JP2000179332A - 排ガス浄化用断熱型メタル担体 - Google Patents
排ガス浄化用断熱型メタル担体Info
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Abstract
排ガス浄化用メタル担体を提供する。また、ハニカム体
外周部のセルへの排ガス供給量を増大し、排ガス浄化性
能を向上する。 【解決手段】 金属製平箔と波箔とを交互に巻き回した
ハニカム体1と、両端に縮径部を有する金属製外筒2よ
りなり、該外筒の排ガス出側端面の縮径部4の内面とハ
ニカム体1の外面とを接合し、該外筒の排ガス入り側端
面の縮径部3の内面とハニカム体の外面とを摺動可能に
接し、両縮径部間における外筒の内面とハニカム体の外
面を非接触としてなることを特徴とする排ガス浄化用メ
タル担体。更に、ハニカム体1を構成する箔の表面に多
数の通気孔14を有する。ハニカム体1の排ガス入り側
端面形状を凸形状とする。整流用ハニカム体11を配設
する。
Description
の内燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒を担持
するためのメタル担体に関するものである。
は排ガスの初期浄化能が優れていて排気抵抗の小さいメ
タル担体が使用されることが多くなっている。メタル担
体は、金属平箔と金属平箔を長さ方向に波形形状の塑性
加工した金属波箔とを重ね合せて、これを例えば渦巻状
に巻き回して円筒形のハニカム体を構成し、このハニカ
ム体を金属外筒等のケーシングに組み込んだ上で相互に
接合したものが知られており、上記ハニカム体に触媒を
担持して自動車排ガス浄化装置として使用している。
鋼箔からなるハニカム体を金属製の外筒内に組み込んで
製造されている。ハニカム体は、主として厚さ50μm
程度の帯状の平箔と、該平箔を波付け加工した帯状の波
箔とを重ねて巻き回し、渦巻状にして製造される。渦巻
状に巻回された円筒状のメタルハニカム体は、円柱の軸
方向に多数の通気孔を有している。そして、この通気孔
に触媒を担持させて触媒コンバータとしている。
載固定して使用するとき、エンジン稼働中は振動を受け
るとともに、排ガス及び触媒反応により加熱される。メ
タル担体が加熱される際、排ガスの流速が大きいメタル
ハニカム体半径方向中心部が最も大きな入熱を受ける。
一方、外筒は外気にさらされているため温度が低く、こ
れに接しているメタルハニカム体外周部は外筒に熱を奪
われる。また、ハニカム体の外周部は排ガス流速が小さ
いために入熱量も少ないので、ハニカム体外周部は中心
部に比較して温度が低い。排ガスの触媒反応は触媒温度
が高いほど進行するため、温度の低いハニカム体外周部
は触媒反応効率がハニカム体中心部より低くなる。
度差、及びハニカム体と外筒との温度差により、メタル
ハニカム体の内部全体あるいはメタルハニカム体と外筒
との接合部に、熱膨張差による応力が集中して、破断や
座屈あるいは剥離などが生じるようになる。更にエンジ
ン始動時や加速時には急速に加熱され、ブレーキ時や停
車時には急速に冷却され、急加熱−急冷の熱サイクルが
走行時に繰り返される。このような熱サイクルに伴っ
て、メタル担体は膨張と収縮を繰り返す。急速加熱・冷
却される際には、ハニカム体中心部とハニカム体外周
部、外筒との間の温度差により、熱膨張差による応力が
集中し、同様に破断、座屈、剥離などが生じるようにな
る。
するため、ハニカム体と外筒との間に断熱材を挿入する
方法が知られている。また、ハニカム体の最外周部の何
層かのセルに断熱物質を充填し、もって熱遮断を行う方
法が特開平5−75430号公報に開示されている。
は、ハニカム体外周部と外筒との間に空間部を設け、ハ
ニカム体と外筒との間はリング状弾性保持部材によって
弾性変形自在に保持する方法が開示されている。ハニカ
ム体と外筒との間に空間部を設けることでハニカム体か
ら外筒への熱流を遮断し、かつハニカム体と外筒との間
の熱膨張差をリング状弾性保持部材の弾性変形によって
吸収し、熱応力の発生を防止している。特開平9−26
2438号公報では、上記に加え、ハニカム体と外筒と
の間の空間部を減圧することによって熱遮断を強化して
いる。
9−108576号公報においては、ハニカム体を収容
する内側の円筒部と、更にその外側に外側の円筒部を設
け、内側の円筒部と外側の円筒部との間に空間部を設け
て熱の流出を遮断する方法が開示されている。
は、メタルハニカム体と外筒の双方が両端に縮径部を有
