JP2008061307A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータから筐体に伝達される振動を低減する。
【解決手段】回転電機は、ロータとステータ102とを収納するモータケースと、ステータ102をモータケースに締結するボルト200とを含む。ボルト200の軸部分とステータ102との間隙の大きさは、ボルト200とステータ102との間における振動の伝達感度に応じて設定される。
【選択図】図5
【解決手段】回転電機は、ロータとステータ102とを収納するモータケースと、ステータ102をモータケースに締結するボルト200とを含む。ボルト200の軸部分とステータ102との間隙の大きさは、ボルト200とステータ102との間における振動の伝達感度に応じて設定される。
【選択図】図5
Description
本発明は、回転電機の構造に関し、特に、ボルトとステータとにおいて振動の伝達感度に対応させた間隙を有する構造に関する。
HV(Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)車両には、駆動源として回転電機が搭載される。回転電機は、ロータとステータと筐体とから構成される。このような回転電機において、ステータが筐体に対してボルトにより締結される構造が公知である。
たとえば、特開平9−131001号公報(特許文献1)は、電動機の固定子の変形による固定子と回転子との間の隙間寸法の異常変化を防止する密閉形圧縮機を開示する。この密閉形圧縮機は、密閉容器内に電動機と圧縮機構部で構成される圧縮機本体を収納し、電動機の固定子が、固定子に設けられたボルト穴を介してボルト締めにより、圧縮機構部に固定される構造をなす。密閉形圧縮機は、ボルト穴の内径とボルトの外径によって形成される空間内に、ボルトのねじ部の外径とボルト穴の内径によって形成される空隙寸法よりも小なる空隙寸法を形成する手段を設けたことを特徴とする。
上述した公報に開示された密閉形圧縮機によると、電動機の固定子の変形による固定子と回転子との間の空隙寸法の縮小により発生する磁気吸引力に起因した諸問題、即ち、電磁音や軸受部の片当たりによる異常摩耗あるいは固定子と回転子の接触などを防止でき、信頼性の高い密閉形圧縮機を提供することができる。
特開平9−131001号公報
しかしながら、上述した密閉形圧縮機のように、ボルトによりステータが固定される場合には、被固定物との共振が問題となる。
ステータに巻回されたコイルに電力が供給されると、ステータにおいて磁界が発生する。発生した磁界に基づいて、ロータとステータとの間に磁束の流れが形成されることにより、ロータには回転力が発現する。ロータに回転力が発現すると、ステータは、ロータに発現した回転力に対する反力を受ける。回転電機が作動すると、ステータは、受けた反力に基づいて振動する。ステータにおいて発生した振動は、ボルトを介して被固定物に伝達される。
そのため、ボルトによるステータが固定される場合、ステータにおける振動の伝達感度の高い部位がボルトの軸部分に接触した状態になると、振動の伝達の度合いが高くなり、ステータおよび筐体の共振周波数の振動レベルが上昇するという問題がある。これにより、駆動源として回転電機が搭載された車両においては、駆動系の構成部品(たとえば、トランスアクスル)から騒音が発生するという問題がある。上述した密閉形圧縮機においては、共振について何ら想定されていないため、上述した問題を解決することはできない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することである。
第1の発明に係る回転電機は、ロータとステータとからなる回転電機である。この回転電機は、ロータとステータとを収納する筐体と、ステータを筐体に締結するボルトとを含む。ボルトの軸部分とステータとの間隙の大きさは、ボルトとステータとの間における振動の伝達感度に応じて設定される。
第1の発明によると、たとえば、ボルトとステータ間における振動の伝達感度が高い部位において、ボルトの軸部分とステータとの間隙を大きくすることにより、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制することができる。これにより、振動の伝達の度合いが低くなり、ステータおよび筐体の共振周波数の振動レベルが低減する。そのため、騒音の発生を抑制することができる。あるいは、ボルトとステータとの間における振動の伝達感度が高い部位において、間隙が略ゼロになるようにすると、ステータ、ボルトおよび筐体が強固に固定されることとなる。そのため、ステータ、ボルトおよび筐体が一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振幅を低下させることができる。また、振動体の質量の増加により、筐体の共振点をずらすことができる。そのため、共振周波数の振動レベルを低減することができる。これにより、騒音の発生を抑制することができる。したがって、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することができる。
第2の発明に係る回転電機においては、第1の発明の構成に加えて、ボルトの軸部分は、ステータに形成された、回転電機の回転軸に平行な方向に貫通する貫通穴に挿入されて、筐体に締結される。軸部分には、外径の異なる段差部分が形成される。
第2の発明によると、たとえば、ボルトの軸部分とステータとの接触部分において、振動の伝達感度が高い部位のボルトの軸部分の外径が小さくなるように段差部分が形成されるようにすると、伝達感度の高い部位においてボルトとの間隙を大きくすることができる。ステータとボルトの軸部分とが非接触状態になるため、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制することができる。これにより、ステータ、ボルトおよび筐体へと伝達される振動を低減することができる。また、ステータの形状を変更することなく、ボルトの形状変更により振動を抑制することができる。そのため、コストの上昇を抑制することができる。
第3の発明に係る回転電機においては、第1の発明の構成に加えて、ボルトの軸部分は、ステータに形成された、回転電機の回転軸に平行な方向に貫通する貫通穴に挿入されて、筐体に締結される。貫通穴には、内径の異なる段差部分が形成される。
