JP2008064663A - 検出装置、センサ及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】低ノイズでの検出処理を実現できる検出装置、センサ及び電子機器の提供。
【解決手段】検出装置は、駆動信号により駆動される物理量トランスデューサから検出信号を受け、検出信号から所望信号を検出する検出回路を含む。検出回路は、物理量トランスデューサからの検出信号を増幅する増幅回路と、増幅回路により増幅された信号に対する同期検波を同期信号CLKに基づいて行う同期検波回路100を含み、同期検波回路100は、同期信号CLKに基づいて、ダブルバランス・ミキサ方式で同期検波を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、検出装置、センサ及び電子機器に関する。
デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、カーナビゲーションシステム等の電子機器には、外的な要因で変化する物理量を検出するためのジャイロセンサが組み込まれている。このようなジャイロセンサは、角速度等の物理量を検出し、いわゆる手振れ補正、姿勢制御、GPS自律航法などに用いられる。
そして近年、ジャイロセンサの1つとして圧電型の振動ジャイロセンサが注目されている。そのなかでも、圧電材料として水晶が用いられる水晶圧電振動ジャイロセンサは、多くの装置への組み込み向けに最適なセンサとして期待が寄せられている。
この振動ジャイロセンサでは、振動子からの検出信号は、駆動周波数をキャリア周波数とし、角速度レベル(コリオリ力)を振幅とするAM変調信号として出力される。この角速度レベルは、一般的には、検出装置が含む同期検波回路とローパスフィルタの構成により検出される。そして従来の振動ジャイロセンサの検出装置では、この同期検波回路として、スイッチング・ミキサ方式やシングルバランス・ミキサ方式の回路が用いられてきた。
しかしながら、このような従来方式の同期検波回路では、ミキサ・ゲインが2/π以下にとどまる。このため、ジャイロ出力信号のSNR(Signal-to-Nose Ratio)には限界があった。特に近年、振動ジャイロセンサでは、振動子の軽量小型化に伴い、振動子からのジャイロ検出信号(検出電流)のレベルが、非常に微弱になってきている。このため、上記SNRの問題は更に深刻となる。
特開平3−226620号公報
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低ノイズでの検出処理を実現できる検出装置、センサ及び電子機器を提供することにある。
本発明は、駆動信号により駆動される物理量トランスデューサから検出信号を受け、前記検出信号から所望信号を検出する検出回路を含み、前記検出回路は、前記物理量トランスデューサからの前記検出信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路により増幅された信号に対する同期検波を、同期信号に基づいて行う同期検波回路とを含み、前記同期検波回路は、前記同期信号に基づいて、ダブルバランス・ミキサ方式で同期検波を行う検出装置に関係する。
本発明によれば、物理量トランスデューサからの検出信号が増幅回路により増幅され、増幅後の信号に対して同期検波が行われる。そして本発明では、この同期検波が、ダブルバランス・ミキサ方式で行われる。このようにすれば、例えばシングルバランス・ミキサ方式で同期検波を行う場合に比べて、ミキサ・ゲインを大きくすることができる。これにより、同期検波回路の後段の回路を小さなゲインに設定することなどが可能になり、低ノイズでの検出処理を実現できる。
また本発明では、前記同期検波回路は、前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間では、前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号を、第1の出力信号として出力し、前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号を、第2の出力信号として出力し、前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間では、前記第2の信号に対応する信号を、前記第1の出力信号として出力し、前記第1の信号に対応する信号を、前記第2の出力信号として出力するようにしてもよい。
このようにすれば、ミキサ・ゲインを大きくできる第1、第2の出力信号の出力が可能になる。
また本発明では、前記同期検波回路は、前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号が入力される第1の入力ノードと、第1の出力信号が出力される第1の出力ノードとの間に設けられ、前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間においてオンになる第1のスイッチング素子と、前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号が入力される第2の入力ノードと、前記第1の出力ノードとの間に設けられ、前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間においてオンになる第2のスイッチング素子と、前記第2の入力ノードと、第2の出力信号が出力される第2の出力ノードとの間に設けられ、前記第1の期間においてオンになる第3のスイッチング素子と、前記第1の入力ノードと、前記第2の出力ノードとの間に設けられ、前記第2の期間においてオンになる第4のスイッチング素子とを含むようにしてもよい。
このようにすれば、第1〜第4のスイッチング素子を用いてダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路を実現できる。
また本発明は、駆動信号により駆動される物理量トランスデューサから検出信号を受け、前記検出信号から所望信号を検出する検出回路を含み、前記検出回路は、前記物理量トランスデューサからの前記検出信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路により増幅された信号に対する同期検波を、同期信号に基づいて行う同期検波回路とを含み、前記同期検波回路は、前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間では、前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号を、第1の出力信号として出力し、前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号を、第2の出力信号として出力し、前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間では、前記第2の信号に対応する信号を、前記第1の出力信号として出力し、前記第1の信号に対応する信号を、前記第2の出力信号として出力する検出装置に関係する。
本発明によれば、物理量トランスデューサからの検出信号が増幅回路により増幅され、増幅後の信号に対して同期検波が行われる。そして本発明のように同期検波を行えば、ミキサ・ゲインを大きくできる第1、第2の出力信号の出力が可能になる。
また本発明では、前記同期検波回路の後段側に設けられるフィルタ部を含み、前記フィルタ部は、前記同期検波回路からの第1、第2の出力信号が、第1、第2の差動入力信号として入力される差動増幅回路を含むようにしてもよい。
このようにすれば、第1、第2の出力信号を差動増幅することで、ゲインの大きな信号を得ることが可能になる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、前記第1、第2の差動入力信号の差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共にローパスフィルタとして動作するようにしてもよい。
このようにすれば、ローバスフィルタを別個に設ける手法に比べて、回路の構成要素数を少なくでき、ノイズ源の数を少なくできるため、SNRを向上できる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、オペアンプと、前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第1の抵抗と、前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、前記第1の入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第3の抵抗と、前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第4の抵抗と、前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、前記第1の入力端子と前記出力端子との間に設けられる第2のキャパシタを含むようにしてもよい。
このようにすれば、1つのオペアンプを用いて、差動アンプと1次のアクティブのローパスフィルタを実現できる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、前記オペアンプの前記出力端子に設けられる第2のローパスフィルタを含むようにしてもよい。
