JP2007228153A - 色変換装置、色変換方法および色変換プログラム - Google Patents

色変換装置、色変換方法および色変換プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 画像データに適合した修正を高速に行いつつ、画像の見えを正確に再現する。
【解決手段】 第一色変換工程においてはディスプレイ60に表示された画像の色を、その観察環境下においてどのように知覚されるかを推定することができる。そして、第二色変換工程においては印刷結果の観察環境において、第一色変換工程にて推定された知覚色と同様に知覚される色が印刷できるCMYK値を特定することができる。また、ガマット修正をテーブルデータのGMT13gを参照して行うことにより、処理効率を向上させることができる。さらに、画像データ13bの属性A〜Dに応じてGMT13g1〜13g4を選択して使用するため、適切なガマット修正を実現することができる。
【選択図】 図13

Description

本発明は、色変換装置、色変換方法および色変換プログラムに関する。
モニターを見ながらレタッチした写真画像データや、モニターを見ながら作成したCG画像データを、印刷用紙に印刷することが一般的に行われている。この場合、モニターに映し出された画像データを見たときに感じる色と、印刷用紙に印刷された画像データを見たときに感じる色とが一致していることが望ましい。人が感じる色は周囲の照明等によって変動するため、この変動を抑えるために周囲光に基づき色変換を行う画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。
かかる構成において、測光装置によって周囲光情報を取得し、その周囲光情報に基づいて色変換を行うことができるため、周囲光による色の見えの変動を抑制することが可能であった。
特開平9−214787号公報
上述した技術において周囲光の状況に応じた色変換が実現できる反面、周囲光の変動に応じて毎回色変換の演算をしなければならない。また、周辺光を考慮した色変換には数多くの行列変換が必要であるため、画像を出力するたびに膨大な演算処理を行わなければならないという問題があった。さらに、画像データの特性に適合した色修正が並行して行われるように、画像データの特性に適した色変換を行うことが望ましいが、この場合も画像データの特性ごとに膨大な演算処理を行わなければならないという問題があった。
本発明は、画像データに適合した修正を高速に行いつつ、画像の見えを正確に再現することができる色変換装置、色変換方法および色変換プログラムの提供を目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するため請求項1にかかる発明では、色変換装置において元画像データが色変換画像データに変換される。上記元画像データは各画素の色が第一出力デバイスに入力可能な第一表色系で表現された画像データであり、上記色変換画像データは各画素の色が第二出力デバイスに入力可能な第二表色系で表現された画像データである。このような色変換を行うことにより、第一出力デバイスに入力されている元画像データと同等の色変換画像データを得ることができ、同色変換画像データを上記第二出力デバイスに入力し、出力させることができる。
環境パラメータ取得手段は、上記第一出力デバイスおよび上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの環境パラメータを取得する。第一色変換手段は、所定の変換プロファイルを利用して、上記元画像データを各画素の色が第三表色系で表現された画像データに変換する。この変換プロファイルは、上記環境パラメータを代入し、これらを変換結果に反映させることができるため、同環境パラメータを考慮した画像データを得ることができる。すなわち、上記環境パラメータによって表される観察環境のもとで、上記第一出力デバイスにて出力したときにおける上記元画像データの見えを上記第三表色系にて予測することができる。属性取得手段は、色変換の対象となる上記元画像データを取得するとともに、その属性を取得する。修正前後の対応関係を特定した複数の修正プロファイルが予め用意されており、上記修正手段はこのなかから上記元画像データの属性に適合するものを選択する。そして、選択された上記修正プロファイルに基づいて上記第一色変換手段にて変換された上記第三表色系の画像データを上記第三表色系にて修正する。
第二色変換手段は、所定の変換プロファイルを利用して、上記第一色変換手段にて得られた画像データであって、さらに上記修正手段によって修正された画像データを上記色変換画像データに変換する。すなわち、各画素の色が上記第三表色系で表現された画像データを、各画素の色が上記第二表色系で表現された上記色変換画像データに変換する。上記変換プロファイルは、上記環境パラメータが代入可能であるため、これらを変換結果に反映させることができる。従って、上記環境パラメータを考慮した色変換画像データを得ることができる。すなわち、上記環境パラメータによって表される観察環境のもとで上記色変換画像データを上記第二出力デバイスにて出力したときの見えが、上記第三表色系において上記第一色変換手段にて得られた画像データと基本的には一致するような色変換を行うことができる。従って、上記第一出力デバイスと上記第二出力デバイス間での見えを基本的に一致させることができる。ただし、上記修正手段による修正が加わっているため、基本的には見えを一致させつつも、意図的な色修正を実現させることができる。この修正は複数用意された上記修正プロファイルのうち変換対象の上記元画像データの属性に対応したものを使用して行われるため、上記元画像データに適した修正を行うことができる。
さらに、請求項2にかかる発明のように、上記修正プロファイルによって上記第一表色系による色空間の色域と上記第二表色系による色空間の色域との差に基づく修正を行うようにしてもよい。例えば、上記第一表色系による色空間の色域の方が上記第二表色系による色空間の色域よりも広い場合は、上記第二表色系による色空間の色に収まるように色を修正する上記修正プロファイルを適用すればよい。すなわち、いわゆるガマットマッピングを実現することができ、上記第一出力デバイスと上記第二出力デバイスで使用できるガマットを有効に利用することができる。
また、請求項3にかかる発明のように、上記修正プロファイルを、上記第三表色系における修正前後の色座標値が複数記述されたテーブルとして用意してもよい。このようにすることにより、演算処理の負担を軽減することができ、高速な色変換を実現することができる。
さらに、請求項4にかかる発明のように、上記属性としての上記第一表色系の種類に応じた色域の大きさに基づいて上記修正プロファイルを選択することにより、上記第一表色系による色空間の色域の大きさに応じたガマットマッピングを行うことができる。
また、請求項5にかかる発明のように、上記元画像データを画像解析することにより上記元画像データの属性を取得してもよい。すなわち、上記元画像データにて表される画像の特徴を画像解析によって抽出し、同抽出された特徴に応じた属性を特定することができる。
さらに、請求項6にかかる発明のように、上記元画像データに添付された同画像データの付帯情報に基づいて上記元画像データの属性を取得してもよい。例えば、上記画像データがEXIF規格に準拠していれば、そのタグ情報に基づいて属性を特定することができる。EXIF規格のタグ情報にはデジタルカメラで撮影したことを示すデータが格納されるため、このデータに基づいて当該元画像データがCG画でなく自然画であることが判別できる。
また、請求項7にかかる発明では、上記元画像データの属性が自然画であるとき修正前後で彩度の変動量が少ない上記修正プロファイルが選択される。これにより、上記修正手段による修正前後で上記元画像データの彩度を維持することができ、上記第二デバイスの出力においても自然画に含まれる多様な色彩を忠実に再現することができる。
さらに、請求項8にかかる発明では、上記元画像データの属性がCG画であるとき修正前後で明度の変動量が少ない上記修正プロファイルが選択される。これにより、上記修正手段による修正前後で上記元画像データの明度を維持することができ、上記第二デバイスの出力においてもCG画における明度を作成者の意図通りに再現することができる。
また、請求項9にかかる発明では、派生テーブル作成手段が備えられ、同派生テーブル作成手段によって上記第一表色系と上記第二表色系との対応関係がテーブルとして記述される。なお、上記第一表色系と上記第二表色系との対応関係は、上記環境パラメータと上記修正プロファイルを使用して上記第一色変換手段と上記修正手段と上記第二色変換手段にて変換および修正を順次行うことにより特定することができる。以上のようにして特定された色変換前後の色の対応関係を記述することにより、上記派生テーブルを作成することができる。さらに、第三色変換手段が備えられ、同第三色変換手段が上記環境パラメータ取得手段と上記属性取得手段が取得した上記環境パラメータと上記属性との組み合わせと、上記派生テーブルを作成したときの上記環境パラメータと上記修正プロファイルとの組み合わせとを比較する。そして、これらの組み合わせが一致したときには、当該派生テーブルを参照して上記元画像データを上記色変換画像データに変換することにより、上記第一色変換手段と上記第二色変換手段とを介することなく上記色変換データを得ることができ、処理負担を軽減させることができる。
また、請求項10にかかる発明では、上記環境パラメータ取得手段がテストパターンを印刷媒体に出力する。そして、同テストパターンの視覚結果に基づいて、上記環境パラメータが取得される。これにより、観察環境を測定するための測定装置を用意しなくても済む。
むろん、以上の発明は、装置のみならず、請求項11のような色変換方法によって実現することも可能であるし、請求項12のように上記方法に従った処理を実行する色変換プログラムによって実現することも可能である。また、本発明にかかる装置、方法、プログラムは単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の装置、方法、プログラムとともに実施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものであり、適宜、変更可能である。
さらに、本発明のプログラムを記録した記録媒体として提供することも可能である。このプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。また、必ずしも全部の機能を単独のプログラムで実現するのではなく、複数のプログラムにて実現させるようなものであってもよい。この場合、各機能を複数のコンピュータに実現させるものであればよい。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)コンピュータの構成:
(2)環境パラメータ取得処理の流れ:
(3)色変換処理の流れ:
(4)変換プロファイル(CIECAM02)について:
(5)まとめと変形例:
(1)コンピュータの構成:
図1は、本発明の色変換装置としてのコンピュータの概略構成を示している。同図において、コンピュータ10には、内部バス10aによって接続されたCPU11とRAM12とHDD13とUSBインターフェイス(I/F)14と入力機器インターフェイス(I/F)15とビデオインターフェイス(I/F)16とが備えられており、HDD13には各種プログラムデータ13aと複数の画像データ13bとテストパターンデータ13cと色変換LUT13dとガマットデータ13eと環境パラメータ13fとガマット修正テーブル13gと分光分布データ13hが記憶されている。CPU11は、このプログラムデータ13aを読み出して、同プログラムデータ13aに基づいた処理をRAM12をワークエリアとして利用しながら実行する。USBI/F14にはプリンタ20が接続されており、入力機器インターフェイス15にはマウス40およびキーボード50が接続されている。さらに、ビデオI/F16にはディスプレイ60が接続されている。
図2は、コンピュータ10にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を示している。同図において、プリンタドライバPが図示しないオペレーティングシステム(O/S)上にて実行されている。プリンタドライバPは、画像データ取得部P1と環境パラメータ取得部P2と属性取得部P3と第一色変換部P4とガマット修正部P5と第二色変換部P6とハーフトーン処理部P7と印刷データ生成部P8とから構成されている。画像データ取得部P1は、印刷すべき画像データ13bの指定を受け付けるとともに、指定された画像データ13bをHDD13から取得する。画像データ13bは、他のアプリケーションで作成しされたり、デジタルスチルカメラ等の画像入力機器から入力されたりして予め用意されている。
画像データ13bは、ドットマトリクス状に配列する複数の画素で構成されており、各画素の色がsRGB表色系のデジタル階調によって表現されている。sRGB表色系の画像データ13bは、ビデオI/F16が入力可能な形式であり、同画像データ13bを入力した画像データ13bをディスプレイ60にて出力することが可能となっている。例えば、画質調整アプリケーション等によって画像データ13bの色調を調整する場合には、ユーザーはディスプレイ60にて出力した画像データ13bを見ながら色調を補正することとなる。色調を補正した画像データ13bはHDD13にて更新され、その後、プリンタ20にて印刷するように指示されることとなる。
環境パラメータ取得部P2は、HDD13に記憶されたテストパターンデータ13cを取得し、プリンタ20において印刷用紙にテストパターンを印刷する。テストパターンデータ13cは、プリンタ20が印刷に使用するインク色の表色系で各画素の色が表現された画像データであり、同テストパターンデータ13cをそのままハーフトーン処理等することによりプリンタ20にてテストパターンを印刷することができる。なお、本実施形態においてプリンタ20はインクジェット方式を採用しており、インク色としてC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)を使用している。従って、テストパターンデータ13cでは各画素の色がCMYKの各階調によって表現されている。なお、本実施形態においてディスプレイ60が本発明の第一出力デバイスに相当し、sRGB表色系が本発明の第一表色系に相当する。一方、プリンタ20が本発明の第二出力デバイスに相当し、CMYK表色系が本発明の第二表色系に相当する。
環境パラメータ取得部P2はテストパターンを印刷すると、マウス40やキーボード50の入力を受け付ける。環境パラメータ取得部P2はユーザーによるテストパターンの視覚結果として照度と照明光の分光分布を取得する。環境パラメータ取得部P2は、取得した照度および照明光の分光分布を指標として、ディスプレイ60での画像出力結果を観察する際の環境パラメータと、プリンタ20によって印刷用紙上に出力した画像出力結果を観察する際の環境パラメータを算出する。算出した環境パラメータは、HDDに環境パラメータ13fとして記憶される。
属性取得部P3は、画像データ13bを取得するとともに、同画像データ13bに対する空間周波数解析を行う。本実施形態においては属性取得部P3が画像データ13b1をフーリエ変換することにより、画像データ13bの輝度に関する空間周波数のスペクトルを得ることができる。これにより、画像データ13bにおいて輝度が変動する周期が高周波となっているか低周波となっているかを特定することができる。一般的に、自然画の画像データ13bにおいては空間的に短い周期のノイズが多く含まれるため、高周波成分が多く含まれている画像データ13bが自然画であると判定することができる。反対に、CG画のような画像においてはノイズが含まれないため、高周波成分が少ない画像データ13bがCG画であると判定することができる。ここでは、属性取得部P3が属性として自然画かCG画のいずれかの画像タイプを特定する。
さらに、属性取得部P3は、画像データ13bに添付されたカラープロファイルを取得する。例えば、本実施形態において画像データ13bにAdobeRGB(以下、本明細書においてaRGBと表記するものとする。AdobeはAdobe systems社の登録商標)のカラープロファイルが添付されている場合には、当該画像データ13bが採用する表色系の種類がaRGB表色系であると特定する。一方、画像データ13bがRGBのビットマップデータであり、カラープロファイルが添付されていない場合には、当該画像データ13bが採用する表色系の種類がsRGB表色系であると特定する。すなわち、属性取得部P3は、自然画かCG画のいずれかの画像タイプのほかに、aRGBかsRGBのいずれかの表色系の種類を画像データ13bの属性として特定する。従って、各画像データ13bが帰属する属性の組み合わせは下記の属性A〜Dのいずれかとなる。
属性A:自然画−aRGB
属性B:自然画−sRGB
属性C:CG画−aRGB
属性D:CG画−sRGB
第一色変換部P4は、環境パラメータ取得部P2が取得・記憶したディスプレイ60に関する環境パラメータと画像データ取得部P1が取得した画像データ13bをHDD13から入力し、同画像データ13bを各画素がXYZ表色系で表現された画像データに変換し、さらに画像データ13bを各画素が非機器依存色空間のJCh表色系で表現された画像データに変換する。
後者の変換においては、CIECAM02という変換手法を用いる。CIECAM02の詳細については後述するが、CIECAM02では環境パラメータを変数として使用することができ、環境パラメータに応じた変換結果を得ることができる。具体的には、与えられた画像データの色が、入力された環境パラメータのもとで、どのように知覚されるかをJCh表色系にて特定するための変換を行うことができる。これにより、画像データ13bにおける注目物がディスプレイ60にて実際にどのように見えているかを特定することができる。
ガマット修正部P5は、本発明の修正手段に相当し、属性取得部P3が取得した画像データ13bの属性A〜Dに基づいて参照するガマット修正テーブル(GMT)13gを選択する。なお、本実施形態において4種類の属性A〜Dが考えられ、それぞれの属性A〜Dに対応してGMT13g(13g1〜13g4)が予め用意されている。ガマット修正部P5は選択されたGMT13g1〜13g4を参照することにより、第一色変換部P4によって予めJCh表色系に色変換されている画像データ13bをJCh表色系にて修正する。
第二色変換部P6は、環境パラメータ取得部P2が取得したプリンタ20(印刷物)に関する環境パラメータを使用したCIECAM02によって、ガマット修正部P5が修正を行った画像データを各画素の色がXYZ表色系で表現される画像データに色変換する。ここでは、JCh表色系の画像データをXYZ表色系に色変換しているため、第一色変換部P4の逆変換を行っていることになる。なお、CIECAM02は可逆性を有する変換プロファイルであるため、逆変換を行うことが可能である。さらに、第二色変換部P6は、予め作成されている色変換LUT13dを参照することによりXYZ表色系に色変換された画像データを各画素の色がCMYK表色系で表現される画像データに色変換する。なお、第一色変換部P4におけるXYZ値と区別するために、ここでのXYZ値をX’Y’Z’値と表記するものとする。色変換LUT13dは、CMYK値とX’Y’Z’値との等色対応関係が予め行われた測色結果に基づいて定義されたテーブルである。
ハーフトーン処理部P7は、第二色変換部P6にて色変換されたCMYK表色系の画像データを入力し、ディザ法や誤差拡散法等によって同画像データをハーフトーンデータに変換する。これにより、各画素において、CMYKインクを吐出させるか吐出させないかを特定できる画像データを得ることができる。印刷データ生成部P8は、ハーフトーンデータを入力し、ラスター化等の処理を行い、プリンタ20に出力可能な印刷データを生成する。印刷データ生成部P8が生成した画像データは、プリンタ20に出力され、同プリンタ20にて印刷媒体としての印刷用紙に印刷される。
(2)環境パラメータ取得処理の流れ:
図3は、環境パラメータ取得部P2が環境パラメータを取得する処理の流れを示している。ステップS100にて環境パラメータを設定する旨の指示をマウス40やキーボード50を介して受け付ける。ステップS110においては、環境パラメータ取得部P2がテストパターンデータ13cをHDD13から取得し、同テストパターンデータ13cをプリンタ20にて印刷用紙上に出力する。テストパターンデータ13cはプリンタ20が採用するCMYK表色系によって各画素の色が表現されているため、そのままハーフトーン処理部P7と印刷データ生成部P8にて変換を行い、プリンタ20に出力することができる。
図4は、テストパターンの一例を示している。同図において、テストパターンは印刷媒体としての印刷用紙上に形成されており、照明光の波長分布を評価するための色度エリアS1と、照度を評価するための照度エリアS2とから構成されている。色度エリアS1と照度エリアS2はそれぞれ略矩形状に形成されており、印刷用紙上にて互いに独立して形成されている。プリンタ20はCMYKインクを吐出可能なインクジェットプリンタであり、テストパターンは印刷用紙上にインクを被覆させることにより形成されている。
