JP2009175087A - 加速度センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加速度の検出に際して、簡単な構成で、重力加速度の影響を無くし、基準容量素子等の周辺素子の使用を抑え、小型化が可能な加速度センサ装置を提供する。
【解決手段】Z軸を中心に対称に形成されたZ軸固定電極Zs1と、XY軸の原点に対してX軸方向であって、Z軸固定電極Zs1の一側方に形成されたX軸固定電極Xs1と、XY軸の原点に対してY軸方向であって、Z軸固定電極Zs1の一側方に形成されたY軸固定電極Ys1とを有した絶縁基板32を備える。Z軸上に重心を有する重錘W1と一体に形成され、X軸電極板Xm1と、Y軸電極板Ym1と、Z軸電極部Zm1とが各々設けられた変位部材14aを備える。変位部材14aを筐体14cに支持し、弾性変形可能な複数の梁部材14bを備える。各電極による容量素子Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,Cz1,Cz2を備えた一対のセンサモジュールSM1,SM2を、表裏に回転対称に備える。
【選択図】図4
【解決手段】Z軸を中心に対称に形成されたZ軸固定電極Zs1と、XY軸の原点に対してX軸方向であって、Z軸固定電極Zs1の一側方に形成されたX軸固定電極Xs1と、XY軸の原点に対してY軸方向であって、Z軸固定電極Zs1の一側方に形成されたY軸固定電極Ys1とを有した絶縁基板32を備える。Z軸上に重心を有する重錘W1と一体に形成され、X軸電極板Xm1と、Y軸電極板Ym1と、Z軸電極部Zm1とが各々設けられた変位部材14aを備える。変位部材14aを筐体14cに支持し、弾性変形可能な複数の梁部材14bを備える。各電極による容量素子Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,Cz1,Cz2を備えた一対のセンサモジュールSM1,SM2を、表裏に回転対称に備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、静電容量の変化に基づいて加速度を検出する加速度センサ装置に関する。
従来、互いに直交するXYZ三次元座標系の各成分ごとに加速度を検出する加速度センサ装置として、図14〜図16に示す構成のものがあった。加速度センサ装置10は、図14(a),(b)に示すように、表面に所定の電極が形成されたガラス板などの絶縁基板12と、変位部材14aが梁部材14bを介して筐体14cに固定されたセンサ部分14と、覆い蓋16とを備えている。
絶縁基板12の表面はXY軸方向の平面を形成しており、図15に示すように、表面中央部に形成された正方形領域と、その各頂点から放射状に外側に延びて筐体14cの角部で45°屈曲させて形成された4個のレ字状領域とを一体にした形状のZ軸固定電極Zs1を有している。Z軸固定電極Zs1の正方形領域のX軸方向の両側には、各々台形状に形成されたX軸固定電極Xs1及びXs2と、上記正方形領域のY軸方向の両側に各々台形状に形成されたY軸固定電極Ys1及びYs2と、各固定電極と配線パターン12aで接続された引出用電極12bとを備えている。引出用電極12bは、絶縁基板12の四方の各辺のほぼ中央部端縁近傍に位置している。各電極や配線パターン12aは、アルミニウムや金等の金属薄膜により形成されている。
絶縁基板12の表面には、シリコンで形成されたセンサ部分14が接合されている。センサ部分14の筐体14cは、図14、図16に示すように、薄い四角筒状に形成され、四方の各辺の一部が各々矩形状に切除された形状に形成されている。この四方の切除部14dは、絶縁基板12にセンサ部分14を接合した状態で、引出用電極12bが各々露出する程度の大きさに形成されている。
センサ部分14の中空部14e内には、変位部材14aが配置されている。変位部材14aは、その中央部に位置し、Z軸に中心軸を有する円筒状の重錘W1と、重錘W1のX軸方向両側に各々一体に突出したX軸電極板Xm1,Xm2と、重錘W1のY軸方向両側に各々一体に突出したY軸電極板Ym1,Ym2とを備えている。そして、変位部材14aは、筐体14cの内壁14fから延出した4本の梁部材14bによって筐体14cに支持されている。
梁部材14bは、筐体14cの内壁14fの下面近傍から一辺の側壁14fに沿って延出し、直交する他の内壁14fにぶつかる前に45°屈曲してレ字状に形成され、屈曲した部分は中央部に向かい、その先端は、一体に重錘W1の下部に繋がっている。このように、梁部材14bは、筐体14cの内壁14fの四方の面から同様にして4本延出し、重錘W1の周囲4箇所に繋がっている。梁部材14bは、重錘W1に作用する加速度に応じて自在に弾性変形する可撓性を備えている。その動作については後述する。
上記重錘W1、各変位電極、梁部材14b及び筐体14cは、シリコン半導体により一体に形成されている。このシリコン半導体は、シリコンウエハ基板に所定の不純物をドープして、p型またはn型半導体に形成されたものである。
筐体14cの上面開口部は、図14(b)に示すように、ガラス板やシリコン板等の覆い蓋16が低融点ガラス等を介して気密状態で密着して固定され、絶縁基板12とともに筐体14cの中空部14e内を密封し、一体となって加速度センサ装置10が形成されている。