このようにすれば、2次のローパスフィルタも実現でき、急峻な減衰特性を得ることができる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、オペアンプと、前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと第1のノードとの間に設けられる第1の抵抗と、前記第1のノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと第2のノードとの間に設けられる第3の抵抗と、前記第2のノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第4の抵抗と、前記第1の入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第5の抵抗と、前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第6の抵抗と、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、前記第1の入力端子と前記出力ノードとの間に設けられる第2のキャパシタと、前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第3のキャパシタを含むようにしてもよい。
このようにすれば、1つのオペアンプを用いて、差動アンプと2次のアクティブのローパスフィルタを実現できる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、オペアンプと、前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと第1のノードとの間に設けられる第1の抵抗と、前記第1のノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと第2のノードとの間に設けられる第3の抵抗と、前記第2のノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第4の抵抗と、前記第1のノードと前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第5の抵抗と、前記第2のノードと電源ノードとの間に設けられる第6の抵抗と、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、前記第1の入力端子と前記出力ノードとの間に設けられる第2のキャパシタと、前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第3のキャパシタを含むようにしてもよい。
このようにすれば、1つのオペアンプを用いて、差動アンプと2次のアクティブのローパスフィルタを実現できる。
また本発明では、前記フィルタ部は、前記差動増幅回路の後段側に設けられた離散時間型フィルタを含むようにしてもよい。
このようにすれば、急峻で安定した減衰特性を実現できる。
また本発明では、前記物理量トランスデューサは振動子であり、前記離散時間型フィルタは、前記振動子の駆動側共振周波数fdと検出側共振周波数fsとの差に対応する離調周波数Δf=|fd−fs|の成分を除去し、所望信号の周波数成分を通過させる周波数特性を有するようにしてもよい。
このようにすれば、周波数fdに対して離調周波数Δfが十分に小さいような場合にも、離調周波数Δfの不要信号の成分を、確実且つ容易に除去できる。
また本発明では、前記差動増幅回路は、前記第1、第2の差動入力信号の差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共に、前記離散時間型フィルタのプリフィルタとして動作するようにしてもよい。
このようにすれば、プリフィルタを別個に設ける手法に比べて、回路の構成要素数を少なくでき、ノイズ源の数を少なくできるため、SNRを向上できる。
また本発明では、前記物理量トランスデューサは振動子であり、前記プリフィルタは、前記振動子の駆動側共振周波数をfdとした場合に、前記同期検波回路による同期検波により周波数k×fd(kは自然数)の周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号の振幅以下に減衰する周波数特性を有するようにしてもよい。
このようにすれば、離散時間型フィルタによる折り返しにより周波数k×fdの周波数帯域に現れる不要信号を、プリフィルタにより、所望信号の振幅以下に減衰できる。従って、不要信号の効率的な除去が可能になる。
また本発明では、前記物理量トランスデューサを駆動すると共に前記同期信号を前記検出回路に供給する駆動回路を含むようにしてもよい。
また本発明では、前記物理量トランスデューサは振動ジャイロであってもよい。
また本発明は、上記のいずれかに記載の検出装置と、前記物理量トランスデューサとを含むセンサに関係する。
また本発明は、上記に記載のセンサと、前記センサの検出情報に基づいて処理を行う処理部とを含む電子機器に関係する。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。例えば以下では、物理量トランスデューサが圧電振動子(振動ジャイロ)であり、センサがジャイロセンサである場合を例にとり説明するが、本発明はこれに限定されない。
1.検出装置の構成
図1に本実施形態の検出装置30の構成例を示す。この検出装置30は駆動回路40と検出回路60を含む。なお検出装置30は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、振動子10からの検出信号に基づいて同期信号を抽出できる場合等には、駆動回路40の構成を省略してもよい。
物理量トランスデューサである振動子10(振動ジャイロ)は、例えば水晶などの圧電材料により形成される圧電振動子である。図2(A)に、振動子10の一例として音叉型圧電振動子を示す。この振動子10は、駆動用振動子11、12と検出用振動子16、17を含む。駆動用振動子11、12には駆動端子2、4が設けられ、検出用振動子16、17には検出端子6、8が設けられている。なお図2(A)では、振動子10が音叉型である場合の例を示しているが、本実施形態の振動子10はこのような構造に限定されない。例えばT字型やダブルT字型等であってもよい。また振動子10の圧電材料は水晶以外であってもよい。また物理量トランスデューサである振動子10は、静電容量による駆動・検出動作を同様に行う静電型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)であってもよい。また物理量トランスデューサとは物理量(物の性質の度合いを表す量であり、その単位が定義されているもの)を他の物理量に変換するための素子である。変換対象となる物理量としては、コリオリ力以外にも重力などの力や、加速度、質量などが考えられる。また変換により得られる物理量としては、電流(電荷)以外にも電圧等であってもよい。
駆動回路40は、駆動信号(駆動電圧)VDを出力して振動子10(広義には物理量トランスデューサ)を駆動し、振動子10からフィードバック信号VFを受ける。これにより振動子10を励振させる。検出回路60は、駆動信号VDにより駆動される振動子10から検出信号(検出電流、電荷)ISP、ISMを受け、検出信号から所望信号(コリオリ力信号)を検出(抽出)する。
具体的には、駆動回路40からの交流の駆動信号(駆動電圧)VDが図2(A)の駆動用振動子11の駆動端子2に印加される。すると逆電圧効果によって駆動用振動子11が振動を開始し、音叉振動により駆動用振動子12も振動を開始する。この時、駆動用振動子12の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、駆動端子4からフィードバック信号VFとして駆動回路40にフィードバックされる。これにより振動子10を含む発振ループが形成される。
駆動用振動子11、12が振動すると、検出用振動子16、17が図2(A)に示す方向に振動速度vで振動する。すると、検出用振動子16、17の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、検出信号ISP、ISMとして検出端子6、8から出力される。すると、検出回路60は、この振動子10からの検出信号ISP、ISMを受け、コリオリ力に応じた信号である所望信号(所望波)を検出する。
即ち、図2(A)の検出軸19を中心に振動子10(ジャイロセンサ)が回転すると、振動速度vの振動方向と直交する方向にコリオリ力Fcが発生する。例えば図2(B)に、図2(A)の検出軸19を上側から見た図を模式的に示す。図2(B)において、検出軸19を中心に回転したときの角速度をωとし、振動子の質量をmとし、振動子の振動速度をvとすると、コリオリ力はFc=2m・v・ωと表される。従って検出回路60が、コリオリ力に応じた信号である所望信号を検出(抽出)することで、ジャイロセンサ(振動子)の回転角速度ωを求めることができる。
なお振動子10には、駆動側共振周波数fdと検出側共振周波数fsがある。具体的には、駆動用振動子11、12の固有共振周波数(駆動振動モードの固有共振周波数)がfdであり、検出用振動子16、17の固有共振周波数(検出振動モードの固有共振周波数)がfsである。この場合に、駆動用振動子11、12と検出用振動子16、17とが検出動作可能で、且つ、不要な共振結合を起こさない適度なモード間結合を持つ範囲で、fdとfsの間に一定の周波数差を持たせている。この周波数差である離調周波数Δf=|fd−fs|は、fd、fsに比べて十分に小さな周波数に設定されている。