し、該縮径部においてハニカム体と外筒とが密着し、縮
径部間の拡径部においてはハニカム体と外筒との間に空
間を有するメタル担体が開示されている。
両端に縮径部を有する外筒に2個のハニカム体がガス流
れ方向に直列に配置され、各ハニカム体の一端が外筒の
縮径部内壁面に固着された排気ガス浄化装置が開示され
ている。外筒の縮径部に固着された部分以外について
は、ハニカム体と外筒との間には空間部が存在する。外
筒と固着されない側のハニカム体の端部は、外筒と固定
せずに自由状態におくか、あるいはスペーサーによって
保持される。
間に断熱材を充填する方法においては、断熱材を使用す
ることによるコストの増加が避けられない。長期間の使
用において劣化しない断熱材を選択する必要もある。ま
た、ハニカム体最外周部のセルに断熱材を充填する方法
においては、本来排気ガスを浄化するためのセルをつぶ
すこととなり、また断熱材を充填してもハニカム体の箔
を介しての熱伝導は残るので断熱効果も十分とはいえな
い。
両者をリング状弾性保持部材で結合する方法において
は、加熱−冷却のサイクルの繰り返しによってリング状
弾性保持部材が変形を繰り返しても破損しない保持部材
を選択する必要があり、かかるリング状弾性保持部材の
製造、及び該保持部材によるハニカム体と外筒との接合
に伴うコストの増加が避けられない。
方法においては、内側の円筒はハニカム体と接している
ため、エンジン始動時にハニカム体から内側の円筒に熱
を奪われ、始動初期のハニカム体の温度上昇を遅らせる
という問題を解決することができない。また、2重の円
筒部を設けるため、コストアップを避けることもできな
い。
設け、縮径部において両者を密接させる方法において
は、ハニカム体の最外周部のセルがつぶされるので排ガ
ス浄化に寄与するセルが減少するという問題があり、更
に外筒の縮径部によってハニカム体の拡径部両端が拘束
されているため、加熱時のハニカム体と外筒の熱膨張差
が開放されず、熱応力が発生するという問題もある。
ム体を直列に接続する方法においては、外筒と接合しな
い側のハニカム体が外筒に保持されないため、振動によ
ってハニカム体の寿命が短縮するという問題がある。ス
ペーサーによって外筒とハニカム体との間を保持する方
法を採用すると、スペーサー設置に伴うコストアップを
避けることができない。
トアップとならず、ハニカム体のセルを無駄にせず、ハ
ニカム体と外筒との熱膨張差を解消して熱応力の発生を
防止しながら、ハニカム体から外筒への熱損失を防止で
きるメタル担体を提供することを目的とする。
のセルへの排ガス供給量を増大し、排ガス浄化性能を向
上したメタル担体を提供することを他の目的とする。
るところは、 (1)金属製平箔と該平箔にコルゲート加工を施した波
箔とを交互に巻き回したハニカム体1と、両端に縮径部
を有する金属製外筒2よりなり、該外筒の排ガス出側端
面の縮径部4の内面とハニカム体1の外面とを接合し、
該外筒の排ガス入り側端面の縮径部3の内面とハニカム
体の外面とを摺動可能に接し、両縮径部間における外筒
2の内面とハニカム体1の外面を非接触としてなること
を特徴とする排ガス浄化用メタル担体。 (2)外筒の両端の縮径部間の部分における外筒の内面
とハニカム体の外面との間6の間隔を1mm〜5mmと
することを特徴とする上記(1)に記載の排ガス浄化用
メタル担体。 (3)排ガス出側端面における外筒2の縮径部4内面と
ハニカム体外面との接触長さはメタル担体軸方向にハニ
カム体長さの1/10以上であり、排ガス入り側端面に
おける外筒の縮径部3内面とハニカム体外面との接触長
さはメタル担体軸方向にハニカム体長さの1/100以
上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載
の排ガス浄化用メタル担体。 (4)ハニカム体1を構成する箔の表面に多数の通気孔
を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいず
れかに記載の排ガス浄化用メタル担体。 (5)前記ハニカム体1の排ガス入り側端面形状を凸形
状とし、排ガス出側端面形状を凹形状とすることを特徴
とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の排ガス
浄化用メタル担体。 (6)前記ハニカム体1の排ガス上流側に、整流用ハニ
カム体11を配設することを特徴とする上記(1)乃至
(5)のいずれかに記載の排ガス浄化用メタル担体。で