そして、X軸電極板Xm1とX軸固定電極Xs1は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cx1を形成し、X軸電極板Xm2とX軸固定電極Xs2は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cx2を形成し、絶縁基板12の表面に対して平行なX軸方向の加速度を検知する。また、Y軸電極板Ym1とY軸固定電極Ys1は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cy1を形成し、Y軸電極板Ym2とY軸固定電極Ys2は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cy2を形成し、絶縁基板12の表面に対して平行なY軸方向の加速度を検知する。また、重錘W1及び梁部材14bの下面で構成するZ軸電極部Zm1とZ軸固定電極Zs1とが、所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cz1を形成し、絶縁基板12の表面に対して垂直なZ軸方向の加速度を検知する。
上記の容量素子Cx1,Cx2は、対向面積及び電極間距離は互いに等しく設定されており、初期状態としてCx1=Cx2となっている。容量素子Cy1,Cy2についても同様に、初期状態としてCy1=Cy2となっている。
次に、加速度センサ装置10の動作を、図17〜図22に基づいて説明する。図17(a)は加速度センサ10が実装基板18に実装されたときのXZ平面部分の断面図であって、X軸方向に加速度αが加わっている状態を示している。図17(b)は、図17(a)の状態の変位部材14aと、絶縁基板12と、それらの間に形成される容量素子Cx1,Cx2を模式的に表している。重錘W1に加速度αが作用していない初期状態においては、変位部材14aは絶縁基板12に対して平行な状態であって、容量素子Cx1,Cx2の電極間距離はともにd(+)という等しい値になる。その状態に、図17(b)のようにX軸方向に加速度αが加わると、重錘W1は加速後αの方向に作用して変位部材14a全体が傾く。このとき、変位部材14aはZ軸電極部Zm1の中心点を揺動軸として傾くので、容量素子Cx1の電極間距離はd(+)+Δdとなって、その容量が減少する。一方、容量素子Cx2の電極間距離はd(+)−Δdとなって、その容量が増加する。そして、図21(a)に示す信号処理回路により、容量素子Cx1,Cx2の容量は、加速度センサ装置10の外部に設けたC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vxを求めることによって、加速度αが検出される。
Y軸方向に加速度αが加わった場合も、上記X軸方向の場合と同様に動作し、図21(b)に示すように、容量素子Cy1,Cy2の容量は、加速度センサ装置10の外部に設けたC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vyを求めることによって、加速度αが検出される。
Z軸方向に加速度が加わった場合の動作を、図19に基づいて説明する。図19(a)は加速度センサ装置10と、後述する基準容量素子Crefとが実装基板18に実装されたときのXZ平面部分の断面図であって、Z軸方向に加速度αが加わっている状態を示している。図19(b)は、図19(a)の状態の変位部材14aと、絶縁基板12と、それらの間に形成される容量素子Cz1と、基準容量素子Crefとを模式的に表している。重錘14cに加速度αが作用していない初期状態においては、変位部材14aは絶縁基板12に対して平行であって、容量素子Cz1の電極間距離はd(+)である。そして、図19(b)のようにZ軸方向に加速度αが加わると、重錘W1は加速後αの方向に作用して変位部材14a全体がZ軸方向に変位し、容量素子Cz1の電極間距離はd(+)+Δdとなって、その容量が減少する。そして、図21(c)に示すように、容量素子Cz1及び固定容量値を有する基準容量素子Crefの容量は、加速度センサ装置10の外部に設けた容量−電圧変換回路(以下、C/V変換回路)20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vzを求めることによって、加速度αが検出される。
また、特許文献1に開示された多次元方向に関する力検出装置は、上述の加速度センサ10における加速度を受けて変位する各軸の電極板Xm1,Xm2,Ym1,Ym2,Zm1を、弾性変形可能な可撓基板の表面に形成した電極に置き換えたものであって、そこに発生する容量素子Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,Cz1によって、加速度センサ10と同様の動作でX軸及びY軸方向の力を検出するものである。
さらに、特許文献1には、Z軸方向の力の検出感度を向上させるため、形状一定な変位基板、固定基板及び補助基板を用いて、第一の容量素子Cz1と、相補的に容量値が増減する第二の容量素子Cz2とを構成した他の実施形態が開示されている。この力検出装置は、可撓基板の中央部分に取り付けられた重錘に加速度が作用すると可撓基板が変形し、それに応じて可撓基板に一体に取り付けられた変位基板が変位し、その結果、容量素子Cz1,Cz2の容量が変化する、という動作を行う。そして、図21(c)の信号処理回路の基準容量素子Crefに代えて容量素子Cz2を接続し、Z軸方向の力を検出するものである。
特開平4−337431号公報
加速度センサ装置10のような小型の加速度センサ装置は、必ずしも固定的に設置されるとは限らず、例えばゲーム機や産業用ロボット等の機械装置の可動部分に取り付けられ、稼働中においては、重力が作用する方向であるZ軸方向に、上下裏返しになる場合がある。このような使用状況において、従来の加速度センサ10では、実装基板18の下面側に配置されたときと、上面側に配置されたときで、出力特性が異なるという問題があった。
