JP2008064010A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この内燃機関10はケース側軸受形成部51とブロック側軸受形成部52と軸状駆動部53とからなる可変圧縮比機構50を備える。ケース側軸受形成部はクランクケース30の上部に形成されている。ブロック側軸受形成部はシリンダブロック20の外壁面20cの下端部にて外方に延出している。ブロック側軸受形成部は軸状駆動部によりケース側軸受形成部と連結される。シリンダブロックの下面20bにはブロック側軸受形成部とシリンダボア21との間の領域にて開口するスリット状の応力低減用溝部24が形成されている。これによりブロック側軸受形成部が外壁面を押しても(力F3)応力低減用溝部により応力が低減されるので、シリンダボアを形成する壁面の変形を抑制できる。
【選択図】図7
Description
所定のボア中心軸方向に貫通する円柱状の穴であるシリンダボアが形成されるとともに同シリンダボア内にピストンを収容するシリンダブロックと、前記シリンダボアの開口部分の一方を覆うように同シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックに対して前記シリンダヘッドと反対側に配置され且つ同シリンダブロックに対して前記ボア中心軸方向に相対移動可能であるとともに前記ピストンに連結されたクランク軸を回転可能に支持するクランクケースと、を備えるとともに、前記シリンダボアを形成するボア壁面と前記シリンダヘッドの前記シリンダブロック側の面であるヘッド下面と前記ピストンの同ヘッド下面側の面であるピストン頂面とにより形成される燃焼室の容積を変更する可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関である。
前記ブロック側受力部が前記連結部により前記シリンダブロックから前記クランクケースへ向かう方向の力を受けることによって同ブロック側受力部が所定の押圧位置にて所定の押圧方向に前記外壁面を押圧することにより、同押圧位置を通る直線であって同押圧方向に平行な直線である押圧直線が前記ボア壁面と交わる位置にて同ボア壁面に発生する応力であるボア壁面応力を、同押圧位置にて同外壁面に発生する応力である外壁面応力よりも小さくする応力低減手段を備える。
前記応力低減手段は、前記シリンダブロックのうちの前記シリンダライナを除く部分よりも高い剛性を有するとともに、前記押圧直線上の位置であって前記ブロック側受力部と前記シリンダライナとの間の位置を通るように且つ同シリンダライナの周囲を前記ボア中心軸回りに取り囲むように同シリンダブロックに配設された補強部材により構成されていてもよい。
前記シリンダブロックは、前記ボア壁面の前記クランクケース側の端であるボア壁面下端の位置が、前記ブロック側受力部が延出する前記シリンダブロックの外壁面の同クランクケース側の端であるブロック外壁面下端の位置と同じ位置、又は、同ブロック外壁面下端の位置よりも前記シリンダヘッド側の位置、となるように構成される。
所定のボア中心軸方向に貫通する円柱状の穴であるシリンダボアが同ボア中心軸方向と直交するシリンダ配列方向にて直線状に配置されるように複数形成されるとともに同各シリンダボア内にピストンを収容するシリンダブロックと、前記シリンダボアの開口部分の一方を覆うように同シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックに対して前記シリンダヘッドと反対側に配置され且つ同シリンダブロックに対して前記ボア中心軸方向に相対移動可能であるとともに前記ピストンに連結されたクランク軸を回転可能に支持するクランクケースと、を備えるとともに、前記シリンダボアを形成するボア壁面と前記シリンダヘッドの前記シリンダブロック側の面であるヘッド下面と前記ピストンの同ヘッド下面側の面であるピストン頂面とにより形成される燃焼室の容積を変更する可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関である。
以下、本発明による可変圧縮比内燃機関の各実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示したように、この可変圧縮比内燃機関10は、シリンダブロック20と、クランクケース30と、を備えている。
