JP2004151235A - 電子写真用エンボス紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真用エンボス紙において、低湿側の通紙を満足し、高湿側の画像も満足できる。
【解決手段】基材の一面に凸凹模様が付与され、その反対面のベック平滑度が15〜40秒、パッケージ内水分を4〜6%に調整。
【選択図】 図1
【解決手段】基材の一面に凸凹模様が付与され、その反対面のベック平滑度が15〜40秒、パッケージ内水分を4〜6%に調整。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置、静電記録装置等に用いられる電子写真用転写紙に関し、更に詳しくは、片方の面に凹凸模様があり、それが通常エンボス紙といわれるもので画像形成を行う装置において、その転写紙が低湿側及び高湿側での通紙搬送性を十分に満足し、更に画像においても印刷並の画像が得られことが可能な電子写真用転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式におけるカラー記録装置においてはデジタル化が進み、様々な分野に使用できるようになってきた。それに伴い、転写材に対する要求も高くなり、従来印刷用に用いられた転写材も使用可能であることが前提となっている。特に、印刷用で需要が高かった案内状、招待状、カタログ、パンフレット等に用いられていた、エンボス紙の使用においても要求が高くなってきた。
【0003】
しかし、エンボス紙を用いる場合、エンボス加工による表面の凹凸が非常に画像に不具合を生じたり、また、様々な環境化で用いられるために表裏の表面積差によるカールが非常に大きく、通紙が困難となっている。
【0004】
特開平10−177270号公報ではそのような凹凸を考慮して、裏面の平滑化が提案されている。しかし、この場合、裏面を平滑化しすぎると、表面の凹凸に対して、裏面が平滑になりすぎ、環境によってはカールの量が大きくなりすぎ、電子写真装置内に通紙が困難となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明表面に凹凸模様が付与されている電子写真用紙においてある環境下で紙のカール量を抑え、パッキング袋から紙を出してすぐにカールが発生しない電子写真用写エンボス紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は紙を主体とする基材の一面に凹凸の模様が付与されている電子写真用紙において、その反対面のペック平滑度15秒から40秒未満でパッケージ内水分量を4〜6%に調整したことを特徴とする電子写真用エンボス紙である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面を用いて以下に説明する。
【0008】
図1は本発明に関する電子写真用エンボス紙の層構成を示す概略図である。11は転写材1基材であって、中質あるいは上質の普通紙である。坪量は30〜300g/m2が好ましく、45〜250g/m2の方がより好ましい。
【0009】
12はエンボス加工を示した層である。この場合、エンボス加工を付与する方法としては、例えば、梨地、布目、網目等の彫刻模様を有する金属ロールと弾性ロールとのニップ間に原紙を通引してエンボス加工したもの、あるいは抄紙機の乾燥工程で使用するフェルトに特有の織り模様を有するフェルトを使用し、ワイヤーパートからドライパートに進行してきた湿潤原紙に該フェルト模様を付与したもの等、種々の凹凸模様を付与する。その凹凸を明確にするため、通常糊材が使用される。その糊材としてlま特定するものではないが、澱粉糊よりは合成糊、特に水溶性で個化すると水溶性でなくなるものを使用するとよい。
【0010】
具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコール等のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、その他多くの樹脂の単体、共重合体の溶液、エマルジョン、デイスパージョンなどの水系樹脂溶液及び、水系樹脂エマルジョンが挙げられる。
【0011】
13は反対面側の層であり、通常通紙搬送性を考えて平滑化処理を施されている。ペック平滑度(JTAPPI.No.5B法)では15秒以上、40秒未満が良い。15秒未満では電子写真における吸着性を満足できず、また40秒より高くなると表裏の表面積差が大きくなりカールを制御できず、電子写真装置内の通紙搬送性を満足できない。また、この平滑度を満足するためには、塗工層をもうけることが一般的である。
【0012】