駆動回路(発振回路)40は、電流を電圧に変換する駆動側の増幅回路(I/V変換回路)42と、自動ゲイン制御を行うAGC(Automatic Gain Control)回路44と、2値化回路(コンパレータ)46を含む。駆動回路40では、ジャイロセンサの感度を一定に保つために、振動子10(駆動用振動子)に供給する駆動電圧の振幅を一定に保つ必要がある。このため、駆動振動系の発振ループ内に、ゲインを自動調整するためのAGC回路44が設けられる。具体的にはAGC回路44は、フィードバック信号FDの振幅(振動子の振動速度v)が一定になるように、ゲインを可変に自動調整する。なお、発振ループでの位相シフトが0度になるように位相が調整される。また発振起動時には、高速な発振起動を可能にするために、発振ループのゲインは1よりも大きなゲインに設定される。
駆動側の増幅回路42は、振動子10からのフィードバック信号FDを増幅する。具体的には増幅回路42が含むI/V変換回路が、振動子10からのフィードバック信号FDである電流(電荷)を、電圧に変換して増幅し、駆動側増幅信号VD2として出力する。
AGC回路44は、駆動側の増幅回路42により増幅された後の信号である駆動側増幅信号VD2を監視して、発振ループのゲインを制御する。このAGC回路44は、発振ループ内の発振振幅を制御するためのゲインコントロールアンプ(GCA)や、発振振幅に応じてゲインコントロールアンプのゲインを調整するための制御電圧を出力するゲイン制御回路を含むことができる。また、このゲイン制御回路は、増幅回路42からの交流の信号VD2を直流信号に変換する整流回路(全波整流回路)や、整流回路からの直流信号の電圧と基準電圧との差分に応じた制御電圧を出力する回路などを含むことができる。
2値化回路46は、正弦波である駆動側増幅信号VD2の2値化処理を行い、2値化処理により得られた同期信号(参照信号)CLKを、検出回路60の同期検波回路100に出力する。この2値化回路46は、増幅回路42からの正弦波(交流)の信号VD2が入力されて、矩形波の同期信号CLKを出力するコンパレータにより実現できる。なお増幅回路42と2値化回路46の間や2値化回路46と同期検波回路100の間に他の回路を設けてもよい。例えばハイパスフィルタや移相回路(位相シフタ)などを設けてもよい。
検出回路60は、増幅回路70、同期検波回路100、フィルタ部110を含む。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加してもよい。例えばオフセット調整回路や感度調整回路を追加してもよい。
検出側の増幅回路70は、振動子10からの検出信号ISP、ISMを増幅する。この増幅回路70は、図3(A)に示すようにQ/V変換回路72、74、差動増幅回路76を含む。Q/V変換回路72、74は、振動子10からの信号ISP、ISMを受け、振動子10で発生した電荷(電流)を電圧に変換する。差動増幅回路76は、Q/V変換回路72、74からの信号VS1P、VS1Mの差動増幅を行う。
図3(B)にQ/V変換回路72、74の構成例を示す。Q/V変換回路72、74は、ノードNA1とNA2の間に設けられるキャパシタCA1及び抵抗RA1と、オペアンプ(演算増幅器)OPAを含み、ローパスフィルタの周波数特性を有する。オペアンプOPAの第1の入力端子(反転入力端子)には入力ノードNA1が接続され、第2の入力端子(非反転入力端子)にはAGNDの電源ノード(基準電源電圧ノード)が接続される。
図3(B)の回路をQ/V変換回路(電荷/電圧変換回路)として機能させる場合には、カットオフ周波数fc=1/2πCRが駆動周波数fdよりも十分に小さくなるように、CA1の容量値とRA1の抵抗値を設定する。これにより共振周波数fdにおいて位相が約−90度だけ変化するようになる。一方、図3(B)の回路をI/V変換回路(電流/電圧変換回路)として機能させる場合には、カットオフ周波数fc=1/2πCRが駆動周波数fdよりも十分に大きくなるように、CA1の容量値とRA1の抵抗値を設定する。この場合には、同期信号CLKの位相を+90度又は−90度だけ変化させるための移相回路が必要になる。
図3(C)に差動増幅回路76の構成例を示す。差動増幅回路76は、抵抗RB1、RB2、RB3、RB4とオペアンプOPBを含む。RB1、RB2の抵抗比とRB3、RB4の抵抗比を等しくすることで、図3(C)の差動増幅回路76は、互いに逆相の信号である入力信号VS1P、VS1Mの差分を増幅する差動増幅を行う。この差動増幅により、振動子10からのQ/V変換回路72、74に入力されるコモンモードノイズや静電結合漏れ等の不要信号の除去が可能になる。
同期検波回路(検波回路、検波器)100は、検出側の増幅回路70により増幅された後の信号である検出側の増幅信号VS5に対して、同期信号(同期クロック、参照信号)CLKに基づいて同期検波を行う。この同期検波により、機械振動漏れの不要信号の除去が可能になる。
同期検波回路100の後段側に設けられるフィルタ部110は、同期検波後の信号VS6のフィルタ処理を行う。具体的には、高周波成分を除去するローパスフィルタ処理を行う。
振動子10からの検出信号(センサ信号)には、所望信号(所望波)と不要信号(不要波)が混在している。不要信号の振幅は一般的に所望信号の振幅の100〜500倍程度となるため、検出装置30に対する要求性能は高くなる。この不要信号には、機械振動漏れや、静電結合漏れや、離調周波数Δfや、2fd(2ωd)や、DCオフセットなどに起因するものがある。機械振動漏れの不要信号は、振動子10の形状のアンバランス等に起因して発生する。また静電結合漏れの不要信号は、図1の駆動信号VDが、寄生容量CP、CMを通じてISP、ISMの入力端子等に漏洩することで発生する。
図4(A)〜図4(C)は、不要信号の除去について説明するための周波数スペクトラムである。図4(A)は同期検波前の周波数スペクトラムである。図4(A)に示すように、同期検波前の検出信号では、DCの周波数帯域にはDCオフセットの不要信号が存在する。またfdの周波数帯域には、機械振動漏れの不要信号と所望信号が存在する。
図4(B)は同期検波後の周波数スペクトラムである。図4(A)のfdの周波数帯域の所望信号は、図4(B)に示すように同期検波後はDC及び2fdの周波数帯域に現れる。また図4(A)のDCの周波数帯域の不要信号(DCオフセット)は、図4(B)に示すように同期検波後はfdの周波数帯域に現れる。また図4(A)のfdの周波数帯域の不要信号(機械振動漏れ)は、図4(B)に示すように同期検波後は2fdの周波数帯域に現れる。
図4(C)はフィルタ処理後の周波数スペクトラムである。同期検波後の信号をフィルタ部110で平滑化(LPF)することで、fd、2fd等の周波数帯域の不要信号の周波数成分を除去できる。
2.ダブルバランス・ミキサ方式
本実施形態では、同期検波回路100がダブルバランス・ミキサ方式で同期検波を行う。即ち従来の検出装置では、スイッチング・ミキサ方式やシングルバランス・ミキサ方式で同期検波が行われていたが、本実施形態では、これらの方式よりもミキサ・ゲインを大きくできるダブルバランス・ミキサ方式を採用している。
例えば図5にシングルバランス・ミキサ方式の同期検波回路101の構成例を示す。この同期検波回路101は、同期信号CLKでオン・オフ制御されるスイッチング素子SEAと、反転同期信号CLKNでオン・オフ制御されるスイッチング素子SEBを含む。スイッチング素子SEAには信号VS5が入力され、スイッチング素子SEBには、信号VS5を反転増幅器OPEBで反転した信号VS5Nが入力される。同期検波回路101の後段側のフィルタ部111は、ローパスフィルタLPF、バッファ回路(出力アンプ)BUFを含む。
図6に、図5のシングルバランス・ミキサ方式を採用した場合の信号波形例を示す。図6に示すように、同期信号CLKがHレベルとなる第1の期間T1では、入力信号VS5が信号VS6として出力端子に出力され、同期信号CLKがLレベルとなる第2の期間T2では、入力信号VS5の反転信号VS5Nが信号VS6として出力端子に出力される。
このシングルバランス・ミキサ方式の同期検波回路101では、後述するようにミキサ・ゲインは2/πになる。このため、SNRの点で不利であるという課題がある。
このような課題を解決するために本実施形態では、ダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路100を採用している。図7に本実施形態の同期検波回路100の構成例を示す。
この同期検波回路100は、同期信号CLK又は反転同期信号CLKによりオン・オフ制御される第1〜第4のスイッチング素子SE1〜SE4を含む。
図7において、第1の入力ノードNEI1には、増幅回路70により増幅された第1の信号VS5(非反転入力信号)に対応する信号が入力される。ここでVS5に対応する信号とは、VS5そのもの或いはVS5に応じて電圧レベルが変化する信号である。第2の入力ノードNEI2には、第1の信号VS5の反転信号となる第2の信号VS5N(反転入力信号)に対応する信号が入力される。ここでVS5Nに対応する信号とは、VS5Nそのもの或いはVS5Nに応じて電圧レベルが変化する信号である。この信号VS5Nは、例えばVS5を反転増幅器OPEで反転することで得られる。また第1の出力ノードNEQ1には第1の出力信号VS6P(非反転出力信号)が出力され、第2の出力ノードNEQ2には第2の出力信号VS6M(反転出力信号)が出力される。
第1のスイッチング素子SE1は、第1の入力ノードNEI1と第1の出力ノードNEQ1との間に設けられ、同期信号CLKがHレベル(広義には第1の電圧レベル)となる第1の期間T1においてオンになる。第2のスイッチング素子SE2は、第2の入力ノードNEI2と第1の出力ノードNEQ1との間に設けられ、同期信号CLKがLレベル(広義には第2の電圧レベル)となる第2の期間T2においてオンになる。
