JP3227380B2 - カラー電子写真用転写紙 - Google Patents

カラー電子写真用転写紙

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JP3227380B2
JP3227380B2 JP12022696A JP12022696A JP3227380B2 JP 3227380 B2 JP3227380 B2 JP 3227380B2 JP 12022696 A JP12022696 A JP 12022696A JP 12022696 A JP12022696 A JP 12022696A JP 3227380 B2 JP3227380 B2 JP 3227380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー電子写真用
転写紙、具体的には、カラートナー画像を転写するため
の転写紙に関し、更に詳しくは、フルカラー複写機やフ
ルカラープリンターに使用される、坪量100g/m2
〜160g/m2の厚口の電子写真用転写紙において、
低湿度環境下での画像転写の際に生じる放電ムラ画像抜
けを改善し、且つ高湿度下での記録の際の転写性が良好
な、高画質画像が得られるカラー電子写真用転写紙に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式のカラー記録装置に
おいては、デジタル化が進み、高画質化が図られてい
る。これに伴い、使用される電子写真用転写紙にも、均
一性の高い転写性能が要求されてきている。これに対
し、トナーの転写性に影響を及ぼす転写用紙の特性とし
ては、用紙の表面特性と表面固有抵抗とがある。
【0003】表面特性に関しては、例えば、PPC用紙
の如き一般的な上質紙タイプの電子写真用転写紙では、
その印字が主に、文字や斜線の如き線画像にとどまって
いる為、それほど高いトナーの転写性が要求されず、こ
の転写性よりも、鉛筆による筆記特性やトナーの定着特
性が重要視される。従って、上質紙タイプの電子写真用
転写紙の場合に要求される表面性は、ベック平滑度が1
5〜80秒程度と低い。
【0004】しかし、フルカラー複写機やフルカラープ
リンターにおいては、カラーという特性から、ベタ画像
印字がメインとなる。この為、トナーの転写性の不均一
さはベタ部での色濃度ムラとなり、カラー画像の画質の
低下の原因となる。
【0005】以上の理由から、フルカラーの複写機やプ
リンターに用いられる電子写真用転写用紙には、モノク
ロの複写機やプリンター用の転写紙に比べ、より均一性
の高いトナーの転写性が要求される。そして、この要求
は、近年のハードの高性能化により益々高まってきてい
るのが現状である。
【0006】一般的なPPC用紙に、例えば、フルカラ
ー複写機でベタ印字を行った場合には、用紙の坪量ムラ
或いは厚さムラに起因すると思われる転写ムラが発生す
る。即ち、トナーの転写性の向上の為には、用紙の表面
の平滑性の向上が必要であるといえる。
【0007】さらに、モノクロの複写機やプリンター用
としては、従来より、坪量64g/m2を中心に、50
〜85g/m2程度の転写紙が用いられてきた。しか
し、フルカラーの複写機やプリンターにおいては、高画
質化によりその用途が広がり、例えば、葉書やカードの
如き坪量で100g/m2以上の厚口の転写紙も使用さ
れるようになってきている。この様な厚口の転写紙にお
いては、転写紙の表面性に起因すると思われる画質の低
下が更に著しい、という課題もある。
【0008】平滑性の高い転写紙としては、例えば、コ
ート紙が挙げられるが、コート紙を電子写真用転写用紙
として使用した場合には、摩擦係数が高いことによる重
送や紙詰まりの如きトラブルを起こしたり、塗工層の通
気性がない為に、ヒートロールでトナーを定着させると
きに紙層内の水分が気化し、塗工層或いはトナー層を破
壊してしまうブリスターと呼ばれる現象が起こりやすい
という問題があった。
【0009】これらの問題に対しては、コート層中に潤
滑剤を添加したり(特開平5−82938号公報)、平
均粒径が小さく吸油度が高い顔料をトナーの色材として
用いることにより、透気度アップを防ぎ、上記のブリス
ターを防止する方法(特公平5−82940号公報)が
提案されている。しかし、いずれの方法もコストアップ
してしまうという問題がある。さらに、コート紙には鉛
筆の筆記性が悪いという問題点もある。
【0010】次に、トナーの転写性の如き画質性に対し
重要な要素である用紙の表面固有抵抗値に関しては、従
来から、導電剤を用いて表面固有抵抗を1×109〜1
×1011Ω/□にコントロールすることが行われてい
る。しかし、表面固有抵抗は、用紙の含有水分、即ち、
使用環境の湿度によって変化する。この為、通常、PP
C用紙は、ポリ袋やポリエチレンラミネート紙によって
防湿包装されて保存されている。近年の高性能のフルカ
ラー電子写真複写機やフルカラープリンターにおいて
