JP2008063806A - 雨樋吊り金具 - Google Patents

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谷 聡 茜
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Abstract

【課題】 取り付け作業を簡単に行うことができ、しかも角波背丈寸法の異なる折板屋根軒先や雨樋にも、自在に取り付けることが可能であり、しかも積雪や雨水の大量の流れ込みや、台風にも十分に耐える高強度を発揮できる新たな耐雪型雨樋技術を提供する。
【解決手段】 折板屋根8軒先81付近の山折頂部82から鉛直状に吊り下げられた吊りボルト2の下端がわに、吊り金具本体3の中央付近を連結し、該吊り金具本体3の両端には、雨樋の樋溝の両立上り上端縁91,91間に架け渡し嵌着可能な嵌着鈎部31,31を設け、その下面に弾性支持片部35,35を設け、吊りボルト2上端の山折頂部82連結部分に、上端がわが共締め連結され、下端がわを軒先前方配置となる嵌着鈎部31付近上部に連結し、その中途適所に長さ調節機構5を介在させた補強腕部4を組み合わせてなる雨樋吊り金具1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、建築物の屋根に取り付けられる雨樋に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に耐雪強度を高めた雨樋を製造ならび施工する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
折板屋根は、その波形の断面形状によって高い強度と優れた経済性とを備えており、工場や倉庫、郊外型店舗などの比較的大型、長尺屋根に現在広く用いられており、積雪に対する耐久強度にも優れているという特徴をもっているが、軒先に設置される雨樋に関しては、必ずしも積雪や氷柱の発生に強いものとはなっておらず、一気に大量の雨水が流入したり、または強風に煽られたりすると、吊り金具を支点として揺動してしまい、また、大量の積雪が雨樋に向けて雪崩れ込んだ場合や、大きな氷柱が発生した場合などには、その過重に耐えきれずに破損してしまう虞があり、氷柱の発生を抑制することができ、しかもさらに強度の高い吊り金具の開発が待望されていた。
(従来の技術)
そうした中にも、その打開策となるようなものとして、例えば特開2000−328738号公報「軒樋吊具」発明として提案されているもののように、折板屋根の軒先下に鉛直状に吊り下げられた棒状体からなる取付具の下端に、両端に軒樋の前後縁に嵌着可能な軒樋吊部の中央付近を連結し、該軒樋吊部の屋外がわ端部付近の上面に形成された係止孔に対し、屈曲可能な帯板体とされた補強部材の下端部を取り付け、同補強部材の上端部を、その到達距離に合わせて折曲し、取付具の上端がわに共締め結合して軒樋を補強したものや、特開2001−311275号公報「軒樋吊具」発明のように、折板屋根の軒先に吊りボルトを吊り下げ、該吊りボルトの下部に軒樋を支持する軒樋吊具本体が設けられてなる軒樋吊具であって、当該折板屋根の軒先下部には、断面略L字状に形成され、軒樋吊具本体を支持する補強金具が設けられ、該補強金具には、軒樋吊具本体に当接する下端に長孔が穿孔され、吊りボルトと前記補強金具とで軒樋吊具本体が支持されたものとし、補強金具下端の長孔を利用して軒樋吊具の取付高さを調整できるようにしたもの、または、実開平5−84727号公報「軒樋吊具」考案に示されたもののように、前後両端に軒樋耳保持部を有する吊具本体の中程に螺子杆体が立設され、同吊具本体の前端付近に補強片が枢着されて上方へ突設され、この補強片の上端に、前後方向の長溝開口部が形成された固定片が枢着されて後方へ突設され、長溝開口部が上記螺子杆体にスライド自在に係合され、この固定片を螺子杆体に挟着固定する一対のナットが同螺子杆体に螺合付設され、当該補強片上下端に設けられた枢着部分が、補強片の取り付け姿勢の調整を容易にし、また固定片の長溝開口部が、螺子杆体への取り付け位置の調整を簡単に行えるようにしたもの等が散見される。
しかし、前者の「軒樋吊具」発明は、軒樋吊部の屋外がわ上面に形成した係止孔に対し、補強部材の下端に形成した切欠部を利用して係合状に連結するものとなっているが、こうした係合構造では、強風の吹き付けや大量の雨水の流入などによって軒樋が強く揺動された場合、または、積雪や氷柱による過重によって軒樋が変形してしまった場合などには、比較的簡単に外れてしまう虞があり、補強部材の連結強度に不安を残すものであった。
また、次に示した「軒樋吊具」発明は、補強金具下端の長孔を、軒樋吊具本体の屋外がわであって軒樋の内側面壁に平行状となる部分に、ボルト結合するものとしているが、該長孔にボルトを差し込む補強金具下端は、折板屋根の軒先と、軒樋とに包囲されている上、補強金具それ自体の陰に隠れてしまい、ボルトとナットとを組み合わせ螺合させる作業、およびボルトを締め付ける作業のいずれもが、非常に困難なものとなってしまい、しかもそうした困難な作業を大型建築物の軒先という高所で行わなければならないという、危険性が懸念されるものであり、取り付け作業性のさらなる向上が望まれるものであった。
後者の「軒樋吊具」考案は、補強片の上下端がわの夫々に枢着部分を設けたものとなっており、螺子杆体上端がわと、吊具本体の前端付近との連結角度を規制することができず、補強片の各枢着部を中心に、容易に変形、揺動してしまう虞があり、十分な剛性をもって雨樋を吊り下げ、補強できるものとはなっておらず、螺子杆体の強度が不足すると直ちに雨樋が傾動してしまい、また、螺子杆体上部に対して補強片上端の固定片を挟着、固定する一対のナットが、僅かに緩んでしまった場合には、長溝開口部が、連結状態を確保できず、補強片自体が螺子杆体上部から離脱してしまうことが懸念されるものである。
(1)特開2000−328738号公報 (2)特開2001−311275号公報 (3)実開平5−84727号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある「軒樋吊具」類は何れも、高所作業による取り付け作業性の向上を図ったものの場合には、軒樋に過大な過重や外力が加わり、多少の揺動や傾動などが生じたときに、補強部材の連結部分が不用意に離脱してしまう虞があり、また補強部材をボルト・ナット類によって取り付けられたものとした場合には、高所作業性が悪化してしまい、安全且つ効率的に取り付けできなかったり、または多少のボルト・ナット類の緩みによって比較的簡単に補強部材が離脱してしまい、十分な連結強度が得られなくなってしまうという課題を残すものであった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、全ての取り付け作業を軒先の外側から簡単に行うことができ、しかも寸法や形状の異なる折板屋根軒先や雨樋にも、自在に調節して取り付けることが可能であり、しかも積雪や雨水の大量の流れ込みや、台風にも十分に耐える高強度を発揮できる新たな耐雪型雨樋技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の雨樋吊り金具を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の雨樋吊り金具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとした構成を要旨とする雨樋吊り金具である。
