JP2008065988A - プロトン伝導性電解質膜とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な分布と強固な構造を持ち、寸法安定性とガスバリア性の高いプロトン伝導性電解質膜とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池を提供する。
【解決手段】多孔質基材(11)と、多孔質基材(11)の外表面(11a)及び細孔内壁(11b)に被覆された酸化物薄膜(12)とを含むプロトン伝導性電解質膜(1)であって、酸化物薄膜(12)は、末端にプロトン伝導性官能基(X)を持つ分子鎖(RX)により表面修飾されていることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜(1)とする。
【選択図】図1
【解決手段】多孔質基材(11)と、多孔質基材(11)の外表面(11a)及び細孔内壁(11b)に被覆された酸化物薄膜(12)とを含むプロトン伝導性電解質膜(1)であって、酸化物薄膜(12)は、末端にプロトン伝導性官能基(X)を持つ分子鎖(RX)により表面修飾されていることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜(1)とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロトン伝導性電解質膜とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池はプロトン伝導性を有する固体高分子膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極及び空気極を接合して構成され、燃料極に水素、空気極に酸素あるいは空気を供給して電気化学反応により発電するシステムである。各電極では下記反応が起こっている。
燃料極:H2 → 2H+ + 2e-
空気極:(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O
全反応:H2 + (1/2)O2 → H2O
空気極:(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O
全反応:H2 + (1/2)O2 → H2O
これらの反応式からわかるように、発電時に生成するのは水のみである。燃料電池は次世代のクリーンエネルギーシステムの一つとして注目されている。
そして、固体高分子形燃料電池は、メタノールを燃料として供給しても発電させることが可能であり、この場合は特にメタノール直接燃料電池と呼ばれる。各電極では下記反応が起こっている。
燃料極:CH3OH+H2O→6H++6e-+CO2
空気極:(3/2)O2+6H++6e-→3H2O
全反応:CH3OH+(3/2)O2→2H2O+CO2
空気極:(3/2)O2+6H++6e-→3H2O
全反応:CH3OH+(3/2)O2→2H2O+CO2
固体高分子形燃料電池は、電解質膜としてプロトン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層を配置し、ついでその両面に電極基材を配置し、更にこれをセパレータで挟んだ構造をしている。電解質膜の両面に触媒層を配置したもの(即ち、触媒層/電解質膜/触媒層の層構成のもの)は、電解質膜−触媒層接合体(略称:CCM)と称されており、さらに、その電解質膜−触媒層接合体の両面に電極基材を配置したもの(即ち、電極基材/触媒層/電解質膜/触媒層/電極基材の層構成のもの)は、電解質膜−電極接合体(略称:MEA)と称されている。
プロトン伝導性高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このようなプロトン伝導性高分子電解質膜の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。
これらのパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーは、上記のとおり電解質膜として高い性能を示すが、一方で、コストが高いという問題がある。また、80℃以上の高温域においては著しい劣化がみられたり、電解質膜の乾燥によりプロトン伝導性が著しく低下したりするといった不具合もみられる。さらに、含水により膨潤して大きな寸法変化を示すために、起動・停止(加湿・乾燥)の繰り返しにおいて電解質膜上に形成した触媒層が剥離するという問題も生じる。これらの欠点を補うために、高分子電解質膜に高分子繊維や無機粒子などのフィラーを埋め込むことで、高温条件下での保水性を増したり、寸法変化を抑制したりという工夫が提案されている(例えば特許文献1〜2)。
特開2003−157862号公報
特開平6−111827号公報
