等は剥がれず耐久性も優れている。担体1は,排気ガスGの流れに乱れを起こすことにより,担体1の表面にコーティング等で担持された触媒との接触が大幅に増大され,担体1に担持された触媒の種類に無関係に浄化性能をアップでき,或いは従来のものと同等の浄化性能を得るのであれば,本発明は大幅に小型化することができる。
また,波状帯体3は,例えば,ジグザグの凹凸状の一対のロール型のプレス機等の成形具に通されるだけで,又はロール間で押圧されるのみで,稜線7と稜線7間の溝6とから成る波板状に成形される。波状帯体3の稜線7は,図1や図11に示すように,平行に延びる形状に,又は柱状体4の軸に対して傾きを持つ形状,具体的には図4〜図6に示すように,柱状体4の軸に対して流入口9から流出口10へとジグザグに成形具で成形されている。従って,担体1は,波状帯体3の稜線7が平行に延びて溝6に沿って多数の平行路17を備えたもの,及び波状帯体3の稜線7が屈折して延びて溝6に沿って多数の屈折路16を備えたものに形成されている。また,柱状体4は,図5及び図7に示されるように,稜線7の傾きが逆向きに延びるように互いに交差して重ねられた少なくとも2枚の波状帯体3をセットとして螺旋状に巻き上げられている。図5には,2枚セットの波状帯体3の巻き上げを説明するための斜視図が示されている。或いは,図示していないが,波状帯体3に成形された稜線7は,柱状体4の軸に対して所定の長さだけ傾きを持つ部分と所定の長さだけ平行に延びる部分とが交互に繰り返して形成することもできる。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,排気ガスGが帯体8間の溝6に沿って形成された排気ガス通路5を通過する際に,排気ガスG中の有害物質が帯体8に接触しつつ乱れとなって流れて酸化・還元反応して,水,二酸化炭素,窒素へ変換され消失させることを特徴としている。
図7に示すように,排気ガスGは,担体1に形成された屈折路16を矢印で示す方向に流れる。担体1は,図7〜図9に示されるように,排気ガスが波状帯体3間に形成された屈折路16を通過する際に,排気ガス中の粒子状物質18は,波状帯体3に接触しつつ流れ又は稜線7間の溝6で形成される屈折路16の屈折部分等の領域で一旦滞留し,そこで徐々に粒子状物質18が酸化燃焼して焼却される。排気ガスGに含まれた粒子状物質18は,排気ガスと共に屈折路16を流れるに従って波状帯体3の金網壁面に接触しつつ流れて金網に担持されている触媒の助けで消失されるが,粒子状物質18の一部は屈折路16の屈折部分等の領域で一旦滞留し,そこで,排気ガス温度が高くなって排気熱で加熱焼却又はNO2 により酸化消失し,或いは,徐々に触媒の助けで酸化燃焼焼却されることになり,屈折路16は,粒子状物質18で閉塞されることなく,排気ガスが常にスムーズに流れるように連通している。
また,波状帯体3の稜線7は,柱状体4の軸に対してジグザグの傾きの角度が同一又は異なっており,その範囲は柱状体4の軸に対してほぼ10°〜50°の角度に傾いて,排気ガス通路5の傾斜路である屈折路16に形成されている。また,柱状体4は,筒状ケース2内に複数個直列に配設され,柱状体4の波状帯体3の稜線7の傾き角度は,排気ガスGの上流側と下流側とで同一又は異なっているものである。稜線7の傾き角度は,排気ガスGの流れを考慮すると,10°〜50°が好ましい。稜線7の傾斜の角度範囲の検証は,本発明品と従来のメタルハニカムに白金を担持させた炭化水素の浄化性能を調べたものである。本発明品が高い浄化率を確保できたのは,帯体8の金網の表面が排気ガスGの流れに乱れを起こし,触媒との接触を大幅に増加させていることが1つの要因であると思料される。稜線7の傾き角度は,排気ガスGに対して最適値が存在している。例えば,エンジンは,アイドリング運転の低速から最高出力を発揮する高速まで,排気ガスGの流量は大きく変化するので,排気ガスGの上流側から下流側に向かってジグザグの角度を2回以上変えることにより優れた性能を得ることができる。また,1個の担体1の帯体8の稜線角度を一定とし,2種類以上の異なった稜線角度の担体1を排気ガスGの流れに直列に配置すると,低速から高速まで安定した性能を得ることができる。或いは,1個の担体1に,帯体8の稜線角度の異なったものを2種類以上組み合わせて巻き込むこと又は積層したものを用いても,低速から高速まで安定した性能を得ることができる。更に,稜線7の稜線角度が異なったものを組み合わせた担体1の複数個を,排気ガスGの流れに直列に配列することで,一段と高い浄化率を得ることができると共に,複数個が同じ仕様で製造できるので,担体1の製造コストを低減することができる。
