JP2008060719A - 画像処理装置、プログラム及び色変換条件設定方法 - Google Patents

画像処理装置、プログラム及び色変換条件設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換をする。
【解決手段】制御回路14では、蛍光有光源38と蛍光無光源40による蛍光成分有無の2つの光源の各々により照明した状態で、紙白部とCMY各色にて画像が形成された画像部を有する蛍光用紙の複数の箇所を計測して、蛍光有照明による計測値と蛍光無照明による計測値の比率を求める。また、制御回路14は、画像形成された蛍光用紙を実際に観察する環境を考慮するために、環境入力部34から環境値が入力され、その環境値に基づき環境係数Kを求めて、これらの比率と環境係数Kから、オフィスなど実際の利用環境に応じて、すなわち観察時の環境を考慮して蛍光を含む照明によって蛍光増白効果が発生する蛍光用紙に応じたものに色変換を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光を含む用紙に色再現して画像を形成するための画像処理装置、プログラム及び色変換条件設定方法に関する。
カラー画像を扱うデバイスは、各々デバイス色空間を有することが一般的であり、その色空間において最終的な色表現がなされる。デバイス色空間は、そのデバイスにおける基本色(または物理量)を組み合わせることにより任意の色を表現できる表色系での空間である。例えば、印刷や電子写真などの画像形成装置のようなデバイスでは4色以上のインク(色材)による表色系(例えばYMCK表色系)の色空間、モニタ表示やカメラのようなデバイスではRGB表色系の色空間等が利用されている。これらの異なるデバイス色空間について任意色を同色として表現するために整合をとるのには、色変換処理が必要である。このような整合性をとるために、デバイスに依存しない色空間として、CIELABのような知覚均等色空間が用いられる場合がある。さらに、CIEXYZ三刺激値によるXYZ色空間やLMS色空間等が用いられる場合もある。
異なる色空間における色の整合(より具体的には異なる表示画像での色の整合)は、両者の白色点が不一致であることに起因するとして、これを解消するための技術、例えば異なる白色点を一致させる白色点(色温度)補正を施す技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この白色点の不一致について、照明や観察条件の差異に着目した各種技術が提案されたが、その色順応モデルには、LMS−XYZ変換時において精度及び処理コストの両者が二律相反する関係にあったため、標準的に利用されている色順応では、線形変換(例えば、色順応モデルであるBradfordモデルにおける一部の線形部を利用したLinear-Bradford変換)が利用されており、高精度でかつ低コストで処理することができなかった。これを解消したものとして、色彩工学で色順応の問題等として扱われた色順応モデル(Chromatic Adaptation models、例えばCAT02)や色の見えのモデル(Color Appearance model)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、白色点の不一致について、用紙の差異に着目した技術も知られている。用紙の差異に着目すると、視覚的には絶対輝度(物体色と表面色)の差異を除き相対的には、同じ仕組み(色順応モデルの形態)となり、参照する再現色が用紙の下地色か表示装置の白色かの差異だけである。このため、異なる出力デバイス間の用紙での白色点補正を施したり、表示装置の白と用紙の白(紙白)を一致させたりする技術が各種提案されている。
また、カラー画像について階調性に着目し、その階調性を維持するために、標準的な用紙部と画像部の2箇所の比率から色を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、照明や観察条件の差異に着目した技術として、蛍光増白色の色処理の技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術では、蛍光量を計測して、可視域の照明強度に基づき基準白色を決めて、その基準白色に基づいて色順応変換処理を行っている。
また、用紙の差異に着目した技術として、スキャナで原稿を読み取る際、自動的に下地検知部で用紙部を決定する際、入手した情報により補正する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この技術では、用紙紙白に基づく色順応モデルの形態を利用しており、蛍光用紙か普通紙かを判定し、用紙に応じたプロファイル選択している。
特開2002−33936号公報 特開2001−119594号公報 特開平10−108032号公報 特開2002−94825号公報 Nathan Moroney et al. ,"The CIECAM02 Color Appearance Model", 10th IS&T/SID Color Imaging Conference (2002)
しかしながら、カラー複写機やカラープリンタで画像出力を行う際に、用途に応じて普通紙や再生紙、そして蛍光を含む用紙(蛍光用紙)等、様々な記録紙を、ユーザは用途に応じて使い分けている。特に、蛍光用紙は利用者の好みで選択したものであり、その記録媒体上で所望する色が出力されることが望まれている。ところが、蛍光を含むと、色の見えに対する影響が大きく、色順応モデルや色の見えのモデルを用いて単純な色変換処理を行ったり、単純な白色点の補正を行ったりしたのでは、色再現性が異なる。例えば、蛍光用紙を対象とした場合、用紙の色変換処理だけでは蛍光増白色の効果を適切に扱って色補正することがができなかった。
