JP2008064832A - 電子写真転写用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】複写機等で加熱されてもヒートカールの発生を抑制できる電子写真転写用紙を提供する。
【解決手段】表層と裏層に2分割した状態において、一方の層の澱粉含有量が他方の層の澱粉含有量よりも多くなっており、一方の層は、塗工前の原紙において、加熱した時に収縮率の小さい層である。原紙において加熱した時の収縮率の小さい層の澱粉含有率が高くなるように調整されているから、電子写真を転写する機械によって加熱されたときに、収縮率の小さい層に含まれる澱粉から蒸発する水分量は、他方の層に含まれている澱粉からの蒸発量よりも多くなる。すると、原紙の状態で加熱されたときに比べて、収縮率の小さい層と他方の層との収縮率の差を小さくできるから、ヒートカールの発生を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真転写用紙に関する。電子写真とは、光電導性材料の表面を均一に帯電させ、露光して生じた静電潜像を着色微粒子などで物理的に現像し、支持体上に可視像を作る写真のことであり、電子写真転写用紙とは、可視像が形成される支持体として使用される用紙のことである。
本発明は、かかる電子写真の支持体に適した電子写真転写用紙に関する。
電子写真技術は事務用複写機等に広く応用されており、かかる事務用複写機等による可視像の転写の際には、着色微粒子に該当するトナーを転写用紙の紙面に付着させた後、圧力ロールと加熱ロールの間で熱圧力定着を行うことにより転写用紙にトナーが固定される。熱圧力定着の際転写用紙が加熱されるため、転写後の転写用紙がヒートカールする現象が生じるのであるが、ヒートカールの程度が大きくなると事務用複写機等の内部において紙の走行トラブルが発生し易くなる。
かかるヒートカールを防止するために、従来はチップの樹種、パルプの繊維長(叩解度)、繊維配向性、紙水分等の調整が行われていた。しかし、近年では転写用紙にも古紙が使用されており、古紙配合率の高い紙になると、樹種や叩解度を所望の状態に調整することが難しく、ヒートカールを抑制することが困難となっている。
近年、ヒートカールを防止する技術として、以下のごとき技術が開発されている(例えば、特許文献1,2(従来例1,2))。
従来例1の技術は、表面サイズプレスの方式としてゲートロールコーター方式(GRC方式)を採用し、アルデヒド基を生成官能基とする酸化澱粉を糊液とする表面サイズプレス液を紙の表面に塗布することによってヒートカールを防ぐ技術であり、表面サイズプレス液を上記のごときものとすること、表面サイズプレス液の濃度を10〜14重量%に調整したこと、および、メタリングロール回転比を60〜80%の範囲で調節することに特徴を有するものである。
また、従来例2の技術は、紙を表層と裏層との2層に均等又はほぼ均等に分割したときに、各層間の離解濾水度差が30ml以下となるように調整したこと、に特徴を有する技術である。
しかるに、従来例1の技術は塗工する澱粉液の紙層内部への浸透を促進することにより紙層を均一化すること、従来例2の技術は濾水度の表裏差を少なくすること、すなわち紙質を均一化することにそれぞれ主眼をおいてヒートカールを防止しようとするものであるが、十分にヒートカールを防止することはできていなかった。
特開2002−348798号 特許3370737号
本発明は上記事情に鑑み、複写機等で加熱されてもヒートカールの発生を抑制できる電子写真転写用紙を提供することを目的とする。
第1発明の電子写真転写用紙は、表層と裏層に2分割した状態において、一方の層の澱粉含有量が他方の層の澱粉含有量よりも多くなっており、前記一方の層は、塗工前の原紙において、加熱した時に収縮率の小さい層であることを特徴とする。
第2発明の電子写真転写用紙は、表層と裏層に2分割した状態において、一方の層の澱粉含有量が他方の層の澱粉含有量よりも多くなっており、前記一方の層は、表層と裏層のうち、フリーネスが高い層であることを特徴とする。
本発明の電子写真転写用紙は、原紙において加熱した時における収縮率の小さい層の澱粉含有率が高くなるように調整されているから、電子写真を転写する機械によって加熱されたときに、収縮率の小さい層に含まれる澱粉から蒸発する水分量は、他方の層に含まれている澱粉からの蒸発量よりも多くなる。すると、原紙の状態で加熱されたときに比べて、収縮率の小さい層と他方の層との収縮率の差を小さくできるから、ヒートカールの発生を抑えることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の電子写真転写用紙は、紙を表層と裏層に2分割した状態において、澱粉の含有量に差が生じるように塗工されたものであり、表面処理剤を塗工する前の原紙を2層分割した状態において、水分の蒸発に伴う紙の収縮率が小さい層に対して、澱粉含有量が多くなるように塗工されたものである。