シリンダブロック20は、アルミニウムからなる。シリンダブロック20は、図1乃至図3に示したように、短辺及び長辺を有する略長方形状の上面20a及び下面20bと長辺方向に平行な側面(本明細書においては、「外壁面」とも称呼される。)20cとを有する略直方体状である。以下、本明細書においては、シリンダブロック20の上面20aから下面20bへ向かう方向を下方向と称呼し、シリンダブロック20の下面20bから上面20aへ向かう方向を上方向と称呼する。
図1に示したシリンダボア21の中心軸(ボア中心軸)BCを通る4−4線を含むとともにシリンダ配列方向に直交する平面にて可変圧縮比内燃機関10を切断した断面図である図4に示したように、各シリンダボア21内には、円柱状のピストン22が1つずつ収容されている。各ピストン22の側面には、ボア壁面の余分な潤滑油を掻き落とすためのピストンリングが配設されている。
図1に示したように、クランクケース30は、クランク軸31を回転可能に支持するとともにクランク軸31を収容している。クランクケース30は、クランク軸31の軸線方向がシリンダ配列方向と一致するようにシリンダブロック20の下方に配置されている。クランク軸31には、図4に示したコンロッド32を介して各ピストン22が連結されている。このような構成により、各ピストン22の往復動がクランク軸31の回転運動に変換される。
更に、可変圧縮比内燃機関10は、図4及び図1に示したシリンダボア21とシリンダボア21との間を通る5−5線を含むとともにシリンダ配列方向に直交する平面にて可変圧縮比内燃機関10を切断した断面図である図5に示したように、シリンダヘッド40を備えている。シリンダヘッド40は、シリンダブロック20に対して移動しないようにシリンダブロック20の上面20a(即ち、シリンダブロック20に対してクランクケース30と反対側)に固定されている。
更に、可変圧縮比内燃機関10は、図1乃至図5に示したように、可変圧縮比機構50を備える。可変圧縮比機構50は、シリンダブロック20の両側面(外壁面)20cのそれぞれの近傍に1つずつ設けられた機構である。一方の側面(外壁面)20cの可変圧縮比機構50と、他方の側面20cの可変圧縮比機構50と、はすべての気筒のボア中心軸BCを含むボア中心軸配列平面に関して対称となっている。従って、一方の側面20cの可変圧縮比機構50についてのみ説明する。
ケース側軸受形成部51は、平板状の縦壁部51aと、複数のキャップ部51bと、からなる。
縦壁部51aは、クランクケース30の上部側壁を構成している。縦壁部51aは、シリンダブロック20がクランクケース30の上に配設された状態において、シリンダブロック20の側面(外壁面)20cと対向して外壁面20cの一部を覆うようになっている。
ブロック側軸受形成部52は、縦壁部51aの貫通孔51a1のそれぞれに1つずつ対応する複数(本例では、4つ)の部材からなる。各ブロック側軸受形成部52は、縦壁部51aの貫通孔51a1に挿入された状態にてシリンダブロック20の外壁面20cの下端部に固定されている。即ち、各ブロック側軸受形成部52は、シリンダブロック20の外壁面20cから外方に延出するとともに、対応する1つのシリンダボア21の中心軸を含む平面であってシリンダ配列方向に直交する平面とシリンダブロック20の外壁面20cとの交線の一部を含む領域に配置されている。
軸状駆動部53は、図1、図4及び図5に示したように、棒状の偏心軸部53aと、ケース側軸受形成部51の軸受孔51cのそれぞれに1つずつ対応する複数の固定カム部53bと、ブロック側軸受形成部52の軸受孔52aのそれぞれに1つずつ対応する複数の可動カム部53cと、ウォームギヤ53dと、を備える。
ここで、ウォームギヤ53dの回転に伴う圧縮比の変化について図6を参照しながら説明を加える。
このように、右側のウォームギヤ53dが時計方向に回転するとともに左側のウォームギヤ53dが反時計方向に回転するにつれて(可変圧縮比機構50の状態が(C)に示した状態から(A)に示した状態へ向かうにつれて)、クランクケース30とシリンダブロック20との間の上下方向における距離が短くなるので、圧縮比は高くなる。
更に、図3及び図4に示したように、シリンダブロック20には、応力低減手段としてのスリット状の応力低減用溝部24がブロック側軸受形成部52のそれぞれに1つずつ対応するように複数形成されている。各応力低減用溝部24は、シリンダブロック20の下面20b内の位置であって、下面20bをボア中心軸方向から見た場合における、同各応力低減用溝部24に対応する1つのブロック側軸受形成部52と、そのブロック側軸受形成部52と最も近い位置に配置されたシリンダボア21を形成するボア壁面と、の間の位置(領域)にて開口している。各応力低減用溝部24の開口部の形状は、ブロック側軸受形成部52のシリンダ配列方向における長さよりも僅かに長い長辺とその長辺に直交する極めて短い短辺とを有する細長い長方形状である。