第3の発明によると、たとえば、ボルトの軸部分とステータとの接触部分において、特に振動の伝達感度が高い部位の貫通穴の内径が大きくなるように段差部分が形成されるようにすると、伝達感度の高い部位においてボルトとの間隙を大きくすることができる。ステータとボルトの軸部分とが非接触状態になるため、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制することができる。これにより、ステータ、ボルトおよび筐体へと伝達される振動を低減することができる。また、締め付け力に耐えるボルト強度を確保するという観点から構造的な制限によりボルトの軸部分の外径を小さくすることができない場合でも、振動を抑制することができる。
第4の発明に係る回転電機においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、伝達感度の高い部位における間隙は、伝達感度の低い部位における間隙よりも大きい。
第4の発明によると、ボルトとステータ間における振動の伝達感度が高い部位において、ボルトの軸部分とステータと間隙を大きくすることにより、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制することができる。これにより、筐体における共振周波数の振動レベルが低減するため、騒音の発生を抑制することができる。また、伝達感度の低い部位においては、振動レベルの上昇に影響が少ないため、間隙を小さくすることができる。そのため、ボルトによるステータと筐体との取付剛性を確保することができる。
第5の発明に係る回転電機においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、間隙は、伝達感度が高い部分において略ゼロとする。
第5の発明によると、ボルトとステータ間における振動の伝達感度が高い部位において、間隙が略ゼロになるようにすることにより、ステータ、ボルトおよび筐体は、強固に固定されることとなる。そのため、ステータ、ボルトおよび筐体は、一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振幅を低下させることができる。また、振動体の質量の増加により、筐体の共振点をずらすことができる。そのため、共振周波数の振動レベルを低減することができる。これにより、騒音の発生を抑制することができる。
第6の発明に係る回転電機は、第1〜5の発明の構成に加えて、車両に搭載される。
第6の発明によると、回転電機が搭載された車両に本発明を適用することにより、ステータから筐体に伝達される振動が低減されるため、回転電機の作動時に発生する騒音も低減される。したがって、車両において発生する騒音が低減される。
第6の発明によると、回転電機が搭載された車両に本発明を適用することにより、ステータから筐体に伝達される振動が低減されるため、回転電機の作動時に発生する騒音も低減される。したがって、車両において発生する騒音が低減される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態に係る回転電機100は、ステータ102と、回転電機100の筐体であるモータケース104と、ロータ(図示せず)とから構成される。
図1に示すように、本実施の形態に係る回転電機100は、ステータ102と、回転電機100の筐体であるモータケース104と、ロータ(図示せず)とから構成される。
ステータ102は、中空円筒形状を有する。本実施の形態においては、ステータ102は、複数枚の電磁鋼板が回転軸方向に沿って積層されて形成される。ステータ102には、複数のティースおよびスロット(いずれも図示せず)が軸中心側に向けて形成される。
複数のスロットは、回転軸に平行な方向に貫通する溝により形成される。複数のティースは、各スロット間に、回転軸に平行な方向に沿って形成される。各ティースには、コイル(図示せず)が巻着される。
ロータは、円筒形状を有し、ステータ102の内側の中空部分に挿入される。ロータの外径は、少なくともステータ102の内側の内径よりも小さい。ロータは、回転シャフト(図示せず)に固定される。回転シャフトは、モータケース104に設けられた軸受部(図示せず)により、回転電機100の回転軸上に回転自在に支持される。
ロータは、たとえば、複数枚の電磁鋼板が積層された円筒形状の積層体に対して回転軸と平行な方向に永久磁石が挿入されて形成される。また、永久磁石は、周方向に沿って複数個挿入される。なお、永久磁石に代えて電磁石を用いてロータを構成するようにしてもよい。
モータケース104は、中空円筒形状を有し、内側の中空部分に、ステータ102とロータとを収納する。モータケース104の材質は、たとえば、アルミ合金であるが、特にこれに限定されるものではない。
また、モータケース104には、ステータ102を内側に固定する取付面106が形成される。取付面106は、ステータ102の外径よりも小さい内径を有し、モータケース104の内周に沿って形成される、回転軸に直交する面である。取付面106には雌ねじ部分を有する開口部110が3箇所形成される。開口部110は、回転軸を中心として周方向に等間隔に形成される。なお、開口部110は、モータケース104を貫通する貫通穴であってもよいものとする。
また、ステータ102には、3箇所の開口部110に対応する位置に貫通穴120,122,124を有する突出部112,114,116が形成される。図2に図1の矢視Aを示す。図2に示すように、ステータ102の外縁には、周方向に沿って、回転軸を中心として等間隔に突出部112,114,116が設けられる。突出部112,114,116は、径方向に突出した形状を有する。
突出部112,114,116は、回転軸と平行な方向に沿って形成される。また、突出部112,114,116には、回転軸と平行な方向に貫通穴120,122,124が形成される。貫通穴120,122,124のそれぞれには、ボルト200が挿入される。ステータ102に挿入されたボルト200は、取付面106に形成された開口部110に挿入される。ボルト200によりステータ102がモータケース104の取付面106に締結される。
なお、本実施の形態において取付面106に3箇所の開口部110が形成され、ステータ102に3個の突出部112,114,116が形成されるとして説明したが、特に3個に限定されるものではない。
図3に図2の3−3断面を示す。図3に示すように、取付面106において、回転軸と平行な方向に開口部110が形成される。ボルト200の軸部分がステータ102を貫通してモータケース104の取付面106に形成された開口部110に締結される。