ある。
属製の外筒2は両端に縮径部3、4を有し、縮径部の内
径はハニカム体1の外径と略等しくする。金属製外筒の
排ガス出側端面の縮径部4の内面とハニカム体1の外面
とをろう付け、ないしは拡散接合によって接合する。外
筒の排ガス入り側端面の縮径部3の内面とハニカム体1
の外面とは摺動可能に接している。ハニカム体はハニカ
ム体の軸に垂直方向の応力に対してはハニカム体両端に
おいて外筒の両縮径部に支持される。また、ハニカム体
の軸に平行な方向の応力に対しては排ガス出側の接合部
7によって外筒2に支持されている。一方、ハニカム体
1と外筒2との温度差に伴う熱膨張差が発生しても、ハ
ニカム体1が排ガス入り側端面の縮径部3において摺動
可能となっているため、熱応力を発生することがない。
については、外筒内周部とハニカム体外周部との間には
空間部6が存在するので、この空間によってハニカム体
1から外筒2への熱伝導が妨げられ、ハニカム体からの
熱ロスを低減することができる。ハニカム体と外筒との
間に空間部6があるため、定常運転中のハニカム体から
の熱ロスが低減できるだけでなく、エンジン始動時にお
いても熱容量の大きい外筒2がハニカム体1に接してい
ないためにハニカム体1の温度上昇が速く、エンジン始
動後いち早く排ガスの浄化を開始することができる。
やスペーサーを用いることなくハニカム体を外筒によっ
て支持することができるので、コストを上昇させること
なく上記機能を確保することができる。また、ハニカム
体外周部に縮径部を設けたりセルに断熱材を充填するこ
とがないので、ハニカム体のセルの全体を排ガスの浄化
に用いることができる。
のセル内の排ガス流速を増大し、ハニカム体外周部を有
効に排ガス浄化に用いることができる。従来のようにハ
ニカム体の外周部からの熱ロスが大きいメタル担体にお
いては、たとえハニカム体外周部のセル内排ガス流速を
増大したとしても、ハニカム体外面からの熱損失が大き
いために触媒の温度が十分に上昇せず、結局は効率良く
ハニカム体外周部セルによって排ガス浄化を行うことが
できなかった。これに対し、本発明においてはハニカム
体1と外筒2との間に空間部6を有するためにハニカム
体外周面からの熱ロスが少ないので、ハニカム体外周部
のセル内排ガス流速を増大すれば、外周部においても十
分に効率の高い排ガス浄化を行うことが可能になった。
る箔の表面に多数の通気孔14を形成することにより、
ハニカム体の隣合うセル間での排ガスの流通が可能にな
る。その結果、ハニカム体排ガス入り側ではハニカム体
中心部のセルに流れる排ガスが多くても、ハニカム体内
部で排ガスが中央のセルから外周部のセルに移動し、ハ
ニカム体半径方向に排ガス流速を均一化し、ハニカム体
外周部のセルを有効に利用することができる。箔の表面
の通気孔14は、ハニカム体外面に面する箔の表面には
設けない。これにより、排ガスがハニカム体外面からハ
ニカム体と外筒との間の空間部6に流出することを防止
できる。
入り側端面の形状を凸形状とすると、該端面を平面とし
た場合と比較してハニカム体半径方向の排ガス流速分布
を均一化し、外周部のセル内排ガス流速を増大すること
ができる。これによっても上記と同様ハニカム体外周部
セルの排ガス浄化効率を向上することができる。
ム体1の上流側に整流用ハニカム体11を配設すること
により、同じようにハニカム体半径方向の排ガス流速分
布を均一化し、排ガス浄化用ハニカム体外周部のセル内
排ガス流速を増大することができる。これによって上記
と同じ効果を得ることができる。
すように、ハニカム体1が金属製の外筒2内に組み込ま
れている。ハニカム体1は、耐熱性ステンレス鋼からな
る帯状の平箔と、この平箔を波付け加工した帯状の波箔
とを重ねて巻き回し、渦巻状にして製造される。渦巻状
に巻回された円筒状のハニカム体1は、平箔と波箔との
接触部の全部又は一部を接合し、円柱の軸方向に多数の
セルを有している。
元素としてAl3〜10%、Cr15〜25%を含有す
るフェライト系ステンレス鋼、例えば20%Cr−5%
Al−Fe鋼が採用される。また外筒2用の材料として
は、ハニカム体1ほどの耐熱性は要求されないので、A
l等の耐熱性合金元素を含有しないステンレス鋼を採用
してもよい。
る。縮径部の内径はハニカム体1の外径と略等しい。ハ
ニカム体1を外筒2に組み込み、排ガス出側端部におい
てハニカム体外面と外筒縮径部4の内面の相接している
部分を接合する。接合は、ろう付けないしは拡散接合に