第3のスイッチング素子SE3は、第2の入力ノードNEI2と第2の出力ノードNEQ2との間に設けられ、同期信号CLKがHレベルとなる第1の期間T1においてオンになる。第4のスイッチング素子SE4は、第1の入力ノードNEI1と第2の出力ノードNEQ2との間に設けられ、同期信号CLKがLレベルとなる第2の期間T2においてオンになる。
同期検波回路100の後段側に設けられるフィルタ部110は、差動増幅回路112を含む。またローパスフィルタLPFやバッファ回路(出力アンプ)BUFを含むことができる。差動増幅回路112には、同期検波回路100からの第1、第2の出力信号VS6P、VS6Mが、第1、第2の差動入力信号(非反転差動入力信号、反転差動入力信号)として入力される。そして差動増幅回路112は、第1、第2の差動入力信号の差動増幅を行い、信号VS7をローパスフィルタLPFに出力する。ローパスフィルタLPFは信号VS7に対するローパスフィルタ処理を行う。バッファ回路BUFは、ローパスフィルタ処理後の信号VS8をバッファリングして、ジャイロ出力信号VSQとして出力する。
図8に、図7のダブルバランス・ミキサ方式を採用した場合の信号波形例を示す。図8に示すように、同期検波回路100は、同期信号CLKがHレベル(第1の電圧レベル)となる第1の期間T1では、増幅回路70により増幅された第1の信号VS5に対応する信号を、第1の出力信号VS6Pとして出力する。またVS5の反転信号となる第2の信号VS5Nに対応する信号を、第2の出力信号VS6Mとして出力する。
一方、同期検波回路100は、同期信号CLKがLレベル(第2の電圧レベル)となる第2の期間T2では、第2の信号VS5Nに対応する信号を、第1の出力信号VS6Pとして出力する。また第1の信号VS5に対応する信号を、第2の出力信号VS6Mとして出力する。
同期検波回路100の第1、第2の出力信号VS6P、VS6Mは、差動増幅回路112により差動増幅される。そして差動増幅後の信号VS7に対して、ローパスフィルタLPF、バッファ回路BUFによるフィルタ処理、バッファリング処理が行われ、信号VSQ(ジャイロ出力信号)がフィルタ部110から出力される。この信号VSQの電圧レベルをA/D変換することで、振動子の回転角速度のデジタルデータを得ることができる。
図9(A)、図9(B)に、図7のダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路100を、MOSトランジスタにより実現した例を示す。図9(A)は受動ミキサの例であり、図9(B)は能動ミキサの例である。
図9(A)の受動ミキサのトランジスタTEA1、TEA2、TEA3、TEA4は、図7のスイッチング素子SE1、SE2、SE3、SE4に対応する。トランジスタTEA1、TEA3のゲートは、同期信号CLKにより制御され、トランジスタTEA2、TEA4のゲートは、反転同期信号CLKNにより制御される。
図9(B)の能動ミキサのトランジスタTEB1、TEB2、TEB3、TEB4は、図7のスイッチング素子SE1、SE2、SE3、SE4に対応する。トランジスタTEB1、TEB3のゲートは、同期信号CLKにより制御され、トランジスタTEB2、TEB4のゲートは、反転同期信号CLKNにより制御される。またトランジスタTEB5、TEB6のゲートは、信号VS5、VS5Nにより制御される。なお図9(B)のISEは電流源であり、ZL1、ZL2は負荷素子である。
本実施形態のダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路100によれば、シングルバランス・ミキサ方式の同期検波回路101に比べて、ミキサ・ゲインを2倍にできる。従って、同期検波回路100の後段の回路のゲインを例えば1/2にできるため、後段の回路のSNRを改善できる。
特に、振動ジャイロセンサにおいては、ジャイロ信号であるコリオリ力信号の帯域はDCから数100Hzの範囲となる。このため、同期検波回路100の後段の回路(能動素子)の1/fノイズの影響が大きい。従って、ダブルバランス・ミキサ方式を採用して、同期検波回路100の後段の回路のSNRを改善することで、振動ジャイロセンサの全体のSNRを改善できる。
即ち図4(A)〜図4(C)に示すように、同期検波回路100の前段の回路が発生するノイズ(DCオフセット)や機械振動漏れの不要信号については、同期検波及びLPF処理により除去できる。これに対して図4(C)から明らかなように、同期検波回路100の後段の回路が発生する検波後混入ノイズについては、同期検波及びLPF処理によっては除去することができず、残存してしまう。
そして、近年、携帯機器への組み込みのためにジャイロセンサが小型化され、振動子10からの検出信号が極めて微弱になってきている。このため、検波後混入ノイズによるシステム全体のSNRの劣化が無視できなくなってきた。そして、従来では、このようなジャイロセンサ等の検出装置に特有のノイズ混入のメカニズムについては、詳細に検討されておらず、スイッチング・ミキサやシングルバランス・ミキサ方式の同期検波回路が用いられていた。
これに対して本実施形態のように、ダブルバランス・ミキサ方式を採用してミキサ・ゲインを2倍にできれば、システム全体のゲイン設定において、同期検波回路100の後段の回路を小さなゲインに設定できる。そして、このように後段の回路のゲインを小さく設定できれば、後段の回路が発生する検波後混入ノイズも低減される。この結果、システム全体としてSNRを向上でき、振動子10からの検出信号が極めて微弱である場合にも、所望信号を適切に抽出できるようになる。
このように本実施形態では、ジャイロセンサ等の検出装置に特有のノイズ混入のメカニズムに着目して、ダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路100を採用し、SNRを改善したところに大きな特徴がある。
3.SNRの改善
次に、ダブルバランス・ミキサ方式を採用することによるSNRの改善について詳細に説明する。SNR(Signal-to-Noise Ratio)は信号電力と雑音電力の比で表される(SNR=信号電力/雑音電力)。一方、オペアンプ等の増幅器の性能を評価するパラメータとして用いられる雑音指数F(Noise Figure)は、入力のSNRinと出力のSNRoutの比で表される(F=SNRin/SNRout)。増幅器では内部付加雑音が発生し、SNRが劣化するので、出力のSNRoutは入力のSNRinよりも小さくなる。従って、F≧1であり、雑音指数F(NF)が1に近づけば近づくほど、増幅器の雑音が小さく、性能が良いことを意味する。
例えば図10(A)において、増幅器のゲインをGとし、内部付加雑音をNとする。また入力信号をSin、入力雑音をNin、出力信号をSout、出力雑音をNoutとする。すると、Sout=Ginであり、図10(B)に示すようにNout=Gin+Nであるため、雑音指数F=SNRin/SNRoutは下式(1)のように表される。
Figure 2008064663
上式(1)の意味は、図10(C)に示すように、増幅器の入力においてN/Gの雑音が発生し、Nin+N/Gがノイズレスの増幅器に入力されたと考えることができ、このN/Gは入力換算ノイズと呼ばれる。
アナログ回路では、図10(D)に示すように複数の増幅器(オペアンプ)がカスケード接続される。これらのカスケード接続された増幅器の各段の雑音指数をFとすると、各段の内部付加雑音は下式(2)のように表される。
Figure 2008064663
従って、全体回路での入力換算ノイズは下式(3)(4)のように求められる。
Figure 2008064663
従って、n段の増幅器がカスケード接続された全体回路の雑音指数Ftotalは、下式(5)のように求められる。これはフリス(Furiis)の公式と呼ばれる。
Figure 2008064663
上式(5)から明らかなように、後段の増幅器の項はゲインで割られるため、初段の増幅器の雑音指数Fを小さくすることで、全体回路の雑音指数Ftotalを小さくできる。また後段の増幅器になればなるほど、その増幅器の雑音指数が全体回路の雑音指数Ftotalに及ぼす影響は小さくなる。従って例えば3段目よりも2段目の増幅器のゲインを大きくし、4段目よりも3段目の増幅器のゲインを大きくすることが、SNRの点で望ましい。即ち、全体回路のゲイン設定においては、後段の増幅器になるにつれてゲインを段々と小さくなるように設計することで、全体回路の雑音指数Ftotalを小さくできる。
この点、ダブルバランス・ミキサ方式を採用する本実施形態の手法によれば、前段の回路である同期検波回路100のゲインを大きくし、後段の回路であるフィルタ部110のゲインを小さくできる。従って、全体回路の雑音指数Ftotalの低減という意味でも、有利な手法になる。
次にミキサ・ゲインについて詳細に説明する。図11(A)にスイッチング・ミキサの例を示す。図11(A)の入力信号V(t)、同期信号V(t)は下式(6)〜(8)のように表される。
Figure 2008064663
従って、スイッチング・ミキサの出力信号Vout(t)は下式(9)のように求められる。
Figure 2008064663
上式(9)において、ωtの関数となる項については、後段のローパスフィルタ処理で除去される。従って図11(A)のスイッチング・ミキサのミキサ・ゲインは1/πになる。
図11(B)にシングルバランス・ミキサの例を示す。図11(B)の入力信号V(t)、同期信号V(t)、Vdn(t)は下式(10)〜(13)のように表される。
Figure 2008064663
従って、シングルバランス・ミキサの出力信号Vout(t)は下式(14)のように求められる。