しかし、高分子電解質膜の内部にフィラーを埋め込むことにより、耐熱性の向上や機械強度の向上、保水性の向上など一定の性能向上が見られる一方で、フィラー成分が凝集したり、電解質膜内部に不均一に分布したりすることにより、期待された性能が十分に発揮されていない可能性がある。また、上記フィラー成分同士は強固な結合を形成するわけではないため、電解質材料の膨潤を十分に抑制できているとはいいがたい。さらに、従来のプロトン伝導性材料として用いられる高分子材料は化学的安定性に乏しく、燃料電池発電により副生する酸によって著しく劣化する現象が重要な問題点として指摘されている。
本発明は、上記課題を解決するため、均一な分布と強固な構造を持ち、寸法安定性とガスバリア性の高いプロトン伝導性電解質膜とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池を提供する。
本発明のプロトン伝導性電解質膜は、多孔質基材と、前記多孔質基材の外表面及び細孔内壁に被覆された酸化物薄膜とを含むプロトン伝導性電解質膜であって、
前記酸化物薄膜は、末端にプロトン伝導性官能基を持つ分子鎖により表面修飾されていることを特徴とする。
前記酸化物薄膜は、末端にプロトン伝導性官能基を持つ分子鎖により表面修飾されていることを特徴とする。
本発明の電解質膜−触媒層接合体は、前記電解質膜の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層が形成されていることを特徴とする。
本発明の電解質膜−電極接合体は、前記電解質膜の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層と電極基材からなる電極が形成されていることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、前記電解質膜−電極接合体を用いた燃料電池である。
本発明によれば、寸法安定性と化学的安定性に優れたプロトン伝導性電解質膜を得ることができる。また、酸化物薄膜により被覆された多孔質基材が存在することにより、電解質膜の構造・形状が保持され、加湿に際して大きな形状変化を示すことがなく、加湿・乾燥を繰り返し行った際、電解質膜上に形成された触媒層の剥離を抑制できる。さらに、化学耐性の強い酸化物薄膜により多孔質基材を被覆することにより、燃料電池発電において副生する酸による劣化が抑制される。また、保水性の高い酸化物薄膜により多孔質基材を被覆することにより、高温運転における電解質膜の乾燥が抑制され、より高温での発電性能の向上効果が得られる。さらに、液体燃料を用いる直接メタノール燃料電池での使用においても、アノード側からカソード側へのメタノール水溶液のクロスオーバーを抑制し、発電性能の低下を防ぐ効果を示す。また、多孔質基材を被覆する酸化物薄膜の存在が多孔質基材の燃料および酸化剤への暴露を予防するため、多孔質基材の化学耐性を考慮する必要がなく、コストダウンに有利な安価な材料を用いることが可能となる。
本発明に使用される多孔質基材は、有機材料、無機材料、有機−無機複合材料、金属材料などさまざまな材料から任意に選択することができる。例えば、フィブリル構造をもつ高分子繊維材料からなる膜や、細密充填構造をなすセラミックス粒子の積層体からなる膜、金属微粒子からなる焼結体、あるいはこれらの組み合わせからなる膜など、あらゆる多孔質材料を基材として用いることができる。ただし、酸化物薄膜による被覆やプロトン伝導性官能基を持つ分子鎖による表面修飾処理を施す必要があるため、細孔径は10nm以上であることが好ましい。また、細孔径が大きすぎると燃料および酸化剤のクロスリークにより発電性能が低下するため、細孔径は200nm以下であることが好ましい。例えば、酸化物薄膜により被覆された状態で、10nm〜100nm程度の平均細孔径をもつ多孔体であることが望ましい。また、上記多孔質基材の細孔は、プロトン伝導パスを形成する部位であるため、膜を貫通する細孔構造を有することが望ましい。
上記多孔質基材の外表面及び細孔内壁を被覆した酸化物薄膜は、機械強度および化学耐性に優れ、膨潤による寸法変化を抑制し燃料電池発電において副生する酸による劣化を抑制する効果がある。また、上記酸化物薄膜は、例えば、原材料となる金属塩の溶液に上記多孔質基材を浸漬することで形成され、従来の酸化物材料の合成のように高温での焼成処理を必要としないため、容易で安全かつ安価に酸化物薄膜により被覆することが可能である。また、本発明では、多孔質基材が酸化物薄膜により保護されるため、化学的安定性や機械強度が劣る多孔質基材を使用することもできる。したがって、材料選択の幅が広がりコストダウンにも貢献できる。上記酸化物薄膜の厚さは、薄すぎると分布が不均一になり、燃料や酸化剤の浸透により多孔質基材が劣化する恐れがあり、厚すぎると柔軟性が損なわれ割れや破損の原因となるため、適正な範囲内の厚さであることが望ましい。例えば、上記酸化物薄膜は10nm〜1000nmの厚さであることが望ましい。
上記酸化物薄膜を表面修飾する分子鎖は、末端にプロトン伝導性官能基を持つ分子鎖であり、放射線グラフト、吸電子付加反応、脱水縮重合などの公知の手法により上記酸化物薄膜表面に付与された分子鎖である。前記プロトン伝導性官能基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等であればよい。
