JP2003283851A - 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを記録した媒体、色変換装置、色変換方法、色変換テーブルの作成方法および色変換テーブル - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを記録した媒体、色変換装置、色変換方法、色変換テーブルの作成方法および色変換テーブル

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JP2003283851A JP2002078025A JP2002078025A JP2003283851A JP 2003283851 A JP2003283851 A JP 2003283851A JP 2002078025 A JP2002078025 A JP 2002078025A JP 2002078025 A JP2002078025 A JP 2002078025A JP 2003283851 A JP2003283851 A JP 2003283851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源を変更すると色が異なって見えてしま
う。 【解決手段】 色変換後の第2画像データで印刷した結
果を複数の光源下で測色したときに、各測色で得られた
色の平均が変換元の第1画像データで表現される色に相
当するように色変換を行う。この色変換は、複数の光源
に対する対策を施した1つの3次元色変換テーブルを参
照することによって実現される。従って、必要とされる
記憶容量が少なく、また、処理速度を低下させることな
く光源の差異による色の見え方の差異を低減することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷制御装置、印
刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラム
を記録した媒体、色変換装置、色変換方法、色変換テー
ブルの作成方法および色変換テーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】CRT等で使用されるRGB(レッド,
グリーン,ブルー)によって画素の色を表現したsRG
B画像データに基づいて印刷を実行する際には、通常、
印刷制御装置によって上記sRGB画像データをCMY
画像データに変換して印刷を行っている。ここで、CM
Y画像データは印刷装置で使用するインク量に対応した
CMY(シアン,マゼンタ,イエロー)等によって画素
の色を表現したデータである。この色変換では、複数の
代表点についてsRGB画像データとCMY画像データ
とを対応づけた色変換テーブル等を参照し、補間演算を
実行するなどしている。
【0003】この色変換テーブルは、CMY画像データ
によって印刷した印刷結果を特定の光源下で測色し、測
色結果とsRGB画像データとを均等色空間中で対応づ
けるなどして作成される。従って、ある色変換テーブル
を使用して印刷を行った場合に、色変換テーブルの作成
時に使用された上記特定の光源あるいは特定の光源と分
光分布が類似した光源以外を使用して色を観察すると、
変換元の色と異なった色として観察されてしまう場合が
ある。そこで、光源を変更した場合であっても変換元の
色を再現するため、従来はCMY画像データによって印
刷した印刷結果を複数の光源下で測色しそれぞれの光源
に対応した複数の色変換テーブルを作成したり、色変換
を実行する際に上記特定の光源下での測色によって作成
した色変換テーブルを他の光源での色の見え方に合わせ
て補正するなどしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の印刷制
御装置においては、次のような課題があった。すなわ
ち、前者のようにして複数の色変換テーブルを作成する
と、これら複数の色変換テーブルを予め保持しておくた
めの記憶容量が増大してしまう。また、後者のようにし
て色変換テーブルを補正する構成では、色変換を実行す
るたびに光源に応じた補正を行う必要があり、色変換処
理速度が低下してしまう。本発明は、上記課題にかんが
みてなされたもので、必要とされる記憶容量が少なく、
また、処理速度を低下させることなく光源の差異による
色の見え方の差異を低減することが可能な印刷制御装
置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、印刷制御プロ
グラムを記録した媒体、色変換装置、色変換方法、色変
換テーブルの作成方法および色変換テーブルの提供を目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するため請求項1にかかる発明では、印刷を実
行するにあたり印刷制御装置によって色変換を行ってお
り、第1画像データで表現される色が、印刷結果を複数
の光源下で測色して得られた色の平均になるように色変
換を行う。複数の光源下で測色して得られた色の平均
は、特定の光源下で測色して得られた色のみ近いと言う
こともなければ特定の光源下で測色して得られた色から
極端に遠いと言うこともない。従って、いずれの光源下
で観察した場合であっても観察色は変換元の色と略同色
であるとともに、各光源下で色の見え方に差が生じにく
い。ここで、上記平均は例えば所定色空間中の座標の重
心等が該当する。
【0006】また、請求項2にかかる発明によれば、第
1画像データで表現された特定色について印刷するに当
たり、当該特定色は第2画像データに変換され、同第2
画像データによって印刷した印刷結果を複数の光源下で
測色すると、所定色空間の中で当該測色した座標の重心
と上記特定色が近くなっている。ここで、当該特定色の
座標は印刷結果を特定の光源下で測色した場合の座標よ
り上記重心に近くなっている。当該重心は印刷結果を複
数の光源下で測色して得られるので、特定色の座標は印
刷結果を各光源下で個別に測色して得られる複数の座標
のいずれに対しても平均的に近い。
【0007】特定色の座標が、印刷結果を特定の光源下
で測色して得られる座標のいずれかに近く、他の光源で
測色して得られる座標から遠い場合、当該他の光源で測
色した色と特定色とが異なる色として見える場合があ
る。この場合、印刷結果を特定の光源で観察したときに
は特定色と印刷結果とが略同色に見えるが、印刷結果を
他の光源で観察したときには特定色と異なる色に見える
ことになる。しかし、本発明のように特定色と上記重心
とが近い場合には、印刷結果をいずれの光源下で観察し
ても特定色に近いのでいずれの光源下で観察してもその
色が特定色と略同色であるとともに光源の差異によって
色の見え方に差異が生じない。
【0008】本発明では、印刷結果を複数の光源下で測
色して得られる座標が上記特定色の座標に近くなるよう
に色変換を行うので、色変換テーブルを使用して色変換
を行う場合には、当該色変換を実現する一つの色変換テ
ーブルで複数光源に対応した色変換を実施可能であり、
色変換テーブルのための記憶容量を増大させることはな
い。さらに、光源の差異に応じて色変換テーブルを補正
する必要がないので、高速に色変換処理を行うことがで
きる。
【0009】むろん、特定色が上記重心に近づくように
色変換させるとともに、他の色について特定光源下で測
色して得られる座標以外の点に変換されるようにしても
良い。例えば、特定色について本発明を適用した結果、
その近辺の色を変換することによってトーンジャンプを
生じさせないようにするために、特定色の近辺の色につ
いて特定光源下で測色して得られる座標以外の点に変換
されるように構成することができる。また、上記特定色
は1色に限られず、複数の色であっても良い。さらに、
上記重心の座標は、印刷結果を特定光源下で測色した座
標よりも上記特定色の座標に近ければ良く、近いか否か
の判定は上記所定色空間中の距離で判定しても良いし、
上記所定色空間中で色相角を考え、上記重心の座標と特
定色の座標との間の色相角が、特定光源下で測色した座
標と特定色の座標との間の色相角より小さいか否かで判
定しても良い。
【0010】また、本発明においては色変換を経て印刷
をした結果、変換元の特定色と印刷結果とが略同色であ
るとともに光源の差異によって色の見え方に差異が生じ
ないように構成することができればよく、このためには
上記特定色と上記重心とが一致していることが好まし
い。そこで、請求項3に記載の構成を採用することもで
きる。すなわち、特定色の座標と上記重心の座標とをな
るべく近づけた場合には両者が同値となり、両者が同値
となっている場合には変換元の特定色と印刷結果とが略
同色であるとともに光源の差異によって色の見え方に差
異が生じなくなる。ここで、略同値としているのは、座
標値に対して数学的な厳密性を要求する意味が少ないか
らである。すなわち、本発明は色の見え方に対する対策
であることから、所定色空間中で座標が同値であっても
僅かにずれていても人間には色の差異として観察されな
いことがある。従って、色の見え方に差異を生じない範
囲を略同値と言うことができる。
【0011】また、印刷装置による出力色は、その色に
よって、すなわち、色空間中の座標位置によっても光源
による影響に差が生じるので、本発明にかかる色変換が
適用される特定色は、必ずしも第1,第2の画像機器の
全色域についての色でなくても良い。光源差が色の見え
方に大きな影響を与える少なくとも1色以上の特定色に
ついて本発明を適用すると、多くの画像についての印刷
結果にて光源差によって見え方に差異が生じないように
することができる。
【0012】さらに、請求項4に記載の構成を採用する
こともできる。すなわち、CIE(国際照明委員会)で
は測色用の標準の光としてD系とA系とF系を規定して
おり、D系は太陽光、A系は白熱電球の光、F系は蛍光
灯の光にそれぞれ代表される光である。人間が画像の印
刷結果を観察する際の光源は、多くの場合これらD系と
A系とF系であり、上記特定色がこれらの光源下で印刷
結果を測色した座標の重心に近づくように色変換をする
ことにより、常用されるほとんどの光源下で色の見え方
に差異を生じさせないようにすることができる。
【0013】ここで、上記CIE標準の光としてD50
やD65等のように番号を付して具体的な光源の種類が
指定される場合にはそのいずれをも採用することができ
る。光源による色の見え方の差異を低減するためには上
記光源として少なくとも2つの光源を採用すればよい
が、むろん3つの光源を採用しても良い。また、測色器
を使用して測色することを考えると、分光分布が規定さ
れたCIE標準の光を光源とすることが好ましいが、む
ろん、分光分布がCIE標準と厳密に等しいことが必須
ではなく、CIE標準の光の代用光で印刷結果を実際に
照射して測色する構成としても良い。また、印刷結果を
各光源で実際に照射してその反射光を測色器で測色する
構成の他、印刷結果の分光分布を取得し、CIE標準の
光として規定されている各光源の分光分布と人間の目の
特性を反映した等色関数とを乗じた積分値を算出しても