すなわち、蛍光増白色効果は、用紙部だけにとどまらず、デバイスで用いる色材の存在する画像領域にも影響が残存することについて制御できなかった。また、蛍光の励起現象は観察環境の影響を受けて再現色が変化することについて制御できなかった。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換を行うことができる画像処理装置、プログラム及び色変換条件設定方法を得ることが目的である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明の画像処理装置は、蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求める比率演算手段と、予め定めた色再現性の色変換を実行すると共に、該色変換時に、前記比率演算手段で求めた比率を維持するように入力された色値を変換する変換手段と、を備えている。
本発明では、蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像部を、蛍光有無の各光源で色を計測し、各計測値の比率を比率演算手段により求める。画像部は、画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像である。求めた比率は、形成画像における色に対する蛍光の影響度合いに対応する。変換手段は、異なる色空間について任意色を同色として表現するために、予め定めた色再現性の色変換を実行する。この変換手段は、色変換時に、前記比率演算手段で求めた比率を維持するように入力された色値を変換する。より具体的な一例は、画像の各色値を画像形成デバイスにおける画像形成時の色材量に変換することがある。従って、蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換をすることができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、形成画像を観察するときの蛍光に関する環境を表す環境情報を求める環境演算手段をさらに備え、前記比率演算手段は、前記比率及び環境情報に基づいて環境係数をさらに求め、前記変換手段は、前記環境係数を維持するように入力された色値を変換することを特徴とする。
本発明は、形成画像を観察するときの蛍光に関する環境を考慮するものである。このため、環境演算手段は、形成画像を観察するときの蛍光に関する環境を表す環境情報を求める。そして、比率演算手段は、比率及び環境情報に基づいて環境係数をさらに求め、変換手段は、前記比率に代えて環境係数を維持するように入力された色値を変換する。これにより、形成画像を観察するときの周囲の環境を考慮した形成画像となるように色変換することができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記環境演算手段は、三刺激値XYZの少なくとも1つの刺激値、または、画像形成デバイスのCMYK各色の少なくとも1つの色材量に対応する色値に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする。
本発明は、環境情報の蛍光を考慮したものである。すなわち、環境演算手段が、三刺激値XYZの少なくとも1つの刺激値、または、画像形成デバイスのCMYK各色の少なくとも1つの色材量に対応する色値に基づいて、環境情報を求める。これにより、色値に応じて蛍光に関する環境が変化する場合であっても、その変化に応じて色変換することができる。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、前記環境演算手段は、前記蛍光を含む用紙の表面状態に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする。
本発明は、画像を形成するときの用紙の蛍光を考慮したものである。すなわち、環境演算手段が、蛍光を含む用紙の表面状態に基づいて、環境情報を求める。これにより、異なる表面状態の蛍光用紙で、その蛍光により色の見えが異なる状態となる場合であっても、その変化に応じて色変換することができる。
請求項5の発明は、請求項2及び請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置において、前記環境演算手段は、形成画像を観察するときの照明を表す照明情報、場所を表す場所情報、方角を表す方角情報、季節を表す季節情報、地域を表す地域情報、及び被蛍光量を表す物理情報(例えば紫外を含む分光分布の計測値)の何れか1つの形成画像の観察環境に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする。
本発明は、形成画像の観察環境から環境情報を求めることを考慮したものである。すなわち、環境演算手段は、形成画像を観察するときの照明を表す照明情報、場所を表す場所情報、方角を表す方角情報、季節を表す季節情報、地域を表す地域情報、及び被蛍光量を表す物理情報(例えば紫外を含む分光分布の計測値)の何れか1つの形成画像の観察環境に基づいて、環境情報を求める。従って、形成画像の観察環境を特定することで、その特定された観察環境に応じた色変換をすることができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置において、前記画像形成のために画像が記録された記録用紙から画像を読み取るときに、前記記録用紙が蛍光用紙に該当することを検出する検出手段をさらに含み、前記環境演算手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする。
