JP2008063422A - 帯電防止効果の持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、機械的強度、滑り性に優れ、且つ特に帯電防止の持続性に優れる包装材料として有用な帯電防止性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】炭素数が12の脂肪酸30〜70質量%、炭素数が10の脂肪酸3〜10質量%および炭素数が14の脂肪酸10〜30質量%を含有する脂肪酸混合物とジエタノールアミンとの縮合生成物5〜25質量%と、ホウ酸エステル系界面活性剤95〜75質量%からなる界面活性剤組成物を0.1質量%〜3.0質量%含有したことを特徴とする帯電防止効果の持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は透明性、機械的強度、滑り性、及び特に帯電防止の持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムに関するものである。
現在、機械的強度、耐熱性、寸法安定性に優れる材料としてポリエチレンテレフタレート延伸フィルムまたは、ポリプロピレン系延伸フィルム等が知られており産業界で幅広く使用されている。
しかしながら、これらのプラスチックフィルムは自然環境中に廃棄されると、その化学的安定性のため分解せず、ゴミとして蓄積する一方である。将来的にはゴミ処分場、埋立地の確保が益々困難になり、また自然環境、野生動物に悪影響を及ぼすなどの問題が懸念されている。これらのプラスチックフィルムに代わり、土壌中において加水分解、次いで微生物分解により無害な分解物となり得るものにポリ乳酸がある。
ポリ乳酸の無延伸フィルムあるいはシートは、強度、伸度が低く、耐衝撃性に劣る材料で、そのままでは成形体として実用性が不足していた。そこでポリ乳酸の脆性を向上するため、一軸あるいは二軸延伸し、配向させる方法が知られている。ポリ乳酸二軸延伸フィルムは、情報記録材料(磁気カード)、工業用パッケージ、農業用マルチフィルムなどに展開され、一部は実用化に至っているものもある。
しかしながら、これらのポリ乳酸系延伸フィルムにおいては、ポリ乳酸系樹脂自体が高度な電気絶縁性を有していることから極めて帯電しやすく、静電気の発生、蓄積により、印刷、製袋等の2次加工において、様々な問題を引き起こしている。また、容易にゴミ、ホコリを吸着するため、外観を損ねるという問題も生じる。
一般的にプラスチックフィルム及びシートに帯電防止性を付与する方法として、アニオン系のアルキルスルホン酸塩あるいは非イオン系のグリセリン脂肪酸エステル類を練り込んだり(特許文献1)、表面に塗布する方法が採用されている(特許文献2)。ところが、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムに従来方法を適用すると、透明性の悪化、加水分解誘因による機械的物性の低下を招くばかりでなく、練り混み法では満足な帯電防止効果の持続性が得られず、実用性に乏しかった。
特開2002−114900号公報(第1〜5項) 特開2001−354789号公報(第1〜11頁)
本発明の目的は、このような問題点を解決しようとするものであり透明性、機械的強度、滑り性に優れ、且つ特に帯電防止の持続性に優れる包装材料として有用な帯電防止性ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ポリ乳酸系樹脂に炭素数12の脂肪酸を主体とする所定の組成分布を有する脂肪酸とジエタノールアミンとの縮合生成物とホウ酸エステル系界面活性剤からなる界面活性剤組成物を含有する二軸延伸フィルムが上記課題を解決することを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、ポリ乳酸系樹脂に炭素数が12の脂肪酸30〜70質量%、炭素数が10の脂肪酸3〜10質量%および炭素数が14の脂肪酸10〜30質量%を含有する脂肪酸混合物とジエタノールアミンとの縮合生成物(以後、脂肪酸ジエタノールアミドとする。)5〜25質量%とホウ酸エステル系界面活性剤95〜75質量%からなる界面活性剤組成物を0.1質量%〜3.0質量%含有したことを特徴とする特に帯電防止の持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とする。