よって行うことができる。排ガス入り側端部において
は、ハニカム体外面ともう一方の縮径部3の内面とが相
接する。縮径部3の内径をハニカム体1の外径と同等か
若干大きくすることにより、ハニカム体1は縮径部3に
おいて摺動可能に保持される。外筒の両縮径部にはさま
れた胴部5は、その内径がハニカム体外径よりも大き
く、ハニカム体と外筒とを組合わせた状態で両者の間に
空間部6が形成される。
を摺動部8とするのは以下の理由からである。即ち、排
ガス出側を接合部7にする理由は、排ガスに直接さらさ
れる入り側のハニカム体1あるいは外筒2の温度変化に
対し、出側のハニカム体あるいは外筒の温度は変化が少
なく、熱応力が入り側に比べて発生しにくいため、及び
出側を接合部にすればハニカム体の保持寿命が入り側を
接合して保持する場合に比べて格段に向上するからであ
る。また、排ガス入り側を摺動部8とする理由は、温度
変化が激しく発生する入り側の外筒とハニカム体で発生
する熱歪を外筒とハニカム体を非接合にすることで軸方
向、径方向ともに開放する必要があるからである。さら
に、ハニカム体を摺動可能で外筒内面と接する理由は、
ハニカム体の振動を外筒の両端の接触面で抑えて防止
し、ハニカム体の保持寿命をさらに延ばすとともに、触
媒コート時に空間部6への触媒浸入を防止することがで
きるからである。
するためには、外筒両端の縮径部におけるハニカム体と
の接触部を確保する必要がある。排ガス出側端部におい
ては、外筒縮径部4内面とハニカム体1外面とのメタル
担体軸方向接触長さを、ハニカム体1長さの1/10以
上とすることにより、ハニカム体1を強固に外筒2によ
って支持することができる。接合は、ろう付けあるいは
固体拡散接合等の手段を用いて行う。
スの流れる方向に垂直な応力に対してハニカム体1を支
持できればよいので、常温においてハニカム体1外面と
外筒縮径部3の内面とがわずかでも接していれば本発明
の機能を発揮することができる。ハニカム体1と外筒2
との製作精度、組立精度を考慮すると、外筒の縮径部3
内面とハニカム体1外面とのメタル担体軸方向接触長さ
がハニカム体長さの1/100以上であれば目的を達成
することができる。
上記ハニカム体1と外筒2とが接しない空間部6の面積
をできるかぎり広くとることで、ハニカム体と外筒との
間の断熱効果を得ることができる。
1と外筒2との間の間隔は、狭すぎると断熱効果が十分
ではなく、本発明の効果が十分には発揮できない。一
方、該間隔を大きくしようとすると、メタル担体を収容
する部位のスペースからメタル担体の外径は制約される
ため、結局ハニカム体1の直径を小さくせざるをえず、
排ガス浄化性能を十分に発揮できなくなる。胴部5にお
ける外筒内面とハニカム体外面との間の間隔を1mm〜
5mmとすることにより、本発明の効果を最も良好に発
揮することができる。
ニカム体外径に比較して小さいので、ハニカム体の上流
側には排気管からの径拡大部9、下流側には径縮小部1
0を設ける。径拡大部9、径縮小部10とメタル担体の
外筒2とはそれぞれ別個に製造し、外筒2にハニカム体
1を組み込んだ後に外筒の縮径部端部と径拡大部9、径
縮小部10とを接合することができる。もちろん、外筒
2と径拡大部9、あるいは外筒2と径縮小部10を一体
に製作し、これにハニカム体を組み込むことも可能であ
る。
は、排気管から径拡大部9を経てハニカム体排ガス流入
側端面に到達した排ガスの流速分布は、径拡大部9で十
分に広がることができず、ハニカム体入り側端部におい
て、ハニカム体中心部の排ガス流速が速く、ハニカム体
周辺部の流速は遅い。本発明においてはハニカム体周辺
部における外部への熱ロスが減少しているので、ハニカ
ム体周辺部へも十分な流速の排ガスを供給することがで
きれば、周辺部セルでも高い温度が確保されてハニカム
体全体が均一な浄化能力を有することとなり、排ガス浄
化効率を一層増大することが可能になる。
体1を構成する箔の表面に多数の通気孔14を形成する
ことにより、ハニカム体の隣合うセル間での排ガスの流
通が可能になる。その結果、ハニカム体排ガス入り側で
はハニカム体中心部のセルに流れる排ガスが多くても、
ハニカム体内部で排ガスが中央のセルから外周部のセル
に移動し、ハニカム体半径方向に排ガス流速を均一化
し、ハニカム体外周部のセルを有効に利用することがで
きる。箔の表面の通気孔14は、ハニカム体外面に面す
る箔の表面には設けない。これにより、排ガスがハニカ
ム体外面からハニカム体と外筒との間の空間部6に流出