図5は、色度エリアS1を拡大して示している。同図において、色度エリアS1は、それぞれ矩形状に形成された基準カラーパッチE1〜E4とカラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4の組から構成されている。基準カラーパッチE1〜E4とカラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4では、それぞれ略無彩色が再現されており、1〜4行目になるほど明度(L*=80,60,40,20相当)が低くなるようなグラデーションパターンとなっている。基準カラーパッチE1〜E4は、印刷用紙上にKインクのみを吐出させることにより形成されている。基準カラーパッチE1〜E4においては、Kインクによる被覆率を徐々に高くしていくことにより、次第に明度が低くなるグラデーションパターンが再現されている。
カラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4は、Kインクによるドットの他に有彩色のCMYインクによるドットも使用して形成された、いわゆる有彩色インクによるコンポジットグレーとされている。ただし、カラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4は、無彩色に近い色ではあるが、無彩色となるCMYインクのドット構成比率から意図的にずらしたCMYインクのドット構成比率で形成されており、厳密な無彩色ではない。ただし、カラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4は観察する照明光によっては、無彩色に知覚されるように各色インクドットの構成比率が設定されている。
例えば、各明度に対応するカラーパッチG1〜G4の組は太陽光(CIE−D50光)の下で無彩色に知覚されるように各色インクドットの構成比率が設定されており、各明度に対応するカラーパッチH1〜H4の組は白熱灯(CIE−A光)の下で無彩色に知覚されるように各色インクドットの構成比率が設定されている。また、各明度に対応するカラーパッチI1〜I4の組はCIE−D60光の下で無彩色に知覚されるように各色インクドットの構成比率が設定されており、各明度に対応するカラーパッチJ1〜J4の組はF2光の下で無彩色に知覚されるように各色インクドットの構成比率が設定されている。
実際に印刷物を観察する照明光の下で、色度エリアS1を観察したユーザーは、各明度において最も基準カラーパッチE1〜E4と似た色に知覚されるカラーパッチG1〜G4,H1〜H4,I1〜I4,J1〜J4をマウス40やキーボード50によって選択し、この選択を環境パラメータ取得部P2がステップS120にて受け付ける。これにより、テストパターンがどのような照明光の下で観察されているかを判断することができる。環境パラメータ取得部P2は各照明光の分光分布を、HDD13に記憶された分光分布データ13hから取得する。
図6は、照明光(D50光,A光)の分光分布と等色関数をグラフに示している。同図に示すように、各波長λのエネルギー分布(分光分布)が照明光(D50光,A光)によって大きく異なっていることが分かる。D50光には各波長のエネルギーが均等に含まれ、A光には長波長のエネルギーが多く含まれている。このような分光分布は、照明光ごとに分光分布データ13hに格納されている。分光分布データ13hにおいては各照明光の分光分布の値がテーブルに記述されていてもよいし、対応関係が関数等によって定義されていてもよい。各照明光の分光分布はCIE規格等に定められているため、入手することができる。一方、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)は、波長毎に赤・緑・青の3刺激をどれくらい感じるかを示す関数であり、実験・経験的に得られている。また、照明光を観察物に反射させた場合に知覚される色の3刺激値XYZは下記式(1)によって表すことができる。
なお、上記式(1)においてR(λ)は観察物の分光反射率であり、P(λ)は照明光の分光分布を示している。ステップS120にて照明光が特定できると、ステップS130ではその分光分布P(λ)を取得し、上記式(3)に代入することにより、その照明光における白色点の色を3刺激値のXYZ値として算出する。なお、本実施形態においては白色点の色は完全白色板における色を想定しており、同完全白色板は全波長領域において分光反射率R(λ)=1となる。全可視光領域において分光分布P(λ)と分光反射率R(λ)とが与えられるため、上記式(1)にて白色点の色を算出することができる。
白色点の色は本発明における照明光の分光分布を指標とした環境パラメータに相当し、それぞれ3刺激値をXW,YW,ZWと表記するものとする。なお、ディスプレイ60上の白色点の色をXWWWと表すものとし、印刷用紙上の白色点の色をXWWWと表すものとする。また、照明光と印刷用紙上の白色点の色XWWWとの間には一義的な対応関係があるため、この対応関係を規定したテーブルを記憶しておき、環境パラメータ取得部P2が同テーブルを参照して照明光に対応する白色点の色XWWWを取得するようにしてもよい。さらに、完全白色板の分光反射率R(λ)を全波長領域において1としたが、印刷媒体に応じて白色点の分光反射率R(λ)を設定してもよい。ところで、上記式(1)では、分光分布P(λ)と分光反射率R(λ)とを相乗しており、XYZ値が観察物の分光反射率R(λ)に依存することが分かる。
図7は、Kインクドットのみを使用した所定明度のグレーと、CMYインクドットも併用した所定明度のコンポジットグレーの分光反射率R(λ)を示している。Kインクドットによるグレーにおいては分光反射率R(λ)が各波長領域においてほぼ均一である。一方、コンポジットグレーは、個々の分光反射率が不均一であるCMYインクの合成であるため、全体としての分光反射率R(λ)が不均一となっている。このように、分光反射率R(λ)が不均一なコンポジットグレーにおいては、上記式(1)によるXYZ値は照明光の差によって大きく変動することとなる。一方、各波長領域において分光反射率R(λ)がほぼ均一なKインクドットのグレーにおいては照明光の差によるXYZ値の変動は小さい。このことは、Kインクドットのグレーは照明光の変動に応じた知覚色の変動が少なく、常に色味を帯びることがなく無彩色に感じられることを意味する。
上述したとおり基準カラーパッチE1〜E4はKインクドットのみを使用して再現されており、基準カラーパッチE1〜E4の分光反射率R(λ)が各波長領域においてほぼ均一であるということができる。従って、コンポジットグレーのカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4は照明光に応じて色味を帯びるのに対して、基準カラーパッチE1〜E4は常に無彩色に感じられることとなる。従って、基準カラーパッチE1〜E4と最も近い色に知覚されるカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4の組を選択することにより、その照明光において最も無彩色に近い色に知覚されるカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4の組を容易に選択することができる。
以上のように無彩色からの変動が少ない基準カラーパッチE1〜E4をカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4と各明度において並列させておくことにより、ユーザーは正確に無彩色に近いカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4の組を選択することができる。また、基準カラーパッチE1〜E4とカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4を明度のグラデーションとすることにより、いずれの明度においてもバランスよく無彩色に見えるカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4の組を選択することができる。これにより、環境パラメータ取得部P2は正確に現在の照明光の分光分布P(λ)を取得することができ、正確に印刷用紙上の白色点の色XWWWを算出することができる。
ただし、無彩色は人間が最もよく記憶している記憶色であり、人間は無彩色に付近における色差には敏感である。従って、ユーザーは自己の記憶に基づく絶対的な基準によって無彩色に近いカラーパッチF1〜F4,G1〜G4,H1〜H4,I1〜I4を選択することも可能である。そのため、必ずしも基準カラーパッチE1〜E4が形成されている必要はなく、基準カラーパッチE1〜E4を省略してもよい。従って、例えばKインクを使用しないプリンタにおいても本発明を適用することは可能である。なお、以上において算出した印刷用紙上の白色点の色XWWWは、実際に印刷物を観察する照明光の下でテストパターンを観察した結果得られたものであり、ディスプレイ60上の白色点の色XWWWは別途取得しておく必要がある。
ただし、ディスプレイ60は自発光デバイスであるため、ディスプレイ60に関する白色点の色XWWWは照明光に依存することなく、ディスプレイの仕様から得ることができる。すなわち、ディスプレイ60に関しては、ディスプレイ60の観察環境下における照明光による白色点の色XWWWの依存度が0であるため、ディスプレイ60が発光する仕様上の白色の色度そのものをディスプレイの観察環境下における白色点の色XWWWとすることができる。従って、ステップS120にてディスプレイ60の白色仕様の指定入力を受け付けることにより、環境パラメータ取得部P2がディスプレイの観察環境下における白色点の色XWWWを取得することができる。以上のようにして環境パラメータ取得部P2が各環境下における白色点の色度を示す環境パラメータXWWWを取得すると、次にパラメータ取得部P2は照度に関する環境パラメータを取得する。
図8は、照度エリアS2を拡大して示している。照度エリアS2はA〜D行×1〜5列のパッチA1,A2・・,B1,B2・・,C1,C2・・,C1,C2・・,D1,D2・・から構成されている。A行のパッチA1,A2・・は、それぞれ略矩形状の黒帯と白帯を交互に配列させた模様となっている。A行のパッチA1,A2・・において黒帯と白帯が配列する空間周波数は、A1>A2>A3>A4>A5となっている。B行のパッチB1,B2・・は、それぞれ略矩形状の黒帯と灰帯を交互に配列させた模様となっており、交互に配列する帯の空間周波数はB1>B2>B3>B4>B5となっている。