印刷結果を実質的に測色したと言える。
【0014】さらに、請求項5に記載の構成を採用する
こともできる。すなわち、上記特定色が各種蛍光灯の下
で印刷結果を測色した座標の重心に近づくように色変換
をすることにより、常用される各種蛍光灯の下で色の見
え方に差異を生じさせないようにすることができる。こ
こで、CIE標準の光で、F1〜F6が上記普通型蛍光
灯,F7〜F9が上記高演色形蛍光灯,F10〜F12
が上記3波長型蛍光灯に該当する。
【0015】さらに、請求項6に記載の構成を採用する
こともできる。すなわち、均等色空間内においては空間
内の距離差が色の差すなわち色差に相当することから空
間中の幾何学的位置の相関が色の差異に直接結びついて
おり、色空間中の幾何学的な関係から上記重心を容易に
算出することができる。均等色空間の具体例としてはL
uv空間やLab空間等が挙げられる(通常これらのア
ルファベットには*を付して表示するが、本明細書では
簡単のため省略する。以下同じ。)。
【0016】上記第1の画像機器の色域が、均等色空間
中の全域に渡って定義されることは少ない。例えば、第
1の画像機器がディスプレイである場合、ディスプレイ
での黒点がLab空間中の最低明度(L=0)に該当せ
ず、ディスプレイでの白点がLab空間中の最高明度
(L=100)に該当しないことが多い。この場合、デ
ィスプレイの色域を規格化、すなわち、ディスプレイの
黒点をLab空間中の最低明度に対応させ、ディスプレ
イの白点をLab空間中の最高明度に対応させるように
色域を規格化することがある。
【0017】本発明においてもむろんこの構成を採用す
ることができ、第1画像データについて均等色空間中の
座標を考える場合に第1の画像機器の色域を規格化して
考えることができる。また、このようにコンピュータに
てデジタルデータを扱う際の標準的な表色系としてsR
GBが規定されている。従って、上記第1画像データを
sRGBデータとすると、当該sRGBを採用する多く
の機器を上記第1の画像機器として本発明を適用するこ
とができる。また、sRGBでは各要素色の階調値が決
定したときに、予め規定された式で当該階調値が該当す
る均等色空間中の座標を得ることができて好適である。
【0018】さらに、上記第1の画像機器の色域と印刷
装置の色域が完全に一致することはないので、通常、色
変換をする際には第1の画像機器で表現可能な色であっ
て印刷装置で表現できない色およびその周辺の色を第1
の画像機器の色域内に圧縮する、いわゆるガマットマッ
ピングが行われる。本発明においてもむろんこの構成を
採用することができ、ガマットマッピングを行った状態
で上記特定色が上記重心に近づくように色変換させるこ
とができる。
【0019】さらに、請求項7に記載の構成を採用する
こともできる。すなわち、人間の目によって異なる色と
して認識される限界の色差は色差は1〜3程度であると
言われており、上記特定色と重心の色が均等色空間内で
この色差の範囲内になるようにする。この結果、いずれ
の光源下で印刷物を観察してもその色が特定色と略同色
であるとともに光源の差異によって色の見え方に差異が
生じなくなる。
【0020】本発明では同じ印刷結果を複数の光源下で
測色して得られた色空間中の座標の重心を考えており、
この重心は3次元空間中で考えればよいが、人間の目が
その色相変化および彩度変化に敏感なグレーに対して適
用して好適な構成として請求項8に記載の構成を採用す
ることもできる。
【0021】すなわち、定明度平面上で特定色と重心と
が近くになるように構成することにより、明度は特に考
慮しないで色相および彩度に関して両者が近くになるよ
うにすることができる。略無彩色のグレー(多少の色味
があっても良く、完全な無彩色に限定されることはな
い)について、人間の目は色相の変化および彩度の変化
に敏感であって、明度の変化に鈍感である。従って、上
記特定色と上記重心に関し、両者の色相と彩度が近けれ
ば人間の目には略同色のグレーとして認識される。
【0022】さらに、請求項9に記載の構成を採用する
こともできる。すなわち、色変換手段では、本発明にか
かる色変換を実行するように予め作成されたデータを備
えた色変換テーブルを参照して色変換を実行しており、
上述の各種技術思想を加味した色変換実行するにあた
り、色変換テーブルを一旦作成してしまえば、その後は
従来の色変換と同様に補間演算によって色変換を実施す
ることができる。従って、印刷装置にて実際に印刷を行
うための処理時間は従来の色変換と同様であって、高速
に色変換可能であるにもかかわらず、各種光源に対応す
るために光源数分の色変換テーブルを備える必要が無
く、色変換テーブルを保持するために多大な記憶容量を
必要としない。
【0023】さらに、本発明にかかる色変換を実行させ
るような色変換テーブルを作成するための具体例として
請求項10に記載の構成を採用することもできる。すな
わち、特定光源下で印刷結果を測色した結果に基づいて
従来と同様な元テーブルを作成し、当該元テーブルを補
正して色変換テーブルを作成する。この色変換テーブル
を予め作成しておくことにより、色変換手段で色変換す
るたびに補正を実施することなく補間演算をするのみで
色変換を実行することができる。元テーブルの補正にお
いては、第1画像データを変更している。すなわち、元
テーブルは第2画像データの印刷結果を特定光源下で測
色して得られた座標と第1画像データの座標とが略同値
になるように対応づけているので、印刷結果を他の光源
下で測色して得られた座標と第1画像データの座標とは
異なっている。
【0024】そこで、第1画像データを補正し、印刷結
果を複数の光源下で測色して得られた座標の重心に近づ
けつつ色変換テーブルを作成する。色変換テーブルの作
成後、当該重心の座標(特定色)を第1画像データとし
て、色変換を行うと元テーブル内のデータと同値の第2
画像データが得られる。しかし、第1画像データは補正
されているので、この第2画像データにて印刷を実行す
れば、その印刷結果を複数の光源下で測色したときにい
ずれの測色座標も上記特定色の座標に近くなる。従っ
て、いずれの光源下においても変換前の特定色と印刷結
果とが略同色に見える。色変換テーブルは所定数の代表
色について第1画像データと第2画像データとを対応づ
けているので、上記補正は全代表色に対して行っても良
いし、特定数の色に対して行っても良い。前者の場合は
全代表色が上記特定色に該当するし、後者の場合は補正
された特定数の色が上記特定色に該当する。
【0025】さらに、本発明にかかる色変換を実行させ
るような色変換テーブルを作成するための具体例として
請求項11に記載の構成を採用することもできる。ここ
でも特定光源下で印刷結果を測色した結果に基づいて従
来と同様な元テーブルを作成し、当該元テーブルを補正
して色変換テーブルを作成する。かかる構成により、色
変換手段で色変換するたびに補正を実施することなく補
間演算をするのみで色変換を実行することができる。ま
た、ここでは第2画像データを変更している。すなわ
ち、印刷結果を複数の光源下で測色して得られた座標が
平均的に第1画像データの座標に近くなるように第2画
像データを変更して色変換テーブルを作成する。色変換
テーブルを参照した色変換を行いつつ印刷を実行すれ
ば、その印刷結果を複数の光源下で測色したときにいず
れの測色座標も上記特定色に近くなる。従って、いずれ
の光源下においても変換前の特定色と印刷結果とが略同
色に見える。
【0026】第2画像データを変更して上述のように印
刷結果を複数の光源下で測色した座標の重心が、上記元
テーブルにて変更前の第2画像データに対応づけられて
いた第1画像データが示す特定色の所定色空間中の座標
に近づくようにするためには、種々の構成が採用可能で
ある。例えば、特定色について元テーブルによって色変
換を行い、得られた印刷結果を複数の光源で測色すると
ともにその測色結果の重心を算出する。この重心の座標
と上記特定色の座標との位置関係を算出し、特定色の座
標と新たな座標とが同様の位置関係になるように新たな
座標を算出し、当該新たな座標の色を元テーブルを使用
して補間演算することによって第2画像データを得る。
【0027】この結果、得られた第2画像データによっ
て印刷を行って複数の光源下で測色して重心を算出する
と、当該重心と上記特定色の座標とがほぼ一致するよう
に構成することができる。むろん、色変換テーブルは所
定数の代表色について第1画像データと第2画像データ
とを対応づけているので、上記補正は全代表色に対して
行っても良いし、特定数の色に対して行っても良い。前
者の場合は全代表色が上記特定色に該当するし、後者の
場合は補正された特定数の色が上記特定色に該当する。
【0028】さらに、請求項12に記載の構成を採用す
ることもできる。すなわち、元テーブルの第1画像デー
タの各要素色を軸変数とした色空間で頂点に該当する各
色は有彩色であるとともに、第1の画像機器の色域内で
特定の色相方向に彩度が極大となる色と白および黒を含
む。これらの色について第1の補正を行って光源の差異
に基づく色の見え方の差異を低減し、他の色については
この補正に合わせて第2の補正を行うことにより、第1
および第2の画像機器の色域全体で色の見え方の差異を
低減することができる。また、人間の目は略無彩色にお
ける色相変化と彩度変化に敏感である。第1画像データ
にて無彩色が指定されていても、印刷装置では複数のイ
ンクの組み合わせによって無彩色を表現する関係上、彩
度や色相を有する略無彩色になってしまうのが通常であ
る。
【0029】このような略無彩色に対して人間の目はそ
の彩度・色相変化に敏感なため、複数の光源下で観察し
た場合には色が異なって見えやすい。そこで、本発明の
ように無彩色を示す色を変換した際に最も彩度が大きな
色として印刷される色について第1の補正を行って光源
の差異に基づく色の見え方の差異を低減し、他の色をこ
の補正に合わせて第2の補正を行うことにより、人間の
目がその変化に敏感な略無彩色で色の見え方の差異を低
減することができる。さらに、通常は彩度が大きくなる
ほど光源の差異に基づく色の見え方の差異が大きくな
る。従って、上述の色について第1の補正を行うことに
よって色の見え方の差異を低減することにより、光源の
差異が色の見え方に大きな影響を与える色について確実
にその問題を解消することができる。
【0030】トーンジャンプを防止するためには上記第
1の補正に加えて第2の補正を実施するのが好ましい。
すなわち、第2の補正を実施した後に第1の補正を実施
した特定色と上記色空間で頂点に該当する特定の色との
間の色を示す第2画像データを印刷し、これら印刷結果
を特定の光源下で測色したときにその色の所定色空間中
の座標が略直線上に並ぶ。従って、これらの色を特定の
光源下で観察したときにはその色の変化が非常に滑らか
になり、トーンジャンプが発生しない。
【0031】ここで、印刷結果の測色座標が略直線上に
並ぶようにする際の上記特定の光源としては、種々の光
源を採用可能である。例えば、上記複数の光源にて印刷
結果を測色したときに最大の彩度が得られる光源を上記
特定の光源としたり、標準光源とされるCIE標準のD