本発明は、画像形成のために画像が記録された記録用紙から画像を読み取る場合を考慮したものである。すなわち、検出手段により記録用紙が蛍光用紙に該当することを検出し、その検出結果に基づいて、環境情報を求める。これにより、画像の読み取り時における用紙に応じて、蛍光を考慮させた色変換を行うことができる。なお、予め定めた色再現性の色変換の実行と、前記比率を維持するように入力された色値の変換との何れかの変換手段の処理を切り換えるようにしてもよい。
請求項7の発明の画像処理プログラムは、コンピュータを、蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を記憶した記憶手段から、前記比率を読み取ることのより前記蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求める比率演算手段と、予め定めた色再現性の色変換プログラムを実行すると共に、該色変換時に、前記比率演算手段で求めた比率を維持するように入力された色値を変換する変換手段として機能させる。
本発明の画像処理プログラムは、コンピュータを、前記比率演算手段と、前記変換手段として機能させるプログラムであるので、コンピュータが本画像処理プログラムを実行させることで、請求項1に記載の画像処理装置として機能することになるので、前記画像処理装置と同様に、蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換をすることができる。
請求項8の発明の色変換条件設定方法は、蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求め、求めた前記比率に基づいて、予め定めた色再現性の色変換時に、前記比率を維持するように入力された色値を変換する色変換条件を設定する。
本発明の色変換条件設定方法は、蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求める。そして、求めた前記比率に基づいて、予め定めた色再現性の色変換時に、前記比率を維持するように入力された色値を変換する色変換条件を設定する。従って、前記のように、蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換をすることができる。
以上説明したように本発明は、蛍光を含む用紙に形成された画像部を光源の蛍光有無の各状態で色を計測した各計測値の比率を維持するように入力された色値を変換するので、蛍光を考慮した形成画像を形成することが可能に色変換をすることができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るカラー複写機で代表される画像形成装置に内蔵される画像処理装置10が示されている。また、図1では画像形成装置10の機能ブロック図を示しているが、画像処理装置10は、図示しないコンピュータのCPU、または該コンピュータと通信回線を介して接続されたプリンタに内蔵されたCPUが所定の色変換処理プログラムを実行することで実現される。
図1に示すように、画像処理装置10は、例えばCMYK各色の色材を用いて用紙上にカラー画像を形成(印刷)する画像出力部24に接続されている。本実施形態では、画像出力部24として、CMYK各色のトナーを用いて電子写真方式でカラー画像を形成した後に用紙上に転写・定着させる構成を用いているが、これに限られるものではなく、CMYK各色のインクをノズルから記録液滴として吐出させて用紙上にカラー画像を形成させるインクジェット方式等の他の方式で用紙上に画像を形成させる構成を採用することも可能である。さらに、CMYKの4色に限らず多色印刷であっても本構成を採用可能である。
また、画像出力部24による画像形成(用紙への画像の印刷)がコンピュータを介して指示されると、画像処理装置10には印刷対象の画像を表す画像データが画像入力部12により入力される。本実施形態では、この画像データとして、印刷対象の画像の各画素の色をCIEが推奨したL*a*b*色空間上での再現色(L*a*b*値)で表す画像データが入力される態様を説明する。例えば、画像入力部12は、スキャナを含み、原稿から読み取った入力画像データをCIE L*a*b*形式で出力する。
画像入力部12は制御回路14に接続されている。制御回路14は、所定の色変換処理プログラムを含む制御プログラムに基づいて画像処理装置10の各部を制御するためのものである。この制御回路14には、操作部30及びメモリ32が接続されている。メモリ32は、画像処理装置10の動作を制御する制御プログラムや各種のデータが記憶される。操作部30は、ユーザから種々の指令やデータを入力するとともに、ユーザに対して種々の情報を表示する操作表示パネルとして構成されている。
また、制御回路14には、入力側検出部28,環境入力部34,出力側検出部36が接続されている。入力側検出部28は、スキャナ等の画像読取装置で、原稿を読み取るときに、原稿の用紙が普通紙、コート紙、蛍光用紙の何れであるかを検出するためのものである。この検出判別基準は、用紙の紙白情報から検出することができる。例えば、用紙の紙白部が、予め定めたa*b*値(範囲)から外れる場合に蛍光用紙、予め定めたL*値を超える場合にコート紙と検出するように設定することができる。従って、入力側検出部28は、画像読取装置で読み取った原稿における用紙の紙白部のCIE L*a*b*形式で出力される画像データを出力する機能を有していればよい。