は、これら装置の印字が行われる周囲の環境条件(温
度、湿度)を検知し、その環境から予想される表面固有
抵抗値に適切な条件でトナーを転写することが出来る様
になっている。これにより、10℃・5%Rhの低温低
湿度の環境から、30℃・85%Rhの高温高湿度の環
境に至るまで、いずれの環境下においても良好な品質の
画像が得られるようになってきている。
【0011】しかし、前記した様なフルカラー画像形成
に用いられる坪量100g/m2以上の厚口の転写紙の
場合には、例えば、15℃/20%Rh下や23℃/5
%下の低湿環境下において、紙表面の不均一な帯電によ
る部分的な放電現象を起こす(以下、これを放電ムラ画
像抜けと称す)。この放電ムラ画像抜けに関しては、転
写後の感光ドラムから転写紙が剥離する領域における剥
離放電が原因で発生している為、転写紙の表面固有抵抗
が高くなるほど、又、転写紙の表面の粗さが粗いほど、
又、転写紙の厚みが厚いほど激しく発生する。
【0012】以上の様に、従来より知られている厚口の
電子写真転写用紙を、近年の高性能のフルカラー電子写
真複写機やフルカラープリンター用に用いる場合には、
表面性(平滑度)不足、及び低湿環境下における放電ム
ラ画像抜けの発生という問題が生じ易い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決したカラー電子写真用転写紙を提供する
ことである。
【0014】本発明の目的は、低コストで、鉛筆に対す
る筆記性も十分であり、常温常湿下、常温低湿下及び高
温高湿下の各環境下においても、トナーの転写性に優
れ、且つ高画質のフルカラー画像が得られる厚口の電子
写真用転写紙を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成に
より上記の課題を解決するものである。
【0016】すなわち、本発明は、中間層及び該中間層
の表面側及び裏面側にそれぞれ設けられている転写層を
有するカラー電子写真用転写紙であって、該中間層の表
面固有抵抗値は、該転写層の表面固有抵抗値よりも高
く、該転写紙は、100乃至160g/m2の坪量を有
しており、該転写紙の表面のベック平滑度は、100乃
至200秒の範囲内であることを特徴とするカラー電子
写真用転写紙に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】低湿環境下で放電ムラ画像抜けを
生じる原因について考察すると、転写紙の表面固有抵抗
が1×1012Ω/□程度以上と非常に高くなってトナー
転写時に局所的な電荷の集中が発生する為に、転写紙の
表面上に局部的にプラス電荷をもった部分ができる為と
考えられる。言い換えれば、転写紙表面には微視的に表
面抵抗ムラがあり、表面抵抗の特に高い部分に電荷が集
中するが、これが放電ムラ画像抜けの原因であるといえ
る。そして、厚口の転写紙である程、この局所的な電荷
の集中が激しくなる。例えば、上述した様な坪量が10
0g/m2以上の転写紙になると厚みが増加し、その厚
み方向に電荷が部分的に流れる現象が起き、表面抵抗の
ムラが生じ易く、放電ムラ画像抜けの如き転写ムラが発
生し易くなる。これに対し、この問題を解決する為に転
写用紙の表面固有抵抗を下げたとしても、単にこれだけ
では高温高湿環境下において用紙の表面抵抗が大きく低
下してしまい、転写不良を発生する。
【0018】本発明者らは、高温高湿環境下でのトナー
の転写不良を起こさずに、且つ低温低湿環境下での放電
ムラ画像抜けを防止する方法を鋭意研究した結果、転写
紙内部に中間層を少なくとも一層設け、この中間層の表
面固有抵抗値を該中間層の表面側及び裏側にそれぞれ設
けられている転写層の表面固有抵抗値よりも高くするこ
とにより、被転写用紙自体の表面電気抵抗を殆ど低下さ
せることなく、更に電荷が転写紙の厚み方向に流れるこ
とがなくなって転写紙の面方向に電荷が流れるようにな
る結果、転写紙の表面に均一にトナーが転写されて均一
な画像が形成され、画像の転写ムラをなくすことが出
来、且つ低温低湿環境下での放電ムラ画像抜けの問題が
解決されることを見い出して本発明に至った。
【0019】本発明の好ましい態様を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。
【0020】本発明の(フル)カラー電子写真用転写紙
は、坪量が100〜160g/m2の厚口用紙であっ
て、内部に中間層を有し、該中間層の表面側及び裏面側
にそれぞれ転写層が設けられた少なくとも3層構造をし
ており、この中間層の表面固有抵抗値が転写層の表面固
有抵抗値よりも高く、好ましくは中間層の表面固有抵抗
値は、転写層の表面固有抵抗値の2倍以上、より好まし
くは3倍以上に高いことが良く、且つ該転写紙表面のベ
ック平滑度は、100〜200秒の範囲内、好ましく
は、100〜160秒の範囲内、より好ましくは、10
0〜140秒の範囲内にあることが良い。