50光源やD65光源を上記特定の光源としたり、本発
明にかかる印刷制御装置を使用する場面を想定し各場面
で最も使用頻度が高い種類の光源(例えば蛍光灯)を上
記特定の光源とする構成等が採用可能である。
【0032】さらに、請求項13に記載の構成を採用す
ることもできる。すなわち、人間の目が色相変化と彩度
変化に敏感な略無彩色について光源の差異による色の見
え方の差異を低減することができる。さらに、請求項1
4,請求項15によれば、印刷装置で色再現可能な範囲
に含まれる色を示す入力RGB値で印刷を行い、D50
光源とA光源とF光源の下で観察したときには、いずれ
の観察色も入力RGB値が示す色に近いので光源の差異
による色の見え方の差異を低減することができる。本発
明では各光源下での観察色の平均が入力色に近ければよ
いので、請求項14に示すようにRGB値で色を表現し
たときに両者が近くても良いし、請求項15に示すよう
にLab値で色を表現したときに両者が近くても良い。
むろん、Luv値で色を表現したときに両者が近くなる
ようにしても良い。
【0033】ここで、相対Lab値は、印刷装置で色再
現可能な範囲を所定の色空間中で規格化した結果であ
る。sRGBでは白点が(L,a,b)=(100,0,0)、黒
点が(L,a,b)=(0,0,0)であると規定されている
が、実際にこの白点と黒点とを色再現可能な印刷装置を
構成するのは困難であるため、色再現可能な範囲で最も
明るい点を白点、最も暗い点を黒点として規格化した相
対色空間で議論されることが一般的である。すなわち、
印刷装置においては入力されるデータがsRGBデータ
であるとしても出力される色は相対Lab値に対応づけ
られることがあり、請求項14,請求項15ではこの相
対Lab値について本発明を適用している。
【0034】上述の規格化としては、例えば次の構成を
採用可能である。色の測色あるいは分光分布を考慮した
演算によれば、三刺激値XYZを容易に取得することが
できる。そこで、白色点の三刺激値をXw,Yw,Zw
黒色点の三刺激値をXb,Yb,Zb、光源の三刺激値を
0,Y0,Z0、印刷物の測色結果をXn,Yn,Znとし
たとき、次式(1)によって規格化がなされる。
【0035】すなわち、Xr,Yr,Zrは規格化したと
きの三刺激値である。
【数1】
【0036】そして、次式(2)に上記三刺激値は
r,Yr,Zrを代入すれば、上述の相対Lab値が得
られる。
【数2】 すなわち、上記式によればXYZ色空間中で規格化して
相対Lab値を取得したことになる。むろん、Lab色
空間中で規格化しても良い。
【0037】上述のように特定の色を変換/印刷した結
果を複数の光源下で測色した重心と変換元の特定色とが
近くなるように色変換を行う手法は必ずしも実体のある
装置に限られるものではなく、請求項16に記載した発
明のように方法の発明としても有効である。また、上述
の印刷制御装置は単独で存在する場合もあるし、ある機
器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発
明の思想としては、各種の態様を含むものである。ま
た、ソフトウェアであったりハードウェアであったりす
るなど、適宜、変更可能である。
【0038】発明の思想の具現化例として印刷制御装置
のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを
記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用され
る。その一例として、請求項17に記載した発明では印
刷制御プログラムとして発明を特定し、請求項18に記
載した発明では印刷制御プログラムを記録した媒体とし
て発明を特定している。むろん、その記録媒体は、磁気
記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよ
いし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く
同様に考えることができる。
【0039】また、一次複製品、二次複製品などの複製
段階については全く問う余地無く同等である。上記媒体
とは異なるが、供給方法として通信回線を利用して行な
う場合であれば通信回線が伝送媒体となって本発明が利
用されることになる。さらに、これらの印刷制御方法、
印刷制御プログラムおよび印刷制御プログラムを記録し
た媒体において上記請求項3〜請求項15に対応した構
成にすることも可能である。
【0040】また、印刷制御装置以外にも色変換を実行
する色変換装置や方法として発明を特定することも可能
であり、請求項19,請求項20ではこれらに対応した
構成としてある。さらに、色変換を実行する際に参照さ
れる色変換テーブルに対して本発明にかかる技術思想を
反映させることが可能であり、請求項21はそのような
色変換テーブルの作成方法として発明を特定し、請求項
22では色変換テーブル自体を発明として特定してい
る。むろん、これらの色変換装置,色変換方法,色変換
テーブルの作成方法,色変換テーブルにおいて上記請求
項3〜請求項15に対応した構成にすることも可能であ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】ここでは、下記の順序に従って本
発明の実施の形態について説明する。 (1)本発明の構成: (2)LUTの構成: (3)印刷処理: (4)画像の印刷: (5)光源依存性解消: (6)他の実施形態:
【0042】(1)本発明の構成:図1は本発明にかか
る印刷制御装置を構成するシステムの概略ハードウェア
構成を示しており、図2はコンピュータにて実現される
印刷制御装置の主な制御系の概略構成図を示している。
即ち、本実施形態においてはプリンタを制御するコンピ
ュータによって印刷制御装置を構成する。むろん、プリ
ンタがスタンドアロンで印刷を実行可能な構成において
はプリンタ内部で色変換処理を担う部分が印刷制御装置
を構成する。
【0043】コンピュータ10は演算処理の中枢をなす
CPU11を備えており、このCPU11はシステムバ
ス12を介してBIOSなどの記載されたROM13や
RAM14にアクセス可能となっている。また、システ
ムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクド
ライブ(HDD)15とフレキシブルディスクドライブ
16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、
HDD15に記憶されたOS20やアプリケーションプ
ログラム(APL)25等がRAM14に転送され、C
PU11はROM13とRAM14に適宜アクセスして
ソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時
的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
【0044】コンピュータ10にはシリアル通信用I/
O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作
用入力機器が接続されており、図示しないビデオボード
を介して表示用のディスプレイ18も接続されている。
さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介し
て接続が可能である。尚、本コンピュータ10の構成は
簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータと
して一般的な構成を有するものを採用することができ
る。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソ
ナルコンピュータに限定されるものではない。この実施
形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、
ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良
い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続イン
タフェースも上述のものに限る必要はなくSCSIやパ
ラレルインタフェースによる接続など種々の態様を採用
可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっ
ても同様である。
【0045】この例では各プログラムの類はHDD15
に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるもの
ではない。例えば、フレキシブルディスク16aである
とか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記
録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスク
ドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコン
ピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストー
ルされる。そして、HDD15を介してRAM14上に
読み込まれてコンピュータを制御することになる。ま
た、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであ
ってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカ
ードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能で
あるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサー
バにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が
伝送媒体となって本発明が利用される。
【0046】プリンタ40はコンピュータ10にインス
トールされたプリンタドライバに制御されて印刷を実行
する。図2に示すように本実施形態にかかるコンピュー
タ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と
入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライ
バ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。デ
ィスプレイDRV23はディスプレイ18における画像
データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器D
RV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力さ
れる上記キーボード31やマウス32からのコード信号
を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバであ
る。
【0047】APL25は、カラー画像のレタッチ等を
実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者
は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器
を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させ
ることができる。すなわち、APL25は利用者の指示
によりHDD15に記録された画像データ15aをRA
M14に読み出して、ディスプレイDRV23を介して
当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18
上に表示させる。利用者が上記入力機器を操作するとそ
の操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内
容が解釈されるようになっており、APL25はその操
作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行
う。
【0048】APL25にて印刷指示がなされると上記
PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディ
スプレイDRV23にデータを送出して印刷に必要な情
報を入力させるための図示しないUIを表示する。利用
者は当該図示しないUIにて印刷部数やページ数等種々
のパラメータを設定可能であり、PRTDRV21が入
力機器DRV22を介してこれらのパラメータを受け付
ける。PRTDRV21がこれらのパラメータを受け付
けると、後述するLUT(ルックアップテーブル)15
bを参照してsRGBにて色を指定した上記画像データ
15aをCMYKの各色データに色変換しつつ印刷デー
タを作成し、上記プリンタ40に印刷データを送出する
ことによって印刷を実行する。
【0049】(2)LUTの構成:図3はLUT15b
の一例およびその作成過程の概略を示している。LUT
15bではsRGBデータとCMYKデータのそれぞれ
が0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)
であるとともに各色で表現された複数の代表色が対応づ
けられている。色変換時にはこれらのsRGBデータと
CMYKデータとを参照し、補間演算により任意のsR
GBデータをCMYKデータに変換する。本実施形態に
おいてLUT15bは、CIE標準のD50光源下での
測色に基づいて作成されたLUT150を補正して作成
される。このLUT150は従来のLUTと同様であ
り、LUT150においてもsRGBデータとCMYK
データのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256
階調(8ビット)である。
【0050】LUT150ではRGBの各要素色につい
て階調値域を16分割して代表色を形成しており、RG
B各色について階調値「0,16,32,、、、25
5」の総ての組み合わせが代表色として規定されてい
る。従って、LUT15bについては17個の代表色
が存在する。図3におけるR0〜R2,G0〜G2,B0
2も上記階調値「0,16,32,、、、255」の
いずれかの値を有している。
【0051】PRTDRV21においてLUT150を
参照し、これらのsRGBデータと対応づけられたCM
YKデータにて印刷を行った場合、その印刷結果をD5
0光源下で観察したときに、上記sRGBデータで表現
される色と略同色になるように構成してある。但し、s
RGBデータと略同色と言っても全く同色、すなわち、
Lab色空間中で全く同一の座標にすることは通常困難
である。また、D50光源と異なるCIE標準のA光源
やF光源等で印刷結果を観察した場合にも、元のsRG
Bデータで表現される色と全く同色にはならず、各光源
で観察した色が相互に異なった色に見えることがある。
【0052】そこで、本発明では光源依存性解消のた
め、LUT150を補正してLUT15bを作成し、予
め上記HDD15に保存しておく。図3においては、s
RGBデータを補正した場合の例を示している。また、
この補正では後述するように各sRGBデータが示す色
のLab色空間中の座標と、変換後のCMYKデータで
の印刷結果をD50,A,F光源下で測色して得られる
Lab色空間中の各座標の重心とが略同値になるように
している。例えば、LUT150の(R0,G0,B0
を補正し、LUT15bでは(R4,G4,B4)として
いる。このsRGBデータに対応する(C0,M0
0,K0)をD50,A,F光源で測色しLab色空間
中の重心を算出すると、当該重心と(R4,G4,B4
で示される色のLab色空間中の座標がほぼ一致する。
【0053】従って、LUT15bを利用して色変換を
実施し、プリンタ40にて印刷を行うと、その印刷結果
をD50,A,Fのいずれの光源で観察しても元の色と
略同色に見える。むろん、LUTとしては、プリンタ4
0にて使用可能なメディアやインクセット毎に異なるテ
ーブルを作成し、適宜選択可能に構成することもでき
る。尚、本実施形態において上記画像データ15aはR
GBの各要素色を階調表現したドットマトリクス状のデ
ータであり、sRGB規格に準拠したデータである。ま
た、sRGB規格に準拠したデータは、公知の式によっ
てLab色空間中の座標値に変換することができる。
【0054】(3)印刷処理:本実施形態において、上
記PRTDRV21は上記LUT15bを使用して色変
換を行いつつ、プリンタ40に印刷を実行させる。すな
わち、PRTDRV21は印刷を実行するために図2に
示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュー
ル21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷デ
ータ生成モジュール21dとを備えている。利用者が上
記APL25にて印刷実行を指示すると、図4に示すフ
ローに従って印刷処理を実行する。印刷処理が開始され
るとステップS100において上記画像データ取得モジ
ュール21aは上記RAM14に格納された画像データ
15aを取得する。
【0055】すると、ステップS110にて画像データ
取得モジュール21aは上記色変換モジュール21bを
起動する。色変換モジュール21bは、RGB階調値を
CMYK階調値に変換するモジュールであり、同ステッ
プS110にて上記画像データ15aの各ドットデータ
をCMYKのドットデータに変換する。色変換モジュー
ル21bが色変換を行ってCMYKの階調データを生成
すると、ステップS120にて上記ハーフトーン処理モ
ジュール21cが起動され、当該CMYKの階調データ
が上記ハーフトーン処理モジュール21cに受け渡され
る。
【0056】ハーフトーン処理モジュール21cは、各
ドットのCMYK階調値を変換してインク滴の記録密度
で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールで
あり、同ステップS120にて変換後の記録密度でイン
クを付着させるためのヘッド駆動データを生成する。印
刷データ生成モジュール21dはかかるヘッド駆動デー
タを受け取って、ステップS130にてプリンタ40で
使用される順番に並べ替える。すなわち、プリンタ40
においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノ
ズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副
走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査
方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
【0057】そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同
時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッ
ファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズ
を行う。このラスタライズの後、画像の解像度などの所
定の情報を付加して印刷データを生成し、ステップS1
40にて上記USB用I/O19bを介してプリンタ4
0に出力する。プリンタ40においては当該印刷データ
に基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を印
刷する。このプリンタ40においては、上述のようにC
MYK階調値データに基づいてCMYKの各色インクを
印刷媒体に付着させる。ステップS150にて以上の処
理を全ラスタについて終了したと判別されるまでステッ
プS100以降の処理を繰り返すことによって印刷を完
了する。
【0058】(4)画像の印刷:次に、上記構成におい
て画像を印刷する際の動作を図5に示す動作概念図に基
づいて説明する。図5のディスプレイ18の表示画面は
上記APL25の実行画面を示しており、APL25で
画像データ15aを読み出すと当該画像データ15aが
RAM14に格納され、ディスプレイDRV23の処理
によって画像データ15aに基づく画像Aがディスプレ
イ18上に表示される。本発明は、光源の変化によって
色の見え方が変化しやすいグレー等の略無彩色などに対
してその効果が顕著に現れることから、背景が暗く略無
彩色を多く含む画像Aを例にして説明する。APL25
においてはディスプレイ18に表示した画像Aに対して
種々のレタッチ等を実行可能であるとともに当該画像A
の印刷実行指示を行うことが可能である。同図の実行画
面はHDD15に格納されている画像データ15aを読
み出して印刷実行指示を行う状態の画面であり、マウス
32の操作によってファイルメニュー内の印刷タブを選
択することによって印刷実行指示を行うことができる。
【0059】画像Aに含まれる略無彩色は、可視光の全
波長についての分光反射率が略一定であることが理想で
あるが、分光反射率に一定ではない波長領域が存在する
と、光源が変化して特定の波長のエネルギーが強くなっ
たときに反射光のエネルギー変化がより際だって特定の
色味を帯びることがある。しかし、本発明にかかるLU
T15bを参照してsRGBデータをCMYKデータに
変換して印刷を実行した場合、当該CMYKデータでの
印刷結果を複数の光源下で測色した測色結果の重心が当
該sRGBデータによる色に近くなる。本発明では、上
記APL25による印刷指示によって上記LUT15b
を参照して色変換を実施し、プリンタ40にて印刷を行
う。この結果として得られた画像Bを太陽光(D50光
源とほぼ同様の分光分布),蛍光灯(F光源とほぼ同様
の分光分布),白熱灯(A光源とほぼ同様の分光分布)
の下で観察しても色変換元に近い色となる。従って、光
源変化によって色の見え方の差異が生じない。
