JP2008064742A - 力学量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイズを拡大させることなく、オフセットのキャンセルを可能すること。
【解決手段】 加速度を錘の姿勢変化に基づいて検出する。錘の姿勢変化は、錘と固定電極間の静電容量の変化量に基づいて、C/V変換回路において検出される。C/V変換回路では、錘と固定電極からなる静電容量素子の差動容量に基づいて、キャリア信号を振幅変調し、これを復調することによって容量変化を電圧信号として取り出す。差動容量検出型のC/V変換回路の初期状態におけるオフセット電圧をキャンセルさせるための補正回路をセンサ構造体の内部に設ける。補正回路は、検出容量に対して並列に接続された、SOI基板からなる複数のコンデンサ素子を有する補正用コンデンサにより形成される。容量バランスをとるように、補正用コンデンサの接続配線をレーザで切断することにより、初期状態のオフセット電圧のキャンセル化を図る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば加速度や角速度などの力学量を検出する力学量センサに関し、特に、作用する力学量を静電容量の変化から検出する技術に関する。
ビデオカメラの手ぶれ補正装置や車載用のエアバッグ装置、ロボットの姿勢制御装置など広い分野において、物体に作用する力学量を検出するための力学量センサが用いられている。
力学量センサの1つに、作用する加速度を検出する加速度センサがある。
加速度センサは、例えば、可動体である質量体(マス)に設けられた電極と固定電極との間の静電容量変化から質量体の変位を検出し、この質量体の変位に基づいて作用する加速度を検出する方法を用いている。
そして、電極間における静電容量の変化の検出には、静電容量を対応する電圧に変換するC/V変換回路(静電容量/電圧変換装置)が用いられている。
図8は、従来のキャリア変調によるC/V変換回路の構成を示した図である。
上述した静電容量検出型の加速度センサにおいて用いられる一般的なC/V変換回路として、図8に示されるキャリア変調を用いた変換回路がある。
詳しくは、質量体(マス)に設けられた電極と固定電極から構成される一対の静電容量素子C101とC102とを直列に接続し、その両端から位相が反転した(180°ずれた)周波数の高いキャリア信号をそれぞれ印加する。
そして、キャリア信号の出力をC101とC102の接続点から取り出し、増幅器IC101へ入力する。
増幅器IC101へは、C101とC102の静電容量の差分に対応した振幅の信号が入力され、増幅器IC101の出力端子からは、所定の増幅度で増幅された信号(Vout)がC101及びC102における静電容量の変化量として出力される。
そして、増幅器IC101の出力、即ち、検出電極(C101、C102)の差動容量に基づいて、質量体の変位を検出する。
なお、C101とC102は、質量体の姿勢が変化した際の静電容量の変化傾向(増減傾向)が異なる位置に配置されているものとする。
上述したような検出電極の差動容量に基づいて質量体の変位を検出する場合、初期状態(質量体の変位がゼロの状態)においてC101≠C102となっていると、C101とC102の差分の絶対値に比例したオフセット電圧(残留偏差電位)が、増幅器IC101の出力に生じる。なお、C101≠C102は、センサの製造時のばらつき等により生じる。
この発生したオフセット電圧は、検出する加速度出力の誤差となるため、正確な加速度検出ができなくなる。
また、増幅器IC101における増幅度(CV変換ゲイン)が高い場合、このオフセット電圧により信号出力が飽和してしまい、高感度での加速度の検出が困難となる。
そこで従来、このような初期状態に生じるオフセット電圧を抑制する技術が、下記の特許文献に提案されている。
特開平8−136575号公報
特許文献1には、補正用コンデンサを形成した多層基板をセンサに付加し、容量バランスをとる技術が提案されている。
詳しくは、電極をレーザトリミングの技法を用いてカットすることにより、容量値を調整可能とした補正用コンデンサを多層基板上に形成し、加速度検知部及び回路部(ガラス基板)に対して、さらにこの多層基板を積層する。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、容量バランスをとるための補正用コンデンサを設けるために、即ち、初期状態におけるオフセット電圧をキャンセルするために、センサ構造体と信号処理用ICの他に、別途多層基板が必要となる。
そのため、センササイズが大きくなるだけでなく、多層基板の材料コストがアップしてしまう。
そこで本発明では、センササイズを拡大(増大)させることなく、初期状態におけるオフセット出力のキャンセル補正を行うことができる力学量センサを提供することを目的とする。
(1)前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、中空部を有するフレームと、錘と、前記錘を前記フレームの中空部で支持する梁と、前記錘及び前記梁からなる可動部に対向配置された固定電極と、前記固定電極が設けられた固定基板と、前記可動部と前記固定電極との間に生じる静電容量の変化を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、作用する力学量を出力する出力手段と、前記フレームの中空部及び前記固定基板のうちの少なくとも一方に配置された、前記検出手段の初期状態におけるオフセット出力のキャンセル補正を行う補正回路と、を備えたことを特徴とする力学量センサを提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記補正回路は、前記可動部と前記固定電極とからなる静電容量素子に対して並列に接続される補正用コンデンサからなることを特徴とする請求項1記載の力学量センサを提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記補正用コンデンサは、複数の静電容量素子を有し、これらの静電容量素子の接続状態を変化させることにより静電容量が変化する可変コンデンサであることを特徴とする請求項2記載の力学量センサを提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、誘電体として機能する絶縁層を中間に有する積層基板を加工することにより形成されていることを特徴とする請求項3記載の力学量センサを提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記フレーム、前記可動部及び前記複数の静電容量素子は、同一の前記積層基板を加工することにより形成されていることを特徴とする請求項4記載の力学量センサを提供する。
(6)請求項6記載の発明では、前記積層基板は、シリコン基板上の絶縁層上にシリコン層を有するSOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板からなり、前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、前記シリコン基板及び前記シリコン層を電極とすることを特徴とする請求項4または請求項5記載の力学量センサを提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、前記固定基板における前記固定電極の配置面の反対面に設けられた補正用電極と、前記固定電極とからなることを特徴とする請求項3記載の力学量センサを提供する。