塗工樹脂としては顔料を用いた場合を考慮し、ブロッキング性が少ない水溶性接着剤或いはエマルジョンラテックスを単独又は混合して使用することができる。例えば、ポリビニールアルコール、澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、スチレンアクリル樹脂、スチレン−ブタジエンラテックスなどの一般的接着剤でよい。また、ブロッキングの発生を抑えたり、不透明度を上げるために顔料を混入してもよい。顔料としては、印刷用塗工紙を構成するための一般的なものでよい。例えば、公知のカオリン、デラミカオリン、焼成クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、シリカ、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、サチンホワイト、二酸化チタン、酸化、亜鉛、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、パイオフィライトクレー、プラスチックピグメント等の一種または二種以上が適宜使用されている。
【0013】
また裏面例の樹脂の塗工方法としては、一般の塗工方法行えばよい。例えば、オフマシーン塗工においては、ブレード塗工、エアナイフ塗工、ロール塗工、バー塗工などの塗工方式、シルクスクリーン塗工、また、オンマシンコ一ターであるゲートロール塗工を行った場合、カレンダーは行わず、あるいは通常よりも低い圧力で行う必要がある。これらは上記平滑度内におさえるため、一般の印刷用コート紙よりはかなり平滑化処理を低くする必要がある。
【0014】
次に、図2は本発明に用いられるカラー複写機の内部構成を示す側面図である。給紙用トレイ201、202、203の上部にある給紙用ローラー204、205、206で一枚ずつ抜き出された転写材が点線の矢印方向に搬出され、次いで吸着ブラシ208に電流を流したことによって転写ドラム207に静電吸着させられる。また同様にして手差し給紙用トレイ209の給紙用ローラー210から搬出された転写材も転写ドラムに静電吸着させる。
【0015】
また、感光ドラム211が図のような位置にあり、その傍らにイエロー現像器212、マゼンタ現像器213、シアン現像器214、ブラック現像器215がある。上記で静電吸着された転写材は、4色の現像器で形成された画像が転写ドラム207側に転写ブラシ216によって転写されるまで矢印方向に回転している。
【0016】
4色転写が終了すると、転写ドラム207上に転写材は分離帯電器217によって、転写ドラム207から分離され、点線の矢印方向に搬送され、定着器218で熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリントが形成される。
【0017】
紙の水分量に関してはJISD8127に定められる方法で紙をハ゜ッキンク゛した状態で紙を一枚取り出して測定する。
【0018】
パッキング内水分量が4%をきると高湿環境(例えば75%)ですぐに波打ちを初め、転写ドラムに吸着させた際に浮き部分を生じ、そこに画像が形成できず画像不良を起こす。
【0019】
波打ちの測定値としては図2に示すようにパッケージから紙を出して3分後の紙の波打った部分の最大値を測定する。
【0020】
波打ち量として10mmを超えると厳しい。
【0021】
パッキング内水分量が6%を超えると低湿環境(例えば10%)ですぐにカールを始め、給紙不良を起こしたり、転写剥がれを起こし通紙搬送不良を起こす。カール量の測定としてはパッケージから紙を取り出さした3分後の紙の4角を測定し、その最大値をカール量とする。
【0022】
カール量としては10mmを超えると厳しい。
【0023】
凹凸面の表面固有抵抗(JIS K−6911)は23℃/60%環境で1×1010〜5×1012Ω/□である必要がある。1×10Ω/□未満となると転写した際に紙の表面抵抗が低すぎて、転写不良を起こす。また、5×1012Ω/□より大きくなると転写電流が足りなくなり転写不良を起こす。
【0024】
また、抵抗を上記の範囲内におさめるために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、スチレンーマレイン酸コポリマー、第四級アンモニウム塩の如き導電剤やアニオン系やカチオン系の帯電防止剤を用いてもよい。
【0025】
また、パーケージ内の転写材が、所定の水分量を維持するために、パッケージの透湿度(JIS Z0208の規定による透湿度)が15g/m2/24hr以下が好適である。
【0026】
このようなパッケージとしては、樹脂の包装材、アルミ蒸着紙、などが用いられる。パッケージの透湿度が15g/m2/24hrより大きい場合、日本の夏など湿度が高い環境に置かれると保存中に水分量が2〜3%増加してしまい、パッケージから取り出した際にカールが生じてしまうためである。
【0027】
(実施例1)
