JP2008063929A - ボイドスラブの構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薄鋼板の基板2にトラス鉄筋3を適宜の間隔で溶接して上端筋4と下端筋5をトラス鉄筋3に溶接したデッキプレート20である。両側面に取り付け用の溝が形成してある発泡樹脂製、断面楕円の柱状体のボイド型枠1をトラス鉄筋3に押し込んで固定し、接続すべきデッキプレートのトラス鉄筋3をボイド型枠1の溝11に合わせ、発泡樹脂の弾力を利用して押し込んで両デッキプレートの継手21をかみ合わせて連結固定する。この作業を繰り返して必要大きさとした組み立て体をクレーン等で建物内に搬入して設置し、コンクリートを打設してボイドスラブを構築する。
【選択図】図1
Description
例えば、図14、15に示すようにトラス3を使用して配筋された上端筋4、41及び下端筋5,51で囲まれた空間にボイド型枠1として金属中空管を挿入して固定していたが、ボイド型枠1の位置決めが面倒であった。また、打設コンクリートによる浮力が作用してボイド型枠が浮き上がるので、別途ボイド型枠の移動を押さえるための固定具を設置しなければならず、施工が煩雑であった。
また、図16に示すように、床版型枠に上端筋4、41と下端筋5,51を格子状に配設し、各格子内に発泡樹脂製のボイド型枠1を配置して押さえ鉄筋で移動を防止し、コンクリートを打設することが提案されている。
コンクリート打設による浮力の作用による浮き上がりを止めるには、図13に示すように固定具30を鉄筋に取り付けることがおこなわれている。また、床版型枠にフック等を固定してボイド型枠の浮き上がりを防止する方法が採られているが、一般に、床版型枠の大きさは90×120cm程度であるので、ボイド型枠に作用する浮力によって床版型枠が上に引き上げられるが、この引き上げ力が個々の型枠に均一に作用しないので型枠の継ぎ目に目違いを起こしやすく、コンクリート硬化後に補修が必要となり、手間がかかってしまう。
また、従来工法では、鉄筋工事の途中にボイド型枠を下端筋上に敷き込んだ後、また上端鉄筋を配筋するという鉄筋工事作業の重複が必要であり、若しくは、小径ボイドを挿入できるように間隔を空けた上下端鉄筋の工事完了後にボイド型枠をその鉄筋間に入れ込むといった、2つの職種の作業員を必要とする、そのため現場管理も面倒であり、2つの職種にまたがるので作業効率が悪く、コスト上昇の要因となっていた。
この発明は、発泡樹脂製のボイド型枠の所定の位置への取り付けが簡単にできるようにすると共に、建物内での作業を極力減らし、作業の効率を上げてコストを削減するものである。
また、デッキプレートにボイド型枠を組み付ける作業を構築中の建物近傍もしくは建物内外の平坦部でおこない、一定面積組み上げたものをクレーンで運び上げることができるので効率的に作業がおこなえ、コストを低減することができる。
デッキプレート20は、図1に示すように薄鋼板を基板とし、トラス鉄筋3を適宜の間隔で基板2に溶接して上端筋4と下端筋5をトラス鉄筋3に溶接したものである。なお、トラスは平面トラスでも立体トラスのどちらでもかまわない。基板2の側面には基板相互を連結する継手21が形成してあり、本実施例では、折り曲げ式の継手であり、継手を噛み合わせてかしめることによって一体化するものである。デッキプレート20のトラス鉄筋3の形状は、図9に示すように、変形したものであってもよい。
ボイド型枠1は、発泡スチロール製の断面楕円形の柱状体であり、両側面にトラス鉄筋3の間隔に合わせて溝11が形成してある。
(1)デッキプレート20を建築物の近傍もしくは建物内外の平坦な場所に仮に設置する。
(2)仮置きしたデッキプレートのトラス鉄筋3にボイド型枠1の溝11を合わせて横方向から差し込み、トラス鉄筋3を溝11内に収容させてボイド型枠1をデッキプレートに仮止めする。
(3)デッキプレートに仮止めされたボイド型枠1に接続すべきデッキプレートのトラス鉄筋3をボイド型枠1の溝11に合わせ、発泡樹脂の弾力を利用して押し込んで両デッキプレートの継手21をかみ合わせ、継手21の位置が正確であることを確認して継手をかしめて固定してデッキプレート20を一体化する。
(4)(1)と同様にボイド型枠1をトラス鉄筋に差し込む。この作業を繰り返して、図2に示すように所定の大きさに組み立て、床版の施工現場にクレーン等で搬入して設置し、コンクリートを打設する。
組み立て完了状態のデッキプレートの断面を図3に示す。
また、図5に示すようにトラス鉄筋3の上部にボイド型枠1の浮き上がりを防止する押さえ鉄筋32を溶接等で固定しても同様の効果が得られる。
二方向ボイドスラブとはボイド型枠とボイド型枠との間のI型断面を持つ梁と、ボイド型枠が連続して入ることによって構成される穴あき梁(トラス梁)との格子梁効果を利用したスラブである。
ボイド型枠1の底面に形成される溝11のパターンを図13(1)及びその斜視図を図13(2)に示す。溝11はボイド型枠1の表面に切り込みを入れて溝を形成させるだけでなく、円錐形や半球の突起を連続、または不連続に形成して溝11とすることもできる。
2 基板
20 デッキプレート
21 継手
3 トラス鉄筋
Claims (9)
- 基板に上端筋と下端筋をトラス鉄筋を介して配設したデッキプレートのトラス鉄筋に、両側面に溝を形成した発泡樹脂製のボイド型枠を横方向から押し込んで溝内にトラス鉄筋を収容して仮固定し、接続するデッキプレートのトラス鉄筋を仮固定したボイド型枠の反対側の溝に押し込んでボイド型枠を固定すると共に基板同士を継手で連結し、この作業を繰り返して所定の大きさに組み立て、この組み立て体を建築物の所定の位置に設置してコンクリートを打設するボイドスラブの構築方法。
- 薄鋼板の基板に上端筋と下端筋をトラス鉄筋を介して配設したデッキプレートのトラス鉄筋の間に、両側面に溝を形成した発泡樹脂製のボイド型枠を上から押し込んで溝内にトラス鉄筋を収容させて固定し、接続するデッキプレートの基板同士を継手で連結し、この作業を繰り返して所定の大きさに組み立て、この組み立て体を建築物の所定の位置に設置してコンクリートを打設するボイドスラブの構築方法。
- 請求項1または2において、短尺のボイド型枠を間隔をあけてトラス鉄筋に取り付け、この空間に梁用の鉄筋を配筋して格子状のスラブとするボイドスラブの構築方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、番線を使用してボイド型枠をトラス鉄筋に固定して浮き上がりを防止するボイドスラブの構築方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、トラス鉄筋の上部にボイド型枠を固定する押さえ鉄筋が設けてあるボイドスラブの構築方法。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、デッキプレートを組み立てた後に上端筋と下端筋に直交する鉄筋を配設する二方向ボイドスラブとするボイドスラブの構築方法。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、デッキプレートの組み立てを建築物近傍もしくは建築物内外の平坦部でおこない、組み立て後に建築物の所定の位置に搬入するボイドスラブの構築方法。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、ボイド型枠は、楕円形(円形、球形も含む)、四角形、面取した四角形のいずれかの断面の柱状体であるボイドスラブの構築方法。
- 請求項8において、ボイド型枠の底面にコンクリート打設の際に底面に貯留する空気を逃がすための複数の溝がボイド型枠の表面に形成してあるボイドスラブの構築方法。
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