【0021】尚、本発明の被転写紙の坪量は、乾燥重量
で100〜160g/m2であることをいう。
【0022】中間層の表面固有抵抗値が、転写層の表面
固有抵抗値と同じ或いは低い場合には、電荷の転写紙の
厚み方向への流れは改善されずに、転写ムラによる放電
ムラ画像抜けが発生してしまう。
【0023】本発明のカラー電子写真用転写紙は、坪量
が100〜160g/m2の厚口の用紙に関するが、こ
れは、坪量が100g/m2未満の転写紙の場合には、
電荷が紙の厚み方向に部分的に流れにくい為、低温低湿
環境下における放電ムラが発生しないし、製造工程的に
も3層構造とするのは難しく、坪量が160g/m2
越える非常に厚い紙の場合には、本発明の如き3層構成
にしても、厚み方向に電荷が部分的に流れ易くなってし
まう為、表面抵抗のムラを受け易くなり、好ましくな
い。
【0024】前述の如く、近年の高性能な電子写真方式
による複写機やプリンターの本来の性能を引き出し、目
的とする高い画質を得る為には、以下に述べる様に転写
紙の表面はベック平滑度が100〜200秒という高い
平滑性が必要である。即ち、転写紙表面のベック平滑度
が100秒未満の場合には、放電ムラの原因である厚み
方向への電荷ムラが発生し易くなり、好ましくなく、ベ
ック平滑度が200秒を超える場合、つまり中心線表面
粗さで1.7μm以下にすると、前述した重送や紙詰ま
り間如きトラブルを生じたり、鉛筆筆記性が悪化する
為、好ましくない。
【0025】一般に上質紙において平滑度100秒以上
を得る方法としては、抄紙機で用紙を抄造後、その表面
をスーパーカレンダーの如き平滑化処理を施す方法もあ
るが、本発明者らの検討によれば、無機顔料と水溶性バ
インダーとの重量比が、100/30〜100/100
の範囲、好ましくは、100/40〜100/80の範
囲となる様な塗工液を用紙の表面に塗工し、これを乾燥
後平滑処理する方が、容易に高い平滑性が得られること
が確認された。更に、同一平滑度及び同一表面粗さであ
っても、上記の様な割合の塗工液を塗工したものの方
が、より高い画質の画像が得られることが分かった。
【0026】上質紙をスーパーカレンダー処理してベッ
ク平滑度で100〜200秒の高い平滑性を得るには、
かなり高いニップ圧が必要である為、紙層内に歪みを誘
発し、紙グセを悪化させる危険性もある。これに対し、
塗工液の固形分の約50%〜77%が無機顔料である塗
工液を、片面あたりの塗工量を乾燥固形分で2g/m2
以上、好ましくは、2〜8g/m2より好ましくは、2
〜6g/m2となる様に塗工した場合には、ベック平滑
度や表面粗さがスーパーカレンダー処理による方法の場
合と同程度であったとしても、より高い品位の画質の画
像が得られる。これは、転写紙の表面に無機顔料をある
程度塗工した方が、表面の粗さが緻密となる為、より高
品位の画質の画像となることによる。但し、この場合
に、塗工量が片面当たりの乾燥固形分で8g/m2より
多いこと、風合いが上質ランクでなくなり、鉛筆筆記性
が悪化する為、好ましくない。この為、本発明において
は、下記の様にして転写紙を作製するのが好ましい。
【0027】先ず、通常の厚口の紙を作製するのと同様
の方法で中間層を作製する。原料としては、L.B.
K.P(広葉樹クラフトパルプ)やN.B.K.P(針
葉樹クラフトパルプ)の如きパルプを用い、これにロジ
ン、硫酸バンド、澱粉、カゼイン、珪酸の如きサイズ剤
を加えて叩解処理し、更に、酸化チタン、カオリン、硫
化亜鉛、滑石の如き填料を加えて、長網抄紙機の如き抄
紙機で抄紙を行い、これを中間層とする。中間層の厚み
は、好ましくは、95〜180μm、より好ましくは、
120〜150μmが良い。中間層の厚みが95μm未
満の場合には、後述する平滑化工程によって紙が薄くな
りすぎ紙の剛度が低下してしまい、中間層の厚みが18
0μmを超える場合には、紙の弾性が高くなり所望の平
滑度を達成すること困難となる。
【0028】尚、中間層が塗工液を塗工することにより
形成される場合には、塗工層を含めて中間層の層厚とす
る。
【0029】中間層の表面固有抵抗を23℃/5%Rh
下において1×1014Ω/□程度に調製するための方法
としては、例えば、中間層の抄紙の際に、填料と共に、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム、スチレン−マレイン酸コポリマー、第四級ア
ンモニウム塩の如き導電剤を加えて中間層の表面固有抵
抗を調整する方法、又は上記の様にして抄紙をしいて得
られた中間層の表面に、無機顔料及び水溶性バインダ−
に加えて、さらに上記の導電剤や後述する低抵抗処理剤
を加えて調製した塗工液を塗布して、中間層の表面固有
抵抗を調整する方法か挙げられる。
【0030】従って、本発明において、中間層は少なく
ともパルプ、水溶性バインダ−の如きバインダ−及び填
料によって構成されているものであり、さらに必要によ
り導電剤や低抵抗処理剤及びサイズ剤を有するものであ