坪量150g/m2の上質紙を用いて、カオリン、酸化澱粉、ラテックス、NaOH、NaClを50.3部31.4部15.7部0.1部2.5部の比率で交ぜて乾燥重量が5g/m2になるようにディップコ一タ一により塗工し、乾燥して、梨地の彫刻模様を有する金属ロールと弾性ロールとのニップ間に通引してエンボス加工した。この梨地の凹凸模様が付与された原紙において裏面側にバーコ一タ一によってカオリン、澱粉、ラテックス、耐水化剤、滑剤を26部、40部、30部、2部、2部で交ぜて、バーコ一タ一にて塗工する。乾燥重量で2g/m2その際、裏面のペック平滑度は25秒であり、この転写材を23℃40%Rhの環境に約12時間放置してパッケージ内の水分量を5%に調整した。この状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は1×1011Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0028】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は3mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも4mmとなり画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。また、得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0029】
(実施例2)
坪量130g/m2の上質紙を用い裏面例の樹脂をカオリン、PVA、耐水化剤、滑剤を26部、70部、2部、2部で交ぜて塗工した以外実施例1と同様に転写材を製造した。裏面の平滑度は32秒。その際、この転写材を23℃/35%Rb環境に10時間放置し、パッケージ内水分量を4.5%とに調整した。この状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は5×1010Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0030】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は4mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも6mmとなり、画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0031】
(実施例3)
坪量130g/m2の上質紙を用いて表側の樹脂をカオリン、ラテックス、NaOH、NaClを50.3部47.1部0.1部2.5部、裏面側の樹脂をカオリン、ラテックス、耐水化剤、滑剤を26部、70部、2部、2部に変更した以外、実施例1と同様に転写材を製造した。裏面の平滑度は27秒。そのときの転写材を23℃/38%Rh環境に10時間放置し、パッケージ内水分量を4.8%に調整した。の状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は8×1010Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0032】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は3.5mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも5mmとなり、画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0033】
(比較例1)
実施例1において裏面の塗工を行わない以外、実施例1と同様の転写材を製造した。その際、パーケージ内水分も実施例1と同様に5%に調整した。裏面の平滑度は15秒。
【0034】
これを実施例1と同様に実機試験を行ったが、どの環境でも吸着不良が発生することがあった。
【0035】
(比較例2)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、その転写材を30℃/80%Rh環境に放置した。その際のパッケージ内水分量は8%となった。実施例1と同様な実機試験を行ったが、低湿環境でカールが50mmにもなり、給紙不可能となった。また、無理に給紙させたとしても、吸着不良が多発した。
【0036】
(比較例3)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、乾燥工程を2回に増やし過乾燥を行って、パッケージ内水分量を2%にした。実施例1と同様な実模試験を行ったが、高湿側での波打ちによる画像不良が発生し、吸着状態を観察しても、転写材が転写ドラムにきれいにはりついていない。
【0037】
(比較例4)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、裏面の平滑度を上げるためにカレンダー処理を行い裏面の平滑度を60秒とした。その転写材を23℃/40%Rh環境に放置し、パッケージ内水分量を5%とした。
【0038】