Figure 2008064663
上式(14)において、ωtの関数となる項については、後段のローパスフィルタ処理で除去される。従って図11(B)のシングルバランス・ミキサのミキサ・ゲインは2/πになる。
図12にダブルバランス・ミキサの例を示す。図12の入力信号V(t)、Vsn(t)同期信号V(t)、Vdn(t)は下式(15)〜(19)のように表される。
Figure 2008064663
従って、ダブルバランス・ミキサの出力信号Vout(t)は下式(20)のように表される。
Figure 2008064663
上式(20)において、ωtの関数となる項については、後段のローパスフィルタ処理で除去される。従って図12のシングルバランス・ミキサのミキサ・ゲインは4/πになる。
以上のように、スイッチング・ミキサ、シングルバランス・ミキサ、ダブルバランス・ミキサのミキサ・ゲインは、各々、1/π、2/π、4/πになる。従って、ダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路100を採用する本実施形態の手法によれば、スイッチング・ミキサ、シングルバランス・ミキサに比べて、ゲインを4倍、2倍にすることができ、全体回路のSNRを改善できる。
例えば図5の従来のシングルバランス・ミキサ方式の回路において、入力雑音をNinとし、同期検波回路101の内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとし、ローパスフィルタLPFの内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとし、バッファ回路BUFの内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとしたとする。すると、全体回路での入力換算ノイズ、雑音指数は下式(21)(22)のように求められる。
Figure 2008064663
一方、図7の本実施形態のダブルバランス・ミキサ方式の回路において、入力雑音をNinとし、同期検波回路100の内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとし、差動増幅回路112及びローパスフィルタLPFの内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとし、バッファ回路BUFの内部付加雑音、ゲイン、雑音指数をN、G、Fとしたとする。すると、全体回路での入力換算ノイズ、雑音指数は下式(23)(24)のように求められる。
Figure 2008064663
そして上式(22)のシングルバランス・ミキサ方式の雑音指数と上式(24)のダブルバランス・ミキサ方式の雑音指数の比を求めると下式(25)のようになる。
Figure 2008064663
上記(25)から明らかのように、ダブルバランス・ミキサ方式を採用することで、シングルバランス・ミキサ方式に比べて、全体回路での雑音指数を小さくでき、SNRを改善できる。
4.差動アンプ、LPFの兼用
図7では、差動増幅回路112とLPF(ローパスフィルタ)が別々に設けられている。しかしながら、このような構成にすると、回路の構成要素数が増えるため、増幅器の数が増え、その分だけノイズ源が増えてしまい、SNRの点で不利になる。
そこで図13では、差動増幅回路112に対して、差動アンプの機能とローパスフィルタLPFの機能の両方を持たせている。即ち差動増幅回路112が、第1、第2の差動入力信号VS6P、VS6Mの差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共に、LPFとして動作する。例えば1つのオペアンプ(増幅器)を用いて差動アンプとLPFの両方の機能を実現している。このようにすれば、図7に比べて、回路の構成要素数を減らして、増幅器の数を減らすことが可能になるため、ノイズ源の数を減らすことができ、SNRを改善できる。
図14(A)に、差動アンプとLPFの両方の機能を実現できる差動増幅回路の第1の構成例を示す。この差動増幅回路は、オペアンプOPH1と、第1〜第4の抵抗RH1〜RH4と、第1、第2のキャパシタCH1、CH2を含む。また第5の抵抗RH5と第3のキャパシタCH3を含む。
第1の抵抗RH1は、第1の差動入力信号VS6P(非反転差動入力信号)が入力される第1の差動入力ノードNHPと、オペアンプOPH1の第1の入力端子TH1(反転入力端子)との間に設けられる。第2の抵抗RH2は、第2の差動入力信号VS6M(反転入力信号)が入力される第2の差動入力ノードNHMと、オペアンプOPH1の第2の入力端子TH2(非反転入力端子)との間に設けられる。第3の抵抗RH3は、第1の入力端子TH1とオペアンプOPH1の出力端子THQとの間に設けられる。第4の抵抗RH4は、第2の入力端子TH2とAGND(VSS)の電源ノード(基準電源電圧ノード)との間に設けられる。
第1のキャパシタCH1は、第2の入力端子TH2とAGNDの電源ノードとの間に設けられる。第2のキャパシタCH2は、オペアンプOPH1の第1の入力端子TH1と出力端子THQとの間に設けられる。
また図14(A)では、第5の抵抗RH5、第3のキャパシタCH3から構成されるパッシブのLPF(第2のローパスフィルタ)が、オペアンプOPH1の出力端子THQに設けられている。
即ち図14(A)のA1に示す部分の回路は、差動アンプとして動作すると共に1次のアクティブのLPFとして動作する。一方、A2に示す部分はパッシブのLPFとして動作する。従って、差動増幅回路の全体としては、差動アンプとして動作すると共に2次のLPFとして動作することになる。
例えば図14(A)において抵抗RH1〜RH5の抵抗値をR〜Rとし、キャパシタCH1〜CH3の容量値をC〜Cとする。するとR=R、R=Rに設定され、差動アンプのゲインはA=2R/Rになる。またカットオフ周波数はfc=1/2πR=1/2πR=1/2πRに設定され、Q値はQ=21/2/2になる。
図14(B)に、差動アンプとLPFの両方の機能を実現できる差動増幅回路の第2の構成例を示す。この差動増幅回路は、オペアンプOPH2と、第1〜第6の抵抗RI1〜RI6と、第1〜第3のキャパシタCI1〜CI3を含む。
第1の抵抗RI1は、第1の差動入力ノードNIPと第1のノードNI1との間に設けられる。第2の抵抗RI2は、第1のノードNI1とオペアンプOPH2の第1の入力端子TH1との間に設けられる。第3の抵抗RI3は、第2の差動入力ノードNIMと第2のノードNI2との間に設けられる。第4の抵抗RI4は、第2のノードNI2とオペアンプOPH2の第2の入力端子TH2との間に設けられる。第5の抵抗RI5は、第1の入力端子TH1とオペアンプOPH2の出力端子THQとの間に設けられる。第6の抵抗RI6は、第2の入力端子TH2とAGNDの電源ノードとの間に設けられる。
第1のキャパシタCI1は、第1のノードI1と第2のノードNI2との間に設けられる。第2のキャパシタCI2は、オペアンプOPH2の第1の入力端子TH1と出力端子THQとの間に設けられる。第3のキャパシタCI3は、第2の入力端子TH2とAGNDの電源ノードとの間に設けられる。
図14(B)の差動増幅回路は、差動アンプとして動作すると共に2次のアクティブのLPFとして動作する。例えば図14(B)において抵抗RI1〜RI6の抵抗値をR〜Rとし、キャパシタCI1〜CI3の容量値をC〜Cとする。するとR=R=R=R、R=Rに設定され、差動アンプのゲインはA=2R/Rになる。またC=C=A・Cに設定され、カットオフ周波数はfc=1/2πR=1/2πRに設定され、Q値はQ=21/2/2になる。
図14(C)に、差動アンプとLPFの両方の機能を実現できる差動増幅回路の第3の構成例を示す。図14(C)が図14(B)と異なる部分は、第5、第6の抵抗RI5、RI6の接続構成である。即ち図14(C)では、第5の抵抗RI5は、第1のノードNI1とオペアンプOPH2の出力端子THQとの間に設けられる。また第6の抵抗RI6は、第2のノードNI2とAGNDの電源ノードとの間に設けられる。なお、ゲインA、カットオフ周波数fc、Q値の設定は、図14(B)と同様になる。
図14(B)、図14(C)の構成の差動増幅回路によれば、図14(A)のようなパッシブのLPF(RH5、CH3)を付加しなくても、2次のLPFを実現できるという特徴がある。従って、2次のLPFを実現する場合に、図14(A)に比べて差動増幅回路の出力インピーダンスを低くできるという利点がある。また図14(C)の構成の差動増幅回路によれば、LPFのQ値を図14(A)、図14(B)に比べて高くする設計が可能であることから、LPFの通過帯域内の低周波側での位相遅延の影響を低くできるという利点がある。
なお本実施形態の差動増幅回路は図14(A)〜図14(C)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続構成を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
5.SCFによる離調周波数成分の除去
さて、図4(A)〜図4(C)で説明した不要信号のうち、離調周波数Δf=|fd−fs|に起因する不要信号は、ジャイロの検出信号に検出側共振周波数fsの信号が混入し、この検出信号が同期検波回路100により同期検波されることにより発生する。例えばジャイロセンサの応答を良くするために、検出用振動子をアイドリング的に微少振幅で固有共振周波数fsにて振動させる場合がある。或いは、ジャイロセンサの外部からの外部振動が振動子に加わることで、検出用振動子が固有共振周波数fsにて振動してしまう場合がある。そしてこのように検出用振動子が周波数fsで振動すると、同期検波回路100に入力される信号VS5に周波数fsの信号が混入される。そして同期検波回路100は、周波数fdの同期信号CLKに基づき同期検波を行うため、周波数fdとfsの差に相当する離調周波数Δf=|fd−fs|の不要信号が生成されてしまう。