本発明によれば、補正回路をフレームの中空部及び固定基板のうちの少なくとも一方に配置することにより、センササイズを拡大(増大)させることなく、初期状態におけるオフセット出力のキャンセル補正を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図7、及び図9〜図13を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
物体に働く加速度や角速度などの力学量を、梁12で支持された錘13の姿勢変化に基づいて検出する。
梁12は、容易に変形(撓み・反り・曲がり)が可能な部材により構成される。梁12は、フレーム11に固定されており、その中心部に錘13が固定されている。錘13に加速度や角速度などの力が作用すると、錘13の姿勢が変化する。
この錘13の姿勢変化は、錘13の上面(可動電極)と対向する固定電極21、22との間の静電容量の変化量に基づいて検出する。
可動電極と固定電極21、22との間の静電容量の変化は、C/V変換回路において、静電容量の変化量に対応(相当)する電圧値に変換される。
C/V変換回路では、可動電極と固定電極21からなる静電容量素子C1と、可動電極と固定電極22からなる静電容量素子C2の差動容量(容量変化量)に基づいて、キャリア信号を振幅変調し、これを復調することによって容量変化を電圧信号として取り出す。
差動容量検出型のC/V変換回路(図4)では、初期状態においては、静電容量素子C1と静電容量素子C2との静電容量差、即ち差動容量が存在する場合、C/V変換回路に、静電容量差に対応するオフセット電圧(残留偏差電圧)が生じる。
過度の静電容量差(ばらつき)が存在する場合、変換ゲインの値によっては、オフセット電圧によりC/V変換回路の出力が飽和するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、差動容量検出型のC/V変換回路の初期状態におけるオフセット電圧(オフセット出力)のレベルを低下(キャンセル)させるための補正回路をセンサ構造体の内部に設ける。
補正回路(補正用の静電容量C1’、C2’)は、SOI基板の活性層101と支持層103を電極とする複数のコンデンサ素子から構成される。これらの複数のコンデンサは、ポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142における活性層101を分割することにより形成される。
補正回路は、検出対象容量である静電容量素子C1、C2に対して並列に接続されている。
そして、C/V変換回路における容量バランスをとる(保つ)ように、静電容量C1’又は静電容量C2’を構成する複数のコンデンサ素子の接続配線をレーザビームを用いてカットすることにより、初期状態におけるオフセット電圧のキャンセル化(低減化)を図る。
オフセット電圧のレベルを低下させるための補正回路は、上部ガラス基板2’に設けるようにしてもよい。
この場合、補正回路(静電容量C1’、C2’)は、固定電極21、22と上部ガラス基板2’の外側面に設けられた複数の電極からなる静電容量素子で構成される。
補正回路は、検出対象容量である静電容量素子C1、C2に対して並列に接続されており、補正回路を構成する静電容量素子の接続配線をカットすることにより、初期状態におけるオフセット電圧のキャンセル化を図るようにしてもよい。
また、補正回路を上部ガラス基板2’に設ける場合には、固定電極21、22と上部ガラス基板2’の外側面に設けられた複数の電極からなる静電容量素子の接続配線を予め切り離し、補正容量に応じてボンディングワイヤなどで配線を繋ぎオフセット電圧の調整を行うようにしてもよい。
(2)実施形態の詳細
本実施の形態では、力学量センサの一例として静電容量検出型加速度センサ(以下、加速度センサとする)を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る加速度センサの概略構造を示した斜視図である。
なお、図1では、加速度センサの構造をわかりやすく表現するために、各層の構造を離して表現しているが、実際は、各層が積層した状態で構成されている。
図1に示すように、加速度センサ(センサ構造体)は、可動部構造体1が上部ガラス基板2及び下部ガラス基板3によって上下方向から挟み込まれた3層構造となっている。
加速度センサを構成する基板における各層の積層方向と同一方向を上下方向、即ちz軸(方向)と定義する。そして、このz軸と直交し、かつ互いの軸と直交する軸をx軸(方向)及びy軸(方向)と定義する。つまり、x軸、y軸、z軸は、それぞれ互いに直交する3軸となる。
本実施の形態に係る加速度センサにおける可動部構造体1は、半導体基板を加工して形成された半導体センサ素子を用いて構成されている。なお、半導体基板の加工は、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いて行うことができる。
図2(a)は、可動部構造体1の上面部を示した平面図であり、図2(b)は、上部ガラス基板2の下面部を示した平面図である。
なお、説明の煩雑化を避けるため、図2(b)には、上部ガラス基板2の上面部から見た、上部ガラス基板2の下面部のパターン(電極、配線、パッド等)の透視図(透過図)を示す。
また、図3(a)は、図2(a)に示すX−X’部における加速度センサの断面を示した図である。
図2(a)に示すように、可動部構造体1は、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板にエッチング処理を施すことによって、フレーム11、梁12、錘13及び補正用コンデンサ141、142が形成されている。
SOI基板とは、シリコン基板の中間層に酸化膜を埋め込んだ基板であり、詳しくは、図3(a)に示すように、シリコン層からなる支持層103、シリコン酸化膜層からなる絶縁層102、シリコン層からなる活性層101の3層構造を有する基板である。
フレーム11は、錘13を囲むように可動部構造体1の周縁部に設けられた固定部であり、可動部構造体1の枠組みを構成する。
また、フレーム11には、フレーム11の領域におけるSOI基板の支持層103と活性層101とを電気的に接続し、同電位状態とするためのコンタクト15、即ち電気接点が設けられている。
梁12は、錘13の中心からx軸方向に沿ってフレーム11の方向に延びる2つの帯状の薄部材であり、可撓性を有している。
錘13は、2つの梁12によってフレーム11に固定された質量体である。錘13は、梁12の作用により、外部より加わる力により振動させたり、捩れる動きが可能となっている。錘13は、導電性を有し、その側面は可動電極として機能する。また、錘13及び梁12は、加速度センサにおける可動部として機能する。
錘13には、錘13の領域におけるSOI基板の支持層103と活性層101とを電気的に接続し、同電位状態とするためのコンタクト16、即ち電気接点が錘13の中心に設けられている。
コンタクト15、16は、導通用のピン又はスルーホールによって形成されている。
補正用コンデンサ141、142は、小さな柱構造を有するポスト部材である。なお、補正用コンデンサ141、142の詳細については後述する。
図2(b)に示すように、上部ガラス基板2の下面(可動部構造体1との対向面)には、錘13の中心を基準点(0点)とした場合における、錘13のy軸方向の正の領域(図面上のx軸を中心とする右側の領域)と対向する部位に固定電極21が設けられている。
同様に、錘13のy軸方向の負の領域(図面上のx軸を中心とする左側の領域)と対向する部位に固定電極22が設けられている。