なお、本発明の電子写真転写用紙に塗工される表面処理剤は、澱粉を主成分とするものであり、澱粉に加えて、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイド、ラテックス、オレフィン系、スチレンアクリル系等の各種サイズ剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート等の導電剤、保湿剤などを使用してもよい。澱粉は、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等であるが、特に限定はない。
電子写真転写用紙はその水分率が高くなると、転写時に加熱されたときに放湿する水分量が多くなり紙の収縮が大きくなるため、ヒートカールの発生を抑えることが困難になる。
一方、電子写真転写用紙はその水分率が低くなると、転写時に加熱されたときに放湿する水分量が小さくなり紙の収縮も小さくなるので、原紙の水分率が少ない方がヒートカールの発生を防ぐ上では好ましいが、保管時に紙が空気中の水分を吸収し波うちを起こしやすくなるし、紙同士の摩擦による静電気が発生しやすくなるため、転写時に紙詰まりを起こしやすくなる。
したがって、電子写真転写用紙の水分率が3.0%〜6.0%となるように調整されていることが望ましい。なお、電子写真転写用紙の水分率は、紙の水分試験方法(JIS P8127)により測定された水分率である。
通常、電子写真転写用紙(以下、単に転写用紙という)をコピー機やプリンタ等の複写機においてトナーの熱圧力定着を行えば、転写用紙が加熱されることによって転写用紙に含まれる水分が、紙の表面および裏面から蒸発する。この紙の表面および裏面からの水分の蒸発に伴い紙は収縮するのであるが、この水分の蒸発に伴う紙の収縮率が表面と裏面で異なる場合には、収縮率の大きな面を内側にするように転写用紙がヒートカールしてしまう。
本発明の転写用紙では、紙を表層と裏層に2分割した状態において、水分の蒸発に伴う紙の収縮率が小さい層に対して澱粉含有量が多くなるように塗工されている。このため、原紙において水分の蒸発に伴う紙の収縮率の大きい側では澱粉からの水分蒸発量が少なくり、原紙において水分の蒸発に伴う紙の収縮率の小さい側では澱粉からの水分蒸発量が多くなるので、転写用紙が加熱されたときにおける表層と裏層の収縮率がほぼ同程度になるので、ヒートカールを抑えることができるのである。
なお、表面塗工剤の表裏合計の塗工量が多くなり過ぎると、転写時に加熱されたときに放湿する水分量が大きくなるため、ヒートカールの調整が難しくなる。一方、転写用紙の強度を得るために最低限の量は表面処理剤を塗工しなければならない。具体的には、表面処理剤の塗工量は固形分重量(例えば、酸化澱粉など)で、0.1〜2.0g/m程度が好ましい。
したがって、表面処理剤が塗工された転写用紙において、表層と裏層に含有される澱粉の量の比は、各層に含まれる澱粉含有量(重量)をそれぞれA、B(B>A)とすると、B/Aの値が、1.10〜1.40であることが好ましく、原紙を加熱したときヒートカールが少ない場合であれば、B/Aの値が、1.10〜1.25であることが好ましい。
B/Aの値が1.40よりも大きい場合には、転写直後のヒートカールを防止することはできるものの、塗工量が少ない面から水分を吸収しやすくなるため転写後保管している間にカールが発生しやすくなる。
さらになお、原紙が2分割された状態とは、表層と裏層の2層になるように紙が分割された状態であり、紙は、その質量が表層と裏層でほぼ同等となっている状態をいう。ここで、紙を2層に分割する方法としては、粘着テープを紙に貼り付けて剥がすことによって紙を2層に分割する方法や、紙を湿潤状態にして冷凍剥離させる方法(シートスプリッター:熊谷理機工業製)などがあるが、紙を2層に分割する方法はとくに限定されない。
また、原紙において加熱したときの表層と裏層の収縮率の差に代えて、原紙または塗工後の転写用紙(例えば、最終製品)を表層と裏層に2分割したときにおける、各層のフリーネスを比較することでも、加熱したときに収縮率の大きい層を判断することができる。