この基本的な構成からなる雨樋吊り金具を、表現を変えて示すと、折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化し、角波背丈寸法の異なる折板屋根への雨樋の調節、設置を可能であって、外力による雨樋の軒先方向への揺動を阻止する構造に設定されてなるものとした構成からなる雨樋吊り金具となる。
そして、より具体的には、折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部と、該嵌着鈎部との間に樋溝立上りを挟着状としてその嵌着姿勢を維持するようにした弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなる雨樋吊り金具ということができる。
以上のとおり、この発明の雨樋吊り金具によれば、吊りボルト上端の折板屋根軒先付近となる山折頂部に連結されたナット螺着部分に、上端がわが共締め連結された補強腕部の下端がわを軒先下方に向けて折曲、延伸させ、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結したものとすることにより、軒先上からの下向き作業によって簡単且つ確実に連結させることが可能となり、しかも補強腕部の中途適所に長さ調節機構を介在させたものとすることにより、雨樋の寸法、形状や取付け姿勢などによって取付け寸法に多少の変動が生じた場合にも、施行中にあっても簡単に調節して強固に連結することが可能となるという秀れた特徴が得られるものである。
吊り金具本体の雨樋樋溝の両立上り上端縁に対応する両端に、各補強凸条の外側壁面と下側壁面とに上方外側から下方内向きに嵌着可能な一対の嵌着鈎部を設けると共に、同吊り金具本体の下面側に、各嵌着鈎部の内向き先端との間に樋溝立上りを挟着可能とする弾性支持片部を設けたものとすることにより、吊り金具本体を、雨樋樋溝の両立上り上端縁の各補強凸条間に架け渡し、上方から下向きに押圧操作するだけで、弾性支持片部の両端がわが一時的に弾性変形し、簡単且つ確実に嵌着させることができ、装着作業性を大幅に改善することができるものとなる。
また、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋の、軒先前方がわ配置となる補強凸条とは反対がわの軒下がわ配置の補強凸条を、折板屋根の軒先付近となる山折谷部下面に当接させたものとすることにより、吊りボルト上端がわの折板屋根軒先付近の山折頂部との連結部分を支点とするような吊りボルトの折板屋根の中央がわへの揺動を、確実に阻止するものとし、吊りボルトおよび補強腕部に加わる負荷を軽減し、相対的な耐久強度を向上させ、耐雪性を高め、長寿命化することができるという、優れた効果を発揮することになる。
吊り金具本体が、その両端に配された一対の嵌着鈎部を、同一の高さ位置に設定し、平行樋に装着可能とするよう設定されてなるものとすることにより、軒下がわ配置の補強凸条と軒先前方配置となる雨樋補強凸条とを同一高さに設定された雨樋に対し、簡単且つ確実に装着することが可能となり、迅速な設置作業と、設置後の信頼性とを向上させることができ、さらにまた、吊り金具本体が、雨樋の軒先前方がわ配置となる補強凸条に嵌着される嵌着鈎部を、それとは反対がわの軒下がわ配置の補強凸条に嵌着される嵌着鈎部よりも上側に配置してなるものとすることにより、現場加工などの煩わしい作業を必要とせずに、軒先前方がわ配置となる補強凸条が、軒下がわ配置の補強凸条より高く設定された所謂前高型の雨樋に対し、効率的に装着することが可能となって迅速、確実な装着を実現するものとなる。
補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、該上側補強腕部の下端がわと、下側補強腕部の上端がわとを重ね合わせ、軒先前方に外側配置となった何れか一方の肉厚方向に穿設されたバカ孔を通じて、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを双方の肉厚方向に貫通させた長さ調節機構を設け、設置の際に伸縮調節可能とするよう設定されてなるものとしたことにより、折板屋根の雨樋吊り金具の装着箇所毎の山折頂部と山折谷部との寸法差に応じて補強腕部の長さを自在に調節可能とすることができるのに加え、折板屋根上に登り、軒先上に居るか、または屋根軒先前方に組まれた足場に居る作業者が、上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとの重ね合わせ部分に、軒先前方外側からネジを螺着させる作業は、二個の螺子用孔を同心状に配置させるよう配置調整する必要がなく、作業者の手前がわ(軒先外がわ)に露出状となっているバカ孔にネジ先を合わせて螺着操作するだけで良く、ネジ装着部分の視認性が高く、高所作業であっても完全、確実に作業を進めることが可能となり、従来型の軒樋に比較して作業性にも優れ、施行作業の工数を格段に短縮することができる。
上側補強腕部の下端がわと、下側補強腕部の上端がわとの何れか一方に、上下に長いバカ孔を穿孔し、同長孔を通じて各補強腕部の板厚方向に貫通させるよう双方にネジを螺着させるものとしたことにより、長孔の形成された上下範囲内の何れか適所にネジを取り付けることが可能となり、作業者にとって安全の確保できる姿勢でネジの螺着作業を行うことができる位置に、ネジを装着することができ、無理な姿勢によって装着された場合に比較して、一段と精確な補強腕部の長さ調節と、確実な連結とを実現化することができると共に、施工の前段階までに予め、上側補強腕部と下側補強腕部とをネジによって仮組みして置くことも可能となり、高所のおける危険で煩わしい部品同士の組み合わせ作業を不要とし、施工作業の効率化と安全性の向上とを達成可能とするものとなる。
さらにまた、補強腕部の上側補強腕部の下端がわと、下側補強腕部の上端がわとの夫々に、平行面状に対峙するフランジ片部を形成し、上側補強腕部のフランジ片部の上下肉厚方向に貫通孔を穿孔し、下側補強腕部のフランジ片部に対し該貫通孔に同心状配置可能なネジ孔を肉厚方向に穿設し、該下側補強腕部フランジ片部のネジ孔に、下がわから上向きに螺合され、頭部座面を同下側補強腕部フランジ片部下面に接合させたボルトの先端がわを、上側補強腕部フランジ片部の貫通孔に上向き貫通状とし、ナットを螺着して長さ調節機構を形成したものとすることにより、下側補強腕部のフランジ片部を下面から上面に貫通するよう螺着されたボルトが、補強腕部の設置作業中に不用意に落下してしまうことを防ぐことができ、しかも上側補強腕部のフランジ片部上面に上向きに突出されたボルトの先端がわは、屋根軒先上に居るか、または軒先に接近して設置された足場に居る作業者が容易に確認出来る配置関係となり、上がわから手を伸ばしてナットを装着して締め付けるという簡単な作業により、補強腕部の長さ調節と、連結作業とを同時に行うことができ、しかも工場出荷の段階か、または施工屋根への運搬前までの段階かの何れかにおいて予め、上側補強腕部と下側補強腕部とをボルト・ナットにて仮組みして置くことも可能となり、安全で効率的な装着作業によって確実な装着作業を実現化できるという特段の効果を発揮するものとなる。