上部ガラス基板2には、これらの固定電極21、22の電位を加速度センサの外部に取り出す(引き出す)ための中継部として機能する電極パッド221、222が設けられている。
上部ガラス基板2の下面(可動部構造体1との対向面)には、可動部構造体1におけるフレーム11の電位(共通電位)を加速度センサの外部に取り出す(引き出す)ための中継部として機能する電極パッド223が設けられている。
上部ガラス基板2の下面(可動部構造体1との対向面)には、補正用コンデンサ141、142における活性層101側の電極と固定電極21、22とを電気的に接続するための中継部として機能する電極パッド231、232が設けられている。
上部ガラス基板2の下面(可動部構造体1との対向面)には、電極パッド231と固定電極21(電極パッド221)、電極パッド232と固定電極22(電極パッド222)をそれぞれ電気的に接続するための配線241、242が設けられている。
図1に示すように、上部ガラス基板2の上面(外側面)には、加速度センサの信号を外部へ引き出す(取り出す)ためのビアホール41、42、43が設けられている。
ビアホール41は、電極パッド221を介して、固定電極21(電極パッド231)の電位を加速度センサの外部に取り出す引き出し電極である。
ビアホール42は、電極パッド222を介して、固定電極22(電極パッド232)の電位を加速度センサの外部に取り出す引き出し電極である。
ビアホール43は、電極パッド223を介して、可動部構造体1におけるフレーム11の電位(共通電位)を加速度センサの外部に取り出す(引き出す)引き出し電極である。
ビアホール41、42、43は、上部ガラス基板2上の電極パッド221〜223の配設部分に設けられたスルーホール、スルーホールの内壁及び底面に沿って形成された導電膜によって構成されている。
スルーホールは、上部ガラス基板2の外側から内側に向かって、即ち、電極の配置面に向かって開口面積が小径となるテーパー形状の貫通孔である。
また、スルーホール内部に設けられた導電膜は、可動部構造体1及び上部ガラス基板2を接合した際に、確実に電極パッド221〜223と電気的コンタクト(導通)をとるように構成されている。
図1に示すように、下部ガラス基板3の上面(可動部構造体1との対向面)には、補正用コンデンサ141、142における支持層103側の電極と可動部構造体1におけるフレーム11とを電気的に接続する(共通電位と同電位状態とする)ための中継部として機能する電極パッド31、32が設けられている。
また、図3(a)に示すように、可動部の上面、即ち、梁12及び錘13の上面(上部ガラス基板2との対向面)と、上部ガラス基板2との間には、錘13を可動にするための可動隙間18が形成されている。上部ガラス基板2は、この可動隙間18を封止するように接合されている。
可動部の下面、即ち、梁12及び錘13の下面(下部ガラス基板3との対向面)と下部ガラス基板3との間、さらに錘13の周部においても、錘13を可動にするための可動隙間19が形成されている。下部ガラス基板3は、この可動隙間19を封止するように接合されている。
なお、可動隙間18、19は、より真空に近い状態となっている。このように、センサの内部を真空状態とすることにより、錘13が動作する際の空気抵抗を低減することができ、加速度センサの検出感度(検出精度)を向上させることができる。
なお、可動部構造体1のフレーム11、梁12、錘13、補正用コンデンサ141、142を形成する際には、シリコン基板をプラズマによる深いトレンチエッチングを施すD−RIE(ディープ−リアクティブ・イオン・エッチング)技術を利用して行う。
本実施の形態に係る加速度センサでは、可動部構造体1はSOI基板を用いて形成されている。
そのため、中間の絶縁層102(酸化膜層)を、梁12、錘13、補正用コンデンサ141、142を加工する際のエッチング処理において、エッチング遮断層(ストップ層)として機能させることにより、厚み方向に対する加工精度を向上させることができる。
上部ガラス基板2及び下部ガラス基板3は、可動部構造体1を封止するように接合された固定基板である。上部ガラス基板2及び下部ガラス基板3は、それぞれ、可動部構造体1のフレーム11において陽極接合によって接合されている。
次に、このように構成される加速度センサの動作について説明する。
本実施の形態に係る加速度センサは、図3(b)に示すように、加速度が作用すると、応力が働き錘13の姿勢が変化する。即ち、錘13が図3(a)に示す静止状態に対して傾く。
この錘13の姿勢の変化(傾き、ねじれ量)を検出することによって、作用する加速度の向きや大きさを検出するようになっている。
また、本実施の形態に係る加速度センサは、フレーム11の内壁面からセンサ(錘13)の中心方向に延びる梁12によって錘13をフレーム11の中空部に支持する構造となっている。
このように、錘13をフレーム11内壁面から、即ち外側から支持することにより、錘13は、加速度等の外力が作用する際に大きな変位量を得ることができる。
例えば、図3(b)に示すように、y軸方向に加速度が作用し、錘13の姿勢がy軸に対して傾くと、固定電極21、22と可動電極(錘13)との距離が変化する。
詳しくは、固定電極21と可動電極(錘13)との間の距離が小さくなり、一方、固定電極22と可動電極(錘13)との間の距離が大きくなる。
このような、電極間の距離の変化は、電極間の静電容量の変化として現れ、これらの静電容量の変化に基づいて、錘13の姿勢変化を検出することができる。
電極間の距離の変化、即ち電極間の静電容量の変化は、図示しない加速度センサの外部に設けられた信号処理部(制御部)におけるC/V(静電容量/電圧)変換回路を用いて電気的に検出される。
本実施の形態に係る加速度センサでは、上述したビアホール41、42、43を介してC/V変換回路に電極間の静電容量の検出信号が入力されるように構成されている。
検出された錘13の姿勢の変化(傾斜方向、傾斜度合い等)に基づいて、信号処理部において、錘13の姿勢の変化量を加速度の検出信号である電気信号に変換する。
ここで、本実施の形態におけるC/V変換回路の動作について説明する。
図4は、本実施の形態に係るC/V変換回路の構成を示した図である。
このC/V変換回路は、静電容量素子C1又は静電容量素子C2の静電容量の初期状態からの変化量を対応する電圧値に変換しVout(出力信号)として出力する回路である。
図4に示す静電容量素子C1は、固定電極21と可動電極(錘13)からなり、静電容量素子C2は、固定電極22と可動電極(錘13)からなる。
また、静電容量C1’は、補正用コンデンサ141からなり、静電容量C2’は、補正用コンデンサ142からなる。
静電容量素子C1、C2にそれぞれ並列接続された静電容量C1’、C2’は、補正回路として機能する。
図4に示すようにC/V変換回路は、同期した高周波信号を発生させる交流電圧源Vs1、Vs2を備えている。交流電圧源Vs1及びVs2の一端は、それぞれ筐体接地、即ちFG(フレームグラウンド)レベルに接続されている。
交流電圧源Vs1、Vs2の他端は、それぞれビアホール41、42(図1参照)と電気的に接続されている。
交流電圧源Vs1、Vs2から供給されるキャリア信号は、ビアホール41、42を介して、それぞれ静電容量素子C1、C2の一端(固定電極21、22)に印加(入力)される。
静電容量素子C1、C2の他端同士は、電気的に接続されている。即ち、静電容量素子C1、C2は、直列接続されている。
そして、直列接続されている静電容量素子C1、C2の接合点が、演算増幅器IC1の反転入力端子(−)と接続されている。演算増幅器IC1の非反転入力端子(+)は接地されている。