なぜなら、水分の蒸発による紙の伸縮は、繊維間結合による繊維一本一本の伸縮が紙全体に伝達して起こるのであるが、相対的にフリーネスの高い紙、すなわち繊維が長く太い紙では繊維間結合が少ないので、紙の伸縮は小さくなる。つまり、フリーネスが高ければ加熱したときの収縮率が小さく、逆に、フリーネスが小さいければ加熱したときの収縮率が大きくなるという傾向を示すからである。
したがって、原紙または塗工後の転写用紙を表層と裏層に2分割したときにおけるフリーネスの高い層における表面処理剤の塗工量が、他方の層における表面処理剤の塗工量よりも多くなるように塗工されていれば、ヒートカールを抑えることができる。
とくに、フリーネスは塗工しても変化しないから、塗工後の転写用紙のフリーネスを調べるだけでも原紙のフリーネスを判断できる。
また、転写用紙を製造する場合において、表面処理剤の総塗工量、つまり、原紙の表面と裏面に塗工される表面処理剤の総量は表面処理剤の濃度や粘度によって調整することができるのであるが、本発明の転写用紙を製造する場合には、表面処理剤の総塗工量だけでなく、各層に含まれる澱粉含有量(重量)の比を上記のごとき範囲に調整する必要がある。塗工工程においてゲートロールコーターによって塗工する場合であれば、以下のようにすれば、原紙の表面と裏面に塗工される表面処理剤の塗工量をそれぞれ調整することができる。
まず、図2に基づいて、ゲートロールコーターを簡単に説明すると、ゲートロールコーターは6本のロールを備えており、3本のロールが一組で原紙Pに表面処理剤を塗工するように構成されている。図2において、符号1,4は、それぞれ原紙Pの表面裏面に対して表面処理剤を塗工するトップアプリケーターロールおよびボトムアプリケーターロールを示している。トップアプリケーターロール1およびボトムアプリケーターロール4の側方には、それぞれその外周面と接するようにトップメタリングロール2とボトムメタリングロール5が配置されており、トップメタリングロール2とボトムメタリングロール5の側方には、それぞれその外周面と接するようにトップファウンテンロール3とボトムファウンテンロール6が配置されている。
表面処理剤Dはトップメタリングロール2とトップファウンテンロール3との間に供給されており、トップメタリングロール2の表面に付着した後、トップアプリケーターロール1の表面に転写され、トップアプリケーターロール1から原紙Pに塗工される。また、ボトムメタリングロール5とボトムファウンテンロール6との間に供給された表面処理剤Dは、ボトムメタリングロール5の表面に付着した後、ボトムアプリケーターロール4の表面に転写され、ボトムアプリケーターロール4から原紙Pに塗工される。
上記のごときゲートロールコーターでは、原紙Pへの表面処理剤の塗工量はメタリングロール周速比によって調整される。メタリングロール周速比とは、アプリケーターロールの周速を100としたときにおけるメタリングロールの周速を示したものである。例えば、アプリケータロールの周速100に対してメタリングロールの周速が80であれば、メタリングロール周速比は80になる。
本発明の転写用紙を製造する場合において、例えば、トップアプリケーターロール1側の塗工量を多くする場合には、トップメタリングロール2のメタリングロール周速比をボトムメタリングロール5のメタリングロール周速比よりも大きくすればよい。
そして、トップアプリケーターロール1側の塗工量を多くする場合において、トップメタリングロール2のメタリングロール周速比をボトムメタリングロール5のメタリングロール周速比によって除した値が1.00〜1.25となるように調整されていれば、上述したB/Aの値を1.10〜1.40とすることができる。
また、原紙において、トップアプリケーターロール1側、ボトムアプリケーターロール4側のいずれが加熱したときに収縮率が小さい層であるかが予めわかっている場合であれば、収縮率が小さい層の側に表面処理剤Dを塗工するメタリングロールのメタリングロール周速比を、他方のメタリングロール周速比よりも大きくなるようにしておき、かつ、両メタリングロール周速比の割合が上記の範囲となるように調整しておけばよい。
さらに、トップアプリケーターロール1側、ボトムアプリケーターロール4側のいずれが加熱したときに収縮率が小さい層であるかが事前にはわからない場合でも、表層裏層に塗工する表面処理剤の塗工量を同程度にする、すなわち、トップメタリングロール2のメタリングロール周速比とボトムメタリングロール5のメタリングロール周速比を同じにして転写用紙を製造し、塗工が終了した紙からサンプリングし、このサンプリング紙をコピー機等に供給して印刷すれば、印刷された紙がヒートカールするので、カール方向を決定でき、収縮率が小さい層を把握することができる。カール方向とは、紙がヒートカールしたときに内面となる面が位置する方向であり、この内面がカール方向側に位置する面になる。