なお、本実施の形態において、ボルト200は、モータケース104に形成された、開口部110の雌ねじ部分に締結されるが、特にこれに限定されるものではなく、開口部110が貫通穴である場合に、ボルト200の軸部分を、貫通穴に貫通させた後に、ボルト200に対応するナットを締結させるようにしてもよい。
このような回転電機100の構造において、ステータ102に巻着されたコイルに電力が供給されると、ステータ102において磁界が発生する。磁界の発生に基づいてロータとステータ102との間には磁束の流れが形成される。そして、形成された磁束の流れによりロータに回転力が発現する。
ロータに回転力が発現すると、ステータ102は、ロータに発現した回転力に対する反力を受ける。これにより、ステータ102において振動が発生することとなる。ステータ102において発生した振動がモータケース104に伝達されると、ステータ102とモータケース104との共振が発生して、回転電機100の騒音となり得る。
図4に図3の実線枠の拡大図を示す。たとえば、図4の斜線部分に示すように、ステータ102の振動伝達感度の高い部位において、図4の破線枠に示すように、締結後のステータ102あるいはボルト200の軸部分の変形により、ステータ102とボルト200の軸部分とが接触した状態になると、モータケース104における共振周波数の振動レベルが上昇して、騒音が発生する場合がある。
また、特にアルミ合金などの比較的軽量の材質がモータケースに用いられる場合、ステータ102において発生する振動に起因した騒音は大きくなる傾向にある。
そこで、本発明は、ボルト200の軸部分とステータ102との間隙が、ボルト200とステータ102間における振動の伝達感度に応じて設定される点に特徴を有する。
本実施の形態において、「間隙」は、伝達感度が高い部位において大きく設定され、伝達感度が低い部位において小さく設定される。なお、以下の説明において「振動の伝達感度」は、「共振感度」ともいう。
本実施の形態において、共振感度の高い部位は、回転電機の構造、体格等に依存するため、回転電機の種類毎に実験的に特定されるが、共振感度の高い部位および低い部位は、振動源および振動源における振動の大きさ、振動源からボルト締結部位までの伝達経路および伝達経路を構成する部品の材料等に基づいて特定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、ボルト200の軸部分に外径の異なる段差部分が形成される。より具体的には、ステータ102に形成された貫通穴120,122,124において、共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分の外径が小さくなるように段差部分が形成される。
たとえば、図5の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合、ボルトヘッド210に接続する軸部分(1)212と、軸部分(1)212よりも外径が小さい軸部分(2)214とを有するボルト200が、ステータ102とモータケース104との締結に用いられる。
軸部分(1)212は、貫通穴120,122,124の内径に対して挿入可能であって、かつ、略同じ長さの外径を有する。
なお、軸部分(1)212の公差を含めた最大外径は、貫通穴120,122,124の公差を含めた最小内径よりも小さければよく、たとえば、予定められた間隙を有するようにしてもよい。なお、予め定められた間隙を有する場合でも、軸部分(2)214とステータ102との間隙よりも小さい。
軸部分(2)214は、ボルト200の締結時に受ける軸力によって変形しない、予め定められた強度を有するように形成される。また、軸部分(2)214は、ステータ102との間隙が、予め定められた大きさになるように形成される。なお、「予め定められた大きさ」は、ボルト200からの振動の伝達が抑制される大きさであれば、特に限定されるものではなく、実験的および解析的に適合すればよい。
ボルト200の軸部分(2)214がモータケース104の開口部110に締結されると、共振感度の低い部位(ボルトヘッド210に近い側)において、ボルト200の軸部分(1)212とステータ102とが接触状態になる。このとき、ステータ102は、軸部分(1)212により回転軸に直交する方向についての位置が制限されることとなる。
また、共振感度の高い部位(図5の斜線部分)においては、ボルト200の軸部分(2)214の外径が軸部分(1)212の外径よりも小さい。そのため、ボルト200の軸部分(2)214とステータ102とが非接触状態となる。
一方、図6の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合、ボルトヘッド210に接続する軸部分(1)222と、軸部分(1)222よりも外径が大きい軸部分(2)224とを有するボルト200が、ステータ102とモータケース104との締結に用いられる。
軸部分(1)222は、ボルト200の締結時に受ける軸力によって変形しない強度を有するように形成される。また、軸部分(1)222は、ステータ102との間隙が、予め定められた大きさになるように形成される。なお、「予め定められた大きさ」は、ボルト200からの振動の伝達が抑制される大きさであれば、特に限定されるものではなく、実験的および解析的に適合すればよい。
軸部分(2)224は、貫通穴120,122,124の内径に対して挿入可能であって、かつ、略同じ長さの外径を有する。
なお、軸部分(2)224の公差を含めた最大外径は、貫通穴120,122,124の公差を含めた最小内径よりも小さければよく、たとえば、予め定められた間隙を有するようにしてもよい。なお、予め定められた間隙を有する場合、軸部分(1)222とステータ102との間隙よりも小さい。
ボルト200の軸部分(2)224がモータケース104の開口部110に締結されると、共振感度の低い部位(取付面106に近い側)において、ボルト200の軸部分(2)224とステータ102とが接触状態になる。このとき、ステータ102は、回転軸に直交する方向についての位置が制限されることとなる。
また、共振感度の高い部位(図6の斜線部分)においては、ボルト200の軸部分(1)222の外径が軸部分(2)224の外径よりも小さい。そのため、ボルト200の軸部分(2)224とステータ102とが非接触状態となる。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る回転電機100の作用について説明する。