演算増幅器IC1の出力端子と反転入力端子との間に、帰還抵抗として機能する抵抗Rfが接続されている。
演算増幅器IC1の出力端子から出力される電圧は、C/V変換回路の出力電圧Voutとして扱う。
なお、本実施の形態に係るC/V変換回路で用いられる演算増幅器IC1は、アナログ集積回路であるオペアンプ(オペレーショナル・アンプリファイア)によって構成されている。
演算増幅器IC1の反転入力端子(−)は、ここに入力される信号が反転され、出力に増幅されて出てくる端子である。
一方、非反転入力端子(+)は、ここに入力される信号は反転されずに増幅されて出てくる端子である。
オペアンプの利得は極めて高く、また周波数特性の範囲も直流から数MHzまでの増幅が可能である。
図示していないが、演算増幅器IC1には、電源の端子が設けられており、この端子から動作用の電力が供給されるようになっている。
なお、演算増幅器IC1の出力の最大値は、演算増幅器IC1に供給される電圧を超えることはない。
次に、図1に示す本実施の形態に係るC/V変換回路の動作について説明する。
ここでは、C/V変換回路の主動作について説明するため、はじめは、静電容量C1’、C2’がない回路を想定する。
交流電圧源Vs1から高周波(例えば、1MHz)のキャリア信号Vsin(ωt)が静電容量素子C1に印加される。但し、Vは振幅、ωは角周波数、tは時間を示す。
すると、I1=jωVC1sin(ωt)で表される電流I1が静電容量素子C1に流れる。但し、jは虚数、C1は静電容量素子C1の静電容量を示す。
交流電圧源Vs2から交流電圧源Vs1を反転させた(位相を180°ずらした)キャリア信号−Vsin(ωt)が静電容量素子C2に印加される。
すると、I2=−jωVC1sin(ωt)で表される電流I2が静電容量素子C2に流れる。但し、jは虚数、C2は静電容量素子C2の静電容量を示す。
そして、上述した静電容量素子C1に流れる電流I1及び静電容量素子C2に流れる電流I2の絶対値の差分の電流I3が増幅回路に流れる。
演算増幅器IC1及び抵抗Rfからなる増幅回路における、演算増幅器IC1の反転入力端子(−)に電流I3が流れ込む。
反転入力端子(−)から信号が入力されるため、演算増幅器IC1からは、位相が180°ずれ、かつ増幅された電圧(信号)が出力される。
演算増幅器IC1の反転入力端子(−)には、電流I3=I1+I2が流れ込む。
このI3は次式で表される。
I3=jω(VC1−VC2)sin(ωt) …(1)
また、演算増幅器IC1の出力電圧Voutは、次式で表される。
Vout=jω(C1−C2)RfVsin(ωt) …(2)
但し、Rfは帰還抵抗Rfの抵抗値を示す。
式(2)から分かるように、演算増幅器IC1の出力電圧Voutとして、静電容量C1、C2の差分に比例した値が出力される。
上述したようなC/V変換回路の初期状態における、静電容量素子C1及び静電容量素子C2の静電容量値、即ち、固定電極21、22と可動電極(錘13)との間の静電容量は、等しくなるように設計されている。
そして、理想的には、初期状態において、演算増幅器IC1の出力電圧Voutが0(ゼロ)となることが望ましい。
つまり、初期状態においては、静電容量素子C1と静電容量素子C2との静電容量差、即ち差動容量が存在せず、演算増幅器IC1の出力電圧Voutが0となることが望ましい。
即ち、初期状態におけるオフセット電圧が発生しないことが望ましい。
なお、初期状態とは、錘13に加速度が作用していない状態、即ち、錘13の姿勢が変化していない状態を示す。
しかしながら、実際に複数の静電容量素子を形成する場合、加工の段階(エッチング処理などの製造過程)において、ばらつき(誤差)が生じてしまい、完全に静電容量の一致する複数の静電容量素子を加工形成することは極めて困難である。
なお、静電容量のばらつきは、静電容量素子の電極間の対向面積、また電極間の対向距離の誤差などによって生じる。
また、電極などの引き出し配線の寄生容量によっても静電容量のばらつきが生じる。
そこで、本実施の形態に係るC/V変換回路では、静電容量素子C1及び静電容量素子C2との間に静電容量のばらつき(誤差)が存在する場合であっても、適切に静電容量の変化量を検出し、出力電圧Voutとして出力することができるように調整(補正)を行う。
詳しくは、図4に示すように、静電容量素子C1及び静電容量素子C2の検出用の静電容量素子に、それぞれ補正用の静電容量C1’、C2’を並列に接続する。
そして、初期状態において、演算増幅器IC1の出力電圧Voutが0となるように、即ち、C1+C1’=C2+C2’となるように、補正用の静電容量C1’あるいは静電容量C2’の値を調整(補正)する。これにより、初期状態におけるオフセット電圧をキャンセルすることができる。
次に、C/V変換回路(加速度センサ)の初期状態における静電容量値の補正方法、即ち、オフセット調整方法について説明する。
はじめに、C1+C1’=C2+C2’とするために、静電容量C1’あるいは静電容量C2’どちらの容量を調整するかを特定する。
初期状態において、交流電圧源Vs1、Vs2からそれぞれ、キャリア信号Vsin(ωt)及びキャリア信号−Vsin(ωt)を印加する。
そして、その時の演算増幅器IC1の出力電圧Voutの位相と、交流電圧源Vs1から印加されたキャリア信号の位相とを比較する。
図5(a)は、交流電圧源Vs1のキャリア信号の波形を示し、(b)はC1+C1’>C2+C2’の場合における出力電圧Vout信号の波形を示し、(c)はC1+C1’<C2+C2’の場合における出力電圧Vout信号の波形を示す。
補正用の静電容量C1’、C2’を設けた場合、出力電圧Voutは、次式で示される。
Vout=jω{(C1+C1’)−(C2+C2’)}RfVsin(ωt)…(3)
従って、図5(b)に示すように、出力電圧Voutの位相に対し、交流電圧源Vs1から印加されたキャリア信号Vsin(ωt)の位相が90°進んでいる場合、(C1+C1’)−(C2+C2’)の値が正となるため、(C1+C1’)>(C2+C2’)であることが明らかとなる。
(C1+C1’)>(C2+C2’)の関係が検出された場合には、静電容量C1’の値を小さくなるように調整(補正)し、(C1+C1’)=(C2+C2’)とする。
同様に、図5(c)に示すように、出力電圧Voutの位相に対し、交流電圧源Vs1から印加されたキャリア信号Vsin(ωt)の位相が90°遅れている場合、(C1+C1’)−(C2+C2’)の値が負となるため、(C1+C1’)<(C2+C2’)であることが明らかとなる。
(C1+C1’)<(C2+C2’)の関係が検出された場合には、静電容量C2’の値を小さくなるように調整(補正)し、(C1+C1’)=(C2+C2’)とする。
次に、具体的な補正用の静電容量C1’、C2’の回路定数(容量値)の調整方法について説明する。
ここでは、静電容量C1’、C2’は、同様の構成を有し、同様の調整方法を用いることができるため、ここでは、静電容量C1’における調整方法について説明し、静電容量C2’については説明を省略する。
前述したように、本実施の形態における、補正用の静電容量C1’は、補正用コンデンサ141を用いて構成されている。
図6(a)は、静電容量C1’の概略構成を示した図であり、(b)は、静電容量C1’の等価回路を示した図である。
なお、図6(a)では、説明の煩雑化を避けるため、上部ガラス基板2及び下部ガラス基板3の記載は省略する。
図6(b)に示すように、静電容量C1’は、固定電極21と可動電極(錘13)とにより構成される静電容量素子C1に対して並列に接続された4つの静電容量素子(Ca〜d)により構成されている。