担体1に担持させた触媒は,三元触媒,酸化触媒,NOX 還元触媒(NOX 選択還元触媒)を用いることができる。本発明は,三元触媒,酸化触媒,NOX 還元触媒のいずれの触媒を用いても,浄化性能を大幅に向上させることができ,従来の担体と同等の浄化性能を確保するのであれば,大幅に小形化でき,低コストに製造することができる。また,尿素(又はアンモニア),軽油等の還元剤を用いるNOX 還元触媒は,排気ガスGと排気ガスGに混合された還元剤を均一に混合することが極めて重要である。車両に搭載する浄化システムの場合は,極めて狭いスペースにおいて排気ガスGと還元剤を均一に分散,混合させる必要がある。従来の担体では排気ガスGに対する還元剤の濃淡が生じて困難なことであるが,本発明品を使用すれば,分散混合がスムーズに達成される。従来のセラミックスハニカムやメタルハニカムの担体は,排気ガスの入口から入った排気ガスがどのセルの中を流れ,隣のセルの排気ガスとは混ざることがなく,担体の出口に到達するが,本発明の担体1は,1つのセルは流入口9から流出口10までストレートに延びると共に,セルと隣接するセルとは金網の多孔を通じて連通しているので,排気ガスGが混合しながら流れて混合が促進され,それによって担体1の流入口9での還元剤の均一性が多少悪くても,排気ガスGが担体1を流れる間に排気ガスGと還元剤との混合が継続され,結果として極めて高い浄化率を得ることができる。実際のエンジンを用いた試験では,本発明品は,従来のものに比較して3倍のSV(1/h)であり,従来のものと同等の性能を得ることが確認できた。なお,SV(1/h)は,ガス流量を担体容積で除した比である。
また,図10に示すように,担体1は,過大な振動等の外力が負荷される環境,又は大きな熱応力を受ける環境で使用される場合には,担体1を構成する波状帯体3と平ら状帯体13又は波状帯体3同士は,分解や変形を阻止するためニッケルを主体としたロウ材で互いに接合することができる。担体1は,600℃以上の高温下で使用される場合,波状帯体3及び/又は平ら状帯体13の帯体8同士をロウ材で接合することが,担体1の帯体8の熱変形が抑制されて好ましいものである。例えば,担体1の一方の端面25又は両端面25は,ロウ材で接合線23(総称は23)で互いに接合されている。具体的には,ロウ接部は,図10の(A)又は(B)に示すように,予め決められた幅を持って放射曲線状で曲状に延びる間欠的な線状の接合線23A,23B,又は図10の(C)に示すように,外周側に広くなった幅を持って放射曲線状に延びる線状の接合線23Cになっている。図10の(A)では,帯体8の端面に付与する結合力を均等にするため外周側になるに従って接合線23Aを増大させた構成,即ち,最外周部には12本の接合線23A,中間部には8本の接合線23A,最内周部には4本の接合線23Aで接合されている。図10の(B)では,ロウ材の接合線23に不要な外力がかからない構成,即ち,接合線23Bにカット部24を形成して接合されている。更に,図10の(C)では,帯体8の端面に接合線23で付与する結合力を均等にするため,外周側になるに従って接合線23Cの太さ即ち幅を大きく形成している。更に,担体1は,波状帯体3の巻き上げ時に,重なる波状帯体3の稜線7と帯体8とが接する予め決められた領域の部位にロウ材を塗布又はロウ材箔を配設して帯体8同士がロウ接されている。更に,帯体8同士がロウ接される予め決められた領域の部位は,担体1の筒体の軸線上で互いに位置ずれしていることが好ましい。
一般に,金属箔を用いたハニカムフィルタでは,巻き付けながら,金属箔の中にロウ箔を巻き込んだり,金属箔を巻き込みながらロウペーストを塗布してロウ付けを行っているが,本発明品の金網を用いた担体1は,その柱状体4の筒体の両端面25をロウ付けするだけで熱応力に強い強度を得ることができる。金網は,ワイヤに着目するとあらゆる方向に対して柔軟であるため,接合部を両端のみとしても,機会応力,熱応力を受け難くなり,十分な強度のフィルタ20を得ることができる。即ち,担体1は,常時低温と高温とを繰り返し受けているが,更に温度分布も担体1の場所により異なっているが,担体1は金網で作製されており,非常に細いワイヤで構成されているので,熱分布による変形をひじょうに柔軟に受け止めることができ,塑性変形等が起きない。従って,ロウ接合でも,接合部を分散させることで,担体の優れた特性を活かすことができる。担体1の端面25をロウ付けする場合には,接合線23を担体筒体中心軸を通る放射曲線状に延ばすと,担体1がそのロウ接部分の剛性を高くするので,その放射曲線状のロウ接合部で拘束され,柔軟性が損なわれる。そこで,接合線23を放射曲線状に延ばす場合に,渦巻き状等の曲状に延ばすことにより外圧に対する抵抗力を弱めることができ,その場合に接合線23を所々で接合せずにカット部24を設けることによって一段と高い柔軟性を得ることができる。また,接合線23の面積を増大させることで,担体1の強度を高くなる。触媒付き担体1は,通常その前後で圧力が異なるため,所定の力を受けている。担体1は,該所定の力によってかかる担体1の剪断は,半径に比例して外周部の方が高くなるので,担体1の端面25をロウ接合する場合は,外周ほど接合面積を増やすことが好ましい。また,波状帯体3の金網は,完成時の柱状体4の軸方向に斜めに傾いて稜線7が存在しているので,帯体8を巻き上げた時に,ロウ材を塗布又はロウ箔を挟むには,帯体8同士が接する領域にロウ材又はロウ箔が位置するようにする。しかしながら,帯体8同士の接する領域は,常に変化するので,ロウ材を有効に機能させるためには,ジグザグ状の稜線7を画像で読み込み,帯体8を巻き上げた時に,帯体8同士が接する領域に適切にロウ材を位置させることが好ましい。