することを防止できる。
として平面が採用されていたが、本発明においては更
に、図3に示すように、ハニカム体排ガス流入側端面を
凸形状とすることにより、ハニカム体外周部セルにおけ
る排ガス流速を増大することができる。凸形状として
は、円錐状、ドーム状等の形状から選択することができ
る。ハニカム体端面形状を凸形状とすることにより、端
面の中心部は径拡大部の空間部12内に入り込み、これ
によって径拡大部内における排気ガス流れが影響を受
け、ハニカム体の外周部のセルにも排気ガスが十分に供
給されるようになったものと考えられる。
こさせるためのハニカム体1であり、以後整流用ハニカ
ム体11と区別するためにメインハニカム体1とよぶ。
ンハニカム体1の上流に整流用ハニカム体11を配設す
ることにより、メインハニカム体1の排ガス流速分布を
均一化し、ハニカム体外周部セルの排ガス流速を増大す
ることができる。これにより、本発明においてはハニカ
ム体周辺部における外部への熱ロスが減少しているの
で、周辺部セルでも高い温度が確保されてハニカム体全
体が均一な浄化能力を有することとなり、排ガス浄化効
率を一層増大することが可能になる。整流用ハニカム体
11は排ガスの整流化が目的なので、熱ロスを防ぐため
に極力その厚みを薄くする。整流用ハニカム体11の形
状としては、図5(a)に示す平面形状、同図(b)に
示すドーム形状、同図(c)に示す円錐形状等を採用す
ることができる。
果は、平面形状よりもドーム形状、円錐形状の方が優れ
た効果を有する。ドーム形状、円錐形状の場合は、整流
用ハニカム体の排ガス流入側端面が凸形状となるので、
該端面の中央部は径拡大部の空間部12内に入り込み、
これによって径拡大部内における排気ガス流れが影響を
受け、整流用ハニカム体の外周部のセルにも排気ガスが
十分に供給されるようになったものと考えられる。更
に、整流用ハニカム体11の排ガス出側端面形状が凹形
状となるため、整流用ハニカム体11とメインハニカム
体1との間には十分な空間部13が形成され、この空間
部13において排ガスが混合するためにメインハニカム
体入り側における排ガスの流速が均一化されるものと考
えられる。また、整流用ハニカム体11の剛性も、平面
形状よりもドーム形状、円錐形状の方が優れている。
有するメインハニカム体1、あるいは整流用ハニカム体
11の端面形状は、ハニカム体の中心部を通る断面の外
縁部における表面の接線と、排気ガス流路と直交する線
との間の角度θは60°以下とすることが好ましい。6
0°を超えると、第1に整流用ハニカム体の平箔と波箔
との軸方向の重なり代(ラップ代)が少なくなり、半径
方向の圧縮及び引張力に対抗するハニカム剛性が低下す
る。そのため、ハニカム体が熱や応力によって容易に変
形したり、排ガスの脈動で振動したりして破壊しやすく
なり、耐久性が圧下する。また第2に、径拡大部とハニ
カム体の外周部との空間が狭くなり、排気ガスが外周部
へ供給されにくくなるため、整流化効果が低下するから
である。
5°とする。20°未満では半径方向の熱応力が解放さ
れにくくなるために耐久性の向上効果が低減すると同時
に、凸型が偏平に近くなるため、凸型の形状効果が低下
し、整流化効果が薄まるからである。またθを45°以
下とすることでハニカム体の耐久性、整流化効果ともに
最良の結果を得ることができる。
に配置するメタル担体触媒コンバーターにおいて本発明
を実施した。ハニカム体は、いずれも厚み20μmのス
テンレス鋼平箔と該平箔をコルゲート加工した波箔とを
巻き回し、該平箔と波箔との接触部をろう付け接合する
ことによって形成した。ハニカム体(メインハニカム
体)1は、幅100mmのステンレス鋼平箔と波箔とを
円筒形に巻き回し、直径100mm、長さ100mmの
円筒形に成形した。外筒2は、厚み1.5mmのステン
レス製円筒を用い、両端に内径100mmの縮径部、中
央に内径106mmの胴部を有する。排ガス入り側縮径
部長さは10mm、排ガス出側縮径部長さは30mm、
胴部の長さは60mmである。
0μmのステンレス鋼平箔と波箔とを巻き回して円筒形
のハニカム体とし、次いで前記ハニカム体を該ハニカム
体の中心線に直交する面で複数に切断し、該切断したハ
ニカム体の外周に厚み1.5mmのステンレス鋼の外筒
を配し、次いで該切断したハニカム体を凹治具と凸治具
とでプレスすることにより該ハニカム体の一方の面は凸
型の形状とし他方の面は凹型の形状とし、その後に該平
箔と波箔との接触部をろう付け接合することによって形