【0060】ここで、上記LUT15bは図3に示すよ
うに、sRGBデータとCMYKデータとを対応させた
テーブルであり、上記ステップS110においてはこれ
らの代表色に基づいて補間演算を行うことによって任意
のRGB階調値とCMYK階調値とを対応づけている
が、補間演算の手法としては公知の種々の技術が適用可
能である。例えば、四面体補間演算やスプライン補間演
算等を採用可能である。また、LUT15bに備えられ
た代表色を補間演算によってより多数の代表色に展開
し、当該展開された代表色をRAM14にバッファリン
グするとともに当該RAM14内の代表色を参照してさ
らに補間演算を実行するように構成すること等も可能で
ある。むろん、色変換テーブルを使用して色変換を行う
構成の他、予め変換マトリックスを定義するプロファイ
ル等の色変換を行っても良い。
【0061】(5)光源依存性解消:以下、本発明にか
かる構成によって色の光源依存性が解消する仕組みを説
明する。まず、人間の目における色の見え方を説明す
る。図6は人間の目における色の見え方を説明する説明
図である。人間の目は光の波長によって色の差異を識別
するので、人間の目に入射する光の中にどの波長の光が
どれぐらい含まれているかを規定すると共に、どの波長
の光に対して人間の目がどのように反応するかを規定す
ることによって人間の目に見える色を特定することがで
きる。
【0062】印刷物から人間の目に入射する光の波長は
光源に含まれる波長の分布すなわち光源の分光分布L
(λ)と印刷物からの反射光に含まれる波長の分布すな
わち印刷物の分光反射率R(λ)とに規定される。人間
の目が光の波長にどのように反応するかは等色関数x
(λ),y(λ),z(λ)で規定される。ここで、x
(λ)は要素色赤の感度、y(λ)は要素色緑の感度、
z(λ)は要素色青の感度を示している。尚各等色関数
には通常その文字の上に「横線」を付してエックスバー
などと表現するが、本明細書では簡単のために「横線」
を省略して示す。また、本実施形態におけるプリンタ4
0の様なインクジェットプリンタにおいて、分光反射率
R(λ)は印刷用紙が露出する部分における印刷用紙の
分光反射率とインクの分光反射率とを重畳(面積比を係
数とした線形結合)して生成される。これらの式におい
て上記λは光の波長である。
【0063】色の見え方は上記光源の分光分布L(λ)
と分光反射率R(λ)と等色関数x(λ),y(λ),
z(λ)とを乗じて波長で積分することによって三刺激
値XYZとして計算される。すなわち、下記式(3)に
て三刺激値XYZが計算される。
【数3】
【0064】人間の目に見える色はこの三刺激値XYZ
によって特定される。すなわち、三刺激値XYZの値の
組み合わせによって色が一義的に決定する。この三刺激
値を規定する要因のうち、上記等色関数x(λ),y
(λ),z(λ)は人間の目の特性の平均値であって人
為的に変更不可能であり、上記光源の分光分布L(λ)
は光源の変化によって当然に変動し、光源依存性を解消
する本発明は、LUT15b内に規定するデータを従来
のLUT150から変更することにより、この光源の分
光分布L(λ)が変動したときの対策を行うものであ
る。図7は、ある分光反射率Rgray(λ)を有するグレ
ーの印刷結果に対して各光源が与える影響を説明する説
明図である。
【0065】同図においては、D50光源とA光源とに
ついて示しており、D50光源の分光分布をL
D50(λ)、A光源の分光分布をLA(λ)として示して
いる。グレーの分光反射率Rgray(λ)は可視光の全波
長領域に対して変動の少ない分光反射率となっており、
各色の等色関数に対して偏りなく作用することによって
人間の目にグレーを認識させる。従って、図7に示すよ
うに可視光の全波長領域に対して変動の少ないD50光
源の分光分布LD50(λ)とグレーの分光反射率Rgray
(λ)とを乗じた結果としても同図左下に示すように可
視光の全波長領域に対して変動が少なくなり、人間の目
にグレーとして認識させることができる。
【0066】一方、同図に示すようにA光源の分光分布
A(λ)は可視光の高波長側になるほどエネルギーが
高くなる傾向にあり、この分光分布LA(λ)と上記グ
レーの分光反射率Rgray(λ)とを乗じると、同図右下
に示すように低波長から高波長に向けて大きくなる上記
A光源の性質を反映したものになる。人間の目には色順
応という性質が備わっており、光源が変化した場合に光
源の分光分布を加味して色を感じることができるが、図
7に示すように低波長側が比較的小さく高波長側が比較
的大きな分光反射率Rgray(λ)と低波長側が小さく高
波長側が大きな分光分布LA(λ)とを乗じると、低波
長側が小さく高波長側が大きな両者の性質を強調するこ
とになる。この場合、人間の目が色順応を行ったとして
も、高波長側の色の色味(赤み)を帯びて見えてしま
う。従って、分光反射率Rgray(λ)を有するグレーを
D50光源下とA光源下とで観察したときに、両者が異
なって見える。
【0067】三刺激値XYZを規定する要因のうち、上
記分光反射率R(λ)の大部分はインクの分光反射率が
担っているので、LUTを調整することによって人為的
に変更可能である。そこで、本発明はあるsRGBデー
タに対応するCMYKデータを規定するに当たり、複数
光源による影響を加味してLUT15bを作成する。す
なわち、従来のLUT150は、特定の光源下での測色
に基づいて作成されているので、複数の光源による色の
見え方を考慮してLUT15bを作成している。
【0068】以下、このようなLUT15bを作成する
ための具体的な作業を詳説する。LUT15b作成のた
めの一連の処理としては例えば図8に示すフローに従っ
た処理にて実現可能である。この作業においては多くの
演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演
算を実行するのが好ましい。上記従来通りのLUT15
0では、sRGB色空間において全空間を網羅した色変
換を実施可能にするようにsRGBデータが示す代表色
を規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれら
のsRGBデータとプリンタ40で使用するCMYKデ
ータによる色をLab空間の座標値に変換し、当該La
b空間内で上記sRGBデータとCMYKデータとを対
応づける。
【0069】このためにまずステップS200にて上記
図3のLUT150に示す17個のsRGB階調値を
抽出し、ディスプレイ18の代表色とする。ステップS
205においては、当該確定したsRGB階調値をLa
b空間の座標値に変換する。sRGB規格に準拠した画
像データは公知の変換式によりLab空間の座標値に変
換することができるので、同ステップS205において
は変換式に基づいてLab座標へ変換しても良いし、上
記代表色による色をディスプレイ18上に表示させ、測
色器等によってLab座標を取得しても良い。以上の結
果、sRGBの代表色に該当する色のLab座標値が得
られ、両者の対応関係が規定されたことになる(ステッ
プS210)。
【0070】次に、ステップS220においては、多数
のCMYKデータを使用して多数のパッチを印刷する。
これらの各色パッチとそのCMYKデータを把握してお
き、ステップS225では色パッチをD50光源で測色
する。この結果、各色パッチをD50光源下で観察した
ときの色をLab空間の座標として対応づけたことにな
る。以上の作業により、sRGBの代表色に該当する色
のLab座標値と、CMYKデータに対応づけられたL
ab座標値が得られるので、ステップS230において
はこれらのLab座標値を使用してsRGBデータとC
MYKデータとの対応関係を規定する。
【0071】すなわち、LUT150を作成する。ここ
で、上記ステップS205,S225で得たLab空間
内の座標値は互いに一致しているとは限らず、両データ
の対応関係は補間演算や最適値探索法等によって求める
ことができる。補間演算を使用するといっても、上記色
パッチを多数印刷して多数の色についてLab座標値を
得ておけば正確に対応関係を規定することができる。こ
のようにしてD50光源のみに基づいて従来と同様のL
UT150が作成されると、さらにステップS232に
て当該LUT150の代表色についてのパッチを印刷す
る。すなわち、図3のLUT150に示す17個のs
RGBデータに対応付けられた各CMYKデータにて印
刷を行う。
【0072】ステップS235では、これらの各パッチ
をD50光源,A光源およびF光源下で測色する。この
結果、LUT150に示す17個のsRGBデータに
対応付けられた各CMYKデータにて印刷を行った結果
をD50光源,A光源およびF光源下で観察したときの
色がLab空間の座標として取得される。ステップS2
40では、これらの測色結果をに基づいて、LUT15
0を補正し、LUT15bを作成する。このLUT15
bの作成においては、LUT150に規定されたsRG
Bデータを補正してもよいし(図3はsRGBデータを
補正した場合を示している)、CMYKデータを補正し
てもよい。尚、本実施形態では、複数光源として上記D
50光源,A光源およびF光源を使用しているが、むろ
ん、光源はこれらのものに限られることはなく、光源の
数を変更してもよいし、光源の種類を変更してもよい。
たとえば、普通型蛍光灯(CIE標準のF1〜F6光
源),高演色形蛍光灯(CIE標準のF7〜F9光源),
3波長型蛍光灯(CIE標準のF10〜F13光源)の3
種類を使用するような構成としてもよい。
【0073】図9は、上記ステップS240における具
体的な処理フローの一例を示しており、上記LUT15
0にてsRGBデータを補正する場合の処理フローを示
している。上記ステップS235にてD50光源,A光
源およびF光源下にて各パッチを測色した後には、図9
のステップS300にてあるパッチについてD50光
源,A光源およびF光源での測色結果の重心を算出す
る。図10は、重心を算出する様子を説明する説明図で
あり、測色によって得られたLab色空間の座標を示し
ている。
【0074】各測色値はLab色空間中の座標を与える
ので、各光源下で測色した色のLab色空間中の位置が
判明し、これらの座標についてL成分,a成分,b成分
のそれぞれについて平均を算出することによってLab
色空間中の重心座標が特定される。図10ではD50光
源,A光源およびF光源のそれぞれの測色結果にD0
0,F0と付し、重心座標にg0と付して示している。
【0075】グレーのように、人間の目が明度変化に比
較的鈍感で、彩度および色相変化に比較的敏感な色に対
しては、上述のように3次元空間中の重心を算出するこ
となく、特定の明度平面上で重心を算出しても良い。例
えば、図10に示すように上記D50光源,A光源およ
びF光源のそれぞれの測色結果をab平面上に投影した
座標D0’と座標A0’と座標F0’において重心g0’を
算出すれば、明度に関しては考慮せず、彩度および明度
を考慮することができる。
【0076】重心座標g0のLab色空間中の座標を算