加えて、補強腕部の上側補強腕部下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の上下所定範囲に亘り、上下摺動用の案内レール部を一体形成し、上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか他方を、上下進退自在に案内、装着可能とすると共に、軒先前方に外側配置とされた当該上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の案内レール部範囲内となる適所、肉厚方向に貫通する円形状のバカ孔か、または上下に長い長円状のバカ孔かの何れかを穿設した上、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを、該バカ孔を通じて双方の肉厚方向に貫通可能とした長さ調節機構を設け、設置の際に伸縮調節可能とするよう設定されてなるものとした場合には、上側補強腕部と下側補強腕部との位置決め、連結作業が簡単且つ正確に行えるようになり、両者のズレを防止して仕上がり外観が美しく、しかも補強腕部の剛性をさらに高めることが可能となり、特に長さ調節機構部分を中心とする前後左右(水平)方向の揺れに対する強度を格段に向上させることが可能となる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
吊りボルトは、吊り金具本体を折板屋根軒先の適宜選択された山折頂部に対して吊り下げ状に連結可能とし、実質的に雨樋の適所を軒先下部に吊り下げ保持可能とする機能を果たすものであり、雨樋の所定範囲を吊り下げ保持可能とするに十分な強度を有する棒状体であって、設置対象となる折板屋根軒先付近の山折頂部から山折谷部までの上下鉛直寸法を超える長さに設定されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、少なくとも上下端の所定範囲に雄ネジ部分が形成されたものとすべきである。
吊り金具本体は、雨樋の排水流方向に直行する幅寸法の略中央付近となる適所部分を吊りボルトの下端に連結する機能を果たし、換言すれば、雨樋の所定長さ範囲の重心位置付近の上がわとなる適宜選択された適所を、折板屋根軒先の適宜選択された山折頂部から吊り下げられた吊りボルトの下端に連結可能とする機能を果たすものであり、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋の樋溝の両立上り上端縁間に対し跨り状に架け渡され、その中央付近を、上下進退調節可能なナットによって吊りボルトの下端に連結されたものとしなければならず、より具体的には、雨樋樋溝の両立上り上端縁に対応する両端に、各補強凸条の外側壁面と下側壁面とに上方外側から下方内向きに嵌着可能な一対の嵌着鈎部を設けると共に、同吊り金具本体の下面側には、各嵌着鈎部の内向き先端との間に樋溝立上りを挟着可能とする弾性支持片部を設けたものとすべきであり、後述する実施例に示すように、両端に配された一対の嵌着鈎部を、同一の高さ位置に設定したものとすることが可能である外、雨樋の軒先前方がわ配置となる補強凸条に嵌着される嵌着鈎部を、それとは反対がわの軒下がわ配置の補強凸条に嵌着される嵌着鈎部よりも上側に配置させ、前高型の雨樋に装着可能とするよう設定されたものとすることができる。
嵌着鈎部は、雨樋の樋溝の両立上り上端縁にある補強凸条に、吊り金具本体の対応箇所を嵌着可能とし、対峙する弾性支持片部先端との間に雨樋溝立上りを、その壁面肉厚方向外がわから挟み込み状に挟着、連結可能とする機能を果たすものであり、繋着状に吊り下がる雨樋補強凸条を十分な強度で吊り下げ保持可能な程度に十分な強度を有するものとしなければならず、後述する実施例に示すように、雨樋の補強凸条の外郭形状に上方外側から確実に嵌着し、不用意に脱落させない程度に確りと噛み合うような折り曲げ形状に設定されたものとすべきである。
弾性支持片部は、吊り金具本体の下がわであって各嵌着鈎部の内向き先端との間に、雨樋の補強凸条内がわか、またはその直下付近の雨樋壁を、その内がわから挟み込み状に保持可能とする機能を果たし、比較的硬質な吊り金具本体嵌着鈎部に、雨樋の補強凸条を嵌着させることができる程度に弾性変形可能なバネ状に設定されたものとしなければならず、例えば吊り金具本体の中央下面を含む範囲に添って設けられ、吊りボルト下端の連結構造によって共締め結合されたものとすることができる外、吊り金具本体の両端がわに分割、配置され、各嵌着鈎部に近接する箇所に対して各基端がわが、熔接や蝋付け、螺子、ボルト、リベットまたは接着剤など各種結合構造の何れかによって個別に結合され、それら弾性支持片部の先端と嵌着鈎部の内向き先端とを対峙させるよう設定したものとすることが可能である。
補強腕部は、折板屋根の山折頂部に貫通状に連結された吊りボルトの上端付近と、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部とを連結し、吊りボルトによる雨樋の吊下げ構造を補強可能とする機能を果たすものであって、吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に、上端がわが共締め連結され、下端がわを軒先下方に向けて折曲、延伸させ、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結し、その上下間中途適所に長さ調節機構を介在させたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、長尺矩形状平板製の上側補強腕部と下側補強腕部とを組み合わせたものとし、上側補強腕部の上端がわを吊りボルト上端がわに装着可能なものとし、下側補強腕部の下端がわを軒先前方配置となる嵌着鈎部付近上部に装着可能にする共に、上側補強腕部の下端と下側補強腕部の上端との間に長さ調節機構が組み込まれたものとすべきである。
上側補強腕部は、折板屋根の山折頂部に貫通状に連結された吊りボルトの上端がわと、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に下端を連結した下側補強腕部の上端とを、連結可能とすると共に、下側補強腕部の上端付近との間に長さ調節機構を形成可能とするという機能を果たし、下側補強腕部および長さ調節機構を十分な強度をもって連結、吊り下げ可能なものとしなければならず、上端がわに折板屋根の山折頂部軒先端がわ上面に添って延伸され、吊りボルトの上端が肉厚(上下)方向に貫通可能な連結孔を有し、該上端がわの山折頂部軒先端に対応する箇所を下向きに折曲し、下側補強腕部の上端付近に達する下端がわに適宜形状の長さ調節機構の一部を形成したものとすべきであり、その下端がわの形状をより具体的に示すと、下側補強腕部の上端に形成されたバカ孔に、軒先の後方がわから重ね合わせ可能な長さ調節用の連結代端部を一体形成したものや、後述する実施例に示すように、下側補強腕部の上端に設定された長さ調節用の連結代端部に、軒先の前方から重ね合わせ可能とするよう延伸され、その適所肉厚方向にタッピングネジを螺着容易とするバカ孔を穿設したもの、または、下側補強腕部上端がわの所定範囲を水平面状に折曲し、その上下肉厚方向に貫通孔を穿孔したフランジ片部に、水平面状に折曲され、該貫通孔に同心状に配置可能な貫通孔を穿設したフランジ片部を、平行状に配置させるよう形成し、各貫通孔に上下方向からボルト・ナットを装着可能とするよう形成したものとすることが可能である。