例えば、図18(a)に示すように、加速度センサ10が実装基板18の下面側に配置された場合、重錘W1に加速度が作用していない初期状態では、変位部材14aは絶縁基板12に対して平行な状態となって、容量素子Cx1,Cx2の電極間距離は等しくd(−)となる。しかし、重力加速度Gが重錘W1に作用するため、加速度センサ10が実装基板18の上面側に配置された図17(a)に示す場合における初期状態の電極間距離d(+)よりも大きな値となっている。
その状態で、X軸方向に加速度αが加わると、図18(b)のように、重錘W1は加速度αの方向に作用して変位部材14a全体が傾く。このとき、変位部材14aはZ軸電極部Zm1の中心点を揺動軸として傾くので、容量素子Cx1の電極間距離はd(−)−Δdとなって容量が増加し、容量素子Cx2の電極間距離はd(−)+Δdとなって容量が減少する。
ここで、式(1)で規定される容量Cと電極間距離dは、図22に示すように反比例の関係を有している。図22から分かるように、電極間距離dが初期状態のd(+)からΔdだけ変位したときの容量変化ΔC(+)と、初期状態d(−)からΔdだけ変位したときの容量変化ΔC(−)を比較すると、ΔC(+)の方がΔC(−)よりも常に大きな値になる。そして、減算回路22から出力される電圧信号±Vxも異なる値を示す。すなわち、同一の加速度αが加わっていても、実装基板の上面側に配置されたときと下面側に配置されたときで、異なる値として検出されてしまうものであった。これは、Y軸方向の加速度検出についても同様であり、Z軸についても図20に示すように、重力加速度Gによる影響が同様に発生するものであった。
さらに、Z軸方向については、ばらつきが小さく特性が安定した基準容量素子Crefを別個に用意し、加速度センサ装置10の外部に接続する必要があるため、加速度センサ装置10の小型化の妨げとなり、また基準容量素子Crefの品質管理や生産管理の面で煩雑さがあった。
一方、特許文献1に開示された多次元方向に関する力検出装置も、上下逆さまに配置された場合、X軸またはY軸に同一の力が加わっていても、異なる値が検出されてしまうというという同様の問題があった。
さらに、特許文献1に開示された力検出装置のように、Z軸方向の力を検出する2つの容量素子Cz1,Cz2を備えた力検出装置にあっては、可撓基板と容量素子Cz1との距離と可撓基板と容量素子Cz2との距離が異なるため、XYZ軸方向の成分を含む力が重錘に加わって可撓基板が変形したとき、可撓基板の変形量のZ軸方向成分が、容量素子Cz1,Cz2の変位電極に等しく伝わらず、その各電極間距離が均等に変化しない場合がある。すなわち、各容量の差分に応じた電圧信号±Vzに、変位電極の変位量の不均等による誤差分が重畳される、という問題があった。さらに、容量素子Cz1と容量素子Cz2の電極形状が異なっているため、上記誤差分が一層顕著に現れる要因となっていた。また、力検出装置を上下逆さまに配置したとき等、上記誤差分が必ずしも一律にならないため、外部の信号処理回路で補正することも容易ではなかった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、加速度の検出に際して、重力加速度の影響を無くして、基準容量素子等の周辺素子を使用する必要がなく、簡単な構成で小型化が可能な加速度センサ装置を提供することを目的とする。
この発明は、一方の面に、互いに直交するXYZ三次元座標系のうちのXY軸を含む平面を有し、その表面に、Z軸を中心に対称に形成されたZ軸固定電極と、前記XY軸の原点に対してX軸方向であって、前記Z軸固定電極の一側方に形成されたX軸固定電極と、前記XY軸の原点に対してY軸方向であって、前記Z軸固定電極の一側方に形成されたY軸固定電極とを備える絶縁基板と、前記Z軸上に重心を有する重錘が設けられてこの重錘と一体に形成され、前記X軸固定電極と所定の距離を空けて対向したX軸変位電極、前記Y軸固定電極と所定の距離を空けて対向したY軸変位電極、及び前記Z軸固定電極と所定の距離を空けて対向したZ軸変位電極が設けられた変位部材と、前記変位部材を収容した筐体と、前記変位部材を前記筐体に支持した弾性変形可能な複数の梁部材とを備え、前記X軸固定電極と前記X軸変位電極、前記Y軸固定電極と前記Y軸変位電極、及び前記Z軸固定電極と前記Z軸変位電極により、X軸容量素子、Y軸容量素子及びZ軸容量素子を各々形成して、XYZ軸方向の加速度を検知するセンサモジュールを構成した加速度センサ装置であって、前記センサモジュールが一対設けられ、前記一対のセンサモジュールは同形状に形成され、前記Z軸固定電極同士が前記絶縁基板を挟んで互いに反対側に位置して対称な位置関係であり、前記一対のセンサモジュールに加速度が作用した際、前記第一のセンサモジュールのZ軸容量素子の容量と前記第二のセンサモジュールのZ軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のZ軸方向成分を検出する加速度センサ装置である。
また、前記X軸固定電極は前記Z軸固定電極の一側方に形成され、前記Y軸固定電極は前記Z軸固定電極の一側方に形成され、前記一対のセンサモジュールは、前記X軸固定電極同士及び前記Y軸固定電極同士が、互いに前記絶縁基板面と平行な方向の軸を中心に回転対称な位置で表裏となる位置関係であり、前記一対のセンサモジュールに加速度が作用した際、第一の前記センサモジュールのX軸容量素子の容量と第二の前記センサモジュールのX軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のX軸方向成分を検出し、第一の前記センサモジュールのY軸容量素子の容量と第二の前記センサモジュールのY軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のY軸方向成分を検出する加速度センサ装置である。