したがって、ヒートカールしたときに外面側に位置する層が収縮率が小さい層となる。そして、ヒートカールしたときに収縮率が小さい層を含む面(カール方向と逆側に位置する面)における塗工量を増やす、又は、収縮率の大きい層を含む面(カール方向側に位置する面)の塗工量を減らせば、ヒートカールを抑制することができる。
また、カール方向と逆側に位置する面における塗工量を増やすだけでなく、他方の面への塗工量を減らせば、ヒートカールの抑制効果を高めることができる。
なお、メタリング比の調節には操業上の限界があり、メタリング周速比を小さくしすぎるとアプリケーターロールとメタリングロールの周速差による摩擦が大きくなり、アプリケーターロールの表面が損傷してしまう。一方、メタリング周速比を大きくしすぎると、表面処理剤がアプリケーターロールに均一に転写されないため、表面処理剤の塗布が均一にならない。
また、メタリング周速比が大きくなると表面処理剤が飛散するミスティング現象が起こる。これは、表面処理剤がミスト状となりゲートロールコーターの様々な部位に付着して、粕を形成する現象であり、この粕が紙の上に落下すると紙切れを起こしたり、製品に澱粉粕が紛れ込み不良品となってしまう。
上記のごとき問題が発生することを防ぐためには、メタリング周速比は、60〜80の範囲に設定するのが好ましい。
本発明の転写用紙のヒートカール抑制効果を確認するために、以下の条件で転写用紙を製造した。
(1)実施例1の転写用紙
原料パルプ:新聞古紙脱墨パルプ(330mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ(405mlCSF)を70:30の重量割合で混合したもの
内添薬品(パルプ100重量部に対する量):硫酸バンド2重量部、炭酸カルシウム8重量部、カチオン化澱粉(日本NSC株式会社製:CATO302)0.3重量部、ロジン系サイズ剤荒川化学工業株式会社製:商品名SPN−811)0.5重量部
塗工薬品:酸化澱粉(日本食品加工株式会社製、商品名MS3800)を濃度11%に調整したもの
塗工条件:ゲートロールコーターにて塗工し、メタリングロール周速比を、トップロール側のメタリングロール周速比76、ボトムロール側のメタリングロール周速比74としており、トップアプリケーターロールによって紙の表面を塗工し、ボトムアプリケーターロールによって紙の裏面を塗工している。なお、紙の表面裏面とは、抄紙機で抄紙されている状態における表面裏面を意味し、一般的には、紙が抄紙機のワイヤーパートからプレスパートへ移行する際に最初にフェルトが接する面が表面(F面)であり、その反対側の面が裏面(W面)である。
なお、転写用紙の坪量は64g/m、リール水分5.5%である。
また、CSFとは、カナダ標準ろ水度である。
(2)実施例2〜6および比較例1〜3の転写用紙
実施例2〜6および比較例1〜3の転写用紙は、メタリングロール周速比を変化させたこと以外の条件は実施例1と同等の条件で製造されたものである。
(3)実施例7〜9および比較例4、5の転写用紙
実施例7〜9および比較例4、5の転写用紙は、原料パルプを以下のように変更したことと、メタリングロール周速比を変化させたこと以外は、他の条件は実施例1と同等の条件で製造されたものである。
原料パルプ:新聞古紙脱墨パルプ(330mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ(405mlCSF)を30:70の重量割合で混合したもの
各転写用紙の澱粉含有量およびカール値、フリーネス(離解フリーネス)は、以下の方法によって測定している。
(フリーネスの測定)
転写用紙を粘着テープにより均等に2層に分割し、各層を標準離解機(JIS8209に準拠)にて、固形分濃度3%で25分間離解して、カナダ標準ろ水度を測定した。
(澱粉含有量の測定)
100mm×200mmのサイズのサンプルを2枚用意し、その内1枚について、澱粉を純水と塩酸で抽出し、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液KI-I2(7.5gのWakoよう化カリウム161-03987と5.0gのWakoよう素092-00405を1.0Lの純水に溶解させたもの)を加えて発色させた。そして吸光度計(HITACHI U-1500)により吸光度測定を行い、澱粉含有量x(g/m)を定量した。