下側補強腕部は、折板屋根の山折頂部付近に上端がわを連結させた上側補強腕部の下端がわと、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部とを、連結可能とすると共に、上側補強腕部の下端付近との間に長さ調節機構を形成可能とする機能を果たし、長さ調節機構と吊り金具本体の軒先前方配置となる嵌着鈎部付近上部とを安全に吊り下げ可能な程度に十分な強度を有するものとしなければならず、その下端がわを、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に接合可能とするよう折曲し、上下方向に貫通する一個または複数個の連結孔を穿孔し、ボルトあるいはリベット結合など可能なものとするか、または同折り曲げ部分を、嵌着鈎部付近上部に熔接、またはリベット結合、ボルト結合などにより、施工前までに予め一体に結合されたものとするかし、さらに、上側補強腕部の下端付近に達する上端がわに適宜形状の長さ調節機構の一部を形成したものとすべきであり、その上端がわの形状をより具体的に示すと、上側補強腕部の下端に設定された長さ調節用の連結代端部に、軒先の前方から重ね合わせ可能とするよう延伸され、適所肉厚方向にタッピングネジを螺着容易とするバカ孔を穿設したものや、後述する実施例にも示すように、上側補強腕部の下端に形成されたバカ孔に、軒先の後方から重ね合わせ可能な長さ調節用の連結代端部を一体形成したもの、または、上側補強腕部下端がわの所定範囲を水平面状に折曲し、その上下肉厚方向に貫通孔を穿孔したフランジ片部に、平行水平面状に折曲され、該貫通孔に同心状に配置可能な貫通孔を穿設したフランジ片部を平行状に配置させるよう形成し、上下方向から各貫通孔にボルト・ナットを装着可能とするよう形成したものとすることが可能である。
長さ調節機構は、補強腕部の上下端間となる中途適所を、取り付けの対象となる折板屋根軒先付近の山折頂部と山折谷部との高低差寸法に適応可能とするよう伸縮自在とし、これを換言すると、折板屋根山折頂部の吊りボルト連結箇所から、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着された吊り金具本体の嵌着鈎部付近までの補強腕部寸法を伸縮自在とし、双方間の連結強度を確保し、且つ伸縮調節済み長さにおける固定を可能とするという機能を果たすものであり、上側補強腕部と下側補強腕部とを十分な強度をもって連結可能とすると共に、雨樋を折板屋根に設置する作業に際し、上・下側補強腕部間の長さまたは距離を自在に調節可能とするものとしなければならず、上側補強腕部の下端がわに形成された長さ調節用の連結代端部に対し、下側補強腕部の上端がわを軒先の前方から重ね合わせ可能とするよう延伸させ、その適所肉厚方向にタッピングネジの螺着結合を容易とするバカ孔を穿設したものや、後述する実施例にも示すように、下側補強腕部の上端がわを、上側補強腕部の下端に形成されたバカ孔に、軒先の後方から重ね合わせ可能な長さ調節用の連結代端部を一体形成したもの、または、それらのバカ孔を上下方向に長い長孔状に形成したもの、あるいは、上側補強腕部下端がわの所定範囲を水平面状に折曲し、その上下肉厚方向に貫通孔を穿孔したフランジ片部を形成する一方、下側補強腕部の上端がわ所定範囲を、該上側補強腕部フランジ片部に平行な水平面状に折曲し、該貫通孔に同心状に配置可能な貫通孔を穿設したフランジ片部を形成し、それらフランジ片部同士を平行状に配置させ、下方から上方に向けて各貫通孔にボルトを装着し、上向きに突出させた先端にナットを螺合させたものなどとすることが可能である。
さらにまた、長さ調節機構は、上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の上下所定範囲に亘り、上下摺動用の案内レール部を一体形成し、上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか他方を、上下進退自在に案内、装着可能とすると共に、軒先前方に外側配置とされた当該上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の案内レール部範囲内となる適所、肉厚方向に貫通する円形状のバカ孔か、または上下に長い長円状のバカ孔かの何れかを穿設した上、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを、該バカ孔を通じて双方の肉厚方向に貫通可能とした長さ調節機構を設け、設置の際に伸縮調節可能とするよう設定されてなるものとすることが可能であり、生産性を考慮すると当該案内レール部が、上下方向に開口する筒状レール型に形成されたものや、後述する実施例に示すように、雨樋排水方向の両端縁に沿って互いに対峙するよう形成された一対の枠状レール型のものとすることなどが可能であり、別体部品の案内レール部を上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れかに熔接、ネジ結合、リベット結合その外の結合構造によって一体化したものや、上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れかに予め、材料切り出しの際に案内レール部となる部位を形成しておき、後のプレス加工または切削加工によって案内レール部を形成したものとすることができ、当該バカ孔を案内レール部が設けられていない上側補強腕部の下端がわか、下側補強腕部の上端がわかの何れか他方の適所、肉厚方向に穿設したものとすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の雨樋吊り金具の斜視図、図2の平行樋に設置された雨樋吊り金具の縦断面図、図3の一部に変更を加えた補強腕部の斜視図、図4の長さ調節機構に変更を加えた補強腕部の斜視図、図5の長さ調節機構に案内レール部を追加した補強腕部の斜視図、図6の一部に変更を加えた吊り金具本体の斜視図、および図7の前高樋に設置された雨樋吊り金具の縦断面図に示される事例は、折板屋根8の軒先81付近となる山折頂部82からナット22を介して鉛直状、且つ上下進退調節可能に吊り下げられた吊りボルト2の下端がわに、該折板屋根8の軒先81下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁91,91の夫々に補強凸条92,92を形成した雨樋9の樋溝の両立上り上端縁91,91間に対し跨り状に架け渡される吊り金具本体3の中央付近を、上下進退調節可能なナット22によって連結し、該吊り金具本体3の雨樋樋溝の両立上り上端縁91,91に対応する両端には、各補強凸条92,92の外側壁面と下側壁面とに上方外側から下方内向きに嵌着可能な一対の嵌着鈎部31,31を設けると共に、同吊り金具本体3の下面側には、各嵌着鈎部31,31の内向き先端32,32との間に樋溝立上り93,93を挟着可能とする弾性支持片部35,35を設けた上、当該吊りボルト2上端の山折頂部82に連結されたナット22螺着部分に、上端がわが共締め連結され、下端がわを軒先下方に向けて折曲、延伸させ、軒先前方配置となる雨樋9補強凸条92に嵌着された吊り金具本体3の嵌着鈎部31付近上部に連結し、その中途適所に長さ調節機構5を介在させた補強腕部4を組み合わせてなる、この発明の雨樋吊り金具における代表的な一実施例を示すものである。