これら4つの静電容量素子(Ca〜d)は、補正用コンデンサ141に同時に作り込まれている、即ち、補正用コンデンサ141として一体形成されている。
詳しくは、図6(a)に示すように、補正用コンデンサ141における支持層103から構成される一方の電極51は、4つの静電容量素子(Ca〜d)間において共通とする。
そして、補正用コンデンサ141における活性層101の領域を4分割して電極61a〜dを形成し、これら電極61a〜dによって4つの静電容量素子(Ca〜d)の他方の電極がそれぞれ構成される。
即ち、電極51と電極61aにより静電容量素子Caを構成し、電極51と電極61bにより静電容量素子Cbを構成する。同様に、電極51と電極61cにより静電容量素子Ccを構成し、電極51と電極61dにより静電容量素子Cdを構成する。
シリコン酸化膜層からなる絶縁層102は、4つの静電容量素子(Ca〜d)におけるそれぞれの電極間に配設される誘電体として機能する。
なお、電極61a〜dは、SOI基板にエッチング処理を施して可動部構造体1のフレーム11、梁12、錘13を形成する際に、これらの部位を形成する基板と同一基板を、同時に加工することにより、補正用コンデンサ141に作り込む(形成する)。
このように、可動部構造体1の製造工程において、補正用コンデンサ141を同時に作り込む(形成する)ことにより、適切に製造工数、製造コストの増大(アップ)を抑制することができる。
また、活性層101を分割して形成される電極61a〜dのそれぞれの分割幅の比、即ち、電極61a〜dの支持層103との対向面積の比(電極面積の比)は、次にように構成されている。
Ca:Cb:Cc:Cd=1:2:4:8
なお、電極間の距離が等しい場合、静電容量は、電極の面積に比例するため、4つの静電容量素子(Ca〜d)の静電容量の関係もこのようになる。
このように、4つの静電容量素子(Ca〜d)の静電容量を、静電容量素子Caを「1」と想定し、デジタル的な4ビット方式に相当するように設定する。
これにより、簡単(シンプル)な構成でありながら、4つの静電容量素子(Ca〜d)の組合せ次第で、適切な容量値へ減らす調整(減らし補正)の細かな設定を容易に行うことができる。
図6(a)に示すように、4つの静電容量素子(Ca〜d)に共通する電極51は、下部ガラス基板3の上面(可動部構造体1との対向面)に設けられた電極パッド31に電気的に接続されている。
そして、電極51は、この電極パッド31を介して可動部構造体1におけるフレーム11と電気的に接続され、さらに梁12を介して錘13(可動電極)、即ち、静電容量素子C1の一端と電気的に接続される。
一方、電極61a〜dは、上部ガラス基板2の下面(可動部構造体1との対向面)に設けられた電極パッド231(詳しくは、電極パッド231a〜d)にそれぞれ電気的に接続されている。電極パッド231a〜dには、配線241が接続されている。
そして、電極61a〜dは、この配線241を介して、固定電極21、即ち、静電容量素子C1の他端と電気的に接続される。
図6(a)に示すように、固定電極21と電極61a〜dを接続する配線241は、主配線251と、この主配線251から分岐された分岐配線261a〜dから構成されている。
電極61a〜d(電極パッド231a〜d)は、それぞれ分岐配線261a〜dを介して主配線251と接続されている。
本実施の形態では、調整量(減らす容量)、即ち補正量に応じて、図6(a)に示すように、分岐配線261a〜dの一部(破線で示すカットポイントa〜d)を電気的に切断(カット)し、静電容量C1’の回路定数(容量値)の調整(減らし補正)を行う。
即ち、静電容量C1’は、4つの静電容量素子(Ca〜d)の接続状態を変化させることにより静電容量の減らし調整(静電容量値が減少する方向への調整)が可能な可変コンデンサ(調整用コンデンサ)として機能する。
なお、分岐配線261a〜dの切断は、レーザビームを用いたレーザトリミング技術を利用して行う。
レーザビームを用いることにより、上部ガラス基板2の外側(外面)からでも、内側(内面)に配設されている分岐配線261a〜dを適切に切断することができる。
従って、可動部構造体1に上部ガラス基板2及び下部ガラス基板3を接合した後に、静電容量C1’(又はC2’)の補正を行うことができる。
上述したように本実施の形態では、補正用コンデンサ141、142をSOI基板を加工することにより形成する。
SOI基板における絶縁層102の厚みは、0.数μm〜数μmと薄い構造となっている。即ち、補正用コンデンサ141、142における電極間の距離(間隔)は、極めて小さく(μメートルオーダーで)構成されている。
そのため、補正用コンデンサ141、142を形成する際に必要なSOI基板の面積(領域)は、固定電極21、22(数百μm角)と比較して十分に小さい面積で構成することができる。
例えば、上述した静電容量検出型の加速度センサ(力学量センサ)における、可動電極(錘13)と固定電極21、22との間の静電容量(電極容量)は、通常0.数pF〜数pFであり、そのばらつきは、それより一桁小さく、0.0数pF〜0.数pF程度である。
具体的には、上述した補正用コンデンサ141、142を、100μm角のポスト構造(柱構造)で形成した場合、静電容量は、0.35pFとなり、10μm角のポスト構造(柱構造)で形成した場合、静電容量は、0.035pFとなる。
但し、SOI基板における絶縁層102の厚みdを1μmとし、絶縁層102、即ち、SiO2(シリコン酸化膜)の比誘電率εsを3.9とする。
従って、10μm〜100μm角のポスト構造(柱構造)を有する補正用コンデンサ141、142を設けることで、オフセット調整に十分対応させることができる。
MEMS技術を用いて加工製造されるセンサでは、錘13と固定電極21、22と間隔における、例えば1p(ピコ)mの変位量を適切に検出するために、増幅回路のゲイン値(C/V変換レート)は、極めて高い値に設定されている。例えば、100V/pF(=100mV/fF)程度に設定されている。そのため、このような増幅回路のゲイン値の極めて高いセンサでは、高いオフセット電圧の調整精度が要求される。
上述したように本実施の形態によれば、差動容量検出型のC/V変換回路において初期状態におけるオフセット電圧をキャンセルする調整(補正)ができるため、C/V変換回路の出力が飽和することを抑制することができる。これにより、正確な(精度の高い・感度の良い)加速度(力学量)の検出が可能となる。
また、本実施の形態によれば、外付け(外部取り付け)コンデンサや調整手段を用いることなくオフセット電圧をキャンセルする調整(補正)ができるため、センサの小型化及びコストダウンを適切に図ることができる。
上述した実施の形態では、補正用コンデンサ141、142をフレーム11と錘13との間のスペース(空間)に配設するように構成されているが、補正用コンデンサ141、142の配設位置はこれに限定されるものではない。
補正用コンデンサ141、142は、可動部構造体1におけるフレーム11の内部の領域であれば、いずれの位置に配置するようにしてもよい。
図7は、補正用コンデンサ141、142の配設位置の変形例を示した図である。
例えば、図7(a)に示すように、錘13を支持する2つの梁12’のそれぞれの部位(領域中)に、可動部構造体1を形成するSOI基板の厚さ方向(z軸方向)に貫通する貫通孔121、122を形成する。
そして、これらの貫通孔121、122の内部に、補正用コンデンサ141、142をそれぞれ遊貫配設するようにしてもよい。
なお、錘13の姿勢が最大に変化した場合においても、補正用コンデンサ141、142と、梁12’とが接触しないように、補正用コンデンサ141、142は、その外側面(外周部)と貫通孔121、122の内側面(内側部)との間に、十分な距離の隙間(ギャップ)を介して配設する。