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、透明性、機械的強度、特に帯電防止性に優れているため、衣料、文具、食品、医薬品等の包装材料として有用性が高い。またゴミとして廃棄された場合、土壌中で微生物により分解され、自然環境、野生動物に対する環境負荷を軽減することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明において、ポリ乳酸系フィルムとは、L−乳酸を主構成単位とするホモポリマーあるいはL−乳酸/D−乳酸を主構成単位とするポリ乳酸系樹脂からなるフィルムを指す。本発明で得られるポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、二軸延伸による配向結晶化を促進させ、実用強度を発現させるため、L−乳酸/D−乳酸=100/0〜94/6(モル比)の組成比を満足させることが好ましく、L−乳酸/D―乳酸=99/1〜96/4(モル比)がさらに好ましい。D−乳酸が6モル%以上であると融点が極端に低くなり結晶性に乏しい物となり、得られるフィルムの耐熱性、寸法安定性が劣り好ましくない。また、ポリ乳酸系樹脂の数平均分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5万未満の場合、得られるフィルムの機械的強度が不十分となり、かつ延伸、巻き取り工程中での切断も頻繁に起こり操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
ポリ乳酸を得るための重合法としては、縮合重合法及び開環重合法のいずれの方法を採用することも可能であり、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物等を使用してもよい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの表面固有抵抗値(Ω/□)は低い方が望ましいが、フィルムの巻き取り、スリット工程では感電が、また印刷、製袋等の2次加工ではロールへの巻き付き、あるいは蛇行によりしわの発生など生産時の問題が発生しなければ良く、目安としては、1014Ω未満であれば好ましく、1013Ω未満であればさらに好ましい。
本発明において、フィルムに含有する界面活性剤組成物は、炭素数12を主体とする本願所定の組成分布を有する脂肪酸ジエタノールアミドとホウ酸エステル系界面活性剤とを組み合せることが必要である。
本発明に使用される本願所定の脂肪酸ジエタノールアミドは、ジエタノールアミン1モルに対し組成分布を有する脂肪酸を公知の方法で1.0〜2.0モル縮合させることにより得ることができる。
本発明において脂肪酸ジエタノールアミドの反応原料である脂肪酸は、炭素数が12の脂肪酸30〜70質量%、炭素数が10の脂肪酸3〜10質量%および炭素数が14の脂肪酸10〜30質量%を含有する脂肪酸混合物である。かかる脂肪酸の組成比率以外では、長期にわたって帯電防止効果を持続させることができない。かかる脂肪酸混合物は、炭素数12の脂肪酸を組成分布の主体とする天然油脂から得られるものであっても、又は予め高純度に精製された脂肪酸を組合わせて、炭素数12の脂肪酸を主体する混合脂肪酸に調整してもよい。
前記天然油脂の具体例として、あおもじ種子油、いぬがし種子油、かごのき種子油、くろもじ種子油、しろだも種子油、たぶのき種子油、にっけい種子油、はまびあ種子油、パーム核油、椰子油等が挙げられる。但し、帯電防止効果の持続性や工業的な経済性を考慮するとパーム核油、椰子油から得られる脂肪酸が好ましい。
炭素数12の脂肪酸を主体とする組成分布を有する脂肪酸の組成は、油脂の原産地及び製造工程により若干異なるが、代表的な組成分布として、カプリル酸:6%、カプリン酸:6%、ラウリン酸:48%、ミリスチン酸:19%、パルミチン酸:9%、ステアリン酸:3%、オレイン酸:7%、リノール酸:2%からなる椰子脂肪酸が挙げられ、又カプリル酸:4%、カプリン酸:4%、ラウリン酸:46%、ミリスチン酸:16%、パルミチン酸:10%、ステアリン酸:2%、オレイン酸:17%、リノール酸:1%からなるパーム核脂肪酸等が挙げられるが、これに限られるものではない。