上記のように構成された第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関10においては、燃焼室41内に形成された混合ガスが燃焼すると、燃焼室41内のガスの圧力は極めて高くなる。この圧力により、図7に示したように、ヘッド下面40aは力F0aにて上方向に押され、ピストン22の頂面は力F0bにて下方向に押される。これにより、シリンダヘッド40が固定されたシリンダブロック20には上方向に向かう力F1aが加えられ、一方、ピストン22に連結されたクランク軸31を支持するクランクケース30には下方向に向かう力F1bが加えられる。その結果、ブロック側軸受形成部52の軸受孔52aを形成する壁面のうちのクランクケース30側の部分は、軸状駆動部53による力F2を受けて下方向に押される。
上記第1実施形態においては、応力低減用溝部は、シリンダブロック20のうちのシリンダライナ20dから離れた位置に形成されていたが、シリンダライナ20dに隣接するように形成されていてもよい。
この幅広部分61とシリンダライナ20dの外壁面とにより、応力低減用溝部24−1が形成される。即ち、このような構成によれば、応力低減用溝部24−1を容易に形成することができる。
この大径部分62とシリンダライナ20dの外壁面とにより、応力低減用溝部24−2が形成される。即ち、このような構成によれば、応力低減用溝部24−2を容易に形成することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る可変圧縮比内燃機関について説明する。第2実施形態に係る可変圧縮比内燃機関は、応力低減用溝部24に代わる応力低減手段としての補強部材を備える点のみにおいて上記第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関10と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る可変圧縮比内燃機関について説明する。第3実施形態に係る可変圧縮比内燃機関は、応力低減用溝部24が形成されていない点及びシリンダブロックが肉厚部と肉薄部とを有している点のみにおいて上記第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関10と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
Claims (5)
- 所定のボア中心軸方向に貫通する円柱状の穴であるシリンダボアが形成されるとともに同シリンダボア内にピストンを収容するシリンダブロックと、前記シリンダボアの開口部分の一方を覆うように同シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックに対して前記シリンダヘッドと反対側に配置され且つ同シリンダブロックに対して前記ボア中心軸方向に相対移動可能であるとともに前記ピストンに連結されたクランク軸を回転可能に支持するクランクケースと、を備えるとともに、前記シリンダボアを形成するボア壁面と前記シリンダヘッドの前記シリンダブロック側の面であるヘッド下面と前記ピストンの同ヘッド下面側の面であるピストン頂面とにより形成される燃焼室の容積を変更する可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関であって、
前記可変圧縮比機構は、前記シリンダブロックの外壁面から外方に延出したブロック側受力部と、同ブロック側受力部及び前記クランクケースのそれぞれと当接しながら同ブロック側受力部と同クランクケースとの間の前記ボア中心軸方向における距離を変更する連結部と、を含み、
前記ブロック側受力部が前記連結部により前記シリンダブロックから前記クランクケースへ向かう方向の力を受けることによって同ブロック側受力部が所定の押圧位置にて所定の押圧方向に前記外壁面を押圧することにより、同押圧位置を通る直線であって同押圧方向に平行な直線である押圧直線が前記ボア壁面と交わる位置にて同ボア壁面に発生する応力であるボア壁面応力を、同押圧位置にて同外壁面に発生する応力である外壁面応力よりも小さくする応力低減手段を備える可変圧縮比内燃機関。 - 請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関において、