当該雨樋吊り金具1は基本的に、折板屋根8の軒先81下に添って配設される雨樋9の樋溝の両立上り上端縁91,91の夫々に形成された補強凸条92,92間に架け渡し状に嵌着される吊り金具本体3と、該吊り金具本体3の雨樋補強凸条92,92間中央付近に下端がわを連結し、鉛直状に延伸された上端がわを折板屋根軒先8の山折頂部82対応箇所に上向き貫通状に連結可能な吊りボルト2とを有し、さらに吊りボルト2の上端と吊り金具本体3軒先前方配置となる嵌着鈎部31付近上部との間に、上側補強腕部41および下側補強腕部44、ならびにそれら上・下側補強腕部41,44の間に長さ調節機構5を配した補強腕部4が設けられたものとなっている。
吊り金具本体3は、図1および図2中に示すように、前述のように対象となる雨樋9の樋溝の両立上り上端縁91,91の補強凸条92,92間(例えば幅150・前後)に架け渡し可能な長さ寸法、および凡そ32・の幅寸法、厚さ3.2・に設定された耐食性に優れた各種鍍金鋼板製、アルミニウム板製、マグネシウム板製、ステンレス鋼板製またはチタン板製など、比較的耐食性と耐久強度とに優れた短冊状板をプレス加工することにより、長尺方向の両端がわに雨樋9の補強凸条92,92に対し、上方外側から下向きに嵌着可能となり、内向き先端32,32を各補強凸条92,92の下側に回り込ませ、嵌着するよう折曲形成した嵌着鈎部31,31を一体成型し、各嵌着鈎部31,31間の中央となる箇所であり、設置状態にあっては雨樋9樋溝の両立上り上端縁91,91の補強凸条92,92間の中央に略一致する箇所には、上下(肉厚)方向に貫通する吊り孔33を穿孔し、さらに該吊り孔33と、両端がわの嵌着鈎部31,31との間となる中途部分には、嵌着鈎部31,31の補強凸条92,92への嵌着操作の際に、変形可能となる変形支点部34,34が折曲形成され、該吊り金具本体3裏面がわの変形支点部34,34付近には、先端を嵌着鈎部31,31の内向き先端32に対し、雨樋9樋溝立上り93の肉厚寸法を僅かに超える程度の隙間をもって対峙させた、各種鍍金バネ鋼板製、またはステンレスバネ鋼板製など、耐食性と弾性に優れた金属板製、弾性支持片部35,35の基端部分がスポット熔接またはリベット結合あるいはボルト・ナットによる結合などの何れかによって一体化されたものとなっている。
吊りボルト2は、設置対象の折板屋根8軒先81の山折頂部82から山折谷部83までの上下間距離を超える長さに設定されたステンレス鋼製の丸棒からなり、上下端の各所定範囲に雄ネジ21,21が刻設されたものとなっており、その下端が吊り金具本体3中央の吊り孔33に上方から下向きに貫通され、吊り金具本体3を上下から挟むよう螺着された2個のナット22,22によって立設状に組み合わせ可能なものとなっており、上端の雄ネジ21部分は、折板屋根8軒先81の山折頂部82適所に上下(肉厚)方向に穿設された支持孔84に対し、下がわから上方に向けて貫通状に装着され、同雄ネジ21部分には、山折頂部82を上下から挟むよう螺着された2個のナット22,22と、夫々の座金23,23によって吊り下げ状に連結可能なものとされている。
補強腕部4は、基本的に上側補強腕部41と下側補強腕部44とからなり、上側補強腕部41および下側補強腕部44間には、互いの連結長さを調節可能とする長さ調節機構5が形成されており、その中の上側補強腕部41は、厚さ3.2・、幅32・の長尺帯状であって、上端がわの60・ないし140・前後の長さの部分を、折板屋根8軒先81の山折頂部82上面に接合させる頂部接合面42とし、該頂部接合面42より下端がわを長さ60・ないし140・程度の、厚さ3.2・、幅32・の帯状とした長さ調節用の連結代端部51に形成し、該頂部接合面42の山折頂部82支持孔84に対応する箇所には肉厚方向に貫通する連結孔43が、また連結代端部51の下端がわ適所には、板厚方向に貫通するバカ孔52が夫々穿設されたものとなっている。
下側補強腕部44は、厚さ3.2・、幅32・の長尺帯状に形成され、その下端がわの20・前後の長さ範囲が、略水平状に折曲され、二個の一体化孔46,46を穿孔した取付け座面45を形成し、同取付け座面45より上端までの70・前後の範囲を、長さ調節用の連結代端部53とし、上側補強腕部41のバカ孔52が穿設された連結代端部51の下がわ所定範囲に対し、軒先後方から重ね合わせ可能となるよう上向きに折曲、延伸されたものとなっている。
図1の補強腕部4とは別に、図3中に示すように、上側補強腕部41の連結代端部51に、上下に長い長孔からなるバカ孔52を穿設し、下側補強腕部44の一体化孔46を一個とした補強腕部4に変更することが可能であり、各部の寸法を、上側補強腕部41の厚さ3.2・、幅寸法W1が32・、頂部接合面42の長さL1が60・、連結代端部51の長さL2が60・、下側補強腕部44の厚さ3.2・、幅寸法W2が32・、取付け座面45の長さL3が20・、連結代端部53の長さL4が70・に設定されたものとすることが可能である。
さらに図4中に示すように、上側補強腕部41の頂部接合面42から下向きに折曲、延伸された下端と、下側補強腕部44の取付け座面45より上向きに折曲、延伸された上端との夫々に、平行面状に対峙するフランジ片部54,54を形成し、下側補強腕部44のフランジ片部54中央に、その肉厚(上下)方向に貫通するネジ孔55を穿設すると共に、上側補強腕部41のフランジ片部54中央には、ネジ孔55に同心状の配置となる組み合わせ可能な貫通孔56を、その肉厚(上下)方向に向けて穿孔した上、ボルト7の先端がわを、下側補強腕部44フランジ片部54のネジ孔55に対し、下がわから上向きに螺合させ、頭部座面71を、同下側補強腕部44のフランジ片部54下面に接合させ、上側補強腕部41フランジ片部54の貫通孔56に上向き貫通状とし、その上方からナット72を螺着して長さ調節機構5を形成したものとすることができる。
また補強腕部4は、図5中に示すように、長さ調節機構5に案内レール部57,57を追加、形成したものとすることが可能であり、当該上側補強腕部41下端がわの長さ調節用連結代端部51の上下所定範囲に亘る左右両端縁が、軒先81の後方に向けて概略C型断面状に折曲され、互いの端縁同士を対峙させた左右一対の案内枠状をなす、上下摺動用の案内レール部57,57が一体形成され、同上側補強腕部41連結代端部51の案内レール部57,57範囲内となる適所中央の肉厚方向にバカ孔52を穿設し、該案内レール部57,57の下端がわから、下側補強腕部44の上端がわである長さ調節用の連結代端部53を、上下進退自在に案内、装着可能とすると共に、軒先81前方に外側配置とされた当該上側補強腕部41のバカ孔52から、図示しないタッピングネジ(6)を螺着させ、上側補強腕部41連結代端部51と下側補強腕部44長さ調節用の連結代端部53とを肉厚方向に貫通、一体に結合可能なものとすることが可能である。
また、吊り金具本体3は図6中に示すように、雨樋9の樋溝の両立上り上端縁91,91がわに対応させて設けられていた弾性支持片部35,35を、一体化形成した板バネ体36を装着したものとすることができ、より具体的には、吊り金具本体3の吊り孔33と両端がわの各嵌着鈎部31,31との間の、夫々二箇所の幅寸法中央に、上下肉厚方向に貫通するネジ孔37,37を穿孔すると共に、当該板バネ体36の吊り孔33およびネジ孔37,37に対応する箇所には、夫々適宜直径に設定された取付け孔38,38,38を穿設した上、当該吊り金具本体3の裏面取付け位置に板バネ体36を接合状とし、下方から両端がわの取付け孔38,38に夫々装着したボルト39,39の先端がわを、各ネジ孔37,37に螺着させ、一体化したものとし、さらに、吊り孔33に対し、上方から下向きに装着された吊りボルト2下端の雄ネジ21を、中央の取付け孔38に貫通させ、下向きに露出された同雄ネジ21の先端がわにナット22を螺着させ、予め雄ネジ21に螺着されていた上方配置のナット22との間に、吊り金具本体3と板バネ体36とを共締めするよう挟み込み、結合させたものとすることが可能である。