脂肪酸は、液状脂肪酸と固体状脂肪酸に性状で区分することができる。一般的に中位飽和炭素数C12:ラウリン酸を主体とする組成分布を有する脂肪酸は常温で液状であるが、高位飽和炭素数のC16:パルミチン酸、又はC18:ステアリン酸を主体とする組成分布を有する脂肪酸は常温では固体状である。脂肪酸ジエタノールアミドの性状は脂肪酸の性状に依存し、C12:ラウリン酸を主体とする組成分布を有する脂肪酸ジエタノールアミドは常温で液状であり、C16:パルミチン酸又はC18:ステアリン酸を主体とする組成分布を有する脂肪酸ジエタノールアミドは固体状である。
通常、二軸延伸フィルムには、予め樹脂に帯電防止剤である界面活性剤を添加しておく方法が一般に行われているが、界面活性剤がフィルム表面に移行しなければ効果は得られない。界面活性剤の表面移行性は明確には究明されていないが、界面活性剤の性状が密接に関連していると言われており、その際、液状の界面活性剤は固体状の界面活性剤よりも表面移行しやすい。
本発明において、組成分布の主体炭素数が12よりも大きいと脂肪酸ジエタノールアミドの性状が固体状であり、脂肪酸ジエタノールアミドの表面移行がし難く、帯電防止性の効果が小さい。又経時と共に帯電防止性が徐々に発現してくるが、結晶性の高い固体状の為、フィルムの透明性が阻害される。一方組成分布の主体炭素数が12よりも小さいと脂肪酸ジエタノールアミドの性状は液状であり表面移行はし易いが、界面活性剤自身の耐熱性が低く、フィルム製膜時の温度により激しく発煙し、作業環境上好ましくない。
更にフィルム表面への移行性は、界面活性剤の性状のみならず、界面活性剤とポリ乳酸系樹脂との相溶性にも関連している。ポリ乳酸系樹脂との相溶性が良過ぎると界面活性剤がポリ乳酸系樹脂中で安定に存在して二軸延伸フィルム表面に移行しにくくなって好ましくない。逆に、両者の相溶性が悪いとポリ乳酸系樹脂に存在し得ず、二軸延伸フィルム表面に過剰に析出して、帯電防止の持続性が不足したり、フィルムの外観が悪くなったりする。特にポリ乳酸の二軸延伸フィルムは結晶性が高いため、界面活性剤との相溶性のバランスをとることはその他の樹脂フィルムと比較して非常に困難なものである。その点において本願所定の組成分布を有する脂肪酸ジエタノールアミドは、それ以外の脂肪酸ジエタノールアミドと比較してポリ乳酸系樹脂との相溶性のバランスがとれていることから、ポリ乳酸系樹脂に配合されたときに表面に適度に移行して、透明性を阻害せず持続性のある帯電防止性を発現するものと考えられる。
本発明において、ホウ酸エステル系界面活性剤とは、グリセリンステアリン酸エステルに対して硼酸を0.1〜2.0モル反応させた界面活性剤を指す。グリセリンステアリン酸エステルに対する硼酸の反応モル比は、0.1〜2.0モルが望ましいが、更に好ましくは0.2〜1.0モルが良い。
本発明において、本願所定の脂肪酸ジエタノールアミドにホウ酸エステル系界面活性剤を配合すると脂肪酸ジエタノールアミドを単独で使用するよりも二軸延伸フィルムの機械的強度(引張強度、引張伸度)、滑り性(動摩擦係数)に優れた効果を発揮する。
脂肪酸ジエタノールアミド単独では、ポリ乳酸系樹脂との混合時(製膜時)の熱履歴によりポリ乳酸系樹脂の分解を促進させ分子量を低下させる。即ち二軸延伸フィルムの機械的強度を著しく低下させる。しかしながらホウ酸エステル系界面活性剤を適度に配合することによりポリ乳酸系樹脂の分子量低下が抑制される。この原因は明確には究明されていないが、ホウ酸エステル系界面活性剤を構成するホウ素原子と脂肪酸ジエタノールアミドの窒素原子が配位することでポリ乳酸系樹脂の分解を抑制し機械的強度の維持に大きく寄与しているものと推定している。
ホウ酸エステル系界面活性剤も二軸延伸フィルム表面に移行するが、その結晶性の高さから一般的な滑剤と同様にフィルム表面の滑り性に大きく寄与する。