C行,D行についても同様の空間周波数とされており、C行,D行については順に灰帯が濃くなっている。すなわち、A〜D行のいずれにおいても異色の帯が交互に配列する模様となっており、その明度コントラストがA>B>C>Dとなっている。同図の下段においては、各パッチA1,A2・・・の濃度の変動を示しており、各パッチA1,A2・・・の濃度が矩形波状に変動し、空間周波数が徐々に変化させられていることが分かる。なお、同図においては図示の都合上、各帯間に明度コントラストを付けたテストパターンを例示したが、各帯間に色相や彩度等のコントラストを有するテストパターンを用意してもよい。
図9は、一定の照度における人間の視覚の空間周波数特性をグラフにして示している。同図において、縦軸に知覚レベルを示しており、横軸に空間周波数[cycle/mm]を示している。同図から空間周波数が大きいほど知覚レベルが低下することが分かる。図5に示した照度エリアS2では、各パッチの黒帯と白帯が配列する空間周波数は、1>2>3>4>5列目となっているため、1>2>3>4>5列目の順に知覚しづらいこととなる。また、隣接する異色の明度を異ならせた場合と、色相(黄−青,赤−緑)を異ならせた場合とでは、明度を異ならせた場合の方が知覚レベルの空間周波数依存性が高く、色相差は明度差ほど知覚できないことが分かる。図5に示した照度エリアS2では、隣接する帯間で明度コントラストを異ならせており、その明度差がA>B>C>D行目となっているため、A>B>C>Dの順に境界が知覚しやすくなっている。このように、一定の照度においては、視覚の空間周波数特性に図9のような傾向が見られるが、照度が変動すると視覚の空間周波数も変動することが分かっている。
図10は、実験によって得られた照度と分解限界周波数との関係を示している。また、分解限界周波数とは、与えられた条件下で交互に配列する帯の境界を認識できる最大の空間周波数を意味し、具体的には図8の照度エリアS2と同様にいくつかの配列周波数を有するパッチを用意しておき、各照度において帯間の色の差異が視覚できる限界のパッチの配列周波数を分解限界周波数として特定する。なお、同図において、縦軸が分解限界周波数を示し、横軸は照度を示している。同図において、A〜D行のパッチと同様の明度コントラストとなる帯についての各照度における分解限界周波数の傾向をそれぞれ線で結んでいる。また、各パッチA1,A2・・・の帯が配列する周波数と、実験で得られた分解限界周波数とが一致する点をプロットしている。いずれの明度コントラストにおいても、照度が低下すると、分解限界周波数が低下することが分かる。すなわち、いずれの明度コントラストにおいても、分解限界周波数を特定することにより、一義的に照度を特定することができる。
図8の照度エリアS2を観察し、帯間の色の差を視覚できる限界のパッチA1,A2・・・を特定することにより、そのときの照度を特定することができる。例えば、パッチA2の帯間の色の差が視認でき、パッチA1の帯間の色の差が視認できない場合には、分解限界周波数がパッチA2の配列周波数となり、照度がパッチA2に対応するIAであると特定することができる。この照度において、B行のパッチB1〜B5を観察すると、パッチB4の帯間の色の差が視認でき、パッチB3の帯間の色の差が視認できず、パッチB4に対応する照度IBを特定することができる。さらに、C行のパッチC1〜C5を観察すると、パッチC5の帯間の色の差が視認でき、パッチC4の帯間の色の差が視認できず、パッチC5に対応する照度ICを特定することができる。
従って、ステップ140にて視覚できた限界のパッチA1,A2・・・の指定を受け付けることにより、環境パラメータ取得部P2は、照度IA,IB,ICを特定することができる。環境パラメータ取得部P2は図10の対応関係をテーブルとして記憶しており、同テーブルを参照することにより、照度IA,IB,ICを特定することができる。各パッチA1,A2・・・の周辺に対応する照度IA,IB,ICを示す文字を印刷しておき、ユーザーから知覚できたパッチA1,A2・・・に対応する照度IA,IB,ICの入力を受け付けるようにしてもよい。
また、図8においては、パッチA1,A2・・・の帯間に明度コントラストを設けるテストパターンを例示したが、色相や彩度のコントラストを各パッチの帯間に設けるようにしてもよい。例えば、L***表色系においてa**成分を変動させてもよい。図9に示すように、色相コントラストは明度コントラストよりも知覚されにくい。従って、コントラストが知覚されやすい高照度環境において微妙な照度を特定するために色相コントラストのテストパターンを使用してもよい。さらに、図8の例では、明度が矩形波状に変動するものを例示したが、明度、色相、彩度をサイン波状に変動させたり、のこぎり波状に変動させたりしてもよい。この場合、色の変動が緩やかとなるため、コントラストが知覚されにくくなる。従って、高照度環境において微妙な照度を特定するために好適であるということができる。
ステップS140では、ディスプレイ60を観察する周囲照明の環境下でテストパターンを視認した結果が入力される。これにより、ディスプレイ60を観察する差異の照度IA,IB,ICを特定することができる。ステップS150においては、ステップS140にて特定した照度IA,IB,ICの平均値を照度Iとして算出する。例えば、下記式(2)のように、相加平均によって照度Iを算出する。
I=(IA,IB,IC)/3 ・・・(2)
A〜D行のいずれかについて視覚できる限界のパッチを特定すれば照度を得ることができるが、各明度コントラストにおいてそれぞれ照度IA,IB,ICを特定し、平均を照度Iとして特定することにより、照度Iの精度を向上させることができる。以上のようにして照度Iが特定できると、ステップS160にて環境パラメータ取得部P2が照度Iを指標として、環境パラメータを算出する。以下、ステップS160にて算出される環境パラメータについて説明する。
まず、下記式(3)によってディスプレイ観察環境における白色点の輝度Lsw[cd/m2]を算出する。
sw=I/π ・・・(3)
例えば、照度I=500[lux]であった場合には、白色点輝度Lsw≒159[cd/m2]であると算出される。次に、ディスプレイ60が白色を表示させたときのデバイス輝度Ldwを取得する。ディスプレイ60は自発光デバイスであるため、デバイス輝度Ldwはディスプレイ60の仕様に依存する。従って、ディスプレイ60のデバイス輝度Ldwはディスプレイ60の仕様書等から得ることができる。ここでは、ディスプレイ60の仕様上のデバイス輝度Ldwが80[cd/m2]であったものとして説明する。次に、順応輝度LAを下記式(4)によって算出する。なお、順応輝度LAは本発明の色変換プロファイルに使用される環境パラメータの1つを構成する。
A=Ldw/5 ・・・(4)
白色輝度が80[cd/m2]であった場合には、順応輝度LA=16[cd/m2]となる。さらに、下記式(5)によって周囲比Srを算出する。
Sr=Lsw/Ldw ・・・(5)
上記式(5)において、周囲比Srはディスプレイ観察環境における完全白色板輝度Lswとディスプレイ60の仕様上の白色輝度Ldwとの比として算出される。上記の例では、周囲比Sr≒2となる。以上のようにして周囲比Srを算出すると、周囲比Srの値に応じて環境パラメータc,Nc,Fを特定する。
図11は、周囲比Srの値と、環境パラメータc,Nc,Fの値との対応関係を示すテーブルである。周囲比Srの値に応じて、観察環境が、暗黒の周囲環境と、薄暗い周囲環境と、平均的な周囲環境とに分類され、各周囲環境に応じてc,Nc,Fが決められている。周囲比Srを算出した環境パラメータ取得部P2は、このテーブルを参照して、環境パラメータc,Nc,Fを特定する。上記の例では、周囲比Sr≒2となっているため、環境パラメータc,Nc,Fは、それぞれ平均的な周囲環境の0.69,1.0,1.0であると特定される。例えば、同一仕様のディスプレイ60においてテストパターンの観察結果によって得られる照度I=38[lux]であった場合には、周囲比Sr≒0.15となり、環境パラメータc,Nc,Fは、それぞれ薄暗い周囲環境の0.59,0.9,0.9であると特定される。
以上の手順によって環境パラメータ取得部P2が環境パラメータとしてのLA,c,Nc,Fを取得すると、ステップS170にて印刷結果を観察する環境下でのテストパターンの観察結果の入力を受け付ける。すなわち、ステップS140ではディスプレイ60の観察環境におけるテストパターンの観察結果を受け付けるのに対して、ステップS170ではプリンタ20にて印刷した印刷物の観察環境におけるテストパターンの観察結果を受け付ける。例えば、プリンタ20にて店頭POP用のポスターを印刷したい場合には、店頭の照明環境のもとでステップS110にて印刷したテストパターンの観察を行い、その観察結果をステップS170では受け付ける。具体的には、ステップS140と同様に、視覚できた限界のパッチA1,A2・・・の指定を受け付ける。
ステップS180においては、ステップS150と同様に上記式(2)によって平均の照度Iを算出する。さらに、ステップS190においては、ステップS160と同様に上記式(3)〜(5)によって印刷物の観察環境に関しての環境パラメータLA,c,Nc,Fを取得する。ただし、印刷物はディスプレイ60のような自発光デバイスではないため、デバイス輝度Ldwは印刷物の観察環境における白色点輝度Lswと一致すると考えることができる。印刷用紙は完全白色板であると考えることができ、印刷物にて白色を表現する場合には、印刷用紙には何ら色材が付着されないからである。
例えば、ステップS170にて取得した照度Iが1000[lux]であった場合には、Lsw=Ldw=318,LA=63.7,Sr=1.0となり、図11のテーブルからc,Nc,Fはそれぞれ0.69,1.0,1.0であると特定される。印刷物においては常にLsw=Ldwが成り立つため、c,Nc,Fも常に0.69,1.0,1.0となる。このようにステップS140,S170を行うことにより、ディスプレイ60の観察環境に関する環境パラメータLA,c,Nc,Fと、プリンタ20(印刷用紙)の観察環境に関する環境パラメータLA,c,Nc,Fをそれぞれ環境パラメータ取得部P2が取得することができる。環境パラメータ取得部P2は、ステップS195にてディスプレイ60の観察環境に関する環境パラメータ(XWWW,LA,c,Nc,F)と、印刷物の観察環境に関する環境パラメータ(XWWW,LA,c,Nc,F)をそれぞれHDD13に環境パラメータ13fとして更新記憶させる。なお、環境パラメータYWはそれぞれディスプレイ60と印刷用紙の白色点の輝度をそれぞれ意味している。
(3)色変換処理の流れ:
図12は色変換処理の流れをフローチャートにより示し、図13は色変換処理の流れを模式的に示している。ステップS200においては、画像データ取得部P1がHDD13から画像データ13bを取得する。この時点で画像データ13bは、各画素の色が本発明の第一表色系のsRGB表色系またはaRGB表色系で表現されており、元画像データに相当する。ディスプレイ60は、sRGB表色系の画像データ13bを入力することが可能であり、sRGB表色系の画像データ13bに基づく表示を行っている。
ステップS210では属性取得部P3が画像データ13bを取得し、同画像データ13bに対してフーリエ変換を行う。画像データ13bの各画素のRGBに基づいて各画素の輝度を算出し、この輝度について空間に関するフーリエ変換を行う。なお、フーリエ変換における空間軸方向は画像データ13bの縦方向または横方向のいずれかにしてもよいし、2次元フーリエ変換を行ってもよい。このようにフーリエ変換を行うことにより、各空間周波数のごとの輝度強度に応じたスペクトルを得ることができる。従って、画像データ13bにおいてどの空間周波数成分が多く含まれるかを特定することができる。
ステップS220においては、画像データ13bが自然画であるかCG画であるかを判定する。各空間周波数のごとの輝度強度に応じたスペクトルが得られており、このスペクトルが高周波側に偏っていれば自然画であると判定する。例えば、ある平均的な空間周波数を設定しておき、この空間周波数よりも高周波側のスペクトル強度の積算値と、この空間周波数よりも低周波側のスペクトル強度の積算値とを比較し、前者の方が大きければ自然画であると判定するようにしてもよい。なお、自然画でない場合には、CG画の画像データ13bであると判定する。すなわち、CG画においては、基本的に高周波ノイズが含まれることがないため、高周波のスペクトルが少ないことをもってCG画であると特定することができる。
ステップS220において画像データ13bの画像タイプが特定されると、ステップS230においては画像データ13bの表色系を特定する。本実施形態において、画像データ13bがaRGB表色系であるかsRGB表色系であるかを、画像データ13bに添付されたaRGBカラープロファイルの有無によって特定する。aRGBカラープロファイルは、RGBで表現される色座標と非機器依存色空間における色座標とを対応づけるプロファイルデータであり、画像データ13bにおけるRGBの色座標値が絶対的にどの色を意味しているかを特定することができる。従って、画像データ13bにaRGBカラープロファイルを添付することにより、非機器依存色空間において画像データ13bの色が存在し得る色域も特定することができる。
aRGBカラープロファイルが添付されている画像データ13bが採用する表色系の種類はaRGB表色系となる。一方、カラープロファイルが添付されていない画像データ13bが採用する表色系の種類はsRGB表色系であると特定される。sRGB表色系は汎用的な表色系であり、特に指定がない場合には、sRGB表色系であるとして画像データ13bが取り扱われる。以上のようにして画像データ13bの属性である画像タイプと表色系とが特定されると、ステップS240にて、これらの組み合わせが上述した属性A〜Dのいずれに属するかを特定する。
ステップS250においては、画像データ13bから一つの画素を選択し、同画素のRGB階調を取得する。ステップS260においては、画像データ13bに添付されたカラープロファイルを参照したり、公知の等色変換式等により、sRGBやaRGB表色系で表された当該画素の色を、XYZ表色系に変換する。ステップS270においては、第一色変換部P4がXYZ値を取得するとともに、環境パラメータ取得部P2を介してディスプレイ60に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fを取得する。上述したとおりディスプレイ60に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fは、予めHDD13の環境パラメータ13fに格納されているため、CPU11がこれを読み出して使用することができる。さらに、第一色変換部P4が、ディスプレイ60に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,FをCIECAM02に代入しつつ、CIECAM02を用いてXYZ値をJCh値に変換する。
CIECAM02は可逆変換プロファイルであり、順方向の変換においてXYZ値をJCh値に変換することができる。その際に、環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fを変換式に代入することが可能であり、ディスプレイ60の観察環境に応じた変換結果をJCh表色系にて得ることができる。CIECAM02モデルによれば、環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fで表されるディスプレイ60の観察環境下において、sRGB値やaRGB値に基づいてディスプレイ60が表示した色が、どのような色で人間に知覚されるかをJCh表色系にて特定することができる。なお、JCh表色系は本発明の第三表色系に相当し、ステップS260〜S270が本発明の第一色変換工程に相当することとなる。
以上のようにしてJCh値を算出すると、ステップS280にてガマット修正が行われる。ステップS280では、ガマット修正部P5が予めステップS240にて特定しておいた画像データ13bの属性A〜Dを取得し、同属性A〜Dに適合するGMT13g1〜13g4を選択する。そして、ステップS280においてガマット修正部P5は選択されたGMT13g1〜13g4を参照することにより、上述した第一色変換工程にて変換して得られたJCh表色系の画像データ13bを修正する。
図14はGMT13g1〜13g4を示している。同図において、各GMT13g1〜13g4においては、それぞれ対応する属性A〜Dが関連づけられており。各属性A〜Dに対応するGMT13g1〜13g4を識別することが可能となっている。例えば、属性Aの画像データ13bについてはGMT13g1が選択される。このようにすることにより、当該画像データ13bに適合した修正を行うことが可能となる。各GMT13g1〜13g4においては、修正前のJCh値と修正後のJCh値(以下、J’C’h’値と表記するものとする。)との対応関係が記述されている。本実施形態において、JCh値はそれぞれ256階調であるが、一部の代表的なJCh値の組み合わせについて、対応するJ’C’h’値の組み合わせが記述されている。
図15は各GMT13g1〜13g4による修正態様を示している。同図においては、JCh表色空間を所定の色相h軸にてスライスした断面を示しており、縦軸に明度Jが示され、横軸に彩度Cが示されている。修正態様は修正前後のJCh−J’C’h’値を結んだベクトルvによって示されており、同ベクトルvの長さと方向が修正量および修正方向に対応している。また、同図においては第一表色系であるaRGB色空間とsRGB色空間の色域の最外郭、および、プリンタ20が再現可能な色域の最外郭が波線によって示されている。各色空間の設計や各出力デバイスのハード上の制限上、各色域には相違が見られる。また、それぞれの色域は後述するCIECAM02における環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fの変動に応じて変動する。図15においては、一般的な観察環境における環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fの変動に起因した各色域の最外郭の変動幅をハッチングによって示している。
属性Aに対応するGMT13g1において、ベクトルvは明度J軸に平行になるような方向とされており、彩度Cが修正前後で変化しないようになっている。属性Aの画像タイプは、多様な色彩が存在しうる自然画であり、極力、彩度Cを損なわないようにGMT13g1が作成されている。GMT13g1において、プリンタ20が再現可能な色域よりも修正後のJ’C’h’値が内側となるようにベクトルvの長さが設定されている。aRGB表色空間は比較的広い色域を有しているため、ベクトルvを長めに設定しておく必要がある。また、上述したとおり色域の最外郭は、環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fの変動に起因して変動するが、その変動幅を見越してプリンタ20が再現可能な色域よりも修正後のJ’C’h’値が内側となるようにベクトルvの長さが設定されている。
かかるGMT13g1を使用して、属性Aの画像データ13bを修正することにより、自然画の色彩を維持しつつ、aRGB表色空間の色域とプリンタ20が再現可能な色域との不整合を緩和するガマットマッピングを行うことができる。これにより、基本的には等色性を維持しつつも、プリンタ20が再現できるような画像データ13bを得ることができる。なお、GMT13g1〜13g4を作成するにあたり、予めJCh表色系においてaRGB表色系の色域とsRGB表色系の色域とプリンタ20が再現可能な色域とを予め特定しておく必要がある。これらの色域の最外郭の色を非機器依存色空間にて特定したデータを用意しておけば、後述するCIECAM02変換によって環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fを考慮した色域を得ることができる。例えば、図2に示すように各色域の最外郭を非機器依存色空間にて特定したガマットデータ13eを用意しておき、これを第一色変換部P3がCIECAM02の順変換を行うことにより、観察環境における色域を特定することができる。aRGB表色系の色域とsRGB表色系の色域については、これらのRGB値と非機器依存空間における色彩値との対応を記述したカラープロファイルが用意されているため、これらのガマットデータ13eを得ることができる。プリンタ20に関しては、実際にカラーパッチを印刷して測色を行うことにより、ガマットデータ13eを得ることができる。
一方、属性Bに対応するGMT13g2においても、ベクトルvは明度J軸に平行になるような方向となっている。属性Bの画像タイプも自然画であり、極力、彩度Cを損なわないようにする必要があるからである。GMT13g2においても、プリンタ20が再現可能な色域よりも修正後のJ’C’h’値が内側となるようにベクトルvの長さが設定されているが、GMT13g1よりもベクトルvの長さが短く設定されている。これは、aRGB表色空間の色域よりもsRGB表色空間の色域の方がプリンタ20の再現可能な色域に近い大きさであり、修正量も少なくて済むからである。これによって、過剰に修正することが防止でき、プリンタ20が再現可能な色域を無駄なく使用させることができる。