環境入力部34は、詳細を後述する蛍光による効果を反映させるための外部環境を表す各種情報を入力するためのものであり、各種情報には、画像出力部24による形成画像を観察するときの照明を表す照明情報、場所を表す場所情報、方角を表す方角情報、季節を表す季節情報、地域を表す地域情報、及び被蛍光量を表す物理情報(例えば紫外を含む分光分布の計測値)等の観察環境を表すデータと、後述する測定光源の蛍光成分データと、画像出力部24により画像を形成するための記録用紙の材料データ(表面状態データ)や画像読取装置で読み取った原稿の読取特性データ(例えば紙白部の測色値)と、がある。これらのデータは、自動的に検出してもよく、数値入力してもよい。なお、これら外部環境を表す各種情報を、操作部30により数値入力する場合には、環境入力部34は操作部30が兼ねるようにしてもよい。
出力側検出部36は、画像出力部24による形成画像の蛍光度合いを検出するためのものであり、D65光源等の蛍光成分を含む光源(蛍光有光源)38と、D50光源等の蛍光成分を含まない光源(蛍光無光源)40と、色を計測する検出装置42とを備えている。本実施形態では、画像出力部24により形成された色標を、蛍光有光源38と蛍光無光源40との各々で照明して測色する(後述)。
一方、画像入力部12から出力されるCIE L*a*b*形式の画像データは、変換部16に入力されるようにもなっている。変換部16は、画像入力部12から出力されたCIE L*a*b*形式の画像データを既知の変換式で三刺激値XYZに相互変換するためのものである。変換された三刺激値XYZは、X処理部18X、Y処理部18Y、及びZ処理部18Zを介して、3次元ルックアップテーブル20へ入力されるようになっている。
X処理部18Xは、所定濃度未満の用紙部の相対比率(標準用紙の紙白部の三刺激値Xと対象用紙の紙白部の刺激値Xとの比率)と、画像部の相対比率(標準用紙に所定濃度で形成された色標の三刺激値Xと所定濃度で対象用紙に形成された色標の刺激値Xとの比率)を演算して刺激値Xに対して処理を施し、刺激値X’として出力する1次元ルックアップテーブルとして機能するものである。同様に、Y処理部18Yは刺激値Yに対して処理を施し、刺激値Y’として出力する1次元ルックアップテーブルとして機能し、Z処理部18Zは刺激値Zに対して処理を施し、刺激値Z’として出力する1次元ルックアップテーブルとして機能するものである。なお、X処理部18X、Y処理部18Y、及びZ処理部18Zには、標準用紙の色再現性に対応した基準係数が予め格納されている。すなわち、1次元ルックアップテーブルとして機能する各処理部18X,18Y,18Zは、各刺激値毎に、対象用紙に応じた色再現性を施すもので、その基準係数は、標準用紙に対応した色再現性が施されるように、予め設定されている。なお、上記基準係数は、メモリ32に格納して読み取るようにしても良い。
3次元ルックアップテーブル20は、三刺激値X’Y’Z’をCMYK方式の画像データに変換するためのものであり、3次元ルックアップテーブル20のアドレスは、XYZ空間の位置を示している。入力された画像データがその格子間の値をとる場合には該入力画像データは格子点の内分点として把握され、周囲8点の格子点での出力値の荷重和が出力される。このような処理を行う点は他のルックアップテーブルについても同様である。
3次元ルックアップテーブル20で変換されたCMYK方式の画像データは、中間調発生部22に出力されるようになっている。中間調発生部22は、供給された画像データに対してディザ化処理あるいは誤差拡散処理を施す処理部であり、処理が施された画像データは画像出力部24に出力されるようになっている。
なお、中間調発生部22には、信号発生部26からテスト信号が入力されるようになっている。信号発生部26は、色標を形成するために所定のテスト信号を出力するためのものである。中間調発生部22は、図示しないスイッチを備え、制御回路14による制御によって、3次元ルックアップテーブル20からのCMYK方式の画像データ、または信号発生部26からの色標の画像データの何れかを選択する。そして、ゼログラフィ形式の画像出力部24は、中間調発生部22から出力された画像データに基づいて、記録紙上に画像形成を行う。
ところで、本実施形態では、画像形成の対象とする記録紙(対象用紙)は蛍光用紙であるが、その蛍光用紙に形成される画像は、蛍光を含む状態で観測される場合と、蛍光を含まない状態で観測される場合とがある。すなわち、蛍光を含む照明による蛍光増白効果が発生する状態と、蛍光を含まない照明によって蛍光増白効果が発生しない状態とがある。蛍光を含む照明は、周囲環境の光源及び外光等の観察環境に応じて各種の光が影響する。
蛍光を含まない照明によって蛍光増白効果が発生しない状態による任意の対象用紙(蛍光用紙)で色再現性を確保するのは、一般的な用紙の差異を吸収する補正に相当する。
本実施形態の画像形成装置には、所定の標準用紙(例えば上質紙)に対する階調再現性を含む色再現性が予め決定されている。この標準用紙に対して、実際に使用される任意の対象用紙(蛍光用紙)において色再現性を確保するために、その蛍光用紙に対して所定レベルの色標の画像出力が行われ、蛍光を含まない照明によってスキャナなどの測色機を介して実際の色(測光量または測色値)が計測される。この出力レベルに応じて標準用紙と蛍光用紙との相対的な色の計測値の比(記録紙相対係数)を求め、蛍光を含まない状態で観察するときの色再現性が決定される。
本実施形態では、三刺激値XYZを用いている。すなわち、三刺激値XYZを正規化してxyz色度座標を求め、再び記録紙相対係数で正規化し直すものである。以下、三刺激値Yと色度yを使って説明するが、色度xz上でも同様に成り立つ。詳細には、例えば基準となる記録紙の白地部での色度座標ypは、次の(1)式に示すように、紙白部(白地部)で測色した三刺激値Ypを、光源の三刺激値Y0で正規化したものに相当する。