本発明において、界面活性剤組成物は本願所定の脂肪酸ジエタノールアミド5〜25質量%とホウ酸エステル系界面活性剤95〜75質量%とから構成されることが必要であり、前記脂肪酸ジエタノールアミド10〜20質量%とホウ酸エステル系界面活性剤90〜80質量%とから構成されることが更に好ましい。前記脂肪酸ジエタノールアミドが25質量%を超える(硼酸エステル系界面活性剤が75%未満)であると、帯電防止効果は良いもののポリ乳酸系樹脂の分子量に影響を及びし、機械的強度が低下を招き、滑り性効果が悪くなる。一方で脂肪酸ジエタノールアミドが5質量%未満(硼酸エステル系界面活性剤が95%以上)の場合には、フィルムの機械的強度、及び滑り性効果は良いものの充分な帯電防止性が得られない。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムに含有される界面活性剤組成物の含有量は、0.1〜3.0質量%の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5〜2.0質量%の範囲が良い。含有量が0.1質量%を下回ると十分な帯電防止効果が得られない。逆に3.0質量%を上回る場合は、帯電防止効果が飽和に達するため、性能に対して含有量が過剰であるばかりでなく、透明性の悪化、高温高湿度下におけるフィルム同士のブロッキング現象、製膜時の押し出し不良など様々な問題を引き起こす。
本発明において、界面活性剤組成物を含有するポリ乳酸系樹脂は、押出機の中でポリ乳酸系樹脂と加熱混練する等により得ることができる。本願所定の脂肪酸ジエタノールアミドとホウ酸エステル系界面活性剤は、別々に樹脂に添加しても良いし、予め混合してから樹脂に添加しても良い。樹脂の量に対し添加する界面活性剤組成物の量が少ないと、これらが樹脂中で均一に分散され難くなる。このため、予め高濃度の本願所定の脂肪酸ジエタノールアミド及び/又はホウ酸エステル系界面活性剤を含むマスターバッチを作製し、これを界面活性剤組成物を含まないポリ乳酸系樹脂と混練して所定含有量の組成物とするマスターバッチ法を採用することが好ましい。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が例示できるが、Tダイを用いて溶融混練して押し出すTダイ法が好ましい。Tダイ法の製法例としては、ポリ乳酸系樹脂、または可塑剤、滑剤を必要に応じて適量配合したポリ乳酸系樹脂組成物を押出機ホッパーに供給し、押出機を例えばシリンダー温度180〜260℃、Tダイ温度200〜260℃に加熱し、溶融混練して押し出し、20〜40℃に制御された冷却ロールで冷却し、厚さ100〜500μmの未延伸シートを得る。
未延伸シートの二軸延伸方法としては、テンター方式による同軸二軸延伸、ロールとテンターによる逐次二軸延伸法のいずれでもよい。具体的な延伸例は、まず未延伸シートを駆動ロールの回転速度比によって縦方向にロール表面温度50〜80℃、延伸倍率1.5〜5.0倍で延伸し、引き続き連続して横方向に延伸温度50〜90℃、延伸倍率1.5〜8.0倍、熱固定温度100〜150℃の条件下延伸する逐次二軸延伸法が挙げられる。
本発明に係るポリ乳酸系二軸延伸フィルムの厚みは特に制限なく、用途、要求性能、価格等によって適宜設定すればよい。一般的には、10〜200μm程度の厚さを例示出来る。さらに、フィルムの印刷性、ラミネート性、コーティング適性等を向上させる目的で、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸処理等が挙げられ、いずれの方法も用いることが出来る。これらの中では、簡便さの点からコロナ放電処理が最も好ましいものとして例示出来る。
本発明のポリ乳酸二軸延伸フィルムに、必要に応じて顔料、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤等を任意の割合で添加することができる。
本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルムとして好適であるが、その他はビデオテープ類のシュリンクフィルム、生ごみ包装用袋、封筒の窓貼りフィルム、電気・電子部品等のラッピング、農業用フィルム、プリントラミ等が例示でき、特に制限されず使用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものでない。各検査項目の測定方法及び評価は、下記の方法により行った。
(1)表面固有抵抗
温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日、3ヶ月放置した後、同条件下でJIS−K6911に準じて測定した。本発明においては、14未満を合格とした。