る。
【0031】転写紙の表面固有抵抗値を低下させる為の
低抵抗処理剤としては、カチオン系低抵抗処理剤及びア
ニオン系の低抵抗処理剤のいずれも使用可能であり、具
体的には、下記のものが挙げられる。
【0032】例えば、カチオン系の低抵抗処理剤として
は、例えば、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ポリビニルベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライド、ポリジメチルアリルアンモニウムクロ
ライド、ポリジエチルジアリルアンモニウムクロライ
ド、ポリエチレンイミンハイドロクロライド、ポリ−4
−ビニル−Nメチルピリジニウムクロライド、ポリ−2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルメチルアン
モニウムクロライド、ポリ−2−ヒドロキシ−3−メタ
クリロキシプロピルエチルアンモニウムクロライド、ポ
リ−2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ポリ−2−ヒドロキシ−
3−アクリロキシプロピルトリエチルアンモニウムクロ
ライド、ポリ−2−メタクリロキシエチルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ポリ−2−メタクリロキシエチ
ルトリエチルアンモニウムクロライド、ポリ−2−アク
リロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ポ
リ−2−アクリロキシエチルトリエチルアンモニウムク
ロライド、ポリスチレンアクリル酸エチルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ポリスチレンアクリル酸エチル
トリエチルアンモニウムクロライドの如き、第4級アン
モニウム塩が挙げられ、これらは、単独又は併用して使
用することが出来る。
【0033】アニオン系の低抵抗処理剤としては、例え
ば、ポリスチレンスルホン酸塩(ナトリウム塩、アンモ
ニウム塩)、ポリアクリル酸塩(ナトリウム塩、アンモ
ニウム塩)、ポリメタクリル酸塩(ナトリウム塩、アン
モニウム塩)、ポリビニルスルホン酸塩(ナトリウム
塩、アンモニウム塩)、ポリビニルリン酸塩(ナトリウ
ム塩、アンモニウム塩)の如き高分子電解質が挙げら
れ、これらは単独又は併用して使用することが出来る。
【0034】本発明においては、上記の様にして作製さ
れた中間層の表面固有抵抗の値が、中間層の表面側及び
裏面側に形成する転写層よりも高い表面固有抵抗値、好
ましくは5倍以上高い表面抵抗値を有することを要する
が、中間層の表面固有抵抗値は、具体的には、温度が2
3℃、湿度が5%の環境下において1×1014Ω/□よ
りも高い値、好ましくは、5×1014〜1×1015Ω/
□となる様に調整するのが好ましい。この様に、中間層
の表面固有抵抗値を転写層の表面固有抵抗値よりも高く
することによって、電荷が紙の厚み方向に流れにくく、
紙の面方向に流れ易くなる為、転写層の帯電が均一とな
って部分的な放電現象を引き起こすことなくなり、放電
ムラ画像抜けが有効に防止される。
【0035】次に、上記の様にして形成した中間層の表
面側及び裏面側に、塗工液の固形分の30〜100%が
無機顔料である塗工液を片面あたりの塗工量が乾燥個形
分で好ましくは、1〜8g/m2より好ましくは、2〜
8g/m2となる様に塗工して、転写層を形成し、本発
明の3層構造を有するフルカラー電子写真用被転写紙を
作製する。
【0036】転写層の層厚は、好ましくは、0.1〜
0.8μm、より好ましくは、0.2〜0.5μmであ
ることが良い。転写層の層厚が0.1μm未満の場合に
は、転写層に塗工ムラが生じ易くなり、0.8μmを超
える場合には、コート紙のような風合いとなり、ペン又
は鉛筆筆記性が悪くなる。
【0037】本発明に用いられる無機顔料としては、例
えば、炭酸カルシウム、カオリン及びクレーの如き一般
に塗工紙において用いられる無機顔料を用いることが出
来る、これらは、単独或いは混合して用いることが出来
る。これらの無機顔料と共に使用する水溶性バインダー
としては、澱粉、ポリビニルアルコール、ラテックスエ
マルジョンを挙げることが出来、これらは、単独或いは
混合して用いることが出来る。
【0038】更に、転写層を形成する場合も上記の中間
層を作製する場合と同様に、塗工液中に適宜、上記の導
電剤や低抵抗処理剤を添加して、形成される転写層の表
面固有抵抗値が、上記中間層の表面固有抵抗値よりも低
くなる様に調整する。
【0039】従って、本発明において、転写層は、少な
くとも水溶性バインダーの如きバインダー及び低抵抗処
理剤によって構成されるものであり、さらに必要により
導電剤を有するものである。
【0040】転写層の表面固有抵抗としては、具体的に