yp=Yp/Y0 −(1)
また、同様に、次の(2)式に示すように、所望の記録紙での紙白部の色度yaを、三刺激値Yaを用いて表現できる。
ya=Ya/Y0
=Yp/Y0×Ya/Yp −(2)
標準用紙の三刺激値は、予め準備可能であり、入力が必要な情報は、所望の記録紙上の三刺激値だけである。
これらの三刺激値XYZを用いることで、標準用紙と蛍光用紙との階調を含む色再現性の相違を得るための採取すべきデータ数を抑制できる。これは、標準用紙と蛍光用紙の三刺激値XYZの比は、紙白部すなわち画像形成のための信号強度0%付近(濃度0近傍)以外でほぼ一定であることによるものである。すなわち、標準用紙と蛍光用紙との階調を含む色再現性の相違は、紙白部における計測値(測光量や測色値)の比と、ほぼ一定となる平坦部分における計測値(測光量や測色値)の比とによってほぼ表現できる。
なお、三刺激値XYZに限られず、肉眼に対する刺激値によって標準用紙および蛍光用紙の色再現性を比較した時は、これと同様の傾向が見られる。これにより、標準用紙における色再現性と、対象用紙における僅かな数の色標に対する計測値が得られれば、蛍光用紙における精細な色再現性を得ることができる。
このように蛍光を含まない状態では色再現性を確保可能であるが、蛍光を含む状態における蛍光用紙では色再現性が異なる。すなわち、蛍光を含む照明による蛍光増白効果が発生する状態では、蛍光用紙の紙白部のみに生じるものではなく、画像形成された色材が存在する画像領域にも影響すること、蛍光の励起現象が観察環境に応じて変化することの両者の影響が絡み合って、観察時点における再現色が変化する。
上記のように、蛍光を含まない状態における蛍光用紙に対する色再現性は定めることができる。この蛍光用紙に対して、蛍光を含む状態において色再現性を確保するために、その蛍光用紙に対して所定レベルの色標の画像出力が行われ、蛍光を含まない照明によってスキャナなどの測色機を介して色(測光量または測色値)が計測されると共に、蛍光を含む照明によってスキャナなどの測色機を介して色(測光量または測色値)が計測される。この出力レベルに応じて蛍光を含まない状態における蛍光用紙と蛍光を含む状態における蛍光用紙との相対的な色の計測値の比(蛍光相対係数)を求め、蛍光を含む状態で観察するときの色再現性が決定される。
詳細には、蛍光用紙の紙白部での色度座標yaは、次の(3)式に示すように、紙白部(白地部)を、蛍光有の照明状態で測色した三刺激値Yfsと、蛍光無の照明状態で測色した三刺激値Yfnとの比率(蛍光相対係数)を乗じたものに相当する。
ya=K・Yfs/Yfn・ya −(3)
但し、Kは、蛍光用紙の形成画像を予め定めた標準的な環境で観察するときの環境係数である。
本実施形態では、上述のように三刺激値XYZの比は紙白部以外でほぼ安定していることから、紙白部における蛍光有無の計測値の比と、紙白部以外の画像領域における蛍光有無の計測値の比とによって表現する。
ところで、蛍光用紙の蛍光増白色効果は、周囲環境の光源及び外光等の観察環境に応じて各種の光が影響する。この変化は、環境係数Kの補正で吸収できる。従って、周囲環境の光源及び外光等の観察環境について、標準環境に対する比率を求めて係数Kを決定する。これによって、蛍光用紙による色再現性の相違は解消される。
次に、本実施形態の作用として、蛍光用紙における色再現を達成するためのXYZの各処理部18X、18Y,18Zに記憶させる色変換条件の生成について説明する。本実施形態に係る色変換条件は、蛍光用紙において蛍光増白効果が発生しない状態における三刺激値XYZを、蛍光用紙において蛍光増白効果が発生する状態における三刺激値XYZへ変換する変換条件であり、前記コンピュータのCPUに所定のプログラムを実行させ、制御回路14を色変換条件設定部として機能させる(図2に示す色変換条件設定処理を行わせる)ことによって実現される。
以下、図2及び図3を参照して、制御回路14によって行われる色変換条件設定処理を説明する。まずステップ100では、画像入力部12より画像データを取得する。この画像データは、次にようにして各種の画像データが入力される。
ユーザが操作部30において所定の操作を行うと、画像形成装置がテストモードになり、中間調発生部22の図示しないスイッチが信号発生部26側に設定され、信号発生部26からテスト信号が出力される。このテスト信号は、色標としてCMY(またはCMYK)各色の所定濃度(例えば信号強度50%)の画像領域を記録紙に形成させる信号である。これにより、画像出力部24から色標を形成した記録紙(蛍光用紙)が排出される。
排出された色標を、ユーザが画像入力部12のスキャナに載置しスキャンを実行させると、色標が読み込まれ、その内容がCIE L*a*b*形式の画像データとして出力される。なお、この色標内の画像領域の読み取りは、出力側検出部36によってなされる。このとき色標を照明する光源は、蛍光有光源38と蛍光無光源40との各々について独立してなされ、検出装置42で蛍光有光源38による色標についての画像データと、蛍光無光源40による色標についての画像データと、の両方が画像入力部12から出力される。なお、排出経路中に出力側検出部36を設けて、排出時点に自動的に検出するようにしてもよい。
色標である蛍光用紙上の各画像領域の位置および紙白部の位置は既知であるので、これらの測定箇所(CMY(またはCMYK)の各色および紙白部)について蛍光有無の各照明下におけるの画像データが制御回路14に供給される。