実施例1と同様な試験を行ったが、表面の凹凸と裏面の平滑の関係が悪く、低湿側でのカールが30mmとなった。そのため、給紙はなんとかできるが、転写ドラムに対する吸着不良が多発した。
【0039】
(比較例5)
実施例1においてNaClの量を2倍に増やす以外実施例1と同様な転写材を製造した。その時の転写側の表面固有抵抗は1×109Ω/□だった。実施例1と同様な試験を行った。その際、高湿側で転写電流が強すぎて、画像不良が発生した。
【0040】
(比較例6)
実施例1においてNaClを入れない以外実施例1と同様な転写材を製造した。そのときの転写材例の表面固有抵抗は1×1013Ω/□だった。実施例1と同様な試験を行った。その際、低湿側で転写電流が足りなくなり、画像不良が発生した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、パッケージから出しても様様な環境下で紙にカールが発生し難く、通紙搬送不良がなく、また、様々な環境下での画像不良も発生しない電子写真用エンボス紙を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボス紙の模式的断面図である。
【図2】本発明で用いられる電子写真放置の構成を示す図である。
【符号の説明】
11 基材
12 エンボス加工層
13 目止め層
201,202,203 給紙用トレイ
204,205,206 給紙用ローラー
207 転写ドラム
208 吸着ブラシ
211 感光ドラム
216 転写ブラシ
218 定着器
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置、静電記録装置等に用いられる電子写真用転写紙に関し、更に詳しくは、片方の面に凹凸模様があり、それが通常エンボス紙といわれるもので画像形成を行う装置において、その転写紙が低湿側及び高湿側での通紙搬送性を十分に満足し、更に画像においても印刷並の画像が得られことが可能な電子写真用転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式におけるカラー記録装置においてはデジタル化が進み、様々な分野に使用できるようになってきた。それに伴い、転写材に対する要求も高くなり、従来印刷用に用いられた転写材も使用可能であることが前提となっている。特に、印刷用で需要が高かった案内状、招待状、カタログ、パンフレット等に用いられていた、エンボス紙の使用においても要求が高くなってきた。
【0003】
しかし、エンボス紙を用いる場合、エンボス加工による表面の凹凸が非常に画像に不具合を生じたり、また、様々な環境化で用いられるために表裏の表面積差によるカールが非常に大きく、通紙が困難となっている。
【0004】
特開平10−177270号公報ではそのような凹凸を考慮して、裏面の平滑化が提案されている。しかし、この場合、裏面を平滑化しすぎると、表面の凹凸に対して、裏面が平滑になりすぎ、環境によってはカールの量が大きくなりすぎ、電子写真装置内に通紙が困難となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明表面に凹凸模様が付与されている電子写真用紙においてある環境下で紙のカール量を抑え、パッキング袋から紙を出してすぐにカールが発生しない電子写真用写エンボス紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は紙を主体とする基材の一面に凹凸の模様が付与されている電子写真用紙において、その反対面のペック平滑度15秒から40秒未満でパッケージ内水分量を4〜6%に調整したことを特徴とする電子写真用エンボス紙である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面を用いて以下に説明する。
【0008】
図1は本発明に関する電子写真用エンボス紙の層構成を示す概略図である。11は転写材1基材であって、中質あるいは上質の普通紙である。坪量は30〜300g/m2が好ましく、45〜250g/m2の方がより好ましい。
【0009】
12はエンボス加工を示した層である。この場合、エンボス加工を付与する方法としては、例えば、梨地、布目、網目等の彫刻模様を有する金属ロールと弾性ロールとのニップ間に原紙を通引してエンボス加工したもの、あるいは抄紙機の乾燥工程で使用するフェルトに特有の織り模様を有するフェルトを使用し、ワイヤーパートからドライパートに進行してきた湿潤原紙に該フェルト模様を付与したもの等、種々の凹凸模様を付与する。その凹凸を明確にするため、通常糊材が使用される。その糊材としてlま特定するものではないが、澱粉糊よりは合成糊、特に水溶性で個化すると水溶性でなくなるものを使用するとよい。
【0010】
具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコール等のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、その他多くの樹脂の単体、共重合体の溶液、エマルジョン、デイスパージョンなどの水系樹脂溶液及び、水系樹脂エマルジョンが挙げられる。