さらに、前記一対のセンサモジュールは、実装基板を挟んでその表裏に設けられ、互いに前記実装基板面方向の軸を中心に回転対称の位置関係に配置されたものである。
または、前記一対のセンサモジュールは、前記絶縁基板を共用して、その表裏に互いに前記絶縁基板面方向の軸を中心に回転対称の配置関係に配置されたものである。
この発明の加速度センサ装置は、X軸、Y軸、Z軸の各方向に加わる加速度に対する出力特性について、重力加速度の影響が抑えられ、例えば鉛直方向について、逆に配置された場合も検出誤差が生じない。しかも、Z軸方向の検出感度を向上させつつも測定誤差が発生しにくく、基準容量素子等の周辺素子の使用を削減することができ、加速度センサ装置の小型化にも寄与するものである。
また、請求項3記載の加速度センサ装置にあっては、実装基板の上面側と下面側に実装する2つのセンサモジュールを、同一仕様及び同一プロセスで製造し性能がほぼ一致したものを使用することが可能であるため、加速度センサ装置として安定した性能が得られるとともに、生産管理の面においても煩雑さが少ない。
また、請求項4記載の加速度センサ装置にあっては、実装基板等の構成部材の削減によって装置の小型化や製造コストの低減にさらに寄与することができる。また、製造プロセスの管理によって上面側と下面側の性能を一致させることも容易であり、加速度検知精度をより向上させることができる。
以下、この発明の加速後センサ装置の第一の実施形態について、図1〜図8に基づいて説明する。ここで、上述の加速度センサ装置10と同様の構成は、同一の符号を付して説明する。
まず、図1〜図4に基づいて、第一の実施形態である加速度センサ装置30の構成を説明する。加速度センサ装置30は、従来の加速度センサ装置10とほぼ同外形のセンサモジュールSM1,SM2と、表面に所定の電極が形成されたガラス板などであって、センサモジュールSM1,SM2が搭載される実装基板18とを備えている。
センサモジュールSM1は、図1に示すように、表面に所定の電極が形成された絶縁基板32と、変位部材34aが梁部材14bを介して筐体14cに固定されたセンサ部分34と、覆い蓋16とを備えている。絶縁基板32の表面はXY軸方向の平面を形成しており、図2に示すように、表面中央部に形成された正方形領域と、その各頂点から放射状に外側に延びて筐体14cの角部で45°屈曲させて形成された4個のレ字状領域とを一体にした形状のZ軸固定電極Zs1を有している。Z軸固定電極Zs1の正方形領域のX軸方向の片側に台形状に形成されたX軸固定電極Xs1と、上記正方形領域のY軸方向の片側に台形状に形成されたY軸固定電極Ys1と、各固定電極と配線パターン12aで接続された引出用電極12bとを備えている。すなわち、絶縁基板32は、従来の絶縁基板12におけるX軸固定電極Xs2、Y軸固定電極Ys2を削除した構成である。
絶縁基板32の表面には、シリコンで形成されたセンサ部分34が接合されている。センサ部分34の筐体14cは、図1、図3に示すように、薄い四角筒状に形成され、四方の各辺の一部が各々矩形状に切除された形状に形成されている。この四方の切除部14dは、絶縁基板32にセンサ部分34を接合した状態で、引出用電極12bが各々露出する程度の大きさに形成されている。
センサ部分34の中空部14e内には、変位部材34aが配置されている。変位部材34aは、その中央部に位置し、Z軸方向に中心軸を有する円筒状の重錘W1と、重錘W1のX軸方向片側に一体に突出したX軸変位電極であるX軸電極板Xm1と、重錘W1のY軸方向片側に一体に突出したY軸変位電極であるY軸電極板Ym1とを備えている。そして、変位部材32aは、筐体14cの内壁14fから延出した4本の梁部材14bによって筐体14cに支持されている。すなわち、センサ部分34は、従来のセンサ部分14におけるX軸電極板Xm2、Y軸電極板Ym2を削除した構成を備えている。
なお、梁部材14bの構造や、センサ部分34を形成するシリコン材料の半導体処理については、従来のセンサ部分14と同様である。
筐体14cの上面開口部は、図1(b)に示すように、ガラス板やシリコン板等の覆い蓋16が低融点ガラス等を介して気密状態で密着して固定され、絶縁基板32とともに筐体14の中空部14e内を密封し、一体となってセンサモジュールSM1が形成されている。
そして、X軸電極板Xm1とX軸固定電極Xs1は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cx1を形成し、絶縁基板32の表面に対して平行なX軸方向の加速度を検知する。また、Y軸電極板Ym1とY軸固定電極Ys1は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cy1を形成し、絶縁基板32の表面に対して平行なY軸方向の加速度を検知する。また、重錘W1及び梁部材14bの下面で構成するZ軸変位電極であるZ軸電極部Zm1とZ軸固定電極Zs1は所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cz1を形成し、絶縁基板32の表面に対して垂直なZ軸方向の加速度を検知する。
センサモジュールSM2は、センサモジュールSM1と同一の構造を備え、センサモジュールSM1,SM2において、各々対応する位置の同じ部材は、大きさ及び形状が等しいものである。ここで、説明の便宜のため、センサモジュールSM2の変位部材34aを構成する重錘をW2、X軸電極板をXm2、Y軸電極板をYm2、Z軸電極部をZm2とする。また、絶縁基板32の表面に形成されたX軸固定電極をXs2、Y軸固定電極Ys2、Z軸固定電極をZs2とする。また、X軸電極板Xm2とX軸固定電極Xs2が対向して形成する容量素子をCx2、Y軸電極板Ym2とY軸固定電極Ys2が対向して形成する容量素子をCy2、Z軸電極部Zm2とZ軸固定電極Zs1が対向して形成する容量素子をCz2とする。