は、温度が23℃、湿度が5%以下の環境下において、
好ましくは、1×1012〜1×1014Ω/□の範囲内、
より好ましくは、1×1012〜5×1013Ω/□の範囲
内になる様に調整するのが好ましい。転写層の表面固有
抵抗値が1×1012Ω/□未満の場合には、極低湿度側
で転写ムラが発生し易く、1×1014Ω/□を超えた場
合には、低温度側で転写ムラが生じ易い為、好ましくな
い。
【0041】上記のように、転写層と中間層の表面固有
抵抗値の値を容易に異なるものとするためには、転写層
及び中間層の作製の際に、互いに異なる導電剤及び低抵
抗処理剤を使用するのが好ましい。
【0042】本発明において転写層を形成するための塗
工液の塗工装置としては、いずれのものでもよいが、例
えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター及びマ
イヤーバーコーターの如きオフラインコーター、或い
は、抄紙機に備えられたサイズプレス工程におけるゲー
トロールコーター及びシムサイズコーターの如きオンラ
インコーターのいずれによって塗工することも可能であ
るが、製造コスト面及び中間層の放置による部分的な含
有水分のムラの発生が生じ難い点でオンラインコーター
を用いることが好ましい。
【0043】図3は、中間層の表面固有抵抗値のコント
ロールを抄紙によって得られた中間層に対して抵抗コン
トロール用塗工液をオンラインコーターによって塗工す
ることによって行い、得られた中間層に、転写層を形成
するための転写層用塗工液をオンラインコーターによっ
て塗工して転写紙を製造する場合の製造工程の説明図で
ある。
【0044】図3の製造工程においては、あらあじめパ
ルプに填料、サイズ剤、紙力増強剤としての水溶性バイ
ンダー及び染料の如き紙料を加えたパルプ懸濁液をスト
ックインレット21より矢印R方向に移動するワイヤー
22上に噴流し、ワイヤーパートで脱水し、得られたパ
ルプシートはプレスパートでさらに脱水された後、第1
ドライパートで乾燥される。この乾燥されたパルプシー
トは、第1サイズプレスパートのディップコーター23
により中間層用塗工液が塗工され、この塗工液はパルプ
シート内に充分にしみ込み、第2のドライパートで乾燥
されて中間層が形成される。この中間層は、第2サイズ
プレスパートでロールコーター24により転写層用塗工
液が塗工された後、第3ドライパートで乾燥され、カレ
ンダーパートで複数本のロール25によって加圧圧縮さ
れ、平滑度を調整した後、得られた転写紙は、リールパ
ートで巻き取られる。
【0045】上記の転写紙の製造方法においては、パル
プシートに対する塗工液の塗工は、ディップコート方式
を用いてパルプシート中に充分に塗工液がしみ込むよう
に低粘度にすることが必要である。
【0046】さらに転写層を形成するための塗工液の塗
工は、シムサイズコート方式又はゲートロールコート方
式を用い高粘度の塗工液を用いて薄層コートすることが
好ましい。
【0047】図4は、中間層の表面固有抵抗値のコント
ロールを中間層の抄紙の際に導電剤の如き抵抗コントロ
ール剤を用いて行い、得られた中間層に、転写層を形成
するための転写層用塗工液をオンラインコーターによっ
て塗工して転写紙を製造する場合の製造工程の説明図で
ある。
【0048】図4の製造工程においては、あらかじめパ
ルプに填料、サイズ剤、紙力増強剤としてのバインダ
ー、染料及び抵抗調整剤の如き紙料を加えたパルプ懸濁
液をストックインレット31より矢印R方向に移動する
ワイヤー32上に噴流し、ワイヤーパートで脱水し、得
られたパルプシートは、プレスパートでさらに脱水され
た後、第1ドライパートで乾燥されて中間層が形成され
る。この乾燥された中間層は、サイズプレスパートでロ
ールコーター33により転写層用塗工液が塗工された
後、第2ドライパートで乾燥され、カレンダーパートで
複数本のロール34によって加圧・圧縮され、平滑度を
調整した後、得られた転写紙は、リールパートで巻き取
られる。
【0049】本発明における各種物性値は、以下の測定
方法により測定したものである。
【0050】(1)表面固有抵抗値は、JIS−K−6
911に準じて測定した。
【0051】さらに、転写層を中間層の表面側及び裏面
側にそれぞれ形成した場合の転写紙における中間層の表
面固有抵抗値の測定は、転写紙を図2で示すように中間
層部分で引き割き、引き割いた中間層の表面を上記の表
面固有抵抗値の測定方法によって測定することができ
る。
【0052】(2)転写材の坪量は、JIS−P−81
24に準じて測定した。
【0053】(3)転写材表面のベック平滑度は、JI
S−P−8119に準じて測定した。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例に従って本発明を更
に具体的に説明する。尚、本発明は実施例に限定される
ものではない。
【0055】実施例1 長網抄紙を用いた図3に示す製造工程に基づき、L.