属性Cに対応するGMT13g3において、ベクトルvは彩度C軸に平行になるような方向とされており、明度Jが修正前後で変化しないようになっている。属性Bの画像タイプは、CG画である。CG画においては明度のグラデーションが多用されるため、極力、明度Jを損なわないようにGMT13g3が作成されている。GMT13g3においても、aRGB表色空間の広範な色域とプリンタ20が再現可能な色域との不整合を解消するため、ベクトルvが長めに設定されている。さらに、属性Dに対応するGMT13g4においても、GMT13g3と同様にベクトルvは彩度C軸に平行になるような方向とされており、明度Jが修正前後で変化しないようになっている。GMT13g4においても、GMT13g2と同様にベクトルvが短めに設定されている。
このように、属性A〜DごとにGMT13g1〜13g4を用意しておくことにより、入力された元の画像データ13bの画像タイプや表色系に適合した修正を行うことができる。なお、図15に示したGMT13g1〜13g4はあくまでも一例であり、色相hが異なれば色域の大小関係も異なるものとなるため、色相hに応じてGMT13g1〜13g4による修正態様は異なるものとなる。むろん、第一表色系と第二表色系が異なるものとなれば、色域の大小関係も違ったものとなるため、第一表色系と第二表色系に応じてもGMT13g1〜13g4による修正態様は異なるものとなる。ステップS270にて変換されたJCh値が、GMT13g1〜13g4に記述された代表的なJCh値であれば、対応するJ’C’h’値をGMT13g1〜13g4から読み取って、修正後の値として出力する。一方、ステップS270にて変換されたJCh値が、GMT13g1〜13g4に直接記述されていないJCh値であれば、対応するJ’C’h’値をGMT13g1〜13g4に記述された代表的なJCh値とJ’C’h’値との対応関係に基づいて補間する。具体的には、JCh表色空間において修正対象のJCh値の周囲の代表的なJCh値との位置関係に基づいて体積補間や面積補間等を行う。むろん、非線形補間も適用することができる。
GMT13g1〜13g4を予め用意しておくことにより、画像データ13bの色変換を行うたびに、同画像データ13bの第一表色系の色域を計算し、ベクトルvの長さを決定するような計算を行う必要がなく、高速に色変換を行うことができる。また、複数のGMT13g1〜13g4を用意しておくことにより、種々の第一表色系の画像データ13bが入力された場合でも適合するガマット修正を行うことができる。さらに、複数のGMT13g1〜13g4を用意しておくことにより、画像データ13bの画像タイプに適合したガマット修正を行うことができる。画像データ13bの属性A〜Dは予め取得されるため、各画素について色変換を行う際に、適切なGMT13g1〜13g4を参照することができる。
ガマット修正部P5がガマット修正後のJ’C’h’値を取得すると、ステップS290において、第二色変換部P6が環境パラメータ取得部P2を介してプリンタ20(印刷物)に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fを取得する。上述したとおりプリンタ20に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,Fは、予めHDD13の環境パラメータ13fに格納されているため、CPU11がこれを読み出して使用することができる。さらに、第二色変換部P6が、プリンタ20(印刷物)に関する環境パラメータXWWW,A,c,Nc,FをCIECAM02に代入しつつ、CIECAM02を用いてJCh値をX’Y’Z’値に変換する。CIECAM02は可逆変換プロファイルであるため、逆方向の変換においてJCh値をXYZ値に変換することができる。
ステップS300では、第二色変換部P6が予めHDD13に記憶された色変換LUT13dを取得し、同取得した色変換LUT13dを参照してX’Y’Z’値に対応するCMYK値を特定する。色変換LUT13dは、XYZ表色系とCMYK表色系との等色関係を規定したテーブルであり、プリンタ20にて印刷した際のCMYK値が測色的にどのX’Y’Z’値に対応しているかを検証していくことにより予め作成されている。なお、CMYK表色系は本発明の第二表色系に相当し、ステップS290〜S300が本発明の第二色変換工程に相当することとなる。
ステップS310においては画像データ13bの全画素についてステップS250の選択が完了したかどうかが判断され、全て選択していない場合にはステップS250に戻り次の画素が選択される。すなわち、ステップS250〜S310を繰り返すことにより、順に画素をシフトさせていき、最終的には全画素について対応するCMYK値を特定していくことができる。そして、ステップS310にて全画素についてCMYK値の特定が完了したことが確認されると、各画素の色がCMYK値で表現された色変換画像データを次の工程に出力する。なお、次の工程においては、色変換データがハーフトーン処理部P7と印刷データ生成部P8にて変換され、プリンタ20に出力可能な印刷データが生成される。
このように、第一色変換工程においてはディスプレイ60に表示された画像の色を、その観察環境下においてどのように知覚されるかを推定することができる。そして、第二色変換工程においては印刷結果の観察環境において、第一色変換工程にて推定された知覚色と同様に知覚される色が印刷できるCMYK値を特定することができる。すなわち、本発明の色変換を行うことにより、ディスプレイ60を観察しているときに知覚する色と、印刷結果を観察しているときに知覚する色とを同じにすることができ、ディスプレイ60を見ながら作成した画像データをイメージどおりに出力することができる。
観察環境下においてどのように知覚されるかを推定するにあたってはCIECAM02モデルが使用され、CIECAM02では環境パラメータXWWW,LA,c,Nc,Fを変換式に代入することができる。このうち環境パラメータXWWW,LA,c,Nc,Fは、照明光の分光分布P(λ)および照度Iから得ることができ、分光分布P(λ)および照度Iはテストパターンの視覚結果に基づいて特定することが可能となっている。従って、環境パラメータXWWW,LA,c,Nc,Fを得るために分光光度計や照度計を用意する必要はなく、一般のユーザーにおいても容易に本発明を利用することができる。
なお、本実施形態の色変換処理においてはsRGB値やaRGB値をCMYK値に変換する第一色変換処理および第二色変換処理を画素ごとに一貫して行うようにしたが、sRGB表色系やaRGB表色系の元画像データの全画素について第一色変換部P4がsRGB値をJCh値に変換することにより、一旦、JCh表色系の画像データに変換し、さらにJCh表色系の画像データの全画素を第二色変換部P6がCMYK値に変換することにより最終的にCMYK表色系の色変換画像データを得るようにしてもよい。両者の差異は、第一色変換および第二色変換を画素単位で行うか画像データ単位で行うかという便宜的な事象に過ぎず、実質的には同じ処理を行っているということができる。さらに、一画素を画像データと捉えれば、本実施形態においても、sRGB表色系やaRGB表色系の元画像データを、一度、JCh表色系の画像データに変換し、さらにJCh表色系の画像データをCMYK表色系の色変換画像データに変換しているということができる。
(4)変換プロファイル(CIECAM02)について:
次に、CIECAM02について説明する。上述したとおりCIECAM02は環境パラメータLA,c,Nc,Fを代入することにより、その観察環境にて知覚される色変換結果を得ることが可能なXYZ−JCh可逆変換プロファイルである。具体的には、下記に説明する手順によってXYZ値をJCh値に変換する。
まず、下記式(6)の行列変換によって、XYZ表色系をRGB表色系に変換する。
次に、等エネルギー白色からデバイス白色への順応の度合いとなる順応ファクタDを下記式(7)によって算出する。
ここで、環境パラメータ取得部P2が予め取得した環境パラメータLA,Fが代入されることとなる。順応ファクタDは、0〜1の値となり、1となる場合には完全順応となる。次に、上記式(6)によって算出したRGB値を下記式(8)の色順応式に代入する。
上記式(8)によって、順応ファクタDにおける色順応を考慮したRGB値(Rccc)を算出することができる。なお、上記式(8)におけるYwは白色点のY値を意味し、Rwwwは白色点のRGB値をそれぞれ意味している。ここで、上述したように環境パラメータ取得部P2が取得した白色点の色XwwwがHDD13から読み出されて上記式(8)に代入される。なお、Rwwwは上記式(6)によってXwwwから変換することができる。なお、ステップS260におけるCIECAM02の順変換においてはディスプレイに関する環境パラメータXWWWが代入され、ステップS290におけるCIECAM02の逆変換においてはプリンタ(印刷物)に関する環境パラメータXWWWが代入される。
次に、下記式(9)RGB表色系で表されたRccc値をHunt-Pointer-Estevezの錐体刺激空間の座標値R’G’B’に変換する。
さらに、下記式(10)〜(14)に基づいて後の計算に使用するパラメータk,FL,n,Nbb,Ncb,zを算出する。
なお、本実施形態においては背景輝度Yb=20が代入される。
上記式(11)においては、環境パラメータ取得部P2が予め取得した環境パラメータLAが代入されることとなる。
そして、上記式(9)によって算出したR’G’B’値を下記式(15)に代入することにより、順応後の非線形圧縮をする変換を行う。これにより、錐体応答の入出力特性を考慮したR’G’B’値(R’aG’aB’a)を算出することができる。
なお、上記式(15)に代入するR’G’B’値が負の値である場合には、その絶対値を上記式(15)に代入する。以上によりの環境パラメータLA,c,Nc,Fおよび背景輝度Yb1,Yb2による色順応を考慮したR’aG’aB’a値を特定することができる。
次に、ここまでで得られたR’aG’aB’a値からJCh表色系の座標値を特定する計算を行う。まず、R’aG’aB’a値を下記式(16),(17)に代入することにより座標変換を行いa,bを算出する。
さらに、a,bを下記式(18)に代入することより色相角hを算出する。
色相角hが算出できると、次に下記式(19)により離心率etを算出する。
図16は、代表的なユニーク色についての離心率eiと色相角hiと色相成分(hue quadrature)Hiとの対応関係を示している。この対応関係に基づいて、上記式(15)によって得られたR’aG’aB’a値に対応する色相成分Hを直線補間により算出する。具体的には、下記式(20)によってR’aG’aB’a値に対応する色相成分Hを算出する。