このように構成されたセンサモジュールSM1,SM2は、図4(a)に示すように、実装基板18の表面側と裏面側にそれぞれ実装される。そのとき、Z軸固定電極Zs1,Zs2が、実装基板18を介して互いに対向する位置に配置される。X軸固定電極Xs1,Xs2は、互いに実装基板18の中心であってY軸方向の軸を中心に、180°回転対称な位置で、実装基板18の表裏となる位置関係にある。同様に、Y軸固定電極Ys1,Ys2も、互いに実装基板18の中心であってX軸方向の軸を中心に、180°回転対称な位置で、実装基板18の表裏となる位置関係にある。そして、各固定電極に対面した各変位電極も同様に配置される。
以上のように構成された加速度センサ装置30の動作を、図4〜図8に基づいて説明する。図4(a)は、センサモジュールSM1,SM2が実装基板18に実装されたときの加速度センサ装置30のXZ平面部分の断面図であって、X軸方向に加速度αが加わっている状態を示している。図4(b)は、図4(a)の状態の変位部材14aと、絶縁基板32と、それらの間に形成される容量素子Cx1,Cx2を模式的に表している。重錘W1,W2に加速度αが作用していない初期状態においては、センサモジュールSM1とSM2の各変位部材14aは、それぞれ絶縁基板12に対して平行な状態となるが、容量素子Cx1の電極間距離はd(+)、Cx2の電極間距離はd(−)という異なった値となる。これは、重力加速度Gの作用によるものであり、d(−)はd(+)よりも常に大きな値となる。
その状態に、X軸方向に加速度αが加わると、図4(b)のように、重錘W1,W2は加速後αの方向に作用して、各変位部材14a全体が傾く。このとき、各変位部材14aは、各々Z軸電極部Zm1,Zm2の中心点を揺動軸として傾くので、容量素子Cx1の電極間距離はd(+)+Δdとなって、その容量が減少する。一方、容量素子Cx2の電極間距離はd(−)−Δdとなって、その容量が増加する。そして、容量素子Cx1,Cx2の容量は、図8(a)に示す信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vxを求めることによって、加速度αが検出される。
Y軸方向に加速度αが加わった場合も上記X軸方向の場合と同様に動作し、容量素子Cy1,Cy2の容量は、図8(b)に示す信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vyを求めることによって、加速度αが検出される。
このとき、容量素子Cx1の容量減少分はΔC(+)、容量素子Cx2の容量増加分はΔC(−)となり、容量素子Cx1の方が変化幅が大きくなる。これは、上記のように、容量Cと電極間距離dが反比例の関係を有し、d(+)がd(−)よりも小さな値となるからである。
一方、図5(a)に示すように、加速度センサ装置30を、重力が作用する方向であるZ軸方向に上下裏返し、センサモジュールSM2が実装基板18の上面側に、センサモジュールSM1が実装基板18の下面側に配置された状態で、X軸方向に加速度αが加わった場合の動作を考える。この場合、上記と同様な動作によって、容量素子Cx1の電極間距離はd(−)−Δdとなり、その容量は増加する。一方、容量素子Cx2の電極間距離はd(+)+Δdとなり、その容量は減少する。そして、容量素子Cx1の容量増加分はΔC(−)、容量素子Cx2の容量減少分はΔC(+)となる。
即ち、C/V変換回路20を介して減算回路22が出力するのはΔC(+)とΔC(−)の和に基づく電圧信号±Vxであるので、加速度センサ装置30にX軸方向の加速度αが加わった場合、センサモジュールSM1,SM2の上下配置の如何によらず、絶対値が等しい電圧信号±Vxが出力されることになる。また、Y軸方向の動作についても同様である。
次に、Z軸方向に加速度が加わった場合の動作を、図6に基づいて説明する。図6(a)は、センサモジュールSM1,SM2が実装基板18に実装されたときの加速度センサ装置30のXZ平面部分の断面図であって、Z軸方向に加速度αが加わっている状態を示している。重錘W1,W2に加速度αが作用していない初期状態では、上記のように、容量素子Cz1の電極間距離はd(+)、Cz2の電極間距離はd(−)という異なった値となる。
その状態に、Z軸方向の加速度αが加わると、図6(b)のように、重錘W1,W2は加速後αの方向に作用して各変位部材14a全体がZ軸方向に変位し、容量素子Cz1の電極間距離はd(+)+Δdとなって、その容量が減少する。一方、容量素子Cz2の電極間距離はd(−)−Δdとなって、その容量が増加する。そして、容量素子Cz1,Cz2の容量は、図8(c)の信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22からその差分の電圧信号±Vzを観測することによって、加速度αが検出される。このとき、容量素子Cz1の容量減少分はΔC(+)、容量素子Cx2の容量増加分はΔC(−)となる。
さらに、図7(a)に示すように、加速度センサ装置30を、重力が働くZ軸方向に上下裏返され、センサモジュールSM2が実装基板18の上面側に、センサモジュールSM1が実装基板18の下面側に配置された状態で、Z軸方向に加速度αが加わった場合の動作を考える。この場合、上記と同様な動作によって、容量素子Cz1の電極間距離はd(−)−Δdとなり、その容量は増加する。一方、容量素子Cz2の電極間距離はd(+)+Δdとなり、その容量は減少する。そして、容量素子Cz1の容量増加分はΔC(−)、容量素子Cz2の容量減少分はΔC(+)となる。