出したら、ステップS310にて当該Lab色空間中の
座標を公知の式にてsRGBデータに変換する。そし
て、ステップS320において、当該変換したsRGB
データで上記測色したパッチに該当するsRGBデータ
を更新する。ステップS330では上記LUT150に
規定されている全パッチについてデータを更新したか否
かを判別しており、同ステップS330にて全パッチに
ついてデータを更新したと判別されるまで上記ステップ
S300以降の処理を繰り返す。ステップS330にて
全パッチについてデータを更新したと判別されたときに
は、その更新後のLUTが上記LUT15bになる。
【0077】図11は、上記図3に示したLUT150
のsRGBデータ(R0,G0,B0)を補正し、LUT
15bで(R4,G4,B4)とする様子を説明する説明
図である。図11においては、簡単のために各座標
0,A0,F0をab平面に投影して示している。sR
GBデータ(R0,G0,B0)は、上記図3のLUT1
50にてCMYKデータ(C0,M0,Y0,K0)に対応
づけられている。
【0078】従って、LUT150を参照しつつsRG
Bデータ(R0,G0,B0)を色変換し、プリンタ40
でパッチを印刷すると、CMYKデータ(C0,M0,Y
0,K0)でのパッチが印刷される。このパッチをD50
光源で測色したときに、Lab色空間中の座標D
0(L0,a0,b0)が得られるとする。上記CMYKデ
ータ(C0,M0,Y0,K0)で印刷したパッチをA光
源,F光源で測色したときにLab色空間中の座標A0
(L1,a1,b1),座標F0(L2,a2,b2)が得ら
れるとする。
【0079】sRGBデータが示す色がグレーの場合
は、R0,G0,B0が等値であってLab色空間中でa
b軸の交点上に存在するが、CMYKデータでは有彩色
インクであるCMYインクを組み合わせて無彩色を表現
するため、上記sRGBデータ(R0,G0,B0)が示
す色と座標D0(L0,a0,b0)とが同値にならない場
合がある。LUT150を作成するときに両者が略同色
に見えるようにしてあるものの、sRGBデータ
(R0,G0,B0)をA光源、F光源で測色して得られ
た座標A0(L1,a1,b1)および座標F0(L2
2,b2)と座標D0(L0,a0,b0)とは異なってい
るので、これが光源によって色の見え方に差異を生じる
原因となる。
【0080】そこで、本実施形態ではsRGBデータ
(R0,G0,B0)を補正して、sRGBデータ(R4
4,B4)にする。このsRGBデータ(R4,G4,B
4)は上記座標D500,座標A0,座標F0の重心に対応
しており、重心座標g0(L3,a3,b3)を公知の式に
よってsRGBデータに変換した結果がsRGBデータ
(R4,G4,B4)である。
【0081】このようにしてLUT150を補正してL
UT15bを作成すると、上記コンピュータ10にてs
RGBデータ(R4,G4,B4)を有する色がCMYK
データ(C0,M0,Y0,K0)に変換されて印刷がなさ
れるようになる。この印刷結果をD50光源で観測した
色と上記sRGBデータ(R4,G4,B4)が示す色と
は全く同一の色にはならないが、両者はLab色空間中
で近い距離にあり略同色と見なすことができ、A光源,
F光源のいずれで観察してもその色と上記sRGBデー
タ(R4,G4,B4)が示す色とがLab色空間中で近
い距離にあり、略同色とみなすことができる。従って、
本実施形態にかかるLUT15bにて色変換を行いつつ
印刷を行った結果においては、光源の差異による色の見
え方の差異が低減されている。
【0082】本実施形態においてLUT15bに規定さ
れた代表色は有限個数であるが、LUT150を上述の
ように補正してLUT15bとすることにより、sRG
B色空間全体に渡ってsRGBデータで表現された色
が、色変換後のCMYKデータでの印刷結果をD50光
源下で測色して得られるLab色空間中の座標よりD5
0,A,F光源下で測色して得られるLab色空間中の
各座標の重心に近くなるように色変換することが可能に
なる。
【0083】このような色変換をさせるようにLUTを
補正する構成としては上述のようにLUT150のsR
GBデータを補正する構成の他、LUT150のCMY
Kデータを補正する構成を採用することもできる。図1
2は上記ステップS240における具体的な処理フロー
であってCMYKデータを補正する場合の一例を示して
おり、図13は上記図3に示したLUT150のCMY
Kデータ(C0,M0,Y0,K0)を補正し、本発明にか
かるLUTとする様子を簡単のために2次元平面で説明
する説明図である。
【0084】むろん、この場合はLUT150のCMY
Kデータを補正するので、補正後のLUTにおいては図
3に示すLUT15bの様にsRGBデータが変更され
るのではなく、CMYKデータが変更される。上記ステ
ップS235にてD50光源,A光源およびF光源下に
て各パッチを測色した後に、図12のステップS400
ではあるパッチについてD50光源,A光源およびF光
源での測色結果の重心を算出する。ここでも、Lab色
空間中の3次元座標から重心を算出する構成および定明
度平面上に投影して2次元座標から重心を算出する構成
のいずれをも採用することができる。
【0085】このようにして重心座標g0のLab色空
間中の座標を算出したら、ステップS410にて当該重
心座標g0と変換元の色(R0,G0,B0)に該当する座
標との相対位置関係から新たな座標D1(L4,a4
4)を算出する。尚、(R0,G0,B0)に該当するL
ab値は公知の式によって容易に算出することができ
る。座標D1の算出においては、図13に示すように重
心座標g0と変換元の(R0,G0,B0)に該当する座標
との偏位を示す色差ベクトルΔEを算出し、色差ベクト
ルΔEと上記座標D0との和を算出することにより、座
標D1としている。すなわち、座標D0に色差ベクトルΔ
Eと同様の偏位を与えて座標D1としている。
【0086】ステップS420では、上記従来のLUT
150を参照し、補間演算によって上記座標D1に該当
するCMYKデータ(C3,M3,Y3,K3)を算出す
る。上記座標D1はLab色空間中の値を有している
が、上述のように公知の式によってLab値を容易にs
RGBデータに変換することができるので、当該変換後
には上記従来のLUT150を使用して座標D1に該当
する色のCMYKデータ(C3,M3,Y3,K3)を算出
することができる。上述のLUT150はD50光源に
よって測色された値に基づいて作成されているので、C
MYKデータ(C3,M3,Y3,K3)で印刷された色
は、D50光源下での観察によって座標D1の色とな
る。
【0087】この色を上記A光源やF光源下で測色した
場合に、その色は座標D1の色と異り、図13に示すよ
うな座標A1,座標F1となる。座標D1は上述のように
座標D0に色差ベクトルΔEの偏位を与えた位置に存在
し、上記座標A1と座標A0の偏位関係および座標F1
座標F0の偏位関係も上記色差ベクトルΔEにほぼ等し
い。従って、座標D1,座標A1,座標F1の重心座標と
上記座標(R0,G0,B0)はほぼ等しい。
【0088】そこで、ステップS430では、上記ステ
ップS420にて算出したCMYKデータ(C3,M3
3,K3)にて上記従来のLUT150を補正する。ス
テップS440では上記LUT150に規定されている
全パッチについてデータを更新したか否かを判別してお
り、同ステップS440にて全パッチについてデータを
更新したと判別されるまで上記ステップS400以降の
処理を繰り返すことにより、本発明にかかるLUTを作
成する。
【0089】このようにして作成したLUTを参照して
色変換を実行すると、光源の差異による色の見え方の差
異を低減することができる。例えば、sRGBデータ
(R0,G0,B0)を色変換して印刷を行うと、CMY
Kデータ(C3,M3,Y3,K3)にて印刷がなされる
が、この印刷結果をD50光源,A光源,F光源で測色
して得られるLab色空間中の座標は、座標D1,座標
1,座標F1であるので、これらの重心座標と上記変換
元の色に該当する座標(R0,G0,B0)が非常に近
い。従って、いずれの光源下で観察してもほぼ変換元の
色に見えるとともに、光源によって見え方に差異が生じ
ない。
【0090】尚、このようにして作成したLUTにおい
ては、sRGBデータを補正していないので、LUT内
のsRGB値は上記LUT150に示す値と同値であ
る。これらの値は予め分かっており、かつRGBの各階
調値が均等に変化するので、LUTとしてこれらの階調
値自体を記憶させる必要が無くなる。CMYKデータだ
け記憶しておけば、何番目のCMYKデータがいずれの
sRGBデータに該当するのかを容易に判別することが
できるからである。このように階調値自体を記憶させる
必要がなければ、補間演算が容易となって処理速度が向
上するし、LUTのためのリソースを低減することがで
き、実装上有利である。
【0091】(6)他の実施形態:上記第1の実施形態
においては、従来のLUT150に規定された全代表色
について補正を行って本発明にかかるLUT15bを作
成したが、本発明を実現するに当たり、全代表色につい
て補正を行うことが必須と言うわけではない。すなわ
ち、本発明による光源依存性解消効果が顕著に現れる色
について上述のように特定色を複数光源下での測色値の
重心に近づける補正を行って、他の色については当該補
正に合わせる構成を採用することもできる。
【0092】図14は光源依存性解消効果が顕著に現れ
る色を説明する説明図である。ここでは、グレー軸上の
色(sRGBデータで各要素色の階調値が等しい値を有
する色)について説明する。同図はLab色空間中の特
定のab平面について原点O付近を拡大して示す図であ
り、グレー軸上の色について従来のLUT150にて色
変換をして印刷を行った結果を測色して得られた座標を
同ab平面に投影して示している。
【0093】sRGBデータで各要素色の階調値が等し
い値はグレーを示しているが、これらの色について従来
のLUT150にて色変換を行って印刷を行った場合に
は、上述のように必ずしも完全な無彩色になるとは限ら
ない。しかも、この彩度は各明度によって一定ではな
い。さらに、白点は紙の色であり黒点はブラックインク
のみの色によって表現されるので、白点と黒点は完全な
無彩色に極めて近くなる。
【0094】従って、グレー軸上の各色を印刷した結果
を測色した座標をab平面上に投影して線で結ぶと、図
14のようにほぼ閉曲線となる。閉曲線Dcは印刷結果
をD50光源で測色した場合の投影を示しており、閉曲
線Acは印刷結果をA光源で測色した場合の投影を示し
ており、閉曲線Fcは印刷結果をF光源で測色した場合
の投影を示している。従来のLUT150はD50光源
での測色に基づいて作成されたものであるが、測色結果
がある程度の彩度を有することを避けることは困難であ
る。
【0095】光源の差異によって生じる色の見え方の差
異は、ある印刷結果を各光源で測色したときのLab色
空間中の座標が互いに遠いほど顕著である。上記閉曲線
c,閉曲線Ac,閉曲線Fcにて彩度が大きくなるほど