図7(b)に示すように、錘13’の中央部に、可動部構造体1を形成するSOI基板の厚さ方向(z軸方向)に貫通する貫通孔131、132を形成する。
そして、これらの貫通孔131、132の内部に、補正用コンデンサ141、142をそれぞれ遊貫配設するようにしてもよい。
なお、錘13’の姿勢が最大に変化した場合においても、補正用コンデンサ141、142と、錘13’とが接触しないように、補正用コンデンサ141、142は、その外側面(外周部)と貫通孔131、132の内側面(内側部)との間に、十分な距離の隙間(ギャップ)を介して配設する。
また、図7(c)に示すように、フレーム11’の内周部(内側部)に可動部構造体1を形成するSOI基板の厚さ方向(z軸方向)に延びる、コの字(凹型)の切り欠き部111、112を形成する。即ち、フレーム11’(囲み枠)の厚みが他の部位より薄い切り欠き部111、112を形成する。
そして、これらの切り欠き部111、112の内部に、補正用コンデンサ141、142を配設する。
なお、補正用コンデンサ141、142は、その外側面(外周部)と切り欠き部111、112の内側面(内側部)との間に隙間(ギャップ)を介して配設する。
このように補正用コンデンサ141、142を、梁12’や錘13’、フレーム11’の内部に配設する場合、これらの部位と補正用コンデンサ141、142の電極(例えば、活性層101に形成される電極61a〜d)との間に寄生容量(目的以外の容量)が生じる。
そのため、生じる寄生容量が、加速度の検知や静電容量素子C1、C2の調整において影響しないように、即ち、生じる寄生容量が十分に小さな値となるように、梁12’や錘13’、フレーム11’と、補正用コンデンサ141、142との間の隙間(ギャップ)を十分に設けるようにする。
上述した実施形態においては、補正用コンデンサ141における活性層101の領域を4分割して電極61a〜dを形成するように構成されているが、補正用コンデンサ141に作り込む静電容量素子数は、4つに限定されるものではない。
センサの調整精度に応じて任意に設定することが可能である。補正用コンデンサ141における活性層101の分割数を増やし、静電容量素子数を増加させることにより、より細かな容量調整が可能となるため、C/V変換回路のオフセット電圧の調整(補正)精度を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、C/V変換回路のオフセット電圧を調整(補正)するための補正回路(補正用コンデンサ141、142など)を備えた力学量センサとして、加速度センサを用いて説明したが、このような補正回路を有する力学量センサは、加速度センサに限定されるものではない。
上述したような補正回路を有する力学量センサは、例えば、可動電極(錘)と固定電極間の静電容量の変化に基づいて、作用する角速度を検出する静電容量検出型の角速度センサであってもよい。
(第1の変形例)
上述した本実施形態では、ポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142により補正回路を構成した場合について説明したが、補正回路の構成方法はこれに限定されるものではない。
以下に説明する第1及び第2の変形例では、補正回路(補正用容量素子)を上部ガラス基板2’に設けた加速度センサについて説明する。なお、上述した実施形態における説明と重複する箇所については、同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図9は、第1の変形例に係る加速度センサの概略構造を示した斜視図である。
なお、図9においても加速度センサの構造をわかりやすく表現するために、各層の構造を離して表現しているが、実際は各層が積層した状態で構成されている。
図10(a)は、第1の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板2’の上面部を示した平面図であり、図10(b)は、上部ガラス基板2’の下面部を示した平面図である。
なお、説明の煩雑化を避けるため、図10(b)には、上部ガラス基板2’の上面から見た、下面のパターン(電極、配線、パッド等)の透視図(透過図)を示す。
図9に示すように加速度センサ(センサ構造体)は、上述した本実施形態と同様に、可動部構造体1’が上部ガラス基板2’及び下部ガラス基板3’によって上下方向から挟み込まれた3層構造となっている。
第1の変形例に係る加速度センサでは、下部ガラス基板3’に補正用コンデンサ141、142の配線用の電極パッド31、32は設けられていない。
また、第1の変形例に係る加速度センサでは、可動部構造体1’に設けられる錘13’の形成領域が本実施形態で説明した補正用コンデンサ141、142により制限されることがない。そのため、より大きな質量を有する錘13’を形成することができ、センサ感度を向上させることができる。
上部ガラス基板2’の上面(外側面)には、加速度センサの信号を外部へ引き出す(取り出す)ためのビアホール41、42、43が設けられている。
また、上部ガラス基板2’の上面には補正用の静電容量素子を構成するための電極群431、432が設けられている。電極群431、432は、それぞれ上部ガラス基板2’の反対側の面に設けられている固定電極21、22と対向する領域に配置されている。
電極群431は、電極431a〜dからなり、電極群432は、電極432a〜dからなる。なお、電極431a〜d、電極432a〜dは、補正用電極として機能する。
また、上部ガラス基板2’の上面には、電極群431、432とビアホール43とを電気的に接続する配線450が設けられている。
配線450は、ビアホール43に接続された主配線460と、この主配線460から分岐する分岐配線461a〜d、462a〜dから構成されている。
電極431a〜d、432a〜dは、それぞれ分岐配線461a〜d、462a〜dを介して主配線460と接続されている。
図10(b)に示すように、上部ガラス基板2’の下面(可動部構造体1との対向面)には、固定電極21、22が設けられている。また、上部ガラス基板2’の下面には、固定電極21、22の電位、フレーム11の電位(共通電位)をそれぞれ加速度センサの外部に取り出す(引き出す)ための中継部として機能する電極パッド221、222、223が設けられている。
図11(a)は、第1の変形例に係る加速度センサに係る補正回路(補正用の静電容量C1’、C2’)の概略構成を示した図であり、図11(b)は、第1の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。なお、図11(a)は、補正用の静電容量C1’、C2’を構成する静電容量素子C1a〜d、C2a〜dのイメージを表現するため、便宜上、電極431a〜d、432a〜dの断面積を等しく示す。
第1の変形例に係る加速度センサでは、検出用の静電容量素子(静電容量素子C1、C2)に対して並列に接続される補正用の静電容量C1’、C2’を上部ガラス基板2’に設ける。
詳しくは、固定電極21と電極431aからなる静電容量素子C1a、固定電極21と電極431bからなる静電容量素子C1b、固定電極21と電極431cからなる静電容量素子C1c、固定電極21と電極431dからなる静電容量素子C1dにより静電容量C1’を構成する。
同様に、固定電極22と電極432aからなる静電容量素子C2a、固定電極22と電極432bからなる静電容量素子C2b、固定電極22と電極432cからなる静電容量素子C2c、固定電極22と電極432dからなる静電容量素子C2dにより静電容量C2’を構成する。