即ち、C/V変換回路20を介して減算回路22が出力するのはΔC(+)とΔC(−)の和に基づく電圧信号±Vzであるので、加速度センサ装置30にZ軸方向の加速度αが加わった場合、センサモジュールSM1,SM2の上下配置の如何によらず、絶対値が等しい電圧信号±Vzが出力されることになる。
また、容量素子Cz1,Cz2は、電極形状や電極面積が互いに等しく、同一形状の重錘W1,W2に加速度が作用したときに、各々の電極間距離を変化させる構造も同一である。従って、XYZ軸の成分が複合した加速度が作用して重錘W1,W2が変位したときでも、重錘の変位量のZ軸方向成分は、容量素子Cz1,Cz2の変位電極Zm1,Zm2に等しく伝わり、各電極間距離dは等しく変化する。従って、電圧信号±Vzには、変位電極の変位量の不均等による誤差分が発生するという問題はない。
以上説明したように、加速度センサ装置30によれば、X軸、Y軸、Z軸の各方向に加わる加速度に対する出力特性は、重力が作用する方向であるZ軸方向に上下逆さまに配置されても誤差が発生せず、重力加速度の影響を受けることがなく、精度よく出力を得ることができる。また、基準容量素子等の付属部品の使用を減らし、加速度センサ装置の小型化にも寄与する。
次に、この発明の加速度センサ装置の第二の実施形態について、図9に基づいて説明する。ここで、上記加速度センサ装置10,30と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。加速度センサ装置40は、表面側と裏面側に所定の電極が形成された絶縁基板42と、変位部材34aが梁部材14bを介して筐体14cに繋がった構成を有する2つのセンサ部分34と、2つの覆い蓋16とを備えている。
絶縁基板42の表面側には、上記センサモジュール30の絶縁基板32と同じ形態の各軸の固定電極Xs1,Ys1及びZs1と、各固定電極との間を配線パターン12aで接続された引出用電極12bとを備えている。一方、裏面側には、表面側のレイアウトと同じであって、Z軸固定電極Zs1と対向する位置にそれと同一形状のZ軸固定電極Zs2が、X軸固定電極Xs1とZ軸を挟んで反対位置にそれと同一形状のX軸固定電極Xs2が、Y軸固定電極Ys1とZ軸を挟んで反対位置にそれと同一形状のY軸固定電極Ys2が配置されている。
絶縁基板42の表面側には、センサ部分34が取り付けられ、X軸電極板Xm1とX軸固定電極Xs1は所定の距離を空けて対向して容量素子Cx1を形成し、絶縁基板42の表面に対して平行なX軸方向の加速度を検知する。また、Y軸電極板Ym1とY軸固定電極Ys1は所定の距離を空けて対向して容量素子Cy1を形成し、絶縁基板32の表面に対して平行なY軸方向の加速度を検知する。また、重錘W1及び梁部材14bの下面で構成するZ軸電極部Zm1とZ軸固定電極Zs1は所定の距離を空けて対向して容量素子Cz1を形成し、絶縁基板32の表面に対して垂直なZ軸方向の加速度を検知する。
同様に、絶縁基板42の裏面側にもセンサ部分34が取り付けられ、X軸電極板Xm2とX軸固定電極Xs2は所定の距離を空けて対向して容量素子Cx2を形成し、絶縁基板42の表面に対して平行なX軸方向の加速度を検知する。また、Y軸電極板Ym2とY軸固定電極Ys2は所定の距離を空けて対向して容量素子Cy2を形成し、絶縁基板42の表面に対して平行なY軸方向の加速度を検知する。また、重錘W2及び梁部材14bの下面で構成するZ軸電極部Zm2とZ軸固定電極Zs2は所定の距離を空けて対向して容量素子Cz2を形成し、絶縁基板42の表面に対して垂直なZ軸方向の加速度を検知する。
そして、上面側及び下面側の各センサ部分34の上面開口部は、各々覆い蓋16で閉じられ、一体となって加速度センサ装置40が形成されている。即ち、加速度センサ装置40は、加速度センサ装置30の構成から、実装基板18とセンサモジュールSM2を構成する絶縁基板12を除去し、その除去された絶縁基板12の表面に形成されていた電極等を絶縁基板42の裏面側に形成し、それらを一体化した構造を有している。よって、加速度センサ装置40は、加速度センサ装置30と同様の動作を行うものである。
このような構成の加速度センサ装置40によれば、加速度センサ装置30に比べて薄型化し易く、また、図9に示すように透孔44aが形成された実装基板44に落とし込んで実装することも容易である。すなわち、加速度センサ装置はもとより、加速度センサ装置を使用する機器の小型化に寄与することができる。
次に、この発明の加速度センサ装置の第三の実施形態について、図10〜図13に基づいて説明する。ここで、上述の加速度センサ装置10,30と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
加速度センサ装置50は、加速度センサ装置30とほぼ同外形のセンサモジュールSM11,SM12と、表面に所定の電極が形成されたガラス板などであって、センサモジュールSM11,SM12が搭載される実装基板18とを備えている。
まず、センサモジュールSM11の詳細な構成を説明する。センサモジュールSM11は、表面に所定の電極が形成された絶縁基板52と、変位部材54aが梁部材14bを介して筐体14cに固定されたセンサ部分54と、覆い蓋16とを備えており、外観上は、図1(a)(b)に示す第一の実施形態のセンサモジュールSM1と同様である。絶縁基板52の表面はXY軸方向の平面を形成しており、従来の絶縁基板12におけるY軸固定電極Ys1,Ys2を削除した構成であって、Z軸固定電極Zs1の正方形領域のX軸方向の両側に台形状に形成された固定電極Xs1,Xs2と、各固定電極と配線パターン12aで接続された引出用電極12bとを備えている。