前記応力低減手段は、前記シリンダブロックの前記クランクケース側の面内の位置であって同面を前記ボア中心軸方向から見た場合における前記ブロック側受力部と前記ボア壁面との間の位置に開口するように同シリンダブロックに形成されたスリット状の溝部からなる可変圧縮比内燃機関。 - 請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関において、
前記シリンダブロックは、前記ボア壁面を構成する内壁面を有する中空円筒状のシリンダライナを含み、
前記応力低減手段は、前記シリンダブロックのうちの前記シリンダライナを除く部分よりも高い剛性を有するとともに、前記押圧直線上の位置であって前記ブロック側受力部と前記シリンダライナとの間の位置を通るように且つ同シリンダライナの周囲を前記ボア中心軸回りに取り囲むように同シリンダブロックに配設された補強部材からなる可変圧縮比内燃機関。 - 所定のボア中心軸方向に貫通する円柱状の穴であるシリンダボアが形成されるとともに同シリンダボア内にピストンを収容するシリンダブロックと、前記シリンダボアの開口部分の一方を覆うように同シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックに対して前記シリンダヘッドと反対側に配置され且つ同シリンダブロックに対して前記ボア中心軸方向に相対移動可能であるとともに前記ピストンに連結されたクランク軸を回転可能に支持するクランクケースと、を備えるとともに、前記シリンダボアを形成するボア壁面と前記シリンダヘッドの前記シリンダブロック側の面であるヘッド下面と前記ピストンの同ヘッド下面側の面であるピストン頂面とにより形成される燃焼室の容積を変更する可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関であって、
前記可変圧縮比機構は、前記シリンダブロックの外壁面から外方に延出したブロック側受力部と、同ブロック側受力部及び前記クランクケースのそれぞれと当接するとともに同ブロック側受力部と同クランクケースとの間の前記ボア中心軸方向における距離を変更する連結部と、を含み、
前記シリンダブロックは、前記ボア壁面の前記クランクケース側の端であるボア壁面下端の位置が、前記ブロック側受力部が延出する前記シリンダブロックの外壁面の同クランクケース側の端であるブロック外壁面下端の位置と同じ位置、又は、同ブロック外壁面下端の位置よりも前記シリンダヘッド側の位置、となるように構成された可変圧縮比内燃機関。 - 所定のボア中心軸方向に貫通する円柱状の穴であるシリンダボアが同ボア中心軸方向と直交するシリンダ配列方向にて直線状に配置されるように複数形成されるとともに同各シリンダボア内にピストンを収容するシリンダブロックと、前記シリンダボアの開口部分の一方を覆うように同シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックに対して前記シリンダヘッドと反対側に配置され且つ同シリンダブロックに対して前記ボア中心軸方向に相対移動可能であるとともに前記ピストンに連結されたクランク軸を回転可能に支持するクランクケースと、を備えるとともに、前記シリンダボアを形成するボア壁面と前記シリンダヘッドの前記シリンダブロック側の面であるヘッド下面と前記ピストンの同ヘッド下面側の面であるピストン頂面とにより形成される燃焼室の容積を変更する可変圧縮比機構を備えた可変圧縮比内燃機関であって、
前記可変圧縮比機構は、前記シリンダ配列方向と直交する平面であって前記シリンダボアの中心軸を通る平面と前記シリンダブロックの外壁面との交線の一部を含む領域にて同外壁面から外方に延出したブロック側受力部と、同ブロック側受力部及び前記クランクケースのそれぞれと当接するとともに同ブロック側受力部と同クランクケースとの間の前記ボア中心軸方向における距離を変更する連結部と、を含み、
前記シリンダブロックは、前記シリンダ配列方向と直交する平面にて前記シリンダブロックを切断した断面における同シリンダ配列方向及び前記ボア中心軸方向を含むボア中心軸配列平面と前記シリンダブロックの外壁面との間の距離が、同シリンダ配列方向と直交する平面であって前記ブロック側受力部を通る平面にて同シリンダブロックを切断した断面における同ボア中心軸配列平面と同ブロック側受力部が延出している位置における同外壁面との間の距離よりも短くなっている部分を含むように構成された可変圧縮比内燃機関。
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