なお、上記式(20)における色相角h’は、原則的に上記式(18)によって算出した色相角hと同じ値とし、赤の色相角hi(i=1)よりも色相角hが小さい場合に限りh’=(h+360)とする。これにより、補間に使用する色相角h’が必ずいずれかのユニーク色の色相角hiの間の値を取ることとなり、補間が可能となる。なお、補間に使用するユニーク色は、hi≦h’<hiとなるiが選択される。
次に、上記式(15)によって得られたR’aG’aB’a値についての無彩色応答Aを下記式(21)によって算出する。
R’aG’aB’a値の無彩色応答Aが得られたら、次に明度Jを下記式(22)によって算出する。
上記式(22)においては、R’aG’aB’a値の無彩色応答Aと、刺激の無彩色応答Awとの比を算出し、この比を環境パラメータcと上記式(14)で得られたzの積算値で累乗することにより明度Jを算出している。
次に、クロマCを算出する。まず、クロマCを算出するために必要な係数tを下記式(23)によって算出する。
上記式(23)では、環境パラメータ取得部P2が予め取得した環境パラメータNcが代入されることとなる。係数tが得られると、下記式(24)に係数tを代入して、クロマCを算出する。
上記式(24)によりクロマCが算出できると、JCh表色系の各座標値J,C,hがそれぞれ算出できたこととなる。これにより、元画像データ13bにおいて各画素の色を表現するsRGB値を、環境パラメータXwww,LA,c,Nc,Fおよび背景輝度Ybを代入可能な変換プロファイル(CIECAM02)を用いてJCh値に変換できたこととなる。
(5)まとめと変形例:
本発明では、第一色変換工程においてはディスプレイ60に表示された画像の色を、その観察環境下においてどのように知覚されるかを推定することができる。そして、第二色変換工程においては印刷結果の観察環境において、第一色変換工程にて推定された知覚色と同様に知覚される色が印刷できるCMYK値を特定することができる。また、ガマット修正をテーブルデータのGMT13gを参照して行うことにより、処理効率を向上させることができる。さらに、画像データ13bの属性A〜Dに応じてGMT13g1〜g4を選択して使用するため、適切なガマット修正を実現することができる。
上述した実施形態においては、属性取得部P3が画像データ13bを空間周波数解析することにより画像データ13bの属性を判定していたが、他の画像解析手法によって属性を判定してもよい。
例えば、デジタルカメラにて生成された写真画像においては、EXIF規格(JEITA ver.2.2)に準拠した画像データが生成される場合が多い。従って、画像データ13bにEXIF特有のヘッダ(付帯情報)が添付されている場合には、当該画像データ13bの画像タイプが自然画であると判断することができる。一方、CGを作成して保存する場合、JEPG形式やBMP形式等の汎用形式で保存することが多く、EXIF特有のヘッダが添付される可能性は低いということができる。従って、画像データ13bのヘッダを解析することにより、画像タイプが自然画であるかCG画であるかを容易かつ高速に特定することができる。
図17は変形例にかかる色変換処理の流れを模式的に示し、図18は本変形例にかかるコンピュータ110にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を示している。両図において、本変形例においてはGMT13g1〜13g4から派生した派生GMT13iが色変換に使用される。前実施形態にて実行された各モジュールP1〜P8の他に、派生GMT13iを作成するための派生テーブル作成部P9と、派生GMT13iを使用して色変換を行うための第三色変換部P10とがCPU上にて実行される。図17に示したように派生GMT13iは、第一色変換工程におけるXYZ値と第二色変換工程におけるX’Y’Z’値との対応関係を規定したテーブルであり、第三色変換部P10は派生GMT13iを参照してXYZ値をX’Y’Z’値に変換する。
図19は、本変形例にかかる色変換処理の流れを示している。同図において、前実施形態と同様にステップS1240までの処理によって画像データ13bの属性A〜Dが取得される。次に、ディスプレイ60およびプリンタ20(印刷物)に関する環境パラメータLA,c,Nc,Fをそれぞれ取得する。本変形例においても予め環境パラメータ取得処理にてテストパターンを印刷することにより、環境パラメータLA,c,Nc,Fが取得される。ただし、本変形例においてテストパターンには照度エリアS2のみが形成されており、環境パラメータLA,c,Nc,Fのみが観察環境に応じた環境パラメータとして取得される。本変形例では白色点の色Xwwwが一定の値であると仮定され、CIECAM02の変換式には常に一定のXwwwを代入するものとする。
ステップS1250においては、第三色変換部P10が環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせを取得する。次に、ステップS1260において、HDD13に記憶されている派生GMT13iを取得し、同派生GMT13iを作成したときの環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせを取得する。そして、双方の組み合わせが一致する派生GMT13iを検索する。なお、派生GMT13iは基本的に色変換処理を行うごとに作成されるため、複数の派生GMT13iがHDD13に蓄積されている。
図20は、環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせを表にして示している。同図上段において、順応輝度LAに関するテーブルが設けられており、順応輝度LAが50[cd/m2]幅の区間に区切られている。そして、各区間に対して、中間の代表値25,75,125・・・475が示されている。まず、このテーブルを参照することにより、連続的な順応輝度LAは離散的な10個の代表値25,75,125・・・475のいずれかに帰属させられる。このようにすることにより、環境パラメータLA,c,Nc,Fの組み合わせの個数を低減させることができる。なお、図7にて示すように他の環境パラメータc,Nc,Fの組み合わせは3通りしか存在しないため、ディスプレイ60に関する環境パラメータLA,c,Nc,Fの組み合わせは10×3=30通りになる。プリンタ20(印刷物)に関する環境パラメータLA,c,Nc,Fの組み合わせも10×1=10通りになる。環境パラメータ取得処理で述べたように、プリンタ20(印刷物)に関しては環境パラメータLA,c,Ncは常に0.69,1.0,1.0となるからである。属性A〜Dは4通りであるため、ディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dとの組み合わせは、30×10×4=1200通りとなる。
図21は、派生GMT13iを示している。派生GMT13iは、色空間を全体的に網羅するグリッドに関してXYZ値とX’Y’Z’値との対応関係を記述したボディと、派生GMT13iを作成したときのディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせを記述したヘッダとから構成されている。このようにすることにより、各派生GMT13iがどのような条件で作成されたかを特定することができる。第三色変換部P10は、ステップS1260においてHDD13に記憶された複数の派生GMT13iのなかからステップS1250にて取得したディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせに合致するものを検索する。
ステップS1270においては、ディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせに合致する派生GMT13iが検索されたかどうかが判定され、合致するものが検索された場合には、ステップS1290にて検索された派生GMT13iについて使用可能である旨のフラグをオンにする。ステップS1290,S1300においては、前実施形態と同様に画素を選択し、第一色変換部P3がその画素のXYZ値を取得する。ステップS1310においては、第三色変換部P10が、フラグがオンとなっている使用可能の派生GMT13iの有無を判断し、使用可能な派生GMT13iがある場合には、ステップS1320にて、その派生GMT13iを参照してXYZ値をX’Y’Z’値に変換する。
一方、使用可能な派生GMT13iがない場合には、前実施形態と同様にステップS1330〜S1350にて第一色変換部P4によるCIECAM02の順変換と、ガマット修正部P5によるJ’C’h’への修正と、第二色変換部P6によるCIECAM02の逆変換がディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dに応じて行われる。これにより、元のXYZ値に基づいてX’Y’Z’値を得ることができる。ステップS1360においては、元のXYZ値とステップS1330〜S1350による変換後のX’Y’Z’値との対応関係を記憶する。ステップS1320またはステップS1330〜S1350によって得られたX’Y’Z’値は、ステップS1370にて前実施形態と同様にCMYK値に変換される。また、ステップS1380を実行することにより前実施形態と同様に全ての画素に関してCMYK値が得られるまで各画素の変換が繰り返される。
以上の処理を行うことにより、CMYK表色系の画像データに色変換を行うことができる。また、すでに作成された派生GMT13iとディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせが合致した場合には、CIECAM02の演算を行うことなく色変換を実現することができるため、処理の効率を向上させることができる。ステップS1390においては、オンになっていたフラグをオフにする。さらに、ステップS1400においては、ステップS1350において記憶したXYZ値とX’Y’Z’値との対応関係に基づいて派生テーブル作成部P9が派生GMT13iを作成する。多数の画素で構成される画像データ13bの個々の画素についてXYZ値とX’Y’Z’値との対応関係が得られているため、これらに基づいて派生GMT13iを生成することができる。具体的には、色空間の全体を網羅するグリッド上にてXYZ値とX’Y’Z’値との対応関係が記述できるように派生GMT13iを作成する。その際、XYZ値とX’Y’Z’値との対応関係が得られていない領域については、近隣の対応関係に基づいて補間を行うことにより、グリッド上におけるXYZ値とX’Y’Z’値との対応関係を推測する。