【0011】
13は反対面側の層であり、通常通紙搬送性を考えて平滑化処理を施されている。ペック平滑度(JTAPPI.No.5B法)では15秒以上、40秒未満が良い。15秒未満では電子写真における吸着性を満足できず、また40秒より高くなると表裏の表面積差が大きくなりカールを制御できず、電子写真装置内の通紙搬送性を満足できない。また、この平滑度を満足するためには、塗工層をもうけることが一般的である。
【0012】
塗工樹脂としては顔料を用いた場合を考慮し、ブロッキング性が少ない水溶性接着剤或いはエマルジョンラテックスを単独又は混合して使用することができる。例えば、ポリビニールアルコール、澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、スチレンアクリル樹脂、スチレン−ブタジエンラテックスなどの一般的接着剤でよい。また、ブロッキングの発生を抑えたり、不透明度を上げるために顔料を混入してもよい。顔料としては、印刷用塗工紙を構成するための一般的なものでよい。例えば、公知のカオリン、デラミカオリン、焼成クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、シリカ、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、サチンホワイト、二酸化チタン、酸化、亜鉛、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、パイオフィライトクレー、プラスチックピグメント等の一種または二種以上が適宜使用されている。
【0013】
また裏面例の樹脂の塗工方法としては、一般の塗工方法行えばよい。例えば、オフマシーン塗工においては、ブレード塗工、エアナイフ塗工、ロール塗工、バー塗工などの塗工方式、シルクスクリーン塗工、また、オンマシンコ一ターであるゲートロール塗工を行った場合、カレンダーは行わず、あるいは通常よりも低い圧力で行う必要がある。これらは上記平滑度内におさえるため、一般の印刷用コート紙よりはかなり平滑化処理を低くする必要がある。
【0014】
次に、図2は本発明に用いられるカラー複写機の内部構成を示す側面図である。給紙用トレイ201、202、203の上部にある給紙用ローラー204、205、206で一枚ずつ抜き出された転写材が点線の矢印方向に搬出され、次いで吸着ブラシ208に電流を流したことによって転写ドラム207に静電吸着させられる。また同様にして手差し給紙用トレイ209の給紙用ローラー210から搬出された転写材も転写ドラムに静電吸着させる。
【0015】
また、感光ドラム211が図のような位置にあり、その傍らにイエロー現像器212、マゼンタ現像器213、シアン現像器214、ブラック現像器215がある。上記で静電吸着された転写材は、4色の現像器で形成された画像が転写ドラム207側に転写ブラシ216によって転写されるまで矢印方向に回転している。
【0016】
4色転写が終了すると、転写ドラム207上に転写材は分離帯電器217によって、転写ドラム207から分離され、点線の矢印方向に搬送され、定着器218で熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリントが形成される。
【0017】
紙の水分量に関してはJISD8127に定められる方法で紙をハ゜ッキンク゛した状態で紙を一枚取り出して測定する。
【0018】
パッキング内水分量が4%をきると高湿環境(例えば75%)ですぐに波打ちを初め、転写ドラムに吸着させた際に浮き部分を生じ、そこに画像が形成できず画像不良を起こす。
【0019】
波打ちの測定値としては図2に示すようにパッケージから紙を出して3分後の紙の波打った部分の最大値を測定する。
【0020】
波打ち量として10mmを超えると厳しい。
【0021】
パッキング内水分量が6%を超えると低湿環境(例えば10%)ですぐにカールを始め、給紙不良を起こしたり、転写剥がれを起こし通紙搬送不良を起こす。カール量の測定としてはパッケージから紙を取り出さした3分後の紙の4角を測定し、その最大値をカール量とする。
【0022】
カール量としては10mmを超えると厳しい。
【0023】
凹凸面の表面固有抵抗(JIS K−6911)は23℃/60%環境で1×1010〜5×1012Ω/□である必要がある。1×10Ω/□未満となると転写した際に紙の表面抵抗が低すぎて、転写不良を起こす。また、5×1012Ω/□より大きくなると転写電流が足りなくなり転写不良を起こす。
【0024】
また、抵抗を上記の範囲内におさめるために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、スチレンーマレイン酸コポリマー、第四級アンモニウム塩の如き導電剤やアニオン系やカチオン系の帯電防止剤を用いてもよい。