そして、第1の変形例に係る加速度センサでは、静電容量の調整量(減らす容量)即ち補正量に応じて、分岐配線461a〜d、462a〜dの一部(破線で示すカットポイント)を電気的に切断(カット)し、静電容量C1’又は静電容量C2’の回路定数(容量値)の調整(減らし補正)を行う。
電極431a〜dのそれぞれの電極面積の比は、次のように構成されている。
431a:431b:431c:431d=1:2:4:8
そのため、4つの静電容量素子(C1a〜d)の静電容量の関係もこのようになる。
このように、4つの静電容量素子(C1a〜d)の静電容量を、静電容量素子C1aを「1」と想定し、デジタル的な4ビット方式に相当するように設定する。
これにより、簡単(シンプル)な構成でありながら、4つの静電容量素子(C1a〜d)の組合せ次第で、適切な容量値へ減らす調整(減らし補正)の細かな設定を容易に行うことができる。
なお、電極群432も同様に構成されている。
分岐配線461a〜d、462a〜dの切断は、カッターやレーザビームを利用して行う。
第1の変形例に係る加速度センサでは、切断部位が上部ガラス基板2’の上面、即ち、センサの外側面に配置されるように構成されているため、可動部構造体1に上部ガラス基板2’及び下部ガラス基板3’を接合した後に、静電容量C1’(又はC2’)の補正を行うことができる。
第1の変形例に係る加速度センサでは、補正用コンデンサ141、142を設ける必要がなく、電極を配線パターンを上部ガラス基板2’に形成するだけで容易に補正回路を構成することができる。
また、第1の変形例に係る加速度センサでは、静電容量素子C1を構成する固定電極21、及び静電容量素子C2を構成する固定電極22を、それぞれ静電容量素子C1a〜dを構成する電極、静電容量素子C2a〜dを構成する電極と兼用するように構成されている。これにより、センサの構成部材の削減をすることができるだけでなく、センササイズを拡大(増大)させることなく容易に補正回路を設けることができる。
ここで、補正用の静電容量C1’、C2’の容量値について説明する。
第1の変形例の補正用の静電容量C1’、C2’は、上部ガラス基板2’を誘電体とした静電容量素子(コンデンサ素子)により構成されている。
コンデンサ容量Cは、次式で示される。
C=ε0εSS/d
但し、ε0は真空の誘電率を示し、εSは絶縁層の比誘電率を示し、Sは電極面積を示し、dは電極間隔を示す。
第1の変形例に係る加速度センサでは、上部ガラス基板2’が絶縁層として機能する。ガラスの比誘電率は、3.7〜10であるため、その代表例として、例えばεS=5の場合における静電容量について説明する。なお、d(電極間隔)は、上部ガラス基板2’の厚みの代表例として400μmを用いる。
第1の変形例に係る加速度センサでは、補正用の静電容量C1’、C2’を構成する静電容量素子C1a〜d、C2a〜dの電極面積Sを例えば、100μ*100μm2〜500μ*500μm2の範囲に設定する。
上記条件において、電極面積Sが500μ*500μm2の場合の静電容量は、およそ0.028pFとなり、また、電極面積Sが100μ*100μm2の場合の静電容量は、およそ0.0011pFとなる。
検出対象容量である静電容量素子C1、C2の静電容量のオーダーが0.数pF(例えば0.3pF)である場合、10%程度のばらつき(誤差)まで十分に補正することができる。
なお、固定電極21の面積は、電極431a〜dの合計より十分に大きく構成されている。そのため、補正用の静電容量C1’、C2’を形成する空間をフレーム11内に別途設ける必要がない。
(第2の変形例)
上述した本実施形態及び第1の変形例では、静電容量素子C1、C2に予め並列に接続された静電容量素子の接続を切断し、静電容量C1’、C2’回路定数(容量値)を適切な容量値まで減らすことによってオフセット電圧を抑制する方法について説明した。しかしながら、オフセット電圧を抑制する方法は、これに限定されるものではない。
第2の変形例では、予め配列された静電容量素子を静電容量素子C1又は静電容量素子C2に並列に接続し、静電容量C1’、C2’回路定数(容量値)を適切な容量値まで増やすことによってオフセット電圧を抑制する方法について説明する。
なお、上述した実施形態及び第1の変形例における説明と重複する箇所については、同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図12(a)は、第2の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板2’の上面部を示した平面図であり、図12(b)は、第2の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。
第2の変形例に係る補正回路では、ビアホール43に接続された主配線460と、電極431a〜d、432a〜dとは予め接続されていない。詳しくは、分岐配線461a〜d、462a〜dの中間部にそれぞれボンディングパッド対471a〜d、472a〜dが設けられている。
ボンディングパッド対471a〜d、472a〜dは、電気的に隔離された状態に配置された2つのボンディングパッドからなる。ボンディングパッド対471a〜d、472a〜dを構成する互いのボンディングパッドを、ワイヤボンディング等により接続することにより主配線460と、電極431a〜d、432a〜dとが電気的に接続されるように構成されている。
そして、第2の変形例に係る加速度センサでは、静電容量の調整量(増やす容量)即ち補正量に応じて、ボンディングパッド対471a〜d、472a〜dを電気的に接続し、静電容量C1’又は静電容量C2’の回路定数(容量値)の調整(増やし補正)を行う。
第2の変形例に係る加速度センサでは、ボンディングパッド対471a〜d、472a〜d(配線の接続部位)が上部ガラス基板2’の上面、即ち、センサの外側面に配置されるように構成されているため、可動部構造体1に上部ガラス基板2’及び下部ガラス基板3を接合した後に、静電容量C1’(又はC2’)の補正を容易に行うことができる。
第2の変形例に係る加速度センサでは、ボンディングパッド対471a〜d、472a〜dの接続線(ワイヤ)を取り除くことにより、調整のやり直しが容易にできる。
第2の変形例に係る加速度センサでは、調整時の容量値を最小にすることができる。
(第3の変形例)
第3の変形例では、上述した第1及び第2の変形例で説明した補正回路を併用した補正回路について説明する。
図13(a)は、第3の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板2’の上面部を示した平面図であり、図13(b)は、第3の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。
第3の変形例に係る加速度センサでは、上部ガラス基板2’の上面に電極531a〜h、532a〜hが配置されている。
電極531a〜d、532a〜dは、分岐配線461a〜d、462a〜dを介して主配線460に接続されている。
また、電極531e〜h、532e〜hは、ボンディングパッド対471e〜h、472e〜hを介して主配線460に接続されている。
なお、電極531a〜d、532a〜dの面積の総和は、電極531e〜h、532e〜hの面積の総和より大きくなるように構成されている。
第3の変形例に係る加速度センサでは、電極531a〜d、532a〜dは、粗調整用の静電容量素子の電極として機能し、電極531e〜h、532e〜hは、微調整用の静電容量素子の電極として機能する。