ある印刷結果を各光源で測色したときのLab色空間中
の座標が互いに遠くなるので、上記閉曲線Dc,閉曲線
c,閉曲線Fcの中で最大彩度となる色について本発明
を適用すると最も効果的である。
【0096】そこで、各閉曲線での最大彩度点Dmax
max,Fmaxのいずれかについて本発明を適用すると良
い。むろん、ある色の印刷結果を測色したものが最大彩
度点Dmax,Amax,Fmaxとなる場合には当該色につい
て本発明を適用すればよいし、最大彩度点Dmax
max,Fmaxを与える色の変換元が異なる場合には、そ
のいずれかについて本発明を適用すればよい。この場
合、標準光源とされるD50での測色結果が最大彩度と
なる色について適用しても良いし、ab平面上に投影し
たときに最大彩度となる色(図14ではAmax)につい
て適用しても良いし、一般家庭等での使用状態を想定し
て使用頻度の高い光源種類について適用しても良い。
【0097】この実施形態において従来のLUT150
のsRGBデータ,CMYKデータのいずれを補正して
も良い。この補正の後には、この補正に合わせて従来の
LUT150における他のCMYKデータも補正するの
が好ましい。図15は、これらの補正を説明するための
説明図である。同図においては、Lab色空間において
L軸を通るある面を示しており、横軸は彩度cである。
(c=(a2+b21/ 2,cは通常*を付して表示する
が本明細書では*を省略する。以下同じ)
【0098】同図においては、上記図13のようにCM
YKデータを補正する様子を示しており、各点は従来の
LUT150に規定されたsRGBデータについて色変
換を行って印刷した色をD50光源で測色した座標の投
影点である。同図においては、グレー軸上の色の印刷結
果の最大彩度点が上記図13に示す座標D0であり、こ
の色について図13と同様に色差ベクトルΔEにて補正
をすると座標D1となる。
【0099】LUT150の他の代表色についてもこの
補正に合わせる手法は種々のものが存在するが、図15
では当該座標D1から白点Wに引いた直線l上および黒
点Kに引いた直線m上に存在する色で上記従来のLUT
150を補正することにしている。この補正によれば標
準光源とされるD50光源下で印刷色を観察したときに
トーンジャンプが発生することを防止することができ
る。直線l,m上に存在する色の選び方としては種々の
構成を採用可能であり、例えば、従来のLUT150で
の印刷結果を測色して得られる座標D2を補正するに当
たり、座標D2と同明度かつ上記直線l上にある座標D3
を選択する。
【0100】この座標D3はLab色空間中の座標であ
り、その成分はLab値であるが、Lab値は公知の式
によってsRGBデータに変換することができ、sRG
Bデータは上記従来のLUT150を参照した補間演算
を実施することによりCMYKデータに変換することが
できる。従って、この変換によって得られたCMYKデ
ータにて上記従来のLUT150を更新することによっ
て、上記直線l上の色を印刷させるような色変換テーブ
ルを作成することができる。
【0101】上記例ではD50光源で測色した座標がL
ab色空間中で直線上に並ぶように補正しているが、む
ろん、他の光源での測色座標、例えば彩度が最も大きく
なるA光源での測色座標を直線上に並ぶように補正して
も良い。この場合、一連の補正ではグレー軸上の色の印
刷や直線上の色の補間演算等に上記従来のLUT150
を使用するので、A光源を使用して当該従来のLUT1
50を作成するとよい。他にも、使用頻度の高い光源で
測色した座標がLab色空間中で直線上に並ぶように補
正する構成等、種々の構成を採用可能である。
【0102】グレー軸上の色について本発明を適用する
際に、重心を考慮した補正を行うのは一点に限られず、
他の点について重心に近づける補正を行っても良い。む
ろん、従来のLUT150についてCMYKデータを補
正する構成の他、従来のLUT150について重心を考
慮してsRGBデータを補正した場合であっても、上述
のように特定の光源で測色した座標が所定の直線上に並
ぶように補正をすることができる。
【0103】さらに、上述のようにグレー軸上の色につ
いて適用する他、グレー軸上以外の色について本発明を
適用することも可能である。例えば、彩度の大きな有彩
色について本発明を適用することができる。RGBの各
要素色を軸変数としたRGB色空間においてディスプレ
イ18の色域は立方体となる。当該立方体において白と
黒とを除く頂点CMYRGBはLab色空間においても
頂点となって高彩度の色となる。高彩度の色は上記分光
反射率R(λ)が大きく、色の見え方に対するインクの
影響が大きいので、光源の差異によって色の見え方に差
異が生じやすい。
【0104】そこで、これらRGB色空間中の立方体頂
点の色のいずれかについて従来のLUT150を補正し
て頂点の色が複数光源での測色値の重心に近くなるよう
にすれば、光源の差異による色の見え方の差異を効果的
に低減することができる。むろん、この場合も頂点に対
する補正に伴って周りの色も補正することが好ましい。
すなわち、当該補正後に印刷された結果の測色座標と他
の頂点についての測色座標を結ぶ直線上に特定光源での
測色座標が並ぶように色変換テーブルを作成すると良
い。また、複数の頂点に対して適用することもできる
し、これら頂点に対する補正と上記グレー軸上の色に対
する補正とを併用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷制御装置を構成するシステムの概略ハード
ウェア構成を示す図である。
【図2】コンピュータにて実現される印刷制御装置の主
な制御系の概略構成図である。
【図3】LUTの一例およびその作成過程の概略を示す
図である。
【図4】印刷処理のフローチャートである。
【図5】本発明における画像印刷の動作概念を示す図で
ある。
【図6】人間の目における色の見え方を説明する説明図
である。
【図7】あるグレーの印刷結果に対して各光源が与える
影響を説明する説明図である。
【図8】LUTの作成作業フローチャートである。
【図9】LUTの補正処理例を示すフローチャートであ
る。
【図10】重心を算出する様子を説明する説明図であ
る。
【図11】sRGBデータを補正してLUTを作成する
様子を説明する説明図である。
【図12】LUTの補正処理例を示すフローチャートで
ある。
【図13】CMYKデータを補正してLUTを作成する
様子を説明する説明図である。
【図14】光源依存性解消効果が顕著に現れる色を説明
する説明図である。
【図15】重心を考慮した補正および当該補正に伴って
周りの色に対して行う補正を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
10…コンピュータ 11…CPU 12…システムバス 13…ROM 14…RAM 15…HDD 15a…画像データ 15b…LUT 150…従来のLUT 16…フレキシブルディスクドライブ 17…CD−ROMドライブ 18…ディスプレイ 20…OS 21…PRTDRV 21a…画像データ取得モジュール 21b…色変換モジュール 21c…ハーフトーン処理モジュール 21d…印刷データ生成モジュール 22…入力機器DRV 23…ディスプレイDRV 25…アプリケーションプログラム 31…キーボード 32…マウス 40…プリンタ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C262 AA02 AA18 AA24 AB11 AC02 BA02 BA17 BC01 BC19 FA13 5B057 AA11 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE11 CE17 CE18 CH07 CH08 CH11 CH12 CH18 5C077 LL12 LL19 MM27 MP08 PP13 PP15 PP32 PP33 PP36 PP37 PP46 PP72 PQ08 PQ12 PQ18 PQ22 PQ23 RR19 SS02 SS03 TT02 5C079 HA18 HB01 HB03 HB07 HB08 JA17 JA26 KA20 LA12 LA28 LA31 LB11 MA02 MA04 MA10 MA11 NA03 PA03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を構成するドットマトリクス状の画
    素の色を第1の画像機器で使用される複数の要素色で表
    現した第1画像データを取得し、各画素の色を印刷装置
    で使用される複数の要素色で表現した第2画像データに
    色変換しつつ印刷装置での印刷を実行させる印刷制御装
    置であって、 上記色変換後の第2画像データで印刷した結果を複数の
    光源下で測色したときに、各測色で得られた色の平均が
    上記第1画像データで表現される色に相当することを特
    徴とする印刷制御装置。
  2. 【請求項2】 画像を構成するドットマトリクス状の画
    素の色を第1の画像機器で使用される複数の要素色で表
    現した第1画像データを取得し、各画素の色を印刷装置
    で使用される複数の要素色で表現した第2画像データに
    色変換しつつ印刷装置での印刷を実行させる印刷制御装
    置であって、 上記第1画像データで表現された特定色を第2画像デー
    タに色変換するに当たり、当該特定色の所定色空間中の
    座標が、色変換後の第2画像データでの印刷結果を特定
    の光源下で測色して得られる所定色空間中の座標より複
    数の光源下で測色して得られる所定色空間中の各座標の
    重心に近くなるように色変換を行う色変換手段を具備す
    ることを特徴とする印刷制御装置。
  3. 【請求項3】 上記色変換手段は、少なくとも1色以上
    の特定色の所定色空間中の座標と第2画像データでの印
    刷結果を複数光源下で測色して得られる所定色空間中の
    各座標の重心とが略同値になるように色変換を行うこと
    を特徴とする上記請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 【請求項4】 上記複数の光源は、CIE標準の光のD
    系とA系とF系との少なくとも2つを含むことを特徴と
    する上記請求項2または請求項3のいずれかに記載の印
    刷制御装置。
  5. 【請求項5】 上記複数の光源は、CIE標準の光の普
    通型蛍光灯と高演色形蛍光灯と3波長型蛍光灯との少な
    くとも2つを含むことを特徴とする上記請求項2〜請求
    項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
  6. 【請求項6】 上記所定色空間は均等色空間であること
    を特徴とする上記請求項2〜請求項5のいずれかに記載
    の印刷制御装置。
  7. 【請求項7】 上記均等色空間内で上記特定色の座標と
    上記重心の座標とは色差3以内の距離にあることを特徴