帯体8の金網のメッシュは,帯体8の縦線と横線とのメッシュ数が異なっており,帯体8の縦線のメッシュ数が帯体8の横線のメッシュ数より多くなっている。この実施例では,帯体8の縦線のメッシュ数が60200メッシュであり,帯体8の横線のメッシュ数が16100メッシュになるように設定されている。言い換えれば,帯体8の縦線とは,帯体8の長手方向に延びるワイヤであり,帯体8の横線とは,帯体8の幅方向に延びるワイヤである。一般に,帯体8を形成する金網は,縦線と横線とで織り上げるが,金網を織るスピードは,横線のメッシュ数によって拘束される。横線のメッシュ数が多い場合には,織機で1回で織られる速度が遅くなり,即ち,所要時間が長くなり,その結果,金網を織るための作業コストは高くなる。しかしながら,縦線のメッシュ数が多い場合には縦線を織機にセットする作業が若干多くなるが,横線のメッシュ数が少なくて済み,そのため,織り所要時間が大幅に短くなり,織り作業効率が上がる。従って,金網の製造コストを低減するには,織機によって織る速度が速くなるように横線のメッシュ数を減らすことが有効である。一方,単位面積当たりの表面積は,例えば,縦糸が80メッシュと横糸が80メッシュから成る金網と,縦糸が120メッシュと横糸が40メッシュから成る金網とは,等しくなって担体1の性能も同様になる。また,図2に示すように,波状帯体3の稜線7と溝6との波板の稜線7間の即ち凸凹のピッチPは,1mm〜6mmに設定されることが好ましく,ピッチPが1mm以下であると排気ガス通路5が狭過ぎてPM等が詰まる傾向になり,6mm以上であると排気ガス通路5が広過ぎて排気ガスGの触媒への接触が十分でなくなる。更に,波状帯体3の稜線7と溝6との波板の凸凹の高さHは,0.5mm〜5mmであることが好ましく,高さHが0.5mm以下であると排気ガス通路5が低過ぎてPM等が詰まる傾向になり,5mm以上であると排気ガス通路5が高過ぎて排気ガスGの触媒への接触が十分でなくなる。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,稜線7間のピッチP及び稜線7と溝6との凸凹の高さHを調整することによって,屈折路16又は平行路17の大きさを調節することができ,排気ガスGの流れを調節できるものであり,エンジンの大きさや性能に対応してこれらのサイズを決定すればよいものである。
この排気ガス浄化触媒用担体構造は,担体1を構成する帯体8の金網には,アルミナ(Al2 3 ),シリカ(SiO2 ),ジルコニア(ZrO2 ),セリア(CeO2 ),チタニア(TiO2 )の少なくとも1種以上のセラミックスがコーティングされている。即ち,担体1を構成する担体基材には,シリカ,アルミナ,セリア,チタニア,ジルコニアのいずれか一種又はそれらの少なくとも1種類を含む複合酸化物粉末が予め被覆されている。更に,帯体8の基材を被覆したセラミックスのコーティング層の表面には,白金(Pt),銀(Ag),カリウム(K),パラジウム(Pd),イリジウム(Ir),鉄(Fe),銅(Cu),バリウム(Ba),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh)の少なくとも1種類以上の酸化・還元触媒が担持されているものである。
この排気ガス浄化触媒用担体構造は,担体1を構成する柱状体4が図11〜図14に示すように,複数個(図では3個)がケース2内に配設され,例えば,排気管の途中に配設されるものであり,ケース2の端部を排気管に連結するか,排気管内にケース2を押し込むことによって配設することができる。担体1は,波状帯体3に成形された稜線7を柱状体4の軸に対して平行に延びて形成すれば,波状帯体3の溝6に沿って形成される排気ガス通路5はストレートな平行路17の排気ガス通路5に形成される(図11,図12)。又は,波状帯体3に成形された稜線7を柱状体4の軸に対して傾きを持って形成すれば,波状帯体3の溝6に沿って形成される排気ガス通路5は傾斜した屈折路16に形成される。更に,波状帯体3に成形された稜線7を柱状体4の軸に対してジグザグに形成すれば,波状帯体3の溝6に沿って形成される排気ガス通路5が屈折路16に形成されている(図13,図14)。