B.K.P(広葉樹パルプ)に塗工前の原紙(パルプシ
ート)の乾燥重量基準で6重量%の酸化チタン、6重量
%のカオリン、0.5重量%の硫酸バンド、0.3重量
%のロジンサイズ及び3.2重量%の水溶性バインダー
を混合して調製したパルプ懸濁液を用いて抄紙し、第1
ドライパートで乾燥した後、ディップコーターにより、
第1表に示す中間層用塗工液を塗工してパルプシートの
両面側からパルプシート中に塗工液をしみ込ませ、第2
ドライパートで塗工液を乾燥して中間層を形成した後、
ロールコーターにより、第1表に示す転写層用塗工液を
中間層の片面に対して2.5g/m2 つ両面側に塗工
して、第3ドライパートで塗工液を乾燥し、6本ロール
を用いたカレンダーパートで平滑化処理を施して転写紙
を製造した。このとき、抄紙速度に合わせて紙料である
パルプ懸濁液の濃度を調整し、中間層のみの坪量を15
2g/m2 にした。
【0056】得られた転写紙の構成を模式的に図1に示
す。転写紙1は、層厚160μmの中間層12とこの中
間層12の表面側及び裏面側にそれぞれ層厚0.2μm
の転写層11を有する3層構造を有している。
【0057】上記の転写紙の製造工程において、抄紙し
た中間層の表面固有抵抗値は、5×1014Ω/口であ
り、製造した転写紙の転写層の表面固有抵抗値は、5×
1012Ω/口であった。さらに製造した転写紙を図2で
示すように中間層部分で引き割き、引き割いた中間層の
表面固有抵抗値を測定したところ、抄紙した中間層の表
面固有抵抗値と同等であった。
【0058】得られた転写紙は、坪量が157g/m2
であり、ベック平滑度が123秒であった。
【0059】上記で製造した転写紙を用いて、23℃、
5%Rhの環境下でキヤノン株式会社製のフルカラー複
写機CLC−700に通紙して、フルカラー画像を形成
した。23℃/60%Rh下、23℃/5%Rh下及び
30℃/80%Rh下の各環境下で、画像均一性、転写
効率及び重送についての評価を行い、結果を第1表に示
した。この結果、第1表に示した様に、放電ムラ画像抜
け及び転写ムラのない画像均一性の高い画像が得られ、
さらに重送や紙ずまりも生じなかった。
【0060】実施例2 実施例1において、パルプ懸濁液の濃度を下げて坪量が
127g/m2 になる様にしたことを除いては実施例1
と同様にして、第1表に示す各種物性を有する3層構造
の転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて実施例1
と同様の方法で評価を行ったところ、実施例1と同様
に、放電ムラ画像抜け、及び転写性ムラのない画像均一
性の高い画像が得られることが確認された。この結果を
第1表に示した。
【0061】実施例3 実施例1において、パルプ懸濁液の濃度を実施例2より
もさらに下げて坪量が104g/m2 になる様にしたこ
とを除いては実施例1と同様にして、第1表に示す各種
物性を有する3層構造の転写紙を製造した。得られた転
写紙を用いて実施例1と同様の方法で評価を行ったとこ
ろ、実施例1と同様に、放電ムラ画像抜け、及び転写性
ムラのない画像均一性の高い画像が得られることが確認
された。この結果を第1表に示した。
【0062】実施例4 実施例1において、中間層の表面固有抵抗値を調整する
ために用いた塗工液を第1表に示す通り変更することを
除いては、実施例1と同様にして、第1表に示す物性を
有する転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて実施
例1と同様の方法で評価を行ったところ、転写層と中間
層との表面固有抵抗値の差が少なかった(中間層が転写
層の2倍)ため、転写ムラが若干生じたが実用可能であ
った。
【0063】実施例5 実施例1において、中間層の表面固有抵抗を調整するた
めに用いたパルプ懸濁液中の酸化チタンを12重量%及
びカオリンを6重量%にそれぞれ変更することを除いて
は、実施例1と同様にして、第1表に示す物性を有する
転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて実施例1と
同様の方法で評価を行ったところ、中間層の表面固有抵
抗値が5×1015Ω/口と高かったため、転写効率が低
下し全体の画像濃度が若干低下したが、実用可能であっ
た。
【0064】実施例6 実施例1において、転写層を形成するために用いた塗工
液を第1表に示す通り変更することを除いては、実施例
1と同様にして、第1表に示す物性を有する転写紙を製
造した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の方法
で評価を行ったところ、転写層の表面固有抵抗値が7×
1013Ω/口と高かったため、画像ムラが若干生じた
が、実用可能であった。
【0065】実施例7 実施例1において、転写層を形成するために用いた塗工
液を第1表に示す通り変更することを除いては、実施例
1と同様にして第1表に示す物性を有する転写紙を製造
した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の方法で
評価を行ったところ、23℃/60%Rh下において
は、特に問題はなかったが、転写層の表面固有抵抗値が
8×1011Ω/口と下がったため、30℃、80%Rh
下において画像ぬけが若干生じた。
【0066】実施例8 実施例1において、転写層を形成するために用いた塗工
液の塗工量を片面当り、8.5g/m2 に変更すること
を除いては、実施例1と同様にして第1表に示す物性を
有する転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて実施
例1と同様の方法で評価を行ったところ、23℃/60
%Rh下では特に問題はなかったが、転写層の層厚が
0.9μmと厚かったため、30℃/80%Rh下に7
日間放置後波うちが生じ、この紙を画像形成したとこ
ろ、波うち部で転写ムラが若干生じた。
【0067】実施例9 実施例1において、転写層を形成するために用いた塗工
液の塗工量を1g/m2 に変更し、第1表に示す物性を
有する転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて実施