(2)帯電圧半減期
温度23℃、相対湿度50%の条件下に1日、3ヶ月放置した後、同条件下でスタティックオネストメーターにより帯電圧半減期を測定した。本発明においては、60秒以下を合格とした。
(3)引張強度及び伸度
ASTM−D882の測定法に準じて、長さ10cm、幅10mmの試料で測定した。
(4)ヘーズ
温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日、3ヶ月放置した後、JIS−K7105に準じて測定した。本発明においては、10以下を合格とした。
(5)動摩擦係数
温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日、3ヶ月放置した後、JIS−K7125に準じて、フィルムのエア面対キャスト面の滑り性を測定した。本発明においては、0.70以下を合格とした。
実施例及び比較例で使用した界面活性剤は下記のとおりである。
(A):椰子脂肪酸ジエタノールアミド
(B):ラウリン酸ジエタノールアミド
(C):硬化牛脂脂肪酸ジエタノールアミド
(D):グリセリンステアリン酸エステルと硼酸との反応物(反応モル比 1:0.5)
(A):椰子脂肪酸ジエタノールアミドの合成に使用した原料脂肪酸の組成は、カプリル酸:6%、カプリン酸:6%、ラウリン酸:48%、ミリスチン酸:19%、パルミチン酸:9%、ステアリン酸:3%、オレイン酸:7%、リノール酸:2%であった。(B):ラウリン酸ジエタノールアミドの合成に使用した原料脂肪酸の組成は、カプリン酸:1%、ラウリン酸:97%、ミリスチン酸:2%であった。(C):硬化牛脂肪酸ジエタノールアミドの合成に使用した原料脂肪酸の組成は、ラウリン酸:1%、ミリスチン酸:3%、パルミチン酸:30%、ステアリン酸:64%、オレイン酸:2%であった。
実施例1
L体/D体=99/1(モル比)、数平均分子量が95,000、MFRが5.0g/10分(210℃)であるポリ乳酸系樹脂を用いた。このポリ乳酸系樹脂99.0質量%に対して(A−1)80質量%と(B)20質量%とからなる界面活性剤組成物を1.0質量%添加して、2軸押出機を用いて溶融混練し、得られたストランドをカッティングしてペレット化した。
この樹脂ペレットを、コートハンガータイプのTダイを具備した50mmφ押出機を使用して、滞留時間5分、Tダイ温度230℃で溶融押出し、25℃に温度制御されたキャストロールに密着急冷し、厚さ210μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを予熱ロール60℃、延伸ロール70℃で3.0倍に縦方向に延伸した。次いでテンター内において、80℃の延伸温度で横方向に3.5倍延伸した後、横方向の弛緩率を5%として150℃で熱処理を施し、厚さ20μmの逐次二軸延伸フィルムを得た。
実施例2〜5
界面活性剤の配合比、及び含有量を変更する以外は実施例1と同様にして、逐次二軸延伸フィルムを得た。
比較例1〜4
界面活性剤として表1に示す化合物を使用する以外は、実施例1と同様として逐次二軸延伸フィルムを得た。
Figure 2008063422
表1に示したように、実施例1〜5の二軸延伸フィルムは、帯電防止の持続性に優れ、同時に透明性、機械的強度、滑り性に優れている。

Claims (2)

  1. 炭素数が12の脂肪酸30〜70質量%、炭素数が10の脂肪酸3〜10質量%および炭素数が14の脂肪酸10〜30質量%を含有する脂肪酸混合物とジエタノールアミンとの縮合生成物5〜25質量%と、ホウ酸エステル系界面活性剤95〜75質量%からなる界面活性剤組成物を0.1質量%〜3.0質量%含有したことを特徴とする帯電防止効果の持続性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
  2. ホウ酸エステル系界面活性剤が、グリセリンステアリン酸エステルとホウ酸との反応物である請求項1に記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
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