絶縁基板52の表面には、センサ部分54が接合されている。センサ部分54は、従来のセンサ部分14におけるY軸電極板Ym1,Ym2を削除した構成であって、センサ部分54の中空部14eに配置された変位部材54aは、その中央部に位置し、Z軸方向に中心軸を有する円筒状の重錘W1と、重錘W1のX軸方向の両側に一体に突出したX軸変位電極であるX軸電極板Xm1,Xm2とを備えている。そして、変位部材52aは、筐体14cの内壁14fから延出した4本の梁部材14bによって筐体14cに支持されている。
そして、X軸電極板Xm1とX軸固定電極Xs1、およびX軸電極板Xm2とX軸固定電極Xs2は各々所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cx1および容量素子Cx2を形成し、絶縁基板52の表面に対して平行なX軸方向の加速度を検知する。また、重錘W1及び梁部材14bの下面で構成するZ軸変位電極であるZ軸電極部Zm1とZ軸固定電極Zs1とが、所定の距離を空けて互いに平行に対向して容量素子Cz1を形成し、絶縁基板32の表面に対して垂直なZ軸方向の加速度を検知する。センサモジュールSM11のその他の部分は、センサモジュールSM1と同様の構成である。
第二のセンサモジュールSM12は、センサモジュールSM11と同一の構造を備えたものである。なお、センサモジュールSM12は、後述するように、内蔵する容量素子Cx1,Cx2と同様の構成の容量素子Cy1,Cy2を用いて、Y軸方向の加速度を検知する。そこで、説明の便宜のため、センサモジュールSM12においては、変位部材54aを構成する重錘W1を重錘W2、X軸電極板Xm1,Xm2をY軸電極板Ym1,Ym2、Z軸電極部Zm1をZ軸電極部Zm2と読み替える。また、絶縁基板52の表面に形成されたX軸固定電極Xs1,Xs2をY軸固定電極Ys1,Ys2、Z軸固定電極Zs1をZ軸固定電極Zs2と読み替える。また、容量素子Cx1,Cx2を容量素子Cy1,Cy2、容量素子Cz1を容量素子Cz2と読み替える。
このように構成されたセンサモジュールSM11,SM12は、図12(a)に示すように、実装基板18の表面側と裏面側にそれぞれ実装される。そのとき、Z軸固定電極Zs1,Zs2が、実装基板18を介して互いに対向する位置に配置される。センサモジュールSM11のX軸固定電極Xs1,Xs2はX軸上に、センサモジュールSM12のY軸固定電極はYs1,Ys2はY軸上に配置される位置関係にある。
以上のように構成された加速度センサ装置50の動作を、図12〜図13に基づいて説明する。図12(a)は、センサモジュールSM11,SM12が実装基板18に実装されたときの加速度センサ装置50のXZ平面部分の断面図であって、X軸方向に加速度αが加わっている状態を示している。図12(b)は、図12(a)の状態の変位部材54aと、絶縁基板52と、それらの間に形成される容量素子Cx1,Cx2を模式的に表している。SM11は、X軸方向の加速度に対して、従来の加速度センサ装置10と同様の動作を行う。すなわち、容量素子Cx1,Cx2の容量は相補的に増減し、加速度センサ装置50の外部に設けた図21(a)の信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vxを求めることによって、加速度αが検出される。一方、SM12は、Y軸上に容量素子Cy1,Cy2が形成されているため、X軸方向の加速度に対しては反応しない。
Y軸方向に加速度αが加わった場合も、図13(b)に示すように、SM12は従来の加速度センサ装置10と同様の動作を行う。即ち、容量素子Cy1,Cy2の容量は相補的に増減し、加速度センサ装置50の外部に設けた図21(b)の信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vyを求めることによって、加速度αが検出される。一方、SM11は、X軸上に容量素子Cx1,Cx2が形成されているため、Y軸方向の加速度に対しては反応しない。
Z軸方向に加速度αが加わった場合は、第一の実施形態の加速度センサ装置30と同様の動作を行う。すなわち、図6(b)及び図7(b)に示すように、容量素子Cz1,Cz2の容量は相補的に増減し、加速度センサ装置50の外部に設けた図8(c)の信号処理回路のC/V変換回路20によって電圧信号に変換され、減算回路22によりその差分の電圧信号±Vzを求めることによって、加速度αが検出される。そして、XYZ軸の成分が複合した加速度が作用しても、重錘W1,W2の変位のZ軸方向成分に応じて、Cz1,Cz2の電極間距離dは等しく変化するので、変位電極の変位量の不均等による誤差が発生するという問題はない。
以上説明したように、加速度センサ装置50によれば、引用文献1に開示されたZ軸方向の力を検出する2つの容量素子Cz1,Cz2を備えた力検出装置の電気的性能を維持しつつ、Z軸方向の検出精度を向上させることができる。
また、加速度センサ装置50は、Z軸方向の容量素子Cz1,Cz2が実装基板18を挟んで互いに反対側に位置するよう構成されていれば良く、容量素子Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,及びCz1をセンサモジュールSM11に形成し、容量素子Cz2のみをセンサモジュールSM12に形成してもよい。