例1と同様の方法で評価を行ったところ、転写層の層厚
が0.08μmと薄かったため、転写層は塗工ムラが生
じており、その塗工ムラに伴って放電ムラが生じ、画像
均一性が実施例1に比べて低下した。
【0068】実施例10 実施例1において、6本ロールでのカレンダー工程を行
った後、さらにスーパーカレンダーを用いて平滑化処理
を再度行ったところ、第1表に示す物性を有する転写紙
を製造した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の
方法で評価を行ったところ、23℃/60%Rh下で
は、特に問題はなかったが、転写紙のベック平滑度が1
80秒と表面性が高かったため、摩擦係数が増加したた
め、30℃/80%Rh下で重送が見られた。
【0069】比較例1 実施例1において、中間層に塗布する塗工液の組成を第
1表に示した様に変更したことを除いては実施例1と同
様にして、第1表に示す各種物性を有する転写紙を製造
した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の方法で
評価したところ、第1表に示した様に、放電ムラ画像抜
けが発生した。
【0070】比較例2 実施例2において、中間層に塗布する塗工液の組成を第
1表に示した様に変更したことを除いては実施例2と同
様にして、第1表に示す各種物性を有する転写紙を製造
した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の方法で
評価したところ、第1表に示した様に、放電ムラ画像抜
けが発生した。
【0071】比較例3 実施例3において、中間層に塗布する塗工液の組成を第
1表に示した様に変更したことを除いては実施例3と同
様にして、第1表に示す各種物性を有する転写紙を製造
した。得られた転写紙を用いて実施例1と同様の方法で
評価したところ、第1表に示した様に、放電ムラ画像抜
けが発生した。
【0072】比較例4 実施例1において、転写層を形成するための塗工液の量
を片面当り1g/m2に変更することを除いては、実施
例1と同様にして、実施例1と同様な3層構造を有し、
且つ中間層及び転写層が実施例1と同様な表面固有抵抗
を有するが、平滑度が60秒となる第1表に示す各種物
性を有する転写紙を製造した。得られた転写紙を用いて
実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、第1表に
示した様に、放電ムラ画像抜けが部分的に発生した。
【0073】比較例5 実施例1において、パルプ懸濁液中に第1表中に示す中
間層用塗工液を全パルプ懸濁液の重量基準で10重量%
加えて転写紙の乾燥重量基準で2.0重量%の塩化ナト
リウムを含むように抄紙し、第1ドライパートで乾燥し
た後、ディップコーターにより、第1表に示す転写層用
塗工液を塗工してパルプシートの両面側からパルプシー
ト中に塗工液をしみ込ませ、第2ドライパートで塗工液
を乾燥した後、カレンダーパートで平滑化処理を施した
ことを除いては、実施例1と同様にして第1表に示す物
性を有する転写紙を製造した。得られた転写紙は、1層
構成であった。得られた転写紙を用いて実施例1と同様
の方法で評価を行ったところ、転写層の表面固有抵抗が
5×1010Ω/口であり、放電ムラ画像抜けが発生し
た。
【0074】比較例6 実施例1において、転写層を形成するための塗工液の塗
工量を8g/m2 に変更し、かつ6本ロールでのカレン
ダーを行った後、さらにスーパーカレンダーを用いて平
滑化処理を再度行うことを除いては、実施例1と同様に
して第1表に示す物性を有する転写紙を製造した。得ら
れた転写紙を用いて実施例1と同様の方法で評価を行っ
たところ、転写紙の表面のベック平滑度が220秒であ
ったため、第1表に示す通り23℃/60%Rh下及び
30℃/80%Rh下で重送が生じた。
【0075】上記の実施例1〜10及び比較例1〜6の
評価結果を第1表にまとめて示す。
【0076】尚、画像均一性、転写効率及び重送に関す
る評価は、以下の評価方法に従って評価した。
【0077】(1)画像均一性 マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーの3
色のカラートナーを用いて、1〜3色のトナーを組合わ
せてベタ画像をそれぞれ形成し、定着後の画像を目視に
より下記の評価基準に基づいて評価した。
【0078】(評価基準) A:画像の濃度ムラが1〜3色のトナーの組合わせでも
いずれも目視で確認できない。 B:画像の濃度ムラが1色のトナーを用いた単色では目
視で確認できないが、2色のトナーの組合わせでは目視
で確認できた。 C:画像の濃度ムラが1色のトナーを用いた単色で目視
で確認できる。
【0079】(2)転写効率 感光体ドラム上に形成されたベタマゼンタトナー画像を
透明な粘着テープで採取し、その画像濃度(D1 )をマ
クベス濃度計又はカラー反射濃度計(例えば、Colo
r reflection densitometer
X−RITE404A manufactured
by X−RITE (o.)で測定する。次に再度ベ
タマゼンタトナー画像を感光体ドラム上に形成し、ベタ
マゼンタトナー画像を転写材へ転写し、転写材上に転写
された未定着のベタマゼンタトナー画像を透明な粘着テ
ープで採取し、その画像濃度(D2 )を同様に測定す
る。得られた画像濃度(D1 )及び(D2 )から以下の
如く算出する。
【0080】転写効率(%)=(D2 /D1 )×100 (評価基準) A:80%以上 B:70%以上80%未満 C:70%未満
【0081】(3)重送 市販のフルカラー複写機(CLC−700:キヤノン社
製)を用いて、マルチ手差し給紙部に20枚1セットで
連続紙送りを全10セット行い、以下の如く重送率
(%)を算出した。
【0082】重送率(%)=(重送回数/全通紙枚数
(200枚))×100 (評価基準) A:0% B:0%超〜2% C:2%超
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】実施例11 長網抄紙を用いた図4に示す製造工程に基づきL.B.