当該雨樋吊り金具1は、前述の図2中に示した平行樋9用に設定したものの外に、図7中に示したもののように、軒先81前方に配置される雨樋9の補強凸条92が、折板屋根8の山折谷部83前端より、前方および上方配置となるよう設定された前高樋9用に寸法設定されたものとすることが可能であり、より具体的には、吊り金具本体3の軒先81前方に配置される雨樋9の補強凸条92に対応する嵌着鈎部31、および弾性支持片部35の配置高さを、軒先81後方の配置となる雨樋9の補強凸条92に対応する嵌着鈎部31および、弾性支持片部35よりも高く設定し、確実に軒先81前方配置の補強凸条92に嵌着可能なものとし、さらに、補強腕部4の上側補強腕部41と下側補強腕部44との合計高さ寸法を、排水量が同等程度の平行樋9用のものに比較して短縮させたものとし、前高樋9を適正な姿勢に支持できるものとすることが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の雨樋吊り金具1は、折板屋根8に取り付ける際に、軒先81に添って略500・ないし1m、または1.2m程度のピッチ毎の配置とし、全てに補強腕部4を設けたものとして設置する外、一個置き毎または複数個置き毎に補強腕部4を設けたものを設置するよう施工することが可能である。
図1中に示すような塩化ビニル製、幅150・の平行樋9を、新設または交換する作業は、作業者が軒先9に近接して設置された足場か、折板屋根8軒先81上かの何れかに登って作業を進めることとなり、その設置作業の手順は、先に折板屋根8軒先81に雨樋吊り金具1,1,……を装着した後に、各雨樋吊り金具1,1,……に対して雨樋9を装着するよう進めることや、または雨樋9の適所に予め装着した各雨樋吊り金具1,1,……を、折板屋根8軒先81に沿って取り付けて行くことなど、様々に変更可能であるが、以下にその一例を示すこととする。
図1および図2中に示すように、平行樋9樋溝の両立上り上端縁91,91の補強凸条92,92間上に吊り金具本体3を架け渡し、下向きに押圧操作することによって補強凸条92,92に干渉した両端がわの嵌着鈎部31,31が、夫々の変形支点部34,34を中心に僅か上方に傾動、弾性変形されると共に、各嵌着鈎部31,31の内向き先端32,32に内がわから対峙する弾性支持片部35,35も、補強凸条92,92に干渉して上方に傾動、弾性変形され、一時的に補強凸条92,92の通過を許容するものとなり、そのまま押し下げ操作を続けると、各嵌着鈎部31,31の内向き先端32,32が、各補強凸条92,92外がわ下面に対して外がわ下方から接合するよう形状復帰して嵌着し、また、それらに対峙する各弾性支持片部35,35が、補強凸条92,92の直下付近に相当する平行樋9の内面壁に当接状となるよう形状復帰し、各嵌着鈎部31,31の内向き先端32,32と、それらに対峙する弾性支持片部35,35との間に各補強凸条92,92を嵌着状に保持させたものとすることが可能であり、吊り下げ保持された雨樋9は、その軒先81前方がわとなる補強凸条92を、折板屋根8軒先81の前端より、例えば40・ないし50・程度、前方がわに突出させたものとなる。
平行樋9に装着した吊り金具本体3中央の吊り孔33には、吊りボルト2下端がわのナット22を螺着した雄ネジ21の下向き先端を貫通させ、吊り孔33下がわに露出させた雄ネジ21にナット22を螺合させて立設状に連結したものとし、同吊りボルト2の上端がわのナット22および座金23を装着した雄ネジ21の上向き先端を、折板屋根8軒先81の山折頂部82に予め穿設された支持孔84に、下方から上向きに貫通させると共に、全部の雨樋吊り金具1,1,……か、または一個あるいは複数個置き毎となる雨樋吊り金具1,1,……かの何れかの山折頂部82上に突出させた吊りボルト2上端がわの雄ネジ21に対し、補強腕部4上側補強腕部41の頂部接合面42に穿孔された連結孔43を貫通、装着状とし、さらに上方に突出している雄ネジ21に座金23およびナット22を装着し、規定トルクによって確りと締め付けたものとし、その外の補強腕部4上側補強腕部41を装着しないものについては、山折頂部82上に突出させた吊りボルト2上端がわの雄ネジ21に直接座金23およびナット22を装着したものとする。
このようにして吊り下げられた雨樋9は、その軒先81の後方に配置された補強凸条92が、折板屋根8山折谷部83下面に僅かな隙間をもって近接、または当接状に配置されることとなり、豪雨や積雪あるいは強風などによって雨樋9に振動が加わるような場合にも、吊りボルト2の折板屋根8軒先81の山折頂部82への吊下げ部分を支点とした後方への揺動が確実に阻止されるものとなる。
前記補強腕部4上側補強腕部41を装着した各雨樋吊り金具1,1,……には、その吊り金具本体3の軒先81前方に配置された嵌着鈎部31上部付近に、補強腕部4下側補強腕部44の取付け座面45を接合させ、各一体化孔46,46にタッピングネジ6,6、または吊り金具本体3対応箇所にネジ孔を穿設、あるいは取付け孔下部にナット7を熔接、一体化した場合にはボルト6,6を用いて一体に結合させ、長さ調節用の連結代端部53を、上側補強腕部41長さ調節用の連結代端部51に、軒先81後方がわから重なり合うよう接合し、軒先81前方に露出させた上側補強腕部41バカ孔52から、タッピングネジ6のドリル部61を頭部62座面が、上側補強腕部41に接合状となるまで螺着し、上側補強腕部41連結代端部51裏面がわに対応する下側補強腕部44連結代端部53に穿孔、貫通させ、長さ調節機構5の役目を果たすものとし、当該補強腕部4が、吊りボルト2の上端がわと、吊り金具本体3の軒先81前方がわの配置となる嵌着鈎部31付近の上部とを強固に連結、補強するものとなる。
補強腕部4は、雨樋9の軒先81前方に張り出した補強凸条92の吊り下げ強度を高めると共に、豪雨や積雪あるいは強風などによって雨樋9に振動が加わるような場合に、吊りボルト2の折板屋根8軒先81の山折頂部82への吊下げ部分を支点とした前方への揺動が確実に阻止されるものとなる。
加えて、下側補強腕部44取付け座面45の一体化孔46,46へのタッピングネジ6,6またはボルト6,6の装着方向を下向きとし、また、上側補強腕部41バカ孔52へのタッピングネジ6の螺着方向を軒先81前方から後方に向かう方向に設定したことにより、何れも軒先81付近に設置された足場や、軒先81上に登った作業者が、比較的簡単且つ安全に締め付け操作することが可能であり、補強腕部4の取り付け作業および長さ調節機構5による長さ調節、ならびに長さ固定作業を勘弁に行うことができ、しかも、設置された雨樋9の軒先81前方配置となる補強凸条92を、折板屋根8の軒先81前端よりも40・ないし50・前後前方に突出させた配置関係としたことにより、軒先81付近の山折谷部83に排水用の上下貫通孔を穿設する必要がなく、折板屋根8加工部の腐食の虞もなく、氷柱の発生も大幅に抑制することが可能となり、雨樋9内の清掃も簡単に行うことが可能である。