本発明のプロトン伝導性電解質膜は、前記多孔質基材の細孔に充填されたプロトン伝導性電解質材料を更に含むことが好ましい。より高いプロトン伝導性が得られるとともに、より高いガスバリア性が発現し、燃料あるいは酸化剤のクロスリークによる発電性能の低下を抑制できるからである。
前記プロトン伝導性電解質材料は、フッ素系プロトン伝導性高分子材料、炭化水素系プロトン伝導性材料、無機プロトン伝導性材料、有機−無機ハイブリッドプロトン伝導性材料、イオン液体、およびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。フッ素系プロトン伝導性高分子材料としては、ナフィオン(商品名)、フレミオン(商品名)、アシプレックス(商品名)等がある。炭化水素系プロトン伝導性材料としては、リン酸含浸ポリベンズイミダゾール、アルキルスルホン酸含浸ポリベンズイミダゾール、スルホン化4-フェノキシベンゾイル-1,4-フェニレン(SPBP)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スチレン−エチレン/ブチレン/エチレンブロック共重合体等がある。無機プロトン伝導性材料としては、酸化タングステンや酸化スズの水和物などの金属水和酸化物、SiO2-H3PO4やSiO2-TiO2-P2O5などの多元系シリカ、TiO2-H3PO4などの金属リン酸化合物、リンタングステン酸やリンモリブデン酸などのヘテロポリ酸複合体、CsHSO4やCsH2PO4などの無機酸素酸塩などが例示できる。有機−無機ハイブリッド材料としては、シリカとポリエチレンオキシド(PEO)やポリプロピレンオキシド(PPO)、またはポリテトラメチレンオキシド(PTMO)などのポリエーテルポリマーからなるハイブリッド材料や、さらにこれらにタングストリン酸などの固体酸を添加したものが例として挙げられる。イオン液体としては、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMI-TFSI)や1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフレート(EMI-Tf)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム フルオロヒドロジェネレート(EMIm(HF)nF)などが例として挙げられる。
以下、本発明に係るプロトン伝導性電解質膜について図面を参照しつつ説明する。
図1Aは、本発明に係るプロトン伝導性電解質膜の断面を示す模式図であり、図1Bは、図1AのX部の拡大図である。図1A,Bに示すように、プロトン伝導性電解質膜1は、多孔質基材11と、多孔質基材11の外表面11a及び細孔10の内壁11bを被覆する酸化物薄膜12とを含む。そして、図1Bに示すように、酸化物薄膜12は、末端にプロトン伝導性官能基(X)を持つ分子鎖(RX)により表面修飾されている。
図2は、上記酸化物薄膜12の表面の一部を拡大した模式図である。なお、図2は概念を示すことを主旨としており、結合手の数や結合角などは正確性に欠ける場合がある。図2に示す酸化物薄膜12の表面には多数のシラノール基が存在しており、その一部が、プロトン伝導性官能基(X)を有する分子鎖(RX)を持つシラン化合物とシロキサン結合を形成することにより、酸化物薄膜12が表面修飾されている。上記シラン化合物は、炭素数が1から10程度、より好ましくは炭素数が3から6程度の直鎖状もしくは側鎖を持つ炭化水素分子鎖をもち、前記炭化水素分子鎖は、その一部もしくは全ての水素原子がフッ素に置換されていてもよい。炭素数が少なすぎると、プロトン伝導性官能基部位の易動度が低下するためプロトンホッピングの頻度が低下するおそれがあり、炭素数が多すぎると、分子鎖自身がプロトンホッピングの障害となるため、炭素数は適切な範囲にあることが望ましい。また、前記炭化水素分子鎖は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、などのプロトン伝導性官能基からなる群から選択される1つ以上のプロトン伝導性官能基をもっていればよい。酸化物薄膜12がプロトン伝導性官能基(X)を有する分子鎖(RX)により表面修飾されていることにより、高いプロトン伝導性を発揮する。また、上記分子鎖(RX)は、例えばプロトン伝導性を示さない官能基を持つ分子鎖にて酸化物薄膜12を表面修飾した後に、酸化処理などの処置を施すことによりプロトン伝導性官能基が付与された分子鎖(RX)となってもよい。例えば、プロトン伝導性官能基(X)が-SO3H基の場合、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランのように末端に-SH基を持つ分子鎖を持つシランをシロキサン結合により酸化物薄膜12の表面に付与した後に、上記-SH基を酸化処理により-SO3H基としてもよい。また、n-プロピルトリメトキシシランのようにアルキル基を持つシランをシロキサン結合により酸化物薄膜12の表面に付与した後に、スルホン化剤により-SO3H基を付与してもよい。ここでは、プロトン伝導性官能基(X)を持つ分子鎖(RX)の付与方法に関して、シロキサン結合の形成による表面修飾について例示したが、放射線グラフト、吸電子付加反応、脱水縮重合などの公知の手法により表面修飾してもよい。