図11には,排気管に配設される担体1の一例が示されている。担体1Aは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体1Aは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体1Aは,ガス通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してストレートガス通路14に形成される。また,担体1は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,ケース2内の上下流側に位置する柱状体4の端面に,係止部材11をケース2に溶着することによって柱状体4をケース2内に固定することができる。図示していないが,この排気ガス浄化触媒用担体構造は,ケース2内に1個の担体1を配設してもよいことは勿論である。また,図12には,排気管に配設される担体1の別の例が示されている。担体1Bは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体1Bは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体1Bは,ガス通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してストレートガス通路14に形成される。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,柱状体4が位置するケース2の外周面を変形させて凹部12を形成してケース2に柱状体4を固定することができる。
また,図13には,排気管に配設される担体1の更に別の例が示されている。担体1Cは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体1Cは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体1Cは,ガス通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してジグザグガス通路15に形成される。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,ケース2内の上下流側に位置する柱状体4の端面に,係止部材11をケース2に溶着することによって柱状体4をケース2内に固定することができる。また,図14には,排気管に配設される担体1の他の例が示されている。担体1Dは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体1Dは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体1Dは,ガス通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してジグザグガス通路15に形成される。この排気ガス浄化触媒用担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,柱状体4が位置するケース2の外周面を変形させて凹部12を形成してケース2に柱状体4を固定することができる。更に,担体1A,1B,1C,1Dについては,図示していないが,柱状体4の軸方向に波状帯体3と平ら状帯体13とが互いにずれないようにするために,例えば,ケース2内に収容した状態で柱状体4の両端部即ち一端面の流入口9と他端面の流出口10とにケース2の横断方向に十字状に金属製ワイヤをわたすことによって簡単に達成することができる。
図15には,本発明による排気ガス浄化触媒用担体構造(本発明品)によって排気ガスG中のCOとHCの削減率と従来品によるCOとHCの削減率を比較した試験結果が示されている。図15では,横軸が触媒温度℃であり,縦軸が有害物質の削減率%である。本発明品は,触媒温度に対する有害物質の削減率は,排気ガス温度即ち触媒温度が150℃から250℃までの低温領域での削減が有効であるが,従来品では低温領域での削減が不十分であった。このことから,本発明品は,低温領域での有害物質の除去効率が充分であり,有害物質を酸化・還元消失していることが分かった。