ステータ102に巻着されたコイルに電力が供給されて、ロータに回転力が発現すると、ステータ102は、ロータに発現した回転力に対する反力を受けることとなる。回転電機100が作動すると、この反力によりステータ102は振動する。
このとき、ステータ102の共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分に段差部分が形成されることにより、軸部分と接触しない間隙が形成される。
たとえば、共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合には、軸部分(2)214とステータ102との間に間隙が形成される。共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合には、軸部分(1)222とステータ102との間に間隙が形成される。
これにより、図5の破線枠あるいは図6の破線枠に示すように、ボルト200の締結後に、共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分とステータ102とが非接触状態になるため、ステータ102からボルト200の軸部分への振動の伝達が抑制される。そのため、ステータ102からボルト200を介してモータケース104への振動が低減される。したがって、モータケース104における共振周波数の振動レベルが低減されるため、騒音の発生が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機によると、ボルトの軸部分に外径の異なる段差部分を形成することにより、共振感度の高い部位においてボルトの軸部分の外径が小さくするように段差部分を形成して、間隙を大きくすることができる。
このように、ボルトとステータ間における共振感度の高い部位において、ボルトの軸部分とステータとの間隙を大きくすることにより、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達が抑制される。これにより、振動の伝達の度合いが低くなり、筐体における共振周波数の振動レベルが低減する。そのため、騒音の発生を抑制することができる。したがって、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することができる。
なお、本実施の形態においては、ボルトとステータ間における共振感度の高い部位と低い部位とにおいてボルトの軸部分に段差を設けることにより、間隙を形成するようにしたが、たとえば、共振感度が高くなるほど間隙が大きくなり、共振感度が低くなるほど間隙が小さくなるようにボルトの軸部分の形状を設定してもよい。
このようにすると、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制しつつ、伝達感度の低い部位において間隙を小さくすることにより、ボルトによるステータと筐体との取付剛性を確保することができる。
また、ボルトの形状変更により振動を抑制することができるため、ステータの形状を変更する必要がない。そのため、コストの上昇を抑制することができる。
さらに、突出部に貫通穴を形成して、ボルトを挿入することにより、磁界に影響を与えない構造とすることができる。なお、本実施の形態においては、ステータに突出部を設けて、突出部に貫通穴を形成するようにしたが、たとえば、回転電機の体格に制限があるような場合には、突出部を設けなくてもよい。すなわち、中空円筒形状のステータにおける内縁と外縁との間に回転軸と平行な方向の貫通穴を形成して、ボルトによりモータケースに締結される構造としてもよい。
そして、本実施の形態においては、貫通穴120,122,124に挿入されるボルト200の軸部分に段差部分が形成されるとしたが、貫通穴120,122,124のうちの少なくともいずれか一つに挿入されるボルト200の軸部分に段差部分が形成されるようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、ボルトヘッド210側および取付面106側のうちの共振感度の高い方にステータ102とボルト200の軸部分との間隙を大きくする構造としたが、ボルトヘッド210と取付面106との中間部分において共振感度が高い場合には、中間部分においてステータ102とボルト200の軸部分との間隙を大きくする構造にすればよい。
また、本実施の形態において、ボルト200の軸部分(1)および軸部分(2)とは、全周に沿って外径が異なることにより段差部分が形成されるが、たとえば、締結後におけるボルト200の軸部分と貫通穴との相対的な位置決めができれば、部分的に段差を形成するようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ステータ102の構造およびボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ステータ102の構造およびボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
本実施の形態においては、ステータ102の貫通穴120,122,124において、内径の異なる段差部分が形成される点に特徴を有する。より具体的には、貫通穴120,122,124の振動の伝達感度の高い部分において、内径が大きくなるように段差部分が形成される。
たとえば、図7の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合、ボルトヘッド210側に設けられる電磁鋼板の積層体(1)152と、取付面106側に設けられ、電磁鋼板の積層体(1)152の貫通穴よりも大きい内径を有する電磁鋼板の積層体(2)154とが組み合わされて、ステータ102が構成される。
電磁鋼板の積層体(1)152の貫通穴は、ボルト200の軸部分が挿入可能であって、かつ、略同じ長さの内径を有する。
なお、電磁鋼板の積層体(1)152の貫通穴の、公差を含めた最小内径は、ボルト200の軸部分の公差を含めた最大外径よりも大きければよく、たとえば、予め定められた間隙を有するようにしてもよい。なお、予め定められた間隙を有する場合でも、ボルト200の軸部分と、電磁鋼板の積層体(2)154との間隙よりも小さい。