また、本発明のプロトン伝導性電解質膜は、図3の模式図に示すように、細孔10に充填されたプロトン伝導性電解質材料13を更に含んでいてもよい。ガスバリア性やプロトン伝導性の向上効果が得られるからである。
図4は、図1Aに示す本発明のプロトン伝導性電解質膜1を用いた電解質膜−触媒層接合体の断面を示す模式図である。図4に示すように、プロトン伝導性電解質膜1の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層4,4’が形成されている。
図5は、図1に示す本発明のプロトン伝導性電解質膜1を用いた電解質膜−電極接合体の断面図である。プロトン伝導性電解質膜1の上に触媒層4と電極基材5とからなる燃料極6が配置され、プロトン伝導性電解質膜1の下には触媒層4’と電極基材7とからなる空気極8が配置されている。そして、これらの両外側にさらにリブ付きセパレータおよび集電板(図示せず)が配置されることによって、単セル(燃料電池)が構成される。プロトンは燃料極6から電解質膜1内を通過して空気極8に流れる。また、電子は燃料極6から外部回路を介して空気極8に流れる。これにより燃料極6と空気極8との間に電気が流れる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
多孔質基材には、平均細孔径が100nm、厚さが約100μmであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブレンフィルター(ADVANTEC社製H010A090C)を用いた。六フッ化珪酸アンモニウム(関東化学)の0.1mol/L水溶液およびホウ酸(関東化学)の0.2mol/L水溶液を調製し、それぞれ0.15mLずつ混合した溶液に上記多孔質基材を浸漬し、60℃で10時間浸漬処理した。その結果、上記多孔質基材にシリカ薄膜による被覆を施した。
続いて、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東京化成)のトルエン(キシダ化学)溶液を調製し、シリカ薄膜により被覆された上記多孔質基材を浸漬し、100℃で20時間還流することにより表面修飾を行った。その後、3%過酸化水素水溶液(ナカライテスク製、30%過酸化水素水を希釈)に浸漬し、60℃で2時間酸化処理を施すことで、スルホン酸基を有する分子鎖により修飾されたシリカ薄膜により被覆されたPTFEフィルムを作製した。このシリカ薄膜により被覆されたPTFEフィルムは、インピーダンス法(Solartron社製SI 1255使用)により測定した室温100%RHでのプロトン伝導率が、8x10-4S/cmであった。
1 プロトン伝導性電解質膜
4,4’ 触媒層
5,7 電極基材
6 燃料極
8 空気極
10 細孔
11 多孔質基材
12 酸化物薄膜
13 プロトン伝導性電解質材料
4,4’ 触媒層
5,7 電極基材
6 燃料極
8 空気極
10 細孔
11 多孔質基材
12 酸化物薄膜
13 プロトン伝導性電解質材料
Claims (5)
- 多孔質基材と、前記多孔質基材の外表面及び細孔内壁を被覆する酸化物薄膜とを含むプロトン伝導性電解質膜であって、
前記酸化物薄膜は、末端にプロトン伝導性官能基を持つ分子鎖により表面修飾されていることを特徴とするプロトン伝導性電解質膜。 - 前記多孔質基材の細孔に充填されたプロトン伝導性電解質材料を更に含む請求項1に記載のプロトン伝導性電解質膜。
- 請求項1又は2に記載の電解質膜の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層が形成されていることを特徴とする電解質膜−触媒層接合体。
- 請求項1又は2に記載の電解質膜の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層と電極基材からなる電極が形成されていることを特徴とする電解質膜−電極接合体。
- 請求項4に記載の電解質膜−電極接合体を用いた燃料電池。
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JP2006239299A JP2008065988A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | プロトン伝導性電解質膜とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池 |
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-
2006
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