以上のようにして派生GMT13iのボディを作成することができる。派生GMT13iは、ステップS1330〜S1350を順次行うことによって得られたX’Y’Z’値とXYZ値との対応関係に基づいて作成されるため、ディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dを考慮したものとすることができる。さらに、このボディに対してステップS1320〜S1340を行った際のディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせを特定するヘッダを添付する。これにより、図21にて示した派生GMT13iを作成することができ、以降の色変換において第三色変換部P10が使用することができる。また、新たな派生GMT13iについて、ディスプレイ60およびプリンタ20の環境パラメータLA,c,Nc,Fと属性A〜Dの組み合わせの適合性を判断することができる。さらに、図21に示した派生GMT13iに対して、さらにaRGB表色系のカラープロファイルや色変換LUT13dをマージすることも可能である。この場合、aRGB表色系からCMYK表色系へ直接色変換を行うことができ、第三色変換部P10のみで色変換を実現することができる。
コンピュータのハードウェア構成図である。 プログラムのソフトウェア構成図である。 環境パラメータ取得処理のフローチャートである。 テストパターンの一例を示す図である。 色度エリアの一例を示す図である。 照明光の分光分布を示すグラフである。 グレーの分光反射率を示すグラフである。 照度エリアの一例を示す図である。 知覚レベルと空間周波数の関係を示すグラフである。 分解限界周波数の照度依存性を示すグラフである。 周囲比と環境パラメータとの対応関係を示す表である。 色変換処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理の流れを示す模式図である。 GMTを示す図である。 GMTを示すグラフである。 ユニーク色の色相角と色相成分と離心率を示す表である。 変形例にかかる色変換処理の流れを示す模式図である。 変形例にかかるプログラムのソフトウェア構成図である。 変形例にかかる色変換処理の流れを示すフローチャートである。 属性と環境パラメータの組み合わせを示す表である。 派生GMTを示す図である。
符号の説明
10…コンピュータ,10a…バス,11…CPU,12…RAM,13…HDD,13a…プログラムデータ,13b…画像データ,13c…テストパターンデータ,13d…色変換LUT,13e…ガマットデータ,13f…環境パラメータ,13g…ガマット修正テーブル,13h…分光分布データ,派生GMT13i,14…USBI/F,15…入力機器I/F,16…ビデオI/F,20…プリンタ,40…マウス,50…キーボード,60…ディスプレイ,P…プリンタドライバ,P1…画像データ取得部,P2…環境パラメータ取得部,P3…属性取得部,P4…第一色変換部,P5…ガマット修正部,P6…第二色変換部,P7…ハーフトーン処理部,P8…印刷データ生成部,P9…派生テーブル作成部,P10…第三色変換部,S1…色度エリア,S2…照度エリア


Claims (12)

  1. 第一出力デバイスに入力可能な第一表色系で各画素の色が表現された元画像データを、第二出力デバイスに入力可能な第二表色系で各画素の色が表現された色変換画像データに変換する色変換装置において、
    上記第一出力デバイスおよび上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの環境パラメータを取得する環境パラメータ取得手段と、
    色変換の対象となる上記元画像データの属性を取得する属性取得手段と、
    上記第一出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、上記元画像データを各画素の色が第三表色系で表現された画像データに変換する第一色変換手段と、
    修正前後の対応関係を特定した複数の修正プロファイルから上記元画像データの属性に適合するものを選択し、同選択された修正プロファイルに基づいて上記第一色変換手段にて変換された画像データを上記第三表色系にて修正する修正手段と、
    上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、上記修正手段にて修正された画像データを上記色変換画像データに変換する第二色変換手段とを具備することを特徴とする色変換装置。
  2. 上記修正プロファイルは、上記第一表色系による色空間の色域と上記第二表色系による色空間の色域との差に基づく修正を行うこと特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  3. 上記修正プロファイルは、上記第三表色系における修正前後の色座標値が複数記述されたテーブルであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の色変換装置。
  4. 上記属性取得手段は、上記元画像データが採用する上記第一表色系の種類を上記属性として取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の色変換装置。
  5. 上記属性取得手段は、上記元画像データを画像解析することにより上記元画像データの属性を取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の色変換装置。
  6. 上記属性取得手段は、上記元画像データに添付された同画像データの付帯情報に基づいて上記元画像データの属性を取得することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の色変換装置。
  7. 上記修正手段は、上記元画像データの属性が自然画であるとき修正前後で彩度の変動量が少ない上記修正プロファイルを選択することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の色変換装置。
  8. 上記修正手段は、上記元画像データの属性がCG画であるとき修正前後で明度の変動量が少ない上記修正プロファイルを選択することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の色変換装置。
  9. 上記環境パラメータと上記修正プロファイルを使用して上記第一色変換手段と上記修正手段と上記第二色変換手段にて変換および修正を順次行うことにより特定される上記第一表色系と上記第二表色系との対応関係がテーブルとして記述された派生テーブルを作成する派生テーブル作成手段と、
    上記環境パラメータ取得手段と上記属性取得手段が取得した上記環境パラメータと上記属性との組み合わせが、上記派生テーブルを作成したときの上記環境パラメータと上記修正プロファイルとの組み合わせと合致する場合に、当該派生テーブルを参照して上記元画像データを上記色変換画像データに変換する第三色変換手段とを具備することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の色変換装置。
  10. 上記環境パラメータ取得手段は、テストパターンを印刷媒体に出力し、その視覚結果に基づいて、上記環境パラメータを取得することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の色変換装置。
  11. 第一出力デバイスに入力可能な第一表色系で各画素の色が表現された元画像データを、第二出力デバイスに入力可能な第二表色系で各画素の色が表現された色変換画像データに変換する色変換方法において、
    上記第一出力デバイスおよび上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの環境パラメータを取得し、
    色変換の対象となる上記元画像データの属性を取得し、
    上記第一出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、上記元画像データを各画素の色が第三表色系で表現された画像データに変換し、
    修正前後の対応関係を特定した複数の修正プロファイルから上記元画像データの属性に適合するものを選択し、同選択された修正プロファイルに基づいて、第三表色系に変換された画像データを上記第三表色系にて修正し、
    上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、修正された画像データを上記色変換画像データに変換することを特徴とする色変換方法。
  12. 第一出力デバイスに入力可能な第一表色系で各画素の色が表現された元画像データを、第二出力デバイスに入力可能な第二表色系で各画素の色が表現された色変換画像データに変換する機能をコンピュータ上にて実現させる色変換プログラムにおいて、
    上記第一出力デバイスおよび上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの環境パラメータを取得する環境パラメータ取得機能と、
    色変換の対象となる上記元画像データの属性を取得する属性取得機能と、
    上記第一出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、上記元画像データを各画素の色が第三表色系で表現された画像データに変換する第一色変換機能と、
    修正前後の対応関係を特定した複数の修正プロファイルから上記元画像データの属性に適合するものを選択し、同選択された修正プロファイルに基づいて上記第一色変換機能にて変換された画像データを上記第三表色系にて修正する修正機能と、
    上記第二出力デバイスの出力結果を観察するときの上記環境パラメータを代入した変換プロファイルを利用して、上記修正機能にて修正された画像データを上記色変換画像データに変換する第二色変換機能とをコンピュータ上にて実現させることを特徴とする色変換プログラム。


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JP2015080041A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 富士ゼロックス株式会社 色変換プロファイル生成装置、色変換プロファイル生成プログラム、及び色変換装置

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