第3の変形例に係る加速度センサでは、はじめに、静電容量の調整量(補正量)に応じて、分岐配線461a〜d、462a〜dの一部(破線で示すカットポイント)を電気的に切断することによってC1’又はC2’の回路定数(容量値)の粗調整を行う。その後、ボンディングパッド対471e〜h、472e〜hを電気的に接続することにより、C1’又はC2’の回路定数(容量値)の微調整を行う。
このように、微調整用の静電容量素子を設けることにより、より精度の高い補正を行うことができる。
なお、粗調整用の電極側にボンディングパッド対を設け、一方の微調整用の電極側に分岐配線を設けるようにしてもよい。
上述した第1〜3の変形例では、固定電極21が配設される固定基板として、上部ガラス基板2’が用いられているが、固定基板の材質はガラスに限定されるものではなく、補正用を形成可能な誘電体で形成されていればよい。
上述した第1、及び第3の変形例では、補正用の静電容量素子として、静電容量素子C1、C2にそれぞれ複数の静電容量素子が設けられているが、これらの補正用の静電容量素子のサイズ形状や配置数は要求される補正精度に応じて任意に設定することが可能である。
但し、分岐配線461a〜dに接続されている補正用の静電容量素子と、分岐配線462a〜dに接続されている静電容量素子とはバランスを保つように配置する。詳しくは、電極の面積が等しくなるように、即ち静電容量が等しくなるように配置する。
また、上述した本実施形態で説明したポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142による補正回路と、第1〜第3の変形例のいずれかで説明した上部ガラス基板2’に形成した静電容量素子による補正回路とを併用するようにしてもよい。
ポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142は、上部ガラス基板2に形成される静電容量素子より大きな容量を確保することが容易にできる。そこで、例えば、ポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142を粗調整用の静電容量素子とし、上部ガラス基板2’に形成した静電容量素子を微調整用の静電容量素子として用いるようにしてもよい。
詳しくは、はじめに、静電容量の調整量(補正量)に応じて、補正用コンデンサ141、142に接続された配線241、242の一部を電気的に切断することによって静電容量C1’又はC2’の回路定数(容量値)の粗調整を行う。その後、第1〜第3の変形例で説明した補正手法のいずれかを用いて上部ガラス基板2’に設けられた静電容量素子による微調整を行う。
このように、ポスト構造(柱構造)の補正用コンデンサ141、142による補正回路と、第1〜第3の変形例のいずれかで説明した上部ガラス基板2’に形成した静電容量素子による補正回路とを併用することにより、より精度の高い補正が可能となる。
本実施の形態に係る加速度センサの概略構造を示した斜視図である。 (a)は可動部構造体の上面部を示した平面図であり、(b)は上部ガラス基板の下面部を示した平面図である。 加速度センサの断面を示した図である。 本実施の形態に係るC/V変換回路の構成を示した図である。 (a)は、交流電圧源Vs1のキャリア信号の波形を示し、(b)はC1+C1’>C2+C2’の場合における出力電圧Vout信号の波形を示し、(c)はC1+C1’<C2+C2’の場合における出力電圧Vout信号の波形を示す。 (a)は静電容量C1’の概略構成を示した図であり、(b)は静電容量C1’の等価回路を示した図である。 補正用コンデンサの配設位置の変形例を示した図である。 従来のキャリア変調によるC/V変換回路の構成を示した図である。 第1の変形例に係る加速度センサの概略構造を示した斜視図である。 (a)は第1の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板の上面部を示した平面図であり、(b)は上部ガラス基板の下面部を示した平面図である。 (a)は第1の変形例に係る加速度センサに係る補正回路の概略構成を示した図であり、(b)は第1の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。 (a)は第2の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板の上面部を示した平面図であり、(b)は第2の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。 (a)は第3の変形例に係る加速度センサの上部ガラス基板の上面部を示した平面図であり、(b)は第3の変形例に係る補正回路の等価回路を示した図である。
符号の説明
1 可動部構造体
2 上部ガラス基板
3 下部ガラス基板
11 フレーム
12 梁
13 錘
15、16 コンタクト
141、142 補正用コンデンサ
21、22 固定電極
31、32 電極パッド
41、42、43 ビアホール
431a〜h 電極
432a〜h 電極
471a〜h ボンディングパッド対

Claims (7)

  1. 中空部を有するフレームと、
    錘と、
    前記錘を前記フレームの中空部で支持する梁と、
    前記錘及び前記梁からなる可動部に対向配置された固定電極と、
    前記固定電極が設けられた固定基板と、
    前記可動部と前記固定電極との間に生じる静電容量の変化を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて、作用する力学量を出力する出力手段と、
    前記フレームの中空部及び前記固定基板のうちの少なくとも一方に配置された、前記検出手段の初期状態におけるオフセット出力のキャンセル補正を行う補正回路と、
    を備えたことを特徴とする力学量センサ。
  2. 前記補正回路は、前記可動部と前記固定電極とからなる静電容量素子に対して並列に接続される補正用コンデンサからなることを特徴とする請求項1記載の力学量センサ。
  3. 前記補正用コンデンサは、複数の静電容量素子を有し、これらの静電容量素子の接続状態を変化させることにより静電容量が変化する可変コンデンサであることを特徴とする請求項2記載の力学量センサ。
  4. 前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、誘電体として機能する絶縁層を中間に有する積層基板を加工することにより形成されていることを特徴とする請求項3記載の力学量センサ。
  5. 前記フレーム、前記可動部及び前記複数の静電容量素子は、同一の前記積層基板を加工することにより形成されていることを特徴とする請求項4記載の力学量センサ。
  6. 前記積層基板は、シリコン基板上の絶縁層上にシリコン層を有するSOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板からなり、
    前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、前記シリコン基板及び前記シリコン層を電極とすることを特徴とする請求項4または請求項5記載の力学量センサ。
  7. 前記可変コンデンサを構成する前記複数の静電容量素子は、前記固定基板における前記固定電極の配置面の反対面に設けられた補正用電極と、前記固定電極とからなることを特徴とする請求項3記載の力学量センサ。
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