さらに、図3中に示すように長さ調節機構5の上側補強腕部41または下側補強腕部44の何れかに穿孔されたバカ孔52を、上下に長い長孔状としたことによって作業者の作業姿勢など、操作し易い位置、または螺合状態を確認し易い位置を適宜選択してタッピングネジ6を螺着することが可能となり、より確実な締め付けを実現可能とする外、予めタッピングネジ6によって上側補強腕部41と下側補強腕部44とを上下スライド自在な緩めの状態に連結、仮組みして置き、最終的な補強腕部4の長さ調節の段階においてタッピングネジ6を締め付け、強固に連結させるよう設置作業を進めることも可能となる。
また、図4中に示すように、補強腕部4下側補強腕部44上端のフランジ片部54に穿設されたネジ孔55に対して、下方から上向きのボルト7を貫通状に螺設したものとすることにより、上側補強腕部41下端のフランジ片部54に穿孔された貫通孔56を、該下側補強腕部44フランジ片部54から上向きに突出したボルト7の先端に合わせ易く、ナット72も容易に螺着することが可能であり、しかもナット72を締め付ける過程によって補強腕部4の長さ調節が行われることとなり、効率的な作業を可能とするものとなり、しかも図3中に示したものと同様に、予め仮組みして置くことが可能である。
図5中に示したように、補強腕部4上側補強腕部41の長さ調節用連結代端部51における上下所定範囲に亘る左右端縁に、軒先81の後方に向けて突出され、互いの先端を対峙させるよう形成された一対の枠状案内レール部57,57を設けたことにより、該案内レール部57,57に挿し込み状に組み合わせられた下側補強腕部44長さ調節用の連結代端部53が、左右、前後(水平)方向へのズレや傾きを強制的に阻止され、上下進退摺動にみが許容されるものとなり、上側補強腕部41と下側補強腕部44との直線状の連続形状が確実に維持され、組み立て作業の合理化が可能となり、しかも軒先81の後方に向けて折曲形成された各案内レール部57,57は、補強腕部4の外的美観を損ねることがなく、長さ調節機構5の図示しないタッピングネジ(6)による連結後は、上側補強腕部41と下側補強腕部44とのタッピングネジ(6、バカ孔52)を中心とする傾動を阻止し、優れた連結強度を維持可能となる。
図6中に示した吊り金具本体3のように、その両端がわに配される弾性支持片部35,35を、一枚の板バネ体36に一体化させ、ボルト39,39によって吊り金具本体3裏面に一体化してしまうことにより、各弾性支持片部35,35を個別に熔接またはリベット結合などによって装着した場合に比較して、高い耐久強度を得ることが可能となる。さらにまた、当該雨樋吊り金具1の各部寸法および形状を、適宜設定することにより、図7中に示すような、前高樋9の設置にも同等の性能を発揮するものとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の雨樋吊り金具1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1および図2中に示した二本のボルト6,6が、下側補強腕部44取付け座面45の吊り金具本体3の軒先81前方配置となる嵌着鈎部31上部付近への結合強度を格段に高め、豪雪に対する耐久強度を確保するものとなり、しかも長さ調節機構5の上側補強腕部41長さ調節用の連結代端部51と、下側補強腕部44長さ調節用の連結代端部53とを、一本のタッピングネジ6によって板厚方向に貫通、連結させたものとすることにより、タッピングネジ6の軸心に対し剪断方向に、過重が加わるよう設定し、優れた連結強度を確保するものとした上、軒先81前方がわとなる長さ調節用の連結代端部51(53)に、予めバカ孔52を穿設して置くことにより、タッピングネジ6の螺着作業性を大幅に向上させ、安全且つ確実で効率的な設置作業を実現することができる。
さらに、図3中に示すように、バカ孔52を上下に長い長孔状に設定されたものとすることにより、高所作業となる補強腕部4の長さ調節作業を、作業者の姿勢に拘わらず簡単、確実なものとすることができる外、工場出荷時または現場における補強腕部4の長さ調節の前段階までに予め、上側補強腕部41と下側補強腕部44とを仮組みし、緩めに連結して置くことが可能となり、現場における仮組み、補強腕部4の長さ調節および締め付け作業を簡単に行えるようにし、タッピングネジ6の落下や紛失などを解消できると共に、雨樋9設置現場における煩わし組み立て作業を省略化し、高所作業の時間短縮と作業者への労働負担の軽減とを実現、可能することができるという優れた特徴を発揮するものとなる。
また、図4中に示すように、補強腕部4下側補強腕部44のフランジ片部54に、先端を上向き姿勢としたボルト7を螺設し、そのボルト7の上向き先端を、上側補強腕部41フランジ片部54の貫通孔56に貫通させ、ナット72を螺着させる組み合わせとすることにより、長さ調節機構5の寸法調節をナット72の締め付け具合によって調整自在とすることが可能となり、施工後の長さ調節機構5も自在に行うことができ、しかも上側補強腕部41と下側補強腕部44とを、設置前に予め仮組みして置くことができ、雨樋吊り金具1の設置作業の効率を格段に向上させ、耐久強度が格段に優れた補強腕部4を提供することができる。
図5中に示した、補強腕部4は、上側補強腕部41の長さ調節用連結代端部51に一体形成された左右一対の案内レール部57,57が、下方から挿し込み状に組み合わせられる下側補強腕部44長さ調節用の連結代端部53を、上下のみに進退移動自在とするよう規制し、高所作業においても簡単且つ確実に補強腕部4の直線状の姿勢を確保することができ、しかも各案内レール部57,57は、上側補強腕部41の長さ調節用連結代端部51の軒先81後方がわ(取り付け姿勢の背面がわ)に回り込むよう折曲形成されており、補強腕部4の外的美観を損ねることが無く、タッピングネジ(バカ孔52)による連結後も、上側補強腕部41と下側補強腕部44との傾動を阻止し、優れた連結強度を維持可能とし、雨樋吊り金具1の耐久強度を一段と向上するものとなる。
図6中に示した吊り金具本体3によると、その両端がわに配置される弾性支持片部35,35を、同一の板バネ体36に一体化形成し、ボルト39,39によって一体化されたものとすることができ、製造作業の工数を削減し、両者の結合強度を格段に高めることが可能となり、一段と耐久強度に優れた雨樋吊り金具1を提供可能となる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の雨樋吊り金具は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの軒樋吊具に比較して大幅に軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、豪雨、豪雪および台風などに対する雨樋の耐久強度を格段に高め、設置作業性および高所作業安全性を大幅に改善し得るものとなることから、大型建築物折板屋根の豪雪対策や台風対策に悩む大型店舗や工場の施工主および管理者は勿論のこと、雨樋の耐久性の向上と低価格化の市場ニーズに応えようと日夜努力を重ねている建設・資材業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の雨樋吊り金具の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