【0025】
また、パーケージ内の転写材が、所定の水分量を維持するために、パッケージの透湿度(JIS Z0208の規定による透湿度)が15g/m2/24hr以下が好適である。
【0026】
このようなパッケージとしては、樹脂の包装材、アルミ蒸着紙、などが用いられる。パッケージの透湿度が15g/m2/24hrより大きい場合、日本の夏など湿度が高い環境に置かれると保存中に水分量が2〜3%増加してしまい、パッケージから取り出した際にカールが生じてしまうためである。
【0027】
(実施例1)
坪量150g/m2の上質紙を用いて、カオリン、酸化澱粉、ラテックス、NaOH、NaClを50.3部31.4部15.7部0.1部2.5部の比率で交ぜて乾燥重量が5g/m2になるようにディップコ一タ一により塗工し、乾燥して、梨地の彫刻模様を有する金属ロールと弾性ロールとのニップ間に通引してエンボス加工した。この梨地の凹凸模様が付与された原紙において裏面側にバーコ一タ一によってカオリン、澱粉、ラテックス、耐水化剤、滑剤を26部、40部、30部、2部、2部で交ぜて、バーコ一タ一にて塗工する。乾燥重量で2g/m2その際、裏面のペック平滑度は25秒であり、この転写材を23℃40%Rhの環境に約12時間放置してパッケージ内の水分量を5%に調整した。この状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は1×1011Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0028】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は3mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも4mmとなり画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。また、得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0029】
(実施例2)
坪量130g/m2の上質紙を用い裏面例の樹脂をカオリン、PVA、耐水化剤、滑剤を26部、70部、2部、2部で交ぜて塗工した以外実施例1と同様に転写材を製造した。裏面の平滑度は32秒。その際、この転写材を23℃/35%Rb環境に10時間放置し、パッケージ内水分量を4.5%とに調整した。この状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は5×1010Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0030】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は4mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも6mmとなり、画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0031】
(実施例3)
坪量130g/m2の上質紙を用いて表側の樹脂をカオリン、ラテックス、NaOH、NaClを50.3部47.1部0.1部2.5部、裏面側の樹脂をカオリン、ラテックス、耐水化剤、滑剤を26部、70部、2部、2部に変更した以外、実施例1と同様に転写材を製造した。裏面の平滑度は27秒。そのときの転写材を23℃/38%Rh環境に10時間放置し、パッケージ内水分量を4.8%に調整した。の状態で蒸着アルミ袋(透湿度3g/m2/24hr)のものに保存した。転写側の表面固有抵抗は8×1010Ω/□となり、この状態が数ヶ月にわたり十分保持されている。
【0032】
この転写材を低湿環境20%において取り出し、電子写真装置(キヤノン製のCLC900)において通紙を行った。その時の低湿側でのカール量は3.5mmで通紙に関しては問題がなく給紙不良及び、吸着不良も発生しなかった。また、高湿側での波打ちも5mmとなり、画像及び、通紙搬送性には問題がなかった。得られた画像に関してもなんの問題もなく印刷で出力されたものとなんら変わりのないものとなった。表1。
【0033】
(比較例1)
実施例1において裏面の塗工を行わない以外、実施例1と同様の転写材を製造した。その際、パーケージ内水分も実施例1と同様に5%に調整した。裏面の平滑度は15秒。
【0034】
これを実施例1と同様に実機試験を行ったが、どの環境でも吸着不良が発生することがあった。
【0035】
(比較例2)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、その転写材を30℃/80%Rh環境に放置した。その際のパッケージ内水分量は8%となった。実施例1と同様な実機試験を行ったが、低湿環境でカールが50mmにもなり、給紙不可能となった。また、無理に給紙させたとしても、吸着不良が多発した。
