JP2008063806A - 雨樋吊り金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 折板屋根8軒先81付近の山折頂部82から鉛直状に吊り下げられた吊りボルト2の下端がわに、吊り金具本体3の中央付近を連結し、該吊り金具本体3の両端には、雨樋の樋溝の両立上り上端縁91,91間に架け渡し嵌着可能な嵌着鈎部31,31を設け、その下面に弾性支持片部35,35を設け、吊りボルト2上端の山折頂部82連結部分に、上端がわが共締め連結され、下端がわを軒先前方配置となる嵌着鈎部31付近上部に連結し、その中途適所に長さ調節機構5を介在させた補強腕部4を組み合わせてなる雨樋吊り金具1である。
【選択図】 図1
Description
折板屋根は、その波形の断面形状によって高い強度と優れた経済性とを備えており、工場や倉庫、郊外型店舗などの比較的大型、長尺屋根に現在広く用いられており、積雪に対する耐久強度にも優れているという特徴をもっているが、軒先に設置される雨樋に関しては、必ずしも積雪や氷柱の発生に強いものとはなっておらず、一気に大量の雨水が流入したり、または強風に煽られたりすると、吊り金具を支点として揺動してしまい、また、大量の積雪が雨樋に向けて雪崩れ込んだ場合や、大きな氷柱が発生した場合などには、その過重に耐えきれずに破損してしまう虞があり、氷柱の発生を抑制することができ、しかもさらに強度の高い吊り金具の開発が待望されていた。
そうした中にも、その打開策となるようなものとして、例えば特開2000−328738号公報「軒樋吊具」発明として提案されているもののように、折板屋根の軒先下に鉛直状に吊り下げられた棒状体からなる取付具の下端に、両端に軒樋の前後縁に嵌着可能な軒樋吊部の中央付近を連結し、該軒樋吊部の屋外がわ端部付近の上面に形成された係止孔に対し、屈曲可能な帯板体とされた補強部材の下端部を取り付け、同補強部材の上端部を、その到達距離に合わせて折曲し、取付具の上端がわに共締め結合して軒樋を補強したものや、特開2001−311275号公報「軒樋吊具」発明のように、折板屋根の軒先に吊りボルトを吊り下げ、該吊りボルトの下部に軒樋を支持する軒樋吊具本体が設けられてなる軒樋吊具であって、当該折板屋根の軒先下部には、断面略L字状に形成され、軒樋吊具本体を支持する補強金具が設けられ、該補強金具には、軒樋吊具本体に当接する下端に長孔が穿孔され、吊りボルトと前記補強金具とで軒樋吊具本体が支持されたものとし、補強金具下端の長孔を利用して軒樋吊具の取付高さを調整できるようにしたもの、または、実開平5−84727号公報「軒樋吊具」考案に示されたもののように、前後両端に軒樋耳保持部を有する吊具本体の中程に螺子杆体が立設され、同吊具本体の前端付近に補強片が枢着されて上方へ突設され、この補強片の上端に、前後方向の長溝開口部が形成された固定片が枢着されて後方へ突設され、長溝開口部が上記螺子杆体にスライド自在に係合され、この固定片を螺子杆体に挟着固定する一対のナットが同螺子杆体に螺合付設され、当該補強片上下端に設けられた枢着部分が、補強片の取り付け姿勢の調整を容易にし、また固定片の長溝開口部が、螺子杆体への取り付け位置の調整を簡単に行えるようにしたもの等が散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある「軒樋吊具」類は何れも、高所作業による取り付け作業性の向上を図ったものの場合には、軒樋に過大な過重や外力が加わり、多少の揺動や傾動などが生じたときに、補強部材の連結部分が不用意に離脱してしまう虞があり、また補強部材をボルト・ナット類によって取り付けられたものとした場合には、高所作業性が悪化してしまい、安全且つ効率的に取り付けできなかったり、または多少のボルト・ナット類の緩みによって比較的簡単に補強部材が離脱してしまい、十分な連結強度が得られなくなってしまうという課題を残すものであった。
そこで、この発明は、全ての取り付け作業を軒先の外側から簡単に行うことができ、しかも寸法や形状の異なる折板屋根軒先や雨樋にも、自在に調節して取り付けることが可能であり、しかも積雪や雨水の大量の流れ込みや、台風にも十分に耐える高強度を発揮できる新たな耐雪型雨樋技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の雨樋吊り金具を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の雨樋吊り金具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとした構成を要旨とする雨樋吊り金具である。
吊りボルトは、吊り金具本体を折板屋根軒先の適宜選択された山折頂部に対して吊り下げ状に連結可能とし、実質的に雨樋の適所を軒先下部に吊り下げ保持可能とする機能を果たすものであり、雨樋の所定範囲を吊り下げ保持可能とするに十分な強度を有する棒状体であって、設置対象となる折板屋根軒先付近の山折頂部から山折谷部までの上下鉛直寸法を超える長さに設定されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、少なくとも上下端の所定範囲に雄ネジ部分が形成されたものとすべきである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の雨樋吊り金具1は、折板屋根8に取り付ける際に、軒先81に添って略500・ないし1m、または1.2m程度のピッチ毎の配置とし、全てに補強腕部4を設けたものとして設置する外、一個置き毎または複数個置き毎に補強腕部4を設けたものを設置するよう施工することが可能である。
以上のような構成からなる実施例の雨樋吊り金具1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1および図2中に示した二本のボルト6,6が、下側補強腕部44取付け座面45の吊り金具本体3の軒先81前方配置となる嵌着鈎部31上部付近への結合強度を格段に高め、豪雪に対する耐久強度を確保するものとなり、しかも長さ調節機構5の上側補強腕部41長さ調節用の連結代端部51と、下側補強腕部44長さ調節用の連結代端部53とを、一本のタッピングネジ6によって板厚方向に貫通、連結させたものとすることにより、タッピングネジ6の軸心に対し剪断方向に、過重が加わるよう設定し、優れた連結強度を確保するものとした上、軒先81前方がわとなる長さ調節用の連結代端部51(53)に、予めバカ孔52を穿設して置くことにより、タッピングネジ6の螺着作業性を大幅に向上させ、安全且つ確実で効率的な設置作業を実現することができる。