電磁鋼板の積層体(2)154の貫通穴は、ボルト200の締結時に突出部を構成する電磁鋼板が変形しない強度を有するように形成される。電磁鋼板の積層体(2)154の貫通穴は、ボルト200との間隙が、予め定められた大きさになるように形成される。なお、「予め定められた大きさ」は、ボルト200への振動の伝達が抑制される大きさであれば、特に限定されるものではなく、実験的および解析的に適合すればよい。
なお、電磁鋼板の積層体(1)152および電磁鋼板の積層体(2)154は、それぞれ予め定められた枚数の電磁鋼板が積層される。予め定められた枚数は、特に限定されるものではなく、回転電機100の体格、仕様に基づいて設定される。
ボルト200の軸部分がモータケース104の開口部110に締結されると、共振感度の低い部位(ボルトヘッド210に近い側)において、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(1)152とが接触状態になる。このとき、ステータ102は、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(1)152の貫通穴とにより回転軸に直交する方向についての位置が制限されることとなる。
また、共振感度の高い部位(図7の斜線部分)においては、電磁鋼板の積層体(2)154の内径が、電磁鋼板の積層体(1)152の内径よりも大きい。そのため、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(2)154とが非接触状態となる。
一方、図8の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合、取付面106側に設けられる電磁鋼板の積層体(2)158と、ボルトヘッド210側に設けられ、電磁鋼板の積層体(2)158よりも大きい内径を有する電磁鋼板の積層体(1)156とが組み合わされて、ステータ102が構成される。
電磁鋼板の積層体(1)156の貫通穴は、ボルト200の締結時に突出部を構成する電磁鋼板が変形しない強度を有するように形成される。電磁鋼板の積層体(1)156は、ボルト200との間隙が、予め定められた大きさになるように形成される。「予め定められた大きさ」は、ボルト200への振動の伝達が抑制される大きさであれば特に限定されるものではなく、実験的および解析的に適合すればよい。
電磁鋼板の積層体(2)158の貫通穴は、ボルト200の軸部分が挿入可能であって、かつ、略同じ長さの内径を有する。
なお、電磁鋼板の積層体(2)158の貫通穴の、公差を含めた最小内径は、ボルト200の軸部分の公差を含めた最大外径よりも大きければよく、たとえば、予め定められた間隙を有するようにしてもよい。なお、予め定められた間隙を有する場合でも、ボルト200の軸部分と、電磁鋼板の積層体(1)156との間隙よりも小さい。
なお、電磁鋼板の積層体(1)156および電磁鋼板の積層体(2)154は、それぞれ予め定められた枚数の電磁鋼板が積層される。予め定められた枚数は、特に限定されるものではなく、回転電機100の体格および仕様に基づいて設定される。
ボルト200の軸部分がモータケース104の開口部110に締結されると、共振感度の低い部位(取付面106に近い側)において、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(2)158とが接触状態になる。このとき、ステータ102は、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(2)158の貫通穴とにより、回転軸に直交する方向についての位置が制限されることとなる。
また、共振感度の高い部位(図8の斜線部分)においては、電磁鋼板の積層体(1)156の内径が、電磁鋼板の積層体(2)158の内径よりも大きいため、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(1)156とが非接触状態になる。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る回転電機100の作用について説明する。
ステータ102に巻着されたコイルに電力が供給されて、ロータに回転力が発現すると、ステータ102は、ロータに発現した回転力に対する反力を受けることとなる。回転電機100が作動すると、この反力によりステータ102は振動する。
このとき、ステータ102の共振感度の高い部位において、ステータ102の貫通穴120,122,124に段差部分が形成されることにより、ボルト200の軸部分と接触しない間隙が形成される。
たとえば、共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合には、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(2)154との間に間隙が形成される。共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合には、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(1)156との間に間隙が形成される。
これにより、図7の破線枠あるいは図8の破線枠に示すように、ボルト200の締結後、共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分とステータ102とが非接触状態になるため、ステータ102からボルト200の軸部分への振動の伝達が抑制される。そのため、振動の伝達の度合いが低下して、ステータ102からボルトを介してモータケース104への振動が低減される。したがって、モータケース104における共振周波数の振動レベルが低減されるため、騒音の発生が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機によると、ステータの貫通穴に内径の異なる段差部分を形成することにより、共振感度の高い部位においてボルトの軸部分とステータとの間隙を大きくすることができる。
このように、ボルトとステータ間における共振感度の高い部位において、ボルトの軸部分とステータとの間隙を大きくすることにより、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制することができる。これにより、筐体における共振周波数の振動レベルが低減するため、騒音の発生を抑制することができる。したがって、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することができる。