本発明の担体1と,白金の触媒を担持した従来のメタルハニカム形の担体とを対比した場合の有害物質の浄化率,SV(1/h)に対する浄化率を試験するため,例えば,図示していないが,次のような試験装置を作製した。ケース内にNOX 還元触媒を担持した本発明の担体(200セル)と従来のメタルハニカム担体(300セル)とをそれぞれ配設し,ケースの入口側と出口側にNOX 濃度センサをそれぞれ設置し,ケースの入口側に還元用燃料(軽油)の供給ノズルを配設した。ケースの入口側に排気ガスと燃料とを混合させる領域を設けた。排気ガスの排気量は8000ccで且つ排気ガス温度は400℃であり,担体の直径は240mmであり,NOX 排出質量に対する還元用軽油の供給量比を2倍に設定した。この試験装置を用いて,本発明品と従来の担体とを試験した結果を,図16及び図17に示す。図16には,本発明の担体1と,白金の触媒を担持した従来のメタルハニカム形の担体とを対比した場合の炭化水素(HC)の浄化性能,SV(1/h)に対するHC浄化率の試験結果を比較したグラフが示されており,本発明の担体1は,60000SVでもHCの浄化率が高いレベルを維持しており,担体1に閉塞が発生していないことが分かるが,従来の担体は,浄化率が低下しており,担体1に閉塞が発生していると考えられる。また,図17には,本発明の担体1と,白金の触媒を担持した従来のメタルハニカム形の担体とを対比した場合のNOX の浄化性能,SV(1/h)に対するNOX 浄化率の試験結果を比較したグラフが示されており,本発明の担体1は,60000SVでもNOX の浄化率が高いレベルを維持しており,担体1に閉塞が発生していないことが分かるが,従来の担体は,浄化率が低下しており,担体1に閉塞が発生していると考えられる。
この発明による排気ガス浄化触媒用担体構造は,エンジン,バーナ,燃焼装置等の排出口から排気される排気ガスを接触通過させて排気ガス中に含まれる有害物質を酸化・還元反応させて消失除去して排気ガスを浄化する担体として適用して好ましいものである。
この発明による排気ガス浄化触媒用担体構造における担体を形成する工程を示す説明図である。 図1の担体を構成する波状帯体と平ら状帯体とを重ねた状態を示す正面図である。 図2の重ね金網帯を螺旋状に巻き上げた柱状体の一例を示す正面図である。 異なる傾きの稜線を持つ波状帯体の巻き上げて柱状体を形成する工程を示す斜視図である。 図4の波状帯体を巻き上げた柱状体を示す正面図である。 図5の柱状体を示す側面図である。 図4の柱状体を構成する2枚の波状帯体の稜線を交差状態に配設した状態を示す説明図である。 図7の柱状体のA−A断面を示す断面図である。 図7のB−B断面を示す断面図である。 担体の端面において,帯体をロウ材で接合する状態を示し,(A)は担体の通路断面積に比例して数の箇所で接合した状態を示し,(B)は担体の中心部から外周部へ延びる接合部を分断した状態を示し,(C)は担体の中心部から外周部へ延びる接合部の接合面を増大させて状態を示す説明図である。 ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態で柱状体の両側端を係止部材でケースに固定した一例を示す説明図である。 ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態でケースが凹部で柱状体をケースに固定した別の例を示す説明図である。 ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態で柱状体の両側端を係止部材でケースに固定した更に別の例を示す説明図である。 ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態でケースが凹部で柱状体をケースに固定した他の例を示す説明図である。 本発明品と従来品との排気ガス中の有害物質であるCOとHCとの削減率の試験結果の比較を示すグラフである。 本発明品と従来品との排気ガス中の有害物質であるHCの浄化率の試験結果の比較を示すグラフである。 本発明品と従来品との排気ガス中の有害物質であるNOX の浄化率の試験結果の比較を示すグラフである。
1 担体
1A,1B,1C,1D 担体
2 ケース
3 波状帯体
4 柱状体
5 排気ガス通路
6 溝
7 稜線
8 帯体
9 流入口(一端面)
10 流出口(他端面)
11 係止部材
12 凹部
13 平ら状帯体
14 ストレートガス通路
15 ジグザグガス通路
16 屈折路
17 平行路
18 粒子状物質
23 接合線
23A,23B,23C 接合線
24 切欠き部
25 端面
G 排気ガス
H 凹凸の高さ
P 稜線間のピッチ

Claims (17)

  1. 排気ガス中に含まれるNOX ,HC,粒子状物質やスートの有害物質を燃焼や酸化・還元反応によって消失させて前記排気ガスを浄化するため触媒を担持した担体と前記担体を収納する筒状ケースとから成る排気ガス浄化触媒用担体構造において,
    前記担体は,金網から成る帯体を筒状に巻き上げた柱状体から構成され,
    前記帯体は,前記柱状体の軸方向に対してジグザグな傾き状に延びる多数の稜線と前記稜線間の多数の溝とから構成される屈折路が形成される波状帯体に成形されており,
    前記柱状体は,2枚の前記波状帯体同士を前記稜線の傾きが逆向きに延びるように互いに前記屈折路が交差して重なり配設されて螺旋状に巻き上げられ,前記波状帯体間に前記溝に沿って前記柱状体の一端面から他端面へ連通する排気ガス通路でなるジグザグガス通路に形成されており,