    とする上記請求項6に記載の印刷制御装置。
  8. 【請求項8】 上記色変換手段は、上記特定色と上記重
    心とを均等色空間中の定明度平面上に投影した状態で両
    者が近くになるように色変換を行うことを特徴とする上
    記請求項6または請求項7のいずれかに記載の印刷制御
    装置。
  9. 【請求項9】 上記色変換手段は、予め所定の記憶媒体
    に保持されるとともに複数の代表色について上記第1画
    像データと第2画像データとを対応づけた色変換テーブ
    ルを参照して補間演算を実施することによって色変換を
    実行可能であり、同色変換テーブルは上記特定色の所定
    色空間中の座標を上記所定色空間中の各座標の重心に近
    い座標に変換するためのデータを有していることを特徴
    とする上記請求項2〜請求項8のいずれかに記載の印刷
    制御装置。
  10. 【請求項10】 上記色変換テーブルは、第2画像デー
    タでの印刷結果を上記特定の光源下で測色して得られる
    所定色空間中の座標と第1画像データが示す色の所定色
    空間中の座標とにより両画像データを対応づけつつ作成
    された元テーブルについて第1画像データを補正するこ
    とによって作成され、当該補正では、元テーブルを参照
    して第1画像データを第2画像データに変換して印刷し
    た場合の印刷結果を複数の光源下で測色し、所定色空間
    中の各座標の重心を得るとともに、上記参照された第1
    画像データを変更し、変更後の第1画像データが示す上
    記特定色の所定色空間中の座標を当該重心の座標に近づ
    けることを特徴とする上記請求項9に記載の印刷制御装
    置。
  11. 【請求項11】 上記色変換テーブルは、第2画像デー
    タでの印刷結果を上記特定の光源下で測色して得られる
    所定色空間中の座標と第1画像データが示す色の所定色
    空間中の座標とにより両画像データを対応づけつつ作成
    された元テーブルについて第2画像データを補正するこ
    とによって作成され、当該補正では、上記元テーブルの
    第2画像データを変更し、変更後の第2画像データによ
    る印刷結果を複数の光源下で測色した座標の重心が、上
    記元テーブルにて変更前の第2画像データに対応づけら
    れていた第1画像データが示す特定色の所定色空間中の
    座標に近づくようにすることを特徴とする上記請求項9
    に記載の印刷制御装置。
  12. 【請求項12】 上記補正は、元テーブルの第1画像デ
    ータの各要素色を軸変数とした色空間で頂点に該当する
    各色と第1画像データにて無彩色を示す色を元テーブル
    によって変換して印刷した結果を特定光源下で測色した
    場合に上記所定色空間中で最大彩度となる色の中の少な
    くとも一色について第1の補正として実施され、他の画
    像データについては当該第1の補正を実施した特定色と
    上記色空間で頂点に該当する特定の色との間の色を示す
    第2画像データを印刷した結果を特定の光源下で測色し
    て得られる所定色空間中の座標が略直線上に並ぶように
    第2の補正が実施されることを特徴とする上記請求項1
    0または請求項11のいずれかに記載の印刷制御装置。
  13. 【請求項13】 上記特定色は略無彩色であることを特
    徴とする上記請求項2〜請求項12のいずれかに記載の
    印刷制御装置。
  14. 【請求項14】 印刷装置が色再現可能な範囲に含まれ
    る数点の色に対応する入力RGB値に基づいて印刷した
    印刷物を、D50光源とA光源とF光源の下で測色して
    Lab値を取得し、さらに白点と黒点のLab値からそ
    れぞれの相対Lab値を求めた時、それぞれの相対La
    b値の平均値に対応するRGB値と入力RGB値との差
    がD50光源の相対Lab値に対応するRGB値と入力
    RGB値との差より小さいことを特徴とする印刷制御装
    置。
  15. 【請求項15】 印刷装置が色再現可能な範囲に含まれ
    る数点の色に対応する入力RGB値に基づいて印刷した
    印刷物を、D50光源とA光源とF光源の下で測色して
    Lab値を取得し、さらに白点と黒点のLab値からそ
    れぞれの相対Lab値を求めた時、それぞれの相対La
    b値の平均値と入力RGB値に対応するLab値との差
    がD50光源の相対Lab値と入力RGB値に対応する
    Lab値との差より小さいことを特徴とする印刷制御装
    置。
  16. 【請求項16】 画像を構成するドットマトリクス状の
    画素の色を第1の画像機器で使用される複数の要素色で
    表現した第1画像データを取得し、各画素の色を印刷装
    置で使用される複数の要素色で表現した第2画像データ
    に色変換しつつ印刷装置での印刷を実行させる印刷制御
    方法であって、 上記第1画像データで表現された特定色を第2画像デー
    タに色変換するに当たり、当該特定色の所定色空間中の
    座標が、色変換後の第2画像データでの印刷結果を特定
    の光源下で測色して得られる所定色空間中の座標より複
    数の光源下で測色して得られる所定色空間中の各座標の
    重心に近くなるように色変換を行う色変換工程を具備す
    ることを特徴とする印刷制御方法。
  17. 【請求項17】 画像の印刷指示に応じて印刷装置を制
    御し、当該画像を印刷させる印刷制御プログラムであっ
    て、 画像を構成するドットマトリクス状の画素の色を第1の
    画像機器で使用される複数の要素色で表現した第1画像
    データを取得する第1画像データ取得機能と、 同取得した第1画像データで表現された各画素の色を印
    刷装置で使用される複数の要素色で表現した第2画像デ
    ータに色変換する色変換機能と、 同変換後の第2画像データにて各画素の色を指定すると
    ともに上記印刷装置にて印刷を実行させる印刷データを
    生成して出力する印刷データ出力機能とをコンピュータ
    に実現させるにあたり、 上記色変換機能では、上記第1画像データで表現された
    特定色を第2画像データに色変換するに当たり、当該特
    定色の所定色空間中の座標が、色変換後の第2画像デー
    タでの印刷結果を特定の光源下で測色して得られる所定
    色空間中の座標より複数の光源下で測色して得られる所
    定色空間中の各座標の重心に近くなるように色変換を行
    うことを特徴とする印刷制御プログラム。
  18. 【請求項18】 上記請求項17に記載した印刷制御プ
    ログラムを記録した媒体。
  19. 【請求項19】 画像を構成するドットマトリクス状の
    画素の色を第1の画像機器で使用される複数の要素色で
    表現した第1画像データを取得し、各画素の色を印刷装
    置で使用される複数の要素色で表現した第2画像データ
    に色変換する色変換装置であって、 上記第1画像データで表現された特定色を第2画像デー
    タに色変換するに当たり、当該特定色の所定色空間中の
    座標が、色変換後の第2画像データでの印刷結果を特定
    の光源下で測色して得られる所定色空間中の座標より複
    数の光源下で測色して得られる所定色空間中の各座標の
    重心に近くなるように色変換を行う色変換手段を具備す
    ることを特徴とする色変換装置。
  20. 【請求項20】 画像を構成するドットマトリクス状の
    画素の色を第1の画像機器で使用される複数の要素色で
    表現した第1画像データを取得し、各画素の色を印刷装
    置で使用される複数の要素色で表現した第2画像データ
    に色変換する色変換方法であって、 上記第1画像データで表現された特定色を第2画像デー
    タに色変換するに当たり、当該特定色の所定色空間中の
    座標が、色変換後の第2画像データでの印刷結果を特定
    の光源下で測色して得られる所定色空間中の座標より複
    数の光源下で測色して得られる所定色空間中の各座標の
    重心に近くなるように色変換を行う色変換工程を具備す
    ることを特徴とする色変換方法。
  21. 【請求項21】 複数の代表色を第1の画像機器で使
    用される複数の要素色で表現した第1画像データと当該
    代表色を印刷装置で使用される複数の要素色で表現した
    第2画像データとを対応づけ、所定画像を印刷装置で印
    刷するに当たり、当該画像を構成するドットマトリクス
    状の画素の色を表現した第1画像データを第2画像デー
    タに色変換する際に参照される色変換テーブルの作成方
    法であって、 第2画像データでの印刷結果を上記特定の光源下で測色
    して得られる所定色空間中の座標と第1画像データが示
    す色の所定色空間中の座標とにより両画像データを対応
    づけた元テーブルを作成する元テーブル作成工程と、 同元テーブルを参照して特定色を示す第1画像データを
    第2画像データに変換して印刷した場合の印刷結果を複
    数の光源下で測色して上記所定色空間中の座標を取得す
    る複数光源座標取得工程と、 これら複数の光源下で測色して得られた上記所定色空間
    中の座標の重心を算出する重心算出工程と、 上記特定色を示す第1画像データを第2画像データに変
    換して印刷を行った場合に、当該特定色の所定色空間中
    の座標が、上記印刷結果を特定の光源下で測色して得ら
    れる所定色空間中の座標より複数の光源下で測色して得
    られる所定色空間中の各座標の重心に近くなるように、
    上記元テーブル中の第1画像データあるいは第2画像デ
    ータを補正して色変換テーブルを生成する色変換テーブ
    ル生成工程とを具備することを特徴とする色変換テーブ
    ルの作成方法。
  22. 【請求項22】 複数の代表色を第1の画像機器で使
    用される複数の要素色で表現した第1画像データと当該
    代表色を印刷装置で使用される複数の要素色で表現した
    第2画像データとを対応づけ、所定画像を印刷装置で印
    刷するに当たり、当該画像を構成するドットマトリクス
    状の画素の色を表現した第1画像データを第2画像デー
    タに色変換する際に参照される色変換テーブルであっ
    て、 特定色を示す第1画像データを第2画像データに変換し
    て印刷を行った場合に、当該特定色の所定色空間中の座
    標が、上記印刷結果を特定の光源下で測色して得られる
    所定色空間中の座標より複数の光源下で測色して得られ
    る所定色空間中の各座標の重心に近くなるように、上記
    第1画像データと第2画像データとの対応関係が規定さ
    れていることを特徴とする色変換テーブル。
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