叙述の如く、この発明の雨樋吊り金具は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの軒樋吊具に比較して大幅に軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、豪雨、豪雪および台風などに対する雨樋の耐久強度を格段に高め、設置作業性および高所作業安全性を大幅に改善し得るものとなることから、大型建築物折板屋根の豪雪対策や台風対策に悩む大型店舗や工場の施工主および管理者は勿論のこと、雨樋の耐久性の向上と低価格化の市場ニーズに応えようと日夜努力を重ねている建設・資材業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 吊りボルト
21 同 雄ネジ
22 同 ナット
23 同 座金
3 吊り金具本体
31 同 嵌着鈎部
32 同 内向き先端
33 同 吊り孔
34 同 変形支点部
35 同 弾性支持片部
36 同 板バネ体
37 同 ネジ孔
38 同 取付け孔
39 同 ボルト
4 補強腕部
41 同 上側補強腕部
42 同 頂部接合面
43 同 連結孔
44 同 下側補強腕部
45 同 取付け座面
46 同 一体化孔
5 長さ調節機構
51 同 上側補強腕部長さ調節用の連結代端部
52 同 バカ孔
53 同 下側補強腕部長さ調節用の連結代端部
54 同 フランジ片部
55 同 ネジ孔
56 同 貫通孔
57 同 案内レール部
6 タッピングネジ(またはボルト)
61 同 ドリル部(タッピングネジ部)
62 同 頭部
7 ボルト
71 同 頭部座面
72 同 ナット
8 折板屋根
81 同 軒先
82 同 山折頂部
83 同 山折谷部
84 同 支持孔
9 雨樋
91 同 樋溝の両立上り上端縁
92 同 補強凸条
93 同 樋溝立上り
Claims (9)
- 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
- 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化し、角波背丈寸法の異なる折板屋根への雨樋の調節、設置を可能であって、外力による雨樋の軒先方向への揺動を阻止する構造に設定されてなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
- 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部と、該嵌着鈎部との間に樋溝立上りを挟着状としてその嵌着姿勢を維持するようにした弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
- 吊り金具本体が、その両端に配された一対の嵌着鈎部を、同一の高さ位置に設定し、平行樋に装着可能とするよう設定されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の雨樋吊り金具。
- 吊り金具本体が、雨樋の軒先前方がわ配置となる補強凸条に嵌着される嵌着鈎部を、それとは反対がわの軒下がわ配置の補強凸条に嵌着される嵌着鈎部よりも上側に配置させ、前高型の雨樋に装着可能とするよう設定されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の雨樋吊り金具。
- 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとを重ね合わせ、軒先前方に外側配置とした何れか一方に穿設されたバカ孔を通じ、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを双方に貫通させた長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
- 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとを重ね合わせ、軒先前方に外側配置とした何れか一方の肉厚方向に穿設された上下に長いバカ孔を通じて、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを双方の肉厚方向に貫通させた長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
- 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとの夫々に、平行面状に対峙するフランジ片部を形成し、上側補強腕部のフランジ片部に上下方向の貫通孔を穿孔し、下側補強腕部のフランジ片部に同貫通孔と同心状配置になるネジ孔を穿設し、当該下側補強腕部フランジ片部のネジ孔に、下がわから上向きに螺合され、その頭部座面を、同下側補強腕部フランジ片部下面に接合させたボルトの先端がわを、上側補強腕部フランジ片部の貫通孔に上向き貫通状とし、上向き突出状となる同先端にナットを螺着して長さ調節機構を形成し、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
- 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の上下所定範囲に亘り、上下摺動用の案内レール部を一体形成し、上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか他方を、上下進退自在に案内、装着可能にすると共に、軒先前方に外側配置とした当該上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の案内レール部範囲内となる適所、肉厚方向に貫通する円形状の下孔か、または上下に長い長円状のバカ孔かの何れかを穿設した上、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを、それらバカ孔等を通じて双方の肉厚方向に貫通可能とした長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
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