K.P(広葉樹パルプ)に塗工前の原紙(パルプシー
ト)の乾燥重量基準で4重量%の酸化チタン、6重量%
のカオリン、0.5重量%の硫酸バンド、0.15重量
%のロジンサイズ、3.2重量%の酸化澱粉、0重量%
のラテックス、0.1重量%の水酸化ナトリウム、0.
02重量%の塩化ナトリウム及び1.8重量%の水溶性
バインダーを混合して調製したパルプ懸濁液を用いて抄
紙し、第1ドライパートで乾燥して中間層を形成した
後、ロールコーターにより、実施例1で用いた転写層用
塗工液と同じ塗工液を中間層の片面に対して2.5g/
2 づつ両面側に塗工して、第2ドライパートで塗工液
を乾燥し、6本ロールを用いたカレンダーパートで平滑
化処理を施して転写紙を製造した。
【0086】得られた転写紙は、層厚158μmの中間
層の表面側及び裏面側にそれぞれ0.2μmの転写層を
有する3層構造を有していた。
【0087】上記の転写紙の製造工程において、抄紙し
た中間層の表面固有抵抗値は、1×1014Ω/口であ
り、坪量は153g/m2 であり、製造した転写紙の転
写層の表面固有抵抗値は、5×1012Ω/口であった。
【0088】さらに得られた転写紙の坪量は、158g
/m2 であった。
【0089】この転写紙を用いて実施例1と同様の方法
で評価を行ったところ、画像均一性が全環境下におい
て、実施例1より優れていた。
【0090】
【発明の効果】本発明のカラー電子写真用転写紙におい
は、低湿度環境下における放電ムラ画像抜けが生じる
ことがなく、且つ、常温常湿下、常温低湿下及び高温高
湿下の各環境下においても、重送が生じ難く、さらに転
写性に優れた均一性の高い高画質のフルカラー画像が提
供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフルカラー電子写真用転写紙の構成を
模式的に示す断面図。
【図2】製造した転写紙を中間層部分で引き割いている
ことを模式的に示す断面図。
【図3】本発明の転写紙を製造するため、中間層の表面
固有抵抗値のコントロールを抄紙後塗工によって行う場
合の製造工程の説明図。
【図4】本発明の転写紙を製造するため、中間層の表面
固有抵抗値のコントロールを抄紙の際に行う場合の製造
工程の説明図。
【符号の説明】
1 カラー電子写真用転写紙 11 転写層 12 中間層 21 ストックインレット 22 ワイヤー 23 ディップコーター 24 ロールコーター 25 ロール 31 ストックインレット 32 ワイヤー 33 ロールコーター 34 ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−11487(JP,A) 特開 平1−292354(JP,A) 特開 平6−27711(JP,A) 特開 平5−241366(JP,A) 特開 平8−72394(JP,A) 特開 平8−171227(JP,A) 特開 平1−245265(JP,A) 特開 平8−171225(JP,A) 特開 平5−341553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 7/00 101

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層及び該中間層の表面側及び裏面側
    にそれぞれ設けられている転写層を有するカラー電子写
    真用転写紙であって、 該中間層の表面固有抵抗値は、該転写層の表面固有抵抗
    値よりも2倍以上高く、該転写紙は、100乃至160
    g/m2の坪量を有しており、該転写紙の表面のベック
    平滑度は、100乃至200秒の範囲内であることを特
    徴とするカラー電子写真用転写紙。
  2. 【請求項2】 該中間層の表面固有抵抗値は、該転写層
    の表面固有抵抗値よりも3倍以上高いことを特徴とする
    請求項1に記載のカラー電子写真用転写紙。
  3. 【請求項3】 該中間層は、温度23℃、湿度5%Rh
    下において、1×1014Ω/□以上の表面固有抵抗値を
    有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のカ
    ラー電子写真用転写紙。
  4. 【請求項4】 該転写層は、温度23℃、湿度5%Rh
    下において、1×1012乃至1×1014Ω/□の表面固
    有抵抗値を有していることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のカラー電子写真用転写紙。
  5. 【請求項5】 温度23℃、湿度5%Rh下において、
    該中間層の表面固有抵抗値は、該転写層の表面固有抵抗
    値よりも5倍以上高いことを特徴とする請求項1乃至
    のいずれかに記載のカラー電子写真用転写紙。
  6. 【請求項6】 該中間層及び該転写層には、お互いに異
    なる導電剤が含有されていることを特徴とする請求項1
    乃至のいずれかに記載のカラー電子写真用転写紙。
  7. 【請求項7】 該中間層及び該転写層は、いずれも導電
    剤を含有しており、該中間層に含有されている該導電剤
    の含有量よりも該転写層に含有されている該導電剤の含
    有量の方が多いことを特徴とする請求項1乃至のいず
    れかに記載のカラー電子写真用転写紙。
  8. 【請求項8】 該中間層及び該転写層には、お互いに異
    なる低抵抗処理剤が含有されていることを特徴とする請
    求項1乃至のいずれかに記載のカラー電子写真用転写
    紙。
  9. 【請求項9】 該転写層は、低抵抗処理剤を含有してお
    り、該低抵抗処理剤は、カチオン系又はアニオン系の低
    抵抗処理剤を含んでいることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれかに記載のカラー電子写真用転写紙。
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