【0036】
(比較例3)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、乾燥工程を2回に増やし過乾燥を行って、パッケージ内水分量を2%にした。実施例1と同様な実模試験を行ったが、高湿側での波打ちによる画像不良が発生し、吸着状態を観察しても、転写材が転写ドラムにきれいにはりついていない。
【0037】
(比較例4)
実施例1と同様な方法で転写材を製造し、裏面の平滑度を上げるためにカレンダー処理を行い裏面の平滑度を60秒とした。その転写材を23℃/40%Rh環境に放置し、パッケージ内水分量を5%とした。
【0038】
実施例1と同様な試験を行ったが、表面の凹凸と裏面の平滑の関係が悪く、低湿側でのカールが30mmとなった。そのため、給紙はなんとかできるが、転写ドラムに対する吸着不良が多発した。
【0039】
(比較例5)
実施例1においてNaClの量を2倍に増やす以外実施例1と同様な転写材を製造した。その時の転写側の表面固有抵抗は1×109Ω/□だった。実施例1と同様な試験を行った。その際、高湿側で転写電流が強すぎて、画像不良が発生した。
【0040】
(比較例6)
実施例1においてNaClを入れない以外実施例1と同様な転写材を製造した。そのときの転写材例の表面固有抵抗は1×1013Ω/□だった。実施例1と同様な試験を行った。その際、低湿側で転写電流が足りなくなり、画像不良が発生した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、パッケージから出しても様様な環境下で紙にカールが発生し難く、通紙搬送不良がなく、また、様々な環境下での画像不良も発生しない電子写真用エンボス紙を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボス紙の模式的断面図である。
【図2】本発明で用いられる電子写真放置の構成を示す図である。
【符号の説明】
11 基材
12 エンボス加工層
13 目止め層
201,202,203 給紙用トレイ
204,205,206 給紙用ローラー
207 転写ドラム
208 吸着ブラシ
211 感光ドラム
216 転写ブラシ
218 定着器
Claims (8)
- 紙を主体とする基材の一面に凹凸の模様が付与されている電子写真用紙において、その反対面のペック平滑度15秒から40秒未満でパッケージ内水分量を4〜6%に調整したことを特徴とする電子写真用エンボス紙。
- 23℃/20%RH環境でのカール量が10mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用エンボス紙。
- 30℃/80%RH環境での波打ち量が10mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用エンボス紙。
- 凹凸面の表面固有抵抗が1×10El0〜5×10E12であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用エンボス紙。
- 凹凸面と平滑面をだすための塗工樹脂が同一系の樹脂であることを特徴とする請求項1〜4記載の電子写真用エンボス紙。
- 凹凸の型を形成するための樹脂が水系樹脂であることを特徴とする請求項5記載の電子写真用エンボス紙。
- パッケージするための手段が、アルミ袋や200μmのポリエチレンなどの耐水性のものを用いることを特徴とする請求項1〜5記載の電子写真用エンボス紙。
- 前記記録材は複数色の像を担持可能であり、前記像担持体上に複数色重ねて転写されることを特徴とする請求項1〜5記載の電子写真用エンボス紙。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002314598A JP2004151235A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | 電子写真用エンボス紙 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010286856A (ja) * | 2010-08-23 | 2010-12-24 | Canon Inc | 電子写真用受像シート及びそれを用いた画像形成システム |
CN111139688A (zh) * | 2020-01-16 | 2020-05-12 | 东莞市财州纸制品有限公司 | 布纹纸 |
-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314598A patent/JP2004151235A/ja not_active Withdrawn
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