次のステップ110では、蛍光を含まない照明によって蛍光増白効果が発生しない状態による蛍光用紙で色再現性を確保するための前提処理(紙白処理)が実行される。
詳細には、制御回路14では、画像入力部12から入力された蛍光無光源40による色標についての画像データ(CIE L*a*b*形式)が、三刺激値XYZ形式の画像データ(Xp,Yp,Zp)に変換される。ここで、標準用紙における三刺激値XYZ形式の画像データ(Xi,Yi,Zi)は予め測定されメモリ32に記憶されている。そこで、蛍光無光源40により照明されたときの蛍光用紙の各測定点における記録紙相対係数である相対比率(Xp/Xi,Yp/Yi,Zp/Zi)が制御回路14において求められる。
この相対比率に基づいて、処理部18X〜18Yの内容が、蛍光無光源40により照明されたときの蛍光用紙に対応した係数に変換される。すなわち、所定値未満の濃度(例えば信号強度0%近傍(例えば0〜5%)に対応する)値は元々の値(標準用紙に対応する値)に対して紙白部の相対比率(Xp/Xi,Yp/Yi,Zp/Zi)をそれぞれ乗算した値に変更される。また、所定値以上の濃度(例えば信号強度50%近傍に対応する)値は、元々の値に対して色標の画像領域部分の相対比率(Xp/Xi,Yp/Yi,Zp/Zi)をそれぞれ乗算した値に変更される。これにより、処理部18X〜18Yの内容は、蛍光無光源40により照明されたときの蛍光用紙に応じたものに設定されることになる。
なお、上記処理について異なる用紙間で階調・色再現性を確保する技術の一例としては、本出願人が提案した特開2001−119594号公報に記載の技術がある。
次のステップ120では、蛍光有無についての比率が演算される。すなわち、蛍光有の照明状態で測色した三刺激値Yfsと、蛍光無の照明状態で測色した三刺激値Yfnとの比率(蛍光相対係数)が演算される。この処理は、図3にも示すように、蛍光有光源38による照明下で色標を出力側検出部36により測定した測定値50と、蛍光無光源40による照明下で色標を出力側検出部36により測定した測定値52との比の蛍光相対係数(Xr,Yr,Zr)である。
次のステップ130では、環境係数Kが演算される。この環境係数Kは、蛍光用紙の形成画像を予め定めた標準的な環境(例えばオフィス等の環境)で観察するときの環境係数Koが予め定められ、メモリ32に記憶されている。しかし、蛍光用紙を観察する環境は様々であるために、次のようにして環境係数Kを求める。
蛍光用紙の蛍光増白色効果が発揮される条件には、次のものがある。第1は、蛍光用紙を観察する外部環境等の環境依存性を有するものあり、第2は蛍光用紙の材料特性等の用紙依存性を有するものである。そこで、第1の環境依存性を有する条件を既定するものを環境係数K1とし、第2の用紙依存性を有する条件を既定するものを環境係数K2として、これらを標準の環境係数Koに乗じることで、実際の観察環境下における条件に対応する係数を求めることができる。そして、これに、上記求めた比率(蛍光相対係数Xr,Yr,Zr)を各々乗じることで、蛍光用紙の蛍光増白色効果の蛍光度合いを表す環境係数K(=Ko・K1・K2・Xr, Yr, Zr)を求めることができる。
第1の環境依存性を有する条件を既定するものを環境係数K1は、図3に示すように、画像形成のための蛍光用紙から色標を測色したときの測定光についての蛍光成分54と、観察環境とから求めることができる。蛍光成分54は、蛍光用紙の蛍光増白色効果が発揮される基準となる蛍光成分を有する光源における蛍光成分との差異に起因する影響の度合いを求めるためのもので、測定時の光源の型番や蛍光成分を示す物理量である。基準となる蛍光成分を有する光源の蛍光成分は、予め定められており、メモリ32に記憶されている。蛍光成分54は、操作部30から数値入力してもよく、環境入力部34から蛍光有光源38を自動的に検知してもよい。この蛍光成分54から、例えば本実施形態では蛍光有光源38と予め定めた基準光源との蛍光成分比率を求めることで、蛍光についての影響の度合いを係数として求めることができる。
上記第1の環境依存性を有する条件を既定する観察環境は、照明情報56と、外光情報とから求めることができる。照明情報56は、画像形成された蛍光用紙を観察するときの実際の照明のための光源を規定するもので、光源を規定することで、蛍光用紙の蛍光増白色効果が発揮される蛍光成分を求めることができ、蛍光についての影響の度合いを係数として求めることができる。基準となる照明光源は、予め定められており、メモリ32に記憶されている。照明情報56は、5000K、F11等の光源の種類を表すデータが一例としてあり、操作部30から数値入力してもよく、環境入力部34にセンサを設けて観察用の光源を自動的に検知してもよい。この照明情報56から、例えば観察用光源と予め定めた基準光源との蛍光成分比率を求めることで、蛍光についての影響の度合いを係数として求めることができる。
上記観察環境を規定する外光情報は、画像形成された蛍光用紙を観察するときの周囲環境の因子から蛍光についての影響度合いを求めるもので、方角情報58、季節情報60,場所情報62,地域情報64とから求めることができる。方角情報58は、東西南北などの蛍光用紙観察時の方角を規定するもので、方角を規定することで、基準環境下の基準外光に対する、観察環境下の外光(例えば太陽光)が合波されたときの差異の度合いについて大まかな比率を求めることができる。同様に、季節情報60は、春夏秋冬などの蛍光用紙観察時の季節を規定するもので、季節を規定することで、基準季節における基準環境に対する、観察環境下の差異の度合いについて大まかな比率を求めることができる。なお、季節情報には、時間情報を含ませることができる。場所情報62は、地下であることや窓際であること等の蛍光用紙観察時の場所を規定するもので、場所を規定することで、基準場所における基準環境に対する、観察環境下の差異の度合いについて大まかな比率を求めることができる。地域情報64は、北半球であること等の蛍光用紙観察時の地域を規定するもので、地域を規定することで、基準地域における基準環境に対する、観察環境下の差異の度合いについて大まかな比率を求めることができる。これらの情報の基準値は、予めメモリ32に記憶されている。また、これらの情報は、操作部30から数値入力してもよく、環境入力部34にセンサを設けて自動的に検知してもよい。