なお、本実施の形態においては、ボルトとステータ間における共振感度の高い部位と低い部位とにおいてステータの貫通穴に段差を設けることにより、間隙を形成するようにしたが、たとえば、共振感度が高くなるほど間隙が大きくなり、共振感度が低くなるほど間隙が小さくなるようにステータの貫通穴の形状を設定してもよい。
このようにすると、ステータからボルトの軸部分への振動の伝達を抑制しつつ、伝達感度の低い部位において間隙を小さくすることにより、ボルトによるステータと筐体との取付剛性を確保することができる。
また、締め付け力に耐えるボルト強度を確保するという観点から構造的な制限によりボルトの軸部分の外径を小さくすることができない場合でも、振動を抑制することができる。
また、突出部に貫通穴を形成して、ボルトを挿入することにより、磁界に影響を与えない構造とすることができる。なお、本実施の形態においては、ステータに突出部を設けて、突出部に貫通穴を形成するようにしたが、たとえば、回転電機の体格に制限があるような場合には、突出部を設けなくてもよい。すなわち、中空円筒形状のステータにおける内縁と外縁との間に回転軸と平行な方向の貫通穴を形成して、ボルトによりモータケースに締結される構造としてもよい。
また、本実施の形態においては、貫通穴120,122,124にそれぞれ段差部分が形成されるとしたが、貫通穴120,122,124のうちの少なくともいずれか一つに段差部分が形成されるようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ステータ102の構造およびボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、本発明の第3の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ステータ102の構造およびボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
本実施の形態においては、ステータ102の貫通穴120,122,124において、内径の異なる段差部分が形成される点、および、ボルト200の軸部分がステータ102に圧入される点に特徴を有する。より具体的には、貫通穴120,122,124の共振感度の高い部位において、内径がボルト200の軸部分の外径よりも小さくなるように形成され、共振感度の低い部位において、内径がボルト200の軸部分の外径よりも大きくなるように形成される。なお、本実施の形態において、ボルト200の軸部分の外径は、略一定である。
たとえば、図9の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合、ボルトヘッド210側に設けられ、ボルト200の軸部分の外径よりも大きい内径を有する電磁鋼板の積層体(1)162と、取付面106側に設けられ、ボルト200の軸部分が圧入可能な内径を有する貫通穴が設けられる電磁鋼板の積層体(2)164とが組み合わされて、ステータ102が構成される。
電磁鋼板の積層体(1)162の貫通穴は、ボルト200の軸部分が挿入可能であって、かつ、ボルト200の軸部分と予め定められた間隙を有するように形成される。また、電磁鋼板の積層体(1)162の貫通穴は、少なくともボルトヘッド210の外径よりも小さい内径を有する。
電磁鋼板の積層体(2)164の貫通穴は、ボルト200の軸部分の圧入前において、ボルト200の軸部分の外径よりも小さい内径を有し、かつ、ボルト200の軸部分が圧入可能な内径を有する。
なお、電磁鋼板の積層体(1)162および電磁鋼板の積層体(2)164は、それぞれ予め定められた枚数の電磁鋼板が積層される。予め定められた枚数は、特に限定されるものではなく、回転電機100の体格および仕様に基づいて設定される。
ボルト200の軸部分がステータ102の電磁鋼板の積層体(2)164に圧入された後、モータケース104の開口部110に締結されると(あるいは、開口部110を貫通してナットにより締結されると)、共振感度の低い部位(ボルトヘッド210に近い側)において、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(1)162とは非接触状態になる。
また、共振感度の高い部位(図9の斜線部分)においては、電磁鋼板の積層体(2)164とボルト200の軸部分とは、接触状態(間隙が略ゼロの状態)となり、かつ、軸部分が貫通穴に圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定された状態となる。
一方、図10の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合、ボルトヘッド210側に設けられ、ボルト200の軸部分が圧入可能な内径を有する貫通穴が設けられる電磁鋼板の積層体(1)166と、取付面106側に設けられ、ボルト200の軸部分の外径よりも大きい内径を有する電磁鋼板の積層体(2)168とが組み合わされて、ステータ102が構成される。
電磁鋼板の積層体(1)166の貫通穴は、ボルト200の軸部分の外径よりも小さい内径を有し、かつボルト200の軸部分が圧入可能な内径を有する。
電磁鋼板の積層体(2)168の貫通穴は、ボルト200の軸部分が挿入可能であって、かつ、ボルト200の軸部分と予め定められた間隙を有するように形成される。
なお、電磁鋼板の積層体(1)166および電磁鋼板の積層体(2)168は、それぞれ予め定められた枚数の電磁鋼板が積層される。予め定められた枚数は、特に限定されるものではなく、回転電機100の体格および仕様に基づいて設定される。
ボルト200の軸部分がステータ102の電磁鋼板の積層体(1)166に圧入された後、モータケース104の開口部110に締結されると(あるいは、開口部110を貫通して、ナットにより締結されると)、共振感度の低い部位(取付面106に近い側)において、ボルト200の軸部分と電磁鋼板の積層体(2)168とは非接触状態になる。
また、共振感度の高い部位(図10の斜線部分)においては、電磁鋼板の積層体(1)166とボルト200の軸部分とは、接触状態となり、かつ、軸部分が貫通穴に圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定された状態となる。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る回転電機100の作用について説明する。