次に、もう1枚のサンプルの質量を測定し、紙面をメンディングテープ(住友スリーエム株式会社製:製品名スコッチメンディングテープ:製品番号Cat No.810-1-18)で剥がして元の半分の質量の紙層を得た。そして、これについて上記と同様に澱粉含有量y(g/m)を定量した。さらに、澱粉含有量x(g/m)から澱粉含有量y(g/m)を引いてもう一方の紙層の澱粉含有量z(g/m)を求めた。
なお、内添された澱粉は紙層全体に均一に分散し、ヒートカールへの影響は無視できるものと考える。
(カール値測定方法)
抄紙機のリールからサンプルを採取し、A4サイズに裁断し、サンプル15枚の表面にXEROX DocuCentre 605(富士ゼロックス社製)によって印字を行い、印字したサンプルを重ね、一端を二本の指で持ち、軽くゆすって紙をカールさせた。そして、K=1/R×100の式で表されるカール値(K)を求めた。そして、カール値Kが、3以下の場合を合格と評価した。
ただし、R=曲率半径(cm)とし、その後、サンプルの裏面についても印字を行い、同様にヒートカールさせて、カール値Kを測定した。
なお、カール値は、紙の表面(F面)へのカール、つまり、表面を内側にしてカールするの場合をFカールとし、カール値Fが3の場合にはカール値をF3と表記し、紙の裏面(W面)へのカール、つまり、裏面を内側にしてカールするの場合をWカールとし、カール値Wが3の場合、カール値をW3と表記する。
図1に示すように、実施例1〜6では、トップメタリングロールのメタリングロール周速比Tをボトムメタリングロールのメタリングロール周速比Bによって除した比率(以下、単にT/B比率という)が、1.0〜1.25に保たれており、澱粉含有量の比率も、1.10〜1.40の範囲内に入っている。そして、実施例1〜6では、どの実施例も、F面に印字した場合のカール値(F面印字カール)およびW面に印字した場合のカール値(W面印字カール)が、Fカール、Wカールともカール値が3以下に保たれている。つまり、ヒートカールが十分に抑制されていることが確認できる。
一方、比較例1では、T/B比率は1.0に保たれているものの、澱粉含有量の比率が1.00となっており、また、比較例2、3では、T/B比率が1.0より小さく、また、澱粉含有量の比率も1.40より大きくなっている。そして、比較例1〜3いずれも、F面印字カールまたはW面印字カールのいずれかにおいて、Fカールのカール値またはWカールのカール値が3より大きくなっており、カールを抑制できていないことが確認できる。
図1に示すように、実施例7〜9では、ボトムメタリングロールのメタリングロール周速比Bをトップメタリングロールのメタリングロール周速比Tによって除した比率(以下、単にB/T比率という)が、1.0〜1.25に保たれており、澱粉含有量の比率も、1.10〜1.40の範囲内に入っている。そして、実施例7〜9では、どの実施例も、F面印字カールおよびW面印字カールのカール値が3以下に保たれている。つまり、ヒートカールが十分に抑制されていることが確認できる。
一方、比較例4では、B/T比率が1.0より小さく澱粉含有量の比率が1.40より大きくなっており、逆に、比較例5では、B/T比率が1.00であるが澱粉含有量の比率が1.00となっている。そして、比較例4、5いずれも、F面印字カールまたはW面印字カールのいずれかにおいて、Fカールのカール値またはWカールのカール値が3より大きくなっており、カールを抑制できていないことが確認できる。
表層と裏層の澱粉含有割合とカール値との関係を調べた結果を示した図である。 ゲートロールコーターの概略説明図である。
符号の説明
1 トップアプリケーターロール
2 トップメタリングロール
3 トップファウンテンロール
4 ボトムアプリケーターロール
5 ボトムメタリングロール
6 ボトムファウンテンロール
D 表面処理剤
P 原紙

Claims (2)

  1. 表層と裏層に2分割した状態において、一方の層の澱粉含有量が他方の層の澱粉含有量よりも多くなっており、
    前記一方の層は、
    塗工前の原紙において、加熱した時に収縮率の小さい層である
    ことを特徴とする電子写真転写用紙。
  2. 表層と裏層に2分割した状態において、一方の層の澱粉含有量が他方の層の澱粉含有量よりも多くなっており、
    前記一方の層は、
    表層と裏層のうち、フリーネスが高い層である
    ことを特徴とする電子写真転写用紙。
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