第2の環境依存性を有する条件を既定するものを環境係数K2は、用紙表面特性66及び読取用紙特性68から求めることができる。用紙表面特性66は、画像形成のための蛍光用紙の材料特性により変化する蛍光用紙の蛍光増白色効果の度合いを求めるためのものである。すなわち、用紙表面特性66は、基準の蛍光用紙における材料特性との差異に起因する影響の度合いを求めるためのもので、例えば用紙表面についての平滑性や光沢度合い等の光学的特性の値がある。基準となる材料特性は、予め定められており、メモリ32に記憶されている。用紙表面特性66は、操作部30から数値入力してもよく、環境入力部34にセンサを設けて自動的に検知してもよい。この用紙表面特性66から、予め定めた基準の蛍光用紙との材料特性比率を求めることで、蛍光についての影響の度合いを係数として求めることができる。
また、読取用紙特性68は、画像形成のために色標等の原稿をスキャナ等で読み取るとき、その用紙が標準用紙(普通紙)、または蛍光用紙(またはコート紙)であるかを判別するための物理量である。この物理量は、入力側検出部28から入力してもよく、操作部30から数値入力してもよい。例えば、スキャナで原稿を読み込んだとき、用紙の紙白情報(RGB値、または対応するCIELAB値)から係数を決定するために用いる。具体的には、読取用紙特性68は、予め定めたa*,b*の範囲から外れる場合に蛍光用紙、規定のL*値よりも大きくなる場合にコート紙、それ以外を普通紙、と判別するための紙情報として用いられる。読取用紙特性68による判別結果で、対応する用紙として、蛍光についての影響の度合いを係数として求める。この読取用紙特性68から、読取用紙に対応する比率を求めることで、用紙に起因する蛍光についての影響の度合いを係数として求めることができる。読取用紙特性68は、操作部30から数値入力してもよく、入力側検出部28を環境入力部として自動的に検知してもよい。なお、これら、普通紙、コート紙、蛍光用紙の種類は、さらに段階的に分割してもよい。
なお、読取用紙特性68を用いて、蛍光についての影響を考慮するか否か、すなわち蛍光についての色補正を施すか否かを切り換える切換装置を構成できる。例えば、制御回路14において読取用紙特性68が普通紙であると判定したときは、蛍光用紙の蛍光増白色効果が発揮されないので、制御回路14は環境係数Kそのものを機能させない係数値(例えば「1」)に強制的に置き換える処理を行う。
以上説明した環境係数は、三刺激値やYMC等の色値毎に変化する場合がある。このため、環境係数Kは起因する色値毎に定めることが好ましい。例えば、三刺激値XYZの少なくとも1つの刺激値で異なる場合には、環境係数Kを次の(4)式で表すことができる。
Ki=fi([X],[Y],[Z]) −(4)
但し、iは第1または第2の環境係数を表し、fiは、三刺激値XYZの少なくとも1つの刺激値をパラメタとする係数Kiの関数である。
また、CMYKの色値毎に変化する場合は、環境係数Kを次の(5)式で表すことができる。
Ki=gi([C],[M],[Y],[K]) −(5)
但し、iは第1または第2の環境係数を表し、giは、CMYKの少なくとも1つの色値をパラメタとする係数Kiの関数である。
次のステップ140では、この環境係数Kに基づいて、XYZの各処理部18X〜18Zの内容が環境係数Kによる蛍光用紙に対応した係数に変換される。すなわち、元々の値(蛍光無光源40により照明されたときの蛍光用紙に応じた設定値)に対して環境係数Kをそれぞれ乗算した値に変更される。これにより、XYZの各処理部18X〜18Zの内容は、色変換条件として、観察時の環境を考慮して蛍光を含む照明によって蛍光増白効果が発生する蛍光用紙に応じたものに設定されることになる。
上記のように各処理部18X〜18Zにおける係数設定が完了すると、次のステップ150では、画像形成のための信号出力処理が開始されたのちに、本ルーチンを終了する。このステップ150では、上記のように各処理部18X〜18Zにおける係数設定が完了すると、画像形成装置がテストモードから通常モードの動作モードに戻る。そして、ユーザが原稿を画像入力部12にセットして操作部30上の図示しないスタートボタン等の印刷指示により、印刷を開始することができる。
この通常モードにおける印刷指示後には、設置された原稿の内容が読み込まれ、CIE L*a*b*形式の入力画像データが画像入力部12から出力される。この入力画像データは、変換部16においてXYZ形式に変換され、各要素毎に処理部18X〜18Yに供給される。処理部18X〜18Yにおいては、上述のように、観察時の環境を考慮して蛍光を含む照明によって蛍光増白効果が発生する蛍光用紙に応じたものに設定するための環境係数Kを演算する処理を行う。次に、処理部18X〜18Yによって処理された三刺激値X’Y’Z’は3次元ルックアップテーブル20に供給され、CMYK形式の画像データに変換された後中間調発生部22に供給される。中間調発生部22ではディザ化処理あるいは誤差拡散処理が施され、その結果に基づいて画像出力部24において画像形成が行われる。