成した。
に、排ガス出側縮径部4におけるハニカム体1との接触
部長さは25mmとし、ろう付けによって外筒2とハニ
カム体1を接合した。排ガス入り側縮径部3において
は、ハニカム体1と縮径部3とは長さ5mmにわたって
接触している。
外筒2との接続は本発明例1と同様である。ハニカム体
1を構成する平箔及び波箔には予め直径2mmの通気孔
14を1個/cm2の密度で配置し、この平箔と波箔と
を巻き回してハニカム体とした。ハニカム体の最外周の
平箔には通気孔は設けていない。その他の条件は本発明
例1と同様である。
体1に、更に本発明例2と同様の通気孔14を配設した
平箔と波箔とを用いたものである。本発明例3のハニカ
ム体1は、排ガス入り側端面が凸形状、出側端面が凹形
状をなし、端面の円錐形の陵線と、排気ガス流路と直交
する線との間の角度θは30度である。その他の条件は
本発明例1と同様である。
様のメインハニカム体1と外筒2との組合わせの排ガス
上流側に、厚み10mmの整流用ハニカム体11を配置
した。整流用ハニカム体11の排ガス入り側端面、出側
端面は円錐形をなし、端面の円錐形の陵線と、排気ガス
流路と直交する線との間の角度θは45度である。本発
明例に用いる径拡大部9は、整流用ハニカム体11を収
容するために円筒部の長さが他の発明例に比較して長く
なっている。径拡大部9と外筒2との間を溶接接合する
ことにより、整流用ハニカム体11はメタル担体内に収
容される。
円筒を用いたメタル担体を採用した。ハニカム体1の外
周部全体において外筒と接触している。
気ガス系に設置し、メタル担体の昇温特性、降温特性、
浄化性能の比較を行った。昇温特性、降温特性は、ハニ
カム体の外周部から2層内側のハニカム体長さ中央部の
温度を測定し、昇温特性についてはコールドスタート後
50秒における当該部の温度により、降温特性について
は排ガス流入停止10分後の当該部の温度により評価し
た。浄化性能については、エンジン始動時のメタル担体
の初期浄化性能を調査するために、HC50%浄化率到
達時間によって評価した。
温度について、本発明例は比較例に対していずれも昇温
速度が速く、本発明例の中では本発明例4、3、2、1
の順で昇温特性が良好であった。本発明のハニカム体と
外筒との間の断熱効果によって昇温速度が上昇し、更に
本発明例2、3、4においてはハニカム体外周部排ガス
流速向上対策効果が上乗せされ、一層の昇温速度の上昇
が実現した。
比較例に対して良好であった。本発明のハニカム体と外
筒との間の断熱効果によるものである。
も優れており、以下本発明例3、2、1の順で、比較例
が最も悪い成績であった。
部との間に空間が存在するので、この空間によってハニ
カム体から外筒への熱伝導が妨げられ、ハニカム体から
の熱ロスを低減することができる。定常運転中のハニカ
ム体からの熱ロスが低減できるだけでなく、エンジン始
動時においてもハニカム体の温度上昇が速く、エンジン
始動後いち早く排ガスの浄化を開始することができる。
やスペーサーを用いることなくハニカム体を外筒によっ
て支持することができるので、コストを上昇させること
なく上記機能を確保することができる。また、ハニカム
体外周部に縮径部を設けたりセルに断熱材を充填するこ
とがないので、ハニカム体のセルの全体を排ガスの浄化
に用いることができる。
に加え、ハニカム体外周部のセル内の排ガス流速を増大
し、ハニカム体外周部を更に有効に排ガス浄化に用いる
ことができる。ハニカム体外周部の排ガス流速増大手段
として、ハニカム体を構成する平箔と波箔とに多数の通
気孔を設置する方法、ハニカム体排ガス入り側端部を凸
形状とする方法、ハニカム体排ガス入り側に整流用ハニ
カム体を配置する方法を採用することができる。これら
の相乗効果により、ハニカム体外周部の昇温特性を更に
向上し、定常運転時においてもハニカム体外周部の温度
を高温に保ち、メタル担体の浄化性能を向上することが
できた。
(a)は平面形状、(b)はドーム形状、(c)は円錐
形状のものを示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属製平箔と該平箔にコルゲート加工を
施した波箔とを交互に巻き回したハニカム体と、両端に
縮径部を有する金属製外筒よりなり、該外筒の排ガス出
側端面の縮径部の内面とハニカム体の外面とを接合し、
該外筒の排ガス入り側端面の縮径部の内面とハニカム体
の外面とを摺動可能に接し、両縮径部間における外筒の