    前記排気ガス通路が前記波状帯体の前記稜線が前記柱状体の軸に対して10°〜50°の角度にジグザグに傾いて延びた前記屈折路で構成されており,
    前記排気ガス通路を流れる前記排気ガスが前記帯体の凹凸表面によって乱れて流されることを特徴とする排気ガス浄化触媒用担体構造。
  2. 前記帯体を構成する前記金網は,ステンレス鋼又は鉄クロムアルミ合金から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  3. 重なり合う前記帯体同士は,ニッケルを主体としたロウ又はロウ箔のロウ材で接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  4. 前記担体の少なくとも一方の端面は前記ロウ材で接合され,ロウ接部は予め決められた幅を持って放射曲線状に延びる間欠的な線状,又は外周側に幅広くなって放射曲線状に延びる線状になっていることを特徴とする請求項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  5. 前記柱状体は,前記波状帯体の巻き上げ時に,少なくとも前記稜線が隣接する前記帯体に予め決められた領域の部位に前記ロウ材で前記帯体同士がロウ接されていることを特徴とする請求項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  6. 前記帯体同士がロウ接された前記予め決められた領域の部位は,隣接する前記帯体で前記柱状体の軸方向に互いに位置ずれしていることを特徴とする請求項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  7. 前記波状帯体の前記稜線は,前記柱状体の軸に対してジグザグの傾きが10°〜50°の範囲の角度で2種類以上の傾きを組み合わせていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  8. 前記柱状体は,前記筒状ケース内に複数個直列に配設され,前記柱状体の前記波状帯体の前記稜線の傾き角度は,前記排気ガスの上流側と下流側とで同一又は異なっていることを特徴とする請求項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  9. 前記金網を構成する金属製ワイヤの線径は,0.03mm〜0.35mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  10. 前記金網のメッシュは,16〜200メッシュであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  11. 前記金網のメッシュは,金網帯の縦線のメッシュ数が前記金網帯の横線のメッシュ数より多く,前記金網帯の前記縦線の前記メッシュ数が60200メッシュ且つ前記横線の前記メッシュ数が16100メッシュに設定されていることを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  12. 前記波状帯体の波状凸凹のピッチは,1mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  13. 前記波状帯体の波状凸凹の高さは,0.5mm〜5mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  14. 前記担体を構成する前記帯体の線材表面には,アルミナ,シリカ,ジルコニア,セリアの少なくとも1種以上のセラミックスがコーティングされていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  15. 前記コーティング層の表面には,白金,銀,カリウム,パラジウム,イリジウム,鉄,銅,バリウムから選択される1種又は複数種の触媒が担持されていることを特徴とする請求項14に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  16. 前記排気ガスが前記帯体間に前記溝に沿って形成された前記排気ガス通路を通過する際に,前記排気ガスに含まれる前記有害物質が前記帯体に接触しつつ乱れ状態で流れて前記担体に担持されている触媒の助けで酸化・還元反応して消失されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
  17. 前記担体に担持されている触媒は,酸化触媒,三元触媒,或いは炭化水素系燃料,アンモニア又は尿素を還元剤として機能させるNOX 還元触媒であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒用担体構造。
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