ここで、離調周波数Δf=|fd−fs|は、fd、fsに比べて十分に小さい。従って、この離調周波数Δfの成分の不要信号を除去するためには、図15に示すような急峻な減衰特性が必要になる。従って、連続時間型のローパスフィルタだけでは、このような離調周波数Δfの成分の不要信号の除去が難しいという課題がある。
そこで図16では、差動増幅回路112の後段側に、離散時間型フィルタであるSCF(スイッチト・キャパシタ・フィルタ)を設けている。このSCFは、振動子の駆動側共振周波数fdと検出側共振周波数fsとの差に対応する離調周波数Δf=|fd−fs|の成分を除去し、所望信号の周波数成分(DC成分)を通過させる周波数特性を有する。
図16に示すように、フィルタ部110にSCF(広義には離散時間型フィルタ)を設ければ、図15に示すような急峻な減衰特性の実現も容易になる。従って、離調周波数Δfが、周波数fdに比べて極めて小さい場合にも、離調周波数Δfの周波数帯の不要信号の成分を、通過帯域の所望信号に悪影響を与えることなく、確実且つ容易に除去できる。
また連続時間型フィルタでは、フィルタを構成するキャパシタの容量値C、抵抗の抵抗値Rがばらつくと、フィルタの周波数特性もばらついてしまい、安定した周波数特性を得ることが難しいという不利点がある。例えばC、Rの絶対値は±20パーセント程度ばらつき、連続時間型フィルタ(RCフィルタ)のカットオフ周波数はC×Rで決まるため、ばらつきが大きくなる。そしてカットオフ周波数がばらつくと、通過帯域にある所望信号の振幅減衰や位相変化を生じ、信号品質が劣化する。
これに対してSCFでは、容量比やサンプリング周波数(クロック周波数)によりフィルタ特性を決めることができる。例えば容量比の精度は0.1パーセント以下であるため、カットオフ周波数のばらつきも少ない。従って、SCFによれば、通過帯域の所望信号を通過させながら離調周波数Δfの不要信号を確実に除去するという急峻な減衰特性を、容易に実現できる。
また図16の差動増幅回路112は、第1、第2の差動入力信号VS6P、VS6Mの差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共に、SCF(離散時間型フィルタ)のプリフィルタ(前置フィルタ)として動作する。またバッファ回路BUFは、SCFの後段側の設けられるポストフィルタ(後置フィルタ)として兼用されて動作する。これらのプリフィルタ、ポストフィルタは連続時間型フィルタになっている。
例えば図16とは異なる比較例の手法として、差動増幅回路112にプリフィルタの機能を持たせずに、差動増幅回路112とSCFの間に別個のプリフィルタを設ける手法も考えられる。しかしながら、この手法では、回路の構成要素が3つに増えるため、その分だけノイズ源が増えてしまい、SNRが低下する。
これに対して図16では、差動増幅回路112が差動アンプとしてのみならずSCFのプリフィルタ(LPF)として動作するため、回路の構成要素が2つで済む。従って、比較例の手法に比べて、ノイズ源の数を減らすことができ、SNRを向上できる。
例えば図17(A)に、図16の手法のフィルタ部110の第1の構成例を示す。図17(A)では、差動増幅回路112として図14(A)の構成の回路が用いられている。この構成の差動増幅回路112は、前述のように2次のLPF(1次のアクティブのLPFと1次のパッシブのLPF)としても動作するため、この2次のLPFをSCFのプリフィルタとして機能させることができる。
また図17(B)に、フィルタ部110の第2の構成例を示す。図17(B)では、差動増幅回路112として図14(B)の構成の回路が用いられている。この構成の差動増幅回路112も、前述のように2次のLPF(2次のアクティブのLPF)としても動作するため、この2次のLPFをSCFのプリフィルタとして機能させることができる。なお差動増幅回路112として図14(C)の構成のものを用いてもよい。
図18にSCFの構成例を示す。このSCFは、スイッチト・キャパシタ回路210、212、214と、キャパシタCG4、CG5、CG6、CG7と、オペアンプOPG1、OPG2を含む。なおSCFの構成は図18に限定されず、公知の構成の種々のSCFを用いることができる。
6.プリフィルタの周波数特性
図16のようにフィルタ部110にSCFを設けた場合、SCFでは離散時間で信号をサンプリングするため、サンプリングによる周波数の折り返し現象であるエイリアシングが生じる。例えばサンプリング周波数をfspとした場合に、fsp/2(=fd/2)の高調波周波数の信号が、DCの周波数領域等に折り返し、SNRが劣化する。
このようなエイリアシングの悪影響を防止するために、図16では、SCFの前段側の差動増幅回路112をアンチエイリアシング用のプリフィルタとして機能させている。即ちサンプリング周波数をfsp(=fd)とした場合に、プリフィルタに、fsp/2(=fd/2)以上の周波数成分を除去するアンチエイリアシングの周波数特性を持たせている。
この場合、所望信号の周波数帯域は図15に示すように例えばfa0以下であり、周波数が低い。一方、SCFのサンプリング周波数fspは、fa0の例えば50倍〜500倍程度であり、周波数が高い。従って、一般的なアンチエイリアシング用のプリフィルタであれば、それほど急峻な減衰特性は必要ない。
しかしながら、ジャイロセンサのように微少信号を扱うセンサでは、一般的なアンチエイリアシングの減衰特性では、不要信号を除去できないことが判明した。即ちジャイロセンサの検出信号では、不要信号の振幅は所望信号の振幅の例えば100〜500倍程度となる。従って、一般的なアンチエイリアシングの減衰特性では、不要信号の振幅が所望信号(DC成分)の振幅よりも大きくなってしまい、SCFのサンプリングによるDC成分への折り返し等により、SNRが劣化してしまう。
そこで、連続時間型フィルタであるプリフィルタに対して、同期検波回路100による同期検波により周波数k×fd(kは自然数)の周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号(最小分解能)の振幅以下に減衰する周波数特性(フィルタ特性、減衰特性)を持たせることが望ましい。例えば周波数fd、2fd、3fdの周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号の振幅以下に減衰する周波数特性を持たせる。なお所望信号の振幅は、所望信号の最小分解能に対応する振幅であり、dps(degree per second)に対応する振幅である。また所望信号の振幅は、DCの周波数領域での所望信号の振幅である。
このようにすれば、所望信号の例えば100〜500倍程度の振幅の不要信号が周波数k×fdに現れた場合にも、この不要信号の周波数成分をプリフィルタにより確実に除去できる。従って、SCFでのサンプリングによる不要信号のDC成分への折り返しにより、SNRが劣化してしまう事態を防止できる。従って微少信号を扱うジャイロセンサに最適な検出装置を提供できる。
また図16では、アンチエイリアシング用のプリフィルタを、同期検波により周波数k×fdに現れる不要信号を除去するフィルタとして兼用している。このようにすれば、周波数k×fdに現れる不要信号を除去するフィルタを別に設ける必要がなくなる。従って、回路の小規模化を図れると共に、ノイズ源となる回路ブロックの数も減るため、SNRを向上できる。
即ち、通常のアンチエイリアシング用プリフィルタの目的は下記(A1)の通りである。
(A1)ランダム雑音や回路中で発生するパルス性ノイズなどの不要信号が、SCFの通過帯域に折り返すのを防止する。
これに対して図16では、上記(A1)の役割に加えて、下記(A2)の役割をプリフィルタに持たせている。
(A2)同期検波によって生じ、fd、2fdなどのk×fdに必ず存在する不要信号(妨害波)が、SCFでのサンプリングによりDCに折り返し、DCに存在する所望信号(コリオリ力信号)の品質(S/N比)を劣化させるのを防止する。
上記(A2)は、ジャイロセンサに特有の下記(B1)〜(B3)の事情に起因する。
(B1)ジャイロセンサでは同期検波が行われる。
(B2)同期検波によりfdや2fdに不要信号の強いスペクトラムが現れる。
(B3)SCFのサンプリング周波数がfsp=fdとなるため、fd、2fdなどの不要信号が、所望信号が存在するDCに折り返す。
即ち同期検波後にfd、2fdに現れる不要信号の振幅は、所望信号に比べて極めて大きい。
また、システム構成の簡素化のためには、SCFのサンプリング周波数をfsp=fdとすることが望ましい。そしてfsp=fdにすると、SCFでのサンプリングにより、fd、2fdの不要信号が、DCに折り返してしまう。
一方、同期検波前にfdに存在した所望信号は、同期検波によりDCに現れる。従って、何ら対策を施さないと、fd、2fdに存在する振幅の大きい不要信号の折り返しにより、DCの所望信号の品質が極めて劣化する。具体的には、fd、2fdの不要信号が折り返して、所望信号の最小分解能よりも大きい不要信号がDCに重畳されると、ジャイロセンサが静止状態であっても、あたかもジャイロセンサが一定の角速度で回転しているかのような偽情報を与えてしまう。
このような問題を解決するために図16では、SCFの前段の差動増幅回路112をプリフィルタとしても動作させ、このプリフィルタに対して上記(A1)のみならず(A2)の役割を持たせている。そしてこの(A2)の役割を実現するために、プリフィルタに対して下記のような周波数特性を持たせている。