ステータ102に巻着されたコイルに電力が供給されて、ロータに回転力が発現すると、ステータ102は、ロータに発現した回転力に対する反力を受けることとなる。回転電機100が作動すると、この反力によりステータ102は振動する。
このとき、ステータ102の共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分がステータ102に対して圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定される状態となる。
たとえば、共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合には、図9の破線枠に示すように、ボルト200の軸部分が電磁鋼板の積層体(2)164に圧入されて、間隙が略ゼロとなる。また、共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合には、図10の破線枠に示すように、ボルト200の軸部分が電磁鋼板の積層体(1)166に圧入されて、間隙が略ゼロとなる。
これにより、ステータ102とモータケース104とは、ボルト200により強固に固定されることとなる。そのため、ステータ102とモータケース104とは、一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振幅が低下する。また、モータケース104の共振点がずれることとなる。そのため、共振周波数の振動レベルが低減されるため、騒音の発生が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機によると、ボルトの軸部分をステータに圧入して間隙を略ゼロにすることにより、ステータ、ボルトおよびモータケースとが強固に固定されることとなるため、一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振動周波数を変化させることができる。そのため、モータケースの共振点をずらすことができる。そのため、共振周波数の振動レベルを低減することができる。これにより、騒音の発生を抑制することができる。したがって、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することができる。
また、締め付け力に耐えるボルト強度を確保するという観点から構造的な制限によりボルトの軸部分の外径を小さくすることができない場合でも、振動を抑制することができる。
また、突出部に貫通穴を形成して、ボルトを挿入することにより、磁界に影響を与えない構造とすることができる。なお、本実施の形態においては、ステータに突出部を設けて、突出部に貫通穴を形成するようにしたが、たとえば、回転電機の体格に制限があるような場合には、突出部を設けなくてもよい。すなわち、中空円筒形状のステータにおける内縁と外縁との間に回転軸と平行な方向の貫通穴を形成して、ボルトによりモータケースに締結される構造としてもよい。
また、本実施の形態においては、貫通穴120,122,124にそれぞれ段差部分が形成されるとしたが、貫通穴120,122,124のうちの少なくともいずれか一つに段差部分が形成されるようにしてもよい。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、本発明の第4の実施の形態に係る回転電機について説明する。本実施の形態に係る回転電機は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、ボルト200の軸部分の形状が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る回転電機の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
本実施の形態において、ボルト200の軸部分に外径の異なる段差部分が形成される点、および、ボルト200の軸部分がステータ102に圧入される点に特徴を有する。より具体的には、貫通穴120,122,124の共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分の外径が貫通穴の内径よりも大きくなるように形成され、共振感度の低い部位において、ボルト200の軸部分の外径が貫通穴の内径よりも小さくなるように形成される。なお、本実施の形態において、貫通穴の内径は、略一定である。
たとえば、図11の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合、ボルトヘッド210に接続し、ステータ102の貫通穴の内径よりも小さい外径を有する軸部分(1)232と、ステータ102の貫通穴の内径よりも大きく、貫通穴に圧入可能な外径を有する軸部分(2)234とを有するボルト200が、ステータ102とモータケース104との締結に用いられる。
軸部分(1)232は、貫通穴120,122,124の内径に対して予め定められた間隙が形成される外径を有する。
軸部分(2)234は、ボルト200の貫通穴への圧入前において、外径が貫通穴120,122,124の内径よりも大きく、かつ、貫通穴120,122,124に対して圧入可能な外径を有する。
ボルト200の軸部分(2)234がステータ102に圧入された後、モータケース104の開口部110に締結されると(あるいは、開口部110を貫通してナットにより締結されると)、共振感度の低い部位(ボルトヘッド210に近い側)において、ボルトの軸部分(1)232とステータ102とは非接触状態になる。
また、共振感度の高い部位(図11の斜線部分)においては、ステータ102とボルト200の軸部分(2)234とは、接触状態(間隙が略ゼロの状態)となり、かつ、軸部分(2)234が貫通穴に圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定された状態となる。
一方、図12の斜線部分に示すように、特定された共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合、ボルトヘッド210に接続し、ステータ102の貫通穴の内径よりも大きく、貫通穴に圧入可能な外径を有する軸部分(1)242と、ステータ102の貫通穴の内径よりも小さい外径を有する軸部分(2)244とを有するボルト200が、ステータ102とモータケース104との締結に用いられる。