なお、この発明の加速度センサ装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、一対の容量素子「Cx1とCx2」、「Cy1とCy2」及び「Cz1とCz2」は、固定電極と変位電極が対向する部分の面積および形状がそれぞれ等しく設定されたもの同士で一対をなすものであればよく、例えば「Cx1とCy1」の電極の形状等は、異なるものであってもよい。また、センサ部分や絶縁基板は円形その他の形状であってもよく、実装基板への固定方法は、接着剤による固定、はんだ付けによる固定、金具端子等による固定など、特に限定するものではなく、適宜選択すればよい。また、加速度センサ装置の全体又は一部を樹脂などの封止材で封止して環境負荷に対する信頼性の向上を図ってもよい。また、変位部材は、重錘に作用する加速度に応じて各軸の電極間距離を変位させ、容量素子の容量を増減させる作用を奏するものであれば、可撓性を有する変位基板表面に電極を形成したもの等に置き換えてもよい。
さらに、信号処理回路の減算器の出力である電圧信号±Vx、±Vy、±Vzから、重力加速度G以外の加速度αが加わっていない初期状態に出力される電圧信号Vx0、Vy0、Vz0をそれぞれ減算する演算処理を行い、重力加速度Gの影響をキャンセルした電圧信号を抽出するようにしてもよい。
14,34,54 センサ部分
14a,34a,54a 変位部材
14b 梁部材
14c 筐体
16 覆い蓋
18 実装基板
20 容量−電圧変換回路
22 減算回路
30,40,50 加速度センサ装置
32,42,52 絶縁基板
Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,Cz1,Cz2 容量素子
SM1,SM2,SM11,SM12 センサモジュール
W1,W2 重錘
Xm1,Xm2 X軸電極板
Xs1,Xs2 X軸固定電極
Ym1,Ym2 Y軸電極板
Ys1,Ys2 Y軸固定電極
Zm1,Zm2 Z軸電極部
Zs1,Zs2 Z軸固定電極
14a,34a,54a 変位部材
14b 梁部材
14c 筐体
16 覆い蓋
18 実装基板
20 容量−電圧変換回路
22 減算回路
30,40,50 加速度センサ装置
32,42,52 絶縁基板
Cx1,Cx2,Cy1,Cy2,Cz1,Cz2 容量素子
SM1,SM2,SM11,SM12 センサモジュール
W1,W2 重錘
Xm1,Xm2 X軸電極板
Xs1,Xs2 X軸固定電極
Ym1,Ym2 Y軸電極板
Ys1,Ys2 Y軸固定電極
Zm1,Zm2 Z軸電極部
Zs1,Zs2 Z軸固定電極
Claims (4)
- 一方の面に、互いに直交するXYZ三次元座標系のうちのXY軸を含む平面を有し、その表面に、Z軸を中心に対称に形成されたZ軸固定電極と、前記XY軸の原点に対してX軸方向であって、前記Z軸固定電極の側方に形成されたX軸固定電極と、前記XY軸の原点に対してY軸方向であって、前記Z軸固定電極の側方に形成されたY軸固定電極とを備える絶縁基板と、
前記Z軸上に重心を有する重錘が設けられてこの重錘と一体に形成され、前記X軸固定電極と所定の距離を空けて対向したX軸変位電極、前記Y軸固定電極と所定の距離を空けて対向したY軸変位電極、及び前記Z軸固定電極と所定の距離を空けて対向したZ軸変位電極が設けられた変位部材と、
前記変位部材を収容した筐体と、
前記変位部材を前記筐体に支持した弾性変形可能な複数の梁部材とを備え、
前記X軸固定電極と前記X軸変位電極、前記Y軸固定電極と前記Y軸変位電極、及び前記Z軸固定電極と前記Z軸変位電極により、X軸容量素子、Y軸容量素子及びZ軸容量素子を各々形成して、XYZ軸方向の加速度を検知するセンサモジュールを構成した加速度センサ装置において、
前記センサモジュールが一対設けられ、
前記一対のセンサモジュールは同形状に形成され、前記Z軸固定電極同士が前記絶縁基板を挟んで互いに反対側に位置して対称な位置関係であり、
前記一対のセンサモジュールに加速度が作用した際、前記第一のセンサモジュールのZ軸容量素子の容量と前記第二のセンサモジュールのZ軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のZ軸方向成分を検出することを特徴とする加速度センサ装置。 - 前記X軸固定電極は前記Z軸固定電極の一側方に形成され、前記Y軸固定電極は前記Z軸固定電極の一側方に形成され、
前記一対のセンサモジュールは、前記X軸固定電極同士及び前記Y軸固定電極同士が、互いに前記絶縁基板面と平行な方向の軸を中心に回転対称な位置で表裏となる位置関係であり、
前記一対のセンサモジュールに加速度が作用した際、第一の前記センサモジュールのX軸容量素子の容量と第二の前記センサモジュールのX軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のX軸方向成分を検出し、第一の前記センサモジュールのY軸容量素子の容量と第二の前記センサモジュールのY軸容量素子の容量の差分に基づいて加速度のY軸方向成分を検出することを特徴とする請求項1記載の加速度センサ装置。 - 前記一対のセンサモジュールは、実装基板を挟んでその表裏に設けられ、互いに前記実装基板面方向の軸を中心に回転対称の位置関係に配置されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の加速度センサ装置。
- 前記一対のセンサモジュールは、前記絶縁基板を共用して、その表裏に互いに前記絶縁基板面方向の軸を中心に回転対称の配置関係に配置されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の加速度センサ装置。
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