例えば図19にプリフィルタの周波数特性を模式的に示す。図19のD1に示すように、プリフィルタはfsp/2(=fd/2)において十分な減衰特性を有する。従って、SCFでのサンプリングによるランダム雑音(熱雑音、1/fノイズ等)の折り返しにより、SNRが劣化してしまう事態を防止でき、プリフィルタに通常のアンチエイリアシング用フィルタとして役割を持たせることができる。
またプリフィルタが2次のローパスフィルタである場合には、減衰傾度は−40dB/decとなる。そして所望信号(DC成分)の振幅(最小分解能)をA0とし、周波数k×fd(kは自然数)に現れる不要信号の振幅をAkとし、周波数fdでのフィルタの減衰率をaとしたとする。この場合に、プリフィルタには、Ak×(a/k)≦A0が成り立つように不要信号の振幅を減衰させる周波数特性を持たせればよい。
例えば図19のD2では、周波数fdに現れる不要信号の振幅はA1であり、周波数fdでのフィルタの減衰率(減衰度)はaである。従って、A1×a≦A0が成り立つようにする。
また図19のD3では、周波数2fdに現れる不要信号の振幅はA2であり、周波数2fdでのフィルタの減衰率は、プリフィルタが2次であるため、a/k=a/2=a/4である。従って、A2×(a/4)≦A0が成り立つようにする。
また図19には示していないが、周波数3fdに現れる不要信号の振幅はA3であり、周波数3fdでのフィルタの減衰率は、プリフィルタが2次であるため、a/k=a/3=a/9である。従って、A3×(a/9)≦A0が成り立つようにする。
以上のような条件が成り立つようにすれば、差動増幅回路112のプリフィルタが2次のローパスフィルタである場合に、周波数fd、2fd、3fdの周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号の振幅以下に減衰できるようになる。
またプリフィルタが1次のローパスフィルタである場合には、減衰傾度は−20dB/decとなる。従って、この場合、プリフィルタには、Ak×(a/k)≦A0が成り立つように不要信号の振幅を減衰させる周波数特性を持たせればよい。
例えば、周波数fdに現れる不要信号の振幅はA1であり、周波数fdでのフィルタの減衰率はaであるため、A1×a≦A0が成り立つようにする。
また周波数2fdに現れる不要信号の振幅はA2であり、周波数2fdでのフィルタの減衰率は、プリフィルタが1次であるため、a/k=a/2である。従って、A2×(a/2)≦A0が成り立つようにする。
また周波数3fdに現れる不要信号の振幅はA3であり、周波数3fdでのフィルタの減衰率は、プリフィルタが1次であるため、a/k=a/3である。従って、A3×(a/3)≦A0が成り立つようにする。
以上のような条件が成り立つようにすれば、プリフィルタが1次のローパスフィルタである場合に、周波数fd、2fd、3fdの周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号の振幅以下に減衰できるようになる。
通常のアンチエイリアシング用のプリフィルタは、1次のローパスフィルタで構成される。これに対して図17(A)、図17(B)では、振幅の大きい不要信号を除去するために、差動増幅回路112を2次のローパスフィルタとして動作させている。この2次のローパスフィルタによれば、減衰傾度が−40dB/decになるため、振幅の大きい不要信号でも容易に除去できるようになる。例えば図19において周波数fd、2fdでの不要信号の振幅A1、A2が所望信号の振幅A0の100〜500倍程度である場合には、周波数fd、2fdにおいて例えば−40dB〜−60dB程度の減衰度が必要になる。2次のローパスフィルタであれば、このような減衰度も容易に得ることができる。
なお差動増幅回路112を1次のローパスフィルタとして動作させるようにしてもよい。この場合には、カットオフ周波数fcを十分に小さくすることで、周波数fd、2fdでの減衰度を小さくすることができる。
この場合、1次のローパスフィルタでは、カットオフ周波数fcを小さくするためには、容量値や抵抗値を大きくする必要があり、回路が大規模化するおそれがある。
これに対して2次のローパスフィルタでは、素子数は多くなるもの、減衰傾度が大きい。従って図20のG4に示すようにカットオフ周波数fcをそれほど小さくしなくても、G5、G6に示すように周波数fd、2fdにおいて十分な減衰度を得ることができる。従って、1次のローパスフィルタに比べて回路を小規模化することも可能になる。即ち、回路の大規模化を最小限に抑えながらも、G7に示すような振幅の大きな不要信号についても十分に減衰することができる。従って、この不要信号がDCに折り返した場合にも、その振幅を所望信号の最小分解能以下にすることが可能になる。
7.電子機器
図21に本実施形態の検出装置30を含むジャイロセンサ510(広義にはセンサ)と、ジャイロセンサ510を含む電子機器500の構成例を示す。なお電子機器500、ジャイロセンサ510は図21の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器500としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、カーナビゲーションシステム、ロボット、ゲーム機、携帯型情報端末等の種々のものが考えられる。
電子機器500はジャイロセンサ510と処理部520を含む。またメモリ530、操作部540、表示部550を含むことができる。処理部(CPU、MPU等)520はジャイロセンサ510等の制御や電子機器500の全体制御を行う。また処理部520は、ジャイロセンサ510により検出された角速度情報(物理量)に基づいて処理を行う。例えば角速度情報に基づいて、手ぶれ補正、姿勢制御、GPS自律航法などのための処理を行う。メモリ(ROM、RAM等)530は、制御プログラムや各種データを記憶したり、ワーク領域やデータ格納領域として機能する。操作部540はユーザが電子機器500を操作するためのものであり、表示部550は種々の情報をユーザに表示する。本実施形態の検出装置30によれば、電子機器500に組み込まれるジャイロセンサ510として、小型のセンサを採用できる。これにより、電子機器500のコンパクト化、低コスト化を実現できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(物理量トランスデューサ、センサ、離散時間型フィルタ等)と共に記載された用語(振動子、ジャイロセンサ、SCF等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また振動子の構造、検出装置やセンサや電子機器の構成も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。またダブルバランス・ミキサ、フィルタ部、差動増幅回路の構成、動作も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
本実施形態の検出装置の構成例。 図2(A)、図2(B)は振動子の説明図。 図3(A)〜図3(C)は増幅回路、Q/V変換回路、差動増幅回路の構成例。 図4(A)〜図4(C)は周波数スペクトラムの説明図。 シングルバランス・ミキサ方式の同期検波回路の構成例。 シングルバランス・ミキサ方式の場合の信号波形例。 本実施形態のダブルバランス・ミキサ方式の同期検波回路の構成例。 ダブルバランス・ミキサ方式の場合の信号波形例。 図9(A)、図9(B)はダブルバランス・ミキサのMOSトランジスタでの実現例。 図10(A)〜図10(D)は雑音指数、入力換算ノイズ等の説明図。 図11(A)、図11(B)はスイッチング・ミキサ、シングルバランス・ミキサの例。 ダブルバランス・ミキサの例。 差動増幅回路を差動アンプ及びLPFとして動作させる場合の構成例。 図14(A)〜図14(C)は差動増幅回路の構成例。 離調周波数の説明図。 差動増幅回路をSCFのプリフィルタとして動作させる場合の構成例。 図17(A)、図17(B)はフィルタ部の構成例。 SCFの構成例。 プリフィルタの周波数特性の説明図。 1次、2次のプリフィルタを用いた場合の周波数特性の説明図。 電子機器、ジャイロセンサの構成例。
符号の説明
SE1〜SE4 第1〜第4のスイッチング素子、OPE 反転増幅器、
LPF ローパスフィルタ、BUF バッファ回路、
2、4 駆動端子、6、8 検出端子、10 振動子、11、12 駆動側振動子、
16、17 検出側振動子、30 検出装置、40 駆動回路、42 増幅回路、
44 AGC回路、46 2値化回路、60 検出回路、70 増幅回路、
72、74 Q/V変換回路、76 差動増幅回路、100 同期検波回路、
110 フィルタ部、112 差動増幅回路、
500 電子機器、510 ジャイロセンサ、520 処理部、530 メモリ、
540 操作部、550 表示部

Claims (18)

  1. 駆動信号により駆動される物理量トランスデューサから検出信号を受け、前記検出信号から所望信号を検出する検出回路を含み、
    前記検出回路は、
    前記物理量トランスデューサからの前記検出信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路により増幅された信号に対する同期検波を、同期信号に基づいて行う同期検波回路とを含み、
    前記同期検波回路は、
    前記同期信号に基づいて、ダブルバランス・ミキサ方式で同期検波を行うことを特徴とする検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記同期検波回路は、