軸部分(1)242は、ボルト200の貫通穴への圧入前において、外径が貫通穴120,122,124の内径よりも大きく、かつ、貫通穴120,122,124に対して圧入可能な外径を有する。
軸部分(2)は、貫通穴120,122,124の内径に対して予め定められた間隙が形成された外径を有する。
ボルト200の軸部分(1)242がステータ102に圧入された後、モータケース104の開口部110に締結されると、共振感度の低い部位(ボルトヘッド210に近い側)において、ボルト200の軸部分(2)244とステータ102とは非接触状態になる。
また、共振感度の高い部位(図12の斜線部分)においては、ステータ102とボルト200の軸部分(1)242とは、接触状態(間隙が略ゼロの状態)となり、かつ、軸部分(1)242が貫通穴に圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定された状態となる。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る回転電機100の作用について説明する。
ステータ102に巻着されたコイルに電力が供給されて、ロータに回転力が発現すると、ステータ102は、ロータに発現した回転力に対する反力を受けることとなる。回転電機100が作動すると、この反力によりステータ102は振動する。
このとき、ステータ102の共振感度の高い部位において、ボルト200の軸部分がステータ102に対して圧入されるため、ボルト200とステータ102とが強固に固定される状態となる。
たとえば、共振感度の高い部位が取付面106に近い側である場合には、図11の破線枠に示すように、ボルト200の軸部分(2)234がステータ102に圧入されて、間隙が略ゼロとなる。また、共振感度の高い部位がボルトヘッド210に近い側である場合には、図12の破線枠に示すように、ボルト200の軸部分(1)242がステータ102に圧入されて、間隙が略ゼロとなる。
これにより、ステータ102とモータケース104とは、ボルト200により強固に固定されることとなる。ステータ102とモータケース104とが、一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振幅が低下する。また、モータケース104の共振点がずれることとなる。そのため、共振周波数の振動レベルが低減されるため、騒音の発生が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機によると、ボルトの軸部分をステータに圧入して間隙を略ゼロにすることにより、ステータ、ボルトおよびモータケースとが強固に固定されることとなる。そのため、ステータおよびモータケースとが一体的に振動する。このとき、振動体の質量が増加することとなる。これにより、振動体の振幅を低下させることができる。また、振動体の質量の増加により、モータケースの共振点をずらすことができる。そのため、共振周波数の振動レベルを低減することができる。これにより、騒音の発生を抑制することができる。したがって、ステータから筐体に伝達される振動を低減する回転電機を提供することができる。
また、ボルトの形状変更により振動を抑制することができるため、ステータの形状を変更する必要がない。そのため、コストの上昇を抑制することができる。
また、突出部に貫通穴を形成して、ボルトを挿入することにより、磁界に影響を与えない構造とすることができる。なお、本実施の形態においては、ステータに突出部を設けて、突出部に貫通穴を形成するようにしたが、たとえば、回転電機の体格に制限があるような場合には、突出部を設けなくてもよい。すなわち、中空円筒形状のステータにおける内縁と外縁との間に回転軸と平行な方向の貫通穴を形成して、ボルトによりモータケースに締結される構造としてもよい。
また、本実施の形態においては、貫通穴120,122,124に挿入されるボルト200の軸部分に段差部分が形成されるとしたが、貫通穴120,122,124のうちの少なくともいずれか一つに挿入されるボルト200の軸部分に段差部分が形成されるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 回転電機、102 ステータ、104 モータケース、106 取付面、110 開口部、112,114,116 突出部、120,122,124 貫通穴、152,154,156,158,162,164,166,168 電磁鋼板の積層体、200 ボルト、210 ボルトヘッド、212,214,222,224,232,234,242,244 軸部分。
Claims (6)
- ロータとステータとからなる回転電機であって、
前記ロータと前記ステータとを収納する筐体と、
前記ステータを前記筐体に締結するボルトとを含み、
前記ボルトの軸部分と前記ステータとの間隙の大きさは、前記ボルトと前記ステータとの間における振動の伝達感度に応じて設定される、回転電機。 - 前記ボルトの軸部分は、前記ステータに形成された、前記回転電機の回転軸に平行な方向に貫通する貫通穴に挿入されて、前記筐体に締結され、
前記軸部分には、外径の異なる段差部分が形成される、請求項1に記載の回転電機。 - 前記ボルトの軸部分は、前記ステータに形成された、前記回転電機の回転軸に平行な方向に貫通する貫通穴に挿入されて、前記筐体に締結され、
前記貫通穴には、内径の異なる段差部分が形成される、請求項1に記載の回転電機。 - 前記伝達感度の高い部位における間隙は、前記伝達感度の低い部位における間隙よりも大きい、請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機。
- 前記間隙は、前記伝達感度が高い部分において略ゼロとする、請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機。
- 前記回転電機は、車両に搭載される、請求項1〜5のいずれかに記載の回転電機。
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2006
- 2006-08-29 JP JP2006232201A patent/JP2008061307A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091110 |