内面とハニカム体の外面を非接触としてなることを特徴
とする排ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項2】 外筒の両端の縮径部間の部分における外
筒の内面とハニカム体の外面との間の間隔を1mm〜5
mmとすることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄
化用メタル担体。 - 【請求項3】 排ガス出側端面における外筒の縮径部内
面とハニカム体外面との接触長さはメタル担体軸方向に
ハニカム体長さの1/10以上であり、排ガス入り側端
面における外筒の縮径部内面とハニカム体外面との接触
長さはメタル担体軸方向にハニカム体長さの1/100
以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排
ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項4】 ハニカム体を構成する箔の表面に多数の
通気孔を有することを特徴とする請求項1乃至3のいず
れかに記載の排ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項5】 前記ハニカム体の排ガス入り側端面形状
を凸形状とし、排ガス出側端面形状を凹形状とすること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス
浄化用メタル担体。 - 【請求項6】 前記ハニカム体の排ガス上流側に、整流
用ハニカム体を配設することを特徴とする請求項1乃至
5のいずれかに記載の排ガス浄化用メタル担体。
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---|---|---|---|
JP35324898A JP3782596B2 (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 排ガス浄化用断熱型メタル担体 |
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ID=18429560
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JP35324898A Expired - Fee Related JP3782596B2 (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 排ガス浄化用断熱型メタル担体 |
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---|---|
JP (1) | JP3782596B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101907011A (zh) * | 2009-03-11 | 2010-12-08 | 本田技研工业株式会社 | 催化剂保持构造 |
JP2014213232A (ja) * | 2013-04-23 | 2014-11-17 | 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 | 金属触媒担体及び金属触媒担体の製造方法。 |
JP2016097333A (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-30 | カルソニックカンセイ株式会社 | 触媒コンバータ |
FR3061517A1 (fr) * | 2017-01-04 | 2018-07-06 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Organe de traitement de gaz a corps de traitement de gaz en biseau |
WO2024201967A1 (ja) * | 2023-03-30 | 2024-10-03 | 日本碍子株式会社 | 反応器及びガス回収装置 |
-
1998
- 1998-12-11 JP JP35324898A patent/JP3782596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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