平行樋用の雨樋吊り金具を示す斜視図である。 平行樋用の雨樋吊り金具を縦断面化して示す側面図である。 バカ孔を長孔化した補強腕部を示す斜視図である。 長さ調節機構に変更を加えた補強腕部を示す斜視図である。 案内レール部を追加した補強腕部を示す斜視図である。 一部に変更を加えた吊り金具本体を示す斜視図である。 前高樋用の雨樋吊り金具を縦断面化して示す側面図である。
符号の説明
1 雨樋吊り金具
2 吊りボルト
21 同 雄ネジ
22 同 ナット
23 同 座金
3 吊り金具本体
31 同 嵌着鈎部
32 同 内向き先端
33 同 吊り孔
34 同 変形支点部
35 同 弾性支持片部
36 同 板バネ体
37 同 ネジ孔
38 同 取付け孔
39 同 ボルト
4 補強腕部
41 同 上側補強腕部
42 同 頂部接合面
43 同 連結孔
44 同 下側補強腕部
45 同 取付け座面
46 同 一体化孔
5 長さ調節機構
51 同 上側補強腕部長さ調節用の連結代端部
52 同 バカ孔
53 同 下側補強腕部長さ調節用の連結代端部
54 同 フランジ片部
55 同 ネジ孔
56 同 貫通孔
57 同 案内レール部
6 タッピングネジ(またはボルト)
61 同 ドリル部(タッピングネジ部)
62 同 頭部
7 ボルト
71 同 頭部座面
72 同 ナット
8 折板屋根
81 同 軒先
82 同 山折頂部
83 同 山折谷部
84 同 支持孔
9 雨樋
91 同 樋溝の両立上り上端縁
92 同 補強凸条
93 同 樋溝立上り

Claims (9)

  1. 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
  2. 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部とその嵌着姿勢を維持する弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化し、角波背丈寸法の異なる折板屋根への雨樋の調節、設置を可能であって、外力による雨樋の軒先方向への揺動を阻止する構造に設定されてなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
  3. 折板屋根の軒先下に沿って配され、樋溝の両立上り上端縁の夫々に補強凸条を形成した雨樋における両補強凸条間に対し、それら補強凸条に対応する両端に、夫々の補強凸条を上方から抱持状に嵌着し得る嵌着鈎部と、該嵌着鈎部との間に樋溝立上りを挟着状としてその嵌着姿勢を維持するようにした弾性支持片部とが対を成して組み合せ、形成された吊り金具本体を跨り状に架け渡し、連結すると共に、当該吊り金具本体の中央付近に、少なくとも上下端がわにネジ部の形成された吊りボルト下端がわのネジ部を挿通してナットにより、また同上端がわのネジ部は、当該折板屋根軒先付近で対応する山折頂部に挿通してナットによって夫々進退調節可能に連結した上、夫々のネジ部とナットとの螺合調節によって同折板屋根の軒先下における雨樋を所定吊り下げ位置に固定、配設状とする一方、同折板屋根山折頂部に挿通した上端がわのネジ部へのナット螺着部分と、前記吊り金具本体で当該雨樋の軒先部分外側に位置する補強凸条へ嵌着させた嵌着鈎部とを、中途適所に長さ調節機構を介在させ、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした補強腕部で緊張状に連結、一体化してなるものとしたことを特徴とする雨樋吊り金具。
  4. 吊り金具本体が、その両端に配された一対の嵌着鈎部を、同一の高さ位置に設定し、平行樋に装着可能とするよう設定されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の雨樋吊り金具。
  5. 吊り金具本体が、雨樋の軒先前方がわ配置となる補強凸条に嵌着される嵌着鈎部を、それとは反対がわの軒下がわ配置の補強凸条に嵌着される嵌着鈎部よりも上側に配置させ、前高型の雨樋に装着可能とするよう設定されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の雨樋吊り金具。
  6. 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとを重ね合わせ、軒先前方に外側配置とした何れか一方に穿設されたバカ孔を通じ、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを双方に貫通させた長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
  7. 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとを重ね合わせ、軒先前方に外側配置とした何れか一方の肉厚方向に穿設された上下に長いバカ孔を通じて、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを双方の肉厚方向に貫通させた長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
  8. 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわと下側補強腕部の上端がわとの夫々に、平行面状に対峙するフランジ片部を形成し、上側補強腕部のフランジ片部に上下方向の貫通孔を穿孔し、下側補強腕部のフランジ片部に同貫通孔と同心状配置になるネジ孔を穿設し、当該下側補強腕部フランジ片部のネジ孔に、下がわから上向きに螺合され、その頭部座面を、同下側補強腕部フランジ片部下面に接合させたボルトの先端がわを、上側補強腕部フランジ片部の貫通孔に上向き貫通状とし、上向き突出状となる同先端にナットを螺着して長さ調節機構を形成し、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
  9. 補強腕部が、上端がわが吊りボルト上端の山折頂部に連結されたナット螺着部分に共締めされた上側補強腕部と、下端がわが、軒先前方配置となる雨樋補強凸条に嵌着させた吊り金具本体の嵌着鈎部付近上部に連結された下側補強腕部とからなり、それら上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の上下所定範囲に亘り、上下摺動用の案内レール部を一体形成し、上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか他方を、上下進退自在に案内、装着可能にすると共に、軒先前方に外側配置とした当該上側補強腕部の下端がわか下側補強腕部の上端がわかの何れか一方の案内レール部範囲内となる適所、肉厚方向に貫通する円形状の下孔か、または上下に長い長円状のバカ孔かの何れかを穿設した上、先端にドリル部またはタッピングネジ部を設け、基端に頭部を有するネジを、それらバカ孔等を通じて双方の肉厚方向に貫通可能とした長さ調節機構を設け、現場で所望長さに設定、一体化し得るようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の雨樋吊り金具。
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