    前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間では、前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号を、第1の出力信号として出力し、前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号を、第2の出力信号として出力し、
    前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間では、前記第2の信号に対応する信号を、前記第1の出力信号として出力し、前記第1の信号に対応する信号を、前記第2の出力信号として出力することを特徴とする検出装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記同期検波回路は、
    前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号が入力される第1の入力ノードと、第1の出力信号が出力される第1の出力ノードとの間に設けられ、前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間においてオンになる第1のスイッチング素子と、
    前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号が入力される第2の入力ノードと、前記第1の出力ノードとの間に設けられ、前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間においてオンになる第2のスイッチング素子と、
    前記第2の入力ノードと、第2の出力信号が出力される第2の出力ノードとの間に設けられ、前記第1の期間においてオンになる第3のスイッチング素子と、
    前記第1の入力ノードと、前記第2の出力ノードとの間に設けられ、前記第2の期間においてオンになる第4のスイッチング素子とを含むことを特徴とする検出装置。
  4. 駆動信号により駆動される物理量トランスデューサから検出信号を受け、前記検出信号から所望信号を検出する検出回路を含み、
    前記検出回路は、
    前記物理量トランスデューサからの前記検出信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路により増幅された信号に対する同期検波を、同期信号に基づいて行う同期検波回路とを含み、
    前記同期検波回路は、
    前記同期信号が第1の電圧レベルとなる第1の期間では、前記増幅回路により増幅された第1の信号に対応する信号を、第1の出力信号として出力し、前記第1の信号の反転信号となる第2の信号に対応する信号を、第2の出力信号として出力し、
    前記同期信号が第2の電圧レベルとなる第2の期間では、前記第2の信号に対応する信号を、前記第1の出力信号として出力し、前記第1の信号に対応する信号を、前記第2の出力信号として出力することを特徴とする検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記同期検波回路の後段側に設けられるフィルタ部を含み、
    前記フィルタ部は、
    前記同期検波回路からの第1、第2の出力信号が、第1、第2の差動入力信号として入力される差動増幅回路を含むことを特徴とする検出装置。
  6. 請求項5において、
    前記差動増幅回路は、
    前記第1、第2の差動入力信号の差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共にローパスフィルタとして動作することを特徴とする検出装置。
  7. 請求項6において、
    前記差動増幅回路は、
    オペアンプと、
    前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第1の抵抗と、
    前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、
    前記第1の入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第3の抵抗と、
    前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第4の抵抗と、
    前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、
    前記第1の入力端子と前記出力端子との間に設けられる第2のキャパシタを含むことを特徴とする検出装置。
  8. 請求項7において、
    前記差動増幅回路は、
    前記オペアンプの前記出力端子に設けられる第2のローパスフィルタを含むことを特徴とする検出装置。
  9. 請求項6において、
    前記差動増幅回路は、
    オペアンプと、
    前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと第1のノードとの間に設けられる第1の抵抗と、
    前記第1のノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、
    前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと第2のノードとの間に設けられる第3の抵抗と、
    前記第2のノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第4の抵抗と、
    前記第1の入力端子と前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第5の抵抗と、
    前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第6の抵抗と、
    前記第1のノードと前記第2のノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、
    前記第1の入力端子と前記出力ノードとの間に設けられる第2のキャパシタと、
    前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第3のキャパシタを含むことを特徴とする検出装置。
  10. 請求項6において、
    前記差動増幅回路は、
    オペアンプと、
    前記第1の差動入力信号が入力される第1の差動入力ノードと第1のノードとの間に設けられる第1の抵抗と、
    前記第1のノードと前記オペアンプの第1の入力端子との間に設けられる第2の抵抗と、
    前記第2の差動入力信号が入力される第2の差動入力ノードと第2のノードとの間に設けられる第3の抵抗と、
    前記第2のノードと前記オペアンプの第2の入力端子との間に設けられる第4の抵抗と、
    前記第1のノードと前記オペアンプの出力端子との間に設けられる第5の抵抗と、
    前記第2のノードと電源ノードとの間に設けられる第6の抵抗と、
    前記第1のノードと前記第2のノードとの間に設けられる第1のキャパシタと、
    前記第1の入力端子と前記出力ノードとの間に設けられる第2のキャパシタと、
    前記第2の入力端子と電源ノードとの間に設けられる第3のキャパシタを含むことを特徴とする検出装置。
  11. 請求項5乃至10のいずれかにおいて、
    前記フィルタ部は、
    前記差動増幅回路の後段側に設けられた離散時間型フィルタを含むことを特徴とする検出装置。
  12. 請求項11において、
    前記物理量トランスデューサは振動子であり、
    前記離散時間型フィルタは、
    前記振動子の駆動側共振周波数fdと検出側共振周波数fsとの差に対応する離調周波数Δf=|fd−fs|の成分を除去し、所望信号の周波数成分を通過させる周波数特性を有することを特徴とする検出装置。
  13. 請求項11又は12において、
    前記差動増幅回路は、
    前記第1、第2の差動入力信号の差動増幅を行う差動アンプとして動作すると共に、前記離散時間型フィルタのプリフィルタとして動作することを特徴とする検出装置。
  14. 請求項13において、
    前記物理量トランスデューサは振動子であり、
    前記プリフィルタは、
    前記振動子の駆動側共振周波数をfdとした場合に、前記同期検波回路による同期検波により周波数k×fd(kは自然数)の周波数帯域に現れる不要信号の振幅を、所望信号の振幅以下に減衰する周波数特性を有することを特徴とする検出装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかにおいて、
    前記物理量トランスデューサを駆動すると共に前記同期信号を前記検出回路に供給する駆動回路を含むことを特徴とする検出装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれかにおいて、
    前記物理量トランスデューサは振動ジャイロであることを特徴とする検出装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載の検出装置と、
    前記物理量トランスデューサと、
    を含むことを特徴とするセンサ。
  18. 請求項17に記載のセンサと、
    前記センサの検出情報に基づいて処理を行う処理部と、
    を含むことを特徴とする電子機器。
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