なお、上記では、色変換条件設定処理として、三刺激値XYZに適用した場合について説明したが、CMY(またはCMYK)の一次元ルックアップテーブルへ適用しても良い。この場合には、入力L*a*b*値をCMY(またはCMYK)の各値に変換する3次元ルックアップテーブルに、変換部16を代えて、処理部18X〜18Zに代えて、CMY(またはCMYK)の各一次元ルックアップテーブルを設ける。これらの各一次元ルックアップテーブルを中間調発生部22へ接続する。そして環境係数Kに基づき各一次元ルックアップテーブルにおける係数を設定すればよい。
また、上記ではCMYK各色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、L*a*b*値をCMYK値へ変換する色空間変換を行う場合に本発明を適用した態様を説明したが、本発明における入力色値及び変換後の色値は上記に限られるものではなく、例えばより多数色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、CMYK値をより多数種の色値へ変換する色変換を行う場合に適用することも可能である。本発明は上記のような態様も権利範囲に含むものである。また、上記では本発明に係るデバイスに依存しない色空間として、L*a*b*色空間を例に説明したが、これに限定されるものでもなく、CAM02空間のような色の見えモデル、CIEXYZ三刺激値やiCAM等の色空間を適用することも可能である。
本実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。 色変換条件設定処理の内容を示すフローチャートである。 色変換条件設定処理を行うコンピュータにおいて実行される処理の流れに従う情報の流れの説明図である。
符号の説明
K…環境係数
10…画像処理装置
12…画像入力部
14…制御回路
16…変換部
18X…X処理部
18Y…Y処理部
18Z…Z処理部
20…3次元ルックアップテーブル
22…中間調発生部
24…画像出力部
26…信号発生部
28…入力側検出部
30…操作部
32…メモリ
34…環境入力部
36…出力側検出部
38…蛍光有光源
40…蛍光無光源
42…検出装置

Claims (8)

  1. 蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求める比率演算手段と、
    予め定めた色再現性の色変換を実行すると共に、該色変換時に、前記比率演算手段で求めた比率を維持するように入力された色値を変換する変換手段と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 形成画像を観察するときの蛍光に関する環境を表す環境情報を求める環境演算手段をさらに備え、
    前記比率演算手段は、前記比率及び環境情報に基づいて環境係数をさらに求め、
    前記変換手段は、前記環境係数を維持するように入力された色値を変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記環境演算手段は、三刺激値XYZの少なくとも1つの刺激値、または、画像形成デバイスのCMYK各色の少なくとも1つの色材量に対応する色値に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記環境演算手段は、前記蛍光を含む用紙の表面状態に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記環境演算手段は、形成画像を観察するときの照明を表す照明情報、場所を表す場所情報、方角を表す方角情報、季節を表す季節情報、地域を表す地域情報、及び被蛍光量を表す物理情報の何れか1つの形成画像の観察環境に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする請求項2及び請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像形成のために画像が記録された記録用紙から画像を読み取るときに、前記記録用紙が蛍光用紙に該当することを検出する検出手段をさらに含み、
    前記環境演算手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記環境情報を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. コンピュータを、
    蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を記憶した記憶手段から、前記比率を読み取ることのより前記蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求める比率演算手段と、
    予め定めた色再現性の色変換プログラムを実行すると共に、該色変換時に、前記比率演算手段で求めた比率を維持するように入力された色値を変換する変換手段と
    して機能させる画像処理プログラム。
  8. 蛍光を含む用紙に画像形成デバイスによって予め形成された画像形成がなされない用紙の紙白部に対応する所定濃度未満の色画像及び所定濃度以上の色画像の各画像部について、蛍光有りの光源で色を計測した計測値と、蛍光無しの光源で色を計測した計測値との比率を求め、
    求めた前記比率に基づいて、予め定めた色再現性の色変換時に、前記比率を維持するように入力された色値を変換する色変換条件を設定する色変換条件設定方法。
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